JP5944240B2 - 蒸気弁装置および発電設備 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、蒸気弁装置および発電設備に関する。
通常、蒸気タービンを備えた発電設備には、蒸気タービンに蒸気を送るための蒸気加減弁が使用されている。蒸気加減弁では、筒状のブッシュに挿入した弁棒がブッシュの内面を往復動作している。
ところで、ブッシュと弁棒とのすき間は、蒸気が外部へ漏れ出さないように、できるだけ小さくしたい。しかし、すき間をあまり小さくしすぎると、蒸気加減弁が動作したときの弁棒の熱膨張や酸化物の付着などの影響で弁棒が動かなくなる自体も起こり得る。
特開2010−159829号公報
近年では、発電設備の高性能化のため蒸気圧力や蒸気温度条件が上昇しており、蒸気加減弁が動作したときに往復動作する弁棒が熱膨張や酸化物の付着などといった外形上の変化の影響を受けやすく、ブッシュと弁棒の間隙設計寸法を拡大せざるを得ず、結果的に蒸気漏洩量が増加する傾向にある。
本発明が解決しようとする課題は、熱膨張および酸化物の付着に強く、漏洩する蒸気量を低減でき、さらには蒸気タービンおよび発電設備全体の効率を向上することができる蒸気弁装置および発電設備を提供することにある。
実施形態の蒸気弁装置は、弁棒、弁本体、弁棒支持部、シール部を備える。前記弁棒には先端に弁体が設けられている。前記弁本体は蒸気の入口と、この入口から流入した蒸気が流出する出口と、この出口と対向して設けられた開口とを備えている。前記弁本体は前記開口を通じて挿入された前記弁棒の軸方向の動きにより前記弁体にて前記出口を開閉する。前記弁棒支持部は前記弁本体の前記開口の上部に、前記弁棒を囲むように設けられている。前記弁棒支持部は軸方向に動く前記弁棒を支持する。前記シール部は前記弁本体の前記開口の位置で前記弁棒支持部に固定されている。前記シール部は前記弁棒を通す環状の内縁部を有している。前記シール部は前記内縁部が前記弁棒に付着する酸化物よりも軟質の素材を備えている
第1実施形態の発電設備の構成を示す図である。 蒸気加減弁の構造を示す断面図である。 図2の符号Aの部分の拡大図である。 シール部材の一例を示す図である。 シール部材の変形例を示す図である。 シール部材の変形例を示す図である。 第3実施形態の構成を示す図である。
以下、図面を参照して、実施形態を詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は第1実施形態の発電設備の構成を示す図である。
図1に示すように、この第1実施形態の発電設備は、ボイラー700、主蒸気止め弁701、蒸気弁装置としての蒸気加減弁702、高圧タービン710、逆止弁707、再熱蒸気止め弁703、インターセプト弁704、中圧タービン711、低圧タービン712、復水器713、給水ポンプ714などを有している。
この発電設備では、ボイラー700からの蒸気が主蒸気止め弁701、蒸気加減弁702を通過し、高圧タービン710で仕事をした後、逆止弁707を経由して再びボイラー700の再熱器にて加熱され、再熱蒸気止め弁703、インターセプト弁704を経て中圧タービン711、低圧タービン712へ流入して仕事をする。
そして、低圧タービン712より流出した蒸気は復水器713により水に戻されて、給水ポンプ714にて昇圧して再びボイラー700に供給されるという、循環系が形成されている。
またこの発電設備では、プラントの運用効率を高めるために、主蒸気止め弁701の流入側とボイラー700の再熱器の流入側とを結ぶ流路に設けられた高圧タービンバイパス弁705やボイラー700の再熱器の流出側と復水器713との間に接続された流路に低圧タービンバイパス弁706が設置されており、タービンの運転に係わらずボイラー系単独の循環運転ができるようになっている。
高圧タービン710の前段に使用されている蒸気加減弁702は、図2に示すように、蒸気弁本体200、ブッシュ201、上蓋202、蒸気の出口としての弁座203、弁体204、弁棒205、蒸気の入口である開口207、蒸気の出口である開口208、弁棒205および弁体204の挿入口である開口209、シール部としてのシール部材301を有する。
蒸気弁本体200には、蒸気の流入口である開口207と、この開口207から流入した蒸気が流出する出口である弁座203と、この弁座203と対向して設けられた開口209と、中央部に設けられた空間である蒸気室210とが備えられている。
蒸気弁本体200の蒸気室210には弁座203が設けられている。弁座203には、蒸気の出口である開口208が設けられている。この開口208は蒸気弁本体200から蒸気を流出させるものである。
蒸気弁本体200では、開口209を通じて蒸気室210内に挿入された弁棒205の軸方向の動きにより弁体204にて弁座203の開口208(出口)を開閉する。
上蓋202は蒸気弁本体200の開口209の上部に固定されており、蒸気弁本体200の上面を閉塞するものである。上蓋202には上下方向に貫通する貫通口が設けられており、開口209に続いている。また上蓋202の上方には油圧駆動機構206が支持されている。油圧駆動機構206には弁棒205が下方(鉛直方向)に向けて支持(連結)されている。
この弁棒205は油圧駆動機構206により上下に往復動作するようになっている。この例の場合、上蓋202の貫通口が弁棒205との摺動面となることから、この部分に、摩擦に強い金属を素材とする円筒状のブッシュ201が挿着されている。
このブッシュ201と上蓋202を総称して弁棒支持部という。この弁棒支持部は蒸気弁本体200の開口209の上部に、弁棒205を囲むように設けられている。弁棒支持部は軸方向に動く弁棒205が横ぶれしないように支持(ガイド)するものである。
すなわち、蒸気加減弁702は、ボイラー700からの蒸気を開口207から蒸気室210内に流入Inさせ、油圧駆動機構206が弁棒205の先端の弁体204を引き上げまたは押し付ける動作(往復動作)を行うことにより、弁座203の開口208が開閉し蒸気室210からの蒸気の流出Outを制御するものである。
弁体204は弁座203に当接して弁座203の開口を開閉するように設けられている。この弁体204は蒸気弁本体200内部の上蓋202の貫通口に挿入された弁棒205の先端部に設けられている。
シール部材301は、環状の部材であり、弁棒205を通す環状の内縁部を有している。この内縁部は弁棒205に付着する酸化物、例えば酸化スケールなどよりも軟質の素材で少なくとも表面が形成されている。シール部材301は、蒸気弁本体200の開口209の位置で弁棒支持部(上蓋202)に固定されている。
このような構造の蒸気加減弁702では、油圧駆動機構206により弁棒205が上下方向に駆動されると、弁体204が弁座203と当接または開離して蒸気の流路が開閉し、高圧タービン710へ流れる蒸気量が制御されることで高圧タービン710の回転数が制御される。
また、弁棒205とブッシュ201の部分を設計する上で、弁棒205の摺動面となるブッシュ201の内径寸法と弁棒205の外径寸法との間隙寸法は、弁棒205とブッシュ201の材料組合せによる熱の伸び差、予定された運転期間から予想される弁棒205およびブッシュ201への酸化スケールの付着量などを考慮し、弁棒205の往復動を阻害しない(弁棒スティックの原因とならない)程度に決定される。
ここで、図3を参照して上記弁棒205、ブッシュ201およびシール部材301付近(図2の符号Aの部分)の構成を詳細に説明する。
弁棒205の外径とこの弁棒205が挿入される上蓋202の貫通穴に挿着されたブッシュ201の内径との間隙寸法は、蒸気弁本体200が今後高温化される場合も想定して今までの設計寸法のままとする。
図3に示すように、弁棒205を円環状のシール部材301に通し、シール部材301の上と下に配置した円環状の保護カバー303a,303bでシール部材301を挟んで上蓋202の底面にボルト302で固定する。保護カバー303a,303bの内径はシール部材301の内径よりも大きく(広く)する。
より詳細には、弁棒205の外表面と、シール部材301の内縁部のアブレイダブルコーティング層20とを近接させ、往復動作で摺動するように(互いがこすれ合うように)、シール部材301を上蓋202の底面に複数本のボルト302により取り付ける。ここで近接させるとは弁棒205の外径とブッシュ201の内径との距離(間隔)を同等かより狭い距離(間隔)にすることである。
図4に示すように、シール部材301は、円環状(リング状)の基材19と、この基材19の表面(少なくとも内縁部304)に、アブレイダブルコーティングを施すことで形成したアブレイダブルコーティング層20(被削性造隙皮膜)とを有する。基材19は硬質の金属である。基材19の材質については後述の説明で規定するものとする。
シール部材301の内縁部304(アブレイダブルコーティング層20)は、対向する部品(弁棒205)と接触した場合に優先的に切削を受ける部分(被膜)である。
この例のシール部材301は、切れ目の無い円環状(リング状)であり、その弁棒205に相対する内縁部304の内径寸法は、弁棒205とブッシュ201との間隙よりも狭く、弁棒205との間に間隙を持たず常時接触するように構成される。
このため、シール部材301は、弁棒205の往復動作により弁棒205の外表面に付着した酸化スケールが通過するとき、その酸化スケールがシール部材301のアブレイダブルコーティング層20をスムーズに切削(喰い込み)するよう、アブレイダブルコーティング層20の角部(頂部)が面取りされ、曲面状にされている。図4では曲面状の部分を符号rで示す。
ここで、この実施形態の発電設備における蒸気加減弁702の動作を説明する。
この実施形態の場合、弁棒205の外表面に酸化スケールが付着すると、シール部材301の内縁部304のアブレイダブルコーティング層20が形成された面は、酸化スケールの付着した部分だけ切削されるとともに弁棒205に接触して、それ以外の部分は弁棒205に接触したまま切削されない。
このことは、シール部材301の内面は運転時間の経過ととともに弁棒205に付着した酸化スケールにより切削されるが、その酸化スケールが付着した部分であっても、弁棒205とシール部材301とは常に新しく密着状態を創出することを意味しており、結果的に弁棒205とシール部材301との間隙は常に最小限に抑えることが可能となるので、高い蒸気シール性が達成でき、ましてシール部材301の内面が弁棒205の往復動を阻害(拘束)することはない。
なお、このアブレイダブルコーティング層20の厚みは、許容される切削厚みとなることから、弁棒205とブッシュ201との直径差の半分程度が好ましい。
続いて、図5を参照してシール部材301の変形例を説明する。
図5に示すように、この例のシール部材301は、切れ目の無い環状体(リング状の部材)であり、内縁部304に溝状ポケット21が設けられている。
この場合、切削されたシール部材301の内面のアブレイダブルコーティング層20の切屑は、アブレイダブルコーティング層20の材質そのものが酸化スケールに比べ柔らかいため、弁棒205とブッシュ201との間隙に入り込んでも弁棒205の往復動を阻害(拘束)することはないが、切屑の量が多い場合に間隙に入り込んだ切屑を一時的に保管するために、アブレイダブルコーティング層20が形成された接触面の軸方向に、溝状ポケット21が加工されている。
この溝状ポケット21は、接触面の軸方向長さに応じ複数段設けてもよく、場合によっては剥離した少量の酸化スケールを一時的に保管することも可能であり、定期検査等の運転を休止し分解した機会に清掃を行い除去すればよい。
また、溝状ポケット21をさらに発展させて、図6に示すように、シール部材301の内縁部に複数段のスリット22を設ける。複数段のスリット22をシール部材301の内縁部に入れることで、シール部材301を軸方向に分割したことになり、それらの1片の厚みを薄板状として複数枚集合させてシール部材301を構成することができる。
このように弁棒205と摺動する部分(シール部材301の内縁部304)が薄板状となると、その部分自体が弾性体となり、弁棒205の外表面に付着する酸化スケールに接触しながら弾性変形するため、弁棒205への押し付け力がさらに得られるので、高い蒸気シール性が得られる。
この図6に示した複数段のスリット22を有するシール部材301に放射状、すなわち、弁棒205の軸と平行な方向:縦方向)に複数のスリットを入れて(切り込み加工)、内縁部304を縦および横に分割することで、よりいっそうシール部材301の弾性が増し、弁棒205の外表面に付着する酸化スケールに接触しながら弾性変形しやすくなるため、弁棒205への強い押し付け力が得られるので、さらなる高い蒸気シール性を達成できることは説明するまでもない。
ここで、このように構成された蒸気加減弁702の効果が最大限活かせるように、アブレイダブルコーティング層20と、このアブレイダブルコーティング層20を形成する手段と、この形成を可能とするシール部材301の基材(母材)の材質を規定する。
シール部材301の材質は、シール部材301の内径と弁棒205の外径との間隙を変化させないように、弁棒205と膨張係数が等しく、好ましくは弁棒205は600℃を超すような高温度蒸気に適するINCONELやINCOLOYと呼ばれるニッケル基やコバルト基の耐熱合金などの金属を選定する。シール部材301の母材に適用する金属の材質は弁棒205と同一の材質であることが最も好ましい。
また、アブレイダブルコーティング層20は、600℃を超すような高温度蒸気に適する材料の一例として、主成分がNi-Cr-Al-BN系や、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化マグネシウム、及び酸化ベリリウムの少なくともいずれかを含む酸化物セラミックスおよび耐熱性に優れた快削金属が望ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、酸化スケールよりも上記温度条件を満たす軟質の材料であれば使用可能である。
また、アブレイダブルコーティング層20をシール部材301の内縁部304に皮膜として形成する形成手段としては、アブレイダブル材料を加熱し溶融の微粒子の状態で高速度で衝突させる溶射方式、溶射技術の一部であるコールドスプレー方式、放電加工方式、焼結や肉盛溶接及びメッキ方式等々が望ましいが、本発明の要旨を逸脱しない限りで種々適用できることは説明するまでもない。
このようにこの第1実施形態によれば、円環状(リング状)のシール部材301の内縁部304にアブレイダブルコーティング層20を形成したことで、運転時間の経過ととともに弁棒205の外表面に付着して成長する酸化スケールによりアブレイダブルコーティング層20が切削され、常に新たな接触面が創出されることから、弁棒205とシール部材301とが常に密着するようになり、結果的に弁棒205とシール部材301との間隙は接触(密着)状態が常に保たれ、高い蒸気シール性を達成できる。
このため、ブッシュ201と弁棒205の間隙から漏洩する蒸気を激減させることが可能となり、蒸気タービンの効率向上に大きく貢献できる。
また、シール部材301は、蒸気弁本体200の上部の開口209の位置に嵌め込む構造なので、既設の蒸気弁装置についてもシール部材301の追設が容易なことから、既設の発電設備に増設することで、蒸気タービンの効率を向上させることも可能であり、さらに発電設備全体の効率を向上させることができる。
(第2実施形態)
続いて、第2実施形態を説明する。上記第1実施形態では、アブレイダブルコーティング層20は運転時間の経過とともに弁棒205の外表面に付着して成長する酸化スケールにより切削されることから、弁棒205とシール部材301とは常に密着するように作用することを謳っているが、その反面アブレイダブルコーティング層20の寿命は酸化スケールの生成量に依存することになるため、可能な限り弁棒205の外表面に付着した酸化スケールの生成量を抑制することが望まれる。
通常、蒸気弁装置は、高温高圧下の過酷な蒸気条件の下で使用され、さらに高速蒸気流を制御する役目を担っており、高温下においては、金属表面が活性化状態となり、雰囲気中の高温水蒸気と反応して自ら酸化スケールを生成するメカニズムを持つ。
この酸化スケールの生成量は、弁棒205の母材の組成及び雰囲気条件によって異なり、運転条件の高温化や定期検査周期の延長に伴う長時間使用、そして運転条件である高温高圧水蒸気下で形成される酸化スケールの不均一性による低い保護性のため、酸化スケール厚さは増加することから酸化スケールの生成量を抑制することは容易でない。
通常、蒸気弁装置に用いられる材料を用いて高温雰囲気における酸化スケールの生成試験をした結果、[コバルト基硬質合金<ニッケル30〜50%のニッケル基合金<12%Cr鋼<低合金鋼]の順に酸化スケールの生成量が増加する傾向が判明した。
ニッケル30〜50%のニッケル基合金の場合は、ステライト(商標名)等と称されるコバルト基硬質合金よりも酸化スケールの生成量は多いが時間経過に伴う上昇割合は比較的少なく、12%Cr鋼および低合金鋼については、更に酸化スケールの生成量が多く時間経過に伴う上昇割合が多いことが明かになった。
酸化スケールの生成量は鋼中に含まれるCr量に依存しており、Crの含有量が増えることにより、高温水蒸気環境で保護性酸化皮膜(例えばCr2O3が好ましい)からなる緻密なCr単層酸化皮膜が安定して生成されるためである。
従って、Crの含有量がおおよそ30重量%のコバルト基硬質合金がこれに相当しており、他の材料に比べ酸化スケールの生成量は非常に少ないことになる。
主な蒸気弁装置においてコバルト基硬質合金は、弁体204が弁座203に当接して蒸気を遮断する弁シート部に使用しており、実際の製品においても弁シート部とその周辺の部材では如実に酸化スケールの付着量に差が認められている。
そこで、この第2実施形態は、アブレイダブルコーティング層20と、酸化スケールの生成量が少ないコバルト基硬質合金を外表面に備えた弁棒205とを組み合わせて構成する。
弁棒205の外表面は、アブレイダブルコーティング層20との摺接面となることから、その表面性状(表面あらさ)はRz1.6(ISO規格準拠)より細かいことが好ましく、表面性状が細かいとさらに酸化スケールの付着を抑制することができる。
この第2実施形態によれば、酸化スケールにより切削されるアブレイダブルコーティング層20の量が減少する効果が得られ、蒸気加減弁702を延命することができる。
なお、弁棒205の材料としてコバルト基硬質合金よりも酸化スケールの生成量は多いニッケル基合金を用いて外表面に窒化処理を施した弁棒205と、またはニッケル基合金を用いて前述のように母材の成分元素の酸化物からなる緻密なCr単層酸化皮膜(例えばCr2O3)を外表面に備えた弁棒205のいずれかと、アブレイダブルコーティング層20との摺接面の材料の組み合わせでもよく、これらは前述のコバルト基硬質合金を外表面に備えた弁棒205と比較すると寿命は若干短命となるものの、この実施形態の効果を得るに有効な手段の一つであることは説明するまでもない。
(第3実施形態)
図7は本発明による蒸気弁装置の第3実施形態における要部を示す断面図であり、図1と同一構成部品には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分について説明する。
前述した蒸気加減弁702では、上蓋202を貫通する弁棒205の外径とこの弁棒205の上蓋202の貫通部に設けたブッシュ201の内径との間隙寸法は現状と変らず大きいため、弁棒205が往復動するときに弁棒205がその軸方向と直交する方向に揺動する可能性がある。
これに対して、前述した第1の実施形態の構成では、シール部材301の内面は弁棒205と接触するように組み立てられ、かつ上蓋202に固定された構造であるため、弁棒205が揺動する動きに追従することができない。
そこで、この第3実施形態では、図7に示すように、弁棒205の往復動作方向と直交する方向にスライド可能に、かつ環状ブロック402が弁棒205の外表面と接するようにシール部本体である固定ブロック403を設け、さらにこの固定ブロック403の両外側面に中空円板状の保護カバー303aを配置して固定ブロック403と環状ブロック402とを一体的に上蓋202にボルト302で取り付けるようにした。
すなわち、上記第1実施形態では、シール部を1つの部材(シール部材301)で構成したが、この第3実施形態では、シール部401を、弁棒205の軸に遊嵌された環状ブロック402と、弁棒支持部に固定され、環状ブロック402を弁棒205の軸と直交する方向にスライド自在に支持する固定ブロック403との2ピース構成とした。
環状ブロック402の環状の内縁部304には上記第1実施形態と同様にアブレイダブルコーティング層20(被削性造隙皮膜)が形成されている。
この第3実施形態の場合、保護カバー303aの内径はブッシュ201の内径より大きく設定してあるので、弁棒205と接触することはない。
従って、この第3実施形態のような構成とすれば、第1および第2実施形態の作用効果に加えて、固定ブロック403と保護カバー303aにより、弁棒205の往復動作の方向(軸方向)と直交する方向に環状ブロック402がスライド(移動)可能に保持されているので、弁棒205が往復動と直交する方向に揺動してもシール部材401の内縁部304を弁棒205と接触させた状態で弁棒205の動きに追従させることができる。
また、環状ブロック402は、固定ブロック403と別体になっているので、メンテナンス時に環状ブロック402を容易に交換することができる。
さらに、環状ブロック402は固定ブロック403に取付けられた保護カバー303aにより保護されているので、蒸気弁本体の蒸気入口から蒸気とともに異物が流入しても、環状ブロック402が異物により破損することを防止できる。
なお上記実施形態における環状ブロック402の内縁部304に形成されたアブレイダブルコーティング層20は、弁棒205に付着した酸化スケールにより切削される部品であることから消耗品となるもので、定期検査の際に計画的に交換すべき部品となる。
本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
19…基材、20…アブレイダブルコーティング層、21…溝状ポケット、22…スリット、200…蒸気弁本体、201…ブッシュ、202…上蓋、203…弁座、204…弁体、205…弁棒、206…油圧駆動機構、207,208,209…開口、210…蒸気室、301…シール部材、302…ボルト、303a,303b…保護カバー、304…内縁部、401…シール部、401…シール部材、402…環状ブロック、403…固定ブロック、700…ボイラー、701,703…弁、702…蒸気加減弁、704…インターセプト弁、705…高圧タービンバイパス弁、706…低圧タービンバイパス弁、707…逆止弁、710…高圧タービン、711…中圧タービン、712…低圧タービン、713…復水器、714…給水ポンプ。

Claims (7)

  1. 先端に弁体を設けた弁棒と、
    蒸気の入口と、この入口から流入した蒸気が流出する出口と、この出口と対向して設けられた開口とを備え、前記開口を通じて挿入された前記弁棒の軸方向の動きにより前記弁体にて前記出口を開閉する弁本体と、
    前記弁本体の前記開口の上部に、前記弁棒を囲むように設けられ、軸方向に動く前記弁棒を支持する弁棒支持部と、
    前記弁本体の前記開口の位置で前記弁棒支持部に固定され、前記弁棒を通す環状の内縁部を有し、この内縁部が前記弁棒に付着する酸化物よりも軟質の素材を備えたシール部と
    を具備する蒸気弁装置。
  2. 前記シール部が、
    前記環状の内縁部を有し前記弁棒の軸に遊嵌された環状ブロックと、
    前記弁棒支持部に固定され、前記環状ブロックを前記弁棒の軸と直交する方向にスライド自在に支持する固定ブロックと
    を備える請求項1記載の蒸気弁装置。
  3. 前記シール部の前記内縁部の表面に被削性造隙皮膜備える請求項1または2いずかれ記載の蒸気弁装置。
  4. 前記弁棒の表面にコバルト基硬質合金、クロム単層酸化皮膜および窒化膜のいずれか備える請求項1乃至3いずれか1記載の蒸気弁装置。
  5. 前記シール部の内縁部に、
    縦方向および/または横方向に溝またはスリットを形成した請求項1乃至4いずれか1記載の蒸気弁装置。
  6. 前記シール部に、前記弁棒と膨張係数が等しい材料か、または前記弁棒と同一材料を用いた請求項1乃至5いずれか1記載の蒸気弁装置。
  7. 請求項1乃至6いずれか1記載の蒸気弁装置を備えた発電設備。
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