JP5928467B2 - スクリーンおよび画像表示装置 - Google Patents
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Description
本発明は、スクリーンおよび画像表示装置に関する。
画像信号に応じた画像を表示する画像表示装置として、スクリーンのリア側から光を照射して画像を表示するリアプロジェクタがある。
特許文献1(特表2009−537868号公報)には、基板上に、ビーム光により励起され異なる色の可視光を出力する複数の蛍光体層と、隣り合う蛍光体層同士の間に、ビーム光を遮蔽するデバイダとが形成されたスクリーン層と、を積層させたスクリーンに、スクリーンのリア側に設けられた光源から出力されたビーム光を走査して画像を表示するリアプロジェクタが開示されている。また、特許文献1には、シートの一方の面に、プリズムが一定方向に並んで形成されたプリズムシートを、プリズムが形成されたプリズム面が基板と反対側を向くようにしてスクリーン層上に配置させる技術が開示されている。
蛍光体層から出力された光は、等方拡散し、半分程度はスクリーンのリア側に出力される。そのため、スクリーンのフロント側への光の取り出し効率が悪くなる。そこで、特許文献1に開示のように、プリズム面が基板と反対側に配置される光源側を向くようにしてプリズムシートを配置することで、蛍光体層からスクリーンのリア側に出力された光がプリズムによりスクリーンのフロント側に反射されるため、光の取り出し効率を上げることができる。
特許文献1に開示のようにプリズムシートを設けると、プリズムシートに照射されたビーム光がプリズムにより分割されてスクリーン層に入射するため、スクリーン層への入射時のビーム径は、プリズムシートへの照射時のビーム径よりも大きくなる(特許文献1の図13A参照)。
図1は、上述したスクリーン層とプリズムシートとを有するスクリーン20の概略構成を示す断面図である。
基板4上にスクリーン層21が積層される。
スクリーン層21には、異なる色の可視光を出力する複数の蛍光体層、例えば、赤色の可視光を出力する蛍光体層211R、緑色の可視光を出力する蛍光体層211G、および、青色の可視光を出力する蛍光体層211Bと、隣り合う蛍光体層同士の間に、光源から出力されるビーム光を遮蔽するデバイダ212と、が形成されている。
プリズムシート22は、プリズム面がスクリーン層21と反対側を向くようにして、スクリーン層21上に配置されている。
図1において、デバイダ212に対応するプリズムシート22上の位置に、スクリーン20に対して垂直方向からビーム光が照射されたとする。上述したように、プリズムシート22に照射されたビーム光は、プリズムにより分割される。そのため、図1に示すように、スクリーン層21への入射時のビーム径D2は、プリズムシート22への照射時のビーム径D1よりも大きくなる。また、図2に示すように、スクリーン20に対して斜め方向からビーム光が照射されると、ビーム径D2はさらに大きくなる。
スクリーン層21への入射時のビーム径D2が大きくなると、図1および図2に示すように、隣り合う蛍光体層、例えば、蛍光体層211Rおよび蛍光体層211Gに同時にビーム光が入射する、いわゆるクロストークが発生することがある。クロストークが発生すると、各蛍光体層から異なる色の可視光が同時に出力され、表示画像の色純度が低下するという問題がある。
なお、特許文献1には、プリズムシートを薄くすることで、ビーム径の拡大を抑制できる旨が記載されている。しかし、例えば、50μm以下といった薄いプリズムシートは、製造が困難であり、また、割れやすく、取扱いが困難である。
本発明の目的は、表示画像の色純度の低下を抑制することができるスクリーンおよび画像表示装置を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明のスクリーンは、
基板と、
前記基板上に積層されたスクリーン層と、
前記スクリーン層上に配置されたプリズムシートと、を有し、
前記スクリーン層は、複数の蛍光体層と、前記複数の蛍光体層に含まれるそれぞれの蛍光体層のうち隣り合うもの同士の間に配置されたブラックストライプと、を有し、
前記プリズムシートは、前記基板とは反対側にプリズム面を有し、
前記プリズム面は、複数のプリズム列と、前記ブラックストライプに対応する位置に配置された溝部と、を有し、
前記溝部は、前記溝部の幅が前記溝部の底部に向かって小さくなる構造を有する。
基板と、
前記基板上に積層されたスクリーン層と、
前記スクリーン層上に配置されたプリズムシートと、を有し、
前記スクリーン層は、複数の蛍光体層と、前記複数の蛍光体層に含まれるそれぞれの蛍光体層のうち隣り合うもの同士の間に配置されたブラックストライプと、を有し、
前記プリズムシートは、前記基板とは反対側にプリズム面を有し、
前記プリズム面は、複数のプリズム列と、前記ブラックストライプに対応する位置に配置された溝部と、を有し、
前記溝部は、前記溝部の幅が前記溝部の底部に向かって小さくなる構造を有する。
上記目的を達成するために本発明の画像表示装置は、
上述のスクリーンと、
前記スクリーンのリア側に設けられ、ビーム光を出力する光源と、
前記光源から出力されたビーム光を走査して、前記スクリーンに照射する光走査部と、を有する。
上述のスクリーンと、
前記スクリーンのリア側に設けられ、ビーム光を出力する光源と、
前記光源から出力されたビーム光を走査して、前記スクリーンに照射する光走査部と、を有する。
本発明によれば、表示画像の色純度の低下を抑制することができる。
以下に、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。
図3は、本発明の一実施形態の画像表示装置1の構成を示す図である。
図3に示す画像表示装置1は、光源2と、光走査部3と、スクリーン10とを有する。
光源2は、スクリーン10のリア側に設けられ、ビーム光を出力する。
光走査部3は、光源2から出力されたビーム光を画像信号に応じて走査し、スクリーン10に照射する。
スクリーン10は、スクリーン層11とプリズムシート12とを有する。
スクリーン層11には、光源2から出力されたビーム光により励起され異なる色の可視光を出力する複数の蛍光体層がストライプ状に形成されている。
プリズムシート12は、プリズムが形成されたプリズム面が光源2側に向くようにして、スクリーン層11の光源2側に配置されている。プリズム面の表面は、プリズム部材よりも屈折率の低い低屈折材料または空気で覆われている。
図3に示す画像表示装置1において、光源2から出力されたレーザ光が光走査部3により走査され、プリズムシート12を介してスクリーン層11に入射する。ビーム光が入射すると、スクリーン層11の蛍光体層から可視光が出力され、画像が表示される。ここで、上述したように、蛍光体層から出力された光のうち、半分程度は、スクリーン10のリア側に出力される。しかし、プリズムシート12のプリズムにより、スクリーン10のリア側に出力された光がスクリーン10のフロント側に反射される。そのため、スクリーン10のフロント側への光の取り出し効率を上げることができる。
次に、本実施形態のスクリーン10の構成について説明する。
図4は、本実施形態のスクリーン10における、蛍光体層の延在方向と直交する方向の断面図である。
図3においては不図示の基板4上にスクリーン層11が積層される。
スクリーン層11には、光源2から出力されるビーム光により励起され、赤色の可視光を出力する蛍光体層111R、緑色の可視光を出力する蛍光体層111G、および、青色の可視光を出力する蛍光体層111Bがこの順に、ストライプ状に形成されている。なお、以下では、蛍光体層111R,111G,111Bを区別しない場合には、蛍光体層111と称する。また、スクリーン層11には、隣り合う蛍光体層111同士の間に、ビーム光を遮蔽するブラックストライプ112が形成されている。ブラックストライプ112は、図1に示すデバイダ212に対応する。
なお、蛍光体層111から出力される可視光の色、異なる色の可視光を出力する蛍光体層111の数などは、スクリーン10の用途によって適宜、変更可能である。また、例えば、青色のビーム光を用い、蛍光体層111Bの代わりに、そのビーム光を拡散して拡散光を出力する拡散層を形成してもよい。また、図4においては、蛍光体層111とプリズムシート12との間に、空気あるいは低屈折材料で形成された低屈折率層113が形成されている例を示しているが、低屈折率層113は必ずしも必須ではない。
スクリーン層11上にプリズムシート12が配置される。
プリズムシート12には、ビーム光の波長より大きく、蛍光体層111の延在方向と直交する方向の幅が蛍光体層111の幅よりも小さいプリズムが列をなして形成されたプリズム列121が複数形成されている。なお、プリズム部材としては、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PC(ポリカーボネート)、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、COP(シクロオレフィンポリマー)などがある。
複数のプリズム列121は、蛍光体層111の延在方向に沿って、互いに略平行に形成されている。プリズムシート12は、プリズム列121が形成されたプリズム面が、基板4と反対側を向くようにして配置されている。
また、プリズムシート12には、スクリーン層11のブラックストライプ112に対応するプリズム面上の位置に、蛍光体層111の延在方向に沿って溝部122が形成されている。溝部122の蛍光体層111の延在方向と直交する方向の断面形状は、図4に示すように、短辺が基板4側を向き、長辺が基板4と反対側を向く台形であり、溝部122の幅は、溝部122の底部に向かって小さくなる。
なお、図4においては、スクリーン層11とプリズムシート12とが接している例を用いて説明したが、これに限られるものではなく、例えば、スクリーン層11とプリズムシート12との間に空気層が存在していてもよい。
次に、本実施形態のスクリーン10と図1に示すスクリーン20とにビーム光が照射された場合の違いについて説明する。
図5は、スクリーン20のスクリーン層21へのビーム光の照射状態を示す図である。
図5に示すように、蛍光体層211Gとデバイダ212との境界付近に対応するプリズムシート22上の位置に、蛍光体層211R側に所定の角度だけ傾いたビーム光が照射されたとする。プリズムシート22のプリズムによりビーム光が分割され、スクリーン層21への入射時のビーム径は、蛍光体層211の延在方向と直交する方向に、プリズムシート22への照射時のビーム径よりも大きくなる。その結果、隣り合う蛍光体層211R,211Gに同時にビーム光が入射されるクロストークが発生し、各蛍光体層から同時に可視光が出力されて、表示画像の色純度が低下する。表示画像の色純度の低下を防ぐためには、レーザ光の照射位置がデバイダ212に対応するプリズムシート22上の位置の周辺でレーザ光の出力をオフにすることが考えられる。しかし、レーザ光の出力をオフにすると、表示画像の輝度が低下する。
図6は、スクリーン10のスクリーン層11へのビーム光の照射状態を示す図である。なお、図6においては、図5と同様に、蛍光体層111Gとブラックストライプ112との境界付近に対応するプリズムシート12上の位置に、蛍光体層111R側に所定の角度だけ傾いたビーム光が照射されたとする。
上述したように、プリズムシート12には、ブラックストライプ112に対応する位置に、蛍光体層111の延在方向と直交する方向の幅が底部に向かって小さくなる(蛍光体層111の延在方向と直交する方向の幅が基板4と反対側に向かって大きくなる)溝部122が形成されている。そのため、ビーム光は、図6に示すように、溝部122の蛍光体111G側の斜面および溝部122の底部に照射される。
溝部122の蛍光体層111G側の斜面に照射されたビーム光は、蛍光体層111G側に屈折し、溝部122の底部に照射されたビーム光は、ブラックストライプ112側に屈折する。その結果、スクリーン20と比べて、スクリーン層11への入射時のビーム径の拡大が抑制され、隣り合う蛍光体層111R、111Gに同時にビーム光が入射することがないので、クロストークが発生せず、表示画像の色純度の低下を抑制することができる。
スクリーン10の具体的な構成(寸法)の一例を図7に示す。
蛍光体層111の幅は0.48mmであり、ブラックストライプ112の幅は0.12mmである。また、蛍光体111とブラックストライプ112とからなる1つのサブピクセルの幅は0.60mmである。
プリズムシート12の厚さは0.20mmである。隣り合う2つの溝部122に挟まれ、プリズム列121が形成された領域であるプリズム部の幅は0.336mmである。溝部122の底部はスクリーン層11とほぼ平行であり、溝部122の底部とスクリーン層11との距離は0.08mmである。溝部122の底部の幅はブラックストライプ112の幅と同じである。なお、溝部122の底部の幅がブラックストライプ112の幅と必ずしも同じである必要はなく、溝部122の底部の幅がブラックストライプ112の幅よりも大きくてもよい。ただし、溝部122の底部の幅が大きくなると、プリズム部の幅が狭くなり、光の取り出し効率向上の効果が少なくなるので、溝部122の底部の幅とブラックストライプ112の幅とは同じにするのが好ましい。溝部122の斜面厚さ(溝部122の深さ)は、0.12mmである。また、溝部122の底部に対する溝部122の斜面の傾斜角は59度であり、溝部122の斜面の幅は0.072mmである。
図7に示すスクリーン10において、図6と同様の条件でビーム光が照射されたとしてシミュレーションを行うと、プリズムシート12に照射されたビーム光に対する蛍光体層111Gへの入射量は57%となり、蛍光体層111Rへの入射量は0%となった。
一方、スクリーン20において、プリズムシート22のシート厚を0.2mmとし、図6と同じ条件でビーム光が照射されたとしてシミュレーションを行うと、プリズムシート22に照射されたビーム光に対する蛍光体211Gへの入射量は75%となり、蛍光体層211Rへの入射量が11%となった。上記のシミュレーション結果からも、プリズムシート12に溝部122を設けることで、隣り合う蛍光体層111へのビーム光の同時入射を防ぐことができることがわかる。
なお、本実施形態のスクリーン10においては、レーザ光の照射位置、照射角度が変わっても、隣り合う蛍光体層111に同時にレーザ光が入射するのを防ぐことができる。
図8は、本実施形態のスクリーン10に対して垂直方向からビーム光が照射された状態を示す図である。なお、図8において、状態Aは、蛍光体層111Gに対応するプリズムシート12上の位置にビーム光が照射された状態を示し、状態Bは、溝部122の蛍光体層111G側の斜面付近にビーム光が照射された状態を示し、状態Cは、溝部122の蛍光体層111R側の斜面付近にビーム光が照射された状態を示す。
状態Aでは、プリズムによりビーム光が分割され、ビーム径が大きくなるが、ビーム光は全て蛍光体層111Gに入射する。
状態Bでは、溝部122の蛍光体層111G側の斜面に照射されたビーム光は、蛍光体層111G側に屈折して、蛍光体層111Gに入射し、溝部122の底部に照射されたビーム光は、ブラックストライプ112側に屈折して、ブラックストライプ112に入射する。
状態Cでは、溝部122の蛍光体層111R側の斜面に照射されたビーム光は、蛍光体層111R側に屈折して、蛍光体層111Rに入射し、溝部122の底部に照射されたビーム光は、ブラックストライプ112側に屈折して、ブラックストライプ112に入射する。
したがって、状態Aから状態Cのいずれの場合にも、隣り合う蛍光体層111に同時にビーム光が入射することはない。
図9は、本実施形態のスクリーン10に対して右方向に30度傾いた状態のビーム光が入射された状態を示す図である。なお、図9において、状態Aから状態Cはそれぞれ、図8における状態Aから状態Cと同じ状態である。
状態Aでは、プリズムによりビーム光が分割され、ビーム径が大きくなるが、ビーム光は全て蛍光体層111Gに入射する。
状態Bでは、溝部122の蛍光体層111G側の斜面に照射されたビーム光は、蛍光体層111G側に屈折して、蛍光体層111Gに入射し、溝部122の底部に照射されたビーム光は、ブラックストライプ112側に屈折して、ブラックストライプ112に入射する。
状態Cでは、溝部122の蛍光体層111R側の斜面に照射されたビーム光は、蛍光体層111R側に屈折して、蛍光体層111Rに入射し、溝部122の底部に照射されたビーム光は、ブラックストライプ112側に屈折して、ブラックストライプ112に入射する。
したがって、状態Aから状態Cのいずれの場合にも、隣り合う蛍光体層111に同時にビーム光が入射することはない。このように、本実施形態のスクリーン10においては、レーザ光の照射位置、照射角度が変わっても、隣り合う蛍光体層111にレーザ光が同時に入射されることを防ぐことができる。
なお、低屈折率層113が形成されている場合には、溝部122の斜面に照射され、蛍光体層111側に屈折したレーザ光の、プリズムシート12と低屈折率層113との境界面への入射角が全反射角を越えると、光源2側に反射されてしまう。溝部122の斜面で屈折したビーム光がプリズムシート12と低屈折率層113との境界面で全反射しないための条件は、式(1)のようになる。
式(1)において、θ1は溝部122の斜面に照射されるビーム光のスクリーン層11に対して直交する方向からの傾斜角、θ2はスクリーン層11に対する溝部122の斜面の傾斜角、θ3は溝部122の斜面で屈折したビーム光のスクリーン層11に対して直交する方向からの傾斜角、n1はプリズムシート12の表面の屈折率、n2はプリズムシート12の屈折率、n3は低屈折率層113の屈折率である(図10参照)。
式(1)から、溝部122の斜面の傾斜角θ2の最大値は、ビーム光の傾斜角θ1、すなわち、溝部122が形成された方向と直交する方向のビーム光の最大走査角により決定されることが分かる。したがって、例えば、式(1)において、θ1=30度、n1=n3=1.0、n2=1.5とすると、ビーム光が蛍光体層111に入射するためには、溝部122の斜面の傾斜角θ2が60度以下である必要がある。
なお、溝部122の斜面の傾斜角θ2に応じて、図11に示すように、蛍光体層111から光源2側に出力され、溝部122の斜面で全反射した光が、プリズムにより多重反射して、スクリーン10のフロント側に戻る率(再帰反射率)が変わる。
図12は、溝部122の斜面の傾斜角θ2と再帰反射率との関係を示す図である。図12において、横軸は、溝部122の斜面の傾斜角θ2を示し、縦軸は、再帰反射率を示す。また、図12においては、プリズムの頂角を90度とし、プリズム材料の屈折率を1.51とし、プリズムシート12の表面と接する領域を空気層(屈折率1.0)とする。
図12に示すように、溝部122の斜面の傾斜角θ2が70度の場合に再帰反射率が最も高くなり、光の取り出し効率を高めることができる。
上述したように、低屈折率層113が形成されている場合の、蛍光体層111にビーム光が入射するための溝部122の斜面の傾斜角θ2の最大値は、ビーム光の最大走査角により決定される。したがって、ビーム光の最大走査角により決定される溝部122の斜面の傾斜角θ2の範囲内で、再帰反射率が最も高くなるような傾斜角θ2とすることで、蛍光体層111にビーム光を入射させつつ、光の取り出し効率を高めることができる。
次に、本実施形態のスクリーン10の製造方法について説明する。
図13は、本実施形態のスクリーン10の製造方法の一例を示す図である。
工程1において、基板4上にスクリーン層11が積層される。具体的には、基板4上に蛍光体層111およびブラックストライプ112が形成され、また、蛍光体層111上に低屈折率層113が形成される。なお、スクリーン層11の製造方法は当業者にとってよく知られており、また、本発明と直接関係しないので、詳細な説明を省略する。
工程2において、スクリーン層11上にプリズムシート材料120が積層される。
工程3において、プリズム列121の形状に対応する金型31を用いて、インプリント製法により、プリズムシート材料120の表面に、プリズム列121が形成される。
工程4において、スクリーン層11のブラックストライプ112に対応する位置に、溝部122の形状に対応するダイサー32を用いて溝部122が形成させる。その結果、スクリーン層11上に、プリズム列121およびブラックストライプ112に対応する位置に溝部122が形成されたプリズムシート12が積層される。
図14は、本実施形態のスクリーン10の製造方法の他の一例を示す図である。
工程1および工程2は、図13と同様であるので、説明を省略する。
工程3において、プリズム列121の形状に対応するとともに、ブラックストライプ112に対応する位置に溝部122の形状に対応する金型33を用いて、インプリント製法により、プリズムシート材料120の表面に、プリズム列121および溝部122が一括して形成される。その結果、スクリーン層11上に、プリズム列121およびブラックストライプ112に対応する位置に溝部122が形成されたプリズムシート12が積層される。
図15は、本実施形態のスクリーン10の製造方法のさらに他の一例を示す図である。
工程1および工程2は、図13と同様であるので、説明を省略する。
工程3において、溝部122の形状に対応する金型34を用いて、インプリント製法により、プリズムシート材料120の表面のブラックストライプ112に対応する位置に溝部122が形成される。
工程4において、プリズムシート材料120の表面のうち、工程3で溝部122が形成された領域以外の領域に、プリズム列121の形状に対応する金型31を用いて、インプリント製法によりプリズム列121が形成される。その結果、スクリーン層11上に、プリズム列121およびスクリーン層11のブラックストライプ112に対応する位置に溝部122が形成されたプリズムシート12が積層される。
なお、本実施形態においては、溝部122の斜面が平面である場合を例として説明したが、これに限られるものではない。例えば、溝部122の斜面が、図16Aに示すように、基板4と反対側に向かって凸状の曲面であったり、図16Bに示すように、基板4と反対側に向かって凸状の多角形状であったりしてもよい。なお、溝部122の斜面の最適な形状は、光源2側の条件(ビーム光の入射角など)によって定まる。
また、本実施形態においては、溝部122の底部が平面である場合を例として説明したが、これに限られるものではない。例えば、溝部122の底部が、図17Aに示すように、基板4と反対側(光源2側)に向かって凸状の曲面であったり、図17Bに示すように、基板4と反対側に向かって凸状の多角形状であったりしてもよい。要は、蛍光体層111の延在方向と直交する方向の溝部122の幅が、溝部122の底部に向かって小さくなるように形成されていればよい。図17Aおよび図17Bに示すように、溝部122の底部を光源2側に向かって凸状とすることにより、溝部122の底部に照射されたビーム光がブラックストライプ112の中心部に向かって屈折しやすくなるため、よりクロストーク発生の抑制効果を高めることができる。
このように本実施形態によれば、スクリーン10は、基板4上に、ストライプ状の蛍光体層111および隣り合う蛍光体層111同士の間にブラックストライプ112が形成されたスクリーン層11が積層され、蛍光体層111の延在方向に沿って、互いに略平行な複数のプリズム列121が形成され、プリズム列121が形成されたプリズム面が基板4と反対側を向くようにして、スクリーン層11上に配置されたプリズムシート12と、有し、プリズムシート12には、プリズム面のブラックストライプ112に対応する位置に、底部に向かって幅が小さくなる溝部122が形成されている。
ブラックストライプ112に対応するプリズムシート12上の位置に照射されたビーム光のうち、溝部122の斜面に照射されたビーム光は蛍光体層111側に屈折し、溝部122の底部に照射されたビーム光はブラックストライプ112側に屈折することで、ビーム径の拡大が抑制される。そのため、異なる色の可視光を出力する、隣り合う蛍光体層111に同時にビーム光が入射されることによるクロストークの発生を抑制し、色純度が低下するのを防ぐことができる。
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明の範囲内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
この出願は、2011年8月8日に出願された日本出願2011−172967を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
Claims (10)
- 基板と、
前記基板上に積層されたスクリーン層と、
前記スクリーン層上に配置されたプリズムシートと、を有し、
前記スクリーン層は、複数の蛍光体層と、前記複数の蛍光体層に含まれるそれぞれの蛍光体層のうち隣り合うもの同士の間に配置されたブラックストライプと、を有し、
前記プリズムシートは、前記基板とは反対側にプリズム面を有し、
前記プリズム面は、複数のプリズム列と、前記ブラックストライプに対応する位置に配置された溝部と、を有し、
前記溝部は、前記溝部の幅が前記溝部の底部に向かって小さくなる構造を有するスクリーン。 - 請求項1記載のスクリーンにおいて、
前記プリズム面は、前記プリズムの材料よりも低屈折率の材料または空気で覆われているスクリーン。 - 請求項1または2記載のスクリーンにおいて、
前記溝部の底部の幅は、前記ブラックストライプの幅以上であるスクリーン。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載のスクリーンにおいて、
前記溝部の斜面の前記スクリーン層に対する傾斜角は、前記蛍光体層から前記基板と反対側に出力され前記溝の斜面で反射した光が、前記プリズム列により前記基板側に反射される傾斜角であるスクリーン。 - 請求項1から4のいずれか1項に記載のスクリーンにおいて、
前記スクリーン層と前記プリズムシートとの間に前記プリズムシートよりも屈折率の低い低屈折率層が形成され、前記溝部の斜面に照射される、前記スクリーン層に対して直交する方向からの前記蛍光体層を励起するビーム光の傾斜角をθ1とし、前記溝部の斜面の前記スクリーン層に対する傾斜角をθ2とし、前記溝部の斜面で屈折した前記ビーム光の前記スクリーン層に対して直交する方向からの傾斜角をθ3とし、前記プリズム面の表面の屈折率をn1とし、前記プリズムシートの屈折率をn2とし、前記低屈折率層の屈折率をn3とすると、前記溝部の斜面の前記スクリーン層に対する傾斜角θ2の最大値が、式(1)を満たすように構成されているスクリーン。
- 請求項1から5のいずれか1項に記載のスクリーンにおいて、
前記溝部の斜面は、凸状の曲面であるスクリーン。 - 請求項1から5のいずれか1項に記載のスクリーンにおいて、
前記溝部の斜面は、凸状の多角形状であるスクリーン。 - 請求項1から7のいずれか1項に記載のスクリーンにおいて、
前記溝部の底部は、凸状の曲面であるスクリーン。 - 請求項1から7のいずれか1項に記載のスクリーンにおいて、
前記溝部の底部は、凸状の多角形状であるスクリーン。 - 請求項1から9のいずれか1項に記載のスクリーンと、
前記スクリーンのリア側に設けられ、ビーム光を出力する光源と、
前記光源から出力されたビーム光を走査して、前記スクリーンに照射する光走査部と、を有する画像表示装置。
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