JP5939093B2 - 切削インサートセットおよび切削インサート - Google Patents

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Description

本発明は、刃先交換式の切削工具本体に着脱可能に取り付けられる切削インサートであってコーナ半径が互いに異なる複数種の切削インサートからなる切削インサートセット、および該切削インサートセットを構成する切削インサートに関するものである。
このような切削インサートとして、特許文献1〜3には、平行四辺形や長方形等の多角形状をなすインサート本体のすくい面のコーナ部に、円弧等の凸曲線状をなすコーナ刃が形成されるとともに、このコーナ刃の両端に連なるすくい面の辺稜部には切刃として主切刃と副切刃が形成された刃先交換式エンドミル用の切削インサートが記載されている。すくい面は、コーナ刃、主切刃、および副切刃から離間してインサート本体の内側に向かうに従い漸次後退するように傾斜しており、これらコーナ刃および切刃に正のすくい角が与えられるようにされている。
このうち、特許文献1に記載の切削インサートでは、コーナ刃と主切刃の一部が同一平面上に延びるようにされている。また、特許文献2、3には、すくい面にコーナ刃および切刃を介して交差するインサート本体の逃げ面を研磨加工することが記載されている。ここで、上述のように傾斜する主切刃と副切刃のすくい面を滑らかに接続するために、コーナ刃に連なるすくい面は一般的に、コーナ部の二等分線に直交する断面において凹曲線状をなすように形成され、このようなすくい面が上記一平面上において逃げ面と交差してコーナ刃が形成されることにより、コーナ刃はすくい面に対向する方向から見て上述のような凸曲線状に形成される。
特開2003−334716号公報 特開2007−268641号公報 特開2010−105134号公報
ところで、このような切削インサートにおいては、主切刃や副切刃およびそのすくい面や逃げ面の形状、寸法はそのままに、コーナ刃がなす円弧等の凸曲線の半径であるコーナ半径が異なる複数種の切削インサートからなる切削インサートセットを製品ラインナップして提供することがある。このような切削インサートセットの切削インサート同士は、例えば上述のような刃先交換式エンドミル用の切削インサートの場合は1種類のエンドミル本体に取付可能であり、被削材に形成される溝等の底面と壁面との角隅部の半径に応じて異なるコーナ半径の切削インサートによる切削加工を行うことができる。
ここで、上述のような切削インサートは、通常は超硬合金やサーメット等の硬質材料の原料粉末をダイおよびパンチよりなるプレス成形金型によって圧縮して圧粉体を成形し、これを焼結して製造される。このため、このように異なるコーナ半径の切削インサートを製造する場合に、異なるコーナ半径の切削インサートごとに原料粉末を圧縮して圧粉体から製造したのでは、コーナ半径の種類と同数のプレス成形金型が必要となって経済的ではない。
そこで、このような場合には、1種類のプレス成形金型によって図3に示すように切削インサートセットのうち最も小さいコーナ半径R1の切削インサートAを製造する一方、この切削インサートAの切削に使用されるコーナ部Cに、特許文献2、3に記載されているように研磨加工を施して図4に示すような上記コーナ半径R1よりも大きいコーナ半径R2の切削インサートBを製造することが考えられる。
なお、これら図3および図4に示す切削インサートA、Bは、特許文献1〜3に記載されたような刃先交換式エンドミル用の切削インサートであり、上述のように超硬合金やサーメット等の硬質焼結合金よりなる多角形(略平行四辺形)板状のインサート本体1の一方の多角形状をなす面がすくい面2とされるとともに、他方の多角形状面はインサート本体1の厚さ方向(図3および図4の各図(c)〜(e)における上下方向)に垂直な平面状とされて図示されない刃先交換式エンドミルのエンドミル本体への着座面3とされ、これらの多角形状面の周りのインサート本体1の周面には、すくい面2側に逃げ面4が形成されている。また、すくい面2から着座面3にかけては、インサート本体1をエンドミル本体に取り付けるためのクランプネジが挿通される取付孔5が、これらの切削インサートではすくい面2がなす平行四辺形の長手方向に2つ、インサート本体1を上記厚さ方向に貫通するように形成されている。
すくい面2と逃げ面4との交差稜線部には、上記厚さ方向にすくい面2に対向する方向からみて、すくい面2がなす平行四辺形の鋭角の上記コーナ部Cに1/4円弧等の凸曲線状をなすコーナ刃6が形成されるとともに、このコーナ刃6の両端には、上記平行四辺形の長辺に沿って主切刃7が、短辺側には副切刃8が、コーナ刃6の両端に接するように形成されている。なお、主切刃7と副切刃8とは直交する方向に形成され、すくい面2がなす平行四辺形の短辺は、副切刃8のコーナ刃6とは反対で鈍角に曲折して該平行四辺形の鈍角のコーナ部に延びている。
また、主切刃7は、図3(c)および図4(c)に示すようにコーナ刃6から離間して上記鈍角のコーナ部に向かうに従い凸曲線状をなして上記厚さ方向に後退するように形成されている。これに対して、コーナ刃6および副切刃8は、図3に示す小さいコーナ半径R1の切削インサートAでは、上記厚さ方向に最も突出して該厚さ方向に垂直な一平面上に位置するようにされている。なお、切削インサートA、Bともに、逃げ面4は、すくい面2側から着座面3側に向かうに従いインサート本体1の内側に傾斜するように形成されており、これらの切削インサートA、Bはコーナ刃6、主切刃7、および副切刃8に逃げ角が与えられたポジティブインサートとされている。
さらに、すくい面2中央の上記取付孔5の周りの部分は、コーナ刃6や主切刃7および副切刃8に対して凹んだ上記厚さ方向に垂直な平面状とされている。従って、すくい面2の外周側のコーナ刃6に連なるコーナすくい面2aと、主切刃7に連なる主すくい面2bと、副切刃8に連なる副すくい面2cとは、このすくい面2の中央部に向かうに従い上記厚さ方向に漸次後退するように傾斜させられて、正のすくい角が与えられる。
そして、このように傾斜面とされた主すくい面2bと副すくい面2cとを滑らかに接続するために、コーナすくい面2aは上記厚さ方向にすくい面2に対向する方向から見たときのコーナ部Cの二等分線Lに直交する断面において上述のように凹曲線状をなすように形成されて同様に傾斜させられる。さらに、図3に示す切削インサートAでは、このようなコーナすくい面2aが上記一平面上において逃げ面4と交差することにより、上述のような凸曲線状をなすコーナ刃6が形成される。
このような切削インサートA、Bにより構成される切削インサートセットは、コーナ刃6が最も小さなコーナ半径R1となる切削インサートAに対応した1種類のプレス成形金型によって圧粉体を成形して焼結し、必要に応じて逃げ面4や、場合によってはすくい面2にも研磨加工を施してコーナ半径R1の切削インサートAを製造する。また、切削インサートBは、このように切削インサートAに製造される焼結体のコーナ部Cの逃げ面4をコーナ刃6がコーナ半径R1よりも大きいコーナ半径R2となるように研磨加工して製造すればよい。
ところが、このようにして異なるコーナ半径R1、R2の切削インサートA、Bよりなる切削インサートセットを、小さなコーナ半径R1の切削インサートAを基準として製造しようとすると、コーナ刃6に連なるコーナすくい面2aが上記断面においてなす凹曲線もこの小さなコーナ半径R1を基準として形成されているため、大きなコーナ半径R2の切削インサートBを製造したときに、この大きなコーナ半径R2のコーナ刃6に小さなコーナ半径R1を形成するコーナすくい面2aが交差してしまい、図4(c)〜(e)に示すように側面視においてコーナ刃6に凹みGが生じてしまう。そして、このような凹みGが形成された部分では切刃強度が損なわれたり、被削材に形成される溝等の隅角部に逆に凸部が残されてしまうために加工精度が損なわれたりするおそれがある。
本発明は、このような背景の下になされたもので、1種類のプレス成形金型によって異なるコーナ半径の切削インサートよりなる切削インサートセットを提供する場合に、コーナ半径の最も小さな切削インサートを基準としてコーナ半径の大きな切削インサートを製造するときでも上述のような凹みをコーナ刃に生じることがなく、いずれのコーナ半径の切削インサートでも高い切刃強度と加工精度を得ることが可能な切削インサートセット、およびこのような切削インサートセットにおいて基準となる切削インサートを提供することを目的としている。
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明の切削インサートセットは、インサート本体の多角形状をなすすくい面のコーナ部に凸曲線状のコーナ刃が形成されるとともに、このコーナ刃の両端には互いに等しい交差角で交差する方向に延びる切刃が形成された複数種の切削インサートよりなる切削インサートセットであって、上記コーナ刃に連なる上記すくい面には該コーナ刃から離間するに従い漸次後退するように正のすくい角が与えられるとともに、該コーナ刃に連なるすくい面は、上記すくい面に対向する方向から見たときの上記コーナ部の二等分線に直交する断面においては凹曲線状をなすように形成されており、上記複数種の切削インサート同士では上記コーナ刃のコーナ半径が異なる大きさとされ、このうち上記コーナ半径が最も小さい切削インサートの上記コーナ刃に連なるすくい面には、該すくい面に対向する方向から見て他の切削インサートの上記コーナ刃のコーナ半径と等しい半径で上記切刃に内接する円弧が、一の平面上に延びるようにして形成されていることを特徴とする。
また、本発明の切削インサートは、インサート本体の多角形状をなすすくい面のコーナ部に凸曲線状のコーナ刃が形成されるとともに、このコーナ刃に連なる上記すくい面には該コーナ刃から離間するに従い漸次後退するように正のすくい角が与えられるとともに、該コーナ刃に連なるすくい面は、上記すくい面に対向する方向から見たときの上記コーナ部の二等分線に直交する断面においては凹曲線状をなすように形成されており、このコーナ刃に連なる上記すくい面には、該すくい面に対向する方向から見て上記コーナ刃の両端に形成された切刃に該コーナ刃のコーナ半径よりも大きな半径で内接する円弧が、一の平面上に延びるようにして形成されていることを特徴とする。
従って、例えばこのような切削インサートを基準となるコーナ半径が最も小さい切削インサートとする上記切削インサートセットでは、このコーナ半径が最も小さい切削インサートのコーナ刃に連なるすくい面には、該すくい面に対向する方向から見て他の切削インサートのコーナ刃のコーナ半径と等しい半径で上記切刃に内接する円弧が、一の平面上に延びるようにして形成されているので、この円弧に沿って逃げ面を研磨加工してコーナ半径の大きい他の切削インサートを製造したときに、他の切削インサートのコーナ刃となるこの円弧に凹みが生じることはない。このため、凹みの部分でコーナ刃の切刃強度が損なわれることがなく、また被削材に形成される溝等の隅角部に凸部が残されることもないので、加工精度の向上を図ることができる。
また、上記切削インサートセットにおいては、上記コーナ半径が最も小さい切削インサートの上記コーナ刃に連なるすくい面は、該すくい面に対向する方向から見て上記他の切削インサートの上記コーナ刃のコーナ半径と等しい半径で上記切刃に内接する上記円弧の位置において、上記コーナ刃から離間して上記すくい面の内側に向かうに従い上記すくい角を正角側に大きくなるように不連続に変化させることにより、コーナ半径が大きな他の切削インサートほどコーナ刃のすくい角が正角側に大きくなって切削抵抗の低減を図ることができる。
一方、上記切削インサートにおいても、上記コーナ刃に連なるすくい面は、該すくい面に対向する方向から見て上記コーナ刃の両端に形成された切刃に該コーナ刃のコーナ半径よりも大きな半径で内接する上記円弧の位置において、上記コーナ刃から離間して上記すくい面の内側に向かうに従い上記すくい角を正角側に大きくなるように不連続に変化させるようにすることにより、コーナ刃に連なるすくい面が多段状に曲折することになるので、切屑離れを良好にすることができる。
以上説明したように、本発明によれば、切削インサートセットにおいてコーナ半径の最も小さい切削インサートを基準としてコーナ半径の大きい他の切削インサートを製造する場合でも、コーナ刃に凹みが生じるのを防いで加工精度の向上を図ることができ、またそのような基準となる切削インサートを提供することができる。
本発明の切削インサートセットの一実施形態のうちコーナ半径が最も小さい切削インサートおよび本発明の切削インサートの一実施形態を示す(a)斜視図、(b)平面図、(c)図(b)の矢線X方向視の側面図、(d)図(b)の矢線Y方向視の側面図、(e)図(b)の矢線Z方向視の側面図である。 (a)図1に示す切削インサートにおけるコーナ部Cの拡大平面図、(b)本発明の切削インサートセットの一実施形態のうちコーナ半径が図1に示す切削インサートの次に大きい他の切削インサートにおけるコーナ部Cの拡大平面図、(c)本発明の切削インサートセットの一実施形態のうちコーナ半径が図2(b)に示す他の切削インサートの次に大きい他の切削インサートにおけるコーナ部Cの拡大平面図である。 従来の切削インサートセットのうちコーナ半径が最も小さい切削インサートを示す(a)斜視図、(b)平面図、(c)図(b)の矢線X方向視の側面図、(d)図(b)の矢線Y方向視の側面図、(e)図(b)の矢線Z方向視の側面図である。 図3に示す切削インサートを基準にして製造された従来の切削インサートセットのうちコーナ半径が大きい切削インサートを示す(a)斜視図、(b)平面図、(c)図(b)の矢線X方向視の側面図、(d)図(b)の矢線Y方向視の側面図、(e)図(b)の矢線Z方向視の側面図である。
図1および図2は、本発明の切削インサートセットおよび切削インサートの一実施形態を示すものである。このうち、図1および図2(a)に示すのは、本実施形態の切削インサートセットのうち基準となる最も小さなコーナ半径R10の切削インサートDおよび本実施形態の切削インサートDであり、図3および図4に示した切削インサートセットおよび切削インサートA、Bと共通する部分には同一の符号を配してある。
本実施形態の切削インサートDも刃先交換式エンドミル用の切削インサートであって、インサート本体1は超硬合金やサーメット等の硬質焼結合金によって多角形(略平行四辺形)板状に形成されている。このインサート本体1の一方の多角形状をなす面がすくい面2とされるとともに、他方の多角形状面はインサート本体1の厚さ方向(図1(c)〜(e)における上下方向)に垂直な平面状とされて図示されないエンドミル本体への着座面3とされ、これらの多角形状面の周りのインサート本体1の周面には、すくい面2側に逃げ面4が形成されている。また、すくい面2から着座面3にかけては、インサート本体1をエンドミル本体に取り付けるためのクランプネジが挿通される取付孔5が、本実施形態でもすくい面2がなす平行四辺形の長手方向に2つ、インサート本体1を上記厚さ方向に貫通するように形成されている。
さらに、すくい面2と逃げ面4との交差稜線部には、すくい面2がなす平行四辺形の鋭角の上記コーナ部Cに、上記厚さ方向にすくい面2に対向する方向からみてコーナ半径R10が例えば0.4mmの1/4円弧等の凸曲線状をなすコーナ刃6が形成されている。また、このコーナ刃6の両端には、本実施形態における切刃として、上記平行四辺形の長辺に沿って主切刃7が、短辺に沿って副切刃8が、コーナ刃6の両端に接するように形成されている。主切刃7と副切刃8とは直交する方向に形成され、すくい面2がなす平行四辺形の短辺は、副切刃8のコーナ刃6とは反対で鈍角に曲折して該平行四辺形の鈍角のコーナ部に延びている。
また、主切刃7は、図1(c)に示すようにコーナ刃6から離間してすくい面2の鈍角のコーナ部に向かうに従い凸曲線状をなして上記厚さ方向に着座面3側に後退するように形成されている。さらに、本実施形態では、副切刃8もコーナ刃6から離間するに従い上記厚さ方向に僅かに後退するようにされ、コーナ刃6だけが上記厚さ方向に最も突出して該厚さ方向に垂直な一平面上に位置するようにされている。また、逃げ面4は、すくい面2側から着座面3側に向かうに従いインサート本体1の内側に傾斜していて、本実施形態の切削インサートDもコーナ刃6、主切刃7、および副切刃8に逃げ角が与えられたポジティブインサートとされている。
さらにまた、すくい面2の中央の上記取付孔5の周りの部分は、コーナ刃6や主切刃7および副切刃8に対して凹んだ上記厚さ方向に垂直な平面状とされており、このすくい面2の中央部に連なるコーナすくい面2a、主すくい面2b、および副すくい面2cのコーナ部C周辺を除いた部分は、すくい面2中央部に向かうに従い上記厚さ方向に着座面3側に向けて漸次後退するように傾斜させられて、正のすくい角が与えられる。
ここで、本実施形態におけるすくい角は、上記厚さ方向にすくい面2に対向する方向から見てコーナ刃6や主切刃7、副切刃8に直交する断面において、これらコーナ刃6、主切刃7、副切刃8を通り上記厚さ方向に垂直な直線に対してコーナすくい面2a、主すくい面2b、副すくい面2cがなす角度とされ、上述のようにすくい面2の中央部に向かうに従い上記厚さ方向に着座面3側に向けて後退する方向が正角側に大きくなる方向とされる。
さらに、こうして傾斜面とされた主すくい面2bと副すくい面2cとを滑らかに接続するために、コーナすくい面2aは本実施形態でも上記厚さ方向にすくい面2に対向する方向から見たときのコーナ部Cの二等分線Lに直交する断面においては凹曲線状をなすように形成されている。
ところが、本実施形態では、コーナ刃6に連なる部分においてこのコーナすくい面2aに、上記厚さ方向にすくい面2に対向する方向から見て図2(a)に示すように、コーナ刃6の両端に形成された主切刃7および副切刃8にコーナ刃6のコーナ半径R1よりも大きな半径で内接する円弧が、一の平面上に延びるように形成されている。本実施形態では第1、第2の複数(2つ)の円弧11、12が形成されていて、それぞれ上記厚さ方向に垂直な一の平面上に位置させられており、コーナ刃6の直ぐ内側の第1の円弧11の半径R11は例えば0.8mmとされ、この第1の円弧11のさらに内側の第2の円弧12の半径R12は半径R11よりも大きな例えば1.2mmとされている。
そして、本実施形態では、コーナすくい面2aの上記すくい角は、コーナ刃6と第1の円弧11との間、および第1の円弧11と第2の円弧12との間の、上記厚さ方向にすくい面2に対向する方向から見てそれぞれ三日月状をなす領域では一定とされるとともに、上記第1、第2の円弧11、12の位置でコーナ刃6から離間してすくい面2(コーナすくい面2a)の内側に向かうに従い正角側に大きくなるように不連続に変化させられている。すなわち、上記二等分線Lに沿った断面においてコーナすくい面2aは、コーナ刃6側では凸曲折する折れ線状をなしてすくい面2の中央部側に向かうに従い上記厚さ方向に漸次後退するようにされている。
従って、本実施形態では、第1の円弧11が位置する上記一の平面はコーナ刃6が位置する上記一の平面よりも上記厚さ方向に着座面3側に後退した位置に配置され、第2の円弧12が位置する上記一の平面は第1の円弧11が位置する上記一の平面よりもさらに上記厚さ方向に着座面3側に後退した位置に配置される。なお、コーナ刃6および第1、第2の円弧11、12の間の上記三日月状をなす領域の両端部には、主切刃7と副切刃8とが極短い範囲で延長させられていて、この極短い範囲で主切刃7および副切刃8に連なる主すくい面2bおよび副すくい面2cも上記三日月状領域に形成される。
そして、本実施形態の切削インサートセットでは、これら第1、第2の円弧11、12の位置が、切削インサートDとはコーナ半径が異なる他の切削インサートE、Fのコーナ刃6の位置となる。従って、図2(b)に示すように他の第1の切削インサートEにおけるコーナ刃6のコーナ半径R11は0.8mmとされ、図2(c)に示すように他の第2の切削インサートFにおけるコーナ刃6のコーナ半径R12は1.2mmとされる。すなわち、本実施形態の切削インサートセットは、コーナ半径の異なる3種類の切削インサートD、E、Fのセットである。
このような他の切削インサートE、Fは、切削インサートDを基準として、逃げ面4を第1、第2の円弧11、12の位置まで研磨加工することにより製造される。基準の切削インサートDのコーナ部Cの逃げ面4を、第1の円弧11の位置まで研磨加工すれば他の第1の切削インサートEを製造することができ、第2の円弧12の位置まで研磨加工すれば他の第2の切削インサートFを製造することができる。従って、本実施形態の切削インサートセットの切削インサートD、E、Fにおいては、主切刃7と副切刃8とはいずれも互いに等しい交差角(直角)で交差する方向に延び、またコーナ部Cの周辺以外の部分は同形、同大とされる。
このような切削インサートセットおよび切削インサートDによれば、基準となる最も小さいコーナ半径R10の切削インサートDを製造するための1種類のプレス成形金型を用いて、第1、第2の異なるコーナ半径R11、R12の切削インサートE、Fを製造することができる。このため、コーナ半径R10、R11、R12の切削インサートD、E、Fごとにプレス成形金型を用意する必要がなく、経済的かつ効率的である。
そして、さらに上記構成の切削インサートセットおよび切削インサートDでは、すくい面2のコーナ刃6に連なる部分において、すくい面2に対向する方向から見てコーナ刃6のコーナ半径R10よりも大きな半径で、本実施形態では他の第1、第2の切削インサートE、Fのコーナ刃6のコーナ半径R11、R12と等しい半径の第1、第2の円弧11、12が形成されており、これら第1、第2の円弧11、12は、それぞれ一の平面上に延びるようにされている。
このため、上述のように逃げ面4を研磨加工して他の第1、第2の切削インサートE、Fを製造する場合でも、これら他の切削インサートE、Fのコーナ刃6はそれぞれ上記一の平面上に形成されることになり、図4に示したような凹みGがコーナ刃6に生じることはない。従って、このような凹みGによってコーナ刃6の切刃強度が損なわれることはなく、さらにこのような他の第1、第2の切削インサートE、Fを刃先交換式エンドミルのエンドミル本体に取り付けて溝加工等を行う場合に、被削材に形成される溝の底面と壁面との隅角部に上記凹みGによって凸部が残されるようなこともなく、高精度の切削加工を行うことができ、またそのような他の第1、第2の切削インサートE、Fの基準となる切削インサートDを提供することができる。
さらに、本実施形態の切削インサートセットでは、コーナ刃6に連なるコーナすくい面2aは、上記他の第1、第2の切削インサートE、Fにおいてコーナ刃6となる第1、第2の円弧11、12の位置で、コーナ刃6から離間してすくい面2の内側に向かうに従いすくい角が正角側に大きくなるように不連続に変化させられている。このため、最も小さなコーナ半径R10となる基準の切削インサートDよりは、これよりも大きなコーナ半径R11の第1の切削インサートEの方がすくい角が大きくなり、またこの第1の切削インサートEよりも大きなコーナ半径R12となる第2の切削インサートFの方がさらにすくい角は大きくなり、コーナ半径が大きくてコーナ刃6の切刃長が長い切削インサートほどコーナ刃6のすくい角を正角側に大きくすることができるので、切削抵抗の低減を図ることができる。
また、本実施形態の基準となる切削インサートDや他の第1の切削インサートEでも、コーナすくい面2aのすくい角が不連続に変化していて、上記二等分線Lに沿ったコーナすくい面2aの断面が上述のように円弧11、12の位置で凸曲折する折れ線状をなしている。このため、コーナ刃6によって生成されてコーナすくい面2a上を擦過した切屑が円弧11、12の位置を通過するときにコーナすくい面2aから離れ易くなって、いわゆる切屑離れが良好となり、これによっても切削抵抗の低減を図ることができるという効果が得られる。
ただし、本実施形態ではこのようにコーナ刃6に連なるコーナすくい面2aのすくい角を不連続に変化させていて、コーナすくい面2a上に円弧11、12が、該コーナすくい面2aの上記断面がなす折れ線の曲折点を連ねた稜線として形成されるようにしているが、このすくい角をコーナ刃6から離間してすくい面2の内側に向かうに従い連続的に正角側に大きくなるように変化させてもよい。この場合には、コーナすくい面2a上に円弧11、12が稜線としては形成されなくなるが、コーナ刃6よりも大きな半径で主切刃7および副切刃8に内接する円弧をコーナすくい面2a上に描いたときには、この円弧はその半径ごとに一の平面上に位置することになる。
また、本実施形態では切削インサートD、E、Fのコーナ刃6および他の切削インサートE、Fのコーナ刃6となる円弧11、12をインサート本体1の厚さ方向に垂直な一の平面上に位置させているが、例えば上記厚さ方向にすくい面2に対向する方向から見たときのコーナ刃6と上記二等分線Lとの交点、すなわちコーナ刃6の突端から、この二等分線Lに沿ってすくい面2の内側に向かうに従い上記厚さ方向に着座面3側に向けて傾斜する一の傾斜平面上ごとに、コーナ刃6や円弧11、12が位置するようにされていてもよい。
さらに、本実施形態の切削インサートセットはコーナ半径が異なる3種の切削インサートD、E、Fによって構成されているが、4種以上の切削インサートによって切削インサートセットが構成されていたり、切削インサートD、Eや切削インサートD、Fの2種の組み合わせで切削インサートセットが構成されていてもよい。また、切削インサートEを基準の切削インサートとして他の切削インサートFとの組み合わせで切削インサートセットが構成されていてもよい。
D 切削インサート
E、F 他の切削インサート
1 インサート本体
2 すくい面
2a コーナすくい面
2b 主すくい面
2c 副すくい面
3 着座面
4 逃げ面
5 取付孔
6 コーナ刃
7 主切刃(コーナ刃6の両端に連なる切刃)
8 副切刃(コーナ刃6の両端に連なる切刃)
11、12 他の切削インサートE、Fのコーナ刃6のコーナ半径R11、R12と等しい半径で切刃7、8に内接する円弧
C コーナ部
L コーナ部Cの二等分線
R10 切削インサートDの最も小さいコーナ半径
R11、R12 他の切削インサートE、Fのコーナ半径

Claims (4)

  1. インサート本体の多角形状をなすすくい面のコーナ部に凸曲線状のコーナ刃が形成されるとともに、このコーナ刃の両端には互いに等しい交差角で交差する方向に延びる切刃が形成された複数種の切削インサートよりなる切削インサートセットであって、上記コーナ刃に連なる上記すくい面には該コーナ刃から離間するに従い漸次後退するように正のすくい角が与えられるとともに、該コーナ刃に連なるすくい面は、上記すくい面に対向する方向から見たときの上記コーナ部の二等分線に直交する断面においては凹曲線状をなすように形成されており、上記複数種の切削インサート同士では上記コーナ刃のコーナ半径が異なる大きさとされ、このうち上記コーナ半径が最も小さい切削インサートの上記コーナ刃に連なるすくい面には、該すくい面に対向する方向から見て他の切削インサートの上記コーナ刃のコーナ半径と等しい半径で上記切刃に内接する円弧が、一の平面上に延びるようにして形成されていることを特徴とする切削インサートセット。
  2. 上記コーナ半径が最も小さい切削インサートの上記コーナ刃に連なるすくい面は、該すくい面に対向する方向から見て上記他の切削インサートの上記コーナ刃のコーナ半径と等しい半径で上記切刃に内接する上記円弧の位置において、上記コーナ刃から離間して上記すくい面の内側に向かうに従い上記すくい角が正角側に大きくなるように不連続に変化していることを特徴とする請求項1に記載の切削インサートセット。
  3. インサート本体の多角形状をなすすくい面のコーナ部に凸曲線状のコーナ刃が形成されるとともに、このコーナ刃に連なる上記すくい面には該コーナ刃から離間するに従い漸次後退するように正のすくい角が与えられるとともに、該コーナ刃に連なるすくい面は、上記すくい面に対向する方向から見たときの上記コーナ部の二等分線に直交する断面においては凹曲線状をなすように形成されており、このコーナ刃に連なる上記すくい面には、該すくい面に対向する方向から見て上記コーナ刃の両端に形成された切刃に該コーナ刃のコーナ半径よりも大きな半径で内接する円弧が、一の平面上に延びるようにして形成されていることを特徴とする切削インサート。
  4. 上記コーナ刃に連なるすくい面は、該すくい面に対向する方向から見て上記コーナ刃の両端に形成された切刃に該コーナ刃のコーナ半径よりも大きな半径で内接する上記円弧の位置において、上記コーナ刃から離間して上記すくい面の内側に向かうに従い上記すくい角が正角側に大きくなるように不連続に変化していることを特徴とする請求項3に記載の切削インサート。
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