JP5932176B2 - ゴム帯状部材の巻取りライナー - Google Patents

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Description

本発明はゴム部材を巻き取る際に用いられる巻取りライナーに関する。より詳しくは、タイヤ製造時の未加硫ゴム部材を巻取る際に適した巻取りライナーに関する。
タイヤの製造工程において、工程間でゴム部材を貯蔵するために、押出機等から供給される帯状のゴム部材を一時的に巻き取り保管することが行われている。ところで、巻取り保管するとき、ゴム部材は粘着性を有するため、そのまま巻き取ると、巻き取られたゴム部材が互いに接着し、巻き出し時にはゴム部材が変形してしまうおそれがある。そのため、ゴム部材の間に巻取りライナーを介在させ、ゴム部材同士の接着を防止する方法が採用されている。特に、ゴム部材が未加硫ゴム部材の時に用いられている。
巻取りライナーとしては、一般的に帯状基材であるシートが用いられている。巻取りライナーとして用いられるシートは、その形状の変化がゴム部材に転写される恐れがあるため、しわなどが発生しにくく寸法変化しにくい剛性の高いものが好適に用いられる。このような帯状基材として、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの合成樹脂からなる厚み約0.2mm以上のシートが使用されることがある。しかし、ポリエチレンテレフタレートなどの合成樹脂からなるシートは、ゴム部材に対する剥離性が十分ではないため、剥離性を高めるために様々な工夫が施されている。たとえば、特許文献1には脂肪酸類、脂肪酸アミド類等の化合物を0.03wt%〜3wt%配合されているポリエステルフィルムが記載されている。しかし、ポリエステル系樹脂シートのみからなる基材は傷等を起点とした引裂きに弱く、繰り返し使用されることがある巻取りライナー用途に必ずしも最適なものとはいえなかった。
このような課題を解決するために、合成樹脂繊維からなる撚糸を用いて作製された織布の両面に離型剤を含有したシートを貼り合わせた積層体が巻取りライナーとして用いられている。しかし、このような積層体も撚糸の織布からなる層を有するため、傷が付いた場合、織布の撚糸から発生するほつれた糸がゴム部材を傷つけることがあったり、ゴム部材が糸を巻き込み品質が低下したりすることがあった。
特公昭62−225314号公報
本発明は、しわなどが発生しにくい優れた剛性、ゴム部材との剥離性、傷などを起点とした引裂きが起きにくい耐引裂性を有しており、かつ異物が発生しにくいゴム部材の巻取りライナーを提供することを課題とする。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、下記の発明が上記目的に合致することを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、以下の発明に係るものである。
<1>熱可塑性樹脂の不撚糸からなるクロス層が、ポリエステル系樹脂シート層によって挟まれた構成の帯状積層体であって、該ポリエステル系樹脂シートが離型処理剤を含有しているか、または該ポリエステル系樹脂シートが離型処理層を有しており、該帯状積層体の両表面が離型性を有するゴム帯状部材の巻取りライナー。
<2>前記熱可塑性樹脂の不撚糸からなるクロス層と前記ポリエステル系樹脂シート層とが、ポリオレフィン系の樹脂による層を介在して積層されている前記<1>記載の巻取りライナー。
<3>前記ポリエステル系樹脂シートが、ポリエチレンテレフタレートシートである前記<1>または<2>に記載の巻取りライナー。
<4>前記ポリエステル系樹脂シートの厚みが、20〜200μmである前記<1>〜<3>のいずれかに記載の巻取りライナー。
<5>前記熱可塑性樹脂の不撚糸からなる不撚糸クロスが、3軸または4軸格子目状のフラットヤーンクロスである前記<1>〜<4>のいずれかに記載の巻取りライナー。
<6>前記熱可塑性樹脂の不撚糸からなるクロス層が、ポリオレフィン系樹脂からなる不撚糸のクロス層である前記<1>〜<5>のいずれかに記載の巻取りライナー。
<7>前記離型処理層が、架橋オレフィン系樹脂を主成分とする離型処理層である前記<1>〜<6>のいずれかに記載の巻取りライナー。
<8>前記熱可塑性樹脂の不撚糸からなるクロス層と前記ポリエステル系樹脂シート層との間に介在するポリオレフィン系の樹脂による層がTダイ押出し法により供給され、ラミネート加工されてなる前記<2>〜<7>のいずれかに記載の巻取りライナー。
本発明によれば、剛性が高く、剥離性、耐引裂性等に優れた帯状積層体からなる巻取りライナーが提供される。本発明の巻取りライナーは、剛性が高いためしわなどができにくく、ゴムに対する剥離性を有しており、傷が入っても引き裂かれにくいものであり、さらに糸屑等の発生の問題もないため、ゴム巻取りライナーとして好適に使用することができる。
本発明の巻取りライナーの実施形態の一例である。 本発明の巻取りライナーの実施形態の他の一例である。 本発明の巻取りライナーの実施形態の他の一例である。 本発明におけるクロス層の網状体の構成例であり、(a)は縦横の2軸の網状体、(b)は横と一つの斜めの2軸の網状体、(c)は縦横と一つの斜めの3軸の網状体、(d)は横と二つの斜めの3軸の網状体、(e)は縦横と二つの斜めの4軸の網状体である。 ラミネート加工の一例であるサンドイッチラミネート法の概要図である。
以下、本発明の実施の形態について具体例等を示して詳細に説明する。
本発明は、熱可塑性樹脂の不撚糸からなるクロス層が、ポリエステル系樹脂シート層によって挟まれた構成の帯状積層体であって、該ポリエステル系樹脂シートが離型処理剤を含有しているか、または該ポリエステル系樹脂シートが離型処理層を有しており、該帯状積層体の両表面が離型性を有することを特徴とするゴム帯状部材の巻取りライナーにかかるものである。
[巻取りライナー]
ここで、巻取りライナーとは、帯状ゴム部材をロール状に巻き取って保存する際、帯状ゴム部材の表裏面が直に接触しないように用いられるものである。
本発明の巻取りライナーは、帯状積層体であって、タイヤ用途等に用いられるゴム部材(例えばインナーライナーやコーテイッドコード等の粘着性を有する未加硫ゴムシート)が連続的に形成された帯状ゴム部材等を巻き取るために好適に使用される。巻取りライナーの幅と長さは作製される帯状ゴム部材の形状や製造装置、場所等により適宜決定されるが、通常、幅5cm〜1m,長さは5m〜500mのものが使用されている。
[熱可塑性樹脂の不撚糸からなるクロス]
本発明にかかる巻取りライナーは熱可塑性樹脂の不撚糸からなるクロス層を有する。ここで熱可塑性樹脂の不撚糸とは、熱可塑性樹脂を延伸して得られる糸条であり、撚っていない糸条である。具体的には熱可塑性樹脂としてポリオレフィン系樹脂やポリエステル系樹脂などを用いて作製されるもので、モノフィラメントやフラットヤーン、スプリットヤーンが挙げられる。
ここで用いられる熱可塑性樹脂は、前述したポリオレフィン系樹脂やポリエステル系樹脂が一般的であるが、これらの他にも、不撚糸を得ることができるポリマーを用いることができる。熱可塑性樹脂は、成型性、柔軟性、入手しやすさなどの点からポリオレフィン系樹脂が好ましく、具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレンなどが好ましい。また、熱可塑性樹脂としてポリオレフィン系樹脂、特にポリエチレン系樹脂を用いることは、後述するラミネート加工を行った時に接着層として好適に用いられるポリエチレン系樹脂との相溶性がよい点から好ましい。
不撚糸としては、前述したモノフィラメントやフラットヤーン、スプリットヤーンなどいずれも使用することができる。この中でもフラットヤーンが好ましく、フラットヤーンを用いて作製された巻取りライナーは、平面性の調整を行いやすい。なお、ゴム製造工程に応じて求められる巻取りライナーの平面性は異なり、ゴム部材との接触面積を少なくしたい工程においては、巻取りライナーは一定の凹凸があった方がよい場合がある。逆に、ゴム部材に巻取りライナーの形状が転写するおそれがあるため、工程によっては高い平滑性が求められる場合もある。
不撚糸の太さは、100デシテックス(dtex)〜2000デシテックスであることが好ましい。不撚糸がこれより細い場合、撚糸を用いたときと同様に、その細い繊維が糸屑や異物発生の原因となることがある。また、これより太い不撚糸は、糸としての延伸が不十分であり耐久性が低かったり、帯状積層体としたときのスリット性が悪かったり、後述するクロス層の打ち込み本数が相対的に低くなるため、シートの耐引裂き性向上に寄与することができなかったりすることがある。また、不撚糸の太さがこの範囲内にあることは、帯状積層体の剛性向上の観点からも好ましい。不撚糸の太さは、より好ましくは300〜1500デシテックス、さらに好ましくは500〜1000デシテックスである。
本発明の特徴の一つは、熱可塑性樹脂からなるクロス層(以下、「本発明に係るクロス層」と記載する場合がある。)を有することにある。ここでクロスとは、格子目状に配置した糸の交点を融着等により接着させた網状体のことを指す。本発明に係るクロス層としては、糸として熱可塑性樹脂の不撚糸を用いて得られるクロスを用いる。クロスの格子目の構造の具体例を、図4(a)〜(e)に示す。クロスの格子目の構造は、一般的な縦横(図4(a))または横と斜めの2軸の格子目のもの(図4(b))、縦横と斜め(図4(c))、あるいは横と両斜めの3軸の格子目状のもの(図4(d))や、縦横と両斜めの4軸の格子目状のもの(図4(e))などがある。
ところで、細い繊維の撚糸からなるクロスを用いた場合、キズが付いたとき等に糸屑等の異物が発生しやすい。また、必要に応じて、巻取りライナーは幅や長さ等を調整するために切断されるが、撚糸を用いた層を有する巻取りライナーの場合、切断し難く切断面がそろわなかったり、前述したように糸屑等の異物が発生したりすることがある。しかし、本発明で用いる不撚糸からなるクロスを用いると、その巻取りライナーはカッター等を用いて目的とする形状に切断しやすく、細い繊維からなる撚糸を用いていないため異物も発生しにくい巻取りライナーを得ることができる。さらに、クロス層があることで帯状積層体の剛性が高くなる。
このように、熱可塑性樹脂の不撚糸からなるクロス層を有する積層体とすることで、優れた耐引裂き性等を有する巻取りライナーを得ることができる。巻取りライナーには耐引裂性向上の観点から、クロス層に3軸または4軸のクロスを用いることが好ましい。なかでも3軸のクロス層は、開口率(クロスの糸と糸の間の空間の比率)を4軸のクロスよりも大きいものとしやすいため、その開口部に接着剤(好適にはポリオレフィン系樹脂)が入り込むことで、全体としての接着性が高い積層体を得ることができる点でより好ましい。
クロスの1軸あたりの打ち込み本数は、不撚糸の太さにもより相対的に決定されるが、その太さが300〜1500デシテックスの前述したフラットヤーンを用いる場合、およそ3〜8本/インチであることが好ましい。打ち込み本数が、この範囲であれば、十分な耐引裂き性を確保することができ、かつ、接着層を設けるときクロスの開口部に接着層となる接着剤が入りこむことができるため(アンカー効果)高い接着性の接着層とすることができる。なお、各軸(本発明に用いるクロスは、前述したように縦横の2軸のみではなく、斜めを含めた3または4軸のものも用いることができる。)の打ち込み本数は、同数でもよいし、それぞれ異なる打ち込み本数でもよい。
[ポリエステル系樹脂シート]
本発明にかかる巻取りライナーは、ポリエステル系樹脂シート層を有する。なお、ここでシートとはフィルムを含む概念である。ポリエステル系樹脂シートは、剛性、耐久性、耐熱性、入手しやすさ等の観点からポリエチレンテレフタレート(PET)シートであることが好ましい。
ポリエステル系樹脂シートの1層あたりの厚みは好ましくは20〜200μm、より好ましくは35〜100μmである。1層あたりのポリエステル系樹脂シートの厚みが薄いと、得られる巻取りライナーの剛性が低く、しわがはいりやすくなる等の寸法安定性の観点から好ましくない。厚みが厚い場合、剛性が高すぎるため硬くて巻き取りにくくなり、ゴム部材を巻き取ったときの全体の厚みが大きくなりすぎるため、好ましくない。
[離型性]
本発明の巻取りライナーは、その両表面が離型性を有している。一般的にポリエステル系樹脂シート層は、ゴムとの剥離性が悪いため後述する離型処理層をコーティングしたものを用いることがあるが、離型剤を含有させて得られるポリエステル系樹脂シート層は離型処理層をコートすることなくゴムとの離型性を有するものとすることができる。このようなシートを用いる場合、ポリエステル系樹脂シート層が本発明に係る帯状積層体の両面に求められる離型処理層の機能も兼ねることができるため、熱可塑性樹脂の不撚糸からなるクロス層が、離型処理剤を含有するポリエステル系樹脂シート層によって挟まれた構成の帯状積層体とすることで本発明を達成することもできる。
[離型処理層]
離型剤を含有しないポリエステル系樹脂シートを用いる場合、ポリエステル系樹脂シートに離型処理層をコートして、帯状積層体の両表面が離型処理層を有したものにする。コートする離型処理層としては、非汚染性に優れていてシリコーンフリーである、架橋オレフィン系樹脂を主成分とする離型処理層を設けることが好ましい。架橋オレフィン系樹脂を主成分とする離型処理層とは、少なくとも炭素数2〜4のオレフィン成分70〜99質量%と酸成分1〜30質量%とからなる酸変性ポリオレフィン樹脂を含有する離型処理層が挙げられ、この離型処理層は、架橋により耐久性を高くし、また他の添加成分を用いて濡れ性や剥離性の制御を行ったりするものである。たとえばこのような離型処理層を有するシートとして、ユニチカ株式会社製ユニピール(登録商標)がある。ユニピール(登録商標)は、PETシート上に当該架橋オレフィン系の離型処理層を積層した形で市販されているため、本発明のポリエステル系樹脂シート層と架橋オレフィン系コートによる離型処理層を合わせたものとして、本発明の巻取りライナーの製造に好適に用いることができる。
なお、剥離性を有する離型処理層としてシリコーン系樹脂やフッ素系樹脂を主たる成分とする離型処理層を設けたシートがIC分野の工程シート等に使用されているが、かかる離型処理層は長期間使用すると脱落して剥離性が低下するおそれがある。また、剥離性が高すぎるためゴム製造工程中に剥離することがある。さらに、シリコーン系樹脂等はゴム部材に移行することがあり、このゴム部材を用いてタイヤを製造するなどの貼合わせ工程を行うと貼りあわせ異常などの問題が発生するおそれがあることから、ゴム部材巻取りライナーとしては実用的ではないことがある。
[積層体の構成]
本発明の巻取りライナーは、ポリエステル系樹脂シート層により熱可塑性樹脂の不撚糸からなるクロス層が挟まれている構成である帯状積層体であることが求められる。たとえば、図1に示すように、熱可塑性樹脂の不撚糸からなるクロス層は、ポリエステル系樹脂シート層に挟まれている構成である。熱可塑性樹脂の不撚糸からなるクロスと、ポリエステル系樹脂シート層を有することで、適切な剛性、優れた耐引裂性を有する積層体を得ることができる。また、さらに、本発明の巻取りライナーは離型処理層をその帯状積層体の両面に有しているため、ゴム部材の巻取りライナーとして用いたとき、ゴム部材を容易に剥離することができる。
[帯状積層体を得る方法]
本発明に係る帯状積層体は、熱可塑性樹脂の不撚糸からなるクロス層とポリエステル系樹脂シート層が積層されたものである。該積層体を得る方法としては、ポリエステル系樹脂シートと熱可塑性樹脂の不撚糸からなるクロスとを巻出し、シートとクロスを重ね合わせ、接着することで積層体を得ることができる。接着する方法として代表的なものは、ホットメルトフィルムをポリエステル系樹脂シートとクロスとの間に用いてホットメルトにより接着する方法や、各種ポリマーや接着剤を流し込むまたは塗工して接着する方法などがある。各種ポリマーを流し込み接着する方法としては、接着剤として機能するポリマーを流し込み(必要に応じて溶媒に溶かした状態で行う)、その後、熱風乾燥等により乾燥することで接着するドライラミネート法や、溶融させた樹脂を用いる押出しラミネート法、サンドイッチラミネート法やタンデムラミネート法がある。
溶融させた樹脂は、Tダイを介して供給することができ、このTダイを用いる方法をTダイ押出し法と呼ぶ。Tダイ押出し法は、主として押出しラミネート法に用いることができる手法であり、サンドイッチラミネート法、タンデムラミネート法にもその樹脂供給において使用することができるものである。Tダイを用いることで、溶融された樹脂の厚みを均一に供給しやすいため、巻取りライナー全体としての厚みムラの調整や、接着性を制御した品質の高いものを簡易に得ることができる。
[ラミネート加工]
次に本発明に係る帯状積層体の製造方法について図5を用いて具体的に説明する。各種ポリマーを流し込み接着させる方法は一般的にラミネート加工と呼ばれる。本発明に係る帯状積層体は、この一つであるサンドイッチラミネート法により製造することができ、溶融させた樹脂を一方の層に押出し、他の巻出し機から別の層を供給し貼りあわせるものである。ポリエステル系樹脂シート15と、熱可塑性樹脂の不撚糸からなるクロス層17とを貼りあわせる工程において、たとえば溶融させる樹脂としてポリエチレンを用いる場合、押出し機11を用いてTダイ12から溶融させたポリエチレン16をポリエステル系樹脂シート15上に押出し、他の巻出し機から熱可塑性樹脂の不撚糸からなるクロス17を供給し貼りあわせた積層体(A)18を得る。さらに、この積層体(A)と別のポリエステル系樹脂シートを貼りあわせる工程において、溶融させたポリエチレン16を別のポリエステル系樹脂シート15上に押出し、他の巻出し機から先ほどの積層体(A)17を供給し貼りあわせることで得られた積層体(B)18を得る。本発明において、帯状積層体は、このようなラミネート加工により得ることができる。よって、前記熱可塑性樹脂の不撚糸からなるクロス層と前記ポリエステル系樹脂シート層とは、ポリエチレン系樹脂による層を介在して接着されていることがある。このポリエチレン系樹脂(溶融させた樹脂)による層を用いて、接着している場合、熱可塑性樹脂の不撚糸からなるクロス層と、ポリエステル系樹脂シート層との接着性が特に優れており、積層体の一体性が優れたものとなる。
なお、本発明の別の態様としては、タンデムラミネート法を使用することができる。タンデムラミネート法とは、サンドイッチラミネート機を2台つないで、連続するライン上において、上記積層体(B)と同様の5層積層体を得るものである。巻き返し等の作業が減るため、より少ない工程でラミネート加工を行うことができる。
ラミネート法により貼りあわせる場合、シート層と接着層との接着性を改善する前処理を行うことが好ましい。前処理としては、シート層にアンカーコート剤を塗布する方法、貼りあわせ工程の直前においてシート層にコロナ放電処理を行う方法をあげることができる。また、これらのアンカーコートをせずとも接着性が良好な改質ポリオレフィンのようなポリマーを接着層として用いることもできる。
接着層として流し込むポリマーとしては、ポリオレフィンが一般的である。ポリオレフィンの中でも、ポリエチレン系樹脂である低密度ポリエチレンや高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体など、通常、押出しラミネートに用いられるポリマーを用いることができる。
接着層の厚みとしては、クロス層とシート層が十分に接着して、かつ巻取りライナー全体の厚みが厚くなりすぎなければその厚みは問わないが、10〜100μmが好ましく、より好ましくは20〜50μmである。厚みが薄すぎる場合、接着不良となることがあり、厚みが厚すぎる場合、巻取りライナーとして嵩張りすぎたり、巻取りにかかる応力が強くなりすぎたりすることがある。
このようにして得られる帯状積層体の平面性は、クロス層の厚みやその他の接着層やシート層の構成の影響を受けて、前述したように、ゴムシートとの接触面積を少なくするために凹凸がある場合と、凹凸が少なく平滑な場合とのいずれの達成方法も許容される。凹凸がある場合、薄い部分と厚い部分の厚みの差は大きいものとなることがあるが全体としての厚みが最も薄い部分で150μm以上、最も熱い部分の厚みが700μm以下程度であることが好ましい。これより薄い場合、巻取りライナーとして用いるには、全体としての剛性が低く、ゴム部材の形状に影響を与えやすくなるおそれがあり好ましくない。これより厚い場合、巻取りにかかる応力が大きくなったり、全体として嵩張りやすくなったりするため好ましくない。また、帯状積層体はその両表面がゴムの剥離が容易なものであり、キズなどがついても引き裂きにくく製造ラインで安定して用いることができるものである。
帯状積層体の平面性(凹凸)は、本発明に用いるクロスや、ポリエステル系樹脂シートおよび接着層の組み合わせにより調整することができる。クロス層に用いる不撚糸の太さを太くすることや打ち込み本数を少なくする等の方法で、凹凸を大きくすることができる。また、ポリエステル系樹脂シートの厚みが、比較的厚い場合凹凸が小さくなりやすいが、一方厚みが薄い場合凹凸が大きくなりやすい。さらに、接着層が厚い場合、クロス層に用いた不撚糸の開口部に接着剤が入り込み、積層体の表面に凹凸が反映されにくいことがあるが、一方、接着層が薄い場合、クロス層の構造が積層体に反映されやすくなる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を変更しない限り以下の実施例に限定されるものではない。
[引裂抵抗値]
JIS K7128−1に則って、引裂抵抗値(mN)を評価した。
[剥離性]
東洋精機製PICMAタックテスタを用いて、シート上に圧着した未加硫のイソプレンゴムを剥離するときにかかる力を評価した。なお、上昇速度は30mm/分、圧着時間1分とした。
[実施例1]
本発明のクロス層として、熱可塑性樹脂の不撚糸からなるクロス、ソフTS705(積水化学工業株式会社製;幅1000mm、3軸格子、繊維太さ750デシテックス、打ち込み本数各軸5本/インチ;以下、「ソフ」と略記する。)を用いた。ポリエステル系樹脂シート層としてユニピールTR−1(ユニチカ株式会社製;幅1000mm、厚み38μm)を2層に用いた。ユニピールTR−1はオレフィン系コートの離形処理層を有するPETシートであるため、離形処理層ではない方の面(非離型処理面)をクロス層であるソフと重ねあわせて、後述するラミネート処理方法で貼りあわせて、ソフをユニピールTR−1で挟んだ構成でありユニピールの離型処理層が両面にある、巻取りライナー(1)を得た。
[ラミネート加工方法]
ラミネート加工は、サンドイッチラミネート法によりおこなった。接着層として用いるポリマーには、ポリエチレン「ノバテックLC605Y(日本ポリエチレン株式会社製)」を用いた。ポリエステル系樹脂シート層であるユニピールの非離型処理面に、溶融させたポリエチレンを厚み約40μmとなるように、Tダイ押出し機からの供給量およびシートの搬送速度を調節し、他の巻出し機からクロス層であるソフを供給し貼りあわせることで、積層体(1−A)を得た。この積層体(1−A)のソフ面側に、さらに、溶融させたポリエチレンを厚み約35μmとなるように供給しながら、もう1層のユニピールを非離型処理面側が積層体(1−A)のソフ面側と貼りあわされるように供給し貼りあわせることで、積層体(1−B)を得た。ここで、ポリエチレン供給量が、積層体(1−A)を製造する先のラミネート加工工程と、積層体(1−B)を製造する後のラミネート加工工程とで異なる理由は、先のラミネート加工工程においてはクロス層として用いるソフの開口部にポリエチレンがはいりこみ見かけの厚みが薄くなるため多めに供給する。後のラミネート加工工程においてはソフの開口部がある程度充填されているため、ポリエチレン層の厚みの減少がほとんどないためである。
[実施例2]
本発明の熱可塑性樹脂の不撚糸からなるクロスとして、ポリエチレンのフラットヤーンクロス(幅1000mm、2軸格子、打ち込み本数各軸8本/インチ;以下「フラットヤーンクロス8×8」)、ポリエステル系樹脂シート層としてユニピールTR−1(幅1000mm、厚み38μm)を2層に用いてフラットヤーンクロス8×8を挟む構成とした。ユニピールはオレフィン系コートの離形処理層を有するPETシートであるため、離形処理層の反対の面をフラットヤーンクロス8×8と重ねあわせて、前記ラミネート加工工程と同様の方法で巻取りライナー(2)を得た。
[比較例1]
厚み約200μmのPETシート(ユニチカ株式会社製、エンブレット(登録商標)「SA−188」)を、比較例1の巻取りライナーとして評価した。
[比較例2]
撚糸によるクロス層をPETシートで挟む構成として、クロス層とPETシートを接着剤で接着させた積層体を比較例2として評価した。
[引裂抵抗値の評価]
実施例1により得られた巻取りライナーの、引裂抵抗値を測定した。MD方向の引裂抵抗値は、16898mNであり、TD方向の引裂抵抗値は、12863mNであった。
実施例2により得られた巻取りライナーの、引裂抵抗値を測定した。MD方向の引裂抵抗値は、6759mNであり、TD方向の引裂抵抗値は、6431mNであった。
一方、比較例1のPETシートの引裂き抵抗値は、MD方向が2803mN、TD方向が2176mNであった。
このように、本発明の巻取りライナーは、PETシートよりも明らかに引き裂きにくいものであることがわかる。
約20cm角の実施例1、2および比較例1、2のライナーに1cm程度の切込みを入れて、手で引裂くことを試みた。実施例1のライナーは、引き裂くことが難しく、途中で止まった。実施例2のライナーは、引き裂きにかかる応力が比較例1のPETシートと比べると強いが、引き裂ききることができた。比較例1のPETシートは、容易に引き裂くことができた。比較例2の撚糸によるクロス層を用いたものは、引き裂くことはできなかったが、切込み部付近に、糸の繊維が毛羽立っているのが目立った。
[剥離性]
実施例1、2の巻取りライナーの剥離性を前述した方法で評価した。剥離に要する力は、両面とも0.6〜0.8N/13mmであり、容易に剥離することができるものであった。一方、比較例1のPETシートは、離型性を有さないため、剥離性を評価したが、ゴムがシート側に残り、正確な評価ができない、剥離性に劣るものであった。
本発明の帯状積層体からなる巻取りライナーは、剛性、剥離性、耐引裂性に優れており、かつスリット等を行っても異物が発生しにくいためゴム帯状部材の巻取りライナーとして用いることができる。特に、自動車タイヤ等の未加硫ゴムを製造するラインで好適に使用することができる。
1 積層体
2 クロス層
3 ポリエステル系樹脂シート層
4 離型処理層
5 離型剤を含有するポリエステル系樹脂シート層
6 ポリオレフィン系樹脂による接着剤層
11 押出機
12 Tダイ
13 プレスロール
14 冷却ロール
15 貼りあわせる層(ポリエステル系樹脂シートまたは積層体)
16 溶融ポリマー
17 貼りあわせる層(クロスまたはポリエステル系樹脂シート、積層体)
18 積層体

Claims (8)

  1. 熱可塑性樹脂の不撚糸からなるクロス層が、ポリエステル系樹脂シート層によって挟まれた構成の帯状積層体であって、該ポリエステル系樹脂シートが離型処理剤を含有しているか、または該ポリエステル系樹脂シートが離型処理層を有しており、該帯状積層体の両表面が離型性を有し、
    前記熱可塑性樹脂の不撚糸からなるクロス層が、格子目状に配置した糸の交点を接着させた網状体であり、
    前記熱可塑性樹脂の不撚糸からなるクロス層と前記ポリエステル系樹脂シート層とが、ポリオレフィン系樹脂による層を介在して積層されていることを特徴とするゴム帯状部材の巻取りライナー。
  2. 熱可塑性樹脂の不撚糸からなるクロス層が、ポリエステル系樹脂シート層によって挟まれた構成の帯状積層体であって、該ポリエステル系樹脂シートが離型処理剤を含有しているか、または該ポリエステル系樹脂シートが離型処理層を有しており、該帯状積層体の両表面が離型性を有し、
    前記熱可塑性樹脂の不撚糸からなるクロス層が、格子目状に配置した糸の交点を接着させた網状体であり、
    前記ポリエステル系樹脂シートの厚みが、20〜200μmであることを特徴とするゴム帯状部材の巻取りライナー。
  3. 熱可塑性樹脂の不撚糸からなるクロス層が、ポリエステル系樹脂シート層によって挟まれた構成の帯状積層体であって、該ポリエステル系樹脂シートが離型処理層を有しており、該帯状積層体の両表面が離型性を有し、
    前記熱可塑性樹脂の不撚糸からなるクロス層が、格子目状に配置した糸の交点を接着させた網状体であり、
    前記離型処理層が、架橋オレフィン系樹脂を主成分とする離型処理層であることを特徴とするゴム帯状部材の巻取りライナー。
  4. 前記ポリエステル系樹脂シートの厚みが、20〜200μmである請求項1に記載の巻取りライナー。
  5. 前記離型処理層が、架橋オレフィン系樹脂を主成分とする離型処理層である請求項1、2または4のいずれか1項に記載の巻取りライナー。
  6. 前記ポリエステル系樹脂シートが、ポリエチレンテレフタレートシートである請求項1〜5のいずれか1項に記載の巻取りライナー。
  7. 前記熱可塑性樹脂の不撚糸からなるクロス層が、ポリオレフィン系樹脂からなる不撚糸のクロス層である請求項1〜のいずれか1項に記載の巻取りライナー。
  8. 前記不撚糸が、モノフィラメント、フラットヤーンおよびスプリットヤーンからなる群から選択される不撚糸であり、かつ、
    前記不燃糸の太さが100デシテックス〜2000デシテックスである請求項1〜7のいずれか1項に記載の巻き取りライナー。
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