JP5939403B2 - 熱線遮蔽用合わせ構造体 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車などの車両用、建築用の窓材などとして用いられる熱線遮蔽用合わせ構造体に関する。
太陽光線は、近赤外光(熱線)、可視光、紫外光の3つに大きく分けられる。近赤外光(熱線)は熱エネルギーとして人体に感じる波長領域であり、夏季の室内の温度上昇の原因となる。また、紫外光は日焼けや皮膚ガン等人体へ悪影響を及ぼすことが指摘されている。可視光はその透過率を制御することで、窓ガラス等の透明基材にプライバシー保護機能をもたせることができる。
近年、熱線としての近赤外線を遮蔽し、保温及び断熱の性能を付与するために、ガラス、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂等の透明基材に近赤外線吸収能を付与することが求められている。
他方、自動車用などに用いられる安全ガラスとして、対向する複数枚(例えば2枚)の板ガラス間にポリビニルアセタール樹脂等を含む中間層を挟み込んで合わせガラスを構成したものが用いられている。そして、当該中間層に熱線遮蔽機能を持たせた合わせガラスにより、車内に入射する太陽エネルギーを遮断して、冷房負荷や人の熱暑感の軽減を目的としたものが提案されている。
例えば、特許文献1には、2枚の対向する板ガラス間に、0.1μm以下の微細な粒径の酸化錫あるいは酸化インジウムから成る熱線遮蔽性金属酸化物を含有した軟質樹脂層を挟んだ合わせガラスが開示されている。
また、特許文献2には、少なくとも2枚の対向する板ガラスの間に、Sn、Ti、Si、Zn、Zr、Fe、Al、Cr、Co、Ce、In、Ni、Ag、Cu、Pt、Mn、Ta、W、V、Moという金属、当該金属の酸化物、当該金属の窒化物、当該金属の硫化物、当該金属へのSbやFのドープ物、または、これらの複合物を分散した中間層を挟んだ合わせガラスが開示されている。
また、特許文献3には、TiO、ZrO、SnO、Inから成る微粒子と、有機ケイ素または有機ケイ素化合物から成るガラス成分とを、対向する透明板状部材の間に挟んだ自動車用窓ガラスが開示されている。
さらに、特許文献4には、少なくとも2枚の対向する透明ガラス板状体の間に、3層から成る中間層を設け、当該中間層の第2層にSn、Ti、Si、Zn、Zr、Fe、Al、Cr、Co、In、Ni、Ag、Cu、Pt、Mn、Ta、W、V、Moの金属、当該金属の酸化物、当該金属の窒化物、当該金属の硫化物、当該金属へのSbやFのドープ物、または、これらの複合物を分散させ、第1層および第3層の中間層を樹脂層とした合わせガラスが開示されている。
しかし、特許文献1〜4に開示されている従来の合わせガラスは、いずれも高い可視光透過率が求められたときの熱線遮蔽機能が十分でない、という問題点が存在した。
出願人は、熱線遮蔽機能を有する中間層を2枚の板ガラス間に存在させて成り、この中間層が、六ホウ化物微粒子単独、または、六ホウ化物微粒子とITO微粒子および/またはATO微粒子と、ビニル系樹脂とを含有する熱線遮蔽膜により構成された熱線遮蔽用合わせガラス、または、前記中間層が、少なくとも一方の板ガラスの内側に面する面上に形成された上記微粒子が含まれる熱線遮蔽膜と、上記2枚の板ガラス間に介在されるビニル系樹脂を含有する熱線遮蔽膜とで構成された熱線遮蔽用合わせガラスを特許文献5として開示している。
特許文献5に記載したように、六ホウ化物微粒子単独、または、六ホウ化物微粒子とITO微粒子および/またはATO微粒子が、適用された熱線遮蔽用合わせガラスの光学特性は、可視光領域に透過率の極大を持つと共に、近赤外領域に強い吸収を発現して透過率の極小を持つ。この結果、当該熱線遮蔽用合わせガラスは、特許文献1〜4に記載された従来の合わせガラスに比べて、可視光透過率70%以上のときの日射透過率が50%台となる迄改善された。
一方、近赤外線領域の遮蔽機能を有する微粒子として、上述したITO微粒子、ATO微粒子や六ホウ化物微粒子の他に、複合タングステン酸化物微粒子が知られている。出願人は、ポリビニルアセタール樹脂を紫外線硬化樹脂に代替し、当該紫外線硬化樹脂に複合タングステン化合物と六ホウ化物とを含有させた熱線遮蔽膜を中間層とした熱線遮蔽用合わせガラスを特許文献6に開示している。
特開平8−217500号公報 特開平8−259279号公報 特開平4−160041号公報 特開平10−297945号公報 特開2001−89202号公報 特開2010−202495号公報
しかしながら、本発明者らが更なる検討を行った結果、以下の課題が見出された。
即ち、特許文献1〜4に記載された従来の技術に係る合わせガラスでは、上述したように、いずれも高い可視光透過率が求められたときの熱線遮蔽機能が十分でない。さらに透明基材の曇り具合を示すヘイズ値は、車両用窓材で1%以下、建築用窓材で3%以下とする必要があるのに対し、例えば、特許文献5に記載された熱線遮蔽用合わせガラスにおいても、未だ改善の余地を有していた。また、従来の技術に係る熱線遮蔽用合わせガラス等は、いずれも長期使用した際の耐候性が不足していて、経時的に可視光透過率の低下(劣化)が知見されたものである。
本発明は、上記課題に着目してなされたものである。そして、その解決しようとする課題は、熱線遮蔽特性の優れた複合タングステン酸化物微粒子を用い、優れた光学的特性と優れた耐候性とを発揮する熱線遮蔽用合わせ構造体を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明者らは、近赤外線吸収材料である複合タングステン酸化物微粒子と樹脂バインダーを混合し、さらにカルボン酸の金属塩を混合することで、可視光領域に透過率の極大を持つとともに近赤外領域に強い吸収を持ち、ヘイズ値が低く、さらに優れた耐候性を発揮することを知見した。本発明はこのような技術的知見に基づき完成されたものである。
すなわち、本発明の第1の熱線遮蔽用合わせ構造体は、
板ガラス、プラスチック、熱線遮蔽機能を有する微粒子とカルボン酸の金属塩とを含むプラスチックから選ばれた2枚の合わせ板間に、熱線遮蔽機能を有する微粒子とカルボン酸の金属塩とを含む中間層を、介在させてなる熱線遮蔽用合わせ構造体であって、
前記熱線遮蔽機能を有する微粒子が、一般式MWO(0.001≦Y≦1.0、2.2≦Z≦3.0)で示され、M元素がCs、Rb、K、Tlのうちの1種類以上であり、且つ六方晶の結晶構造を持ち、粒子直径が1nm以上、800nm以下である複合タングステン酸化物微粒子であり、
さらに、前記カルボン酸の金属塩を、前記複合タングステン酸化物微粒子100重量部に対して1重量部以上、100重量部以下、含有することを特徴とする。
また、本発明の第2の熱線遮蔽用合わせ構造体は、
熱線遮蔽機能を有する微粒子とカルボン酸の金属塩とを含むプラスチックの合わせ板と、板ガラス、プラスチック、熱線遮蔽機能を有する微粒子とカルボン酸の金属塩とを含むプラスチック、から選ばれた合わせ板との間に、中間層を介在させてなる熱線遮蔽用合わせ構造体であって、
前記熱線遮蔽機能を有する微粒子が、一般式MWO(0.001≦Y≦1.0、2.2≦Z≦3.0)で示され、M元素がCs、Rb、K、Tlのうちの1種類以上であり、且つ六方晶の結晶構造を持ち、粒子径が1nm以上、800nm以下である複合タングステン酸化物微粒子であり、
さらに、前記カルボン酸の金属塩を、前記複合タングステン酸化物微粒子100重量部に対して1重量部以上、100重量部以下、含有することを特徴とする。
また、本発明の第3の熱線遮蔽用合わせ構造体は、
前記カルボン酸の金属塩を構成する金属が、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、マンガン、セシウム、リチウム、ルビジウム、から選択される少なくとも1種であることを特徴とする。
また、本発明の第4の熱線遮蔽用合わせ構造体は、
前記カルボン酸の金属塩を構成するカルボン酸が、酢酸、酪酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、ステアリン酸、2−エチルヘキサン酸から選択される少なくとも1種であることを特徴とする。
また、本発明の第5の熱線遮蔽用合わせ構造体は、
前記プラスチックが、ポリカーボネート樹脂またはアクリル樹脂またはポリエチレンテレフタレート樹脂の、シートまたはフィルムであることを特徴とする。
また、本発明の第6の熱線遮蔽用合わせ構造体は、
前記中間層は、中間膜を有し、当該中間膜中に前記熱線遮蔽機能を有する微粒子とカルボン酸の金属塩が含まれていることを特徴とする。
また、本発明の第7の熱線遮蔽用合わせ構造体は、
前記中間層は、2層以上の積層した中間膜を有し、当該中間膜の少なくとも1層に、前記熱線遮蔽機能を有する微粒子とカルボン酸の金属塩が含まれていることを特徴とする。
また、本発明の第8の熱線遮蔽用合わせ構造体は、
前記中間層は、前記板ガラス、プラスチックから選ばれた2枚の合わせ板の少なくとも一方の内側面に形成された前記熱線遮蔽機能を有する微粒子とカルボン酸の金属塩とが含まれる熱線遮蔽膜と、当該熱線遮蔽膜と重なり合う中間膜と、を有することを特徴とする。
また、本発明の第9の熱線遮蔽用合わせ構造体は、
前記中間層は、前記熱線遮蔽機能を有する微粒子とカルボン酸の金属塩とが含まれる熱線遮蔽膜が樹脂フィルム基板の片面または両面上に形成された熱線遮蔽フィルム基板、または、熱線遮蔽機能を有する微粒子とカルボン酸の金属塩とを内部に含む熱線遮蔽フィルム基板が、2層以上の積層した中間膜の間に積層されていることを特徴とする。
また、本発明の第10の熱線遮蔽用合わせ構造体は、
前記中間層は、中間膜の少なくとも一方の面に熱線遮蔽機能を有する微粒子とカルボン酸の金属塩とが含まれる熱線遮蔽膜が形成されていることを特徴とする。
また、本発明の第11の熱線遮蔽用合わせ構造体は、
前記中間層は、中間膜または2層以上の積層した中間膜と、接着剤層、前記熱線遮蔽機能を有する微粒子とカルボン酸の金属塩とが含まれる熱線遮蔽膜、剥離層の順に積層された積層体と、を有し、
前記積層体の接着剤層は、前記板ガラス、プラスチックから選ばれた一方の合わせ板の内側面に接着し、
前記積層体の剥離層は、前記中間膜または2層以上の積層した前記中間膜と接着していることを特徴とする。
また、本発明の第12の熱線遮蔽用合わせ構造体は、
前記中間層は、中間膜、または、2層以上の積層した中間膜を、有していることを特徴とする。
また、本発明の第13の熱線遮蔽用合わせ構造体は、
前記中間膜を構成する樹脂は、ビニル系樹脂であることを特徴とする。
また、本発明の第14の熱線遮蔽用合わせ構造体は、
前記中間膜を構成するビニル系樹脂は、ポリビニルブチラールまたはエチレン−酢酸ビニル共重合体であることを特徴とする。
本発明に係る熱線遮蔽用合わせ構造体は、一般式MWOで表記される複合タングステン酸化物と、その劣化防止機能を有するカルボン酸の金属塩とを含有していることで、優れた光学的特性と優れた耐候性とを発揮した。
(形態A−1)に係る熱線遮蔽用合わせ構造体の一例の断面図を示す。 (形態A−2)に係る熱線遮蔽用合わせ構造体の一例の断面図を示す。 (形態A−3)に係る熱線遮蔽用合わせ構造体の一例の断面図を示す。 (形態A−4(イ))に係る熱線遮蔽用合わせ構造体の一例の断面図を示す。 (形態A−4(ロ))に係る熱線遮蔽用合わせ構造体の一例の断面図を示す。 (形態A−6)に係る熱線遮蔽用合わせ構造体の一例の製造工程における断面図を示す。 (形態B−7)に係る熱線遮蔽用合わせ構造体の一例の断面図を示す。
本発明は、本発明者らが、従来技術が有する下記課題に着目してなされたものである。
即ち、従来の技術に係る合わせガラス等の熱線遮蔽用合わせ構造体は、いずれも高い可視光透過率が求められたときの熱線遮蔽機能が十分でない。さらに透明基材の曇り具合を示すヘイズ値は、車両用窓材で1%以下、建築用窓材で3%以下であることが求められるのに対し、例えば、特許文献5に記載された熱線遮蔽用合わせガラスにおいても、未だ改善の余地を有していた。また、従来の技術に係る熱線遮蔽用合わせガラス等の熱線遮蔽用合わせ構造体は、いずれも長期使用した際の耐候性が不足していて、経時的に可視光透過率の低下(劣化)、近赤外線吸収機能の低下、色調の変化、ヘイズ値の増加が知見された。
さらに本発明者らは、下記課題に着目した。
即ち、各種窓材に用いられる熱線遮蔽用合わせガラス等には、光学的特性に加えて機械的特性も求められることである。具体的には、安全ガラス等の合わせガラス等には、貫通への耐性が求められる。従来、合わせガラス等に貫通耐性を付与する為、中間層には、ポリビニルアセタール樹脂等のビニル系樹脂が用いられてきた。ところが、ポリビニルアセタール樹脂等のビニル系樹脂へ複合タングステン酸化物微粒子を含有させると光学特性が低下することが知見された。そこで、次善の策として、例えば特許文献6に記載するように、ポリビニルアセタール樹脂を紫外線硬化樹脂に代替し、紫外線硬化樹脂に複合タングステン化合物と六ホウ化物とを含有させた熱線遮蔽膜を開示した。しかし、安全ガラス等の機械的強度充足の観点から、中間層用の樹脂としてポリビニルアセタール樹脂等のビニル系樹脂が好ましいと考えたことである。
本発明は、上記課題に着目してなされたものである。そして、その解決しようとする課題は、熱線遮蔽特性の優れた複合タングステン酸化物微粒子を用い、優れた光学的特性と優れた耐候性とを発揮する熱線遮蔽用合わせ構造体を提供することである。
さらに本発明が解決しようとする課題は、本発明の熱線遮蔽用合わせ構造体における中間膜の主成分として、ポリビニルアセタール樹脂等のビニル系樹脂を用いた場合においても、優れた光学的特性と優れた耐候性とを発揮する熱線遮蔽用合わせ構造体を提供することである。
上述の課題を解決する本発明に係る熱線遮蔽用合わせ構造体は、複合タングステン酸化物微粒子とカルボン酸の金属塩とを有している。
以下、本発明に係る熱線遮蔽用合わせ構造体について、1.熱線遮蔽機能を有する微粒子、2.カルボン酸の金属塩、3.カルボン酸の金属塩が添加された熱線遮蔽機能を有する微粒子の製造方法、4.熱線遮蔽用合わせ構造体、5.熱線遮蔽用合わせ構造体の形態例、6.熱線遮蔽用合わせ構造体の製造方法、および、7.まとめの順で詳細に説明する。
1.(熱線遮蔽機能を有する微粒子)
一般に、自由電子を含む材料は、プラズマ振動によって波長200nmから2600nmの太陽光線の領域周辺にある電磁波に反射吸収応答を示すことが知られている。このような物質の粉末を光の波長より小さい微粒子とすると、可視光領域(波長380nmから780nm)の幾何学散乱が低減されて可視光領域の透明性が得られる。
一般に、三酸化タングステン(WO)中には有効な自由電子が存在しないため、WOは近赤外線領域の吸収反射特性が少なく、赤外線遮蔽材料としては有効ではない。一方、酸素欠損を持つ三酸化タングステンや、三酸化タングステンにNa等の陽性元素を添加したいわゆるタングステンブロンズは、導電性材料であり、自由電子を持つ材料である。さらに、これら材料の単結晶等を分析した結果からも、赤外線領域の光に対する自由電子の応答が示唆されている。
本発明者等は、当該タングステンと酸素との組成範囲が特定範囲にあるとき、近赤外線遮蔽材料として特に有効なものとなることを見出した。具体的には、熱線遮蔽機能を有する微粒子が、一般式MWO(0.001≦Y≦1.0、2.2≦Z≦3.0)で示され、且つ六方晶の結晶構造を持つ複合タングステン酸化物微粒子である。上記複合タングステン酸化物の微粒子は、熱線遮蔽用合わせ構造体に適用された場合、熱線吸収成分として有効に機能する。
上記一般式MWO(0.001≦Y≦1.0、2.2≦Z≦3.0)で示され、且つ六方晶の結晶構造を持つ複合タングステン酸化物微粒子としては、例えばM元素が、Cs、Rb、K、Tlのうちの1種類以上を含むような複合タングステン酸化物微粒子が挙げられる。添加元素Mの添加量は、0.1以上0.5以下が好ましく、更に好ましくは0.33付近が好ましい。これは六方晶の結晶構造から理論的に算出される値が0.33であり、この前後の添加量で好ましい光学特性が得られるからである。典型的な例としてはCs0.33WO、Rb0.33WO、K0.33WO、Tl0.33WOなどを挙げることができるが、Y, Zが上記の範囲に収まるものであれば、有用な熱線吸収特性を得ることができる。
更に、意匠性を考慮すると、透明性を保持したまま近赤外線の効率良い遮蔽を行うことが求められる。本発明に係る、複合タングステン酸化物微粒子を含有する熱線吸収成分は近赤外線領域、特に波長900〜2200nm付近の光を大きく吸収するため、その透過色調は青色系から緑色系となる物が多い。
当該微粒子の粒子径が800nmよりも小さい場合は、光を遮蔽せず、可視光領域の透明性を保持したまま効率良く近赤外線を遮蔽することができる。特に可視光領域の透明性を重視する場合には、粒子径は200nm以下がよく、好ましくは100nm以下がよい。微粒子の粒子径が大きいと、幾何学散乱もしくは回折散乱によって波長400〜780nmの可視光領域の光を散乱して曇りガラスのようになり、鮮明な透明性が不可能だからである。粒子径が200nm以下になると、上記散乱が低減してミー散乱もしくはレイリー散乱領域になる。特に、レイリー散乱領域まで粒子径が減少すると、散乱光は分散粒子径の6乗に反比例して低減するため、粒子径の減少に伴い散乱が低減し透明性が向上する。更に粒子径100nm以下になると散乱光は非常に少なくなり好ましい。光の散乱を回避する観点からは、粒子径が小さい方が好ましく、粒子径が1nm以上であれば工業的な製造は容易である。
また、複合タングステン酸化物微粒子の単位重量あたりの熱線吸収能力は非常に高く、ITOやATOと比較して、4〜10分の1程度の使用量でその効果を発揮する。熱線遮蔽用合わせ構造体に含まれる複合タングステン酸化物微粒子の量は、単位面積あたり0.2g/m〜2.5g/mが望ましい。含有量が0.2g/m以上であると、期待される熱線遮蔽特性が得られる。また、含有量が2.5g/m以下であれば、熱線遮蔽用合わせ構造体の透明性や、樹脂の物性が損なわれず好ましい。
2.(カルボン酸の金属塩)
本発明において、複合タングステン酸化物微粒子へカルボン酸の金属塩を添加するのは、熱線遮蔽用合わせ構造体の耐候性を向上させ、経時的な光学特性の変化を抑制する目的で添加するものである。
本発明者らの知見によれば、カルボン酸の金属塩は、複合タングステン酸化物微粒子の経時劣化を抑制する効果を有する。その経時劣化抑制の具体的な機構については未だ解明されていないが、カルボン酸の金属塩の添加による具体的な効果は、熱線遮蔽用合わせ構造体を所定長期間使用した場合、熱線遮蔽用合わせ構造体の初期と所定長期間使用後の可視光透過率の低下(劣化)を抑制出来ることである。一方、複合タングステン酸化物微粒子へカルボン酸の金属塩を添加しない場合、熱線遮蔽用合わせ構造体の所定長期間使用後は、初期に比べて可視光透過率が低下(劣化)することが確認された。
本発明者らの検討の結果、当該カルボン酸の金属塩を構成する金属として、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムといったアルカリ金属、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムといったアルカリ土類金属、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、セリウムといった遷移金属を用いることで、可視光透過率の劣化抑制の効果が確認されている。なかでも、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、マンガン、セシウム、リチウム、ルビジウム、を用いた場合は、可視光透過率の劣化抑制について顕著な効果が知見された。具体的には、初期の可視光透過率に対して、その変化率が半分以下に抑制されるという顕著な効果を知見した。さらに、上述した金属、特に、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、マンガン、セシウム、リチウム、ルビジウムを用いたカルボン酸の金属塩を複合タングステン酸化物微粒子へ添加することで、これらを用いた熱線遮蔽用合わせ構造体における、ヘイズ値の増加が抑制されるという劣化抑制の効果も確認された。
また、当該カルボン酸の金属塩に用いるカルボン酸は、特に限定されないが、例えば、酢酸、酪酸、吉草酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、2−エチルヘキサン酸、他、一般的に知られている高級脂肪酸が挙げられる。
当該カルボン酸の金属塩の添加量は、複合タングステン酸化物微粒子100重量部に対し1重量部以上、100重量部以下の範囲であることが好ましく、3重量部以上、50重量部以下の範囲がより好ましい。カルボン酸の金属塩添加量が上記範囲にあれば、複合タングステン酸化物微粒子の耐候性向上効果があり、且つ、得られる熱線遮蔽用合わせ構造体の物性に悪影響を及ぼすことがないからである。
3.(カルボン酸の金属塩が添加された熱線遮蔽機能を有する微粒子の製造方法)
所定量の熱線遮蔽機能を有する微粒子と、所定量のカルボン酸の金属塩と、適宜な有機溶媒と、所定量の微粒子分散用分散剤とを混合し、媒体攪拌ミル、超音波ホモジナイザー等を用いて分散処理を行い、カルボン酸の金属塩が添加された熱線遮蔽機能を有する微粒子の分散液を製造することができる。
当該カルボン酸の金属塩が添加された熱線遮蔽機能を有する微粒子の分散液から前記有機溶剤を除去し、カルボン酸の金属塩が添加された熱線遮蔽機能を有する微粒子の分散粉を製造することもできる。
尚、以降に記載する「熱線遮蔽用合わせ構造体」の説明において、「カルボン酸の金属塩が添加された熱線遮蔽機能を有する微粒子」を、単に「熱線遮蔽機能を有する微粒子」と記載する場合がある。
4.(熱線遮蔽用合わせ構造体)
本発明に係る熱線遮蔽用合わせ構造体は、中間層を、板ガラス、プラスチックから選ばれた2枚の合わせ板間に介在させ、且つ前記中間層またはプラスチックの少なくともいずれか1つが熱線遮蔽機能を有する微粒子を含んでなる合わせ構造体である。本発明に係る熱線遮蔽用合わせ構造体について、i.合わせ板、ii.合わせ板を構成するプラスチックに熱線遮蔽機能を有する微粒子を含有させる方法、iii.中間層、の順で説明する。
i.〈合わせ板〉
合わせ板は、中間層をその両側から挟み合わせる板であり、可視光領域において透明な、板ガラス、板状のプラスチックが用いられる。このとき、板ガラス、板状のプラスチックから選ばれる2枚の合わせ板とは、板ガラスと板ガラスの場合、板ガラスとプラスチックの場合、プラスチックとプラスチックの場合、の各構成を含むものである。
合わせ板にプラスチックを用いる場合、当該プラスチックの材質は、熱線遮蔽用合わせ構造体の用途に合わせて適宜に選択され、特に限定されるものではなく用途に応じて選択可能である。例えば、自動車等の輸送機器に用いる場合は、当該輸送機器の運転者や搭乗者の透視性を確保する観点から、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂といった透明樹脂が好ましが、他にも、PET樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、オレフィン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂、等が使用可能である。
合わせ板の形態例として、板ガラスや前記のプラスチックをそのまま用いる形態(本明細書においては便宜的に「形態A」と記載する。)と、前記プラスチックに熱線遮蔽機能を有する微粒子を含有させて用いる形態(本明細書においては便宜的に「形態B」と記載する。)とがある。
ii.〈合わせ板を構成するプラスチックに熱線遮蔽機能を有する微粒子を含有させる方法〉
以下、形態Bにおいて、合わせ板を構成するプラスチックに熱線遮蔽機能を有する微粒子を含有させる方法について、説明する。
熱線遮蔽機能を有する微粒子をプラスチックに練り込むときは、前記プラスチックを融点付近の温度(200〜300℃前後)まで加熱して熱線遮蔽機能を有する微粒子を混合する。そして、プラスチックと熱線遮蔽機能を有する微粒子との混合物をペレット化し、所望の方式でフィルムやシート状等に形成することが可能である。例えば、押し出し成形法、インフレーション成形法、溶液流延法、キャスティング法などにより形成可能である。この時のフィルムやボード等の厚さは、使用目的に応じて適宜選定すればよい。前記プラスチックに対する熱線遮蔽機能を有する微粒子の添加量は、フィルムやシート材の厚さや必要とされる光学特性、機械特性に応じて可変であるが、一般的に樹脂に対して50重量%以下が好ましい。
iii.〈中間層〉
熱線遮蔽機能を有する中間層の形態例として、熱線遮蔽機能を有する微粒子を含ませる中間膜で構成する形態(本明細書においては便宜的に「形態1」と記載する。)がある。また、2層以上の中間膜からなり、少なくともその内の1層に熱線遮蔽機能を有する微粒子を含ませる形態(本明細書においては便宜的に「形態2」と記載する。)がある。また、少なくとも一方の板ガラスまたはプラスチックの内側の面に熱線遮蔽機能を有する微粒子が含まれる熱線遮蔽膜を形成し、当該熱線遮蔽膜に熱線遮蔽機能を有する微粒子を含まない中間膜を重ねる形態(本明細書においては便宜的に「形態3」と記載する。)がある。また、熱線遮蔽機能を有する微粒子が含まれる熱線遮蔽膜が樹脂フィルム基板の片面または両面上に形成された熱線遮蔽フィルム基板、もしくは熱線遮蔽機能を有する微粒子を内部に含む熱線遮蔽フィルム基板と、2層以上の積層した熱線遮蔽機能を有する微粒子を含まない中間膜とで構成される形態(本明細書においては便宜的に「形態4」と記載する。)がある。また、熱線遮蔽機能を有する微粒子を含まない中間膜の一方の面に熱線遮蔽機能を有する微粒子が含まれる熱線遮蔽膜を形成する形態(本明細書においては便宜的に「形態5」と記載する。)がある。また、熱線遮蔽機能を有する微粒子を含まない中間層が、前記板ガラス、プラスチックから選ばれた2枚の合わせ板の一方の内側の面に、接着剤層、前記熱線遮蔽機能を有する微粒子が含まれる熱線遮蔽膜、剥離層の順に積層された積層体の前記接着剤層を接着させ、さらに、前記積層体の前記剥離層側へ前記積層体と重なり合う熱線遮蔽機能を有する微粒子を含まない中間膜または2層以上の積層した熱線遮蔽機能を有する微粒子を含まない中間膜と、を有している形態(本明細書においては便宜的に「形態6」と記載する。)がある。さらに、中間層が熱線遮蔽機能を有する微粒子を含有しない形態(本明細書においては便宜的に「形態7」と記載する。)がある。
尚、上述した「形態3〜7」において、熱線遮蔽機能を有する微粒子を含まない中間膜を、熱線遮蔽機能を有する微粒子を含む中間膜へ、置き換えても良い。
中間膜を構成する材料としては、光学的特性、力学的性質、材料コストの観点から合成樹脂であることが好ましく、ポリビニルアセタール樹脂等のビニル系樹脂であることがさらに好ましい。さらには、同様の観点から、ビニル系樹脂の中でもポリビニルブチラールもしくはエチレン−酢酸ビニル共重合体が好ましい。
5.(熱線遮蔽用合わせ構造体の形態例)
以下、中間膜としてビニル系樹脂を用いた場合を例としながら、上述した、合わせ板の形態A、Bと、熱線遮蔽機能を有する中間層の形態1〜7の各形態例とを、組み合わせた熱線遮蔽用合わせ構造体の形態について、図1〜図7を参照しながら説明する。なお、図1〜図7は、本発明に係る熱線遮蔽用合わせ構造体の模式的な断面図である。
〈形態A−1〉
合わせ板として板ガラスや熱線遮蔽機能を有する微粒子を含有しないプラスチックを用い、中間層が、熱線遮蔽機能を有する微粒子を分散して含む中間膜で構成される熱線遮蔽用合わせ構造体は、例えば、以下のようにして製造される。
熱線遮蔽機能を有する微粒子が可塑剤に分散された添加液を、ビニル系樹脂に添加してビニル系樹脂組成物を調製し、このビニル系樹脂組成物をシート状に成形して中間膜のシートを得、この中間膜のシートを、板ガラス、プラスチックから選ばれた2枚の合わせ板の間に挟み込んで貼り合わせることにより熱線遮蔽用合わせ構造体とする方法が挙げられる。
なお、上記説明では、可塑剤中に熱線遮蔽機能を有する微粒子を分散させる例について説明したが、熱線遮蔽機能を有する微粒子を可塑剤でない適宜な溶媒に分散した分散液を、ビニル系樹脂に添加し、可塑剤は、別に添加する方法でビニル系樹脂組成物を調製してもよい。
これにより高い熱線遮蔽特性を有し、ヘイズ値は低い熱線遮蔽用合わせ構造体を製造することができる。さらに当該方法は、熱線遮蔽用合わせ構造体の製造が容易で、生産コストの安価な熱線遮蔽用合わせ構造体を製造することができる。
図1に、当該(形態A−1)に係る熱線遮蔽用合わせ構造体の一例の断面図を示す。図1に示すように、当該熱線遮蔽用合わせ構造体は、2枚の合わせ板1にて中間層2を挟み込んでいる。当該中間層2は、熱線遮蔽機能を有する微粒子11を分散して含む中間膜12により構成されている。
〈形態B−1〉
少なくとも一方の合わせ板として熱線遮蔽機能を有する微粒子を含有したプラスチックを用い、中間層が、熱線遮蔽機能を有する微粒子を分散して含む中間膜で構成される熱線遮蔽用合わせ構造体は、熱線遮蔽機能を有する微粒子を含有しない2枚の板ガラス、プラスチックの少なくとも1枚を、熱線遮蔽機能を有する微粒子を含有するプラスチックに代替する以外は、(形態A−1)と同様に製造することができる。
当該(形態B−1)は、(形態A−1)と同様に高い熱線遮蔽特性を有し、ヘイズ値は低い熱線遮蔽用合わせ構造体を製造することができる。さらに(形態B−1)も、熱線遮蔽用合わせ構造体の製造が容易で、生産コストの安価な熱線遮蔽用合わせ構造体を製造することができる。
〈形態A−2〉
合わせ板として板ガラスや熱線遮蔽機能を有する微粒子を含有しないプラスチックを用い、中間層が、2層以上の中間膜を有し、少なくともその内の1層に熱線遮蔽機能を有する微粒子が分散して含有される中間膜により構成される熱線遮蔽用合わせ構造体は、例えば、以下のようにして製造される。
熱線遮蔽機能を有する微粒子が可塑剤に分散された添加液をビニル系樹脂に添加してビニル系樹脂組成物を調製し、このビニル系樹脂組成物をシート状に成形して中間膜のシートを得、この中間膜のシートを、熱線遮蔽機能を有する微粒子を含まない他の中間膜のシートと積層させるか、もしくは熱線遮蔽機能を有する微粒子を含まない2層の中間膜のシート間に介在させ、これを板ガラス、プラスチックから選ばれた2枚の合わせ板の間に挟み込んで貼り合わせることにより熱線遮蔽用合わせ構造体とする方法が挙げられる。
なお、(形態1)と同様に、熱線遮蔽機能を有する微粒子を可塑剤に分散させるのではなく、適宜な溶媒に分散された分散液をビニル系樹脂に添加し、可塑剤を別に添加する方法でビニル系樹脂組成物を調製してもよい。これにより高い熱線遮蔽特性を有し、ヘイズ値は低い熱線遮蔽用合わせ構造体を、安価な生産コストで製造することができる。
当該方法によれば、熱線遮蔽機能を有する微粒子を含まない中間膜用シートと、板ガラス、プラスチックから選ばれた2枚の合わせ板との接着性を上げることができるので、熱線遮蔽用合わせ構造体の強度が適度に高まり好ましい。
また、例えば、少なくとも片面にスパッタ法等によってAl膜やAg膜等を形成したPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムを作製し、当該PETフィルムを、上記中間膜間に介在させて中間層を構成したり、熱線遮蔽機能を有する微粒子を含まない中間膜のシートに適宜な添加剤を添加することとしても良い。これら、フィルムの介在や添加剤の添加により、UVカット、色調調整等の機能付加を行うことができる。
図2に、(形態A−2)に係る熱線遮蔽用合わせ構造体の一例の断面図を示す。図2に示すように、当該熱線遮蔽用合わせ構造体は、2枚の合わせ板1にて中間層2を挟み込んでいる。当該中間層2は、熱線遮蔽機能を有する微粒子11が分散して含有される中間膜が、熱線遮蔽機能を有する微粒子を含有しない中間膜12に挟み込まれて構成されている。
〈形態B−2〉
少なくとも一方の合わせ板として熱線遮蔽機能を有する微粒子を含有したプラスチックを用い、中間層が、2層以上の中間膜を有し、少なくともその内の1層に熱線遮蔽機能を有する微粒子が含有される中間膜により構成される熱線遮蔽用合わせ構造体である。当該熱線遮蔽用合わせ構造体は、熱線遮蔽機能を有する微粒子を含有しない2枚の板ガラス、プラスチックの少なくとも1枚を、熱線遮蔽機能を有する微粒子を含有するプラスチックに代替する以外は、(形態A−2)と同様に製造することができる。
これにより高い熱線遮蔽特性を有し、ヘイズ値は低い熱線遮蔽用合わせ構造体を、安価な生産コストで製造することができる。
当該方法によっても、(形態A−2)と同様に、熱線遮蔽機能を有する微粒子を含まない中間膜用シートと、板ガラス、プラスチックから選ばれた2枚の合わせ板との接着性を上げることができるので、熱線遮蔽用合わせ構造体の強度が適度に高まり好ましい。
〈形態A−3〉
合わせ板として板ガラスや熱線遮蔽機能を有する微粒子を含有しないプラスチックを用い、中間層が、少なくとも一方の板ガラスまたはプラスチックの内側の面に形成された熱線遮蔽機能を有する微粒子が含まれる熱線遮蔽膜と、当該熱線遮蔽膜に重ねられた熱線遮蔽機能を有する微粒子を含まない中間膜とを有する熱線遮蔽用合わせ構造体は、例えば、以下のようにして製造される。
可塑剤若しくは適宜な溶媒に熱線遮蔽機能を有する微粒子が分散された添加液へ、適宜なバインダー成分(シリケート等の無機バインダーあるいはアクリル系、ビニル系、ウレタン系の有機バインダー等)を配合して塗布液を調製する。この調製された塗布液を用いて、少なくとも一方の板ガラスまたはプラスチックの内側に位置する面へ熱線遮蔽膜を形成する。次に、熱線遮蔽機能を有する微粒子を含まない樹脂組成物をシート状に成形して中間膜のシートを得、この中間膜のシートを、前記熱線遮蔽膜が形成された少なくとも一方の板ガラスまたはプラスチックの内面側と、熱線遮蔽膜が形成されていないもう一方の板ガラスまたはプラスチック間に挟み込んで貼り合わせることにより熱線遮蔽用合わせ構造体とする方法が挙げられる。
さらに、熱線遮蔽機能を有する微粒子を含まない中間膜用シートに適宜な添加剤を添加することで、UVカット、色調調整、等の機能付加を行うことができる。
図3に、当該(形態A−3)に係る熱線遮蔽用合わせ構造体の一例の断面図を示す。図3に示すように、当該熱線遮蔽用合わせ構造体は、熱線遮蔽機能を有する微粒子11を含む熱線遮蔽膜13が形成された合わせ板1と、熱線遮蔽膜13が形成されていない合わせ板1にて、熱線遮蔽機能を有する微粒子を含まない中間膜12を挟み込んでいる。中間層2は、熱線遮蔽機能を有する微粒子を含有しない中間膜12と、合わせ板上に形成された熱線遮蔽機能を有する微粒子11を含む熱線遮蔽膜13から構成されている。
〈形態B−3〉
少なくとも一方の合わせ板として熱線遮蔽機能を有する微粒子を含有したプラスチックを用い、中間層が、少なくとも一方の板ガラスまたはプラスチックの内側の面に形成された熱線遮蔽機能を有する微粒子が含まれる熱線遮蔽膜と、当該熱線遮蔽膜に重ねられた熱線遮蔽機能を有する微粒子を含まない中間膜とを有する熱線遮蔽用合わせ構造体は、熱線遮蔽機能を有する微粒子を含有しない2枚の板ガラス、プラスチックの少なくとも1枚を、熱線遮蔽機能を有する微粒子を含有するプラスチックに代替する以外は、(形態A−3)と同様に製造することができる。
さらに、熱線遮蔽機能を有する微粒子を含まない中間膜用シートに適宜な添加剤を添加することで、UVカット、色調調整、等の機能付加を行うことができる。
〈形態A−4〉
合わせ板として板ガラスや熱線遮蔽機能を有する微粒子を含有しないプラスチックを用い、中間層が、樹脂フィルム基板の片面または両面上に形成された熱線遮蔽機能を有する微粒子が含まれる熱線遮蔽膜が形成された熱線遮蔽フィルム基板、もしくは熱線遮蔽機能を有する微粒子を内部に含む熱線遮蔽フィルム基板と、2層以上の積層した熱線遮蔽機能を有する微粒子を含まない中間膜とを有する熱線遮蔽用合わせ構造体は、例えば、以下のようにして製造される。
(イ)中間層が、樹脂フィルム基板の片面上に形成された熱線遮蔽機能を有する微粒子が含まれる熱線遮蔽膜が形成された熱線遮蔽フィルム基板と、2層以上の積層した熱線遮蔽機能を有する微粒子を含まない中間膜とを有する場合について説明する。
例えば、可塑剤若しくは適宜な溶媒に熱線遮蔽機能を有する微粒子が分散された塗布液、もしくは前記添加液に適宜なバインダー成分(シリケート等の無機バインダーあるいはアクリル系、ビニル系、ウレタン系の有機バインダー等)を配合して調製した塗布液を用いて、樹脂フィルムの片面に熱線遮蔽膜を形成する。ここで、用いる樹脂フィルムは透明であれば特に限定されない。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド、アラミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルフォンなどが挙げられる。当該樹脂フィルム基板の片面上に熱線遮蔽膜を形成する際、樹脂フィルム表面に対し、樹脂バインダーとの結着性向上を目的として、予めコロナ処理、プラズマ処理、火炎処理、プライマー層コート処理などによる表面処理を施してもよい。次に、熱線遮蔽機能を有する微粒子を含まないビニル系樹脂組成物をシート状に成形して中間膜のシートを得る。この中間膜のシートを2枚用いて、前記片面に熱線遮蔽膜が形成された熱線遮蔽樹脂フィルム基板を、当該中間膜のシートの間に配置して中間層とすることが好ましい。当該構成を採ることで、前記片面に熱線遮蔽膜が形成された樹脂フィルム基板と、合わせ板との間で接着性に関する問題が起きるのを回避できるからである。ここで、2層以上の積層した熱線遮蔽機能を有する微粒子を含まない中間膜の内の1層に、熱線遮蔽機能を有する微粒子や、UVカット、色調調整、等の効果を有する適宜な添加剤を含有させても勿論よい。
(ロ)中間層が、フィルム基板の内部に熱線遮蔽機能を有する微粒子が含まれる熱線遮蔽フィルム基板と、2層以上の積層した熱線遮蔽機能を有する微粒子を含まない中間膜とを有する場合について説明する。
フィルム基板の内部に熱線遮蔽機能を有する微粒子が含まれる熱線遮蔽フィルム基板は、以下の方法で作製することができる。樹脂を、その融点付近の温度(200〜300℃前後)で加熱し、熱線遮蔽機能を有する微粒子と混合する。さらに、当該樹脂と熱線遮蔽機能を有する微粒子との混合物をペレット化し、所定の方式でフィルムやボード等を形成する。例えば、押し出し成形法、インフレーション成形法、溶液流延法、キャスティング法などにより形成可能である。この時のフィルムやボード等の厚さは、使用目的に応じて適宜選定すればよい。当該樹脂に添加する熱線遮蔽機能を有する微粒子量は、基材の厚さや必要とされる光学特性、機械特性に応じて可変であるが、一般的に樹脂に対して50重量%以下が好ましい。次に、熱線遮蔽機能を有する微粒子を含まないビニル系樹脂組成物をシート状に成形して中間膜のシートを得る。前記熱線遮蔽機能を有する微粒子を含む樹脂フィルムを、当該2枚の中間膜のシートの間に配置し中間層とする。この中間層を、板ガラス、プラスチックから選ばれた2枚の合わせ板の間に挟み込んで貼り合わせることにより熱線遮蔽用合わせ構造体とする方法が挙げられる。ここで、2層以上の積層した熱線遮蔽機能を有する微粒子を含まない中間膜の内の1層に熱線遮蔽機能を有する微粒子を含有させても勿論よい。
さらに、所望により、当該熱線遮蔽機能を有する微粒子を含まない中間膜へ、UVカット、色調調整、等の効果を有する適宜な添加剤を、自在且つ容易に添加することができ、多機能を有する熱線遮蔽用合わせ構造体を得ることができる。
さらに、熱線遮蔽機能を有する微粒子を含まない中間膜のシートに適宜な添加剤を添加することで、UVカット、色調調整、等の機能付加を行うことができる。
図4に、当該(形態A−4(イ))に係る熱線遮蔽用合わせ構造体の一例の断面図を示す。図4に示すように、当該熱線遮蔽用合わせ構造体は、2枚の合わせ板1にて中間層2を挟み込んでいる。当該中間層2は、樹脂フィルム14上に熱線遮蔽機能を有する微粒子11を含む熱線遮蔽膜13が形成され、当該樹脂フィルムと熱線遮蔽膜との積層体が熱線遮蔽機能を有する微粒子を含有しない中間膜12に挟み込まれて構成されている。
図5に、当該(形態A−4(ロ))に係る熱線遮蔽用合わせ構造体の一例の断面図を示す。図5に示すように、当該熱線遮蔽用合わせ構造体は、2枚の合わせ板1にて中間層2を挟み込んでいる。当該中間層2は、熱線遮蔽機能を有する微粒子11を含む樹脂フィルム15が熱線遮蔽機能を有する微粒子を含有しない中間膜12に挟み込まれて構成されている。
〈形態B−4〉
少なくとも一方の合わせ板として熱線遮蔽機能を有する微粒子を含有したプラスチックを用い、中間層が、樹脂フィルム基板の片面上に形成された熱線遮蔽機能を有する微粒子が含まれる熱線遮蔽膜が形成された熱線遮蔽フィルム基板と、2層以上の積層した熱線遮蔽機能を有する微粒子を含まない中間膜とを有するか、または、中間層が、フィルム基板の内部に熱線遮蔽機能を有する微粒子が含まれる熱線遮蔽フィルム基板と、2層以上の積層した熱線遮蔽機能を有する微粒子を含まない中間膜とを有する熱線遮蔽用合わせ構造体は、熱線遮蔽機能を有する微粒子を含有しない2枚の板ガラス、プラスチックの少なくとも1枚を、熱線遮蔽機能を有する微粒子を含有するプラスチックに代替する以外は、(形態A−4)と同様に製造することができる。
さらに、熱線遮蔽機能を有する微粒子を含まない中間膜のシートに適宜な添加剤を添加することで、UVカット、色調調整、等の機能付加を行うことができる。
〈形態A−5〉
合わせ板として板ガラスや熱線遮蔽機能を有する微粒子を含有しないプラスチックを用い、中間層が、熱線遮蔽機能を有する微粒子を含まない中間膜の一方の面に熱線遮蔽機能を有する微粒子が含まれる熱線遮蔽膜が形成されたものである熱線遮蔽用合わせ構造体は、例えば、以下のようにして製造される。
可塑剤若しくは適宜な溶媒に熱線遮蔽機能を有する微粒子が分散された添加液へ、適宜なバインダー成分(例えば、シリケート等の無機バインダー、または、アクリル系、ビニル系、ウレタン系の有機バインダー等。)を配合して塗布液を調製する。この塗布液を、熱線遮蔽機能を有する微粒子を含まない樹脂組成物をシート状に成形した中間膜シートの一方の面に塗布して熱線遮蔽膜を形成する。次に、この熱線遮蔽膜が形成された中間膜を、板ガラス、プラスチックから選ばれた2枚の合わせ板の間に挟み込んで貼り合わせることにより熱線遮蔽用合わせ構造体とする方法が挙げられる。
当該方法によれば、熱線遮蔽機能を有する微粒子を含む膜を、熱線遮蔽機能を有する微粒子を含まない中間膜のシートの表面に形成しているので、当該熱線遮蔽機能を有する微粒子へ、さらにフィラー等の添加物を所望に応じて添加することができ、熱線遮蔽特性の向上を図ることができる。これにより高い熱線遮蔽特性を有し、ヘイズ値は低い熱線遮蔽用合わせ構造体を、安価な生産コストで製造することができる。
〈形態B−5〉
少なくとも一方の合わせ板として熱線遮蔽機能を有する微粒子を含有したプラスチックを用い、中間層が、熱線遮蔽機能を有する微粒子を含まない中間膜の少なくとも一方の面に熱線遮蔽機能を有する微粒子が含まれる熱線遮蔽膜が形成されたものである熱線遮蔽用合わせ構造体は、熱線遮蔽機能を有する微粒子を含有しない2枚の板ガラス、プラスチックの少なくとも1枚を、熱線遮蔽機能を有する微粒子を含有するプラスチックに代替する以外は、(形態A−5)と同様に製造することができる。
当該方法によっても、熱線遮蔽機能を有する微粒子を含む膜を、熱線遮蔽機能を有する微粒子を含まない中間膜のシートの表面に形成しているので、当該熱線遮蔽機能を有する微粒子へ、さらにフィラー等の添加物を所望に応じて添加することができ、熱線遮蔽特性の向上を図ることができる。これにより高い熱線遮蔽特性を有し、ヘイズ値は低い熱線遮蔽用合わせ構造体を、安価な生産コストで製造することができる。
〈形態A−6〉
合わせ板として板ガラスや熱線遮蔽機能を有する微粒子を含有しないプラスチックを用い、中間層が、前記板ガラス、プラスチックから選ばれた2枚の合わせ板の一方の内側の面に、接着剤層、前記熱線遮蔽機能を有する微粒子が含まれる熱線遮蔽膜、剥離層の順に積層された積層体の前記接着剤層を接着させ、さらに、前記積層体の前記剥離層側へ前記積層体と重なり合う熱線遮蔽機能を有する微粒子を含まない中間膜または2層以上の積層した熱線遮蔽機能を有する微粒子を含まない中間膜と、を有している熱線遮蔽用合わせ構造体(すなわち、当該熱線遮蔽用合わせ構造体は、「一方の合わせ板/接着剤層/熱線蔽機能を有する微粒子が含まれる熱線遮蔽膜/剥離層/中間膜または2層以上の積層した中間膜/他方の合わせ板」の構造を有している。)は、例えば、以下のようにして製造される。当該工程を図6(A)〜(C)を用いて説明する。図6(A)〜(C)は、(形態A−6)に係る熱線遮蔽用合わせ構造体の一例の、製造工程における断面図を示す。
まず図6(A)に示すように、フィルムシート17(例えば、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリイミド、フッ素などの合成樹脂フィルム、紙、セロファンなどが挙げられる。)の一方の面に剥離層16(例えば、ワックス、アクリル系樹脂、ポリビニルブチラールに代表されるポリビニルアセタールなど)を形成し、この剥離層16上に熱線遮蔽機能を有する微粒子11が含まれる熱線遮蔽膜13を形成し、この熱線遮蔽膜上に接着剤層18(例えば、ポリビニルブチラールに代表されるポリビニルアセタール、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−エチレン共重合体、塩化ビニル−エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体、塩化ビニル−エチレン−グリシジルアクリレート共重合体、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、ポリアミド、ポリメタクリル酸エステル、アクリル酸エステル共重合体などが挙げられる。)を形成して積層体とし転写フィルム19を得る。
この転写フィルム19の接着剤層18を、一方の板ガラスまたはプラスチックの合わせ板1の内側の面に加圧下で接着した後、前記転写フィルムからフィルムシート17を剥離する。すると、剥離層16の効果により積層体よりフィルムシート17のみが剥離される。この状態を図6(B)に示す。
このフィルムシート17の剥離の後、上述した熱線遮蔽機能を有する微粒子を含まない中間膜12または2層以上の積層した熱線遮蔽機能を有する微粒子を含まない中間膜を介して、もう一方の板ガラスまたはプラスチックの合わせ板1の内側の面と加圧下で接着させることにより、図6(C)に示す熱線遮蔽用合わせ構造体とする方法が挙げられる。
この結果、得られる(形態A−6)に係る熱線遮蔽用合わせ構造体の一例は、図6(C)に示すように当該2枚の合わせ板1にて中間層2を挟み込んでいる。そして、当該中間層2は、熱線遮蔽機能を有する微粒子を含まない中間膜12、剥離層16、熱線遮蔽機能を有する微粒子11を含む熱線遮蔽膜13、接着剤層18から構成される。
当該方法によれば、容易に膜厚の薄い熱線遮蔽膜を製造することができ、さらに、熱線遮蔽機能を有する微粒子を含まない中間膜、剥離層や接着剤層へ、適宜な添加剤を加えることで、UVカット、色調調整等の機能付加を行うことができる。
〈形態B−6〉
少なくとも一方の合わせ板として熱線遮蔽機能を有する微粒子を含有したプラスチックを用い、中間層が、前記板ガラス、プラスチックから選ばれた2枚の合わせ板の一方の内側の面に、接着剤層、前記熱線遮蔽機能を有する微粒子が含まれる熱線遮蔽膜、剥離層の順に積層された積層体の前記接着剤層を接着させ、さらに、前記積層体の前記剥離層側へ前記積層体と重なり合う熱線遮蔽機能を有する微粒子を含まない中間膜または2層以上の積層した熱線遮蔽機能を有する微粒子を含まない中間膜と、を有している熱線遮蔽用合わせ構造体(すなわち、当該熱線遮蔽用合わせ構造体は、「一方の合わせ板/接着剤層/熱線遮蔽機能を有する微粒子が含まれる熱線遮蔽膜/剥離層/中間膜または2層以上の積層した中間膜/他方の合わせ板」の構造を有している。)は、熱線遮蔽機能を有する微粒子を含有しない2枚の板ガラス、プラスチックの少なくとも1枚を、熱線遮蔽機能を有する微粒子を含有するプラスチックに代替する以外は、形態A−6と同様に製造することができる。
当該方法によっても、容易に膜厚の薄い熱線遮蔽膜を製造することができ、さらに、熱線遮蔽機能を有する微粒子を含まない中間膜、剥離層や接着剤層へ、適宜な添加剤を加えることで、UVカット、色調調整等の機能付加を行うことができる。
〈形態B−7〉
少なくとも一方の合わせ板として熱線遮蔽機能を有する微粒子を含有したプラスチックを用い、中間層が、熱線遮蔽機能を有する微粒子を含まない、例えば、ビニル系樹脂を含む中間膜により構成された熱線遮蔽用合わせ構造体は、例えば、以下のようにして製造される。可塑剤をビニル系樹脂に添加してビニル系樹脂組成物を調製し、このビニル系樹脂組成物をシート状に成形して中間膜用シートを得る。当該中間膜シートの少なくとも一方の合わせ板として熱線遮蔽機能を有する微粒子を含有したプラスチックを用い、他方の合わせ板にガラス板、プラスチックを用いればよい。
当該方法により、高い熱線遮蔽特性を有し、ヘイズ値は低い熱線遮蔽用合わせ構造体を製造することができる。さらに当該方法は、熱線遮蔽用合わせ構造体の製造が容易で、生産コストの安価な熱線遮蔽用合わせ構造体を製造することができる。
さらに、熱線遮蔽機能を有する微粒子を含まない中間膜および/または他方の合わせ板のプラスチックへ適宜な添加剤を加えることで、UVカット、色調調整等の機能付加を行うことができる。
図7に、当該(形態B−7)に係る熱線遮蔽用合わせ構造体の一例の断面図を示す。図7に示すように、当該熱線遮蔽用合わせ構造体は、熱線遮蔽機能を有する微粒子11を含有する合わせ板20と、当該微粒子を含有しない合わせ板1とで、中間層2を挟み込んでいる。当該中間層2は、熱線遮蔽機能を有する微粒子を含まない中間膜12上により形成されている。
6.(熱線遮蔽用合わせ構造体の製造方法)
熱線遮蔽用合わせ構造体の製造方法について、i.熱線遮蔽用合わせ構造体の製造に適用される添加液あるいは塗布液、ii.熱線遮蔽用合わせ構造体に用いられる可塑剤、iii.熱線遮蔽用合わせ構造体に用いられる中間膜用シート、iv.中間膜用シートの形成方法、v.その他の添加剤、および、vi.熱線遮蔽用合わせ構造体の製造に適用される添加液あるいは塗布液の製造方法、の順で詳細に説明する。
i.〈熱線遮蔽用合わせ構造体の製造に適用される添加液あるいは塗布液〉
熱線遮蔽機能を有する上記微粒子を可塑剤もしくは適宜な溶媒に分散する方法は、微粒子が可塑剤もしくは適宜な溶媒中に均一に分散できる方法であれば任意である。例えば、ビーズミル、ボールミル、サンドミル、超音波分散等の方法を挙げることができ、上記微粒子を可塑剤もしくは適宜な溶媒に均一に分散することによって本発明の熱線遮蔽用合わせ構造体の製造に適用される上記添加液あるいは塗布液が調製される。
熱線遮蔽機能を有する上記微粒子を分散させる溶媒としては特に限定されるものではなく、熱線遮蔽膜を形成する条件およびビニル系樹脂組成物を調製する際に配合されるビニル系樹脂等に合わせて適宜選択することが可能である。例えば、水やエタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、ジアセトンアルコール等のアルコール類、メチルエーテル、エチルエーテル、プロピルエーテル等のエーテル類、エステル類、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、シクロヘキサノン、イソブチルケトン等のケトン類といった各種の有機溶媒が使用可能である。また、必要に応じて酸やアルカリを添加してpH調整してもよい。さらに、上記塗布液中における微粒子の分散安定性を一層向上させるため、各種の界面活性剤、カップリング剤等を添加してもよい。
ii.〈熱線遮蔽用合わせ構造体に用いられる可塑剤〉
本発明に係るビニル系樹脂を主成分とした熱線遮蔽用合わせ構造体に用いられる可塑剤は、一価アルコールと有機酸エステルとの化合物である可塑剤や、多価アルコール有機酸エステル化合物等のエステル系である可塑剤、有機リン酸系可塑剤等のリン酸系である可塑剤が挙げられる。いずれも室温で液状であることが好ましい。特に、多価アルコールと脂肪酸から合成されたエステル化合物である可塑剤が好ましい。
多価アルコールと脂肪酸とから合成されたエステル化合物は特に限定されないが、例えば、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリプロピレングリコール等のグリコールと、酪酸、イソ酪酸、カプロン酸、2−エチル酪酸、ヘプチル酸、n−オクチル酸、2−エチルヘキシル酸、ペラルゴン酸(n−ノニル酸)、デシル酸等の一塩基性有機酸との反応によって得られた、グリコール系エステル化合物が挙げられる。また、テトラエチレングリコール、トリプロピレングリコールと、上記一塩基性有機とのエステル化合物等も挙げられる。
なかでも、トリエチレングリコールジヘキサネート、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチレート、トリエチレングリコールジ−オクタネート、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノネート等のトリエチレングリコールの脂肪酸エステルが好適である。トリエチレングリコールの脂肪酸エステルは、ポリビニルアセタールとの相溶性や耐寒性など様々な性質をバランスよく備えており、加工性、経済性にも優れている。
可塑剤の選択にあたっては、加水分解性に留意する。当該観点からは、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサネート、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチレート、テトラエチレングリコールジ−2−エチルヘキサネートが好ましい。
iii.〈熱線遮蔽用合わせ構造体に用いられる中間膜用シート〉
本発明に係る熱線遮蔽用合わせ構造体に用いられる中間膜用シートに用いるビニル系樹脂としては、例えばポリビニルブチラールに代表されるポリビニルアセタール、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−エチレン共重合体、塩化ビニル−エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体、塩化ビニル−エチレン−グリシジルアクリレート共重合体、塩化ビニル−グリシジルメタクリレート共重合体、塩化ビニル−グリシジルアクリレート共重合体、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、ポリ酢酸ビニルエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアセタール−ポリビニルブチラール混合物等が挙げられる。ガラスやプラスチックとの接着性、透明性、安全性などの観点から、ポリビニルブチラールに代表されるポリビニルアセタールやエチレン−酢酸ビニル共重合体が特に好ましい。
iv.〈中間膜用シートの形成方法〉
熱線遮蔽機能を有する微粒子が含まれる中間膜用シート、または、熱線遮蔽機能を有する微粒子を含まない中間膜用シートの形成方法には、公知の方法が用いられる。例えば、カレンダーロール法、押出法、キャスティング法、インフレーション法等を用いることができる。特に熱線遮蔽機能を有する微粒子とビニル系樹脂組成物が含まれる前者の中間膜用シートにおいて、上記ビニル系樹脂組成物は、例えば熱線遮蔽機能を有する微粒子が可塑剤に分散された添加液をビニル系樹脂に添加し、混練して上記微粒子が均一に分散して成るものであり、このように調製されたビニル系樹脂組成物をシート状に成形することができる。なお、ビニル系樹脂組成物をシート状に成形する際には、必要に応じて、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線遮蔽材等を配合してもよい。
また、シートの貫通性制御のために接着力調整剤を配合してもよい。当該接着力調整剤は、特に限定されないが、アルカリ金属塩および/又はアルカリ土類金属塩が好適に用いられる。当該金属塩を構成する酸は、特に限定されず、例えば、オクチル酸、ヘキシル酸、酪酸、酢酸、蟻酸等のカルボン酸、又は、塩酸、硝酸等の無機酸が挙げられる。アルカリ金属塩および/又はアルカリ土類金属塩の中でも、炭素数2〜16のカルボン酸マグネシウム塩、炭素数2〜16のカルボン酸カリウム塩が好ましい。
当該炭素数2〜16の有機酸のカルボン酸マグネシウム塩、カリウム塩としては、特に限定されないが、例えば、酢酸マグネシウム、酢酸カリウム、プロピオン酸マグネシウム、プロピオン酸カリウム、2−エチルブタン酸マグネシウム、2−エチルブタン酸カリウム、2−エチルヘキサン酸マグネシウム、2−エチルヘキサン酸カリウム等が好適に用いられる。
これらの接着力調整剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、接着力調整剤として、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、セリウムのカルボン酸塩を用いた場合は、本来の接着力調整剤としての作用と、複合タングステン酸化物微粒子の耐候性向上の作用を兼ね備えることができる。
また、本発明の合わせ構造体の製造方法は、上述した合わせ構造体の構成をとる方法であれば、限定されるものではない。
v.〈その他の添加剤〉
本発明に係る熱線遮蔽用合わせ構造体へは、さらに所望により、一般的な添加剤を配合することも可能である。例えば、所望により任意の色調を与えるための、アゾ系染料、シアニン系染料、キノリン系、ペリレン系染料、カーボンブラック等、一般的に熱可塑性樹脂の着色に利用されている染料、顔料を添加しても良い。
また、紫外線吸収剤としてヒンダードフェノール系、リン系等の安定剤、離型剤、ヒドロキシベンゾフェノン系、サリチル酸系、HALS系、トリアゾール系、トリアジン系等の有機紫外線、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウム等の無機紫外線吸収剤を添加しても良い。
さらに、添加剤としてカップリング剤、界面活性剤、帯電防止剤、安定剤、酸化防止剤等を使用することができる。
vi.〈熱線遮蔽用合わせ構造体の製造に適用される添加液あるいは塗布液の製造方法〉
熱線遮蔽用合わせ構造体の製造に適用される添加液あるいは塗布液に用いる、熱線遮蔽体形成用分散液の製造方法について説明する。
本発明に係る熱線遮蔽体形成用分散液は、溶媒と熱線遮蔽機能を有する微粒子とを含有し、当該熱線遮蔽機能を有する微粒子が当該溶媒中に分散している熱線遮蔽体形成用分散液である。当該微粒子を溶媒へ分散させる方法は、均一に分散できる方法であれば特に限定されず、例えば、ビーズミル、ボールミル、サンドミル、ペイントシェーカー、超音波ホモジナイザーなどを用いた粉砕・分散処理方法が挙げられる。これらの器材を用いた分散処理によって、微粒子の溶媒中への分散と同時に微粒子同士の衝突等による微粒子化も進行し、粒子をより微粒子化して分散させることができる(すなわち、粉砕・分散処理される)。
また、熱線遮蔽体形成用分散液は、無機バインダーまたは/及び樹脂バインダーを含む構成とすることができる。無機バインダーや樹脂バインダーの種類は特に限定されるものではない。例えば、当該無機バインダーとして、珪素、ジルコニウム、チタン、または、アルミニウムの金属アルコキシドやこれらの部分加水分解縮重合物またはオルガノシラザンが挙げられ、また、当該樹脂バインダーとして、アクリル樹脂などの熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂などが利用できる。また、前記熱線遮蔽体形成用分散液において、微粒子を分散した溶媒は特に限定されるものではなく、塗布・練り込み条件、塗布・練り込み環境、さらに、無機バインダーや樹脂バインダーを含有させたときはバインダーに合わせて適宜選択すればよい。
当該溶媒としては、例えば、水やエタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、ジアセトンアルコールなどのアルコール類、メチルエーテル、エチルエーテル、プロピルエーテルなどのエーテル類、エステル類、アセトン、メチルエチフケトン、ジエチルケトン、シクロヘキサノン、インブチルケトンなどのケトン類といった各種の有機溶媒が使用可能である。または必要に応じて酸やアルカリを添加してpH調整してもよい。さらに、分散液中の微粒子の分散安定性を一層向上させるためには、各種の界面活性剤、カップリング剤などの添加も勿論可能である。
また、微粒子を樹脂バインダー中に直接分散したものは、媒体表面にコーティングした後、溶媒を蒸発させる必要がないため、環境的にも工業的にも好ましい。
基体表面へのコーティング方法としては、均一にコートできれば特に制限はなく、例えば、バーコート法、グラビヤコート法、スプレーコート法、ディップコート法、フローコート法、スピンコート法、ロールコート法、スクリーン印刷法、ブレードコート法などを用いることができる。これらのコーティング方法により形成した複合タングステン酸化物微粒子および紫外線吸収性酸化物微粒子を含有する層は、スパッタリング法、蒸着法、イオンプレーティング法および化学気相法(CVD法)などの乾式法や、スプレー法で作製した場合に比べて、光の干渉効果を用いなくても、特に紫外領域および近赤外領域の光を効率よく吸収し、同時に可視光領域の光を透過させることができる。
上記媒体や基体に用いる樹脂としては、例えば、紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂、電子線硬化樹脂、常温硬化樹脂、熱可塑性樹脂などを目的に応じて選択することができる。
また、前記熱線遮蔽体形成用分散液中に無機バインダーとして、珪素、ジルコニウム、チタン、もしくはアルミニウムの金属アルコキシド及びその加水分解重合物を含む場合、分散液の塗布後の基材加熱温度を100℃以上とすることで、塗膜中に含まれるアルコキシドまたはその加水分解重合物の重合反応を殆ど完結させることができる。重合反応を殆ど完結させることで、水や有機溶媒が膜中に残留して加熱後の膜の可視光透過率の低減の原因となることを回避できることから、前記加熱温度は100℃以上が好ましく、さらに好ましくは分散液中の溶媒の沸点以上である。
熱線遮蔽体形成用分散液が、樹脂バインダーまたは無機バインダーを含まない場合、透明基材上に得られる被膜は、前記タングステン酸化物の微粒子のみが堆積した膜構造になる。そして当該被膜はこのままでも熱線遮蔽特性を示す。しかし、この膜上へ、さらに珪素、ジルコニウム、チタン、またはアルミニウムの金属アルコキシドやこれらの部分加水分解縮重合物などの無機バインダー、または樹脂バインダーを含む塗布液を塗布して被膜を形成して多層膜とするとよい。当該構成を採ることにより、前記塗布液成分が第1層のタングステン酸化物の微粒子の堆積した間隙を埋めて成膜されるため、膜のヘイズが低減して可視光透過率が向上し、また微粒子の基材への結着性が向上する。
7.(まとめ)
以上、詳細に説明したように、本発明に係る熱線遮蔽用合わせ構造体は、複合タングステン酸化物微粒子にカルボン酸の金属塩を添加することで、太陽光における近赤外線の吸収能を有し、簡便な方法で低コストに製造できる。そして、一般式MWOで表記される複合タングステン酸化物と、その劣化防止剤であるカルボン酸の金属塩が含有されていることで、長時間使用した場合でも、経時的な可視光透過率の低下(劣化)、近赤外線吸収機能の低下、色調の変化、ヘイズ値の増加を抑制でき、優れた光学的特性と優れた耐候性とを発揮した。
さらに、本発明の熱線遮蔽用合わせ構造体における中間膜の主成分として、ポリビニルアセタール樹脂等のビニル系樹脂を用いた場合においても、優れた光学的特性と優れた耐候性とを発揮した。
この結果、本発明の熱線遮蔽用合わせ構造体は、自動車のはめ込みガラス、サイドガラスおよびリヤガラス、鉄道車両の扉ガラスや窓ガラスおよび室内ドアガラスといった車両用の窓材、ビル等の建物における窓ガラスおよび室内ドアガラス等、室内展示用ショーケースおよびショーウィンドー等といった建築用の窓材、種々の用途に使用することができる。
以下、本発明を実施例と比較例とによって、より詳細に説明する。ただし、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
本実施例において、可視光透過率、日射透過率は、日立製作所製の分光光度計を用いて波長200〜2500nmの光の透過率により測定し、JIS R 3106に従って算出した。なお、当該日射透過率は、熱線遮蔽用合わせ構造体の熱線遮蔽特性を示す指標である。
膜のヘイズ値は、村上色彩技術研究所製のHM−150を用いて、JIS K 7105に基づいた測定を行った。
熱線遮蔽用合わせ構造体を長時間使用した際における光学特性変化の評価は、紫外線照射装置(岩崎電気(株)製SUV−W131)にて、各実施例に係る熱線遮蔽用合わせ構造体へ100mW/cmで紫外線を2時間照射して加速試験とし、当該加速試験前後の可視光透過率の変化率およびヘイズ値の変化を測定することにより行った。
(実施例1)
Cs0.33WO微粒子(比表面積20m/g)を20重量部、酢酸マンガンを2重量部、4−メチル−2−ペンタノンを68重量部、微粒子分散用分散剤10重量部を混合し、媒体攪拌ミルで分散処理を行い、平均分散粒子径80nmのCs0.33WO微粒子と酢酸マンガンの分散液を作製した(A液)。
このA液と熱硬化樹脂(固形分100%)と4−メチル−2−ペンタノンを十分混合し塗布液とした。この塗布液を、バーコーターを用いてポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)上に塗布、成膜し、この膜を130℃/30分間加熱硬化させ、熱線遮蔽膜が形成された熱線遮蔽フィルム基板を得た。
当該熱線遮蔽膜が形成された熱線遮蔽フィルム基板を、2枚の熱線遮蔽機能を有する微粒子を含まない中間膜用エチレン−酢酸ビニル共重合体シート間に配置し、これを2枚の対向する無機ガラスで挟み込み、公知の方法で張り合わせ一体化して(形態A−4)、実施例1に係る熱線遮蔽用合わせ構造体1を得た。作製された構造体1の光学特性を表1に示す。
作製された構造体1を試験サンプルとし、紫外線照射装置を使用し、紫外線を2時間照射した後の可視光透過率の変化とヘイズ値の変化とを測定した。この結果を表1に示す。
また、表1には下記の実施例2〜15、表2には下記の実施例16〜30、表3には下記の実施例31〜38、比較例1〜4で得られた結果について示す。
(実施例2)
Rb0.33WO微粒子(比表面積20m/g)を20重量部、酢酸マンガンを2重量部、4−メチル−2−ペンタノンを68重量部、微粒子分散用分散剤10重量部を混合し、媒体攪拌ミルで分散処理を行い、平均分散粒子径80nmのRb0.33WO微粒子と酢酸マンガンの分散液を作製した(B液)。
このB液と熱硬化樹脂(固形分100%)と4−メチル−2−ペンタノンを十分混合し塗布液とした。この塗布液を、バーコーターを用いてポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)上に塗布、成膜し、130℃/30分間加熱硬化させ、熱線遮蔽膜が形成された熱線遮蔽フィルム基板を得た。
当該熱線遮蔽膜が形成された熱線遮蔽フィルム基板を、2枚の熱線遮蔽機能を有する微粒子を含まない中間膜用エチレン−酢酸ビニル共重合体シート間に配置し、これを2枚の対向する無機ガラスで挟み込み、公知の方法で張り合わせ一体化して(形態A−4)、実施例2に係る熱線遮蔽用合わせ構造体2を得た。作製された構造体2の光学特性を表1に示す。
作製された構造体2を試験サンプルとし、紫外線照射装置を使用し、紫外線を2時間照射した後の可視光透過率の変化とヘイズ値の変化とを測定した。この結果を表1に示す。
(実施例3)
0.33WO微粒子(比表面積20m/g)を20重量部、酢酸マンガンを1重量部、4−メチル−2−ペンタノンを69重量部、微粒子分散用分散剤10重量部を混合し、媒体攪拌ミルで分散処理を行い、平均分散粒子径80nmのK0.33WO微粒子と酢酸マンガンの分散液を作製した(C液)。
このC液と熱可塑性樹脂(固形分100%)と4−メチル−2−ペンタノンを十分混合し塗布液とした。この塗布液を、バーコーターを用いてポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)上に塗布、成膜し、120℃/30分間焼成し、熱線遮蔽膜が形成された熱線遮蔽フィルム基板を得た。
当該熱線遮蔽膜が形成された熱線遮蔽フィルム基板を、2熱線遮蔽機能を有する微粒子を含まない枚の中間膜用エチレン−酢酸ビニル共重合体シート間に配置し、これを2枚の対向する無機ガラスで挟み込み、公知の方法で張り合わせ一体化して(形態A−4)、実施例3に係る熱線遮蔽用合わせ構造体3を得た。作製された構造体3の光学特性を表1に示す。
作製された構造体3を試験サンプルとし、紫外線照射装置を使用し、紫外線を2時間照射した後の可視光透過率の変化とヘイズ値の変化とを測定した。この結果を表1に示す。
(実施例4)
Tl0.33WO微粒子(比表面積20m/g)を20重量部、酢酸マンガンを0.6重量部、4−メチル−2−ペンタノンを69.4重量部、微粒子分散用分散剤10重量部を混合し、媒体攪拌ミルで分散処理を行い、平均分散粒子径80nmのTl0.33WO微粒子と酢酸マンガンの分散液を作製した(D液)。
このD液とハードコート用紫外線硬化樹脂(固形分100%)と4−メチル−2−ペンタノンを十分混合し塗布液とした。この塗布液を、バーコーターを用いてポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)上に塗布、成膜し、この膜を70℃で2分間乾燥し溶媒を蒸発させた後、高圧水銀ランプで硬化させ、熱線遮蔽膜が形成された熱線遮蔽フィルム基板を得た。
当該熱線遮蔽膜が形成された熱線遮蔽フィルム基板を、2枚の前記熱線遮蔽機能を有する微粒子を含まない中間膜用エチレン−酢酸ビニル共重合体シート間に配置し、これを2枚の対向する無機ガラスで挟み込み、公知の方法で張り合わせ一体化して(形態A−4)、実施例4に係る熱線遮蔽用合わせ構造体4を得た。作製された構造体4の光学特性を表1に示す。
作製された構造体4を試験サンプルとし、紫外線照射装置を使用し、紫外線を2時間照射した後の可視光透過率の変化とヘイズ値の変化とを測定した。この結果を表1に示す。
(実施例5)
カルボン酸の金属塩として、酢酸マンガンをステアリン酸マンガンへ代替した以外は実施例1と同様にして、実施例5に係る熱線遮蔽用合わせ構造体5を得た。作製された構造体5の光学特性を表1に示す。
作製された構造体5を試験サンプルとし、紫外線照射装置を使用し、紫外線を2時間照射した後の可視光透過率の変化とヘイズ値の変化とを測定した。この結果を表1に示す。
(実施例6)
カルボン酸の金属塩として、酢酸マンガンを2−エチルヘキサン酸マンガンへ代替した以外は実施例1と同様にして、実施例6に係る熱線遮蔽用合わせ構造体6を得た。作製された構造体6の光学特性を表1に示す。
作製された構造体6を試験サンプルとし、紫外線照射装置を使用し、紫外線を2時間照射した後の可視光透過率の変化とヘイズ値の変化とを測定した。この結果を表1に示す。
(実施例7)
カルボン酸の金属塩として、酢酸マンガンを2−エチルヘキサン酸セリウムへ代替した以外は実施例1と同様にして、実施例7に係る熱線遮蔽用合わせ構造体7を得た。作製された構造体7の光学特性を表1に示す。
作製された構造体7を試験サンプルとし、紫外線照射装置を使用し、紫外線を2時間照射した後の可視光透過率の変化とヘイズ値の変化とを測定した。この結果を表1に示す。
(実施例8)
カルボン酸の金属塩として、酢酸マンガンを酢酸ニッケルへ代替した以外は実施例1と同様にして、実施例8に係る熱線遮蔽用合わせ構造体8を得た。作製された構造体8の光学特性を表1に示す。
作製された構造体8を試験サンプルとし、紫外線照射装置を使用し、紫外線を2時間照射した後の可視光透過率の変化とヘイズ値の変化とを測定した。この結果を表1に示す。
(実施例9)
カルボン酸の金属塩として、酢酸マンガンを酢酸マグネシウムへ代替した以外は実施例1と同様にして、実施例9に係る熱線遮蔽用合わせ構造体9を得た。作製された構造体9の光学特性を表1に示す。
作製された構造体9を試験サンプルとし、紫外線照射装置を使用し、紫外線を2時間照射した後の可視光透過率の変化とヘイズ値の変化とを測定した。この結果を表1に示す。
(実施例10)
カルボン酸の金属塩として、酢酸マンガンを酢酸カルシウムへ代替した以外は実施例1と同様にして、実施例10に係る熱線遮蔽用合わせ構造体10を得た。作製された構造体10の光学特性を表1に示す。
作製された構造体10を試験サンプルとし、紫外線照射装置を使用し、紫外線を2時間照射した後の可視光透過率の変化とヘイズ値の変化とを測定した。この結果を表1に示す。
(実施例11)
Cs0.33WO微粒子(比表面積20m/g)20重量部に対して、酢酸マンガンを1重量部添加した以外は実施例1と同様にして、実施例11に係る熱線遮蔽用合わせ構造体11を得た。作製された構造体11の光学特性を表1に示す。
作製された構造体11を試験サンプルとし、紫外線照射装置を使用し、紫外線を2時間照射した後の可視光透過率の変化とヘイズ値の変化とを測定した。この結果を表1に示す。
(実施例12)
Cs0.33WO微粒子(比表面積20m/g)20重量部に対して、酢酸マンガンを0.2重量部添加した以外は実施例1と同様にして、実施例12に係る熱線遮蔽用合わせ構造体12を得た。作製された構造体12の光学特性を表1に示す。
作製された構造体12を試験サンプルとし、紫外線照射装置を使用し、紫外線を2時間照射した後の可視光透過率の変化とヘイズ値の変化とを測定した。この結果を表1に示す。
(実施例13)
Cs0.33WO微粒子(比表面積20m/g)20重量部に対して、酢酸マンガンを10重量部添加した以外は実施例1と同様にして、実施例13に係る熱線遮蔽用合わせ構造体13を得た。作製された構造体13の光学特性を表1に示す。
作製された構造体13を試験サンプルとし、紫外線照射装置を使用し、紫外線を2時間照射した後の可視光透過率の変化とヘイズ値の変化とを測定した。この結果を表1に示す。
(実施例14)
Cs0.33WO微粒子(比表面積20m/g)20重量部に対して、酢酸マンガンを20重量部添加した以外は実施例1と同様にして、実施例14に係る熱線遮蔽用合わせ構造体14を得た。作製された構造体14の光学特性を表1に示す。
作製された構造体14を試験サンプルとし、紫外線照射装置を使用し、紫外線を2時間照射した後の可視光透過率の変化とヘイズ値の変化とを測定した。この結果を表1に示す。
(実施例15)
ビニル系樹脂として、中間膜用エチレン−酢酸ビニル共重合体シートを中間膜用ポリビニルブチラールシートへ代替した以外は実施例1と同様にして、実施例15に係る熱線遮蔽用合わせ構造体15を得た。作製された構造体15の光学特性を表1に示す。
作製された構造体15を試験サンプルとし、紫外線照射装置を使用し、紫外線を2時間照射した後の可視光透過率の変化とヘイズ値の変化とを測定した。この結果を表1に示す。
(実施例16)
Cs0.33WO微粒子(比表面積20m/g)を20重量部、酢酸マンガンを2重量部、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(以下、可塑剤aと略称する)を68重量部、微粒子分散用分散剤10重量部を混合し、媒体攪拌ミルで分散処理を行い、平均分散粒子径80nmのCs0.33WO微粒子と酢酸マンガンの分散液を作製した(P液)。
可塑剤aを30重量部と、ポリビニルブチラール樹脂を70重量部を混合した組成物へ、所定量のP液を添加し、当該組成物中におけるCs0.33WO微粒子の濃度を0.15重量%とした。この組成物を二軸押出機を用いて200℃で混練、Tダイより押出しカレンダーロール法により0.7mm厚のシートとして熱線遮蔽微粒子を含む中間膜を得た。
得られた熱線遮蔽微粒子を含む中間膜を2枚の対向する無機ガラスで挟み込み、公知の方法で張り合わせ一体化して(形態A−1)、実施例16に係る熱線遮蔽用合わせ構造体16を得た。作製された構造体16の光学特性を表2に示す。
作製された構造体16を試験サンプルとし、紫外線照射装置を使用し、紫外線を2時間照射した後の可視光透過率の変化とヘイズ値の変化とを測定した。この結果を表2に示す。
(実施例17)
ビニル系樹脂として、ポリビニルブチラール樹脂をエチレン−酢酸ビニル共重合体へ代替した以外は実施例16と同様にして、実施例17に係る熱線遮蔽用合わせ構造体17を得た。作製された構造体17の光学特性を表2に示す。
作製された構造体17を試験サンプルとし、紫外線照射装置を使用し、紫外線を2時間照射した後の可視光透過率の変化とヘイズ値の変化とを測定した。この結果を表2に示す。
(実施例18)
2枚の無機ガラスの内1枚をポリカーボネート板に代替した以外は実施例17と同様にして、実施例18に係る熱線遮蔽用合わせ構造体18を得た。作製された構造体18の光学特性を表2に示す。
作製された構造体18を試験サンプルとし、紫外線照射装置を使用し、紫外線を2時間照射した後の可視光透過率の変化とヘイズ値の変化とを測定した。この結果を表2に示す。
(実施例19)
実施例1で作製したA液と熱硬化樹脂(固形分100%)と4−メチル−2−ペンタノンを十分混合し塗布液とした。この塗布液を、バーコーターを用いて無機ガラス上に塗布、成膜し、この膜を130℃/30分間加熱硬化させ、熱線遮蔽膜を得た。
次に、熱線遮蔽膜が形成されていない無機ガラスと熱線遮蔽膜が形成された前記無機ガラスとを上記熱線遮蔽膜が内側になるように対向させ、これら無機ガラス間に熱線遮蔽機能を有する微粒子を含まない中間膜用ポリビニルブチラールシートを配置し、公知の方法で張り合わせ一体化して(形態A−3)、実施例19に係る熱線遮蔽用合わせ構造体19を得た。作製された構造体19の光学特性を表2に示す。
作製された構造体19を試験サンプルとし、紫外線照射装置を使用し、紫外線を2時間照射した後の可視光透過率の変化とヘイズ値の変化とを測定した。この結果を表2に示す。
(実施例20)
熱線遮蔽機能を有する微粒子を含まない中間膜用エチレン−酢酸ビニル共重合体シートを、実施例19で作製した熱線遮蔽膜が形成された無機ガラスの熱線遮蔽膜側とポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)との間に挟み込み、公知の方法で張り合わせ一体化して(形態A−3)、実施例20に係る熱線遮蔽用合わせ構造体20を得た。作製された構造体20の光学特性を表2に示す。
作製された構造体20を試験サンプルとし、紫外線照射装置を使用し、紫外線を2時間照射した後の可視光透過率の変化とヘイズ値の変化とを測定した。この結果を表2に示す。
(実施例21)
実施例16で作製した熱線遮蔽微粒子を含む中間膜を、熱線遮蔽微粒子を含まない2枚の中間膜用ポリビニルブチラールシートの間に挟み込み、さらに2枚の対向する無機ガラスで挟み込み、公知の方法で張り合わせ一体化して(形態A−2)、実施例21に係る熱線遮蔽用合わせ構造体21を得た。作製された構造体21の光学特性を表2に示す。
作製された構造体21を試験サンプルとし、紫外線照射装置を使用し、紫外線を2時間照射した後の可視光透過率の変化とヘイズ値の変化とを測定した。この結果を表2に示す。
(実施例22)
実施例1で作製したA液を、Cs0.33WO微粒子の濃度が0.07重量%となるようにポリカーボネート樹脂へ添加混合し、当該混合物を二軸押出機で混練、Tダイより押出し2mm厚のシートとして熱線遮蔽膜が形成された熱線遮蔽フィルム基板を得た。
当該熱線遮蔽膜が形成された熱線遮蔽フィルム基板を一方の合わせ板とし、もう一方の合わせ板である無機ガラスとの間に、熱線遮蔽機能を有する微粒子を含まない中間膜としてポリビニルブチラールシートを挟み込み、公知の方法で張り合わせ一体化して(形態B−7)、実施例22に係る熱線遮蔽用合わせ構造体22を得た。作製された構造体22の光学特性を表2に示す。
作製された構造体22を試験サンプルとし、紫外線照射装置を使用し、紫外線を2時間照射した後の可視光透過率の変化とヘイズ値の変化とを測定した。この結果を表2に示す。
(実施例23)
実施例1で作製したA液を、Cs0.33WO微粒子の濃度が0.07重量%となるようにポリエチレンテレフタレート樹脂へ添加混合し、当該混合物を二軸押出機で混練し、Tダイより押出し2mm厚のシートとして熱線遮蔽膜が形成された熱線遮蔽フィルム基板を得た。
当該熱線遮蔽膜が形成された熱線遮蔽フィルム基板を一方の合わせ板とし、もう一方の合わせ板である無機ガラスとの間に、熱線遮蔽機能を有する微粒子を含まない中間膜としてエチレン−酢酸ビニル共重合体シートを挟み込み、公知の方法で張り合わせ一体化して(形態B−7)、実施例23に係る熱線遮蔽用合わせ構造体23を得た。作製された構造体23の光学特性を表2に示す。
作製された構造体23を試験サンプルとし、紫外線照射装置を使用し、紫外線を2時間照射した後の可視光透過率の変化とヘイズ値の変化とを測定した。この結果を表2に示す。
(実施例24)
実施例17で作製した熱線遮蔽微粒子を含む中間膜を、合わせ板として実施例22で作製した熱線遮蔽膜が形成された熱線遮蔽フィルム基板と、もう一方の合わせ板である無機ガラスとで挟み込み、公知の方法で張り合わせ一体化して(形態B−1)、実施例24に係る熱線遮蔽用合わせ構造体24を得た。作製された構造体24の光学特性を表2に示す。
作製された構造体24を試験サンプルとし、紫外線照射装置を使用し、紫外線を2時間照射した後の可視光透過率の変化とヘイズ値の変化とを測定した。この結果を表2に示す。
(実施例25)
実施例1で作製したA液と熱硬化樹脂(固形分100%)と4−メチル−2−ペンタノンを十分混合し塗布液とした。この塗布液を、バーコーターを用いて、熱線遮蔽微粒子を含有しない中間膜用エチレン−酢酸ビニル共重合体シート上に塗布、成膜した。この膜を130℃/30分間加熱硬化させ、熱線遮蔽膜が形成された熱線遮蔽機能を有する微粒子を含まない中間膜を得た。この熱線遮蔽膜が形成された中間膜の塗布膜側に熱線遮蔽微粒子を含有しない中間膜用エチレン−酢酸ビニル共重合体シートを配置し、さらに2枚の対向する無機ガラスで挟み込み、公知の方法で張り合わせ一体化して(形態A−5)、実施例25に係る熱線遮蔽用合わせ構造体25を得た。作製された構造体25の光学特性を表2に示す。
作製された構造体25を試験サンプルとし、紫外線照射装置を使用し、紫外線を2時間照射した後の可視光透過率の変化とヘイズ値の変化とを測定した。この結果を表2に示す。
(実施例26)
実施例1で作製したA液と熱硬化樹脂(固形分100%)と4−メチル−2−ペンタノンを十分混合し塗布液とした。ポリエステルフィルムシートの一方の面に剥離層としてポリビニルブチラールシートを形成し、塗布液を、バーコーターを用いてこの剥離層上に塗布、成膜した。この膜を130℃/30分間加熱硬化させ、熱線遮蔽膜を得た。この熱線遮蔽膜上に接着剤層として熱線遮蔽機能を有する微粒子を含まない中間膜用ポリビニルブチラールシートを形成して積層体とし転写フィルム26を得た。
当該転写フィルム26の接着剤層を一方の無機ガラスの合わせ板の内側の面に公知の方法で接着し、前記転写フィルムからポリエステルフィルムシートを剥がす。シートを剥がした剥離層面に熱線遮蔽微粒子を含まない中間膜用ポリビニルブチラールシートを配置し、もう一方の無機ガラスの合わせ板の内側の面と公知の方法で張り合わせ一体化して(形態A−6)、実施例26に係る熱線遮蔽用合わせ構造体26を得た。作製された構造体26の光学特性を表2に示す。
作製された構造体26を試験サンプルとし、紫外線照射装置を使用し、紫外線を2時間照射した後の可視光透過率の変化とヘイズ値の変化とを測定した。この結果を表2に示す。
(実施例27)
カルボン酸の金属塩として、酢酸マンガンを酢酸ナトリウム三水和物へ代替した以外は実施例1と同様にして、実施例27に係る熱線遮蔽用合わせ構造体27を得た。作製された構造体27の光学特性を表2に示す。
作製された構造体27を試験サンプルとし、紫外線照射装置を使用し、紫外線を2時間照射した後の可視光透過率の変化とヘイズ値の変化とを測定した。この結果を表2に示す。
(実施例28)
カルボン酸の金属塩として、酢酸マンガンを2−エチルヘキサン酸ナトリウムへ代替した以外は実施例1と同様にして、実施例28に係る熱線遮蔽用合わせ構造体28を得た。作製された構造体28の光学特性を表2に示す。
作製された構造体28を試験サンプルとし、紫外線照射装置を使用し、紫外線を2時間照射した後の可視光透過率の変化とヘイズ値の変化とを測定した。この結果を表2に示す。
(実施例29)
カルボン酸の金属塩として、酢酸マンガンを酢酸カリウムへ代替した以外は実施例1と同様にして、実施例29に係る熱線遮蔽用合わせ構造体29を得た。作製された構造体29の光学特性を表2に示す。
作製された構造体29を試験サンプルとし、紫外線照射装置を使用し、紫外線を2時間照射した後の可視光透過率の変化とヘイズ値の変化とを測定した。この結果を表2に示す。
(実施例30)
カルボン酸の金属塩として、酢酸マンガンを酢酸亜鉛二水和物へ代替した以外は実施例1と同様にして、実施例30に係る熱線遮蔽用合わせ構造体30を得た。作製された構造体30の光学特性を表2に示す。
作製された構造体30を試験サンプルとし、紫外線照射装置を使用し、紫外線を2時間照射した後の可視光透過率の変化とヘイズ値の変化とを測定した。この結果を表2に示す。
(実施例31)
カルボン酸の金属塩をして、酢酸マンガンを酢酸銅(II)一水和物へ代替した以外は実施例1と同様にして、実施例31に係る熱線遮蔽用合わせ構造体31を得た。作製された構造体31の光学特性を表3に示す。
作製された構造体31を試験サンプルとし、紫外線照射装置を使用し、紫外線を2時間照射した後の可視光透過率の変化とヘイズ値の変化とを測定した。この結果を表3に示す。
(実施例32)
カルボン酸の金属塩として、酢酸マンガンを酢酸鉄(II)へ代替した以外は実施例1と同様にして、実施例32に係る熱線遮蔽用合わせ構造体32を得た。作製された構造体32の光学特性を表3に示す。
作製された構造体32を試験サンプルとし、紫外線照射装置を使用し、紫外線を2時間照射した後の可視光透過率の変化とヘイズ値の変化とを測定した。この結果を表3に示す。
(実施例33)
カルボン酸の金属塩として、酢酸マンガンを酢酸ストロンチウム0.5水和物へ代替した以外は実施例1と同様にして、実施例33に係る熱線遮蔽用合わせ構造体33を得た。作製された構造体33の光学特性を表3に示す。
作製された構造体33を試験サンプルとし、紫外線照射装置を使用し、紫外線を2時間照射した後の可視光透過率の変化とヘイズ値の変化とを測定した。この結果を表3に示す。
(実施例34)
カルボン酸の金属塩として、酢酸マンガンを酢酸セシウムへ代替した以外は実施例1と同様にして、実施例34に係る熱線遮蔽用合わせ構造体34を得た。作製された構造体34の光学特性を表3に示す。
作製された構造体34を試験サンプルとし、紫外線照射装置を使用し、紫外線を2時間照射した後の可視光透過率の変化とヘイズ値の変化とを測定した。この結果を表3に示す。
(実施例35)
カルボン酸の金属塩として、酢酸マンガンを酢酸リチウム二水和物へ代替した以外は実施例1と同様にして、実施例35に係る熱線遮蔽用合わせ構造体35を得た。作製された構造体35の光学特性を表3に示す。
作製された構造体35を試験サンプルとし、紫外線照射装置を使用し、紫外線を2時間照射した後の可視光透過率の変化とヘイズ値の変化とを測定した。この結果を表3に示す。
(実施例36)
カルボン酸の金属塩として、酢酸マンガンを酢酸ルビジウムへ代替した以外は実施例1と同様にして、実施例36に係る熱線遮蔽用合わせ構造体36を得た。作製された構造体36の光学特性を表3に示す。
作製された構造体36を試験サンプルとし、紫外線照射装置を使用し、紫外線を2時間照射した後の可視光透過率の変化とヘイズ値の変化とを測定した。この結果を表3に示す。
(実施例37)
カルボン酸の金属塩として、酢酸マンガンを酢酸コバルト(II)四水和物へ代替した以外は実施例1と同様にして、実施例37に係る熱線遮蔽用合わせ構造体37を得た。作製された構造体37の光学特性を表3に示す。
作製された構造体37を試験サンプルとし、紫外線照射装置を使用し、紫外線を2時間照射した後の可視光透過率の変化とヘイズ値の変化とを測定した。この結果を表3に示す。
(実施例38)
カルボン酸の金属塩として、酢酸マンガンを酢酸バリウムへ代替した以外は実施例1と同様にして、実施例38に係る熱線遮蔽用合わせ構造体38を得た。作製された構造体38の光学特性を表3に示す。
作製された構造体38を試験サンプルとし、紫外線照射装置を使用し、紫外線を2時間照射した後の可視光透過率の変化とヘイズ値の変化とを測定した。この結果を表3に示す。
(比較例1)
酢酸マンガンを添加しなかった以外は実施例1と同様にして、比較例1に係る熱線遮蔽分散液(以下、α液と略称する)を作製した。
A液をα液に代替した以外は実施例1と同様にして、比較例1に係る熱線遮蔽用合わせ構造体39を得た。作製された構造体39の光学特性を表3に示す。
作製された構造体39を試験サンプルとし、紫外線照射装置を使用し、紫外線を2時間照射した後の可視光透過率の変化とヘイズ値の変化とを測定した。この結果を表3に示す。
(比較例2)
Cs0.33WO微粒子(比表面積20m/g)20重量部に対して、酢酸マンガンを0.1重量部添加した以外は実施例1と同様にして、比較例2に係る熱線遮蔽用合わせ構造体40を得た。作製された構造体40の光学特性を表3に示す。
作製された構造体40を試験サンプルとし、紫外線照射装置を使用し、紫外線を2時間照射した後の可視光透過率の変化とヘイズ値の変化とを測定した。この結果を表3に示す。
(比較例3)
Cs0.33WO微粒子(比表面積20m/g)20重量部に対して、酢酸マンガンを40重量部添加した以外は実施例17と同様にして、比較例3に係る熱線遮蔽分散液(以下、γ液と略称する)を作製した。
Q液をγ液に代替した以外は実施例17と同様にして、比較例3に係る熱線遮蔽用合わせ構造体41を得た。作製された構造体41の光学特性を表3に示す。
しかし、カルボン酸の金属塩の添加量が多すぎたため、構造体41は、無機ガラスと熱線遮蔽微粒子を含む中間膜との密着性が不十分であり、無機ガラスと熱線遮蔽微粒子を含む中間膜が簡単に剥がれてしまう問題が生じた。
よって、加速試験は実施しなかった。
(比較例4)
酢酸マンガンを添加しなかった以外は実施例16と同様にして、比較例4に係る熱線遮蔽分散液(以下、λ液と略称する)を作製した。
P液をλ液に代替した以外は実施例16と同様にして、比較例4に係る熱線遮蔽用合わせ構造体42を得た。作製された構造体42の光学特性を表3に示す。
作製された構造体42を試験サンプルとし、紫外線照射装置を使用し、紫外線を2時間照射した後の可視光透過率の変化とヘイズ値の変化とを測定した。この結果を表3に示す。
[評価]
表1〜3の結果より、実施例1〜38においては、複合タングステン酸化物微粒子へ、カルボン酸の金属塩を適正量添加したことで、高い可視光透過性と、高い熱線遮蔽特性とを有し、ヘイズ値が低く透明にも優れた熱線遮蔽用合わせ構造体1〜38が得られた。
なかでも、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、マンガン、亜鉛、セシウム、リチウム、ルビジウムのカルボン酸塩を適正量添加した熱線遮蔽用合わせ構造体は、紫外線を2時間照射した加速試験において、初期の可視光透過率に対して、その変化率が半分以下に抑制されるという顕著な効果を知見した。また、紫外線を2時間照射した加速試験において、ヘイズ値の増加が0.3%以下に留まるという効果を知見した。
一方、比較例1、2、4は、カルボン酸の金属塩を添加しなかった、または、添加量が少なすぎたため、加速試験において可視光透過率の変化が増大した。また、比較例3は、カルボン酸の金属塩の添加量が多すぎたため、合わせ構造体として重要な物性である無機ガラスとの密着性が損なわれてしまった。
Figure 0005939403
Figure 0005939403
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1.合わせ板
2.中間層
11.熱線遮蔽機能を有する微粒子
12.中間膜
13.熱線遮蔽膜
14.樹脂フィルム
15.熱線遮蔽機能を有する微粒子を含む樹脂フィルム
16.剥離層
17.フィルムシート
18.接着剤層
20.熱線遮蔽機能を有する微粒子を含有する合わせ板

Claims (14)

  1. 板ガラス、プラスチック、熱線遮蔽機能を有する微粒子とカルボン酸の金属塩とを含むプラスチックから選ばれた2枚の合わせ板間に、熱線遮蔽機能を有する微粒子とカルボン酸の金属塩とを含む中間層を介在させてなる熱線遮蔽用合わせ構造体であって、
    前記熱線遮蔽機能を有する微粒子が、一般式MWO(0.001≦Y≦1.0、2.2≦Z≦3.0)で示され、M元素がCs、Rb、K、Tlのうちの1種類以上であり、且つ六方晶の結晶構造を持ち、粒子直径が1nm以上、800nm以下である複合タングステン酸化物微粒子であり、
    さらに、前記カルボン酸の金属塩を、前記複合タングステン酸化物微粒子100重量部に対して1重量部以上、100重量部以下、含有することを特徴とする熱線遮蔽用合わせ構造体。
  2. 熱線遮蔽機能を有する微粒子とカルボン酸の金属塩とを含むプラスチックの合わせ板と、板ガラス、プラスチック、熱線遮蔽機能を有する微粒子とカルボン酸の金属塩とを含むプラスチック、から選ばれた合わせ板との間に、中間層を介在させてなる熱線遮蔽用合わせ構造体であって、
    前記熱線遮蔽機能を有する微粒子が、一般式MWO(0.001≦Y≦1.0、2.2≦Z≦3.0)で示され、M元素がCs、Rb、K、Tlのうちの1種類以上であり、且つ六方晶の結晶構造を持ち、粒子直径が1nm以上、800nm以下である複合タングステン酸化物微粒子であり、
    さらに、前記カルボン酸の金属塩を、前記複合タングステン酸化物微粒子100重量部に対して1重量部以上、100重量部以下、含有することを特徴とする熱線遮蔽用合わせ構造体。
  3. 前記カルボン酸の金属塩を構成する金属が、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、マンガン、セシウム、リチウム、ルビジウム、から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1または2記載の熱線遮蔽用合わせ構造体。
  4. 前記カルボン酸の金属塩を構成するカルボン酸が、酢酸、酪酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、ステアリン酸、2−エチルヘキサン酸から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1から3のいずれか記載の熱線遮蔽用合わせ構造体。
  5. 前記プラスチックが、ポリカーボネート樹脂またはアクリル樹脂またはポリエチレンテレフタレート樹脂の、シートまたはフィルムであることを特徴とする請求項1から4のいずれか記載の熱線遮蔽用合わせ構造体。
  6. 前記中間層は、中間膜を有し、当該中間膜中に前記熱線遮蔽機能を有する微粒子とカルボン酸の金属塩とが含まれていることを特徴とする請求項1から5のいずれか記載の熱線遮蔽用合わせ構造体。
  7. 前記中間層は、2層以上の積層した中間膜を有し、当該中間膜の少なくとも1層に、前記熱線遮蔽機能を有する微粒子とカルボン酸の金属塩とが含まれていることを特徴とする請求項1から5のいずれか記載の熱線遮蔽用合わせ構造体。
  8. 前記中間層は、前記板ガラス、プラスチックから選ばれた2枚の合わせ板の少なくとも一方の内側面に形成された前記熱線遮蔽機能を有する微粒子とカルボン酸の金属塩とが含まれる熱線遮蔽膜と、当該熱線遮蔽膜と重なり合う中間膜と、を有することを特徴とする請求項1から5のいずれか記載の熱線遮蔽用合わせ構造体。
  9. 前記中間層は、前記熱線遮蔽機能を有する微粒子とカルボン酸の金属塩とが含まれる熱線遮蔽膜が樹脂フィルム基板の片面または両面上に形成された熱線遮蔽フィルム基板、または、熱線遮蔽機能を有する微粒子とカルボン酸の金属塩とを内部に含む熱線遮蔽フィルム基板が、2層以上の積層した中間膜の間に積層されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか記載の熱線遮蔽用合わせ構造体。
  10. 前記中間層は、中間膜の少なくとも一方の面に熱線遮蔽機能を有する微粒子とカルボン酸の金属塩とが含まれる熱線遮蔽膜が形成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか記載の熱線遮蔽用合わせ構造体。
  11. 前記中間層は、中間膜または2層以上の積層した中間膜と、接着剤層、前記熱線遮蔽機能を有する微粒子とカルボン酸の金属塩とが含まれる熱線遮蔽膜、剥離層の順に積層された積層体と、を有し、
    前記積層体の接着剤層は、前記板ガラス、プラスチックから選ばれた一方の合わせ板の内側面に接着し、
    前記積層体の剥離層は、前記中間膜または2層以上の積層した前記中間膜と接着していることを特徴とする請求項1から5のいずれか記載の熱線遮蔽用合わせ構造体。
  12. 前記中間層は、中間膜、または、2層以上の積層した中間膜を、有していることを特徴とする請求項2から5のいずれか記載の熱線遮蔽用合わせ構造体。
  13. 前記中間膜を構成する樹脂は、ビニル系樹脂であることを特徴とする請求項6から12のいずれか記載の熱線遮蔽用合わせ構造体。
  14. 前記中間膜を構成するビニル系樹脂は、ポリビニルブチラールまたはエチレン−酢酸ビニル共重合体であることを特徴とする請求項13記載の熱線遮蔽用合わせ構造体。
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