JP5939197B2 - ハイブリッド車両の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ハイブリッド車両の制御装置の技術分野に関する。
内燃機関と回転電機等とを動力源として備えるハイブリッド車両には、内燃機関を停止状態として、回転電機から供給される動力のみによって走行できるものがある。この機関停止走行中における内燃機関の始動条件に言及したものとして、特許文献1がある。特許文献1には、運転者に始動タイミングを通知するために、現在の走行パワーとエンジン始動パワーとを表示する構成が開示されている。
また、機関停止走行中における内燃機関の始動条件に言及したものとして、特許文献2がある。特許文献2には、ハイブリッド車両の走行パワー及び走行トルクに基づいて、車両の推進力に関連する状態量及び内燃機関の始動を要する当該状態量の閾値が算出される構成が開示されている。また、特許文献2には、CD(Charge Depleting)モード(即ち、外部充電電力による電力走行が行われる走行モード)における低速領域において、クリープトルクの影響により走行パワーの表示が変化しないように不感帯が設けられる構成についても開示されている。
尚、特許文献3には、EV(Electric Vehicle)モード(上記との関係で言えば、CDモード)とHV(Hybrid Vehicle)モードとの切り替わりが発生するアクセル開度を運転者に示す構成が開示されている。
WO2011/030444号公報 特開2011−157115号公報 特開2008−074321号公報
近年、充電インフラ設備の拡充やバッテリ性能の向上等を背景として、外部電源からの充電が可能なPHV(Plug-in Hybrid Vehicle)において、CDモードの走行領域は拡大する傾向にある。
CDモードの走行領域の拡大は、外部供給される低コストの電力を利用できることから経済的である反面、従来の出力要件に起因するもの以外の内燃機関の始動を招来する。具体的には、CDモードの走行領域が拡大すると、駆動力が不足することによる内燃機関の始動要求(駆動力要件による始動要求)の発生頻度が増加する。
このため、特許文献1に開示されるように単に出力要件(パワー、とは即ち出力である)による内燃機関の始動タイミングのみが通知された場合には、運転者が予期せぬタイミングで内燃機関が始動する可能性がある。
尚、駆動力は、駆動力伝達経路の物理構成が変化しなければ、駆動トルクと一対一に対応する。従って、駆動力要件による始動要求とは、別言すればトルク要件による始動要求を意味する。
このような問題に対して、特許文献2の構成によれば、出力要件による始動タイミングに関する情報と、駆動力(文献内では走行トルク)要件による始動タイミングに関する情報との双方が表示されるため、一見、有意義である。
ところで、特許文献2には、出力要件による始動閾値(始動が要求される出力値)に対する実際の出力値の比率を示す第1の演算値と、駆動力要件による始動閾値(始動が要求される駆動力(文献内では走行トルク値))に対する実際の駆動力値の比率を示す第2の演算値とを算出し、これらのうち大きい方の値を表示する構成も開示されている。
しかしながら、運転者の視点に立てば、このように出力要件による情報表示と駆動力要件による情報表示とが不規則に入れ替わることは望ましくない。特に、一般的な運転者にとっては、出力と駆動力(駆動トルク)との差異は明確でなく、このような措置はかえって運転者の混乱を招く可能性がある。
ここで、駆動力或いは駆動トルクが、車速を考慮することによって容易に出力に換算され得る点に鑑みれば、駆動力要件による始動閾値を、出力要件による始動閾値に換算することは有意義である。この場合、現在の出力値を出力要件の始動閾値及び駆動力要件の始動閾値の双方と較べればよく、特許文献2の構成を考慮して、これらの比率のうち大きい方(即ち、現在の出力値が始動閾値に近い方)の値を表示すれば、視覚的にも明快である。
ところが、駆動力から換算された出力値は、当然ながら車速の上昇に伴って上昇するため、例えばアクセル開度を一定に維持したまま車速が上昇していく過程においては、駆動力要件の始動閾値が徐々に高出力側にシフトする現象が起こる。
このため、始動閾値に対する現在の出力値の比率によって始動タイミングを通知しようとすると、始動閾値の高出力側へのシフトに伴って相対的にこの比率は減少し、アクセル開度が一定且つ車速が上昇している実際の状況に対して、始動タイミングが逆に遠ざかっている印象を運転者に与える結果となる。
従って、始動タイミングに関する情報の表示内容が運転者の感覚と整合しなくなり、運転者に違和感や不快感を与える要因となる。即ち、上記特許文献に開示されるものを含む従来の技術思想の範疇では、CDモード走行時における内燃機関の始動タイミングを通知するにあたって、運転者に与える違和感や不快感を十分に抑制することができない。
本発明は、係る問題点に鑑みてなされたものであり、ハイブリッド車両において、内燃機関の始動タイミングに関する情報を違和感や不快感を与えることなく運転者に通知し得るハイブリッド車両の制御装置を提供することを課題とする。
上述した課題を解決するため、本発明に係るハイブリッド車両の制御装置は、表示手段と、内燃機関と、少なくとも一つの回転電機とを備えたハイブリッド車両を制御するハイブリッド車両の制御装置であって、前記回転電機のみを動力源として前記ハイブリッド車両が走行する期間において、前記回転電機のトルクが不足することにより前記内燃機関の始動が必要とされる前記ハイブリッド車両の第1の要求出力値を算出する第1算出手段と、前記ハイブリッド車両の現在の出力値を算出する第2算出手段と、前記算出された第1の要求出力値と前記算出された現在の出力値との比率が表示されるように前記表示手段を制御する表示制御手段と、車速及びアクセル開度に基づいて前記表示される比率の変化を抑制する抑制手段とを具備することを特徴とする(請求項1)。
本発明に係るハイブリッド車両の制御装置によれば、第1算出手段により、回転電機のトルク不足に起因して内燃機関の始動が必要となる第1の要求出力値が算出される。尚、回転電機のトルク不足とは、トルクと駆動力との相関に鑑みれば、一義的に駆動輪に作用する駆動力の不足を意味する。即ち、第1の要求出力値とは、駆動力要件に基づく内燃機関の始動要求が生じる出力値である。
車室内に設置されたインジケータ等の形態を採り得る表示手段には、この第1の要求出力値と、ハイブリッド車両の現在の出力値との比率が表示される。この比率は、第1の要求出力値に対する現在の出力値の割合の意味を含む。
尚、係る比率の表示態様は自由であり、例えば数値であってもグラフであってもよい。また、比率の表示に際して如何なる視覚効果が付与されていてもよい。また、比率に加えて他の情報が表示されてもよい。
ここで、第1の要求出力値は、駆動力要件に基づく始動要求出力値であるから、車速に応じて変化する。
従って、車速が上昇していく過程における現在の出力値の上昇の度合いが、車速が上昇していく過程における第1の要求出力値の上昇の度合いよりも小さければ、例えアクセル開度が一定であっても、車速の上昇と共に当該比率は減少する。このような現象は、とりわけ中車速領域(例えば、30〜70km/h程度の車速領域)、中アクセル開度領域(例えば、20〜60%程度のアクセル開度領域)等において顕著に発生する。
また、逆に、車速が上昇する過程における現在の出力値の上昇の度合いが、車速が上昇する過程における第1の要求出力値の上昇の度合いよりも大きい場合、例えアクセル開度が一定であっても、車速の上昇と共に当該比率は増加する。このような現象は、とりわけ低車速且つ低アクセル開度の領域(例えば、クリープ走行から緩加速する場合等)において顕著に発生する。このような比率の変化は、運転者の感覚から乖離するものであり、また、必ずしも内燃機関の正確な始動タイミングを運転者に通知するものでもない。
そこで、本発明に係るハイブリッド車両の制御装置は、抑制手段が車速及びアクセル開度に基づいてこの比率の変化を抑制する構成となっている。従って、本発明に係るハイブリッド車両の制御装置によれば、運転者の感覚と乖離した比率の変化が抑制され、運転者に与える違和感又は不快感を抑制することが可能となる。
尚、抑制手段に係る具体的な抑制の態様について、車速及びアクセル開度を具体的に数値化して規定することは、本発明の本質的技術思想を減縮するものである。即ち、本発明は、アクセル開度及び車速によって規定されるハイブリッド車両の走行条件によっては、駆動力要件の始動要求出力値が閾値としての役割を十分に果たし得ない点を新規に見出してなされたものであって、表示される比率の変化を抑制する旨の技術思想に進歩性を有するものである。
但し、定性的な観点から好適な一形態について述べれば、抑制手段は、例えば、アクセル開度が一定である又は増加する場合且つ車速が上昇する場合において、中車速領域且つ中アクセル開度領域における当該比率の減少側への変化を抑制する。比率の増加側への変化は、要求駆動力の増加に伴う現在の出力の始動要求出力への接近を意味するところ、抑制する必要がないと考えてよいからである。
本発明に係るハイブリッド車両の制御装置の一の態様では、前記第1算出手段は、前記回転電機のみを動力源として前記ハイブリッド車両が走行する期間において、前記回転電機の出力が不足することにより前記内燃機関の始動が必要とされる前記ハイブリッド車両の第2の要求出力値を更に算出し、前記表示制御手段は、前記算出された第1の要求出力値及び第2要求出力値のうち小さい方の値と、前記算出された現在の出力値との比率が表示されるように前記表示手段を制御し、前記抑制手段は、前記算出された第1の要求出力値と前記算出された現在の出力値との比率が表示されている場合に、前記表示される比率の変化を抑制する(請求項2)。
この態様によれば、回転電機の出力不足に起因して内燃機関の始動が要求される第2の要求出力値が算出され、第1の要求出力値と第2の要求出力値とのうち小さい方の値が比率の算出に適用される。即ち、換言すれば、駆動力要件に基づく比率と、出力要件に基づく比率とのうち、大きい方の値が表示される。従って、運転者は、内燃機関の始動タイミングをより正確に把握することができる。
また、第2の要求出力値は、第1の要求出力値と異なり、出力要件で定まる値であるから、バッテリのSOCや充放電制限値等を除けば、車両の走行条件に影響を受けない。従って、第2の要求出力値が適用された比率は、運転者の感覚から乖離した挙動を示すことがない。即ち、第2の要求出力値が適用された比率が表示されている期間については、抑制手段に係る比率の変化抑制に係る措置は必要とならない。この態様によれば、第1の要求出力値が適用された比率についてのみ、比率の変化抑制に係る措置が講じられるため、効率的であり、且つ正確である。
本発明に係るハイブリッド車両の制御装置の他の態様では、前記抑制手段は、前記車速及びアクセル開度により定まる前記ハイブリッド車両の走行領域が所定の領域に該当する場合に、前記表示される比率を維持する(請求項3)。
この態様によれば、アクセル開度及び車速により定まる走行領域が所定領域に該当する場合には、表示される比率が維持される。従って、比較的簡便に本発明に係る実践上の利益を享受することができる。
本発明に係るハイブリッド車両の制御装置の他の態様では、前記抑制手段は、前記アクセル開度が一定である又は増加している場合且つ前記車速が上昇している場合における前記比率の減少を抑制する(請求項4)。
駆動力要件に基づく比率が不自然な減少変化を示すのは、顕著には、車速が上昇して第1始動要求出力値が上昇している場合であって、且つ、現在の出力値が従前の値から大きく変化しない、アクセル開度が一定であるか又は増加している場合である。
この態様によれば、アクセル開度が一定又は増加している場合且つ車速が上昇している場合における比率の減少が抑制される。従って、運転者に与える違和感又は不快感を効率的且つ効果的に抑制することができる。
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施形態から明らかにされる。
本発明の第1実施形態に係るハイブリッド車両の構成を概念的に表してなる概略構成図である。 図1のハイブリッド車両におけるハイブリッド駆動装置の概略構成図である。 図1のハイブリッド車両におけるインジケータの表示内容を例示する図である。 図1のハイブリッド車両において実行されるインジケータ制御処理のフローチャートである。 図4のインジケータ制御処理におけるヒステリシス値の概念を説明する図である。 本発明の第2実施形態に係るインジケータ制御処理のフローチャートである。 図6のインジケータ制御処理における反映係数の概念を説明する図である。
<発明の実施形態>
以下、図面を参照して、本発明の各種実施形態について説明する。
<実施形態の構成>
始めに、図1を参照し、本発明の第1実施形態に係るハイブリッド車両1の構成について説明する。ここに、図1は、ハイブリッド車両1の構成を概念的に表してなる概略構成図である。
図1において、ハイブリッド車両1は、ECU(Electronic Control Unit:電子制御装置)100、ハイブリッド駆動装置10、PCU(Power Control Unit)20、バッテリ30、インジケータ40、センサ群50、切り替え装置60及びプラグ61を備えた、本発明に係る「ハイブリッド車両」の一例である。
ECU100は、CPU、ROM及びRAM等を備え、ハイブリッド車両1の各部の動作を制御可能に構成された電子制御ユニットであり、本発明に係る「ハイブリッド車両の制御装置」の一例である。ECU100は、ROMに格納された制御プログラムに従って、後述する「インジケータ制御処理」を実行することができる。
PCU20は、バッテリ30から取り出した直流電力を交流電力に変換して後述するモータジェネレータMG1及びモータジェネレータMG2に供給すると共に、モータジェネレータMG1及びモータジェネレータMG2によって発電された交流電力を直流電力に変換してバッテリ30に供給可能に構成された不図示のインバータ22を含み、バッテリ30と各モータジェネレータとの間の電力の入出力を、或いは各モータジェネレータ相互間の電力の入出力(即ち、この場合、バッテリ30を介さずに各モータジェネレータ相互間で電力の授受が行われる)を制御可能に構成された制御ユニットである。PCU20は、ECU100と電気的に接続されており、ECU100によってその動作が制御される構成となっている。
バッテリ30は、モータジェネレータMG1及びモータジェネレータMG2を力行するための電力に係る電力供給源として機能する充電可能な二次電池ユニットである。バッテリ30は、例えばリチウムイオンバッテリセル等の単位電池セルが複数(例えば、数百個)直列に接続された構成を有している。
インジケータ40は、ハイブリッド車両1の運転席付近(例えば、コンソールパネルやメーターフード内)に設置された不図示の表示部含む、本発明に係る「表示手段」の一例である。インジケータ40の表示部には、後述するインジケータ制御処理においてエンジン始動タイミング情報が表示される構成となっている。尚、インジケータ40は、ECU100と電気的に接続されており、インジケータ40における表示部の表示内容は、ECU100により制御される構成となっている。
センサ群50は、ハイブリッド車両1の状態を検出する各種センサの総体的呼称である。センサ群50は、バッテリ温度センサ51、アクセル開度センサ52、SOCセンサ53及び車速センサ54を少なくとも含む。
バッテリ温度センサ51は、バッテリ30の温度であるバッテリ温度Tbatを検出するセンサである。バッテリ温度センサ51は、ECU100と電気的に接続されており、検出されたバッテリ温度Tbatは、ECU100により適宜参照される構成となっている。
アクセル開度センサ52は、アクセルペダルの開度であるアクセル開度Taを検出するセンサである。アクセル開度センサ52は、ECU100と電気的に接続されており、検出されたアクセル開度Taは、ECU100により適宜参照される構成となっている。
SOCセンサ53は、バッテリ30の充電残容量であるSOCを検出するセンサである。SOCセンサ53は、ECU100と電気的に接続されており、検出されたSOCは、ECU100により適宜参照される構成となっている。
車速センサ54は、ハイブリッド車両1の車速Vを検出するセンサである。車速センサ54は、ECU100と電気的に接続されており、検出された車速Vは、ECU100により適宜参照される構成となっている。
切り替え装置60は、バッテリ30の充電態様を、外部充電と内部充電との間で切り替えるためのスイッチング装置である。切り替え装置60には、充電プラグ61が接続されている。充電プラグ61は、インフラ設備としての充電スタンドや家庭用電源等、外部に設置された電力供給源から電力の供給を受けるためのプラグである。充電プラグ61が差し込み口に差し込まれると、切り替え装置60のスイッチング状態は外部充電側に切り替わる構成となっている。尚、切り替え装置60は、ECU100と電気的に接続されており、切り替え装置60のスイッチング状態は、ECU100により制御される構成となっている。ハイブリッド車両1は、このように外部電源から電力供給を受けることが可能であり、所謂プラグインハイブリッド車両の一例を構成している。
ハイブリッド駆動装置10は、ハイブリッド車両1のパワートレインである。ここで、図2を参照し、ハイブリッド駆動装置10の詳細な構成について説明する。ここに、図2は、ハイブリッド駆動装置10の構成を概念的に表してなる概略構成図である。尚、同図において、図1と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
ハイブリッド駆動装置10は、エンジン200、動力分割機構300、入力軸400、駆動軸500、減速機構600、モータジェネレータMG1(以下、適宜「MG1」と略称する)、モータジェネレータMG2(以下、適宜「MG2」と略称する)を備える。
エンジン200は、ハイブリッド車両1の主たる動力源として機能する、本発明に係る「内燃機関」の一例たるガソリンエンジンである。
エンジン200は、気筒内部に形成された燃焼室で混合気が燃焼した際に生じる爆発力に応じて気筒内部で往復運動を生じるピストンを備える。このピストンの往復運動は、コネクティングロッドを介してクランク軸の回転運動に変換され、クランク軸と連結された入力軸400から取り出される構成となっている。尚、エンジン200の詳細な構成は、本発明との関係性が低いため、ここでは省略することとする。また、ここではエンジン200がガソリンエンジンであるとしたが、本発明に係る「内燃機関」の採り得る実践的態様は多岐にわたる。例えば、本発明に係る「内燃機関」は、燃料種別、気筒配列、気筒数、燃料供給態様、動弁系の構成及び吸排気系の構成等において自由である。
モータジェネレータMG1は、電気エネルギを運動エネルギに変換する力行機能と、運動エネルギを電気エネルギに変換する回生機能とを備えた電動発電機である。
モータジェネレータMG2は、モータジェネレータMG1よりも体格の大きい電動発電機であり、モータジェネレータMG1と同様に、電気エネルギを運動エネルギに変換する力行機能と、運動エネルギを電気エネルギに変換する回生機能とを備えた、本発明に係る「回転電機」の一例である。
モータジェネレータMG1及びMG2は、同期電動発電機として構成され、例えば外周面に複数個の永久磁石を有するロータと、回転磁界を形成する三相コイルが巻回されたステータとを備えるが、無論他の構成を有していてもよい。
動力分割機構300は、相互に差動作用をなす複数の回転要素を備えた公知の遊星歯車機構である。
動力分割機構300は、中心部に設けられたサンギアS1と、サンギアS1の外周に同心円状に設けられたリングギアR1と、サンギアS1とリングギアR1との間に配置されてサンギアS1の外周を自転しつつ公転する複数のピニオンギア(不図示)と、これら各ピニオンギアの回転軸を軸支するキャリアC1とを備える。
サンギアS1は、エンジン200の出力トルクであるエンジントルクTeに対する反力トルクを負担するための反力要素であり、モータジェネレータMG1のロータが固定される出力回転軸に固定されている。従って、サンギアS1の回転速度は、モータジェネレータMG1の回転速度たるMG1回転速度Nmg1と等価である。
リングギアR1は、動力分割機構300の出力要素であり、動力分割機構300の動力出力軸である駆動軸500に、その回転軸を共有する形で連結されている。尚、駆動軸500は、デファレンシャル等を介してハイブリッド車両1の駆動輪DWに間接的に連結されている。
キャリアC1は、トーションダンパTDPを介してエンジン200のクランク軸に連結される入力軸400に、その回転軸を共有する形で連結されており、その回転速度は、エンジン200の機関回転数NEと等価である。
動力分割機構300は、上述した構成の下で、エンジン200から入力軸400に供給されるエンジントルクTeを、キャリアC1によってサンギアS1及びリングギアR1に所定の比率(各ギア相互間のギア比に応じた比率)で分配し、エンジン200の動力を2系統に分割することが可能である。
この際、動力分割機構300の動作を分かり易くするため、リングギアR1の歯数に対するサンギアS1の歯数としてのギア比ρを定義すると、エンジン200からキャリアC1に対しエンジントルクTeを作用させた場合に、サンギアS1に作用するトルクTesは下記(1)式により、また駆動軸500に現れる直達トルクTepは下記(2)式により、夫々表される。
Tes=−Te×ρ/(1+ρ)・・・(1)
Tep=Te×1/(1+ρ)・・・(2)
減速機構600は、駆動軸500とモータジェネレータMG2との間に介装された、サンギアS2、リングギアR2、ピニオンギア(不図示)及びキャリアC2の各回転要素を備えた遊星歯車機構である。
減速機構600において、サンギアS2は、モータジェネレータMG2のロータに固定された出力回転軸に固定されている。また、キャリアC2は、ハイブリッド駆動装置10の外郭ケースに回転不能に固定されている。更に、リングギアR2は、駆動軸500に連結されている。係る構成において、減速機構600は、モータジェネレータMG2の回転速度たるMG2回転速度Nmg2を、駆動軸500に対し、各回転要素(ギア)のギア比に応じて定まる減速比に従って減速して伝達することが出来る。尚、ハイブリッド駆動装置10において、MG2回転速度Nmg2は、車速Vと一義的な関係にある。
尚、減速機構600の構成は、モータジェネレータMG2の回転を減速する機構の採り得る一形態に過ぎず、この種の減速機構は実践上多様な形態を有し得る。また、この種の減速機構は、必ずしもハイブリッド駆動装置に備わっておらずともよい。即ち、モータジェネレータMG2は、駆動軸500に直結されていてもよい。
<実施形態の動作>
次に本実施形態の動作について説明する。
<ハイブリッド車両1の走行モード>
ハイブリッド車両1は、ハイブリッド駆動装置10と駆動輪DWとの間の動力伝達態様を規定する走行モードとして、CS(Charge Sustaining)モードとCD(Charge Depleting)モードとを有する。
CSモード(HV(Hybrid Vehicle)モード等とも称される)は、動力分割機構300の動力分割作用を利用して、エンジントルクTeの一部である直達トルクTerと、モータジェネレータMG2の出力トルクであるMG2トルクTmg2とを協調的に駆動軸500に作用させるモードである。CSモードでは、エンジントルクTeの他の一部である反力トルクTesを利用して、モータジェネレータMG1の出力トルクであるMG1トルクTmg1により電力回生、即ち発電もまた行われる。
この際、エンジン200の動作点(機関回転数NEとエンジントルクTeとにより規定される動作条件)は、MG1トルクTmg1を反力トルクとして利用したハイブリッド駆動装置10の電気的CVT(Continuously Variable Transmission)機能により、自由に設定可能である。エンジン200の動作点は、好適な一形態として、エンジン200の燃料消費率(燃費)が最小となる最適燃費動作点に制御される。
一方、MG2トルクTmg2は、基本的には、駆動軸500に要求される駆動軸要求トルクTpnに対して直達トルクTepでは不足する分を補うように制御される。即ち、CSモードでは、MG2トルクTmg2とエンジントルクTeとの協調制御がなされる。
例えば、この協調制御においては、バッテリ30のSOCが目標値としての目標SOCに維持されるように、モータジェネレータMG1の発電量と、モータジェネレータMG2の放電量或いは更に補機装置の放電量とが絶えず調整される。例えば、バッテリ30のSOCが目標SOCよりも高ければ、駆動軸要求トルクに対するMG2トルクTmg2の比率が増やされる、或いは、バッテリ30の放電制限値が拡大される等して電力収支は放電側に傾き、反対に目標SOCよりも低ければ当該比率が減らされる、或いは、バッテリ30の充電要求値が増量される等して電力収支は充電側に傾く。
これに対し、CDモード(EV(Electric Vehicle)モードとも称される)は、MG2トルクTmg2のみを駆動軸500に作用させ、モータジェネレータMG2の動力のみによりハイブリッド車両1を走行させるモードである。CDモードでは、基本的にエンジン200は機関停止状態とされるため(尚、補機装置に対する電力供給のための最低限の機関稼動がなされる場合もある)、燃料消費はゼロか、或いは無視し得る程度に少ない。但し、CDモードは、バッテリ30の電力収支上は、放電側に傾いた走行モードであるから、バッテリ30のSOCは基本的に減少し続ける。従って、CDモードは、バッテリ30のSOCも考慮してその実行可否が決定される。
<インジケータ制御処理の概要>
補機用発電のためのエンジン稼動を伴う場合を除きエンジン200が機関停止状態となるCDモード走行時においては、所定の条件が満たされた場合にエンジン200が始動する。このエンジン始動タイミングを運転者に通知することは、経済的走行を奨励する意味においても、また経済的走行を志向する運転者に判断基準を与える意味においても有益である。このため、ハイブリッド車両1では、インジケータ40にエンジン始動タイミングに関する情報が表示される。
ここで、図3を参照し、インジケータ40の表示内容について視覚的に説明する。ここに、図3は、インジケータ40の表示内容を例示する図である。尚、同図において、図1と重複する箇所については同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
図3において、インジケータ40の表示部には、出力バー41が表示される。出力バー41は、左端が出力0(kW)に相当し、右端がCDモードで走行可能な最大出力値Pmaxに相当する表示枠である。この出力バー41には、当該最大出力値Pmaxに対する現在のハイブリッド車両1の出力値である現在出力値(即ち、本発明に係る「現在の出力値」の一例)であり、本実施形態では、便宜上、ハイブリッド車両1の要求出力値Pnと等しいものとして扱う)の割合(%)が、表示値I(図示ハッチング表示参照)として表示される。
表示値Iが出力バー41の右端に相当する最大出力値Pmax(即ち、100%)に達すると、或いは、最大出力値を超えると、エンジン200が始動する。従って、運転者は、表示値Iの推移を見守りつつ、表示値Iが最大値に達さないような運転を心掛けることで、経済的走行を継続することができる。
尚、エンジン200が始動すると、走行モードはCSモードに移行するため、インジケータ40の表示内容は、出力バー41の右側に位置するCSモード用の表示バーがメインとなる(図示CS領域参照)。また、ハイブリッド車両1の出力値がゼロとなると、ハイブリッド車両1は非走行状態と認識され、インジケータ40の表示内容は、充電用の表示バーがメインとなる(図示CHG領域参照)。但し、インジケータ40における情報の表示内容や表示方法は、個別具体的に各種の変更を加えることができる。
ところで、この出力バー41の右端に相当する最大出力値Pmaxには、第1最大出力値Pmax1(本発明に係る「第1の要求出力値」の一例)と、第2最大出力値Pmax2(本発明に係る「第2の要求出力値」の一例)の二種類存在する。
第2最大出力値Pmax2は、モータジェネレータMG2の物理的な最大出力値であり、モータジェネレータMG2の仕様に加えて、バッテリ30の放電制限値Wout、SOC、或いはバッテリ温度Tbat等に応じて定まる値である。第2最大出力値Pmaxは、バッテリ30のSOCが十分に高ければ、基本的に一のCDモード走行期間において殆ど変化しない。従って、最大出力値Pmaxが第2最大出力値Pmax2である場合のインジケータ40の表示値Iは、アクセル開度Taが増加する等して要求出力値Pnが上昇すれば増加し、アクセル開度Taが減少する等して要求出力値Pnが減少すれば減少する。即ち、表示値Iが不自然な変化を示すことはなく、表示値Iは、運転者の感覚と整合する。
一方、第1最大出力値Pmax1は、駆動輪DWが要求する駆動力F(即ち、要求駆動力Ft)により定まる値である。駆動力は、タイヤ径やデファレンシャルのギア比及び減速機構600のギア比等を考慮することによって、駆動軸500の要求トルク、即ち上述した駆動軸要求トルクTpnに変換することができる。駆動軸要求トルクTpnが、モータジェネレータMG2の出力トルクであるMG2トルクTmg2の物理的限界値を超えると、要求出力値PnがMG2の出力可能範囲内であっても、駆動力要件(トルク要件)が満たされないことからエンジン200は始動する。
ここで、出力値は、トルク値と回転数との積に比例するから、駆動軸要求トルクTpnの値は、車速を考慮することによって出力値に単位換算することができる。その結果、第1最大出力値Pmax1は、駆動軸要求トルクTpnが一定であったとしても、車速の上昇に伴って増加する。
従って、最大出力値Pmaxとして第1最大出力値Pmax1が適用されている場合、出力バー41の右端の値が車速の上昇に伴って変化することになる。その結果、表示値Iは、場合により車速の上昇に伴って減少する。このような表示値Iの不自然な減少変化は運転者の感覚と整合しないため、運転者に違和感又は不快感を与える要因となる。このような現象及び問題は、例えば、要求出力値Pnが大きく変化しない場合、例えばアクセル開度が一定で車速のみが上昇する場合等において顕著に生じ得る。
尚、このような問題は、インジケータ40の出力バー41を出力スケールで共通化しようとした場合に生じる問題である。しかしながら、運転者側の視点に立てば、エンジン200の始動ポイントが判断できればよいのであるから、エンジン200の始動タイミングに関連する情報が複数表示されることは望ましくない。即ち、実践的運用面においては、インジケータ40に、出力要件に基づく始動タイミング(最大出力値Pmaxとして第2最大出力値Pmax2が適用された場合の表示値Iにより規定される始動タイミング)と、駆動力要件に基づく始動タイミング(最大出力値Pmaxとして第1最大出力値Pmax1が適用された場合の表示値Iにより規定される始動タイミング)とのうち、早期に訪れると判断される一方(即ち、端的には相対的に大きい方の表示値I)が表示されるのが望ましい。従って、上述した問題を解決するための処理が必要となる。インジケータ制御処理は、このような問題を解決するための処理である。
<インジケータ制御処理の詳細>
次に、インジケータ制御処理の詳細について説明する。ここに、図4は、インジケータ制御処理のフローチャートである。尚、インジケータ制御処理は、CDモード走行時に、所定周期で繰り返し実行される処理である。
図4において、ECU100は、インジケータ40の表示制御に必要な各種情報を取得する(ステップS101)。本実施形態では、車速V、アクセル開度Ta、第1最大出力値Pmax1及び第2最大出力値Pmax2が取得される。
尚、第1最大出力値Pmax1は、先に述べたように駆動力要件に基づく最大出力値であり、MG2トルクTmg2の最大値Tmg2maxに、MG2回転速度Nmg2を乗じることによって得られる。尚、MG2回転速度Nmg2は、図2において不図示のレゾルバ等により検出される回転角を時間微分することによって算出されてもよいが、先述したようにMG2回転速度Nmg2は駆動軸500の回転速度に等しいので、車速Vと減速機構600の減速比等から求められる駆動軸500の回転速度で代用されてもよい。また、第2最大出力値Pmax2は、出力要件に基づく最大値であり、先述したように、モータジェネレータMG2の仕様と、バッテリ30のSOCや充放電制限値等から求められる。
各種の情報が取得されると、最大出力値Pmaxが決定される(ステップS102)。最大出力値Pmaxは、ステップS101で取得された第1最大出力値Pmax1と第2最大出力値Pmax2とのうち小さい方の値に決定される。
最大出力値Pmaxが決定されると、インジケータ40の表示値Iの基準値である基準表示値Ib(%)が下記(3)式に従って算出される(ステップS103)。
Ib=Pn/Pmax・100…(3)
上記(3)式において、Pnは先述したようにハイブリッド車両1の要求出力値である。CDモードにおいてはモータジェネレータMG2により要求出力が賄われるので、要求出力値Pnは、モータジェネレータMG2の現在の出力値と等価である。
要求出力値Pnは、車速V及びアクセル開度Taから公知の手法により求められる。例えば、要求出力値Pnを求めるにあたっては、車速V及びアクセル開度Taからハイブリッド車両1の要求駆動力Ftが決定される。要求駆動力Ftは、例えば要求駆動力マップから該当値を選択すること等により行われる。要求駆動力Ftが求まると、要求駆動力Ftが、駆動軸500の要求トルクである駆動軸要求トルクTpnに換算される。駆動軸要求トルクTpnが求められると、駆動軸要求トルクTpn及び駆動軸500の回転速度から駆動軸要求出力値が求められる。ハイブリッド車両1の要求出力値Pnは、厳密には、この駆動軸要求出力値に補機消費用の出力値を加算した値であるが、ここでは補機消費用の出力値を無視する。従って、ここでは、駆動軸要求出力値が要求出力値Pnとして扱われる。尚、これは制御の一例である。
基準表示値Ibが決定されると、ヒステリシス値hsが決定される(ステップS104)。ヒステリシス値hsは、インジケータ40の表示値Ibの変化を抑制するための一種の補正値である。ヒステリシス値hsは、予めROMやフラッシュメモリ等の記憶手段に、車速V及びアクセル開度Taに対応付けられて(例えば、制御マップとして)記憶されている。
ヒステリシス値hsが求まると、ECU100は、このヒステリシス値hsに基づいたヒステリシス処理を行い、最終的な表示値Iを決定する(ステップS105)。表示値Iが決定されると、この表示値Iがインジケータ40の表示部に表示され、インジケータ制御処理が終了する。尚、既に述べたように、インジケータ制御処理は、所定周期で繰り返される処理であり、終了後所定のインタバルを経て再びステップS101から実行される。
ここで、図5を参照し、ヒステリシス値hsの詳細について説明する。ここに、図5は、ヒステリシス値の概念を説明する図である。
図5において、ヒステリシス値hsは、車速V及びアクセル開度Taによって規定される同心矩形環状領域(即ち、破線で囲まれた各領域である)毎に、0〜18の値が与えられている。図示の通り、ヒステリシス値hsは、外側の同心矩形環状領域程小さい値となっており、50km/h程度の中間車速且つTa=35%程度の中間アクセル開度において最大値18を採る。
尚、図5では、ヒステリシス値hsがある範囲(例えば、16〜18)となる走行条件が一の同心矩形環状領域としてまとめて表示されているが、実際のヒステリシス値hsは、車速V及びアクセル開度Taにより規定される一の走行条件について、一の固定値を採る。尚、最も外側の同心矩形環状領域よりも外側の領域では、ヒステリシス値hs=0(即ち、最小値)である。
ヒステリシス値hsが持つ意味は、ヒステリシス処理の内容により異なるが、本実施形態では、ヒステリシス値hsが大きい程、インジケータ40の表示値Iの変化が抑制される結果となる。
ここで、具体的なヒステリシス処理について例示する。
<ヒステリシス処理の第1の例>
本実施形態に係るヒステリシス処理は、例えば下記(4)式及び(5)式に従って実行される。尚、インジケータ40の現在の表示値をI(i)とし、更新後のインジケータ40の表示値をI(i+1)とする。
I(i+1)=Ib…(4)
I(i+1)=I(i)−(I(i)−Ib)+hs…(5)
ここで、上記(4)式が適用された場合、基準表示値Ibがそのまま更新値I(i+1)として使用されるので、表示値Iの変化は抑制されない。上記(4)式は、下記(4a)又は(4b)の条件が満たされた場合に適用される。
Pmax=Pmax2…(4a)
I(i)≦Ib…(4b)
即ち、最大出力値Pmaxとして出力要件に基づく第2最大出力値Pmax2が適用される場合には、表示値Iの信頼性が低下することはないので、表示値Iの変化は抑制されない(条件4a)。また、表示値Iの増加側の変化については、表示値Iの信頼性が低下することはないので、表示値Iの変化は抑制されない(条件4b)。
上記(5)式が適用された場合、表示値Iは、その変化がヒステリシス値hsに応じて抑制される。上記(5)式は、下記(5a)及び(5b)の条件が満たされた場合に適用される。
Pmax=Pmax1…(5a)
I(i)>Ib…(5b)
即ち、最大出力値Pmaxとして駆動力要件に基づく第1最大出力値Pmax1が適用され(条件5a)、且つ表示値Iが減少側に変化する場合(条件5b)に限って、表示値Iの変化が抑制される。尚、上記(5)式が適用される場合、更新値I(i+1)の最大値は、現在値I(i)である。即ち、絶対値がヒステリシス値hsを超えない表示値Iの減少変化は全て無視され、表示値Iは維持される。また、絶対値がヒステリシス値hsを超える減少変化については、表示値Iの減少幅がヒステリシス値hsの分だけ相殺される。
<ヒステリシス処理の第2の例>
上記(5)式は、下記(6)式に置換されてもよい。
I(i+1)=I(i)−(I(i)−Ib)/hs…(6)
上記(6)式が適用される場合、表示値Iの減少要求(即ち、ステップS103で求められる基準表示値Ibが現在値I(i)よりも小さい場合)に対し、表示値Iは減少するものの、その減少量がヒステリシス値hsに応じて相殺される。従って、表示値Iの減少変化が抑制される。尚、当然ながら、上記(6)式が適用される前提においては、ヒステリシス値hsの最小値は「1」である。
このように、本実施形態に係るインジケータ制御処理によれば、駆動力要件に基づく第1最大出力値Pmax1が車速Vの関数となることに起因して中間車速領域且つ中間アクセル開度領域において顕著に生じるインジケータ40の表示値Iの不自然な減少変化が、ヒステリシス処理により抑制される。このため、表示値Iが運転者に与える違和感や不快感が緩和され、理想的には防止される。
尚、図4には例示されていないが、インジケータ40の表示値Iの不自然な減少側への変化が生じるのは、顕著には、車速Vが上昇している場合、且つ、アクセル開度Taの上昇幅が所定値以内の場合である。この点に鑑みれば、図4において、ステップS103とステップS104との間に、車速V及びアクセル開度Taの判定処理を挿入してもよい。より具体的には、車速Vが上昇していない場合、又はアクセル開度Taが減少しているか、或いは大きく上昇している場合については、基準表示値Ibを表示値Iとして決定してもよい。
<第2実施形態>
第1実施形態では、主として中車速領域且つ中間アクセル開度領域において顕著に発生する、表示値Iの不自然な減少変化を抑制する手法について説明した。第2実施形態では、この第1実施形態の効果を維持しつつ、更に低車速領域且つ小アクセル開度領域において発生し得る表示値Iの不自然な増量変化を抑制可能なインジケータ制御処理について、図6を参照して説明する。ここに、図6は、第2実施形態に係るインジケータ制御処理のフローチャートである。尚、同図において、図4と重複する箇所については同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
図6において、基準表示値Ibが決定されると(ステップS103)、反映係数Kが決定される(ステップS201)。反映係数Kは、表示値Iへの基準表示値Ibの反映の度合いを表す係数である。反映係数Kは、予めROMやフラッシュメモリ等の記憶手段に、車速V及びアクセル開度Taに対応付けられて(例えば、制御マップとして)記憶されている。
反映係数Kが決定されると、ECU100は、下記(7)式に従って補正基準表示値Ibcを算出する(ステップS202)。
Ibc=K・Ib…(7)
補正基準表示値Ibcが算出されると、この補正基準表示値Ibcに基づいて第1実施形態と同様のヒステリシス処理が実行される(ステップS104、S105)。
ここで、図7を参照し、反映係数Kについて説明する。ここに、図7は、反映係数Kの概念を説明する図である。
図7において、反映係数Kは、車速V及びアクセル開度Taによって規定される図示帯状領域(破線で囲まれた各ハッチング領域)毎に、0〜1の値が与えられている。図示の通り、反映係数Kは、低車速側程、又小アクセル開度側程小さい値となっている。
尚、図7では、反映係数Kがある範囲(例えば、0〜0.1)となる走行条件が一の帯状領域としてまとめて表示されているが、実際の反映係数Kは、車速V及びアクセル開度Taにより規定される一の走行条件について、一の固定値を採る。尚、反映係数Kが0.9〜1.0の値を採る最も外側の帯状領域よりも外側の領域では、反映係数K=1(最大値)である。
ここで、上記(7)式に従って算出される補正基準表示値Ibcが適用された場合、低車速且つ小アクセル開度に該当する走行領域(例えば、クリープ走行領域)においては、インジケータ40の基準表示値Ibが実質的に0相当の小さい値となる。即ち、基準表示値Ibは、殆ど表示値Iに反映されなくなる。
駆動力要件に基づく第1最大出力値Pmax1は、上述した通り車速の高低に応じて夫々増減する。このため、第1実施形態で述べた中間車速領域且つ中間アクセル開度領域における表示値Iの不自然な減少変化とは逆に、第1最大出力値Pmax1が極度に小さくなる低車速領域且つ小アクセル開度領域においては、インジケータ40の表示値Iが不自然に増加する。
このような問題に対し、本実施形態に係るインジケータ制御処理によれば、上記不自然な増加変化が生じる走行領域については、反映係数Kによってインジケータ40の基準表示値Ibが減少補正される。このため、表示値Iが運転者に与える違和感や不快感が緩和され、理想的には防止される。
尚、第1及び第2実施形態において参照された車速V及びアクセル開度Taの値は全て例示であり、これらの具体的な数値については、自由に変更することができる。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うハイブリッド車両の制御装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
本発明は、ハイブリッド車両のバッテリ保護に適用可能である。
1…ハイブリッド車両、10…ハイブリッド駆動装置、20…PCU、30…バッテリ、40…インジケータ、MG1、MG2…モータジェネレータ、100…ECU、200…エンジン、300…動力分割機構、400…入力軸、500…駆動軸、600…減速機構。

Claims (4)

  1. 表示手段と、
    内燃機関と、
    少なくとも一つの回転電機と
    を備えたハイブリッド車両を制御するハイブリッド車両の制御装置であって、
    前記回転電機のみを動力源として前記ハイブリッド車両が走行する期間において、前記回転電機のトルクが不足することにより前記内燃機関の始動が必要とされる前記ハイブリッド車両の第1の要求出力値を算出する第1算出手段と、
    前記ハイブリッド車両の現在の出力値を算出する第2算出手段と、
    前記算出された第1の要求出力値と前記算出された現在の出力値との比率が表示されるように前記表示手段を制御する表示制御手段と、
    車速及びアクセル開度に基づいて前記表示される比率の変化を抑制する抑制手段と
    を具備することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  2. 前記第1算出手段は、前記回転電機のみを動力源として前記ハイブリッド車両が走行する期間において、前記回転電機の出力が不足することにより前記内燃機関の始動が必要とされる前記ハイブリッド車両の第2の要求出力値を更に算出し、
    前記表示制御手段は、前記算出された第1の要求出力値及び第2要求出力値のうち小さい方の値と、前記算出された現在の出力値との比率が表示されるように前記表示手段を制御し、
    前記抑制手段は、前記算出された第1の要求出力値と前記算出された現在の出力値との比率が表示されている場合に、前記表示される比率の変化を抑制する
    ことを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両の制御装置。
  3. 前記抑制手段は、前記車速及びアクセル開度により定まる前記ハイブリッド車両の走行領域が所定の領域に該当する場合に、前記表示される比率を維持する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のハイブリッド車両の制御装置。
  4. 前記抑制手段は、前記アクセル開度が一定である若しくは増加している場合且つ前記車速が上昇している場合における前記比率の減少を抑制する
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のハイブリッド車両の制御装置。
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