JP5933392B2 - 音響発生器、音響発生装置及び電子機器 - Google Patents

音響発生器、音響発生装置及び電子機器 Download PDF

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Description

本発明は、音響発生器、音響発生装置及び電子機器に関する。
従来、圧電スピーカに代表される音響発生器は、圧電体を電気音響変換素子に用いた小型、低電流駆動の音響機器として知られており、例えば、モバイルコンピューティング機器等、小型の電子機器に組み込まれる音響発生装置として使用されている。
一般に、圧電体を電気音響変換素子に用いた音響発生器は、金属製の振動板に銀薄膜等による電極が形成された圧電素子を貼り付けた構造となっている。圧電体を電気音響変換素子に用いた音響発生器の発音機構は、圧電素子の両面に交流電圧を印加することで圧電素子に形状歪を発生させ、圧電素子の形状歪を金属製の振動板に伝えて振動させることにより音を発生させるというものである。
ところが、金属製の振動板に圧電素子を貼り付けた構造の音響発生器は、拡がり振動する圧電素子を面積の変化しない金属板で拘束することで面積屈曲振動を発生させるものであるので、音響変換効率が低く、しかも小型で共振周波数の低い音圧特性を持たせることは困難であった。
このような問題に対し、本出願人は、金属製の振動板の代わりに、樹脂フィルムを振動板として適用した音響発生機器を提案している(例えば、特許文献1を参照)。
この音響発生器は、バイモルフ型の積層型圧電素子を、その厚み方向から一対の樹脂フィルムによって挟持し、さらに、この樹脂フィルムを、張力をかけた状態で枠部材に固定したものである。これにより、音響変換効率を向上させ、高い音圧の発生を可能とする。
特開2010−177867号公報
しかしながら、上記の音響発生器は、音圧の周波数特性において音圧のばらつきの改善が求められている。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、音圧の周波数特性における音圧のばらつきを低減させることができる音響発生器、音響発生装置及び電子機器を提供することを目的とする。
本発明の音響発生器は、フィルムと、該フィルムの外周部に設けられた枠部材と、該枠部材の枠内の前記フィルムに設けられた圧電素子と、該圧電素子を埋設するように前記枠部材の枠内に充填された樹脂層とを有し、前記枠部材の内側に形成される領域の長さおよび幅の比が1.4〜2.33となるように前記枠部材が形成されており、前記枠部材の外縁が矩形状であり、前記枠部材と、前記フィルムにおける前記枠部材の内側の領域と、の境界線のうち、前記枠部材の長さ方向に延びる境界線が、所定の曲率の曲線となるように、前記枠部材の前記長さ方向の両端部から中央部に近づくにつれて、前記枠部材の内縁と前記外縁の距離が小さくなる。
本発明に係る音響発生器の一つの態様によれば、音圧の周波数特性における音圧のばらつきを低減させることができるという効果を奏する。
図1Aは、第1形態の音響発生器を示す平面図である。 図1Bは、第1形態の音響発生器を示す断面図である。 図2は、第2形態の音響発生器を示す平面図である。 図3は、第3形態の音響発生器を示す平面図である。 図4は、音圧の周波数特性の一例を示すグラフである。 図5は、音圧の周波数特性の一例を示すグラフである。 図6は、音圧の周波数特性の一例を示すグラフである。 図7は、音圧の周波数特性の一例を示すグラフである。 図8は、音圧の周波数特性の一例を示すグラフである。 図9は、音圧の周波数特性の一例を示すグラフである。 図10は、音圧の周波数特性の一例を示すグラフである。 図11は、音圧の周波数特性の一例を示すグラフである。
以下に、本発明に係る音響発生器、音響発生装置及び電子機器の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態は本発明を限定するものではない。そして、実施形態として下記に例示する各形態は、音響発生器を構成する各部材の形状や寸法を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
(1)第1形態
[音響発生器の構成]
まず、音響発生器の第1形態を図1A及び図1Bに基づいて説明する。図1Aは、第1形態の音響発生器を示す平面図であり、また、図1Bは、第1形態の音響発生器を示す断面図である。なお、図1Bには、図1Aに示すA−A線に沿った断面図が図示されている。また、図1Bでは、理解を容易にするために、積層型の圧電素子1の厚み方向(y方向)を拡大して示している。
図1A及び図1Bに示す第1形態の音響発生器は、一対の枠状の枠部材5によって挟持された、支持板となるフィルム3の上面に、積層型の圧電素子1を含んで構成されている。すなわち、第1形態の音響発生器は、図1Bに示すように、張力がかけられた状態でフィルム3を第1および第2の枠部材5a、5bで挟持することによってフィルム3が第1および第2の枠部材5a、5bに固定されており、このフィルム3の上面に積層型の圧電素子1が配置されている。
このうち、圧電素子1は、板状に形成されるとともに上下の主面が長方形状に形成される。かかる圧電素子1は、4層のセラミックスからなる圧電体層7と3層の内部電極層9とを交互に積層してなる積層体13と、この積層体13の上下両面に形成された表面電極層15a、15bと、積層体13の長手方向xの両端部にそれぞれ設けられた一対の外部電極17、19とを含んでいる。
外部電極17は、表面電極層15a、15bと、1層の内部電極層9bとに接続される。また、外部電極19は、2層の内部電極層9a、9cに接続される。圧電体層7は、図1Bに矢印で示すように分極されており、圧電体層7a、7bが縮む場合には圧電体層7c、7dが延びるように、あるいは圧電体層7a、7bが延びる場合には圧電体層7c、7dが縮むように、外部電極17、19に電圧が印加されるように構成されている。
外部電極19の上下端部は、積層体13の上下面まで延設されてそれぞれ折返外部電極19aが形成されており、これらの折返外部電極19aは、積層体13の表面に形成された表面電極層15a、15bに接触しないように、表面電極層15a、15bとの間で所定の距離を隔てて延設されている。
上記の4層の圧電体層7と上記の3層の内部電極層9とは、積層された状態で同時に焼成されて構成されており、表面電極層15a、15bは、積層体13を作製した後、ペーストを塗布し焼き付けて形成されている。
また、圧電素子1は、フィルム3側の主面とフィルム3とが接着剤層21で接合されている。これら圧電素子1とフィルム3との間の接着剤層21の厚みは、20μm以下とされている。特には、接着剤層21の厚みは、10μm以外であることが望ましい。このように、接着剤層21の厚みが20μm以下である場合には、積層体13の振動をフィルム3に伝えやすくなる。
接着剤層21を形成するための接着剤としては、エポキシ系樹脂、シリコン樹脂、ポリエステル系樹脂などの公知のものを使用できる。接着剤に使用する樹脂の硬化方法としては、熱硬化、光硬化や嫌気性硬化等のいずれの方法を用いても振動体を作製できる。
さらに、第1形態の音響発生器は、圧電素子1を埋設するように、枠部材5aの内側に樹脂が充填されて樹脂層20が形成されている。なお、図1Aでは、理解を容易にするため、樹脂層の図示を省略した。
この樹脂層20は、例えばエポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、シリコン系樹脂、あるいはゴム等を採用できる。また、樹脂層20は、スプリアスを抑制する観点から、圧電素子1を完全に覆う状態で塗布されるのが好ましい。さらに、支持板となるフィルム3も圧電素子1と一体となって振動することから、圧電素子1で覆われないフィルム3の領域も同様に樹脂層20によって被覆されている。
このように、第1形態の音響発生器では、圧電素子1を樹脂層20で埋設することによって、圧電素子1の共振現象に伴うピークディップに対し、適度なダンピング効果を誘発させることができる。かかるダンピング効果によって、共振現象を抑制するとともにピークディップを小さく抑制することができる。この結果、音圧の周波数依存性を小さくすることが可能になる。
圧電体層7としては、ジルコン酸鉛(PZ)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、Bi層状化合物、タングステンブロンズ構造化合物等の非鉛系圧電体材料等、既存の圧電セラミックスを用いることができる。圧電体層7の厚みは、低電圧駆動という観点から、10〜100μmとされている。
内部電極層9としては、銀とパラジウムからなる金属成分と圧電体層7を構成する材料成分を包含することが望ましい。内部電極層9に圧電体層7を構成するセラミック成分を含有させることによって、圧電体層7と内部電極層9との熱膨張差による応力を低減でき、積層不良のない圧電素子1を得ることができる。内部電極層9は、特に、銀とパラジウムからなる金属成分に限定されるものではなく、他の金属成分であってよく、また、セラミック成分として、圧電体層7を構成する材料成分に限定されるものではなく、他のセラミック成分であってもよい。
表面電極層15a、15bと外部電極17、19は、銀からなる金属成分にガラス成分を含有することが望ましい。このようにガラス成分を含有させることによって、圧電体層7や内部電極層9と、表面電極層15または外部電極17、19との間に強固な密着力を得ることができる。
枠部材5は、図1Bに示すように、矩形状をなしており、2枚の矩形枠状の枠部材5a、5bを貼り合わせて構成されており、枠部材5a、5b間にはフィルム3の外周部が挟み込まれ、張力を印加した状態で固定されている。枠部材5a、5bは、例えば、厚み100〜1000μmのステンレス製とされている。なお、枠部材5a、5bの材質は、ステンレス製に限らず、樹脂層20よりも変形し難いものであればよく、例えば、硬質樹脂、プラスチック、エンジニアリングプラスチック、セラミックス等を用いることができ、本形態では、枠部材5a、5bの材質、厚み等は特に限定されるものでない。更に枠形状も矩形状に限定されるものではなく、内周部または外周部の一部を湾曲又は角型としてもよい。
フィルム3は、枠部材5a、5b間にフィルム3の外周部を挟み込むことによってフィルム3が面方向に張力をかけられた状態で、枠部材5a、5bに固定され、フィルム3が振動板の役割を果たしている。フィルム3の厚みは、例えば、10〜200μmとされ、フィルム3は、例えば、ポリエチレン、ポリイミド、ポリプロピレン、ポリスチレン、テン等の樹脂、あるいはパルプや繊維等からなる紙から構成されている。これらの材料を用いることでピークディップを抑えることができる。
[L/W比]
続いて、本実施形態の第1形態の音響発生器が有する枠部材5aの内側に形成される領域の長さLおよび幅Wの比について説明する。なお、本形態では、枠部材5aを積層方向から見たときの内周部の形状の一例として長方形を例示するが、内周部の形状を長方形以外の多角形としたり、内周部の一部を曲線としたりすることもできる。
ここで、第1形態の音響発生器では、図1Aに示すように、枠部材5aの内側に形成される長方形状の領域の長さLおよび幅Wの比が1.4〜2.33となるように枠部材5aの内周部が形成される。以下では、枠部材5aの内周部に形成される領域の長さLを幅Wで除することによって得られた比のことを「L/W比」と記載する場合がある。
このように、L/W比を1.4〜2.33とした場合には、L/W比を1.4よりも小さくする場合やL/W比を2.33よりも大きくする場合よりも、圧電素子1の共振現象に伴うピークディップに対し、大きなダンピング効果を誘発させることができる。詳細は図4〜図9を用いて後述するが、特に、L/W比を1.8前後の値とした場合には、より顕著なダンピング効果を得ることができる。かかるダンピング効果によって、第1形態の音響発生器では、共振現象を抑制するとともにピークディップを小さく抑制することができる。
したがって、第1形態の音響発生器によれば、音圧の周波数特性における音圧のばらつきを低減させることができる。
[製法]
本発明の音響発生器の製法について説明する。
最初に、バイモルフ型の圧電素子1を準備する。かかる圧電素子1は、圧電材料の粉末にバインダー、分散剤、可塑材、溶剤を混練し、スラリーを作製する。圧電材料としては、鉛系、非鉛系のうちいずれでも使用することができる。
次に、上記のスラリーをシート状に成形し、グリーンシートを得ることができ、このグリーンシートに内部電極ペーストを印刷して内部電極パターンを形成し、この電極パターンが形成されたグリーンシートを3枚積層し、最上層にはグリーンシートのみ積層して、積層成形体を作製する。
次に、上記の積層成形体を脱脂、焼成し、所定寸法にカットすることによって積層体13を得ることができる。積層体13は、必要に応じて外周部を加工し、積層体13の圧電体層7の積層方向の主面に表面電極層15a、15bのペーストを印刷し、引き続き、積層体13の長手方向xの両端面に外部電極17、19を印刷し、所定の温度で電極の焼付けを行うことによって図1A及び図1Bに示すバイモルフ型の圧電素子1を得ることができる。
次に、バイモルフ型の圧電素子1に圧電性を付与するために、表面電極層15a、15b又は外部電極17、19を通じて直流電圧を印加して、バイモルフ型の圧電素子1の圧電体層7の分極を行う。かかる分極は、図1Bに矢印で示す方向となるように、DC電圧を印加して行う。
次に、支持体となるフィルム3を準備し、このフィルム3の外周部を枠部材5a、5b間に挟み、フィルム3に張力をかけた状態で固定する。この後、フィルム3に接着剤を塗布して、そのフィルム3上にバイモルフ型の圧電素子1の表面電極15a側を押し当て、この後、接着剤を熱や紫外線を照射することによって硬化させる。そして、樹脂を枠部材5aの内側に流し込み、バイモルフ型の圧電素子1を完全に埋設させ、樹脂層20を硬化させることによって第1形態の音響発生器を得ることができる。
以上のように構成された音響発生器は、枠部材5aの内側に形成される領域の長さLおよび幅Wの比が1.4〜2.33となるように枠部材5aの内周部が形成される。このため、L/W比が1.4よりも小さい音響発生器やL/W比が2.33よりも大きい音響発生器よりも、圧電素子1の共振現象に伴うピークディップに対し、大きなダンピング効果を誘発させることができる。かかるダンピング効果によって、共振現象を抑制するとともにピークディップを小さく抑制できる結果、音圧の周波数特性における音圧のばらつきを低減させることができる。
(2)第2形態
続いて、本実施形態の第2形態の音響発生器について説明する。図2は、第2形態の音響発生器を示す平面図である。図2に示す第2形態の音響発生器は、図1Aに示した第1形態の音響発生器に比べて、枠部材5aの内周部に形成されるフィルム3との境界線のうち長さ方向の境界線が所定の曲率の曲線で形成される点が異なる。例えば、図2に示すように、枠部材5aの内側に凹状に湾曲する形状の曲線で形成される。
ここで、長さ方向の境界線を曲線として形成するのは、枠部材5aの内周部を矩形とする場合に比べて非対称性を大きくできるからである。つまり、図2の形状によれば、共振周波数の縮退を抑制して分散することで、共振ピークの高さを抑え、幅を広げることが可能となる。このように非対称性を大きくすることによって、L/W比だけを1.4〜2.33の最適範囲とする場合よりも、共振現象を抑制できるとともに、ピークディップをより小さく抑制できる。このため、第2形態の音響発生器によれば、音圧の周波数特性における音圧のばらつきをより効果的に低減させることができる。
さらに、長さ方向の境界線は、図2に示すように、枠部材5aの角部から中央部に近づくほど当該枠部材5aの内縁と外縁の距離が近づくように曲線が形成される。このように、枠部材5aの内周部の長さ方向の境界線を外周部側へ反る曲線とするのは、圧電素子1と一体となって振動するフィルム3の面積が変化したとしても、フィルム3の屈曲撓み振動によって音圧が得られる周波数領域の幅、いわゆる再生周波数帯域を、枠部材5aの内周部が矩形である場合と同等の帯域幅に維持するためである。
なお、L/W比は、上記の第1形態と同様に、1.4〜2.33が採用される。ここで言う長さLおよび幅Wは、長さ方向の距離または幅方向の距離のうち最長の距離を表すものとする。図2の例で言えば、長さLの値として幅方向の線分間の距離が用いられるとともに、幅Wの値として曲線の中央部間の距離が用いられる。
(3)第3形態
続いて、本実施形態の第3形態の音響発生器について説明する。図3は、第3形態の音響発生器を示す平面図である。図3に示す第3形態の音響発生器は、図1Aに示した第1形態の音響発生器に比べて、樹脂層20の表面の所定位置にフィルム3を押圧することによってフィルム3に負荷をかける負荷部材30がさらに接着される点が異なる。なお、L/W比は、上記の第1形態と同様に、1.4〜2.33が採用される。
かかる負荷部材30は、柔らかく変形しやすい物性を持つことが望ましく、例えば、ウレタンゴム等のゴム材料を採用することができる。特に、ウレタンフォーム等の多孔質なゴム材料を好適に用いることができる。
ここで、負荷部材30は、樹脂層20の表面のうち、圧電素子1と一体となって振動するフィルム3及び樹脂層20を含む振動体が起こす共振現象によって振幅が最大となる位置に取り付けられるのが好ましい。例えば、フィルム3の中央部は、振動体の振動によって所定の音圧が得られる周波数領域に含まれる複数の周波数帯で振幅が最大になるので、フィルム3の中央部を含む領域に負荷部材30a、30bが取り付けられる。
このように、フィルム3の中央部を含む位置に負荷部材30a、30bを取り付けることによって、L/W比だけを1.4〜2.33の最適範囲とする場合よりも、第3の音響発生器の再生周波数帯域に含まれる複数の周波数帯において振幅の急激な変化を低減し、各周波数帯における振幅を平坦化させることができる。このため、第3形態の音響発生器によれば、音圧の周波数特性における音圧のばらつきをより効果的に低減させることができる。なお、ここでは、第3の音響発生器の再生周波数帯域に含まれる複数の周波数帯で振幅が最大となる位置に負荷部材30を設ける場合を例示したが、少なくとも1つの周波数帯において振幅が最大となる位置に負荷部材30を取り付けることによって当該周波数帯の振幅を平坦化させることもできる。
さらに、負荷部材30a、30bは、圧電素子1と一体となって振動する振動体、すなわちフィルム3及び樹脂層20よりも柔らかくて変形しやすい材料によって形成されている。ここで言う「柔らかくて変形しやすい」とは、フィルム3及び樹脂層20よりも弾性や剛性が小さく、外力によって変形しやすいことを指す。このように、負荷部材30a、30bを振動体よりも柔らかくて変形しやすい材料で形成することによって負荷部材30が取り付けられている部分において圧電素子1、フィルム3や樹脂層20などを含む振動体の変形が阻害されるのを低減し、振動体を滑らかに変形させることができる。これによって、振動体の振動によって発生する音の歪みを低減できる。
(4)第4形態
さて、これまで実施形態の各形態について説明したが、本発明は上述した形態以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。そこで、以下では、本発明に含まれる他の形態を説明する。
[適用範囲]
例えば、上記の第1形態では、バイモルフ型の圧電素子を例示したが、本発明はこれに限定されない。すなわち、本発明は、圧電素子がバイモルフ型である場合に限定されず、ユニモルフ型であっても上記の第1形態と同様のL/W比を採用することによって同様の効果を得ることができる。
[スピーカ装置]
例えば、上記の第1形態から第3形態で説明した音響発生器は、当該音響発生器を収納する筐体、いわゆる共鳴ボックスへ収納することによって音響発生装置、いわゆる「スピーカ装置」として構成することもできる。例えば、テレビやパーソナルコンピュータ等に用いられる大型のスピーカ装置として構成することもできれば、スマートフォン、携帯電話機、PHS(Personal Handyphone System)、PDA(Personal Digital Assistants)などのモバイル端末に搭載される中型または小型のスピーカ装置として構成することもできる。なお、スピーカ装置は、上記の用途に限定されず、掃除機、洗濯機や冷蔵庫などの任意の電子機器に搭載するスピーカ装置として構成することができる。
[電子機器]
また、上記の第1形態から第3形態で説明した音響発生器は、当該音響発生器に接続された電子回路と、該電子回路および音響発生器を収容する筐体とを少なくとも有しており、音響発生器から音響を発生させる機能を有する電子機器として構成することもできる。かかる電子機器の一例としては、テレビやパーソナルコンピュータを始め、各種のモバイル端末などが挙げられる。
さて、本実施例では、L/W比の最適範囲が1.4〜2.33であることを明らかにするために、各種のL/W比を採用した場合における音圧の周波数特性について説明する。図4〜図9は、音圧の周波数特性の一例を示すグラフである。これら図4〜図9には、いずれも図3に示した負荷部材30付きの音響発生器に関する音圧の周波数特性のグラフが示されている。
図4のグラフは、L/W比が「1.33」である音響発生器のものを指し、図5のグラフは、L/W比が「1.4」である音響発生器のものを指し、図6のグラフは、L/W比が「1.83」である音響発生器のものを指し、図7のグラフは、L/W比が「2.00」である音響発生器のものを指し、図8のグラフは、L/W比が「2.33」である音響発生器のものを指し、さらに、図9のグラフは、L/W比が「2.5」である音響発生器のものを指す。なお、図4〜図9に示すグラフの横軸は、周波数[kHz]を指し、グラフの縦軸は、音圧[dB]を指す。
上記の図4〜図9に示す6つのグラフのうち音響発生器のL/W比が1.4〜2.33の最適範囲にない図4及び図9のグラフは、音響発生器のL/W比が1.4〜2.33の最適範囲に含まれる図5〜図8のグラフに比べて音圧のばらつきが大きい。
これを具体的に説明すると、図4に示すように、音響発生器のL/W比が1.33である場合には、最大で30.6dBに達するピークディップが発生する。図4に示す例で言えば、1kHz手前の周波数帯41及び2kHz〜4kHzの周波数帯42において25dBを超えるピークディップが発生していることがわかる。さらに、図4に示す例で言えば、7kHz〜10kHzの周波数帯43では、音圧が80dB付近まで低下している。また、図9に示すように、音響発生器のL/W比が2.5である場合には、最大で31.2dBに達するピークディップが発生する。図9に示す例で言えば、1kHz手前の周波数帯91及び2kHz〜4kHzの周波数帯92において30dB程度のピークディップが発生していることがわかる。これら図4及び図9に示すように、音響発生器のL/W比が1.4〜2.33の最適範囲にない場合には、25dBを超えるピークディップが複数の周波数帯で発生するとともに、共振現象による共振周波数がピーキーになって周波数特性の平坦性も悪化している。
一方、図5に示すように、音響発生器のL/W比が1.4である場合には、最大でも16dBまでのピークディップしか発生していない。図5に示す例で言えば、図4や図9に示す例と比べて、1kHz手前の周波数帯51及び2kHz〜4kHzの周波数帯52におけるピークディップが15dB程度まで改善されていることがわかる。さらに、図5に示す例で言えば、図4や図9に示す例と比べて、7kHz〜10kHzの周波数帯53においても、95dB前後の音圧が得られていることがわかる。また、図7に示すように、音響発生器のL/W比が2.00である場合にも、最大でも17.6dBまでのピークディップしか発生していない。図7に示す例で言えば、図4や図9に示す例と比べて、1kHz手前の周波数帯71及び2kHz〜4kHzの周波数帯72におけるピークディップが15dB程度まで改善されていることがわかる。さらに、図7に示す例で言えば、図4や図9に示す例と比べて、7kHz〜10kHzの周波数帯73においても、95dB前後の音圧が得られていることがわかる。さらに、図8に示すように、音響発生器のL/W比が2.33である場合にも、最大でも20.2dBまでのピークディップしか発生していない。図8に示す例で言えば、図4や図9に示す例と比べて、1kHz手前の周波数帯81及び2kHz〜4kHzの周波数帯82におけるピークディップが20dB程度まで改善されていることがわかる。さらに、図8に示す例で言えば、図4や図9に示す例と比べて、7kHz〜10kHzの周波数帯83においても、95dB前後の音圧が得られていることがわかる。
加えて、図6に示すように、音響発生器のL/W比が1.83である場合には、ピークディップを最大でも4.6dBまで抑制することができる。図6に示す例で言えば、図4及び図9に示す例だけでなく、図5、図7及び図8に示す例と比べても、1kHz手前の周波数帯61及び2kHz〜4kHzの周波数帯62におけるピークディップが5dB程度まで飛躍的に改善されていることがわかる。さらに、図6に示す例で言えば、図4や図9に示す例と比べて、7kHz〜10kHzの周波数帯63においても、95dB前後の音圧が得られていることがわかる。
以上のように、図5〜図8に示したL/W比が1.4〜2.33までの音響発生器は、図4に示したL/W比が1.4よりも小さい音響発生器および図9に示したL/W比が2.33よりも大きい音響発生器に比べて、共振現象の抑制によって周波数特性の平坦性が改善するとともにピークディップを小さく抑制でき、音圧の周波数特性における音圧のばらつきを低減させることが可能であると言える。
なお、ここでは、音響発生器に負荷部材30が設けられている場合を実施例を説明したが、負荷部材30が設けられていない場合にも、L/W比が1.4〜2.33の最適範囲にあれば、L/W比が1.4よりも小さい音響発生器およびL/W比が2.33よりも大きい音響発生器に比べて、音圧の周波数特性における音圧のばらつきを低減させることができるのは言うまでもない。
ところで、上記の実施例1では、負荷部材30が設けられた音響発生器の実施例について説明したが、本実施例では、枠部材5aの内周部に形成されるフィルム3との境界線のうち長さ方向の境界線が所定の曲率の曲線で形成された音響発生器と、枠部材5aの内周部が矩形である音響発生器との音圧の周波数特性の違いについて説明する。
図10及び図11は、音圧の周波数特性の一例を示すグラフである。図10には、枠部材5aの内周部が矩形である音響発生器に関する音圧の周波数特性が示されている一方で、図11には、長さ方向の境界線が曲線で形成された音響発生器に関する音圧の周波数特性が示されている。これら図10及び図11には、いずれも長さL「60mm」及び幅W「30mm」のL/W比「2.0」の枠部材5aを持つ音響発生器で測定された音圧の周波数特性が示されている。なお、グラフの横軸は、周波数[kHz]を指し、グラフの縦軸は、音圧[dB]を指す。
図10に示すように、枠部材5aの内周部が矩形である音響発生器の場合には、1kHz手前の周波数帯101において20dBを超えるピークディップが発生するとともに、2kHz〜4kHzの周波数帯102においても15dB程度のピークディップが発生していることがわかる。さらに、図10に示す例で言えば、7kHz〜10kHzの周波数帯では、音圧が90dB前後まで低下している。一方、図11に示すように、長さ方向の境界線が曲線で形成された音響発生器の場合には、1kHz手前の周波数帯111及び2kHz〜4kHzの周波数帯112におけるピークディップが5dB程度まで飛躍的に改善されていることがわかる。さらに、図11に示す例で言えば、7kHz〜10kHzの周波数帯でも、95dB前後の音圧が得られていることがわかる。
このように、図11に示した長さ方向の境界線が曲線で形成された音響発生器は、図10に示した枠部材5aの内周部が矩形である音響発生器に比べて、共振現象の抑制によって周波数特性の平坦性が改善するとともにピークディップを小さく抑制でき、音圧の周波数特性における音圧のばらつきを低減させることが可能であると言える。
1 圧電素子
3 フィルム
5、5a、5b 枠部材
7、7a、7b、7c、7d 圧電体層
9、9a、9b、9c 内部電極層
13 積層体
15a、15b 表面電極層
17、19 外部電極
20 樹脂層
30、30a、30b 負荷部材
x 積層体の長手方向
y 圧電素子の厚み方向

Claims (4)

  1. フィルムと、
    該フィルムの外周部に設けられた枠部材と、
    該枠部材の枠内の前記フィルムに設けられた圧電素子と、
    該圧電素子を埋設するように前記枠部材の枠内に充填された樹脂層とを有し、
    前記枠部材の内側に形成される領域の長さおよび幅の比が1.4〜2.33となるように前記枠部材が形成されており、
    前記枠部材の外縁が矩形状であり、前記枠部材と、前記フィルムにおける前記枠部材の内側の領域と、の境界線のうち、前記枠部材の長さ方向に延びる境界線が、所定の曲率の曲線となるように、前記枠部材の前記長さ方向の両端部から中央部に近づくにつれて、前記枠部材の内縁と前記外縁の距離が小さくなることを特徴とする音響発生器。
  2. 前記樹脂層の表面の所定位置に前記フィルムを押圧することによって前記フィルムに負荷をかける負荷部材がさらに接着されることを特徴とする請求項1に記載の音響発生器。
  3. 請求項1または請求項に記載の音響発生器と、
    該音響発生器を収容する筐体と
    を少なくとも有することを特徴とする音響発生装置。
  4. 請求項1または請求項に記載の音響発生器と、
    該音響発生器に接続された電子回路と、
    該電子回路および前記音響発生器を収容する筐体と
    を少なくとも有しており、
    前記音響発生器から音響を発生させる機能を有することを特徴とする電子機器。
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