JP5942425B2 - 鉄スクラップを用いた高炭素溶鉄の製造方法 - Google Patents

鉄スクラップを用いた高炭素溶鉄の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、主原料として鉄スクラップ及び溶銑を使用し、上底吹き転炉型の精錬炉やアーク炉などを用いて高炭素溶鉄を製造する方法に関し、詳しくは、鉄スクラップの加熱及び加炭のために使用する炭材からの温室効果ガスの発生量を削減することのできる高炭素溶鉄の製造方法に関する。
近年、地球環境の保護及び地球温暖化防止の目的から、CO2ガス排出量の削減が重要な課題となっている。特に、製鉄所においては、CO2ガスの排出量削減は、企業の存続にも関わる最重要の課題となっている。一方、省資源及び環境問題の観点から、近年になって発生量の多い鉄スクラップを製鉄所でリサイクル使用して、鋼製品を製造することが技術課題となっている。これは、高炉での溶銑の製造では、鉄鉱石を還元し且つ溶融するために多大なエネルギーを要するのに対し、鉄スクラップは溶解熱のみを必要としており、鉄スクラップを利用することで、鉄鉱石の還元熱分のエネルギー使用量を少なくすることができ、省エネルギー及びCO2ガス削減を実現できるという利点があるからである。
ところで、鉄スクラップを用いて溶融鉄を製造する精錬装置として、従来、一般的にアーク炉が使用されていた。しかし、従来のアーク炉の場合は、鉄スクラップの溶解に多くの電力を消費することから、我が国のように電力価格が高い場合には、製造コストが高くなる。そこで、アーク炉を使用することなく鉄スクラップを経済的に溶解する方法として、酸素ガス供給能力の高い転炉型精錬炉を用い、安価な炭材を酸素ガスで燃焼させ、炭材の燃焼熱を熱源として鉄スクラップを溶解し、溶融鉄を製造する方法が提案されている。
例えば、特許文献1には、酸素上吹き装置及び炉底に設置された炭材導入ノズルを備える酸素上底吹き転炉内で、前記炭材導入ノズルから吹き込む炭材を燃焼させて鉄スクラップなどの固体鉄原料を溶解して溶鋼を製造する方法において、転炉内で所望の出鋼量よりも10〜30%多量の溶鋼(「付加的溶鋼」という)を製造し、所望の出鋼量を出鋼した後、次のチャージで、前記付加的溶鋼を固体鉄原料と一緒に使用し、溶鋼を製造する方法が提案されている。
しかしながら、特許文献1で燃料として使用するコークスや黒鉛などの化石燃料由来の炭材は、燃焼すると大気中のCO2ガス量を増加させる。地球温暖化防止の観点から、化石燃料由来の炭材は、その使用量を極力低減すべきである。
また、特許文献2には、種湯と溶融スラグの存在する溶解専用転炉に、含鉄冷材、炭材、酸素、造滓材を供給して含鉄冷材を加炭・溶解して高炭素溶鉄を得る際に、前記溶解専用転炉からの出湯時に、高炭素溶鉄の一部を炉内に残し、次回の含鉄冷材の加炭・溶解操業の種湯として使用するとともに、溶解専用転炉内の溶融スラグの全部或いは一部を炉内に残し、次回の含鉄冷材の加炭・溶解操業時の鉄ダストの飛散を防止するカバースラグとして使用する技術が提案されている。
しかしながら、特許文献2の溶解専用転炉で加炭材及び燃料として使用するコークス、石炭などの炭材は硫黄の含有量が多く、製造される高炭素溶鉄の硫黄濃度が高くなり、出湯された後の高炭素溶鉄に対して脱硫処理が必要となる。また、特許文献1と同様に、特許文献2で燃料として使用するコークスや黒鉛などの化石燃料由来の炭材は、燃焼すると大気中のCO2ガス量を増加させるので、地球温暖化防止の観点からその使用量は極力低減すべきである。
一方、特許文献3には、従来のアーク炉における電力原単位を改善するべく、鉄スクラップと溶銑とを鉄源としてアーク炉に装入し、且つ、該アーク炉に炭材及び酸素ガスを供給し、炭材の酸素ガスによる燃焼熱を利用して炭素濃度が4.0質量%以上の溶銑を製造する方法が提案されている。
しかしながら、特許文献3で燃料として使用するコークス、石炭、黒鉛などの化石燃料由来の炭材は、特許文献1、2と同様に、燃焼すると大気中のCO2ガス量を増加させることから、地球温暖化防止の観点から、化石燃料由来の炭材は、その使用量を極力低減すべきである。
特開昭56−58916号公報 特開平1−8214号公報 特開2011−111625号公報
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、鉄スクラップを用いて高炭素溶鉄を製造するにあたり、カーボンニュートラルであるバイオマス由来の炭材を、コークスや石炭などの化石燃料由来の炭材に替わる熱源及び加炭材として有効利用し、これによって温室効果ガス発生量を削減することのできる、鉄スクラップを用いた高炭素溶鉄の製造方法を提供することである。
上記課題を解決するための本発明の要旨は以下のとおりである。
[1]鉄スクラップ及び溶銑を鉄源として精錬炉内に装入し、次いで、該精錬炉内に酸素ガスを供給し、前記精錬炉内の前記鉄スクラップを精錬炉内に供給した炭材の前記酸素ガスによる燃焼熱及び前記溶銑の顕熱によって溶解するとともに、前記鉄スクラップを前記炭材及び前記溶銑によって加炭し、炭素濃度が3.0質量%以上の高炭素溶鉄を前記精錬炉内で製造する方法であって、前記炭材の一部または全部としてバイオマス由来の炭材を使用することを特徴とする、鉄スクラップを用いた高炭素溶鉄の製造方法。
[2]前記精錬炉が、前記酸素ガスを上吹き供給する上底吹き転炉型の精錬炉であることを特徴とする、上記[1]に記載の鉄スクラップを用いた高炭素溶鉄の製造方法。
[3]前記精錬炉が、アーク炉であって、前記炭材の燃焼熱及び前記溶銑の顕熱に加えて発生するアークの熱で、前記鉄スクラップを溶解することを特徴とする、上記[1]に記載の鉄スクラップを用いた高炭素溶鉄の製造方法。
[4]前記バイオマス由来の炭材の硫黄濃度が0.10質量%以下であることを特徴とする、上記[1]ないし上記[3]の何れか1項に記載の鉄スクラップを用いた高炭素溶鉄の製造方法。
[5]前記バイオマス由来の炭材の総添加量をX(kg-炭材/t-溶鉄)、該炭材の硫黄濃度をa(質量%)、精錬前の溶銑及び鉄スクラップの硫黄濃度の加重平均値をb(質量%)、精錬終了時の高炭素溶鉄の許容最大硫黄濃度をc(質量%)としたとき、前記炭材の総添加量Xを下記の(1)式で求められる値とし、この炭材の総添加量Xに基づいて前記鉄スクラップの装入量を決定することを特徴とする、上記[1]ないし上記[4]の何れか1項に記載の鉄スクラップを用いた高炭素溶鉄の製造方法。
X=[(c−b)/a]×1000 …(1)
[6]前記バイオマス由来の炭材が、パームヤシ殻由来のバイオマス炭、パームヤシ空果房由来のバイオマス炭、パームヤシ幹由来のバイオマス炭のうちの何れか1種または2種以上であることを特徴とする、上記[1]ないし上記[5]の何れか1項に記載の鉄スクラップを用いた高炭素溶鉄の製造方法。
[7]前記精錬炉内への酸素ガスの供給中に、鉄鉱石、鉄鉱石の焼結鉱、ミルスケール、製鉄ダスト、磁選屑、鋼の切削屑からなる鉄源のうちの何れか1種または2種以上の鉄源を前記精錬炉内に投入することを特徴とする、上記[1]ないし上記[6]の何れか1項に記載の鉄スクラップを用いた高炭素溶鉄の製造方法。
本発明によれば、主原料として鉄スクラップ及び溶銑を使用して高炭素溶鉄を製造する際に、熱源並びに加炭材としてカーボンニュートラルであるバイオマス由来の炭材を使用するので、バイオマス由来の炭材の使用比率に応じて、熱源の燃焼による温室効果ガスの発生量を削減することが実現される。また、硫黄濃度が0.10質量%以下のバイオマス由来の炭材を使用した場合には、炭材から高炭素溶鉄への硫黄の混入が抑制され、製造した高炭素溶鉄は、脱硫処理を施さなくても次工程で運用することができるとともに、硫黄混入に起因する熱源不足を解消させて大量のバイオマス由来の炭材の使用が可能となり、鉄スクラップの配合比率を高めることができ、高炭素溶鉄の生産量を増加させることが可能となる。
本発明を適用した上底吹き転炉型精錬炉設備の縦断面の概要図である。 本発明を適用したアーク炉の縦断面の概要図である。
以下、添付図面を参照して本発明を具体的に説明する。
先ず、本発明を上底吹き転炉型精錬炉設備に適用した第1の形態例を説明する。図1は、本発明を適用した上底吹き転炉型精錬炉設備の縦断面の概要図である。
転炉型精錬炉設備1は、その内部に鉄スクラップ14及び溶銑12が装入され、装入された鉄スクラップ14及び溶銑12から高炭素溶鉄を製造する精錬炉本体2と、精錬炉本体2の上部の炉口3を通って精錬炉本体2の内部空間への上下移動が可能な上吹き酸素ランス4と、炉口3を覆うダクト8を介して精錬炉本体2から発生する排ガス(主にCOガス)を回収するガス回収装置(図示せず)と、ホッパー9、9a、切り出し装置10、10a及びシュート11がその一部分を構成する原料装入装置と、から構成されている。精錬炉本体2には、その炉底を貫通する底吹き羽口5と、その側壁を貫通する出湯口7とが設置されている。底吹き羽口5はガス導入管6と連通しており、底吹き羽口5からは、ガス導入管6を介して供給される、Arガスや窒素ガスなどの攪拌用ガス或いは精錬用酸素ガスが、底吹きガスとして吹き込まれるように構成され、また、シュート11はダクト8を貫通して炉口3の直上に至り、シュート11を介して炉口3から原料が炉内に装入されるように構成されている。
このように構成される上底吹き転炉型精錬炉設備1を用い、以下のようにして本発明を実施する。
先ず、精錬炉本体2に主原料として、鉄スクラップ14と溶銑12とを装入する。本発明において、鉄スクラップ14は、基本的に、精錬炉本体2に供給する炭材15と、上吹きランス4から精錬炉本体2に供給する酸素ガスとの反応熱、つまり、炭材15の燃焼熱によって溶解するので、鉄スクラップ14の配合比率(鉄スクラップの配合比率=鉄スクラップ装入量×100/(溶銑装入量+鉄スクラップ装入量))は、炭材15からの硫黄の混入を考慮しない場合には特に規定する必要はなく、炭材15の使用量に応じて設定すればよい。換言すれば、鉄スクラップ14の任意の配合比率に応じて炭材15の使用量を設定すればよい。但し、鉄スクラップ14の配合比率を高くし過ぎると、溶解時間が長くなるので、鉄スクラップ14の配合比率は最大値で50質量%程度とすればよい。使用する溶銑12には、必要に応じて脱硫、脱珪、脱燐の予備処理を予め実施する。
熱源である炭材15の使用量に基づいて設定した配合比率に沿って鉄スクラップ14を炉内に装入し、次いで、前記配合比率に沿って溶銑12を炉内に装入する。その後、ホッパー9に収納されたバイオマス由来の炭材15を切り出し装置10により所定量切り出し、シュート11を介して炉口3から炉内に熱源として装入する。この場合、炭材15の一部を、鉄スクラップ14とともに予め炉内に装入しても構わない。更に、炉内に精錬用の溶融スラグ13を形成させるべく、生石灰、蛍石、ドロマイトなどの造滓材を、原料装入装置(図示せず)を介して精錬炉本体2の内部に装入する。また更に、炭材15の添加量から算出される発熱量と、造滓剤の添加量及び出湯時の高炭素溶鉄の温度目標値などとを対比した熱計算において、熱余裕が有る場合には、この熱余裕に応じた量の鉄源16をホッパー9aから切り出し装置10aによって切り出し、シュート11を介して炉内に装入する。ホッパー9aから供給される鉄源16は、冷却材として機能する。
この鉄源16としては、鉄鉱石、鉄鉱石の焼結鉱、ミルスケール、製鉄ダスト、磁選屑、及び機械工場で発生する鋼の切削屑のうちの何れか1種または2種以上を適宜選択して使用する。尚、鉄源16にFeOやFe23が含まれる場合も、これらは炉内で溶銑12及び炭材15に含有される炭素によって還元され鉄となるので、資源の有効活用がなされる。また、磁選屑とは、転炉スラグなどに混入する地金分を、破砕したスラグから磁力選別によって回収したものである。
その後、底吹き羽口5から底吹きガスを吹き込みながら、上吹き酸素ランス4から酸素ガスを炉内に供給して精錬を開始する。この場合、上吹き酸素ランス4から供給する酸素ガスが溶銑12に直接衝突すると、溶銑12の脱炭反応(2C+O2=2CO)が起こり、製造される高炭素溶鉄の炭素濃度が低下するので、供給する酸素ガスが、溶銑12の脱炭反応に極力費やされず、炭材15の燃焼に主に費やされるように、上吹き酸素ランス4からの酸素ガスの吹き込み流量及び吹き込み圧力を設定する。
炭材15は酸素ガスにより、「2C+O2=2CO」なる反応式に沿って燃焼し、その燃焼熱が溶融スラグ13を介して溶銑12に伝達され、溶銑12に埋没した鉄スクラップ14が溶解する。但し、溶銑12の脱炭反応による発熱も鉄スクラップ14の溶解に寄与するので、溶銑12の脱炭反応を完全に防止する必要はない。炭材15の一部は溶銑12に溶解し、鉄スクラップ14の溶解に伴って希釈される溶銑12の炭素濃度を上昇させる。つまり、炭材15は、鉄スクラップ14の溶解によって生成する溶融鉄及び溶銑12を加炭する機能を有している。溶銑12の脱炭反応を極力抑制すると同時に炭材15が加炭材として機能することで、製造される高炭素溶鉄の炭素濃度は3.0質量%以上に確保される。そして、この精錬中においても、炭材15と、この炭材15の添加量に応じた量の鉄源16とを、シュート11を介して炉口3より適宜炉内に装入する。
所定量の炭材15及び酸素ガスが供給され、鉄スクラップ14が溶解して所定の温度及び炭素濃度が3.0質量%以上である高炭素溶鉄が生成されたなら、必要に応じて図示せぬ原料装入装置からFe−Mn合金やSi−Mn合金などを高炭素溶鉄に投入し、その後、図示せぬ傾動装置にて精錬炉本体2を傾動させ、出湯口7から取鍋(図示せずに)に高炭素溶鉄を排出して、鉄スクラップ14を用いた高炭素溶鉄の製造を終了する。製造された高炭素溶鉄は、必要に応じて脱硫処理が施された後に転炉での脱炭精錬に供される。
ところで、バイオマス由来の炭材15も、化石燃料由来の炭材と同様に、不純物として硫黄を含有している。上記の説明では、バイオマス由来の炭材15の添加量を規定しておらず、バイオマス由来の炭材15の添加量が多くなれば、製造される高炭素溶鉄の硫黄濃度が目標値を超える虞がある。製造される高炭素溶鉄へのバイオマス由来の炭材15による硫黄の汚染を未然に防止するためには、以下の方法を採用することが好ましい。
即ち、バイオマス由来の炭材15の1チャージあたりの総添加量をX(kg-炭材/t-溶鉄)、この炭材15の硫黄濃度をa(質量%)、精錬前の溶銑12及び鉄スクラップ14の硫黄濃度の加重平均値をb(質量%)、精錬終了時の高炭素溶鉄の許容最大硫黄濃度をc(質量%)とすると、炭材15の総添加量Xの最大値は、下記の(1)式により算出される。
X=[(c−b)/a]×1000 …(1)
熱源及び加炭材としてバイオマス由来の炭材15のみを添加する条件で、バイオマス由来の炭材15の添加量が、(1)式で算出される総添加量X以下の添加量であるならば、炭材15の添加による硫黄濃度の上昇を、高炭素溶鉄の許容最大硫黄濃度c以下に抑えることができる。コークスなどの従来の化石燃料由来の炭材を併用する場合には、化石燃料由来の炭材に含有される硫黄による硫黄濃度の上昇分を考慮してバイオマス由来の炭材15の最大添加量を決める必要がある。つまり、化石燃料由来の炭材によって持ち込まれる硫黄分と、バイオマス由来の炭材15によって持ち込まれる硫黄分との合計量が、高炭素溶鉄の許容最大硫黄濃度cを超えないようにする必要がある。
また、熱源及び加炭材としてバイオマス由来の炭材15のみを添加するとし、バイオマス由来の炭材15の添加量を(1)式で算出される総添加量Xとした条件で鉄スクラップ14の配合比率を求めれば、求められる鉄スクラップ14の配合比率は、製造される高炭素溶鉄に脱硫処理を施さずに済む範囲内の最大値となる。
但し、バイオマス由来の炭材15の添加量を最大値とし、且つ、鉄スクラップ14の配合比率も最大値とした場合は、精錬終了時の高炭素溶鉄の硫黄濃度が許容上限値となる。従って、それ以上の炭材の添加は、バイオマス由来の炭材15であっても、高炭素溶鉄の硫黄濃度が許容最大硫黄濃度c以上になることを意味しており、従って、この場合には、精錬の途中で炭材を投入することは好ましくなく、また、精錬終了時の高炭素溶鉄の測温結果が目標値よりも低い場合も、炭材を投入することは好ましくない。硫黄濃度の上昇を伴わない熱源としてはFe−Si合金や金属Alなどを用いることができる。
使用する炭材15としては、バイオマス由来であればカーボンニュートラルであり、温室効果ガスは発生しないので、温室効果ガス発生の観点からは特に特定する必要はない。但し、バイオマス由来の炭材15も上記のように硫黄を含有しており、大量の添加は高炭素溶鉄の硫黄濃度が上昇するという問題が生じる。種々検討した結果、炭材15の硫黄濃度が0.10質量%以下であれば、炭材添加による高炭素溶鉄中の硫黄濃度の上昇は少なく、大量の炭材15を熱源として使用できることが分った。つまり、使用するバイオマス由来の炭材15としては、硫黄濃度が0.10質量%以下の炭材であることが好ましい。
この観点から、バイオマス由来の炭材15としては、パームヤシ殻由来のバイオマス炭(硫黄濃度≒0.05質量%)、パームヤシ空果房由来のバイオマス炭(硫黄濃度≒0.07質量%)、パームヤシ幹由来のバイオマス炭(硫黄濃度≒0.10質量%)のうちの何れか1種または2種以上を使用することが好ましい。
例えば、精錬前の溶銑12及び鉄スクラップ14の硫黄濃度の加重平均値bと、精錬終了時の高炭素溶鉄の許容最大硫黄濃度cとの差、つまり、精錬中に炭材から混入する硫黄の濃度上昇の許容される上限値が0.001質量%である場合に、炭材として硫黄濃度が0.5質量%の一般的なコークスを利用した場合には、硫黄濃度の規制から炭材原単位として最大2kg-炭材/t-溶鉄のコークスを添加するだけであるが、硫黄濃度が0.10質量%のバイオマス炭を利用した場合は、硫黄濃度がコークスと比較して5分の1であることから、5倍の添加量である10kg-炭材/t-溶鉄のバイオマス炭を添加することができ、添加する熱源の増加に伴って多くの鉄スクラップ14や鉄源16を配合することが可能となる。尚、高炭素溶鉄の許容最大硫黄濃度cは、この高炭素溶鉄を転炉にて脱炭精錬して製造される鋼種の硫黄濃度規格によって決定される。
次いで、本発明をアーク炉に適用した第2の形態例を説明する。図2は、本発明を適用したアーク炉の縦断面の概要図である。
図2において、符号21は直流式アーク炉、22は溶解室、23は炉蓋、24は上部電極、25は炉底電極、26は溶銑装入樋、27は溶銑を収容する装入鍋、28はクレーン、29は出湯口、30は酸素ガス供給ランス、31は炭材供給ランス、32は原料投入シュート、33はアークである。尚、符号12は溶銑、14は鉄スクラップ、15は炭材、16は鉄源であり、これらは第1の形態例の図1と同一である。
炉蓋23を外して溶解室22の内部に鉄スクラップ14を装入し、鉄スクラップ14の装入後、直流式アーク炉21の側壁を貫通して設置される溶銑装入樋26を介して、クレーン28で吊り上げられた装入鍋27から溶銑12を溶解室22に装入する。この場合、鉄スクラップ14は、アーク33の熱、溶銑12の顕熱及び炭材15の燃焼熱によって溶解されるので、鉄スクラップ14の配合比率は、第1の形態例の転炉型精錬炉設備1を使用した場合と異なり、炭材15の供給量に拘わらず、任意の値を設定することができる。
所定量の溶銑12が装入されたなら、装入鍋27からの溶銑12の供給を終え、上部電極24と炉底電極25との間に直流電流を給電し、上部電極24と炉底電極25との間、または、装入された鉄スクラップ14と上部電極24との間でアーク33を発生させる。そして、発生するアーク熱及び溶銑12の顕熱により鉄スクラップ14を溶解して溶融鉄(図示せず)を生成させる。生成する溶融鉄は溶銑12と混合し、溶銑12の炭素濃度は希釈される。
通電後、酸素ガス供給ランス30及び炭材供給ランス31の溶解室22への挿入が可能となったなら、酸素ガス供給ランス30から酸素ガスを、また、炭材供給ランス31から、バイオマス由来の炭材15を、溶解室内の溶銑12または溶融スラグに向けて吹き付ける。吹き付けられた炭材15は、吹き付けられた酸素ガスと反応して燃焼熱を発生し、鉄スクラップ14を溶解するための補助熱源として機能し、電力使用量を軽減する。また、炭材15の一部は、生成する溶融鉄及び炉内の溶銑12に溶け込み、鉄スクラップ14の溶解に伴って希釈される溶銑12の炭素濃度を上昇させ、炭素濃度が3.0質量%以上の高炭素溶鉄が生成される。この場合に、炭材15の一部を、鉄スクラップ14の炉内への装入と同時に、予め溶解室22に装入しても構わない。尚、炭材15は、生成する溶融鉄によって炭素濃度が希釈される溶銑12の炭素濃度を高めるための加炭材としての役割を担うので、供給される酸素ガスの化学当量よりも多い量の炭材15を供給する。
また、鉄スクラップ14が溶解し始めたなら、生産性を向上させるために、原料投入シュート32を介して鉄源16を溶解室22に装入することが好ましい。また、鉄スクラップ14が溶解し始めたなら、生石灰などのフラックスを溶解室22に装入して溶融スラグを溶銑12の上に形成させ、溶銑12の酸化を防止するとともに保温を図ることが好ましい。
溶解室内に所定量、所定温度で且つ炭素濃度が3.0質量%以上である高炭素溶鉄が生成されたなら、傾動装置(図示せず)によって溶解室22を出湯口29の側へ傾動させ、出湯口29から、炭素濃度が3.0質量%以上の高炭素溶鉄を取鍋などの保持容器(図示せず)へ出湯する。出湯後、新たに鉄スクラップ14及び溶銑12を溶解室22に装入し、次回ヒートの溶解を開始する。製造された高炭素溶鉄は、必要に応じて脱硫処理が施された後に転炉での脱炭精錬に供される。
上記の操業において、使用する炭材15及び鉄源16は、第1の形態例に準じる。また、炭材15による高炭素溶鉄の硫黄濃度の上昇を抑制して、精錬終了時の高炭素溶鉄の硫黄濃度を許容最大硫黄濃度c以下に制御する場合には、第1の形態例で説明したように、(1)式を用いてバイオマス由来の炭材15の総添加量Xを設定する。
尚、図2に示すアーク炉は、直流式アーク炉であるが、交流式アーク炉を用いても全く支障なく本発明を適用することができる。また、加炭の方法は、ランスからの上吹き投射で実施しているが、上方からの浴中へのインジェクションでも構わず、また、炉底に専用のノズルを埋設して、底吹きインジェクションでも構わない。
以上説明したように、本発明によれば、主原料として鉄スクラップ14及び溶銑12を使用し、上底吹き転炉型の精錬炉或いはアーク炉を用いて高炭素溶鉄を製造する際に、熱源並びに加炭材としてカーボンニュートラルであるバイオマス由来の炭材を使用するので、バイオマス由来の炭材の使用比率に応じて、熱源の燃焼による温室効果ガスの発生量を削減することが実現される。また、硫黄濃度が0.10質量%以下のバイオマス由来の炭材を使用した場合には、炭材から高炭素溶鉄への硫黄の混入を抑制することができ、製造した高炭素溶鉄への脱硫処理を省略することができるとともに、大量のバイオマス由来の炭材の使用が可能となり、硫黄混入に起因する熱源不足が解消され、鉄スクラップ14の配合比率を高めることができ、高炭素溶鉄の生産量を増加させることが可能となる。
図1に示す転炉型精錬炉設備における本発明の実施例を以下に説明する。
使用した上底吹き転炉型の精錬炉は、炉容量が1チャージ(以下、「ch」と記す)約250トンで、底吹きガスは攪拌用としてArガスを用いた。本実施例における操業条件及び代表的な溶銑成分の例を表1に示す。溶銑は機械攪拌式脱硫装置を用い、脱硫処理を施してある。鉄スクラップとしては、製鉄所で発生する鉄スクラップ(鋳片や鋼板のクロップ屑など)を使用した。
Figure 0005942425
尚、本発明の効果を理解し易くするために、表1に示すように、操業条件のうちの溶銑使用量を170トン、装入する溶銑の温度を1330℃、出湯時の高炭素溶鉄の温度を1400℃の一定の条件とし、更に、造滓材装入量も一定の条件とした。
使用したバイオマス炭は、硫黄含有量が0.05質量%であるパームヤシ殻由来のバイオマス炭(以下、「バイオマス炭A」と記す)、硫黄含有量が0.07質量%であるパームヤシ空果房由来のバイオマス炭(以下、「バイオマス炭B」と記す)、硫黄含有量が0.10質量%であるパームヤシ幹由来のバイオマス炭(以下、「バイオマス炭C」と記す)の3種類を用いた。また、一部の本発明例ではコークス(硫黄含有量=0.50質量%)も併用した。
溶銑及び鉄スクラップの硫黄濃度の加重平均値bと、精錬終了時の高炭素溶鉄の許容最大硫黄濃度cとの差、即ち、精錬中に炭材投入により上昇しても許容できる硫黄量の最大値に基づいて炭材の添加量を決定した。そして、この炭材添加量に応じて鉄スクラップの配合量を決定した。つまり、鉄スクラップの配合量を炭材添加量から定まる最大値に設定した。これは、比較例1も同様である。
但し、本発明例1では、硫黄濃度から求められる炭材添加の上限値とは関係なく、炭材の添加量を比較例1の使用量に一致させた。因みに、比較例1は、炭材としてコークス(硫黄濃度=0.50質量%)を使用し、コークスによる硫黄濃度の上昇量が許容最大硫黄濃度cとなる500kg/chのコークスを添加し、この500kg/chのコークスの添加によって、20トンの鉄スクラップを配合した操業である(鉄スクラップ配合比率=10.5質量%)。表2に、本発明例1〜10及び比較例1の操業条件及び操業結果を示す。
Figure 0005942425
炭材の燃焼によるCO2ガスの発生量は、下記の(2)式の化学反応式を用いて算出した。
C+O2=CO2 …(2)
(2)式によれば、コークス(炭素分=86質量%)1kgあたり3.15kgのCO2ガスが発生し、比較例1では約1577kg/chのCO2ガスが発生した。
本発明例1は、コークスをバイオマス炭Aに全量置き換えて試験を実施した。本発明例1では、コークスをバイオマス炭Aに全量置き換えることで、炭材燃焼による化石燃料由来のCO2ガス排出量はゼロとなり、温室効果ガスの発生量を削減することができた。本発明例1は、比較例1と炭材の添加量が同一であり、鉄スクラップの使用量は同一であった。また、炭材からの硫黄の混入は全く問題にならなかった。
本発明例2〜7では、使用したバイオマス炭の硫黄含有量がコークスよりも低くなった分、許容硫黄濃度の上限までバイオマス炭の添加量を増加させ、それに伴って鉄スクラップの使用量も上限まで増加させた。尚、炭材の添加量が増加した本発明例2〜10では、増加した炭材の添加量1kgあたり約0.8Nm3の酸素ガスを増加させて試験した。
0.001質量%の許容硫黄濃度上昇の上限に対して、本発明例2では、バイオマス炭Aを5000kg/ch添加し、比較例1と比較して鉄スクラップ使用量を12.5t/ch増加させることができ、本発明例3では、バイオマス炭Bを3571kg/ch添加し、比較例1と比較して鉄スクラップ使用量を8.9t/ch増加させることができ、本発明例4では、バイオマス炭Cを2500kg/ch添加し、比較例1と比較して鉄スクラップ使用量を6.3t/ch増加させることができた。
また、0.002質量%の許容硫黄濃度上昇の上限に対して、本発明例5では、バイオマス炭Aを10000kg/ch添加し、比較例1と比較して鉄スクラップ使用量を25.0t/ch増加させることができ、本発明例6では、バイオマス炭Bを7143kg/ch添加し、比較例1と比較して鉄スクラップ使用量を17.9t/ch増加させることができ、本発明例7では、バイオマス炭Cを5000kg/ch添加し、比較例1と比較して鉄スクラップ使用量を12.5t/ch増加させることができた。
本発明例2〜7では、コークスをバイオマス炭に全量置き換えることで、炭材燃焼による化石燃料由来のCO2ガス排出量はゼロとなり、温暖化防止の効果が発揮されるとともに、鉄スクラップ使用量の増加により生産量を増加させることができた。
本発明例8〜10では、コークスの一部をバイオマス炭に置き換えて試験を実施した。コークスとバイオマス炭の使用比率は、高炭素溶鉄の硫黄濃度規制、在庫、環境対策などにより変動させることができる。
本発明例8では、コークス250kg/ch、バイオマス炭Aを2500kg/ch添加し、比較例1と比較して炭材による化石燃料由来のCO2ガス排出量を半分にすることができ、更に、鉄スクラップ使用量を6.9t/ch増加させることができた。本発明例9では、コークス250kg/ch、バイオマス炭Bを1786kg/ch添加し、比較例1と比較して炭材による化石燃料由来のCO2ガス排出量を半分にすることができ、更に、鉄スクラップ使用量を5.0t/ch増加させることができた。本発明例10では、コークス250kg/ch、バイオマス炭Cを1250kg/ch添加し、比較例1と比較して炭材による化石燃料由来のCO2ガス排出量を半分にすることができ、更に、鉄スクラップ使用量を3.8t/ch増加させることができた。
実施例1における本発明例2の条件において、バイオマス炭Aの添加量を5000kg/chとしたまま、鉄スクラップの使用増加量を12.5t/chから10.5t/chに変更し、余剰の熱源に対して炉上から鉄源を投入し、本発明例11〜15を行った。鉄源としては、製鉄ダストの1種である転炉集塵ダスト(「OGダスト」ともいう)、鉄鉱石、鉄鉱石の焼結鉱紛、ミルスケール及び機械工場で発生する鋼の切削屑を使用した。
表3に、本発明例11〜15の操業条件及び操業結果を示す。尚、表3に示す鉄歩留向上とは、鉄源を添加しない場合に比較して、炉上から添加した冷却材が還元され、鉄となった量を示したものである。
Figure 0005942425
鋼の切削屑を添加した本発明例15では、切削屑は還元する必要がなく、高い鉄歩留りの向上が得られたが、鉄酸化物が主体である鉄源を使用した本発明例11〜14においても鉄歩留りの向上が得られた。つまり、鉄酸化物が主体である鉄源であっても、鉄歩留り向上の効果があり、生産量を増加させることが確認できた。つまり、熱源の増加分を鉄スクラップだけではなく、炉上からの鉄源に置き換えても問題はなく、歩留向上の効果があり、生産量を増加させることができた。
本発明においては、カーボンニュートラルであるバイオマス炭を化石燃料からなる従来の炭材の一部または全部と置き換え使用することで、温室効果ガスの発生量を削減することができ、更に、従来の炭材よりも硫黄含有量が低いバイオマス炭を使用することで、高炭素溶鉄の硫黄濃度規制に起因する熱源不足を解消し、従来よりも多くの鉄スクラップや炉上からの鉄源を使用することができ、生産量を増加させることができた。尚、従来技術である比較例1では、炭材としてコークスを用いているが、無煙炭、黒鉛などの炭材を使用しても構わず、これらの無煙炭、黒鉛などの炭材をバイオマス炭に置き換えても何ら問題はない。
1 転炉型精錬炉設備
2 精錬炉本体
3 炉口
4 上吹き酸素ランス
5 底吹き羽口
6 ガス導入管
7 出湯口
8 ダクト
9 ホッパー
10 切り出し装置
11 シュート
12 溶銑
13 溶融スラグ
14 鉄スクラップ
15 炭材
16 鉄源
21 直流式アーク炉
22 溶解室
23 炉蓋
24 上部電極
25 炉底電極
26 溶銑装入樋
27 装入鍋
28 クレーン
29 出湯口
30 酸素ガス供給ランス
31 炭材供給ランス
32 原料投入シュート
33 アーク

Claims (6)

  1. 鉄スクラップ及び溶銑を鉄源として精錬炉内に装入し、次いで、該精錬炉内に酸素ガスを供給し、前記精錬炉内の前記鉄スクラップを精錬炉内に供給した炭材の前記酸素ガスによる燃焼熱及び前記溶銑の顕熱によって溶解するとともに、前記鉄スクラップの溶解によって生成する溶融鉄を前記炭材中の炭素及び前記溶銑中の炭素によって加炭し、炭素濃度が3.0質量%以上の高炭素溶鉄を前記精錬炉内で製造する方法であって、
    前記炭材の全部としてバイオマス由来の炭材を使用するとともに、
    前記バイオマス由来の炭材の総添加量をX(kg-炭材/t-溶鉄)、該炭材の硫黄濃度をa(質量%)、精錬前の溶銑及び鉄スクラップの硫黄濃度の加重平均値をb(質量%)、精錬終了時の高炭素溶鉄の許容最大硫黄濃度をc(質量%)としたとき、前記炭材の総添加量Xを下記の(1)式で算出される値と同一またはそれ未満とし、且つ、この炭材の総添加量Xに基づいて前記鉄スクラップの装入量を決定し、製造される高炭素溶鉄の硫黄濃度を許容最大硫黄濃度c以下に制御することを特徴とする、鉄スクラップを用いた高炭素溶鉄の製造方法。
    X=[(c−b)/a]×1000 …(1)
  2. 前記精錬炉が、前記酸素ガスを上吹き供給する上底吹き転炉型の精錬炉であることを特徴とする、請求項1に記載の鉄スクラップを用いた高炭素溶鉄の製造方法。
  3. 前記精錬炉が、アーク炉であって、前記炭材の燃焼熱及び前記溶銑の顕熱に加えて発生するアークの熱で、前記鉄スクラップを溶解することを特徴とする、請求項1に記載の鉄スクラップを用いた高炭素溶鉄の製造方法。
  4. 前記バイオマス由来の炭材の硫黄濃度が0.10質量%以下であることを特徴とする、請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の鉄スクラップを用いた高炭素溶鉄の製造方法。
  5. 前記バイオマス由来の炭材が、パームヤシ殻由来のバイオマス炭、パームヤシ空果房由来のバイオマス炭、パームヤシ幹由来のバイオマス炭のうちの何れか1種または2種以上であることを特徴とする、請求項1ないし請求項の何れか1項に記載の鉄スクラップを用いた高炭素溶鉄の製造方法。
  6. 前記精錬炉内への酸素ガスの供給中に、鉄鉱石、鉄鉱石の焼結鉱、ミルスケール、製鉄ダスト、磁選屑、鋼の切削屑からなる鉄源のうちの何れか1種または2種以上の鉄源を前記精錬炉内に投入することを特徴とする、請求項1ないし請求項の何れか1項に記載の鉄スクラップを用いた高炭素溶鉄の製造方法。
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