JP5935399B2 - 楽音発生装置 - Google Patents

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Description

本発明は、楽音発生装置に関するものである。
従来、演奏者(ユーザ)の演奏動作を検知すると、演奏動作に応じた電子音(楽音)を発音する楽音発生装置(演奏装置)が提案されている。例えば、演奏者が打楽器のスティックに相当する棒状の部材を振る動作を行うと、それに応じて打楽器音を発音する装置(エアドラム)が知られており(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)、このような装置では、棒状の部材にセンサを設け、演奏者がこの部材を手で保持して振ると、センサがその動作を検知し、この検知結果に応じた打楽器音を発音させるように構成されている。
例えば打楽器等の現実の楽器は、重量も重く、設置に広いスペースを要することから、自宅等で手軽に演奏や練習を行うことが難しい。
この点、演奏者の演奏動作を検知して、これに応じた楽音を発生させる楽音発生装置によれば、現実の楽器を必要とせずに当該楽器の楽音を発音させることができるため、演奏場所や演奏スペースに制約を受けずに手軽に演奏を楽しむことができる。
特開昭63−191195号公報 特開2011−252994号公報
ところで、打楽器であるドラムの演奏手法の1つとして、ドラムの打面を連打することによって持続音を出す「ロール奏法」(ドラムロール奏法)と呼ばれる奏法がある。このロール奏法による演奏では、通常1回の手の振り動作において、その反動を利用して「タ・タ」と2つの音を出すようになっており、これを左右交互に繰り返すことにより、打面を細かく連打して持続音を出すことができる。
このようなロール奏法は、雰囲気を盛り上げる際等に一般的に用いられる奏法であり、ドラム演奏の醍醐味の1つでもある。
しかしながら、特許文献1及び特許文献2等に記載の電子音を発音する楽音発生装置においては、現実の打楽器と異なり、実際に楽器の打面を叩くわけではないため、叩いた後にスティックが跳ね上がってくる反動がない。このため、反動を利用して細かく速い連打を行い持続音を発音させるロール奏法を行うことは不可能であり、ドラム演奏の醍醐味に欠けるという問題があった。
本発明は以上のような事情に鑑みてなされたものであり、反動を利用できない空中における演奏においても、あたかも演奏者がロール奏法による演奏を行っているかのような発音を行わせることのできる楽音発生装置を提供することを目的とするものである。
前記課題を解決するために、本発明の楽音発生装置は、
演奏者が保持可能な打撃用の演奏操作子と、
前記演奏者の打撃演奏操作によって生じる前記演奏操作子本体の動きを検知する動き検知手段と、
前記動き検知手段により検知される前記演奏操作子の上下方向の動きにより発生する加速度の極大値及び極小値が予め定めた範囲内である場合であって、かつ、前記動き検知手段によって検知された前記演奏操作子の操作により発生する加速度の極大値及び極小値との間の時間が予め定めた範囲内である場合にロール奏法であると判断する奏法判断手段と、
前記奏法判断手段によりロール奏法と判断された場合、前記動き検出手段により検知された動きに基づいて決定されるタイミングにて、ロール奏法用楽音の発音を発音手段に指示する発音指示手段と、
を備えていることを特徴としている。
本発明によれば、反動を利用できない空中における演奏においても、あたかも演奏者がロール奏法で演奏を行っているかのような発音を行わせることができる。これにより、演奏表現の幅が広がり、演奏の醍醐味を十分に味わうことができるとの効果を奏する。
(A)は、本発明に係る楽音発生装置の一実施形態の概要を示す図であり、(B)は、本実施形態における仮想のドラムセットを示した図である。 図1に示すスティック部のハードウェア構成を示すブロック図である。 図1に示すスティック部の斜視図である。 図1に示すカメラユニット部のハードウェア構成を示すブロック図である。 図1に示すセンターユニット部のハードウェア構成を示すブロック図である。 モーションセンサ部の垂直方向の加速度の変化を表わした図である。 モーションセンサ部の垂直方向の加速度の変化を表わした図であり、ロール奏法でない場合の一例を示している。 モーションセンサ部の垂直方向の加速度の変化を表わした図であり、ロール奏法を開始する場合の一例を示している。 モーションセンサ部の垂直方向の加速度の変化を表わした図であり、ロール奏法を終了する場合の一例を示している。 モーションセンサ部の垂直方向の加速度の変化を表わした図であり、ロール奏法を終了する場合の一例を示している。 モーションセンサ部の垂直方向の加速度の変化を表わした図であり、ロール奏法を終了する場合の一例を示している。 モーションセンサ部の垂直方向の加速度の変化を表わした図であり、ロール奏法を終了する場合の一例を示している。 (A)は、ロール奏法を行う場合のモーションセンサ部の垂直方向の加速度の変化を表わした図であり、(B)は、(A)に示すB部分の波形を拡大してノートオンタイミングの一例を示した図である。 スティック部の処理の流れを示すフローチャートである。 カメラユニット部の処理の流れを示すフローチャートである。 センターユニット部の処理の流れを示すフローチャートである。 ノートオンタイミングの一変形例を示した図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
[楽音発生装置の概要]
まず、図1(A)及び図1(B)を参照して、本発明に係る楽音発生装置の一実施形態の概要について説明する。
図1(A)は、本実施形態に係る楽音発生装置の装置構成の概要を示す図である。
図1(A)に示すように、本実施形態の楽音発生装置1は、スティック部10A、10Bと、カメラユニット部20と、センターユニット部30と、を含んで構成されている。なお、本実施形態の楽音発生装置1は、2本のスティックを用いた仮想的なドラム演奏を実現するため、2つのスティック部10A、10Bを備えることとしているが、スティック部の数はこれに限られず、1つとしてもよく、3つ以上としてもよい。なお、以下では、スティック部10A、10Bを区別しない場合には、両者を総称して「スティック部10」と称する。
スティック部10は、長手方向に延在する棒状の部材であり、演奏者が保持可能な打撃用の演奏操作子として機能する。すなわち、演奏者は、スティック部10の一端(根元側)を手に持ち、手首等を中心とした振り上げ振り下ろし動作を行うことにより、演奏動作を行う。
このような演奏者の演奏動作を検知するため、この演奏操作子としてのスティック部10には、演奏者の演奏動作に基づくスティック部10(演奏操作子)の動きを検知する動き検知手段が配置されている。本実施形態では、スティック部10の他端(先端側)に、動き検知手段として加速度センサなどの各種センサ(後述のモーションセンサ部14、図2参照)が設けられており、各種センサによって検知された検知結果(例えば各種センサによって取得された生データ等)が、センターユニット部30に送信されるようになっている。
また、スティック部10の先端側には、マーカー部15が設けられており、撮像時にカメラユニット部20がスティック部10の先端を容易に判別可能であるように構成されている。
カメラユニット部20は、スティック部10を保持して演奏動作を行う演奏者の動画を所定のフレームレートで撮像する撮像部24(例えば光学式のカメラ、図4参照)等を備える撮像装置である。
センターユニット部30は、スティック部10から動き検知手段として各種センサ(後述のモーションセンサ部14)によって検知された検知結果を受信すると、この検知結果及び当該検知結果受信時におけるマーカー部15の位置座標データに応じて、所定の楽音を発音手段である発音部36のスピーカ等の音声出力部362から発音させる。
具体的には、センターユニット部30は、その記憶手段であるROM(後述する)等に、カメラユニット部20の撮像空間に対応付けて、図1(B)に示すような仮想のドラムセットDの位置座標データを記憶している。センターユニット部30は、当該仮想のドラムセットDの位置座標データとモーションセンサ部14による検知結果受信時におけるマーカー部15の位置座標データとに基づいて、スティック部10が打撃した楽器を特定し、当該楽器に対応する所定の楽音を発音させる。
以下、本実施形態に係る楽音発生装置1について具体的に説明する。
[楽音発生装置1の構成]
まず、図2から図5を参照して、本実施形態における楽音発生装置1を構成するスティック部10、カメラユニット部20及びセンターユニット部30の構成について詳細に説明する。
図2は、スティック部10のハードウェア構成を示すブロック図であり、図3は、スティック部10の斜視図であり、図4は、カメラユニット部20のハードウェア構成を示すブロック図であり、図5は、センターユニット部30のハードウェア構成を示すブロック図である。
[スティック部10の構成]
図2に示すように、スティック部10は、CPU(Central Processing Unit)等で構成されるスティック制御部11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、モーションセンサ部14と、マーカー部15と、データ通信部16と、を含んで構成されている。また、スティック部10は、各部に電源を供給する図示しない電源部を備えている。
ROM12は、スティック制御部11の実行する各種処理の処理プログラムを格納している。
また、ROM12は、マーカー部15の発光制御に用いるマーカー特徴情報を格納している。
ここで、マーカー特徴情報とは、同じ撮像空間に複数のマーカー部15が存在している場合に、各マーカー部15(本実施形態では、スティック部10Aの第1マーカーとスティック部10Bの第2マーカー)を区別するための情報であり、例えば、発光時の形状、大きさ、色相、彩度、あるいは輝度に加え、発光時の点滅スピードなどを用いることができる。スティック部10が複数ある場合には、各スティック部10はそれぞれ異なるマーカー特徴情報を有しており、各マーカー特徴情報にしたがった発光制御が行われるようになっている。
RAM13は、モーションセンサ部14が出力した各種センサ値等、処理において取得され又は生成された値を格納する。
スティック制御部11は、スティック部10全体の制御を実行するものである。
例えば、動き検知手段であるモーションセンサ部14から検知結果としてのセンサ値(以下、これを「モーションセンサデータ」と称する。)が出力されると、このモーションセンサデータを、データ通信部16を介してセンターユニット部30に送信する等、センターユニット部30との間の通信制御を行う。
また、スティック制御部11は、マーカー特徴情報をROM12から読み出し、当該マーカー特徴情報にしたがって、マーカー部15の発光制御を行う。前述のように、複数のスティック部10A,10Bがある場合には、各スティック部10A,10Bはそれぞれ異なるマーカー特徴情報にしたがった発光制御が行われる。これは、カメラユニット部20の撮像部24によって撮像された画像から、スティック部10Aのマーカー部15(第1マーカー)と、スティック部10Bのマーカー部15(第2マーカー)とを区別して検出できるようにするためである。すなわち、スティック部10が複数ある場合に、マーカー部15が同じように発光すると、カメラユニット部20で撮影した際に、各マーカー部15がいずれのスティック部10のものであるか判別できないおそれがある。このため、スティック部10Aのスティック制御部11及びスティック部10Bのスティック制御部11がそれぞれ異なるマーカー特徴情報を読み出し、これにしたがってマーカー部15の発光制御を行うことで、各マーカー部15の発光を異ならせ、両者の区別を容易としている。
なお、スティック制御部11によって行われる制御はこれに限定されず、例えば、センターユニット部30からの指示又はモーションセンサ部14による検知結果であるセンサ値(モーションセンサデータ)等に基づいて、マーカー部15の点灯/消灯等の発光制御を行うようにしてもよい。
モーションセンサ部14は、スティック部10の状態を検知するための各種センサであり、演奏操作子であるスティック部10に配置され、演奏者の打撃演奏操作によって生じるスティック部10(演奏操作子)本体の動きを検知する動き検知手段として機能する。モーションセンサ部14は、検知結果として所定のセンサ値(モーションセンサデータ)を出力する。モーションセンサ部14によって検知された検知結果(モーションセンサデータ)は、データ通信部16を介してセンターユニット部30に送信される。
ここで、モーションセンサ部14を構成するセンサとしては、例えば、加速度センサ、角速度センサ及び磁気センサ等を用いることができる。
加速度センサとしては、X軸、Y軸、Z軸の3つの軸方向のそれぞれに生じた加速度を出力する3軸センサを用いることができる。なお、X軸、Y軸、Z軸については、図3に示すように、スティック部10の長手方向の軸と一致する軸をY軸とし、加速度センサが配置された基板(図示せず)と平行で、かつ、Y軸と直交する軸をX軸とし、X軸及びY軸と直交する軸をZ軸とすることができる。加速度センサは、X軸、Y軸、Z軸のそれぞれの成分の加速度を取得するとともに、それぞれの加速度を合成したセンサ合成値を算出することとしてもよい。
本実施形態において、楽音発生装置1を用いて演奏を行う場合、演奏者は、スティック部10の一端(根元側)を保持し、手首などを中心としてスティック部10の他端(先端側)を上下動させる振り上げ振り下ろし動作を行うことで、スティック部10に対して回転運動を生じさせる。ここで、スティック部10が静止している場合には、加速度センサは、センサ合成値として重力加速度1Gに相当する値を算出し、スティック部10が回転運動をしている場合には、加速度センサは、センサ合成値として重力加速度1Gよりも大きな値を算出する。なお、センサ合成値は、例えば、X軸、Y軸、Z軸の成分の加速度のそれぞれの2乗の総和の平方根を算出することで得られる。
また、角速度センサとしては、例えば、ジャイロスコープを備えたセンサを用いることができる。本実施形態において、角速度センサは、図3に示すように、スティック部10のY軸方向の回転角501やスティック部10のX軸方向の回転角511を出力するようになっている。
ここで、Y軸方向の回転角501は、演奏者がスティック部10を持ったとき、演奏者から見た前後軸の回転角であるため、ロール角と称することができる。ロール角は、X−Y平面が、どの程度X軸に対して傾けられたかを示す角度502に対応し、演奏者がスティック部10を手に持って、手首を軸にして左右に回転させることにより生じる。
また、X軸方向の回転角511は、演奏者がスティック部10を持ったとき、演奏者から見た左右軸の回転角であるため、ピッチ角と称することができる。ピッチ角は、X−Y平面が、どの程度Y軸に対して傾けられたかを示す角度512に対応し、演奏者がスティック部10を手に持って、手首を上下方向に振ることにより生じる。
なお、図示は省略しているが、角速度センサは、Z軸方向の回転角も併せて出力することとしてもよい。このとき、Z軸方向の回転角は、基本的にはX軸方向の回転角511と同じ性質を有し、演奏者がスティック部10を手に持って、手首を左右方向に振ることにより生じるピッチ角である。
また、磁気センサとしては、図3に示すX軸、Y軸、Z軸の3軸方向の磁気センサ値を出力可能なセンサを用いることができる。このような磁気センサからは、磁石による北(磁北)を示すベクトルが、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向のそれぞれについて出力される。出力される各軸方向の成分は、スティック部10の姿勢(向き)によって異なるため、これらの成分から、スティック制御部11は、スティック部10のロール角やX軸方向及びZ軸方向の回転角を算出することができる。
ここで、図6を参照しつつ、モーションセンサ部14によって検知される検知結果(モーションセンサデータ)について説明する。なお、ここでは、上記各種センサのうち加速度センサによる検知結果を示す。
演奏者がスティック部10を用いて演奏を行う場合、一般には、現実の楽器(例えば、ドラム)を打つ動作と同様の動作を行う。このような(演奏)動作では、演奏者は、まずスティック部10を振り上げ、それから仮想的な楽器の打面に向かって振り下ろす。そして実際には打面が存在していないため、演奏者は、スティック部10を仮想的な楽器に打ちつける寸前に、スティック部10の動作を止めようとする力を働かせる。
図6は、このようなスティック部10を用いて演奏動作を行った場合のモーションセンサ部14の垂直方向の加速度の変化を表わした図であり、スティック部10からセンターユニット部30に送信されるモーションセンサデータの一例を示すものである。
なお、垂直方向の加速度とは、水平面に対する垂直方向の加速度を意味し、Y軸成分の加速度から分解し算出することとしてもよく、Z軸方向の加速度(ロール角によってはX軸方向の加速度)から分解し算出することとしてもよい。また、図6において、マイナスの加速度は、スティック部10に加わる下向き方向の加速度を示し、プラスの加速度は、スティック部10に加わる上向き方向の加速度を示す。
スティック部10が静止している状態(図6中aで示される部分)であっても、スティック部10には重力加速度が加わっているため、重力加速度に逆らう形で静止するスティック部10のモーションセンサ部14は、垂直下向き、つまりマイナス方向の一定の加速度を検出する。なお、スティック部10に加わる加速度が0となるのは、スティック部10が自由落下している状態のときである。
次に、図6中bで示す区間のように、スティック部10が静止している状態において、振り上げ動作に伴い演奏者がスティック部10を持ち上げると、重力加速度に対してより逆らう方向に動作することになるため、スティック部10に加わる加速度はマイナス方向に増加する。その後静止させようとして持ち上げる速度を減少させると、加速度は、マイナス方向からプラスの方向に転換し、振り上げ動作が最高速に到達した時点(図6中のp1参照)での加速度は重力加速度のみ(すなわち、重力加速度1G)になる。
次に、図6中cで示す区間のように、振り上げ動作によりスティック部10が頂点に達すると、演奏者はスティック部10の振り下ろし動作を行う。振り下ろし動作では、スティック部10は、重力加速度に従う方向に動作することになるため、スティック部10に加わる加速度は、重力加速度よりもプラス方向に増加する。その後、振り下ろし動作が最高速に到達すると、スティック部10には、再び重力加速度のみ(すなわち、重力加速度1G)が加わる状態となる(図6中のp2参照)。
この後、図6中dで示す区間のように、再びスティック部10に対して振り上げ動作を行うと、加わる加速度はマイナス方向に増加し、振り上げ動作を静止させようとすると、加わる加速度はマイナス方向からプラス方向に転じる。
演奏動作が続いている間、演奏者によるスティック部10の振り上げ振り下ろし動作にしたがって、図6に示したような加速度の変化が繰り返され、この加速度の変化がモーションセンサ部14によって検知される。
図2に戻り、マーカー部15は、スティック部10の先端側に設けられた、例えば、LEDなどの発光体であり、スティック制御部11からの制御に応じて発光及び消灯する。
具体的には、マーカー部15は、スティック制御部11がROM12から読み出したマーカー特徴情報に基づいて発光する。前述のように、スティック部10Aのマーカー特徴情報と、スティック部10Bのマーカー特徴情報とは異なるように設定されている。このため、後述するように、カメラユニット部20は、スティック部10Aのマーカー部(第1マーカー)とスティック部10Bのマーカー部(第2マーカー)とを判別することができ、それぞれの位置座標を、いずれのスティック部10のものかを区別して取得することができる。
データ通信部16は、少なくともセンターユニット部30との間で所定の無線通信を行う。所定の無線通信は、任意の方法で行うこととしてよく、本実施形態では、赤外線通信によりセンターユニット部30との間での無線通信を行う。なお、データ通信部16は、カメラユニット部20との間で無線通信を行うこととしてもよく、また、スティック部10A及びスティック部10Bとの間で無線通信を行うこととしてもよい。また、データ通信部16による通信方式は無線通信に限定されない。例えばスティック部10とセンターユニット部30等とをケーブルにより接続し、データ通信部16により有線通信を行う構成としてもよい。
[カメラユニット部20の構成]
次に、図4を参照して、カメラユニット部20の構成について説明する。
カメラユニット部20は、CPU等で構成されるカメラ制御部21と、ROM22と、RAM23と、撮像部24と、データ通信部25と、を含んで構成される。また、カメラユニット部20は、各部に電源を供給する図示しない電源部を備えている。
ROM22は、カメラ制御部21の実行する各種処理の処理プログラムを格納している。
RAM23は、撮像部24により得られたマーカー部15の位置を示すデータ(演奏動作を行う演奏者の画像等)、この位置を示すデータから算出されたスティック部10A、10Bのマーカー部15(第1マーカー及び第2マーカー)のそれぞれの位置座標のデータ等、処理において取得され又は生成された値を格納する。
また、RAM23は、センターユニット部30から送信されるマーカー検出条件情報を格納する。マーカー検出条件情報とは、スティック部10A,10Bのマーカー部15のそれぞれを区別して検出するための条件であり、センターユニット部30の本体制御部31によりマーカー特徴情報から生成されるものである。
カメラ制御部21は、カメラユニット部20全体の制御を実行するものである。
本実施形態では、カメラ制御部21は、例えば、撮像部24により得られたマーカー部15の位置を示すデータ(すなわち、スティック部10を持って演奏動作を行う演奏者の画像等、少なくともマーカー部15を含むスティック部10周辺を撮像した画像のデータ)及びマーカー検出条件情報に基づいて、スティック部10A、10Bのマーカー部15(第1マーカー及び第2マーカー)のそれぞれの位置座標を算出するマーカー位置検出処理を行う。
すなわち、カメラ制御部21は、撮像部24によって得られた画像からスティック部10のマーカー部15を検出して、その空間上の位置座標(撮像空間内におけるスティック部10のマーカー部15の位置座標)を特定する。また、複数のスティック部10A,10Bのマーカー部15が検出された場合には、カメラ制御部21は、RAM23からマーカー検出条件情報を読み出して、各マーカー部15がスティック部10Aのマーカー部15(第1マーカー)であるか、スティック部10Bのマーカー部15(第1マーカー及び第2マーカー)であるかを判別する。
また、カメラ制御部21は、算出されたスティック部10A、10Bのマーカー部15(第1マーカー及び第2マーカー)のそれぞれの位置座標のデータ(すなわち、第1マーカー及び第2マーカーの判別結果を伴う各マーカー部15の位置座標のデータ。以下、これを「マーカー検出位置情報」という。)を、データ通信部25を介してセンターユニット部30に送信する通信制御を行う。
撮像部24は、例えば、光学式のカメラであり、スティック部10を持って演奏動作を行う演奏者の動画等、少なくともマーカー部15を含むスティック部10周辺を所定のフレームレートで撮像する。
撮像部24により撮像されたフレームごとの撮像データはカメラ制御部21に出力される。なお、カメラユニット部20は、撮像空間内におけるスティック部10のマーカー部15の位置座標を特定することとしているが、マーカー部15の位置座標の特定(すなわち、マーカー位置検出処理、図15参照)については、撮像部24で行うこととしてもよいし、カメラ制御部21が行うこととしてもよい。同様に、撮像した画像内のマーカー部15がいずれのスティック部10A,10Bのマーカー部15(第1マーカー及び第2マーカー)であるかの判別についても、撮像部24において行ってもよいし、カメラ制御部21において行うこととしてもよい。
データ通信部25は、少なくともセンターユニット部30との間で所定の無線通信(例えば、赤外線通信)を行う。本実施形態では、データ通信部25は、センターユニット部30からマーカー検出条件情報を受信する。また、データ通信部25は、マーカー検出位置情報をセンターユニット部30に送信する。
なお、データ通信部16は、スティック部10との間で無線通信を行うこととしてもよい。また、データ通信部25による通信方式は無線通信に限定されない。例えばカメラユニット部20とセンターユニット部30等とをケーブルにより接続し、データ通信部25により有線通信を行う構成としてもよい。
[センターユニット部30の構成]
次に、図5を参照して、センターユニット部30の構成について説明する。
センターユニット部30は、CPU等で構成される本体制御部31と、ROM32と、RAM33と、スイッチ操作検出回路34と、表示回路35と、発音部36と、データ通信部37と、を含んで構成される。また、センターユニット部30は、各部に電源を供給する図示しない電源部を備えている。
ROM32は、本体制御部31の実行する各種処理の処理プログラムを格納している。
また、ROM32は、種々の音色の波形データ(すなわち各楽器の音源データ)を記憶する図示しない音源記憶領域を備えている。この音源記憶領域は、後述する発音部36とともに発音手段を構成するものである。音源記憶領域は、例えば、バスドラム、ハイハット、スネア、シンバル、タムなど本実施形態において想定される仮想のドラムセットD(図1(B)参照)を構成する打楽器の波形データを、各楽器の空間上の位置座標等と対応付けて格納している。なお、ROM32の音源記憶領域に格納されている音色の波形データは、これら打楽器に限定されず、例えばフルート、サックス、トランペットなどの管楽器、ピアノなどの鍵盤楽器、ギターなどの弦楽器の音色の波形データがROM32に格納されていてもよい。
また、本実施形態では、ROM32の音源記憶領域は、ロール奏法(以下「ドラムロール奏法」ともいう。)による演奏を行う際の楽音を構成する単音のロール波形を記憶する記憶手段として機能する。本実施形態において、ROM32の音源記憶領域に記憶されている単音のロール波形は、通常演奏の際の打音とは異なるドラムロール奏法による演奏時の打音(ドラムロール音)をサンプリングしたものである。なお、単音のロール波形は、ドラムロール奏法による演奏時の打音をサンプリングしたものに限定されず、通常の奏法による演奏時の打音(例えば通常奏法による演奏時のスネアドラム等の打音)をサンプリングしたものであってもよいが、ドラムロール音をサンプリングして用いた方が、よりドラムロール奏法による演奏らしい発音を実現できるため好ましい。
RAM33は、スティック部10から受信したスティック部10の状態に関する情報、すなわち、スティック部10の動き検知手段であるモーションセンサ部14によって検知されたスティック部10(演奏操作子)の動きに関する検知結果(モーションセンサデータ)等や、カメラユニット部20から受信したスティック部10A、10Bのマーカー部15(第1マーカー及び第2マーカー)のそれぞれの位置座標のデータ(第1マーカー検出位置情報及び第2マーカー検出位置情報)等を格納する。
また、RAM33は、スティック部10A,10Bから送信されたスティック部10Aのマーカー部15(第1マーカー)、スティック部10Bのマーカー部15(第1マーカー及び第2マーカー)のそれぞれのマーカー特徴情報を格納している。
本体制御部31は、センターユニット部30全体の制御を実行するものである。
本実施形態では、本体制御部31は、機能的に見た場合、奏法判断部311、発音制御部312等を備えている。これら奏法判断部311、発音制御部312等としての機能は、CPUとROM32等に記憶されたプログラムとの共働によって実現される。
奏法判断部311は、動き検知手段であるモーションセンサ部14によって検知されたスティック部10(演奏操作子)の動きに基づいて、スティック部10(演奏操作子)を用いた演奏操作形態が、ロール奏法(ドラムロール奏法)であるか否かを判断する奏法判断手段である。
具体的には、各スティック部10(演奏操作子)からモーションセンサ部14によって検知されたスティック部10(演奏操作子)の動きに関する検知結果(モーションセンサデータ)が送信されると、奏法判断部311は、これに基づいて、スティック部10(演奏操作子)を用いた演奏操作形態が、ドラムロール奏法であるか、通常演奏の奏法であるか、すなわち、演奏者による演奏操作形態がドラムロール奏法特有の演奏操作形態となっているか否かを判断する。
ここで、「ロール奏法」(ドラムロール奏法)とは、打楽器であるドラムの演奏手法の1つであり、ドラムの打面を連打することによって持続音を出す奏法である。通常、現実のドラムを用いて演奏する場合には、スティック部を振ってその先端でドラムの打面を叩くと、叩いた後に反動でスティック部が跳ね上がる。ドラムロール奏法は、このようなスティック部の反動を利用して細かく速い連打を行い、持続音を発音させる奏法である。
このため、ドラムロール奏法特有の演奏操作形態とは、スティック部の細かく速い上下動であり、本実施形態では、スティック部10(演奏操作子)が細かく一定のテンポで上下に振り上げられ振り下ろされている場合、すなわち、スティック部10(演奏操作子)の上下方向の動きによる移動量が予め定めた範囲内(第1の条件)であって、スティック部10(演奏操作子)による各打撃演奏操作タイミング間の時間が予め定めた範囲内(第2の条件)である場合に、奏法判断手段である奏法判断部311は、演奏者による奏法がロール奏法(ドラムロール奏法)であると判断する。
ここで、スティック部10(演奏操作子)の上下方向の動きによる移動量は、例えばモーションセンサ部14により検知される検知結果において、スティック部10(演奏操作子)の振り上げ振り下ろし動作によって発生する加速度の極大値及び極小値の振幅の幅として現れる(図7参照)。このため、加速度の極大値及び極小値が予め定めた範囲内である場合には、奏法判断部311は、「第1の条件」を満たしていると判断する。なお、第1の条件における「予め定めた範囲」は、通常演奏よりも細かくリズムを刻んでいることを表す値であればよく、適宜設定される。なお、「予め定めた範囲」の数値範囲は演奏者等によって事後的に調整可能となっていてもよい。
また、打撃演奏操作タイミング間の時間とは、スティック部10(演奏操作子)の振り上げ振り下ろし動作が行われるタイミング間の時間である。打撃演奏操作タイミングは、例えばモーションセンサ部14によって検知されたスティック部10(演奏操作子)の動きから求められ、スティック部10(演奏操作子)の振り上げ振り下ろし動作によって発生する加速度の極大値となる時点(以下、これを「極大点」という。)及び極小値となる時点(以下、これを「極小点」という。)として現れる(なお、以下「極大点」と「極小点」とを合わせて「極点」という。)。したがって、打撃演奏操作タイミング間の時間は、隣り合う極点同士の間の時間(極点同士の間隔s)として検出することができ、この極点同士の間隔sが予め定めた範囲内である場合には、奏法判断部311は、「第2の条件」を満たしていると判断する。なお、第2の条件における「予め定めた範囲」は、通常演奏よりも一定したテンポでリズムを刻んでいることを表す値であればよく、例えば極点同士の間隔sが通常奏法による演奏時に比べて20%以下である等、適宜設定される。なお、「予め定めた範囲」の数値範囲は演奏者等によって事後的に調整可能となっていてもよい。
本実施形態では、奏法判断部311は、ある程度スティック部の細かく速い上下動が続いている場合に、演奏者の奏法がドラムロール奏法であると判断する。どの程度スティック部の細かく速い上下動が続いている場合にドラムロール奏法と判断するかは特に限定されないが、例えば、現在時点の直近の極大値又は極小値を含む直近の過去4つの極大値及び極小値をみた場合に、その全ての極大値及び極小値が「第1の条件」を満たし、これら全ての極大値及び極小値に対応する極点が「第2の条件」を満たしている場合に、奏法判断部311は、演奏者の奏法がドラムロール奏法であると判断する。
すなわち、例えば図7に示す場合には、現在時点の直近の極点(図7では、極小点a)を含む直近の過去4つの極大値及び極小値(図7では、極小点a〜極大点dの値)をみた場合に、極小点a、極大点b、極小点cの値は、全て予め定めた所定の範囲内にあるが、極大点dの値は、予め定めた所定の範囲の外にある。このため、「第1の条件」を満たさず、奏法判断部311は、演奏者の奏法が通常奏法による演奏である(すなわち、ドラムロール奏法でない)と判断する。
これに対して、図8に示す例では、現在時点の直近の極点(図8では、極小点a)を含む直近の過去4つの極大値及び極小値(図8では、極小点a〜極大点dの値)をみた場合に、極小点a〜極大点dの値は、全てが予め定めた所定の範囲内にあり、「第1の条件」を満たす。また、極小点aと極大点bとの間隔s、極大点bと極小点cとの間隔s、極小点cと極大点との間隔sがいずれも短く揃っており、極点同士の間隔sが予め定めた範囲内(例えば通常奏法による演奏時に比べて20%以下等)にあるため、「第2の条件」をも満たす。この場合、奏法判断部311は、演奏者の奏法がドラムロール奏法による演奏であると判断する。
なお、奏法判断部311は、現在時点の直近の極点を含む直近の過去4つの極大値及び極小値が「第1の条件」「第2の条件」を満たすか否かを常に判断しており、いずれかの条件を満たさなくなったときには、ドラムロール奏法による演奏が終了したと判断する。
すなわち、例えば図9に示す例のように、現在時点において、加速度の振幅が予め定めた範囲の外に出た場合のように「第1の条件」を満たさなくなった場合や、図10に示す例のように、現在時点の直近の極点を含む直近の過去4つの極大値及び極小値(極小点、極大点の値)をみた場合に、隣り合う極点同士の間隔sが予め定めた範囲外となった場合のように「第2の条件」を満たさなくなった場合には、奏法判断部311は、ドラムロール奏法による演奏が終了したと判断する。
なお、奏法判断部311が、ドラムロール奏法による演奏終了と判断する手法はこれに限定されない。
例えば極大値と極小値との値の差について予め定めた範囲を設け、図11に示す例のように、この極大値と極小値との値の差が、当該予め定めた範囲を超えた場合には、奏法判断部311がドラムロール奏法による演奏を終了すると判断してもよい。
スティック部10の動きをスティック部10に設けられている加速度センサを用いて監視する場合、重力の影響がオフセットの加速度として重畳してくる。このため、上述のように、予め定めた範囲内に極点の値が収まるか否かによって演奏者の奏法を判断する場合には、このオフセット加速度を考慮することが必要となる。この点、図11に示すように、極大値と極小値との値の差(レベル差)や、隣り合う極点同士の値の差(レベル差)の絶対値を検出して、この値が予め定めた値よりも低いか高いかを演奏者の奏法を判断する際の判断条件とする場合には、重力の影響によるオフセットの加速度を考慮する必要がなく、処理が容易となる。
さらに、例えば図12に示す例のように、予め定めた所定の時間内に次の極点を検出できなかった場合には、奏法判断部311がドラムロール奏法による演奏を終了すると判断してもよい。
発音制御部312は、動き検知手段であるモーションセンサ部14によって検知されるスティック部10(演奏操作子)の動きに関する検知結果(モーションセンサデータ)及び奏法判断部311の判断結果に対応して、発音手段である発音部36に対して所定の楽音を発音するように発音指示の信号(ノートオンイベント)を与える発音制御手段である。ここで、ノートオンイベント(発音指示信号)には、ショットタイミング(発音タイミング)、音量、音色(すなわち楽器の種類)等の情報が含まれる。
具体的には、まず、モーションセンサ部14によって検知されたスティック部10(演奏操作子)の動きに関する検知結果(モーションセンサデータ)が各スティック部10(演奏操作子)から送信されると、発音制御部312は、これに基づいて、演奏者が持っているスティック部10の状態(演奏者の演奏状態と換言することもできる)を検知する。例えば、発音制御部312は、磁気センサ等が出力する検知結果に基づいて、どの演奏エリアで操作が行われたか、その操作位置を検知する。また、発音制御部312は、加速度センサが出力する加速度(又はセンサ合成値)に基づいて、スティック部10による仮想的な楽器の打撃タイミング(ショットタイミング)を検知する。
ここで、図6を参照しつつ、発音制御部312によるショットタイミングの検出について説明する。
前述のように、図6は、スティック部10を用いて演奏動作を行った場合のモーションセンサ部14の垂直方向の加速度の変化を表わした図である。
演奏者は、仮想的な楽器にスティック部10を打ちつけた瞬間に楽音が発生することを想定しているため、楽音発生装置1においても、演奏者が想定するタイミングで楽音を発生できるのが望ましい。そこで、本実施形態では、奏法判断部311によって演奏者の奏法が通常奏法による演奏であると判断された場合には、演奏者が仮想的な楽器の打面にスティック部を打ちつける瞬間又はそのわずかに手前で楽音を発音させることとしている。
すなわち、本実施形態においては、センターユニット部30の発音制御部312は、演奏者が仮想的な楽器の打面にスティック部10を打ちつける瞬間として、振り下ろし動作が行われた後、振り上げ動作が開始された瞬間を検出する。つまり、発音制御部312は、図6中dで示す区間において、静止状態から、言い換えれば加わる加速度が重力加速度のみとなる時点(図6中のp2参照)から、さらにマイナス方向に所定値だけ増加したA点を、ショットタイミング(発音タイミング)として検出する。
そして、発音制御部312は、このショットタイミングが検出されたときに発音を行うようにノートオンイベント(発音指示信号)を生成する。
また、発音制御部312は、動き検知手段であるモーションセンサ部14によって検知されたスティック部10(演奏操作子)の動きに関する検知結果(モーションセンサデータ)に基づいて、演奏者によるスティック部10の振り下ろし動作の速さや強さ、スティック部10を振り下ろした位置や角度等を検知する。また、本実施形態では、発音制御部312は、発音部36に対する発音制御を行うにあたって、動き検知手段であるモーションセンサ部14によって検知されたスティック部10(演奏操作子)の動きに関する検知結果(センサ値)のみでなく、カメラユニット部20から受信したスティック部10A、10Bのマーカー部15(第1マーカー及び第2マーカー)それぞれのマーカー検出位置情報も加味する。
そして、奏法判断部311によって演奏者の奏法が通常演奏における奏法であると判断されたときは、発音制御部312は、通常演奏モード(すなわち、通常の奏法で演奏を行うモード)で演奏が行われるように通常演奏モードのノートオンイベントを生成する。すなわち、モーションセンサデータ及びマーカー検出位置情報に基づいて、どの楽器が、どの程度の速さ、強さで、どのタイミングで叩かれたか等を判断し、この判断結果に合致する楽器種類(音色)に対応する波形データをROM33から読み出すとともに、この所定の楽音を、叩かれた速さや強さに対応する音量で、所定のショットタイミングで発音させるように発音指示信号(ノートオンイベント)を発音部36に出力する。
他方、奏法判断部311によって演奏者の奏法がロール奏法であると判断されたときは、発音制御部312は、ドラムロール演奏モード(すなわち、ドラムロール奏法で演奏を行うモード)で演奏が行われるようにドラムロール演奏モードのノートオンイベントを生成する。
図13(A)は、ドラムロール演奏モードの場合と通常演奏モードの場合のモーションセンサデータの一例を示したものであり、図13(B)は、図13(A)におけるB部分の波形を拡大してドラムロール演奏モードの場合のノートオンタイミングの一例を示した図である。
ドラムロール演奏モードの場合には、発音制御部312は、単音のロール波形のデータをROM33から読み出すとともに、例えば、図13(B)に示すように、モーションセンサデータに示されるスティック部10の上下方向の移動の極大点及び極小点(極点、すなわち、加速度センサの出力波形の山と谷、図13(B)におけるtp1及びtp2)を検出し、各極大点tp1及び極小点tp2に1音ずつロール音源に基づく音(ドラムロール音)が鳴るようにショットタイミングを設定する。そして、このドラムロール音の楽音を演奏者の演奏動作に応じた所定の音量で、設定した所定のタイミングで発音させるように発音指示信号(ノートオンイベント)を発音部36に出力する。
また、本体制御部31は、データ通信部37を介して、スティック部10及びカメラユニット部20との間の通信制御を行う。
本実施形態では、本体制御部31は、データ通信部37を介して、スティック部10からモーションセンサデータを受信するとともに、カメラユニット部20から第1マーカー及び第1マーカーのマーカー検出位置情報を受信する。
また、本体制御部31は、マーカー特徴情報に基づいてマーカー検出条件情報を生成し、データ通信部37を介して、カメラユニット部20に対して、マーカー検出条件情報を送信する。
スイッチ操作検出回路34は、スイッチ341と接続され、当該スイッチ341を介した入力情報を受け付ける。入力情報としては、例えば、発音する楽音の音量や発音する楽音の音色の変更、表示装置351の表示の切り替え等が含まれる。
また、表示回路35は、表示装置351と接続され、表示装置351の表示制御を行う。
また、データ通信部37は、スティック部10及びカメラユニット部20との間で所定の無線通信(例えば、赤外線通信)を行う。
発音部36は、所定の楽音を発音する機能部であり、楽音データ生成部361と、音声出力部362とを含んでいる。発音部36は、ROM32の音源記憶領域とともに発音手段を構成するものである。
楽音データ生成部361は、発音制御部312からの発音指示にしたがって、ROM32の音源記憶領域から波形データを読み出し、楽音データを生成するとともに、生成した楽音データをアナログ信号に変換する機能部である。
音声出力部362は、例えばスピーカ等であり、楽音データ生成部361において生成された楽音データに基づく楽音を発音させるものである。なお、音声出力部362は、スピーカに限定されず、ヘッドホン等に音声を出力させる出力端子等であってもよい。
本実施形態において、発音手段は、奏法判断手段である奏法判断部311により演奏者の行っている演奏動作がロール奏法であると判断されたときは、記憶手段であるROM32の音源記憶領域からロール波形を複数回連続して読み出すことにより、ロール奏法用楽音の発音を行うようになっている。
すなわち、奏法判断部311により演奏者の行っている演奏動作がロール奏法であると判断され、発音制御部312がドラムロール奏法による演奏の楽音を発音部36から発音させるように発音部36に対して発音指示を行った場合には、楽音データ生成部361は、ROM32の音源記憶領域に記憶されている単音のロール波形のデータを複数回連続して読み出し、この単音のロール波形を、発音制御部312の発音指示に応じたタイミングで発音させるように時間軸上に複数個配置して楽音データを生成する。例えば、スティック部10の振り上げ振り下ろしの振り幅の極大点及び極小点(すなわち、図13(B)におけるtp1、tp2)にノートオンするように発音制御部312から発音指示信号(ノートオンイベント)が送られているときは、振り幅の極大点tp1及び極小点tp2にこのそれぞれドラムロール音が1つ発音されるように単音のロール波形を時間軸上に配置する。そして、この楽音データを音声出力部362から出力させることにより、単音のドラムロール音が複数連続的に発音されて、あたかも打楽器の打面を連打するロール奏法(ドラムロール奏法)による演奏を行っているような楽音を発音させることができる。
[楽音発生装置1の処理]
次に、図14から図15を参照して、楽音発生装置1の処理について説明する。
図14は、スティック部10の処理を示すフローチャートであり、図15は、カメラユニット部20の処理を示すフローチャートであり、図16は、センターユニット部30の処理を示すフローチャートである。
[スティック部10の処理]
図14に示すように、スティック部10のスティック制御部11は、ROM12に格納されているマーカー特徴情報を読み出す(ステップS1)。この処理では、スティック部10A,10Bのスティック制御部11は、それぞれ異なるマーカー特徴情報を読み出す。異なるマーカー特徴情報の読み出しは、任意の方法で行うことができ、例えば、スティック部10A、10Bが直接又はセンターユニット部30を介して通信することで行うこととしてもよく、また、個々のスティック部10毎に予め1のマーカー特徴情報を対応付けておき、スティック部10A、10Bのスティック制御部11は、それぞれ対応付けられた独自のマーカー特徴情報を読み出すこととしてもよい。
スティック制御部11は、マーカー特徴情報を読み出すと、当該マーカー特徴情報をRAM13に格納するとともに、データ通信部16を介してセンターユニット部30に送信する(ステップS2)。このとき、スティック制御部11は、スティック部10A、10Bをそれぞれ区別可能な識別情報(スティック識別情報)と対応付けて、マーカー特徴情報をセンターユニット部30に送信する。
また、スティック制御部11は、マーカー特徴情報にしたがってマーカー部15を点灯させる(ステップS3)。
続いて、スティック制御部11は、モーションセンサ部14からモーションセンサデータ、すなわち、各種センサが出力するセンサ値(検知結果)を読み出して、RAM13に格納する(ステップS4)。その後、スティック制御部11は、読み出したモーションセンサデータをスティック識別情報と対応付けて、データ通信部16を介してセンターユニット部30に送信する(ステップS5)。
スティック制御部11は、演奏動作が終了したか否かを判断し(ステップS6)、演奏動作が終了したと判断する場合(ステップS6;YES)には、マーカー部15を消灯させる(ステップS7)。なお、スティック制御部11が演奏動作終了と判断するのは、例えばモーションセンサ部14が出力するセンサ値に一定以上の変化があるか否かや、スティック部のスイッチ(図示せず)がOFFとされた場合、センターユニット部30から演奏終了の信号が送信された場合等である。他方、スティック制御部11が、演奏動作が終了していないと判断する場合(ステップS6;NO)には、ステップS4に戻って処理を繰り返す。
[カメラユニット部20の処理]
図15に示すように、カメラユニット部20のカメラ制御部21は、センターユニット部30から送信されるマーカー検出条件情報を取得して、RAM23に格納する。(ステップS11)。なお、マーカー検出条件情報とは、スティック部10A,10Bのマーカー部15のそれぞれを検出するための条件であり、マーカー特徴情報から生成される(図16のステップS21,ステップS22参照)。マーカー特徴情報としては、上述のように、例えば、マーカーの形状、大きさ、色相、彩度、あるいは輝度を用いることができる。
続いて、カメラ制御部21は、マーカー検出条件情報に基づいて、撮像部24の各種設定を行う(ステップS12)。
続いて、カメラ制御部21は、撮像部24のカメラによってスティック部10のマーカー部15等を含む画像を撮像させて、第1マーカー位置検出処理(ステップS13)及び第2マーカー位置検出処理(ステップS14)を行う。これらの処理では、カメラ制御部21は、撮像部24によって撮像された画像から、スティック部10Aのマーカー部15(第1マーカー)及びスティック部10Bのマーカー部15(第2マーカー)それぞれの位置座標、サイズ、角度等のマーカー検出位置情報を取得し、RAM23に格納する。
続いて、カメラ制御部21は、ステップS13及びステップS14で取得したマーカー検出位置情報を、データ通信部25を介してセンターユニット部30に送信する(ステップS15)。
カメラ制御部21は、演奏動作が終了したか否かを判断し(ステップS16)、演奏動作が終了したと判断する場合(ステップS16;YES)には、処理を終了し、演奏動作が終了していないと判断する場合(ステップS16;NO)には、ステップS13に戻って処理を繰り返す。
[センターユニット部30の処理]
図16に示すように、センターユニット部30の本体制御部31は、マーカー特徴情報をスティック部10から受信し、RAM33に格納する(ステップS21)。続いて、本体制御部31は、マーカー特徴情報及びスイッチ341を介して設定された検出条件から、マーカー検出条件情報を生成し、データ通信部37を介して、カメラユニット部20に送信する(ステップS22)。
続いて、本体制御部31は、カメラユニット部20から、第1マーカー及び第2マーカーそれぞれのマーカー検出位置情報を受信し、RAM33に格納する(ステップS23)。また、本体制御部31は、スティック部10A、10Bのそれぞれから、スティック識別情報と対応付けられた姿勢情報、ショット情報及びアクション情報等のモーションセンサデータを受信し、RAM33に格納する(ステップS24)。
続いて、本体制御部31は、受信したモーションセンサデータに基づいて、ショットありか否かを判断する(ステップS25)。すなわち、例えば図6に示すようなモーションセンサデータである場合、図6に示すA点、すなわち、演奏操作子であるスティック部10を一旦振り上げた後に振り下ろす動作がある場合、当該振り下ろし動作が行われた後、振り上げ動作が開始された瞬間の時点をショットタイミング(発音タイミング)として検出する。ショットなしと判断した場合(ステップS25;NO)には、本体制御部31は、ステップS23に戻って処理を繰り返す。
他方、ショットありと判断した場合(ステップS25;YES)には、本体制御部31(奏法判断部311)は、さらに、当該ショットから過去に遡って4回以上の振り上げ又は振り下ろし動作があるか否か、すなわち、モーションセンサデータにおいて、図8に示すような加速度センサの出力波形の起伏(山と谷、極大点と極小点)が当該ショットを含めて4つ以上あるか否かを判断する(ステップS26)。
4つ以上の極大点及び極小点があると判断した場合(ステップS26;YES)には、本体制御部31(奏法判断部311)は、さらに、当該加速度の極大点の値(極大値)と極小点の値(極小値)のうち直近の4つの極大値及び極小値が予め定めた範囲内か否か(すなわち、「第1条件」を満たすか否か)を判断する(ステップS27)。そして、直近の4つの加速度の極大値及び極小値が予め定めた範囲内にあると判断した場合(ステップS27;YES)には、本体制御部31(奏法判断部311)は、さらに、当該直近の4つの極点(すなわち、極大点及び極小点)同士の間隔sが予め定められた範囲内か否か(すなわち、「第2条件」を満たすか否か)を判断する(ステップS28)。
ショットはあったが、4つ以上の極大点及び極小点がないと判断した場合(ステップS26;NO)、直近の4つの加速度の極大値及び極小値が予め定めた範囲内にないと判断した場合(ステップS27;NO)、及び直近の4つの極点同士の間隔sが予め定められた範囲内にないと判断した場合(ステップS28;NO)には、本体制御部31(奏法判断部311)は通常奏法による演奏と判断する。この場合には、本体制御部31(発音制御部312)は、通常奏法による演奏の発音指示信号を発音部36に出力する(ステップS29)。通常演奏モードでは、本体制御部31(発音制御部312)は、モーションセンサデータ(例えば、加速度センサのセンサ合成値)等に基づいて、発音タイミング、発音させる楽音の音量、音色(楽器の種類)等を含むノートオンイベントを生成する。なお、楽音の音量は、例えば、センサ合成値の最大値から求めることができる。これにより通常演奏モードにおける所定の発音タイミングで、所定の楽器の波形に基づく楽音が所定の音量で発音部36から発音される。
また、この場合、本体制御部31は、常に演奏が終了したか否かを判断し(ステップS30)、演奏が終了したと判断した場合(ステップS30;YES)には、楽音発生処理を終了する。また、演奏が終了していないと判断した場合(ステップS30;NO)には、ステップS23に戻って処理を繰り返す。
他方、本体制御部31(奏法判断部311)が直近の4つの極点同士の間隔sが予め定められた範囲内にあると判断した場合(すなわち、「第1条件」「第2条件」ともに満たすと判断した場合、ステップS28;YES)には、本体制御部31(発音制御部312)は、ロール波形に基づくドラムロール音を発音させるドラムロール奏法による演奏の発音指示信号を発音部36に出力する(ステップS31)。これによりドラムロール演奏モードにおける所定の発音タイミングで、ロール波形に基づく楽音が所定の音量で発音部36から発音される。
この場合、本体制御部31(奏法判断部311)は、常に、加速度の極大値及び極小値が予め定めた範囲を超えたか又は隣り合う極点同士の間隔sが予め定めた範囲を超えたか否か(すなわち、「第1条件」「第2条件」のいずれかを欠く状態となったか否か)を判断する(ステップS32)。いずれの条件も欠いていないと判断する場合(ステップS32;NO)には、本体制御部31は、ドラムロール奏法による演奏を継続させたまま、ステップS23に戻って処理を繰り返す。
他方、いずれかの条件を欠いたと本体制御部31(奏法判断部311)が判断する場合(ステップS32;YES)には、本体制御部31(発音制御部312)は、ドラムロール演奏モードをノートオフし、通常演奏モードに遷移させる(ステップS33)。すなわち、次のショットが検出されたときに通常奏法による演奏における音源(波形データ)に基づく楽音を演奏動作に合わせて所定のタイミングで発音させるように発音部36に発音指示信号を出力する。この場合は、通常奏法による演奏の発音指示信号を発音部36に出力した場合(ステップS29)と同様に、本体制御部31は、常に演奏動作が終了したか否かを判断し(ステップS30)、演奏動作が終了したと判断した場合(ステップS30;YES)には、楽音発生処理を終了する。また、演奏動作が終了していないと判断した場合(ステップS30;NO)には、ステップS23に戻って処理を繰り返す。
以上のように、本実施形態の楽音発生装置1によれば、演奏者の演奏動作に基づく前記演奏操作子の動きを検知する動き検知手段であるモーションセンサ部14により検知されたスティック部10(演奏操作子)の動きに基づいて、演奏者の奏法が通常演奏の奏法であるかドラムロール奏法であるかを判断し、この判断結果とモーションセンサ部14の検知結果とに応じて発音部から所定の楽音を発音させる。このため、演奏者がドラムロール奏法による演奏を行いたい場合には、ドラムロール奏法に特有の動作を行うことで、打音が連続的に発音されるドラムロール特有の連打音が持続する楽音を発音させることができ、実際の楽器が存在しない空中での演奏においても擬似的にドラムロール奏法による演奏を楽しむことができる。また、本実施形態ではドラムロール奏法に特有の動作を行うだけで、それに応じた発音制御を行うため、現実のドラムではドラムロール奏法を行う技術がないような演奏者でも、手軽に自らドラムロール奏法による演奏を行っているかのような感覚を味わうことができる。
また、ドラムロール奏法による演奏の場合にもモーションセンサ部14の検知結果に応じて発音制御を行うため、演奏者の演奏動作に応じて(すなわち、演奏者の刻むリズムの速さや、打面を叩く強さ等に対応したタイミングで)ドラムロール音が発音され、演奏者は、実際にドラムロール奏法による演奏を行っているかのように演奏を楽しむことができる。
また、奏法判断部311は、動き検知手段であるモーションセンサ部14によって検知されたスティック部10(演奏操作子)の上下方向の動きによる移動量が予め定めた範囲内である場合に、ドラムロール奏法による演奏であると判断する。このため、実際のドラムロール奏法による演奏の場合と同様に演奏操作子を小刻みに上下動させる演奏動作を行うことで、ドラムロール奏法の楽音を発生させることができる。
また、奏法判断部311は、動き検知手段であるモーションセンサ部14によって検知されたスティック部10(演奏操作子)の打撃演奏操作タイミング間の時間が予め定めた範囲内である場合に、ロール奏法であると判断する。このため、実際のドラムロール奏法の場合と同様に演奏操作子を一定のリズムで連続的に操作する演奏動作を行うことで、ドラムロール奏法による演奏の楽音を発生させることができる。
また、本実施形態では、通常演奏の際の打音とは異なるドラムロール奏法による演奏時の打音をサンプリングした単音のロール波形をROM32に記憶させておき、ドラムロール奏法の際は、この単音のロール波形を複数連続的に発音させるようになっている。ドラムロール奏法では、小刻みに素早く打面を連打し、打面に演奏操作子が当たって跳ね上がる反動を利用して連続音を発音させるため、通常の奏法による演奏によりドラムの打面を叩いたのとは多少異なる音が発音される。この点、本実施形態ではドラムロール奏法による演奏時の打音を用いてドラムロール奏法の楽音を生成するため、実際にドラムロール奏法による演奏を行っている場合と同様の打音で演奏を行うことができる。
なお、以上本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で、種々変形が可能であることは言うまでもない。
例えば、上記実施形態でスティック部10、カメラユニット部20及びセンターユニット部30で行うこととしている処理のうちの任意の処理は、他のユニット(スティック部10、カメラユニット部20及びセンターユニット部30)で行うこととしてもよい。
すなわち、例えば、スティック部10(演奏操作子)のスティック制御部11が発音制御手段、奏法判断手段として機能し、スティック制御部11において各種センサの検知結果の分析等が行われてもよい。この場合には、動き検知手段としてのモーションセンサ部14の検知結果(各種センサの生データ等)ではなく、各種センサの検知結果に基づいたノートオンイベント(発音指示の信号)がセンターユニット部30に送信される。
また、例えばセンターユニット部30の本体制御部31において、カメラユニット部20の撮像部24により得られたマーカー部15の位置を示すデータ(すなわち、演奏者等を撮像した画像のデータ)及びマーカー特徴情報に基づいて、スティック部10A、10Bのマーカー部15(第1マーカー及び第2マーカー)のそれぞれの位置座標を算出する処理を行ってもよい。この場合には、カメラユニット部20は、単に画像を撮像してセンターユニット部30に送信すれば足りるため、カメラユニット部20のRAM23にスティック部10A、10Bのそれぞれのマーカー部15を識別するためのマーカー検出条件情報を格納しておく必要はない。
また、奏法判断部311が演奏者の演奏動作を通常奏法による演奏であると判断するかロール奏法(ドラムロール奏法)による演奏であると判断するかの判断手法、及びドラムロール奏法による演奏が終了したか否かを判断する手法は本実施形態に示したものに限定されない。
例えば、動き検知手段であるモーションセンサ部14によって検知されたスティック部10(演奏操作子)の上下方向の動きによる移動量が予め定めた範囲内であるとの「第1の条件」のみを満たせばロール奏法(ドラムロール奏法)であると判断してもよいし、モーションセンサ部14によって検知されたスティック部10(演奏操作子)の打撃演奏操作タイミング間の時間が予め定めた範囲内であるとの「第2の条件」のみを満たせばロール奏法(ドラムロール奏法)であると判断してもよい。「第1の条件」「第2の条件」のうちいずれかを満たせばロール奏法(ドラムロール奏法)であると判断してもよい。
また、本実施形態では、奏法判断手段である奏法判断部311が、モーションセンサデータにおける波形の変化(例えば加速度センサの出力波形の変化)に基づいて、スティック部10(演奏操作子)の上下方向の動きによる移動量が予め定めた範囲内(第1の条件)であるか否か、スティック部10(演奏操作子)の操作タイミングの間の時間が予め定めた範囲内(第2の条件)であるか否かを判断することで演奏者の奏法を判断する場合を例として説明したが、奏法判断部311が演奏者の奏法を判断する手法はこれに限定されない。
例えば、モーションセンサ部14によって検知されたスティック部10(演奏操作子)の動きに基づいて演奏者の奏法を判断するものに限定されず、カメラユニット部20によって取得される演奏動作を撮像した画像に基づいて、実際のスティック部10(演奏操作子)の振り幅等を検出することにより、奏法判断部311が第1の条件、第2の条件を満たしているか否か等を判断し、演奏者の奏法を判断してもよい。
また、本実施形態では、ドラムロール奏法の場合におけるショットタイミングを極大点tp1及び極小点tp2と設定する例について説明したが、ドラムロール奏法の場合におけるショットタイミングは極大点tp1及び極小点tp2に限定されない。
例えば、図17に示すように、2つの極大点tp1の間又は2つの極小点tp2の間を1周期とした場合に、各極大点tp1及び極小点tp2と、極大点tp1及び極小点tp2のほぼ中間時点とにおいてそれぞれ発音させるようにショットタイミングを設定してもよい。また、これよりもさらに細かく、例えば1周期に6回以上回発音させてもよい。また、極大点tp1及び極小点tp2の間の時間間隔に応じてドラムロール音を発音させる回数を動的に増減させるようにしてもよい。このように、極大点tp1及び極小点tp2の間の時間間隔に応じてドラムロール音を発音させる回数を増減させるようにした場合には、例えば、実際のドラムロール奏法による演奏を行うことができるほどには速い演奏動作を行うことができない演奏者であっても、1周期に発音させる回数を増加させることで細かい打音が連続したドラムロール奏法らしい演奏を自ら行っているような体験をすることができる。
また、本実施形態では、奏法判断部311がドラムロール奏法による演奏と判断した場合に、所定のショットタイミング(例えば極大点tp1及び極小点tp2)で、単音のロール波形を発音させる場合を例としたが、ドラムロール奏法による演奏の場合の発音パターンは、このように単音のロール波形を所定のショットタイミングで複数連続的に発音させるものに限定されない。
例えば、持続音としてのドラムロール音(実際にドラムロール奏法による演奏を行っている場合に発音される持続音)の波形データをROM32の音源記憶領域に格納しておき、奏法判断部311がドラムロール奏法による演奏と判断し、ドラムロール演奏モードに遷移すると、この持続音としてのドラムロール音の波形データを読み出して、ドラムロール演奏モードに遷移したタイミングでノートオンさせ、ドラムロール奏法による演奏を終了させ、通常演奏モードに遷移させるときに、この持続音をノートオフするようにしてもよい。
本実施形態で例示したように、単音のロール波形を演奏者の演奏動作に合わせて所定のタイミングで発音させる場合には、ドラムロール演奏モードにおけるドラムロール音に演奏者の技量や表現力が反映されやすく、演奏者自らが実際にドラムロール奏法による演奏を行っている感覚がより味わえる一方で、演奏者が演奏技術に習熟していない場合等には、ドラムロール演奏モードにおける音がばらつきやすく、下手なドラムロール音に聞こえる可能性がある。
これに対して、ドラムロール演奏モードにおいて持続音としてのドラムロール音を発音させる場合には、所定の条件を満たす動きをしている限りは、実際のドラムロール奏法による演奏と同じ音が発音されるため、ドラムロール演奏モードにおける演奏に個人差が現れず、演奏の習熟度に関わらず誰でも安定したドラムロール音を発音させることができる。
このため、例えば、単音のロール波形と持続音としてのドラムロール音の波形データの両方をROM32に格納しておき、ドラムロール奏法による演奏の際にいずれの波形データ(音源)を用いて、いずれのタイミングでノートオンさせるか等を演奏者が自らの技量等に応じて自由に選択できるようにしてもよい。
また、本実施形態では、発音手段である発音部36がセンターユニット部30内に設けられている場合を例として説明したが、発音手段はセンターユニット部30とは別体として構成されていてもよい。この場合には、発音手段とセンターユニット部30とを有線又は無線で接続し、センターユニット部30からの指示信号にしたがって発音手段が所定の発音を行うように構成する。
また、本実施形態では、通常奏法による演奏の際の打音とは異なるドラムロール奏法による演奏時の打音をサンプリングした単音のロール波形をROM32に記憶させておき、ドラムロール奏法による演奏の際は、この単音のロール波形を複数連続的に発音させる構成としたが、ドラムロール奏法による演奏の際に用いる音源はこれに限定されない。
また、本実施形態では、演奏者の演奏動作に基づくスティック部10(演奏操作子)の動きを検知する動き検知手段がスティック部10に配置されたモーションセンサ部14である場合を例として説明したが、動き検知手段はこれに限定されない。例えば、カメラユニット部20の撮像部24(カメラ)によって取得された画像からスティック部10(演奏操作子)の動きを検知してもよく、この場合には、カメラユニット部20の撮像部24(カメラ)が動き検知手段として機能する。
また、本実施形態では、動き検知手段としてのモーションセンサ部14により取得されるモーションセンサデータとして、加速度センサにより計測された加速度のデータのみを例示したが、モーションセンサデータの内容はこれに限定されず、例えば、ジャイロにより角加速度を計測してその計測値を用いるようにしてもよい。
また、本実施形態では、スティック部10に平行な軸の回りの回転はしないものとして説明したが、これらの回転等についても角加速度センサ等により計測して対応するようにしてもよい。
また、本実施形態では、仮想的な打楽器として仮想のドラムセットD(図1(B)参照)を例にとって説明したが、これに限られるものではなく、本発明は、スティック部10の振り下ろし動作で楽音を発音する木琴など他の楽器に適用することができる。
また、本実施形態では、演奏操作子が棒状のスティック部10である場合を例としたが、演奏操作子はこれに限定されない。箱型等、スティック以外の形状のものでもよく、例えば携帯電話機等の携帯端末装置を演奏操作子として用いてもよい。
楽音発生装置1は、演奏操作子で空間を叩く演奏動作を行うことで所定の楽器の音を発音させるものであり、実際に演奏操作子を楽器の打面に打ち付けるものではないため、携帯端末装置等の精密な電子機器を演奏操作子として用いた場合でも、演奏操作子が破損するおそれがない。
また、本実施形態では、スティック部10、カメラユニット部20、センターユニット部30が、いずれも内部に電源部を備えている構成としたが、スティック部10、カメラユニット部20、センターユニット部30を外部の電源と接続し、外部電源から電源供給を行う構成としてもよい。
以上本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
演奏者が保持可能な打撃用の演奏操作子と、
前記演奏者の打撃演奏操作によって生じる前記演奏操作子本体の動きを検知する動き検知手段と、
この動き検知手段により検知された動きに基づいて、前記演奏操作子を用いた演奏操作形態がロール奏法であるか否かを判断する奏法判断手段と、
前記奏法判断手段によりロール奏法と判断された場合、前記動き検出手段により検知された動きに基づいて決定されるタイミングにて、ロール奏法用楽音の発音を発音手段に指示する発音指示手段と、
を備えていることを特徴とする楽音発生装置。
<請求項2>
前記奏法判断手段は、前記動き検知手段により検知される前記演奏操作子の上下方向の動きによる移動量が予め定めた範囲内である場合に、ロール奏法であると判断することを特徴とする請求項1に記載の楽音発生装置。
<請求項3>
前記奏法判断手段は、前記動き検知手段によって検知された前記演奏操作子の動きから求められる各打撃演奏操作タイミング間の時間が予め定めた範囲内である場合に、ロール奏法であると判断することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の楽音発生装置。
<請求項4>
前記発音手段は、
単音のロール波形を記憶する記憶手段を備え、
前記奏法判断手段によりロール奏法であると判断されたときは、前記記憶手段からロール波形を複数回連続して読み出すことにより、ロール奏法用楽音の発音を行うことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の楽音発生装置。
1 楽音発生装置
10 スティック部
14 モーションセンサ部
15 マーカー部
20 カメラユニット部
24 撮像部
30 センターユニット部
31 制御部
36 発音部
311 奏法判断部
312 発音制御部
361 楽音データ生成部
362 音声出力部
D ドラムセット

Claims (2)

  1. 演奏者が保持可能な打撃用の演奏操作子と、
    前記演奏者の打撃演奏操作によって生じる前記演奏操作子本体の動きを検知する動き検知手段と、
    前記動き検知手段により検知される前記演奏操作子の上下方向の動きにより発生する加速度の極大値及び極小値が予め定めた範囲内である場合であって、かつ、前記動き検知手段によって検知された前記演奏操作子の操作により発生する加速度の極大値及び極小値との間の時間が予め定めた範囲内である場合にロール奏法であると判断する奏法判断手段と、
    前記奏法判断手段によりロール奏法と判断された場合、前記動き検出手段により検知された動きに基づいて決定されるタイミングにて、ロール奏法用楽音の発音を発音手段に指示する発音指示手段と、
    を備えていることを特徴とする楽音発生装置。
  2. 前記発音手段は、
    単音のロール波形を記憶する記憶手段を備え、
    前記奏法判断手段によりロール奏法であると判断されたときは、前記記憶手段からロール波形を複数回連続して読み出すことにより、ロール奏法用楽音の発音を行うことを特徴とする請求項1に記載の楽音発生装置。
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