JP5935978B2 - パルス生成回路 - Google Patents

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Description

本発明は、パルス生成回路に関し、より詳細には、逓倍回路を間欠的に動作させる間欠逓倍回路を用いた短パルス生成技術を改良して更なる短パルス発生を可能にしたパルス生成回路に関する。
従来から短パルス生成技術として、UWB(Ultra Wide Band:超広帯域無線)技術の短パルス信号を用いた通信やレーダの開発が行なわれている。この超広帯域無線は、無線通信方式の一つで、近距離で高速通信が可能な無線技術で、データを1GHz程度の極めて広い周波数帯に拡散して送受信を行うものである。それぞれの周波数帯に送信されるデータは、ノイズ程度の強さしかないため、同じ周波数帯を使う無線機器と混信することがなく、消費電力も少ないという利点があり、位置測定、レーダ、無線通信の3つの機能を合わせ持っており、極めて独特な無線応用技術である。
短パルス信号を所望の周波数帯域の成分のみを持つ信号とするには、パルス信号をフィルタによって周波数帯域制限して特定の周波数成分のみを抜き出す方法、パルス状の制御信号により発振回路を間欠的に動作させる方法、パルス状の制御信号をミキサに入力してキャリア信号を窓掛けすることで短パルス信号を生成する方法などがある。
これらの短パルス生成回路は、要求される性能として低消費電力動作、高いオン/オフ比がある。また、低消費電力動作は、如何なる機器に搭載する際にも重要な性能となる。このため、高いオン/オフ比は、短パルス信号を用いた通信において通信品質を向上させるために重要な性能である。
しかしながら、従来の短パルス生成回路では、高いオン/オフ比を実現するために増幅回路を用いているため、消費電力が増大するという課題を有し、また、回路規模が大きくなるという課題を有している。また、出力信号波形が歪むという課題も有している。
これらの問題を解決するために、例えば、特許文献1に記載のものは、逓倍回路を間欠的に動作させる間欠逓倍回路を用い、低消費電力で動作し、非常に高いオン/オフ比を実現する短パルス生成回路を提案したものである。
図1は、従来のパルス発生回路を説明するための回路構成図で、上述した特許文献1に記載のものである。図中符号101は発振回路、102は制御信号発生回路、103は間欠逓倍回路、104はフィルタ、105は出力端子、201〜204は信号波形を示している。発振回路101及び間欠逓倍回路103は、能動素子で構成されるアクティブ回路である。発振回路101は、連続信号を出力し、間欠逓倍回路103に入力する。間欠逓倍回路103が、制御信号発生回路102から出力される制御信号によって、間欠的に動作することで短パルス信号を生成する。フィルタ104は、短パルス信号のスプリアス成分を除去する。
図2(a)乃至(d)は、図1に示したブロック構成図における信号及び制御信号のタイミングチャートを示す図である。縦軸は全て電圧、横軸は全て時間である。発振回路101は、連続信号201を出力し、間欠逓倍回路103に入力する。制御信号発生回路102は、制御信号202を出力し、間欠逓倍回路103に入力する。制御信号202は、間欠逓倍回路103を構成する能動素子に作用する。間欠逓倍回路103を構成するFETは、制御信号202の電圧値によって動作点が制御される。FETの動作点を制御することで、制御信号202の電圧値が高い区間(以下、オン区間)における変換利得を高く、電圧値が低い区間(以下、オフ区間)における変換利得を低くできる。そのため、信号203におけるオフ区間での主成分は周波数f0/2の信号となり、間欠逓倍回路103から出力される周波数f0の成分はオン区間とオフ区間で振幅値が大きく異なり、その差がオン/オフ比(単位:dB)となる。
間欠逓倍回路103から出力された信号203は、フィルタ104に入力される。フィルタ104は、周波数f0帯の信号を通過させ、他の周波数帯成分を抑圧するスプリアス抑圧フィルタであり、例えば、BPF(バンドパスフィルタ)、BEF(バンドエリミネーションフィルタ)である。また、フィルタ104の帯域は、信号203のOn区間のパルス幅の逆数の二倍以上の帯域を確保することが望ましく、これによりフィルタ104から信号204が出力される際の波形なまりを防止できる。フィルタ104は、信号203の、周波数f0帯の信号を通過させ、周波数f0/2帯の信号を抑圧する。これにより、出力端105は、周波数f0帯の周波数成分を有したオン/オフ比の高い短パルス信号204を出力することができる。
なお、バラン回路については、例えば、特許文献2に開示されている。また、ダブルバランスドミキサ回路については、例えば、特許文献3に開示されている。
特開2008−35467号公報 特開平10−126196号公報 特開2010−62753号公報
しかしながら、上述した特許文献1に記載のパルス発生回路は、間欠逓倍回路や能動増幅素子の利用に起因する問題が生じる。つまり、入出力間の遅延や増幅器(トランジスタ)の回復時間の影響での短パルス発生が困難であるという問題や、発生するアプリアスを抑圧するためのフィルタ回路を必要とするため回路規模の簡素化が図れないといった問題がある。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、インパルス/ステップ応答の優れた微分器を用いてパルスの立ち上がり精度を良好にし、微分器の出力が発生する高周波成分の抑制機能を有するパルス生成回路を提供することにある。
本発明は、このような目的を達成するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、パルス生成回路において、入力信号を微分してパルスの立ち上がりを捉える少なくとも1つの微分器と、少なくとも前記微分器からの信号を加減算してパルス信号を出力する加減算器とを備えたパルス信号処理回路と、該パルス信号処理回路からのパルス信号を入力して任意のDCレベルの差動信号を生成するバラン回路と、該バラン回路から生成された前記差動信号にキャリアを重畳して差動パルス信号を生成するダブルバランスドミキサ回路とを備えていることを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記バラン回路が、前記パルス信号が入力される1次側コイルと、前記1次側コイルに隣接され、前記差動信号を出力する2次側コイルと、前記DCレベルを設定するセンタータップとを備えていることを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記バラン回路が、LC同調を用いて高周波の抑制を行う可変容量回路をさらに備えていることを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の発明において、前記次側コイルに対する前記2次側コイルのインピーダンス比が2以上であることを特徴とする
た、請求項に記載の発明は、請求項1乃至のいずれかに記載の発明において、前記パルス信号処理回路が、第1の入力信号を微分する微分器と、該微分器からの信号の振幅を調整する減衰器と、前記第1の入力信号を積分する積分器と、前記第1の入力信号と逆位相の第2の入力信号の位相の変動量を調整する位相シフト回路と、前記減衰器からの信号と前記積分器からの信号と前記位相シフト回路からの信号とを加算して前記パルス信号を出力する加減算器とを備えている特徴とする。(実施例1)
また、請求項に記載の発明は、請求項に記載の発明において、前記微分器が、可変位相微分器であることを特徴とする。(実施例2)
また、請求項に記載の発明は、請求項5又は6に記載の発明において、前記積分器が、可変位相積分器であることを特徴とする。(実施例2)
また、請求項に記載の発明は、請求項1乃至のいずれかに記載の発明において、前記加減算器が、方向性結合器又はハイブリッドリングの構成であることを特徴とする。(実施例1,2)
また、請求項に記載の発明は、請求項1乃至のいずれかに記載の発明において、前記微分器と前記積分器と前記位相シフト回路と前記減衰器の少なくとも1つは受動素子からなることを特徴とする。(実施例1,2)
また、請求項10に記載の発明は、請求項1乃至のいずれかに記載の発明において、前記パルス信号処理回路が、第1の入力信号を微分する微分器と、前記第1の入力信号と逆位相の第2の入力信号を積分する積分器と、前記微分器からの信号と前記積分器からの信号とを加算して前記パルス信号を出力する加減算器とを備えていることを特徴とする。(実施例3)
また、請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の発明において、前記微分器が、可変位相微分器であることを特徴とする。(実施例3)
また、請求項12に記載の発明は、請求項10又は11に記載の発明において、前記積分器が、可変位相積分器であることを特徴とする。(実施例3)
また、請求項13に記載の発明は、請求項10,11又は12に記載の発明において、前記加減算器が、方向性結合器又はハイブリッドリングの構成であることを特徴とする。(実施例3)
また、請求項14に記載の発明は、請求項1乃至13のいずれかに記載の発明において、前記微分器と前記積分器の少なくとも1つは受動素子からなることを特徴とする。(実施例3)
また、請求項15に記載の発明は、請求項1乃至のいずれかに記載の発明において、前記パルス信号処理回路が、入力信号を直接的に微分してパルスの立ち上がりを捉える第1の微分器と、前記入力信号の位相の変動量を位相変動量調整信号によって調整してパルス幅を決定する位相シフト回路と、前記位相シフト回路からの信号の振幅を利得調整信号によって調整する減衰器と、該減衰器からの信号を微分して前記パルスの立ち下がりを捉える第2の微分器と、前記第1の微分器からの信号と前記第2の微分器からの信号とを加減算してパルス信号を出力する加減算器とを備えていることを特徴とする。(実施例4)
また、請求項16に記載の発明は、請求項15に記載の発明において、前記第1及び第2の微分器は、可変位相微分器であることを特徴とする。(実施例5)
また、請求項17に記載の発明は、請求項1乃至のいずれかに記載の発明において、前記パルス信号処理回路が、第1の入力信号を微分してパルスの立ち上がりを捉える微分器と、該微分器に入力される前記第1の入力信号と逆位相の第2の入力信号を積分する積分器と、該積分器からの信号を基準信号レベルによって帯域制限するハイパスフィルタと、前記微分器からの信号と前記ハイパスフィルタからの信号とを加減算してパルス信号を出力する加減算器とを備えていることを特徴とする。(実施例6)
また、請求項18に記載の発明は、請求項17に記載の発明において、前記微分器が可変位相微分器で、前記積分器が可変位相積分器で、前記ハイパスフィルタがプログラマブル積分器であることを特徴とする。(実施例7)
また、請求項19に記載の発明は、請求項17又は18に記載の発明において、前記加減算器は、コモンモード抽出回路の構成であることを特徴とする。(実施例6,7)
また、請求項20に記載の発明は、請求項19に記載の発明において、前記コモンモード抽出回路は、第1及び第2のソース接地増幅器を含む構成であることを特徴とする。(実施例6,7)
本発明によれば、パルス発生回路を構成する微分器と積分器と減衰器と位相シフト回路と3入力加減算器の少なくとも1つは受動素子で構成し、微分器の出力が発生する高周波成分の抑制機能を有することで、消費電流や歪の発生を最小限にすることができるとともに、入力信号を作動信号としたので、不用放射にも配慮した周辺環境にも優しいパルス発生回路を実現することができる。
従来のパルス発生回路を説明するための回路構成図である。 (a)乃至(d)は、図1に示したブロック構成図における信号及び制御信号のタイミングチャートを示す図である。 本発明に係るパルス発生回路の実施形態を説明するためのブロック構成図である。 本発明に係るパルス生成回路の実施例1を説明するための回路構成図である。 (a)乃至(i)は、図4に示した本発明に係るパルス生成回路の各部のノード電圧を示す図である。 図4に示した微分器の具体的な回路構成図である。 (a),(b)は、図6に示した微分器のステップ応答を示す図である。 図4に示した積分器の具体的な回路構成図である。 (a),(b)は、図8に示した積分器のステップ応答を示す図である。 (a),(b)は、図4に示した位相シフト回路の具体的な回路構成図である。 (a),(b)は、図10(a),(b)に示した位相シフト回路における一次遅れ要素の利得−位相周波数特性を示す図である。 (a),(b)は、図4に示した位相シフト回路の他の例を示す具体的な回路構成図である。 (a),(b)は、図12(a),(b)に示した位相シフト回路における利得−位相周波数特性を示す図である。 図4に示した減衰器の具体的な回路構成図である。 図4に示した3入力加減算器の回路構成図である。 図4に示した3入力加減算器の他の例を示す回路構成図である。 図4に示した2入力加減算器としてのコモンモード抽出回路の具体的な回路構成図である。172の図15「コモンモード抽出回路1」 図15に示した2入力加減算器としてのコモンモード抽出回路の他の具体的な回路構成図である。 (a),(b)は、加減算器としてのハイブリッドリングの構成図である。 (a),(b)は、加減算器としてのハイブリッドリングの構成図である。 (a),(b)は、加減算器としての更に他のハイブリッドリングの構成図である。 図4に示した実施例1のセンタータップ付バラン回路の回路構成図である。 図22に示したセンタータップ付バラン回路の具体的な構造を示す図である。 図4に示したダブルバランスドミキサ回路を示す回路構成図である。 (a)乃至(c)は、差動対の回路及びその特性を示す図である。 本発明に係るパルス生成回路の実施例2を説明するための回路構成図である。 (a)乃至(i)は、図26に示した本発明に係るパルス生成回路の各部のノード電圧を示す図である。 図26に示した可変位相微分器の具体的な回路構成図である。 図26に示した積分器型可変位相回路の具体的な回路構成図である。 本発明に係るパルス生成回路の実施例3を説明するための回路構成図である。 (a)乃至(g)は、図30に示した本発明に係るパルス生成回路の各部のノード電圧を示す図である。 図30に示した実施例1のセンタータップ付バラン回路の回路構成図である。 本発明に係るパルス生成回路の実施例4におけるパルス信号処理回路を説明するための回路構成図である。 本発明に係るパルス生成回路の実施例5におけるパルス信号処理回路を説明するための回路構成図である。 本発明に係るパルス生成回路の実施例6におけるパルス信号処理回路を説明するための回路構成図である。 本発明に係るパルス生成回路の実施例7におけるパルス信号処理回路を説明するための回路構成図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図3は、本発明に係るパルス発生回路の実施形態を説明するためのブロック構成図である。図中符号1はパルス信号処理回路、2はバラン回路、3はミキサ回路を示している。本発明のパルス発生回路は、制御信号によって間欠的に動作することで短パルス信号を生成するパルス生成回路である。
パルス信号処理回路1は、入力信号を微分してパルスの立ち上がりを捉える少なくとも1つの微分器と、少なくとも微分器からの信号を加減算して短パルス信号を出力する加減算器とを備えているものである。
また、本発明で使用しているバラン回路2は、センタータップ付バラン回路であって、パルス信号処理回路1からの短パルス信号を入力して任意のDCレベルの差動信号を生成するもので、短パルス信号が入力される1次側コイルと、1次側コイルに隣接され、差動信号を出力する2次側コイルと、DCレベルを設定するセンタータップとを備えており、LC同調を用いて高周波の抑制を行う可変容量回路をさらに備えている。また、次側コイルに対する2次側コイルのインピーダンス比が2以上であることが望ましい。このバラン(Balun)回路は、同軸ケーブルと2線フィーダーなど、平衡と不平衡の状態にある電気信号を変換するための回路である。Balunとは、平衡(balance)と不平衡(unbalance)の頭文字を合成した用語で、一般的には、平衡−不平衡変換器と呼ばれている。
また、本発明で使用しているミキサ回路3は、ダブルバランスドミキサ回路であって、バラン回路2から生成された差動信号にキャリアを重畳して差動パルス信号を生成するもので、ハイインピーダンス入力である。一般的に、ダブルバランスドミキサ(Double Balanced Mixer;DBM)回路とは、二重平衡変調器と呼ばれ、局部発振器からの信号LOと、アンテナからのRF信号の両者が、差動で入力できるようになっている混合器(ミキサ)を意味している。
本発明のパルス生成回路は、キャリアの重畳されたショートパルスの発生と微分波形を利用したことに起因する高周波成分の発生を抑制して、幅の短いパルスを発生させるようにしたものである。そのために、パルスの立ち上がりを高精度に捉えるために微分器及び減衰器と、ショートパルスの形状を高周波の少ないものに代えるための積分器と、パルスの立ち下がりエッジの作成のための位相シフト回路と、波形合成のために3入力加減算器と、DCレベルを次段のダブルバランスドミキサに好適な値に設定するためのセンタータップ付バラン回路と、キャリアを重畳するためのダブルバランスドミキサ回路とを備え、微分器と減衰器と積分器とセンタータップ付バラン回路とは受動素子で構成しているので、本発明のパルス生成回路は、非常に低消費電力で使用することができる。また、微分器の出力のレベルを減衰器で調整し、その減衰器の出力と積分器の出力とを加減算することにより、微分器自体の出力及び矩形波出力に比べて高周波成分の少ない短パルスが得られる。
以下、図面を参照して本発明の各実施例について説明する。
図4は、本発明に係るパルス生成回路の実施例1を説明するための回路構成図である。図中符号10はパルス信号処理回路、11は微分器、12は積分器、13は位相シフタ(位相シフタ回路)、14は減衰器(Attenuator;アッテネータ)、15は3入力加減算器、16はセンタータップ付バラン回路、17はダブルバランスドミキサ回路を示している。なお、パルス信号処理回路10は図3に示したパルス信号処理回路1に相当し、センタータップ付バラン回路16は、図3に示したバラン回路2に相当し、ダブルバランスドミキサ回路17は、図3に示したミキサ回路3に相当している。
本発明のパルス生成回路は、制御信号によって間欠的に動作することで短パルス信号を生成するパルス生成回路である。パルス信号処理回路10は、第1の入力信号を微分する微分器11と、微分器11からの信号の振幅を調整する減衰器14と、第1の入力信号を積分する積分器12と、第1の入力信号と逆位相の第2の入力信号の位相の変動量を調整する位相シフト回路13と、減衰器14からの信号と積分器12からの信号と位相シフト回路13からの信号とを加算して短パルス信号を出力する加減算器15とを備えている。
また、センタータップ付バラン回路16は、パルス信号処理回路10からの短パルス信号を入力して任意のDCレベルの差動信号を生成するもので、短パルス信号が入力される1次側コイルと、1次側コイルに隣接され、差動信号を出力する2次側コイルと、DCレベルを設定するセンタータップとを備えており、LC同調を用いて高周波の抑制を行う可変容量回路をさらに備えている。また、次側コイルに対する2次側コイルのインピーダンス比が2以上であることが望ましい。
また、ダブルバランスドミキサ回路17は、センタータップ付バラン回路16から生成された差動信号にキャリアを重畳して差動パルス信号を生成するもので、ハイインピーダンス入力である。
つまり、微分器11は、第1の入力信号101aを微分してパルスの立ち上がりを捉えるものである。また、減衰器14は、微分器11からの信号102の振幅に利得調整信号112によって減衰量ATTを掛け合わせて調整するものである。
また、積分器12は、第1の入力信号101aを積分して高周波成分を抑制するものである。また、位相シフト回路13は、第1の入力信号101aと逆位相の第2の入力信号101bの位相の変動量を位相変化量制御信号110により調整するものである。また、3入力加減算器15は、減衰器14からの信号105と積分器12からの信号103と位相シフト回路13からの信号104とを加減算して短パルス信号106を出力するものである。
また、微分器11は、RC微分器又はLC微分器であってもよい。また、積分器212は、可変位相積分器であり、抵抗素子と容量素子を含む積分器の構成である。また、減衰器14は、複数の抵抗素子と複数のスイッチを含む抵抗タップの構成である。
また、位相シフト回路13は、抵抗素子と容量素子を含む積分器の構成である。また、位相シフト回路13は、抵抗素子と容量素子を含むオールパスフィルタの構成である。また、加減算器15は、方向性結合器又はハイブリッドリングの構成である。また、微分器11と積分器12と位相シフト回路13と減衰器14の少なくとも1つは受動素子からなる。
このような構成により、DCレベルを次段のダブルバランスドミキサに好適な値に設定するためのセンタータップ付バラン回路と、キャリアを重畳するためのダブルバランスドミキサ回路とを備え、パルス発生回路を構成する微分器と積分器と位相シフト回路と減衰器の少なくとも1つは受動素子で構成し、微分器の出力が発生する高周波成分の抑制機能を有することで、消費電流や歪の発生を最小限にすることができるとともに、入力信号を作動信号としたので、不用放射にも配慮した周辺環境にも優しいパルス発生回路を実現することができる。
図5(a)乃至(i)は、図4に示した本発明に係るパルス生成回路の各部のノード電圧を示す図で、図5(a)は第1及び第2の入力信号を示す図、図5(b)は微分器からの信号を示す図、図5(c)は積分器からの信号を示す図、図5(d)は位相シフト回路からの信号を示す図、図5(e)は減算器からの信号を示す図、図5(f)は3入力加減算器(本実施例1においては加算器)から出力される短パルス信号を示す図、図5(g)はセンタータップ付バラン回路からの信号を示す図、図5(h)は差動クロック信号を示す図、図5(i)はダブルバランスドミキサ回路からの信号を示す図である。
図5(a)に示した第1の入力信号101aの振幅は+Aで、第2の入力信号101bの振幅は−Aであり、第1の入力信号101aと第2の入力信号101bは差動入力信号である。図5(b)に示した微分器11からの信号102の最大値は+Aで徐々に0に漸近する。
また、図5(c)に示した積分器12からの信号103は、t=0で振幅が0、t=t2で+Aに漸近する。また、図5(d)に示した位相シフト回路13からの信号104は、t=t1における振幅は−Aである。また、図5(e)に示した減算器14からの信号105は、微分器11からの信号102に利得調整信号112の情報に従った減衰量ATTを掛け合わせた出力信号である。この減衰量ATT≦1である。
また、図5(f)に示した3入力加減算器15からの信号106は、減衰器14からの信号105と積分器12からの信号103と位相シフト回路13からの信号104とを加算して短パルス信号で、t=0の近傍では微分器11の信号102が支配的である。0<t<t1の範囲では支配要因が微分器から積分器へと遷移する。
すなわち、tが大きくなっていくにつれて積分器の出力の特徴である上に凸の波形が観測されるようになる。この種の波形は矩形波で見られる直線+90°角の組み合わせよりも正弦波に近く、したがって、高周波成分も少ない。
微分器11のピーク振幅の高周波成分の影響を緩和すべく、積分器12からの信号103が、減衰器14を介して微分器11からの信号102が加算されている。つまり、3入力加減算器15においては、減衰器14からの信号105と積分器12からの信号103とが加算されている。さらに、積分器12のDC成分を打ち消して急峻な立ち下がりを得るために、t=t1の時刻で位相シフト回路13からの信号104の0から−Aの遷移が加算されている。
つまり、t=t1においては、位相シフト回路13からの信号104が含んでいる−Aのエッジの影響で失力は0近傍へと到達する。最終的には積分器の漸近時間t=t2の時間経過後に3入力加減算器15からの信号106は0になる。これによって、微分器11からの信号102より、本発明の出力信号106はパルスの幅を短くできる。
また、図5(g)に示したセンタータップ付バラン回路16からの信号107a,107bは、ダブルバランスドミキサ回路17を駆動するため、シングルから差動変換しつつ適切な動作点を設定するためにセンタータップ付バラン回路16を通過して得られる出力である。DCの動作点はセンタータップに加えられ、基準信号レベルで決定される。
また、図5(h)に示した差動クロック信号109a,109bは、ダブルバランスドミキサ回路17への差動入力信号である。また、図5(i)に示したダブルバランスドミキサ回路17からの信号108a,108bは、センタータップ付バラン回路16からの信号107a,107bの包絡線(短パルス波形)の中で、差動クロック信号109a,109bが動作する。所望の出力が得られている。
本実施例1における微分器の出力信号の包絡線に起因する高周波成分は、1)減衰器で微分器の出力を減衰させて使用する。2)微分器の出力の下の凹部の信号に(減衰後)、積分器の出力の上の凸部の信号を(減衰なしで)加算したことにより、一般的な矩形波よりも積分器の出力の凸波形が勝った波形、言い換えれば矩形波よりも正弦波に近づいた波形の合成ができた。3)立ち下がりエッジの生成は微分波形よりも高周波成分の少ないステップ波形の加算を用いていること、つまり、立ち下がりエッジには。立ち上がりエッジほどの高周波成分が含まれていないことが想定できる。このような3つの理由により、微分器を単体で用いる場合に比べ、高周波成分を大幅に減らすことができる。
入力信号101a,101bに繰り返し信号を用いる場合には、立ち上がり又は立ち下がりの一方をマスクする回路を前置する必要がある。マスク回路は、通常、信号パスに直列に挿入されたスイッチとそれをオン/オフする制御信号とからなる。
図6は、図4に示した微分器の具体的な回路構成図である。図中符号Vi(t)は入力電圧、i(t)は入力電流、Vc(t)はコンデンサ端子電圧、VR(t)は抵抗端子電圧、q(t)はコンデンサの電荷を示している。
図6においては、RとCとによる1次の微分器を示したが、LとCとによる2次の微分器でも、更に高次の微分器も用いることができる。つまり、微分器11は、RC微分器であってもLC微分器であってもかまわない。この種の微分器を用いることの最大の利点は、エッジの強調機能である。これによって、スイッチング素子などを用いた一般的な短パルス発生器に比べて精度の良好な立ち上がりエッジを発生させることが可能になる。
図6に示した微分器の時間応答は、VR(t)=Vi(t)−Vc(t)となり、q(t)=0であるので、VR(t)=0(t<0)、Eexp(−t/R11)(t≧0)で示される。
図7(a),(b)は、図6に示した微分器のステップ応答を示す図で、図7(a)は微分器のステップ入力信号、図7(b)はそのステップ入力信号に対応する応答信号を示している。この図7(a),(b)によると、ステップ応答は、入力の微係数に比例して立ち上がり、時定数R11を持ったエクスポネンシャル関数にしたがって減衰して0に漸近することがわかる。
図8は、図4に示した積分器の具体的な回路構成図である。この積分器も上述した微分器と同様に、RとCによる1次の微分器を示したが、LとCとによる2次の積分器でも、更に高次の積分器も用いることができる。また、図8に示した積分器の時間応答は、VC(t)=0(t<0)、E(1−exp(−t/R22))(t≧0)で示される。
図9(a),(b)は、図8に示した積分器のステップ応答を示す図で、図9(a)はステップ入力、図9(b)はステップ応答を示している。積分器の過渡状態における時定数は、微分器の時定数と同じく、RとCとの積で表わすことが確認できた。
図10(a),(b)は、図4に示した位相シフト回路の具体的な回路構成図で、図10(a)は位相変動量調整信号がない状態の回路構成図で、図10(b)は位相変動量調整信号がある場合の回路構成図を示している。この例では位相変動量調整信号110によって、R又はCに直列なSc,S2Rをオン/オフさせることで位相変動量を可変としている。また、ScとC2Bの代わりに可変容量制御回路(バラクタ)などの回路を用いてもよい。
また、位相シフト回路13は、抵抗素子と容量素子を含む積分器(一次遅れ要素)の構成である。この場合の伝達関数は、
H(s)=V2/V1=1/(1+SC22
で表される。
図11(a),(b)は、図10(a),(b)に示した位相シフト回路における一次遅れ要素の利得−位相周波数特性を示す図である。図11(a)は利得−周波数特性を示し、図11(b)は位相−周波数特性を示している。上述した位相シフト回路は、極の周波数が1/2πR22において位相が45°遅れるという特徴を有する。
図12(a),(b)は、図4に示した位相シフト回路の他の例を示す具体的な回路構成図で、図12(a)は位相変動量調整信号がない状態の回路構成図で、図12(b)は位相変動量調整信号がある場合の回路構成図を示している。この位相シフト回路は、抵抗素子と容量素子を含むオールパスフィルタの構成である。
この例では位相変動量調整信号110によって、Cに直列なScのオン/オフを切り替えることで位相変動量を可変としている。この回路でも、図12(b)のようにRを切り替えたり、Cを可変容量制御回路(バラクタ)に変更するなどしても同様の効果を奏する。
図13(a),(b)は、図12(a),(b)に示した位相シフト回路における利得−位相周波数特性を示す図である。図13(a)は利得−周波数特性を示し、図13(b)は位相−周波数特性を示している。
オールパスフィルタとは、図13(a),(b)に示すように、利得−周波数特性がフラットで位相のみの変化するものの総称である。図12(a),(b)に示した位相シフト回路にとどまらず多数の回路が存在する。
この位相シフト回路も一次遅れ要素の回路と同様にR,Cを変化させることで任意の位相シフト量を得ることができる。
位相シフト量θは、θ=−2tan-1(ω/2πα0)で表される。
ω=0の時に、θ=0
ω=2πα0の時に、θ=−90°
ω=∞の時に、θ=−180°
となる。
また、伝達関数は、
H(s)=(S−α0)/(S+α0) α0=1/R00
θ=−2tan-1(ω/2πα0
で表される。
図14は、図4に示した減衰器の具体的な回路構成図である。この減衰器14は、複数の抵抗素子Ra,Rb,Rcと複数のスイッチSa,Sb,Scを含む抵抗タップの構成である。
この減衰器14の減衰量を遅延パルスの立ち上がりタイミングでの加減算器の入力の振幅が同じとなるように調整することで立ち下がりの鋭いパルスが得られる。このことは図5(f)に示されている。
この場合の伝達関数は、
H(s)=V2/V1=1(Sa;閉時)=(Rc+Rb)/(Ra+Rb+Rc)(Sb;閉時)
で表される。
減衰器の利得調整信号Ca,Cb,CcとスイッチSa,Sb,Scの状態間の真理値表とそれに対応した伝達関数を以下の表1に示す。
Figure 0005935978
図15は、図4に示した3入力加減算器の具体的な回路構成図で、図中符号15a,15bは第1及び第2の2入力加減算器を示している。本実施例における3入力加減算器15は、第1及び第2の2入力加減算器15a,15bを縦続接続することで達成できる。パッシブな加減算器には必ず損失があるため、入力102,103,104間ではパス損失が異なる。減衰器4を間に挟む微分器11の出力102を3入力加減算器15のポート104に導くのは好ましくなく、ポート102又は103へ接続されるべきである。ポート104へ積分器12の出力を接続するか、位相シフト回路13の出力104を接続するかは、回路構成に起因するパス損失に多く依存するが、以下の説明では動作の理解が容易となるように、ポート105(減衰器の出力)を図19(a)(後述する)の入力1(ポートA)に接続し、ポート103(積分器の出力)を図19(a)(後述する)の入力2(ポートC)に接続すると、第1の加算器15aの加算出力は、図19(a)(後述する)のポートBに出力され、この第1の加算器15aの加算出力を第2の加算器15bの入力として入力1(ポートA)に接続し、ポート104(位相シフト回路の出力)を図19(a)(後述する)の入力2(ポートC)に接続すると、第2の第2の加算器15bの加算出力は、図19(a)(後述する)のポートBに出力される。
図16は、図4に示した3入力加減算器の他の具体的な回路構成図で、3つのMOSトランジスタを用いたワイヤードORタイプの3入力加減算器を示している。この回路は、独立した3つのソース接地増幅器と負荷抵抗RLとで構成されている。M1,M2,M3の(W/L;チャンネル幅(W)とチャンネル長(L)の比)が同じ時、3入力加減算器15の出力として、入力105,103,104の加算値に比例した出力106が得られる。この回路を用いた場合、M1のW/L<M2,M3のW/Lに選ぶことで減衰器と同等の機能を実現することができるため、減衰器を省略することができる。
図17は、図15に示した2入力加減算器としてのコモンモード抽出回路の具体的な回路構成図である。上述した加減算器15は、コモンモード抽出回路の構成である。このコモンモード抽出回路は、複数の抵抗素子を含む抵抗分割の構成である。
このコモンモード抽出回路の伝達関数は、Vcom=(V1+V2)/2で表わされる。この伝達関数と利得が加算回路の半分になってしまうという欠点を有するものの、広帯域である点や小型化が可能である点、高精度が得られるという多くの利点を有している。
図18は、図15に示した2入力加減算器としてのコモンモード抽出回路の他の具体的な回路構成図で、2つの独立したソース接地増幅器のワイヤードORタイプの回路構成を用いることでコモンモード信号を抽出している。また、3入力のコモンモードを抽出するには更に拡張して3つの独立したソース接地増幅器のワイヤードORタイプの回路構成を用いてもよい。なお、M1,M2はコモンモード増幅用トランジスタ、RLは負荷抵抗、M0はIbas、R1,R2はバイアス電圧発生回路、Vac1,Vac2は入力電圧、Voutは出力電圧、Vddは正の電源電圧を示している。Voutは、Vac1+Vac2にほぼ比例し、2つのソース接地増幅器をワイヤードOR接続したものである。
図19(a),(b)は、加減算器として用いられるラットレースハイブリッドリングの構成図で、加減算器のポートAが入力の時の各ポートの状態を示す図である。図19(a)はポートCとAとが絶縁されている図で、図19(b)にはポートBとDにはポートA入力の−3dBされた信号が出力されている図である。
図20(a),(b)は、加減算器として用いられるラットレースハイブリッドリングの構成図で、加減算器のポートCが入力の時の各ポートの状態を示す図で、図20(a)はポートCとAとが絶縁されている図で、図20(b)はポートBとDにはポートC入力の−3dBされた信号が出力されている図である。
上述した図19(a),(b)及び図20(a),(b)のいずれにおいても、絶縁を取るためには0(又は360°)位相の信号と180°位相の信号とを距離の関数として実現することで達成し、−3dB信号はλ/4×n(n=1、3、5・・・奇数)を同じく距離の関数として実現していることがわかる。
ラットレースハイブリッドリングは、高周波回路においては一般的に知られた回路である。ポートA−B,B−C,C−D間はλ/4だけ離れて配置され、ポートA−D間は3λ/4離れて配置されている。この配置によって各ポート間の入出力関係は、以下の通りである。まず、ポートCに信号を入力した場合、ポートBには、ポートCから時計回りに5λ/4だけリングを進んだ波と、ポートCから反時計回りにλ/4進んだ波が到達する。これらの2波は同相になるので、足し合わされたものがポートBに出力される。ポートDもBも同様に、時計回りと反時計回りの波が足し合わされて出力される。ポートAには、ポートCから時計回りにλ進んだ波と、ポートCから反時計回りにλ/2進んだ波が到達する。これらの2波は逆相になるので打ち消され、ポートAはポートCからIsolateされた形になる。したがって、ポートAは全く関係なくなり、ポートCから見るとポートBとDの2つのポートが対称に配置された回路のようになる。つまり、ポートCからの入力は、ポートBとDに等分配されて出力される。この時、ポートBとDからの出力は同相になる。次に、ポートAに信号を入力した場合、同様にして、ポートCは全く関係なくなり、ポートAから見るとポートBとDの2つのポートが配置された回路のようになる。つまり、ポートAからの入力は、ポートBとDに分配されて出力される。この時、ポートBとDからの出力の位相は逆相(180°位相が異なる)になる。
図21(a),(b)は、加減算器として用いられる更に他のラットレースハイブリッドリングの構成図で、図21(a)は出力ポートBの振る舞いを示す図で、図21(b)は出力ポートDの振る舞いを示す図である。
ポートAを入力1、ポートCを入力2、ポートBを加算ポート、ポートDを減算ポートとして実現したものを加減算器として示している。ポートA,Cから同距離のポートBを位相の基準とすると、ポートCからの信号はポートBとDとで同位相となり、ポートAからの信号はポートBとDとで逆位相となっていることから、ポートBは加算、ポートDは減算であることがわかる。
図22は、図4に示した実施例1のセンタータップ付バラン回路の回路構成図である。一般にバラン回路はシングルエンドを差動変換用に用いる回路のことで、DCがカットでき、2次側を任意のDCレベルで動作させることのできるセンタータップ付バラン回路が好ましい。1次側がシングルエンドで、2次側が差動のバランスを使うことを想定している。なお、L1は1次側コイル、L2は2次側コイル、1次側の入力端子には3入力加減算器15からの信号106が入力される。また、2次側差動出力端子にはセンタータップ付バラン回路16からの信号107a,107bが出力される。センタータップへの信号111は基準信号レベルで、出力信号のDC動作点を設定する。
図23は、図22に示したセンタータップ付バラン回路の具体的な構造を示す図である。図中の内側が図22に示したL1部分の1次側コイル、外側が図22に示したL2部分の2次側コイルを示している。10GHz以上の周波数でもインピーダンス比2以上を達成できるバラン回路の例を示している。インピーダンス比L2/L1>2を得るためには、通常、巻線比を√2以上にすればよい。しかしながら、本発明は、基本周波数10GHz以上の応用を想定しているため、巻線比の達成は困難である。しかしながら、最近になって図23に示した構造の配線幅を設計パラメータに加えることでインピーダンス比が3以上、周波数も100GHz近傍まで使用できるバラン回路が報告されている。本発明で使用するバラン回路も図23に示した構造を基本にして2次側にセンタータップを付加したバラン回路の使用を想定している。
図24は、図4に示したダブルバランスドミキサ回路を示す回路構成図である。このダブルバランスドミキサ回路の特徴は、入力106a,106bがDCの時、出力107a,107bからはキャリア成分が出力されないので、本発明においてもこの特徴を利用してキャリアの重畳された短パルスの生成を行っている。さらに、このダブルバランスドミキサ回路は、高入力インピーダンス、小さな信号でのオン/オフ動作も重要な要求事項であり、この観点からも上述したダブルバランスドミキサ回路は好適である。なお、Q1,Q2はNPNトランジスタ、RLは負荷抵抗、Itailはテイルカレントソースを流れる電流を示しており、NPNトランジスタQ1,Q2にはセンタータップ付バラン回路17からの信号107a,107bが入力され、NPNトランジスタQ3,Q4,Q5,Q6には差動クロック信号109a,109bが入力され、ダブルバランスドミキサ回路17からは信号108a,108bが出力される。
図25(a)乃至(c)は、差動対の回路及びその特性を示す図で、図25(a)は、差動対の回路図、図25(b)は差動対のDC特性で、差動入力電圧に対するコレクタ電流の関係、図25(c)は差動対のDC特性で、差動入力電圧に対する差動出力電圧の関係を示している。図25(b)及び図25(c)の横軸は、熱電圧(Vt)で示され、
Vt=kT/q (kはボルツマン定数、Tは温度、qは電子の電荷)
がほぼ26mV(300K時)である。特に、図25(b)においては、バイポーラトランジスタ(BJT)を流れる電流をオン/オフさせるためには、4×Vt≒100mVが必要であることがわかった。
図26は、本発明に係るパルス生成回路の実施例2を説明するための回路構成図である。図中符号20はパルス信号処理回路、21は微分器形可変位相回路(可変位相微分器)、22は積分器形可変位相回路(可変位相積分器)、23は位相シフト回路、24は減衰器(Attenuator;アッテネータ)、25は3入力加減算器、26はセンタータップ付バラン回路、27はダブルバランスドミキサ回路を示している。
つまり、図26に示したパルス生成回路は、パルス信号処理回路20とセンタータップ付バラン回路26とダブルバランスドミキサ回路27とで構成され、パルス信号処理回路20は、微分器形可変位相回路21と積分器形可変位相回路22と位相シフト回路23と減衰器24と3入力加減算器25とで構成されている。
本実施例2のパルス生成回路においては、図3に示した実施例1における微分器11及び積分器12にそれぞれ位相可変機能を持たせて微分器形可変位相回路(可変位相微分器)21及び積分器形可変位相回路(可変位相積分器)22とするとともに、微分器形可変位相回路21の出力202に減衰器24による利得調整機能をもたせ、さらに位相シフト回路23を用いて、3入力加減算器25に、微分器形可変位相回路21の出力205と積分器形可変位相回路22の出力203と位相シフト回路23の出力204とを入力させるように構成したものである。
本実施例2のパルス生成回路は、上述した実施例1と同様に、制御信号によって間欠的に動作することで短パルス信号を生成するパルス生成回路である。微分器形可変位相回路21は、第1の位相変化量制御信号210によって位相可変され、第1の入力信号201aを微分してパルスの立ち上がりを捉えるものである。また、減衰器24は、微分器21からの信号202の振幅に利得調整信号214によって減衰量ATTを掛け合わせて調整するものである。また、積分器形可変位相回路22は、第2の位相変化量制御信号211によって位相可変され、第1の入力信号201aを積分して高周波成分を抑制するものである。
また、位相シフト回路23は、第1の入力信号201aと逆位相の第2の入力信号201bの位相の変動量を第3の位相変化量制御信号212により調整するものである。また、3入力加減算器25は、減衰器24からの信号205と積分器形可変位相回路22からの信号203と位相シフト回路23からの信号204とを加減算して短パルス信号206を出力するものである。
また、センタータップ付バラン回路26は、パルス信号処理回路20からの短パルス信号を入力して任意のDCレベルの差動信号を生成するもので、短パルス信号が入力される1次側コイルと、1次側コイルに隣接され、差動信号を出力する2次側コイルと、DCレベルを設定するセンタータップとを備えており、LC同調を用いて高周波の抑制を行う可変容量回路をさらに備えている。また、次側コイルに対する2次側コイルのインピーダンス比が2以上であることが望ましい。
また、ダブルバランスドミキサ回路27は、センタータップ付バラン回路26から生成された差動信号にキャリアを重畳して差動パルス信号を生成するもので、ハイインピーダンス入力である。
このように、実施例2におけるパルス生成回路は、上述した実施例1よりも更に高周波成分の抑制を達成するためのもので、微分器と積分器の位相を変化させる機能を付加したものである。これにより、自由度の増加で短パルス波形の非エッジ(中間部分)の波形を正弦波に近付け、高周波を減少させることができる。
また、DCレベルを次段のダブルバランスドミキサに好適な値に設定するためのセンタータップ付バラン回路と、キャリアを重畳するためのダブルバランスドミキサ回路とを備え、パルス発生回路を構成する微分器と積分器と位相シフト回路と減衰器の少なくとも1つは受動素子で構成し、微分器の出力が発生する高周波成分の抑制機能を有することで、消費電流や歪の発生を最小限にすることができるとともに、入力信号を作動信号としたので、不用放射にも配慮した周辺環境にも優しいパルス発生回路を実現することができる。
図27(a)乃至(i)は、図26に示した本発明に係るパルス生成回路の各部のノード電圧を示す図で、図27(a)は第1及び第2の入力信号を示す図、図27(b)は微分器型可変位相回路からの信号を示す図、図27(c)は積分器型可変位相回路からの信号を示す図、図27(d)は位相シフト回路からの信号を示す図、図27(e)は減算器からの信号を示す図、図27(f)は3入力加減算器(本実施例2においては加算器)から出力される短パルス信号を示す図、図27(g)はセンタータップ付バラン回路からの信号を示す図、図27(h)は差動クロック信号を示す図、図27(i)はダブルバランスドミキサ回路からの信号を示す図である。
図27(a)に示した第1の入力信号201aの振幅は+Aで、第2の入力信号201bの振幅は−Aであり、第1の入力信号201aと第2の入力信号201bは差動入力信号である。図27(b)に示した微分器型可変位相回路21からの信号202の位相時定数は、第1の位相変動量制御信号210を通じて制御される。ただし、この第1の位相変動量制御信号210はピーク振幅には影響を与えない。最大値は+Aで徐々に0に漸近する。また、図27(c)に示した積分器型可変位相回路22からの信号203の位相時定数は、第2の位相変動量制御信号211を通じて制御される。この信号203は、t=0で振幅が0、t=t2で+Aに漸近する。
また、図27(d)に示した位相シフト回路23からの信号204は、t=t1における振幅は−Aである。また、図27(e)に示した減算器24からの信号205は、微分器型可変位相回路21からの信号202に利得調整信号214の情報に従った減衰量ATTを掛け合わせた出力信号である。この減衰量ATT≦1である。
また、図27(f)に示した3入力加減算器25からの信号206は、減衰器24からの信号205と積分器型可変位相回路22からの信号203と位相シフト回路23からの信号204とを加算して短パルス信号で、t=0の近傍では微分器型可変位相回路21の信号202が支配的である。0<t<t1の範囲では支配要因が微分器から積分器へと遷移する。
すなわち、tが大きくなっていくにつれて積分器の出力の特徴である上に凸の波形が観測されるようになる。この種の波形は矩形波で見られる直線+90°角の組み合わせよりも正弦波に近く、したがって、高周波成分も少ない。t=t1においては、位相シフト回路23からの信号204が含んでいる−Aのエッジの影響で失力は0近傍へと到達する。最終的には積分器の漸近時間t=t2の時間経過後に3入力加減算器25からの信号206は0になる。
つまり、微分器型可変位相回路21のピーク振幅の高周波成分の影響を緩和すべく、積分器型可変位相回路22からの信号203が、減衰器24を介して微分器型可変位相回路21からの信号202が加算されている。つまり、3入力加減算器25においては、減衰器24からの信号205と積分器型可変位相回路22からの信号203とが加算されている。さらに、積分器型可変位相回路22のDC成分を打ち消して急峻な立ち下がりを得るために、t=t1の時刻で位相シフト回路23からの信号204の0から−Aの遷移が加算されている。これによって、微分器型可変位相回路21からの信号202より、本発明の出力信号206はパルスの幅を短くできる。
また、図27(g)に示したセンタータップ付バラン回路26からの信号207a,207bは、ダブルバランスドミキサ回路27を駆動するため、シングルから差動変換しつつ適切な動作点を設定するためにセンタータップ付バラン回路26を通過して得られる出力である。DCの動作点はセンタータップに加えられ、基準信号レベルで決定される。
また、図27(h)に示した差動クロック信号209a,209bは、ダブルバランスドミキサ回路27への差動入力信号である。また、図27(i)に示したダブルバランスドミキサ回路27からの信号208a,208bは、センタータップ付バラン回路26からの信号207a,207bの包絡線(短パルス波形)の中で、差動クロック信号209a,209bが動作する。所望の出力が得られている。
本実施例2における微分器の出力信号の包絡線に起因する高周波成分は、1)減衰器で微分器の出力を減衰させて使用する。2)微分器の出力の下の凹部の信号に(減衰後)、積分器の出力の上の凸部の信号を(減衰なしで)加算したことにより、一般的な矩形波よりも積分器の出力の凸波形が勝った波形、言い換えれば矩形波よりも正弦波に近づいた波形の合成ができた。3)立ち下がりエッジの生成は微分波形よりも高周波成分の少ないステップ波形の加算を用いていること、つまり、立ち下がりエッジには。立ち上がりエッジほどの高周波成分が含まれていないことが想定できる。このような3つの理由により、微分器を単体で用いる場合に比べ、高周波成分を大幅に減らすことができる。
入力信号201a,201bに繰り返し信号を用いる場合には、立ち上がり又は立ち下がりの一方をマスクする回路を前置する必要がある。マスク回路は、通常、信号パスに直列に挿入されたスイッチとそれをオン/オフする制御信号とからなる。
図28は、図26に示した微分器形可変位相回路の具体的な回路構成図である。この微分器形可変位相回路(可変位相微分器)の時定数を位相変化量制御信号Cnt1Aにしたがって、直列容量の値を切り替えることで位相変化量を変化させている。例えば、S1Aがオンし、微分器の容量がC1+C1Aになった時に、微分器の減衰は容量がC1のみの時よりなだらかになる。ここでは“位相”を基準に時刻から一定時間経過した点にあける振幅及び振幅の集合体とする。これにより、時定数の大きい系は、位相が遅れることが理解できる。
微分器形可変位相回路の動作真理値及び直列容量の値を以下の表2に示す。
Figure 0005935978
なお、実施例2においても、上述した実施例1と同様な効果を奏することも明らかである。
図29は、図26に示した積分器型可変位相回路の具体的な回路構成図である。この積分器型可変位相回路(可変位相積分器)の時定数を位相変化量制御信号Cnt2Aにしたがって並列容量の値を切り替えることで位相変化量を変化させている。Cを切り替える代わりにRを切り替えることでも等価な回路状態の変化が得られる。表3に可変位相積分器の動作真理値及び並列容量を示している。
Figure 0005935978
図26に示した本発明に係るパルス生成回路の減衰器の具体的な回路構成図は、図14に示した減衰器と同様である。減衰器24は、複数の抵抗素子Ra,Rb,Rcと複数のスイッチSa,Sb,Scを含む抵抗タップの構成である。
減衰器24の減衰量を遅延パルスの立ち上がりタイミングでの加減算器の入力の振幅が同じとなるように調整することで立ち下がりの鋭いパルスが得られる。このことは図27(f)に示されている。
図30は、本発明に係るパルス生成回路の実施例3を説明するための回路構成図である。図中符号30はパルス信号処理回路、31は微分器形可変位相回路(可変位相微分器)、32は積分器形可変位相回路(可変位相積分器)、33は加減算器、34はセンタータップ付バラン回路、35はダブルバランスドミキサ回路を示している。
つまり、図30に示したパルス生成回路は、パルス信号処理回路30とセンタータップ付バラン回路34とダブルバランスドミキサ回路35とで構成され、パルス信号処理回路30は、微分器形可変位相回路31と積分器形可変位相回路32と加減算器33とで構成されている。
本実施例3のパルス生成回路においては、図26に示した実施例2における減衰器24と位相シフト回路23を除いた構成になっている。
本実施例3のパルス生成回路は、上述した実施例1及び2と同様に、制御信号によって間欠的に動作することで短パルス信号を生成するパルス生成回路である。微分器形可変位相回路31は、第1の位相変化量制御信号308によって位相可変され、第1の入力信号301aを微分してパルスの立ち上がりを捉えるものである。また、積分器形可変位相回路32は、第2の位相変化量制御信号309によって位相可変され、第1の入力信号301bを積分して高周波成分を抑制するものである。
また、センタータップ付バラン回路34は、パルス信号処理回路30からの短パルス信号304を入力して任意のDCレベルの差動信号を生成するもので、短パルス信号が入力される1次側コイルと、1次側コイルに隣接され、差動信号を出力する2次側コイルと、DCレベルを設定するセンタータップとを備えており、LC同調を用いて高周波の抑制を行う可変容量回路をさらに備えている。また、次側コイルに対する2次側コイルのインピーダンス比が2以上であることが望ましい。
また、ダブルバランスドミキサ回路35は、センタータップ付バラン回路34から生成された差動信号にキャリアを重畳して差動パルス信号を生成するもので、ハイインピーダンス入力である。
このように、実施例3におけるパルス生成回路は、ダブルバランスドミキサ回路の入力を正弦波入力に近付けることで高周波を抑制するのではなく、ダブルバランスドミキサ回路を正常にオン・オフさせることで微分波形固有の高周波を出力に伝達させないようにしたものである。具体的には、1)センタータップ付バラン回路の1次、2次間のインピーダンス比を1:2以上にして高利得を得ること、2)電圧利得を有効利用するためにダブルバランスドミキサ回路をHiz入力とし、使用するTrは小振幅でオン・オフするバイポーラトランジスタ(BJT)とすること、3)センタータップ付バラン回路に同調機能を持たせることで入力の高周波の低減を図ること、4)上記条件が開示された場合のオン・オフに必要な入力振幅条件を解析的に明らかにし、電力を消費しない高周波抑圧型の短パルス発生回路を実現したものである。
図31(a)乃至(g)は、図30に示した本発明に係るパルス生成回路の各部のノード電圧を示す図で、図31(a)は第1及び第2の入力信号を示す図、図31(b)は微分器型可変位相回路からの信号を示す図、図31(c)は積分器型可変位相回路からの信号を示す図、図31(d)は加減算器(本実施例3においては加算器)から出力される短パルス信号を示す図、図31(e)はセンタータップ付バラン回路からの信号を示す図、図31(f)は差動クロック信号を示す図、図31(g)はダブルバランスドミキサ回路からの信号を示す図である。
ここで重要なことは、1)トランスのインピーダンス比が1:2以上であること、2)ダブルバランスドミキサ回路の入力部は、トランス側50Ω、ミキサ側Hizであること、3)ダブルバランスドミキサ回路のオン・オフする瞬間のミキサ入力は100mVOP以上必要であることである。
次に、上記1)乃至3)により、ダブルバランスドミキサ回路がオン・オフするのに必要な入力差動信号入力レベルを求める。まず、3)よりダブルバランスドミキサ回路入力では、100mVOPが200mVPP、シングルエンドが400mVPPの差動入力が必要なことがわかる。電圧振幅は50ΩからHizで2倍、トランスのインピーダンス比で2倍されるため、入力端では1/4の100mVPPの差動入力が必要なことがわかる。
これによって期待される効果は、1)ミキサのオン時にTrはオン状態にスイッチングされる。2)ミキサのオフ時にTrはオフ状態にスイッチングされる。3)上記理由により、ダブルバランスドミキサ回路の出力には、微分波形が元来有する高周波成分が現れない。更に加えるなら、高周波成分の抑圧のため、トランス入力部にはLC同調回路を実装している。
図31(a)に示した第1の入力信号301aの振幅は+Aで、第2の入力信号301bの振幅は−Aであり、第1の入力信号301aと第2の入力信号301bは差動入力信号である。図31(b)に示した微分器型可変位相回路31からの信号302の位相時定数は、第1の位相変動量制御信号308を通じて制御される。ただし、この第1の位相変動量制御信号308はピーク振幅には影響を与えない。最大値は+Aでt=t1で振幅がEとなって徐々に0に漸近する。また、図31(c)に示した積分器型可変位相回路32からの信号303の位相時定数は、第2の位相変動量制御信号309を通じて制御される。この信号303は、t=0で振幅が0、t=t2で−Eに漸近する。
また、図31(d)に示した加減算器33からの信号304は、微分器型可変位相回路31からの信号302と積分器型可変位相回路32からの信号303とを加算して短パルス信号で、t=0の近傍では微分器型可変位相回路31の信号302が支配的である。0<t<t1の範囲では支配要因が微分器から積分器へと遷移する。加減算器33からの信号304はt=t1において+50mVで、t=t2でゼロクロスし、積分器型可変位相回路32の影響で時間経過後に−Aに向かって漸近する。
つまり、加減算器33においては、微分器型可変位相回路31のピーク振幅の高周波成分の影響を緩和すべく、積分器型可変位相回路32からの信号303が微分器型可変位相回路31からの信号302が加算されている。これによって、微分器型可変位相回路31からの信号302より、加減算器33の出力信号304はパルスの幅を短くできる。
また、図31(e)に示したセンタータップ付バラン回路34からの信号305a,305bは、ダブルバランスドミキサ回路35を駆動するため、シングルから差動変換しつつ適切な動作点を設定するためにセンタータップ付バラン回路34を通過して得られる出力である。入力部に配置されたLC同調器の影響で積分器の出力の低周波成分は除去される。トランスがDC成分を除去する効果を有するためHPFを必要としない。このトランスのDCカットとセンタータップによって出力信号のDCレベルを、次段のダブルバランスドミキサ回路が動作しやすい点に設定する。LC同調回路の周波数は、同調周波数制御信号によって制御され、DCレベルは基準信号レベルによって定められる。
また、図31(f)に示した差動クロック信号307a,307bは、ダブルバランスドミキサ回路35への差動入力信号である。また、図31(g)に示したダブルバランスドミキサ回路35からの信号306a,306bは、センタータップ付バラン回路34からの信号305a,305bの包絡線(短パルス波形)の中で、差動クロック信号307a,307bが動作する。キャリアを短パルスでオン・オフした所望の波形出力が得られている。
図32は、図30に示した実施例3のセンタータップ付バラン回路の回路構成図で、1次側にLC同調回路を有し、かつインピーダンス比(L2/L1)が2以上であるようなセンタータップ付バラン回路を示している。本実施例3においては、上述した実施例1及び2のような高周波成分の抑圧機能がないため、LC同調を用いて高周波成分の抑圧を行っている。発生する短パルスの基本周波数がf0である時に、f0=1/2π√L1L1となるように、帯域制御信号を通じて可変容量C1の容量を調整する。
以下に、本発明に係るパルス生成回路の各種のパルス信号処理回路について説明する。
図33は、本発明に係るパルス生成回路の実施例4におけるパルス信号処理回路を説明するための回路構成図である。図中符号40はパルス信号処理回路、41は位相シフト回路、42は減衰器(Attenuator;アッテネータ)、43aは第1の微分器、43bは第2の微分器、44は加減算器を示している。
本実施例4におけるパルス信号処理回路40は、位相シフト回路41と減衰器42と第1の微分器43aと第2の微分器43bと加減算器44とから構成されている。
本発明のパルス生成回路は、制御信号によって間欠的に動作することで短パルス信号を生成するパルス生成回路である。第1の微分器43aは、入力信号401を直接的に微分してパルスの立ち上がりを捉えるものである。また、位相シフト回路41は、入力信号401の位相の変動量を位相変動量調整信号407によって調整してパルス幅を決定するものである。
また、減衰器42は、位相シフト回路41からの信号402の振幅を利得調整信号408によって調整するものである。また、第2の微分器43bは、減衰器42からの信号403を微分してパルスの立ち下がりを捉えるものである。また、加減算器44は、第1の微分器43aからの信号404と第2の微分器43bからの信号405とを加減算して短パルス信号406を出力するものである。
つまり、パルス信号処理回路は、入力信号を直接的に微分してパルスの立ち上がりを捉える第1の微分器43aと、入力信号の位相の変動量を位相変動量調整信号407によって調整してパルス幅を決定する位相シフト回路41と、位相シフト回路41からの信号の振幅を利得調整信号408によって調整する減衰器42と、減衰器42からの信号を微分してパルスの立ち下がりを捉える第2の微分器43bと、第1の微分器43aからの信号404と第2の微分器43bからの信号405とを加減算して短パルス信号406を出力する加減算器44とを備えている。
本発明に係るパルス生成回路の各部のノード電圧について以下に説明すると、入力信号401の振幅はAである。位相シフト回路41からの信号402は、位相シフト回路41の位相変動によりより短いパルスを生成することができ、入力信号401が位相シフト回路41を通過することでt1だけ遅延したことを示している。この信号402が減衰器2の入力信号になる。
また、第1の微分器43aの信号404は、時刻t1において振幅がA×ATT(減衰率)となっている。また、減衰器42からの信号403は、第2の微分器43bの入力がA×ATTとなるように調整される。減衰器42の減衰率(ATT)は1以下である。
また、第2の微分器43bの出力信号405は、加減算器44に入力される。第1の微分器43aと第2の微分器43bとは同一の構造を有しているので、減衰器42と第2の微分器43bとの順番を入れ替えても動作に影響を与えない。また、第1の微分器43aからの信号404及びは第2の微分器43bからの信号405の傾きは、容量素子C1と抵抗素子R1からなる微分器の時定数τが等しい時に、τ=R1C1によって決まる。
また、第1の微分器43aの出力404と第2の微分器43bの出力405との加減算を終えた出力信号406は、第1の微分器43aの信号404と比べると、加減算を終えた出力信号406のパリス幅の方が狭く、かつ立ち下がりのエッジが鋭くなっている。つまり、また、減算器44から出力される短パルスの出力信号406は、第2の微分器43bからの信号405が立ち上がるタイミングの第1の微分器43aからの信号404の振幅と第2の微分器43bからの信号405のピーク振幅とが同じになるように減衰器42を調整することで立ち下りエッジもシャープな短パルスが得られる。
図34は、本発明に係るパルス生成回路の実施例5におけるパルス信号処理回路を説明するための回路構成図である。図中符号50はパルス信号処理回路、51は位相シフト回路、52は減衰器(Attenuator;アッテネータ)、53aは第1の可変位相微分器、53bは第2の可変位相微分器、54は加減算器を示している。つまり、図33に示した第1の微分器43aと第2の微分器43bは、第1の可変位相微分器53aと第2の可変位相微分器53bで構成されている。
本実施例5のパルス生成回路は、実施例4と同様に、制御信号によって間欠的に動作することで短パルス信号を生成するパルス生成回路である。第1の可変位相微分器53aは入力信号501を直接的に微分してパルスの立ち上がりを捉えるもので、第1の時定数調整信号509によって位相が可変されるものである。位相シフト回路51は、入力信号501の位相の変動量を位相変動量調整信号507によって調整してパルス幅を決定するものである。
また、減衰器52は、位相シフト回路51からの信号502の振幅を利得調整信号508によって調整するものである。第2の可変位相微分器53bは、減衰器52からの信号503を微分してパルスの立ち下がりを捉えるもので、第2の時定数調整信号510によって位相が可変されるものである。減算器54は、第1の可変位相微分器53aからの信号504と第2の可変位相微分器53bからの信号505とを減算して短パルス信号を出力するものである。
このように、実施例5におけるパルス生成回路は、2つの可変位相微分器53a,53bを用い、パルスエッジ間の包絡線の形を任意に設定できる。この2つの可変位相微分器53a,53bの時定数は、第1の時定数調整信号509と第2の時定数調整信号510とによってその時定数が変えられる。
本発明に係るパルス生成回路の各部のノード電圧について以下に説明すると、入力信号501の振幅はAである。位相シフト回路51からの信号502は、位相シフト回路51の位相変動によりより短いパルスを生成することができ、入力信号501が位相シフト回路51を通過することでt1だけ遅延したことを示している。この信号502が減衰器52の入力信号になる。
また、第1の可変位相微分器53aの信号504の時定数は、第2の可変位相微分器53bからの信号505の時定数より大きく選ぶことがパルス波形を矩形に近づける観点から好ましい。実施例4と同様に、t=t1での第1の可変位相微分器13aの出力振幅はA×ATT(減衰率)となっている。
また、減衰器52からの信号503は、第2の可変位相微分器53bの入力がA×ATTとなるように調整される。
また、第2の可変位相微分器53bの出力信号505の時定数は、第1の可変位相微分器53aの時定数よりも小さく選ばれる。また、実施例5においても、実施例4と同様に、減衰器52と第2の可変位相微分器53bとの順番を入れ替えても動作に影響を与えない。
また、第1の可変位相微分器53aの信号504と第2の可変位相微分器53bの信号505との加減算を終えた出力信号506は、第1の可変位相微分器53aの時定数が、第2の可変位相微分器53bの時定数よりも大きいため、t>t1の領域で+の低周波信号が存在している。他方、パルスの形は矩形に近づいており、目的通りの動作をしていることがわかる。
図35は、本発明に係るパルス生成回路の実施例6におけるパルス信号処理回路を説明するための回路構成図である。図中符号60はパルス信号処理回路、61は微分器、62は積分器、63は第1のハイパスフィルタ(HPF)、64は加減算器を示している。
本実施例6におけるパルス信号処理回路60は、微分器61と積分器62と第1のハイパスフィルタ(HPF)63と加減算器64とから構成されている。
本発明のパルス生成回路は、制御信号によって間欠的に動作することで短パルス信号を生成するパルス生成回路である。微分器61は、第1の入力信号601を微分してパルスの立ち上がりを捉えるものである。また、積分器62は、微分器61に入力される第1の入力信号601と逆位相の第2の入力信号602を積分するものである。また、第1のハイパスフィルタ63は、積分器62からの信号604を基準信号レベル608によって帯域制限するものである。
また、加減算器64は、微分器61からの信号603(605)と第1のハイパスフィルタ63からの信号606とを加減算して短パルス信号607を出力するものである。なお、本実施例6においては、微分器61からの信号603は、第1のハイパスフィルタ63を介することなく信号605となって加減算器64に入力される。
また、微分器61は、RC微分器又はLC微分器であってもよい。また、積分器62は、抵抗素子と容量素子を含む積分器の構成である。また、第1のハイパスフィルタ63は、プログラマブル積分器であってもよく、抵抗素子と容量素子を含む構成である。
また、加減算器64は、方向性結合器又はハイブリッドリングの構成である。また、微分器61と加減算器64との間に微分器61からの信号を帯域制限する第2のハイパスフィルタ(図示せず)をさらに備えてもよい。また、微分器61と積分器62と第1のハイパスフィルタ63の少なくとも1つは受動素子からなる。
つまり、パルス信号処理回路60は、第1の入力信号601を微分してパルスの立ち上がりを捉える微分器61と、微分器61に入力される第1の入力信号601と逆位相の第2の入力信号602を積分する積分器62と、積分器62からの信号を基準信号レベル608によって帯域制限するハイパスフィルタ63と、微分器61からの信号603とハイパスフィルタ63からの信号605とを加減算して短パルス信号607を出力する加減算器64とを備えている。
このような構成により、パルス発生回路を構成する微分器と積分器とハイパスフィルタと加減算器との少なくとも1つは受動素子で構成することで、消費電流や歪の発生を最小限にすることができるとともに、入力信号を作動信号としたので、不用放射にも配慮した周辺環境にも優しいパルス発生回路を実現することができる。
本発明に係るパルス生成回路の各部のノード電圧について以下に説明すると、第1の入力信号601の振幅は+Aである。第2の入力信号602の振幅は−Aである。微分器61からの信号603の最大値は+Aで、その時定数τ1=R11で、0に漸近する。また、t=t1での振幅はEとする。また、微分器61からの信号603の第1のハイパスフィルタ63を通過後の信号605は、影響がないので信号603と同じである。
また、積分器62からの信号604は、t=0で0、時定数τ2=R22で、−Aに漸近する。R22の値は、t=t1での振幅が−Eとなるように設計する。また、第1のハイパスフィルタ63からの信号606は、積分器2からの信号604の第1のハイパスフィルタ63を通過した後の信号で、その出力606が0に向かって漸近し始める時刻をt2とする。
また、加減算器64からの信号607は、微分器61からの信号603の第1のハイパスフィルタ63を通過後の信号605と、積分器62からの信号604の第1のハイパスフィルタ63を通過した後の信号606との加算した出力信号である。t=t1での振幅が、信号605では+Eで、信号606では−Eなので、出力信号607では0になる。これによって、微分器61の信号603より、本発明の出力信号607はパルスの幅を短くできる。
図36は、本発明に係るパルス生成回路の実施例7におけるパルス信号処理回路を説明するための回路構成図である。図中符号70はパルス信号処理回路、71は微分器形可変位相回路(可変位相微分器)、72は積分器形可変位相回路(可変位相積分器)、73は減衰器(Attenuator;アッテネータ)、74はプログラマブルハイパスフィルタ(HPF)、75はコモンモ−ド抽出回路を示している。つまり、図36に示したパルス生成回路は、微分器形可変位相回路71と積分器形可変位相回路72と減衰器73とプログラマブルハイパスフィルタ74とコモンモ−ド抽出回路75とで構成されている。
本実施例7のパルス生成回路においては、図35に示した実施例6における微分器61及び積分器62にそれぞれ位相可変機能を持たせて微分器形可変位相回路71及び積分器形可変位相回路72とするとともに、積分器形可変位相回路72の出力に減衰器73による利得調整機能をもたせ、さらに加減算器64の代わりにコモンモ−ド抽出回路75を用いたものである。
本実施例7のパルス生成回路は、上述した実施例6と同様に、制御信号によって間欠的に動作することで短パルス信号を生成するパルス生成回路である。
微分器形可変位相回路71は、位相変化量制御信号709によって位相可変され、第1の入力信号701を微分してパルスの立ち上がりを捉えるものである。また、積分器形可変位相回路72は、位相変化量制御信号709によって位相可変され、微分器形可変位相回路71に入力される第1の入力信号701と逆位相の第2の入力信号702を積分するものである。また、減衰器73は、積分器形可変位相回路72からの信号704の振幅を利得調整信号710によって調整するもので、複数の抵抗素子と複数のスイッチを含む抵抗タップの構成である。
また、プログラマブルハイパスフィルタ74は、減衰器73からの信号705を基準信号レベル711によって帯域制限するものである。また、コモンモード抽出回路75は、微分器形可変位相回路71からの信号703とプログラマブルハイパスフィルタ74からの信号707を入力として加減算して短パルス信号708を出力するもので、このコモンモード抽出回路75は、複数の抵抗素子を含む抵抗分割の構成である。また、コモンモード抽出回15は、第1及び第2のソース接地増幅器を含む構成である。
このように、実施例7におけるパルス生成回路は、位相可変機能と減衰器とを組み合わせることで得られるパルスの幅を任意に選べるようになる。さらに、コモンモード抽出回路を用いることで、信号の周波数によらない信号処理が行えるようになり、回路の広帯域化が達成できる。本実施例7では、上述した実施例6における加減算器64からの出力信号607のt=t2の近傍で発生している余剰の信号を最小化することが目的である。
本発明に係るパルス生成回路の各部のノード電圧について以下に説明すると、 第1の入力信号701の振幅は+Aである。第2の入力信号702の振幅は−Aである。この第1の入力信号701と第2の入力信号702とで差動入力を構成している。
また、微分器形可変位相回路71からの信号703の最大値は+Aで、その時定数で0に漸近する。また、t=t1での振幅はA/2とする。また、積分器形可変位相回路72からの信号704は、t=0で0、その時定数で−Aに漸近する。微分器形可変位相回路71の振幅がA/2の時刻と積分器形可変位相回路72の振幅が最大になる時刻とが同じになるように積分器形可変位相回路72の位相を位相変化量制御信号709で調整する。つまり、t=t1において信号704の振幅がおおよそ−Aとなるように位相変化量制御信号709を用いて積分器形可変位相回路72の時定数を調整する。
また、減衰器73からの信号705は、時刻t1における振幅が−A/2となる。つまり、利得調整信号710を用いて積分器形可変位相回路72の振幅が半分になるように調整する。また、プログラマブルハイパスフィルタ74からの信号707は、このプログラマブルハイパスフィルタ74のRの大きさを、位相変化量制御信号709を用いて増減させることで、信号707のtailの長さを増減させる。この波形において0に漸近していく部分(尾の部分)を“tail”という。また、コモンモード抽出回路75から出力される短パルス信号708は、プログラマブルハイパスフィルタ74の時定数を調整してtailを打ち消す。つまり、位相変化量制御信号709を用いてtailを調整し、短パルス信号708のt>t1以降の成分が0になるように調整する。したがって、コモンモード抽出回路75から出力される短パルス信号708は、微分器形可変位相回路71からの信号703のパルス幅よりも短くなっている。
このように、上述した図33乃至図36に示したパルス信号処理回路40,50,60,70にセンタータップ付バラン回路及びダブルバランスドミキサ回路を接続して、本発明のようなパルス生成回路を構成することが可能となり、このような構成により、上述した実施例1乃至3に記載したようなパルス生成回路と同様な効果を奏することができる。
1 パルス信号処理回路
2 バラン回路
3 ミキサ回路
11,61 微分器
12,62 積分器
13,23,41,51 位相シフト回路
14,24,42,52,73 減衰器
15,25 3入力加減算器
15a,15b 2入力加減算器
16,26,34 センタータップ付バラン回路
17,27,35 ダブルバランスドミキサ回路
20,30,40,50,60,70 パルス信号処理回路
21,31,71 微分器型可変位相回路(可変位相微分器)
22,32,72 積分器型可変位相回路(可変位相積分器)
33,44,54,64 加減算器
43a 第1の微分器
43b 第2の微分器
53a 第1の可変位相微分器
53b 第2の可変位相微分器
63 第1のハイパスフィルタ(HPF)
74 プログラマブルハイパスフィルタ(HPF)
75 コモンモ−ド抽出回路
101 発振回路
102 制御信号発生回路
103 間欠逓倍回路
104 フィルタ
105 出力端子
201〜204 信号波形

Claims (20)

  1. ルス生成回路において、
    入力信号を微分してパルスの立ち上がりを捉える少なくとも1つの微分器と、少なくとも前記微分器からの信号を加減算してパルス信号を出力する加減算器とを備えたパルス信号処理回路と、
    該パルス信号処理回路からのパルス信号を入力して任意のDCレベルの差動信号を生成するバラン回路と、
    該バラン回路から生成された前記差動信号にキャリアを重畳して差動パルス信号を生成するダブルバランスドミキサ回路と
    を備えていることを特徴とするパルス生成回路。
  2. 前記バラン回路が、
    記パルス信号が入力される1次側コイルと、
    前記1次側コイルに隣接され、前記差動信号を出力する2次側コイルと、
    前記DCレベルを設定するセンタータップと
    を備えていることを特徴とする請求項1に記載のパルス生成回路。
  3. 前記バラン回路が、LC同調を用いて高周波の抑制を行う可変容量回路をさらに備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載のパルス生成回路。
  4. 前記次側コイルに対する前記2次側コイルのインピーダンス比が2以上であることを特徴とする請求項2又は3に記載のパルス生成回路。
  5. 前記パルス信号処理回路が、
    第1の入力信号を微分する微分器と、該微分器からの信号の振幅を調整する減衰器と、前記第1の入力信号を積分する積分器と、前記第1の入力信号と逆位相の第2の入力信号の位相の変動量を調整する位相シフト回路と、前記減衰器からの信号と前記積分器からの信号と前記位相シフト回路からの信号とを加算して前記パルス信号を出力する加減算器とを備えている特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のパルス生成回路。
  6. 前記微分器が、可変位相微分器であることを特徴とする請求項に記載のパルス生成回路。
  7. 前記積分器が、可変位相積分器であることを特徴とする請求項5又は6に記載のパルス生成回路。
  8. 前記加減算器が、方向性結合器又はハイブリッドリングの構成であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のパルス生成回路。
  9. 前記微分器と前記積分器と前記位相シフト回路と前記減衰器の少なくとも1つは受動素子からなることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のパルス生成回路。
  10. 前記パルス信号処理回路が、
    第1の入力信号を微分する微分器と、前記第1の入力信号と逆位相の第2の入力信号を積分する積分器と、前記微分器からの信号と前記積分器からの信号とを加算して前記パルス信号を出力する加減算器とを備えていることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のパルス生成回路。
  11. 前記微分器が、可変位相微分器であることを特徴とする請求項10に記載のパルス生成回路。
  12. 前記積分器が、可変位相積分器であることを特徴とする請求項10又は11に記載のパルス生成回路。
  13. 前記加減算器が、方向性結合器又はハイブリッドリングの構成であることを特徴とする請求項10,11又は12に記載のパルス生成回路。
  14. 前記微分器と前記積分器の少なくとも1つは受動素子からなることを特徴とする請求項11乃至13のいずれかに記載のパルス生成回路。
  15. 前記パルス信号処理回路が、
    入力信号を直接的に微分してパルスの立ち上がりを捉える第1の微分器と、前記入力信号の位相の変動量を位相変動量調整信号によって調整してパルス幅を決定する位相シフト回路と、前記位相シフト回路からの信号の振幅を利得調整信号によって調整する減衰器と、該減衰器からの信号を微分して前記パルスの立ち下がりを捉える第2の微分器と、前記第1の微分器からの信号と前記第2の微分器からの信号とを加減算してパルス信号を出力する加減算器とを備えていることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のパルス生成回路。
  16. 前記第1及び第2の微分器は、可変位相微分器であることを特徴とする請求項15に記載のパルス生成回路。
  17. 前記パルス信号処理回路が、
    第1の入力信号を微分してパルスの立ち上がりを捉える微分器と、該微分器に入力される前記第1の入力信号と逆位相の第2の入力信号を積分する積分器と、該積分器からの信号を基準信号レベルによって帯域制限するハイパスフィルタと、前記微分器からの信号と前記ハイパスフィルタからの信号とを加減算してパルス信号を出力する加減算器とを備えていることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のパルス生成回路。
  18. 前記微分器が可変位相微分器で、前記積分器が可変位相積分器で、前記ハイパスフィルタがプログラマブル積分器であることを特徴とする請求項17に記載のパルス生成回路。
  19. 前記加減算器は、コモンモード抽出回路の構成であることを特徴とする請求項17又は18に記載のパルス生成回路。
  20. 前記コモンモード抽出回路は、第1及び第2のソース接地増幅器を含む構成であることを特徴とする請求項19に記載のパルス生成回路。
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