JP5934127B2 - 繊維束の製造方法 - Google Patents

繊維束の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5934127B2
JP5934127B2 JP2013035394A JP2013035394A JP5934127B2 JP 5934127 B2 JP5934127 B2 JP 5934127B2 JP 2013035394 A JP2013035394 A JP 2013035394A JP 2013035394 A JP2013035394 A JP 2013035394A JP 5934127 B2 JP5934127 B2 JP 5934127B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fiber bundle
spacer
resin
fiber
fibers
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013035394A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014162116A (ja
Inventor
中村 雅則
雅則 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP2013035394A priority Critical patent/JP5934127B2/ja
Publication of JP2014162116A publication Critical patent/JP2014162116A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5934127B2 publication Critical patent/JP5934127B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Reinforced Plastic Materials (AREA)
  • Inorganic Fibers (AREA)
  • Nonwoven Fabrics (AREA)

Description

本発明は、繊維複合材、繊維複合材の製造方法、繊維束及び繊維束の製造方法に関する。
従来、樹脂を含浸した炭素繊維束からなる炭素繊維複合材が知られている。炭素繊維複合材は、引張弾性率や引張強度に優れている。このため、炭素繊維複合材は、スポーツ用途、レジャー用途、航空宇宙用途、風力発電用途等の用途に幅広く用いられている。
炭素繊維複合材の強度を向上する観点からは、高粘度の熱可塑性樹脂を繊維束の中央部にまで確実に含浸させる必要がある。それを実現し得る方法として、特許文献1には、炭素繊維束を一旦開繊し、開繊させた炭素繊維束に樹脂を含浸させる方法が記載されている。
特開2005−29912号公報
特許文献1に記載の方法では、開繊工程が必須となり、炭素繊維複合材の製造工程が煩雑である。
本発明の主な目的は、高強度を有する繊維複合材の製造工程を簡略化することにある。
本発明に係る繊維複合材は、繊維束と、樹脂と、スペーサとを備える。繊維束は、複数の繊維を有する。樹脂は、繊維束に含浸されている。スペーサは、繊維間に配されている。
本発明に係る繊維複合材において、スペーサの平均粒子径が、繊維の平均直径の0.2倍〜1.5倍であることが好ましい。
本発明に係る繊維複合材において、繊維束に含まれる繊維の本数が、3000本以上であることが好ましい。
本発明に係る繊維複合材において、複数の繊維が、炭素繊維を含むことが好ましい。
本発明に係る繊維複合材において、樹脂が熱可塑性樹脂を含むことが好ましい。
本発明に係る繊維複合材において、樹脂がポリオレフィンを含むことが好ましい。
本発明に係る繊維複合材において、樹脂がポリプロピレンを含むことが好ましい。
本発明に係る繊維複合材の製造方法では、複数の繊維と、繊維間に配されたスペーサとを有する繊維束を用意する用意工程を行う。スペーサを有する繊維束に樹脂を含浸させる。
本発明に係る繊維複合材の製造方法において、用意工程は、複数の繊維を有する繊維束を用意する工程と、繊維束にスペーサを導入する導入工程とを含むことが好ましい。
本発明に係る繊維複合材の製造方法において、導入工程は、スペーサの材料を含む溶液を繊維束に含浸させる含浸工程と、溶液中にスペーサを発生させる発生工程とを含むことが好ましい。
本発明に係る繊維複合材の製造方法において、スペーサの材料として樹脂を用い、発生工程において、溶液を加熱し、スペーサの材料としての樹脂を析出させることによりスペーサを形成することが好ましい。
本発明に係る繊維複合材の製造方法において、スペーサの材料として、ナフトキサジン樹脂を用いることが好ましい。
本発明に係る繊維束は、複数の繊維と、繊維間に配されたスペーサとを備える。
本発明に係る繊維束において、スペーサの平均粒子径が、繊維の平均直径の0.2倍〜1.5倍であることが好ましい。
本発明に係る繊維束において、繊維束に含まれる繊維の本数が、3000本以上であることが好ましい。
本発明に係る繊維束の製造方法では、複数の繊維を有する繊維束を用意する。スペーサの材料を含む溶液を繊維束に含浸させる含浸工程を行う。溶液中にスペーサを発生させることにより、繊維間に配されたスペーサを有する繊維束を得る発生工程を行う。
本発明に係る繊維束の製造方法において、スペーサの材料として樹脂を用い、発生工程において、溶液を加熱し、スペーサの材料としての樹脂を析出させることによりスペーサを形成することが好ましい。
本発明に係る繊維束の製造方法において、スペーサの材料として、ナフトキサジン樹脂を用いることが好ましい。
本発明によれば、高強度を有する繊維複合材の製造工程を簡略化することができる。
本発明の一実施形態における繊維束の略図的斜視図である。 図1のII部分を拡大した略図的端面図である。 本発明の一実施形態におけるスペーサ含有繊維束の略図的端面図である。 本発明の一実施形態における繊維複合材の略図的斜視図である。 図4のV部分を拡大した略図的端面図である。 実施例において作製した炭素繊維束の縦断面の光学顕微鏡写真である。
以下、本発明を実施した好ましい形態の一例について説明する。但し、下記の実施形態は、単なる例示である。本発明は、下記の実施形態に何ら限定されない。
また、実施形態等において参照する各図面において、実質的に同一の機能を有する部材は同一の符号で参照することとする。また、実施形態等において参照する図面は、模式的に記載されたものである。図面に描画された物体の寸法の比率などは、現実の物体の寸法の比率などとは異なる場合がある。図面相互間においても、物体の寸法比率等が異なる場合がある。具体的な物体の寸法比率等は、以下の説明を参酌して判断されるべきである。
本実施形態では、図1〜3を参照しながら図4及び図5に示される繊維複合材1の製造方法について説明する。
まず、図1及び図2に示される繊維束10を用意する。図2に示されるように、繊維束10は、複数の繊維11を有する。繊維11間は、空隙になっている。繊維11の種類は、特に限定されない。繊維11は、例えば、炭素繊維、樹脂繊維、ガラス繊維、天然繊維等であってもよい。なかでも、高強度の繊維複合材1を得る観点からは、繊維11は、炭素繊維により構成されていることが好ましい。好ましく用いられる炭素繊維としては、例えば、PAN系炭素繊維、PITCH系炭素繊維などであってもよい。繊維束10に含まれる複数の繊維11は、例えば、炭素繊維のみであってもよいし、炭素繊維と、炭素繊維以外の繊維により構成されていてもよい。
繊維11の直径は、特に限定されないが、4μm〜20μm程度であることが好ましい。繊維11が炭素繊維である場合は、繊維11の直径は、5μm〜10μmであることがより好ましい。
繊維束10が有する繊維11の本数は、特に限定されないが、3,000本以上であることが好ましく、6,000本以上であることが好ましく、24,000本以上であることがより好ましい。繊維束10が有する繊維11の本数は、通常、80,000本以下である。
なお、繊維11は、カーボン繊維クロスを構成していてもよい。
次に、繊維束10内にスペーサ20(図3を参照)を導入し、スペーサ含有繊維束10aを作製する(導入工程)。具体的には、まず、スペーサ20の材料を含む溶液に繊維束10を浸漬する。これにより、溶液が繊維束10内に浸入し、溶液が繊維束10に含浸される(含浸工程)。溶液を繊維束10に含浸させる方法としては、例えば、溶液をスプレー塗布したり、溶液に繊維束10を浸漬させたりする方法が挙げられる。溶液が繊維束10に含浸される工程において、繊維束10は、通常、膨潤する。
その後、溶液中にスペーサ20を発生させる(発生工程)。例えば、溶液を加熱し、溶液に熱エネルギーを付与したり、他の種類のエネルギーを溶液に付与したりすることにより、スペーサ20の材料(例えば、樹脂)を析出させることによりスペーサ20を発生させる。その後、例えば100℃〜300℃程度に加熱する乾燥工程などを行うことによりスペーサ含有繊維束10aを完成させることができる。
スペーサ20の材料としては、例えば、樹脂を用いることができる。スペーサ20の材料として好適に用いられる樹脂の具体例としては、例えば、オキサジン樹脂などを挙げることができる。また、スペーサ20の材料として、加熱中にオキサジン樹脂を発生させるフェノール類、アミン類、ホルムアルデヒド等の原料を溶液に含ませてもよい。
好ましく用いられるオキサジン樹脂の具体例としては、例えば、ベンゾオキサジン樹脂、ナフトキサジン樹脂などが挙げられる。それらのなかでも、ナフトキサジン樹脂がより好ましく使用される。
なお、「オキサジン樹脂」とは、ベンゼン環、ナフタレン環に付加しており、酸素及び窒素を含む6員環を有する樹脂をいう。ベンゾオキサジン樹脂は、下記の化学式(1)に示す構造を有する。ナフトキサジン樹脂は、下記の化学式(2)に示す構造を有する。
以下、本実施形態においては、ナフトキサジン樹脂をスペーサ20の材料として用いる例について詳細に説明する。
ナフトキサジン樹脂の原料としては、フェノール類であるジヒドロキシナフタレンと、ホルムアルデヒドと、アミン類とを用いることができる。
ジヒドロキシナフタレンには、多くの異性体が存在する。ジヒドロキシナフタレンの異性体としては、例えば、1,3−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、1,7−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレンなどが挙げられる。これらのうち、反応性の高さから、1,5−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレンが好ましく用いられ、なかでも、1,5−ジヒドロキシナフタレンがより好ましく用いられる。
ホルムアルデヒドは、ホルマリンとして用いることが好ましい。ホルマリンには、ホルムアルデヒド及び水に加えて、安定剤として少量のメタノールが添加されていてもよい。ホルムアルデヒドに代えて、パラホルムアルデヒドを用いることも可能である。
ホルムアルデヒドは、ジヒドロキシナフタレン1モルに対して1.6〜2.4モル添加されることが好ましい。
アミン類としては、一般式R−NHで表される脂肪族アミンが好ましく用いられる。一般式R−NHにおいて、Rは、炭素数が5以下であるアルキル基であることが好ましい。炭素数が5以下であるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、シクロブチル基、シクロプロピルメチル基、n−ペンチル基、シクロペンチル基、シクロプロピルエチル基、シクロプロピルメチル基等が挙げられる。なかでも、炭素数が5以下であるアルキル基としては、分子量が小さな、メチル基、エチル基、プロピル基等が好ましい。すなわち、アミン類としては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン等が好ましく用いられ、なかでも、メチルアミンがより好ましく用いられる。
アミン類は、ジヒドロキシナフタレン1モルに対して0.8〜1.2モル添加されることが好ましい。
スペーサ20の材料を含む溶液の溶媒は、スペーサ20の材料を溶解させることができるものである限り、特に限定されない。好ましく用いられる溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、エタノール等のアルコールなどが挙げられる。
溶媒の量は、溶質100質量部に対して、通常、400質量部〜3000質量部程度とすることが好ましい。
ジヒドロキシナフタレン、ホルムアルデヒド、アミン類が溶解した溶液を、例えば、50℃以上に加熱することにより、粒子状のスペーサを発生させることができる。スペーサ発生の機構としては、以下の機構が考えられる。加熱によりジヒドロキシナフタレンから、疎水性のオキサジン環が形成される。さらに、このオキサジン環は、開環重合し、高分子量化していく。これにより、スペーサ20としての粒子が生成する。粒子は、一次粒子として存在していてもよいし、凝集した二次粒子として存在していてもよい。生成した粒子は、さらなる加熱工程や、乾燥工程において炭化し、炭素粒子となってもよい。
なお、上記スペーサの導入方法は、単なる例示である。他の方法によりスペーサを繊維束内に導入してもよい。また、繊維束を形成する前に、予め繊維にスペーサを付着させておいてもよい。
上記のように作製されたスペーサ含有繊維束10aは、複数の繊維11と、繊維11間に配されたスペーサ20とを備えている。スペーサ20の平均粒子径は、繊維11の直径の0.2倍〜1.5倍であることが好ましく、0.4倍〜1.0倍であることがより好ましい。
なお、本実施形態では、スペーサ20は、粒子状であるが、本発明において、スペーサの形状は粒子状に限定されない。繊維11間にスペースを確保できる形状である限りにおいて、スペーサは、どのような形状を有していてもよい。スペーサは、例えば、針状等であってもよい。
スペーサ20は、繊維11間にスペースを確保できるものであれば特に限定されない。スペーサ20の構成材料としては、例えば、硬質樹脂やアモルファス炭素等が挙げられる。
スペーサ20は、100重量部の繊維11に対して、通常1重量部〜5重量部程度含まれていることが好ましく、2重量部〜4重量部含まれていることがより好ましい。スペーサ20が少なすぎると、後述する樹脂の含浸が困難となる。一方、スペーサ20が多すぎると、得られる繊維複合材1の強度が低下する場合がある。
次に、以上の要領で作製されたスペーサ含有繊維束10aに、樹脂30(図5を参照)を含浸させることにより繊維複合材1を完成させる。繊維複合材1の耐衝撃強度をより高くする観点からは、樹脂30は、熱可塑性樹脂であることが好ましい。好ましく用いられる熱可塑性樹脂の具体例としては、例えば、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ナイロン樹脂(登録商標)、PPS樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。なかでも、軽量なポリプロピレンなどのポリオレフィン等がより好ましく用いられる。さらには、ポリプロピレンのなかでも、アイソタクチックなポリプロピレンがより好ましく用いられる。ポリプロピレンのメルトフローレート(MFR)は、5以上であることが好ましく、10以上であることがより好ましい。
なお、ポリプロピレンは、プロピレン単位が重合した部分を有すればよく、例えば、少量のエチレン、1−ブテン等を含んだランダムポリマーやブロックポリマーなどであってもよい。
樹脂30をスペーサ含有繊維束10aに含浸させる方法は、特に限定されない。例えば、溶融させた樹脂30を、シートダイ等を用いてフィルム状に押し出し、スペーサ含有繊維束10aの上に積層した後に、加熱しながら圧縮することにより樹脂30を含浸させてもよい。
本実施形態において製造された繊維複合材1は、複数の繊維11を有する繊維束10と、繊維束10に含浸された樹脂30に加え、繊維11間に配されたスペーサ20をさらに備える。繊維複合材1において、繊維11の含有量は、10〜70質量%であることが好ましく、20〜50質量%であることがより好ましい。繊維複合材1において、樹脂30の含有量は、30〜90質量%であることが好ましく、50〜70質量%であることがより好ましい。
本実施形態では、繊維複合材1は、横断面が略矩形状である帯状の形状を有する。但し、本発明において、繊維複合材の形状は特に限定されない。繊維複合材の形状は、使用用途等に応じて適宜設計される。
以上説明したように、本実施形態では、繊維11間にスペーサ20を配する。このため、繊維11間に樹脂30が流入する隙間が確保される。よって、繊維束10aの全体に樹脂30を確実に含浸させることができる。よって、高強度な繊維複合材1を容易に製造することができる。例えば、繊維束10aに含まれる繊維11が12,000本以上、さらには24,000本以上と多い場合には、繊維束10aの中央部に樹脂30がより含浸しにくくなるが、スペーサ20を用いることによって、そのような場合にも全体に確実に樹脂30を含浸させることができる。
樹脂30の流入をより容易にする観点からは、スペーサ20の平均粒子径が、繊維11の平均直径の0.2倍以上であることが好ましく、0.4倍以上であることがより好ましい。但し、スペーサ20が大きすぎると、繊維複合材1の単位断面積あたりの強度が低下する場合がある。従って、スペーサ20の平均粒子径が、繊維11の平均直径の1.5倍以下であることが好ましく、1.0倍以下であることがより好ましい。
スペーサ含有繊維束10aにおいて、スペーサ20は、100重量部の繊維11に対して、1重量部以上含まれていることが好ましく、2重量部以上含まれていることがより好ましく、3重量部以上含まれていることがさらに好ましい。但し、スペーサ20が多すぎると、得られる繊維複合材1の単位断面積あたりの強度が低くなる場合がある。従って、スペーサ含有繊維束10aにおいて、スペーサ20は、100重量部の繊維11に対して、5重量部以下含まれていることが好ましい。
スペーサ20は、樹脂30の含浸時に変形しないものであることが好ましい。よって、スペーサ20は、炭素粒子により構成されていることが好ましい。
本実施形態のように、溶液を含浸させた後にスペーサ20を発生させる方法であれば、スペーサ20の導入や、樹脂の含浸に際して繊維束10を開繊させる必要がないため、繊維複合材1を簡単な製造工程で容易に、かつ高い製造効率で製造することができる。
以下、本発明について、具体的な実施例に基づいて、さらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能である。
(実施例)
エタノール(和光純薬社製、品番057−00456)を20g、1,5−ジヒドロキシナフタレン(和光純薬社製、品番048−02342)2.0g、40%メチルアミン水溶液(和光純薬社製、品番132−01857)1.0g、及び37%ホルムアルデヒド水溶液(和光純薬社製、品番064−00406)2.0gをこの順番でビーカーに加え、攪拌することで溶液を調製した。
次に、炭素繊維束(台湾プラスチック社製、TC35−24K)と上記溶液とを接触させた後に、ゴムローラーでピンチすることにより、炭素繊維束に溶液を含浸させた。
次に、この炭素繊維束を、2枚のPETフィルム(帝人株式会社製、G2−100)で狭持した状体で70℃に設定された熱風オーブン中に配置し、3分間加熱した。
PETフィルムから炭素繊維束を取り外し、目視確認したところ、炭素繊維束は、濡れた状態であり、溶媒が蒸発せずに残存していることが確認された。
次いで、炭素繊維束を170℃に設定された熱風オーブン中に20分放置することにより溶媒を除去した。
次に、炭素繊維束内を光学顕微鏡で観察した。図6に光学顕微鏡写真を示す。図6に示される写真から、繊維間に直径が約1μm〜10μmの粒子(スペーサ)が導入されていることが分かる。処理前後の炭素繊維束の重量差から、粒子は、炭素繊維束100重量部に対して、大凡3重量部含まれているものと推察された。
次に、射出成形グレードのポリプロピレン(日本ポリプロ株式会社製、品番MA3H,MFR=10)を加熱プレスし、大凡250μmの厚みのシートに成形した。このシートを炭素繊維束に積層し、200℃に加熱された熱板を用いて、東洋精機株式会社製30tプレス器で10kgf/cmの圧力で1分間圧縮することにより、炭素繊維束にポリプロピレンを含浸させた。その結果、厚さ約0.2mmの炭素繊維複合材が得られた。
(比較例)
スペーサを導入しなかったこと以外は実施例と同様にして炭素繊維複合材を作製した。
(樹脂の含浸度合いの確認)
実施例及び比較例で作製した炭素繊維複合材の横断面を光学顕微鏡(株式会社ニコン社製、Nikon Eclipse L200)を用いて確認した。その結果、実施例において作製した炭素繊維複合材では、ほぼ全体に樹脂が含浸されていた。一方、比較例において作製した炭素繊維複合材では、半分程度にしか樹脂が含浸されていなかった。
(引張試験)
株式会社島津製作所社製オートグラフAB−10TBを用いて、巾10mm、スパン50mmの短冊状のサンプルの繊維の延びる方向における引張強度を測定した。結果を下記の表1に示す。なお、引張速度は、5mm/分とした。
表1に示される結果から、スペーサを導入した実施例の方が、スペーサを導入しなかった比較例よりも優れた強度を有することが分かる。
1…繊維複合材
10…繊維束
10a…スペーサ含有繊維束
11…繊維
20…スペーサ
30…樹脂

Claims (4)

  1. 複数の繊維を有する繊維束を用意する工程と
    ペーサの材料を含む溶液を前記繊維束に含浸させる含浸工程と、
    前記溶液中に粒子状のスペーサを発生させることにより、前記繊維間に配された前記粒子状のスペーサを有する繊維束を得る発生工程と、
    を備える、繊維束の製造方法。
  2. 前記粒子状のスペーサの平均粒子径が、前記繊維の平均直径の0.2倍〜1.5倍である繊維束を得る、請求項1に記載の繊維束の製造方法。
  3. 前記スペーサの材料として樹脂を用い、
    前記発生工程において、前記溶液を加熱し、前記スペーサの材料としての樹脂を析出させることにより前記粒子状のスペーサを形成する、請求項1又は2に記載の繊維束の製造方法。
  4. 前記スペーサの材料として、ナフトキサジン樹脂を用いる、請求項に記載の繊維束の製造方法。
JP2013035394A 2013-02-26 2013-02-26 繊維束の製造方法 Active JP5934127B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013035394A JP5934127B2 (ja) 2013-02-26 2013-02-26 繊維束の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013035394A JP5934127B2 (ja) 2013-02-26 2013-02-26 繊維束の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014162116A JP2014162116A (ja) 2014-09-08
JP5934127B2 true JP5934127B2 (ja) 2016-06-15

Family

ID=51613196

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013035394A Active JP5934127B2 (ja) 2013-02-26 2013-02-26 繊維束の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5934127B2 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017142087A1 (ja) * 2016-02-18 2017-08-24 積水化学工業株式会社 黒色粒子及び黒色粒子の製造方法
EP3690132A4 (en) * 2017-09-29 2021-06-30 Sekisui Chemical Co., Ltd. REINFORCING FIBER BUNDLES, OPEN FABRIC WITH REINFORCING FIBER AND FIBER-REINFORCED COMPOSITE MATERIAL, AND THE PROCESS FOR ITS MANUFACTURING
JP7252764B2 (ja) * 2018-01-17 2023-04-05 積水化学工業株式会社 開繊炭素繊維束、繊維強化複合材料、及び開繊炭素繊維束の製造方法
JP2019167427A (ja) * 2018-03-22 2019-10-03 積水化学工業株式会社 オキサジン樹脂粒子の製造方法
JP2020051020A (ja) * 2018-09-21 2020-04-02 積水化学工業株式会社 開繊炭素繊維束、繊維強化複合材料、および開繊炭素繊維束の製造方法
US20210371605A1 (en) * 2018-09-21 2021-12-02 Sekisui Chemical Co., Ltd. Reinforcing fibre bundle, reinforcing fibre-opening woven fabric, fibre reinforced composite, and methods for manufacturing thereof
JP7339836B2 (ja) * 2018-10-02 2023-09-06 積水化学工業株式会社 繊維強化複合材およびその製造方法
JPWO2020203821A1 (ja) 2019-03-29 2020-10-08
US20220145528A1 (en) * 2019-03-29 2022-05-12 Sekisui Chemical Co., Ltd. Method for producing opened carbon fibre bundle and fibre reinforced composite material

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5152939A (en) * 1991-03-12 1992-10-06 Edison Polymer Innovation Corp. Composite densification with benzoxazines
JPH08294918A (ja) * 1995-04-27 1996-11-12 Toray Ind Inc Frtp品製造用素材およびその製造方法
EP1060141B1 (en) * 1998-03-03 2002-10-30 PPG Industries Ohio, Inc. Impregnated glass fiber strands and products including the same
JP2007016364A (ja) * 2005-07-11 2007-01-25 Toray Ind Inc 炭素繊維束
WO2011125396A1 (ja) * 2010-04-05 2011-10-13 日東紡績株式会社 シリカ微粒子保持ガラス繊維織物の製造方法、シリカ微粒子保持ガラス繊維織物及び繊維強化樹脂成形体
US20140194018A1 (en) * 2011-08-19 2014-07-10 Sekisui Chemical Co., Ltd. Carbon fiber composite material

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014162116A (ja) 2014-09-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5934127B2 (ja) 繊維束の製造方法
US10066337B2 (en) Fiber treatment agent, carbon fibers treated with fiber treatment agent, and carbon fiber composite material containing said carbon fibers
JP5883875B2 (ja) 炭素繊維複合材の製造方法
JP2013189634A (ja) 繊維強化複合材料およびその製造方法
CN103975003A (zh) 碳纤维成型坯料、成型材料及碳纤维增强复合材料
JP2015093883A (ja) 炭素繊維複合材及び炭素繊維
JP6003224B2 (ja) 複合強化繊維束、その製造方法、および成形材料
TW201144363A (en) Fiber-reinforced thermoplastic resin composition, reinforcing fiber bundle, and production method for fiber-reinforced thermoplastic resin composition
JP2011224873A (ja) 繊維強化樹脂製サンドイッチ構造体
JP7132200B2 (ja) 強化繊維束、強化繊維開繊織物、および繊維強化複合体、並びにそれらの製造方法
JP2013057146A (ja) ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維複合体、その製造方法およびその用途
CN109440212B (zh) 高取向高强韧再生纤维素纤维的制备方法及高取向高强韧再生纤维素纤维
KR101482452B1 (ko) 고강도 열가소성 탄소섬유 강화 복합재료의 제조 방법 및 이에 의해 제조된 복합재료
JP2020051020A (ja) 開繊炭素繊維束、繊維強化複合材料、および開繊炭素繊維束の製造方法
US20220145528A1 (en) Method for producing opened carbon fibre bundle and fibre reinforced composite material
JP6846868B2 (ja) 炭素繊維、およびサイジング剤付着炭素繊維の製造方法
KR101841028B1 (ko) 마스크 제조용 전기방사장치
JP2019167427A (ja) オキサジン樹脂粒子の製造方法
JP7252764B2 (ja) 開繊炭素繊維束、繊維強化複合材料、及び開繊炭素繊維束の製造方法
Kawahara Electrospinning of Direct Carbonizable Phenolic Resin-based Nanofibers
JP7011888B2 (ja) プリプレグ、成形体、成形体の製造方法、プリプレグの製造方法、積層成形体の製造方法及び二次加工成形体の製造方法
JP6880706B2 (ja) 航空機用構造体
JP7339836B2 (ja) 繊維強化複合材およびその製造方法
Suryanto et al. Impact of Mendong fiber–epoxy composite interface properties on electric field frequency exposure
WO2020203821A1 (ja) 開繊炭素繊維束、繊維強化複合材料、および開繊炭素繊維束の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150421

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160129

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160202

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160322

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160412

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160506

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5934127

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151