JP5937868B2 - 極細繊維不織布の製造方法及び電界紡糸装置 - Google Patents
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Description
電界紡糸法では、容器2に貯留されたポリマー溶液3を、吐出ノズル4とコレクタ5との間に高電圧をかけた状態で、吐出ノズル4から射出させる。ポリマー溶液は、吐出ノズル4からコレクタ5に射出される間に、電気力線に沿って極細繊維状となり、コレクタ5上の補集基材6に付着し補集され、補集基材6がローラ等で可動することで、得られた極細繊維不織布7が搬送される。
このような方法を用いることで、補集基材に極細繊維不織布が積層された複合繊維を製造することが可能となる。
また、このような伸長性を有する素材を補集基材の材料として用いた場合、テンションを開放した後に、補集基材と極細繊維不織布との間で部分剥離やシワ等が発生するという問題もあった。一方で、特許文献2には、筒状のコレクタを用いることで、補集基材に凸部を形成させて電界紡糸する方法が開示されているが、このような方法では、補集基材の形状を変形させて凸部を形成する必要があるため、伸長性を有する素材を補集基材の材料として用いる方法には特に不向きであった。
以下、本発明を詳述する。
本発明の極細繊維不織布の製造方法で使用される電界紡糸装置10は、複数のコレクタ15と水平方向に走行可能な補集基材16が装置上方に設置されており、装置下方には、原料溶液(ポリマー溶液)を吐出可能な吐出ノズル14及びエアを通気可能なエアノズル18が設置された構成となっている。
このような方法では、下方から通気することで、補集基材16に過度のテンションを負荷する必要がなくなり、伸長性を有する素材でも好適に使用できるという利点が得られる。
また、通気によって、均一に極細繊維不織布17が押さえつけられることから、部分剥離やシワ等の不具合が生じにくくなるという利点も有する。
図2の電界紡糸装置20では、コレクタ25が単一で、下方へ湾曲した形状となっている点が、図1の電界紡糸装置10と異なっている。このような形状であることで、捕集基材についても、下方へ湾曲した状態で配置することができる。
これにより、大きな液滴を射出することがなくなり、不織布中にショット(ダマ)のような欠点を生じにくいという利点がある。
具体的には、吐出ノズル14とコレクタ15との間に、吐出ノズル14側が正、コレクタ15側が負となるように直流電源によって電圧を印加しておき、吐出ノズル14からポリマー溶液を吐出させることが好ましい。また、ポリマー溶液の射出は単一の吐出ノズルから行ってもよく、複数の吐出ノズルから行ってもよい。
具体的には、エアノズル18等から空気を送風することにより、気流を発生させることが好ましい。また、電界紡糸装置の上部に吸入手段を設けることで、通気性能を高めてもよい。
なお、エアノズルは、1つのみを設置してもよく複数設置してもよい。
上記搬送手段としては、繰り出しローラと巻き取りローラを用いるものが挙げられる。
上記ポリマー溶液に含有されるポリマーとしては、例えば、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)共重合体、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル等が挙げられる。
また、上記ポリマー溶液に用いる溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等のアルコール、ケトン、エーテル類、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、ホルムアミド、ジメチルスルホオキサイド等公知の溶媒を用いることができる。
本発明では、伸長性を有する素材を補集基材として好適に使用できることから、特に、編物(ニット生地)や、ポリウレタン繊維等のスパンデックス(弾性繊維)を含む編織物、不織布、フェルト等を用いることが好ましい。
上記コレクタの形状としては、捕集基材が下方へ湾曲した状態で配置されるような形状であることが好ましい。具体的には、コレクタ自体の形状を下方へ湾曲した形状としたり、上記コレクタを複数個設ける場合は、各コレクタの配置によって、捕集基材が下方へ湾曲した状態で配置されるような形状としたりすることが可能となる。
また、上記コレクタを複数個設けてもよい。その場合、上記コレクタは所定の間隔で配置されていることが好ましい。これにより、空気の通路ができ、下方から上方へ空気を通気しやすくなるため、本発明の効果を更に高めることができる。この場合、上記コレクタの個数は3個以上とすることが好ましい。
補集基材として、ポリエステル製のニット生地を準備し、図1に示す電界紡糸装置を用いて、該電界紡糸装置のコレクタ(幅1200mm、基材搬送方向100mm、厚み3mmのステンレス板を100mm間隔で5枚並べた)上に準備した補集基材を配置した。
ポリマー溶液として、ポリウレタン溶液(大日精化工業製、ハイムレンY−210B)をDMFを用いて18重量%の濃度に調整した溶液を準備した。
電界紡糸装置のシリンジポンプにポリウレタン溶液を注入し、24G(φ6mm)の針(吐出ノズル)を装着した。針先に電極を繋いだ後、電圧−40kv、射出速度10mL/hrの条件でコレクタ上に極細繊維を電界紡糸して、極細繊維不織布を得た。なお、電界紡糸は、25℃、湿度50%RHで、吐出ノズル先端の風速が4.2m/秒となるようにブロア(エアノズル)から上方に空気を通気しながら行った。
なお、ポリエステル製のニット生地(補集基材)は、150dtex/36fマルチフィラメントを用いたものであり、目付量89.0g/m2、厚み0.49mm、幅1200mm、5N荷重時伸長率がMD方向(電界紡糸装置内における生地送り方向)20.5%、TD方向(生地送り方向に垂直な方向)179.1%(4cm幅)である。
また、電界紡糸装置の吐出ノズル個数は8個、吐出ノズルとコレクタとの距離は100cmであり、捕集基材に20Nの張力がかかるように巻き取り、巻き取り速度は1m/minとした。
補集基材として、実施例1と同じポリエステル製のニット生地を用い、図3に示す電界紡糸装置を用いて、該電界紡糸装置のコレクタ(幅1200mm、基材搬送方向100mm、厚み3mmのステンレス板を、100mm間隔で、ニット生地との接触面が、曲率半径Rが530cmとなる円弧上に5枚並ぶよう、配置した)上に準備した補集基材を配置した。ポリマー溶液として、ポリウレタン溶液(大日精化工業製、ハイムレンY−210B)をDMFを用いて18重量%の濃度に調整した溶液を準備した。
電界紡糸装置のシリンジポンプにポリウレタン溶液を注入し、24G(φ6mm)の針(吐出ノズル)を装着した。針先に電極を繋いだ後、電圧−40kv、射出速度10mL/hrの条件でコレクタ上に極細繊維を電界紡糸して、極細繊維不織布を得た。なお、電界紡糸は、25℃、湿度50%RHで、吐出ノズル先端の風速が4.2m/秒となるようにブロア(エアノズル)から上方に空気を通気しながら行った。
また、電界紡糸装置の吐出ノズル個数は8個、吐出ノズルとコレクタとの最短距離は100cmであり、捕集基材に15Nの張力がかかるように巻き取り、巻き取り速度は1m/minとした。
補集基材として、実施例1と同じポリエステル製のニット生地を用い、図2に示す電界紡糸装置を用いて、該電界紡糸装置のコレクタ(幅1200mm、基材搬送方向900mm、厚み3mmのステンレス板、ニット生地との接触面が、曲率半径Rが10mとなるよう下方へ湾曲させた形状)上に準備した補集基材を配置した。
ポリマー溶液として、ポリウレタン溶液(大日精化工業製、ハイムレンY−210B)をDMFを用いて18重量%の濃度に調整した溶液を準備した。
電界紡糸装置のシリンジポンプにポリウレタン溶液を注入し、24G(φ6mm)の針(吐出ノズル)を装着した。針先に電極を繋いだ後、電圧−40kv、射出速度10mL/hrの条件でコレクタ上に極細繊維を電界紡糸して、極細繊維不織布を得た。なお、電界紡糸は、25℃、湿度50%で、吐出ノズル先端の風速が4.2m/秒となるようにブロア(エアノズル)から上方に空気を通気しながら行った。
また、電界紡糸装置の吐出ノズル個数は8個、吐出ノズルとコレクタとの距離は100cmであり、捕集基材に20Nの張力がかかるように巻き取り、巻き取り速度は1m/minとした。
補集基材として、実施例1と同じポリエステル製のニット生地を用い、図1に示す電界紡糸装置を用いて、該電界紡糸装置のコレクタ(幅:1200mm、基材搬送方向:100mm、厚み3mmのステンレス板を100mm間隔で5枚並べた)上に準備した補集基材を配置した。そして、ブロアからの通気を行わず、捕集基材が弛まないようにするために30Nの張力がかかるようにした以外は実施例1と同様にして、極細繊維不織布を得た。
なお、電界紡糸装置の吐出ノズル個数は8個、吐出ノズルとコレクタとの最短距離は100cmであり、巻き取り速度は1m/minとした。
実施例及び比較例で得られた極細繊維不織布について、以下の評価を行った。結果を表1に示した。
巻き取った捕集基材を1mに切って平らな場所に広げ、得られた極細繊維不織布のシワの有無を目視で確認した。
巻き取った捕集基材を1mに切って平らな場所に広げ、捕集基材の最も幅の狭い部分を測定して、元の捕集基材の幅に対して収縮した割合を求めた。
巻き取った捕集基材を1mに切って平らな場所に広げ、捕集基材の最も幅の狭い部分を元の捕集基材の幅まで伸長した際に、捕集基材と極細繊維不織布との間で剥離が生じるかどうかを確認した。
Claims (2)
- 電位差を利用してポリマー溶液を吐出ノズルからコレクタに向かって射出することにより、捕集基材上に極細繊維を紡糸する電界紡糸装置を用いた極細繊維不織布の製造方法であって、
前記捕集基材は、伸張性を有する素材からなり、
前記捕集基材は、弾性繊維を含む編織物、不織布及びフェルトからなる群より選択される少なくとも1種、又は、編物であり、
前記捕集基材を、テンションが低い状態となるように下方に湾曲した状態でコレクタに沿うように配置し、
前記ポリマー溶液を下方から上方に向かって射出し、かつ、下方から上方へ空気を通気することにより極細繊維を捕集基材に押しつける
ことを特徴とする極細繊維不織布の製造方法。 - 捕集基材は、繊維構造体であることを特徴とする請求項1記載の極細繊維不織布の製造方法。
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