JP5928125B2 - 紙用添加剤 - Google Patents

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本発明は紙用添加剤に関する。
近年、鮮明な印刷が可能で、大量印刷にも適する印刷方法であるオフセット印刷が主流の印刷方法になっている。したがって被印刷体である紙には、オフセット印刷に対する適性が高いことが求められている。良好な印刷適性を有する条件として、水の浸透性が適度に遅いことや必要十分な層間強度を有することが挙げられる。水の浸透速度が重要である理由は、オフセット印刷時には紙と水が接触するので、水の浸透性が早すぎると急激な紙力低下を引き起こして印刷トラブルとなる可能性があるためである。また、層間強度が低下すると、印刷時に層間剥離が起こりやすくなり、印刷適性が低下する場合がある。
印刷適性を向上させるため、水の浸透性を低下(=サイズ)させるサイズ剤、層間強度を向上させる内添型の乾燥紙力増強剤が用いられている。サイズ剤とは紙に水が浸透する速度を落とす薬剤であり、具体的にはアルキルケテンダイマー(AKD)系、ロジン系、アルケニルコハク酸無水物(ASA)系などの化合物が用いられている。乾燥紙力増強剤としては、アニオン性、カチオン性、および部分カチオン化変性による両性化したポリアクリルアミド系とカチオン化澱粉が主流である。
一方、印刷物のページのめくりやすさ及び風合い向上の観点から、柔軟性を有する紙が求められるようになってきている。紙に柔軟性を与える添加剤としては、第4級アンモニウム塩および炭素数10〜24の脂肪酸とペンタエリスリトールとのエステル化物、炭素数8〜24の脂肪酸からなる柔軟剤、ポリアルキレンポリアミンとカルボン酸から得られるアミド化物からなる柔軟剤などが知られている。柔軟剤はパルプ繊維間の結合を阻害して柔軟性を付与するので、必然的に紙力(層間強度)を低下させてしまう。さらに柔軟剤にはサイズ剤の効果を阻害するものが多い。よって、良好な印刷適正と柔軟性を両立させるために、紙力(層間強度)の低下を抑えつつ、サイズ性および柔軟性を向上させる添加剤が求められている。
上記課題に対して特定のアミドアミン化合物と尿素との縮合物にサイズ剤と乾燥紙力増強剤を併用する方法が開示されている。しかし、柔軟剤はパルプ繊維間の相互作用を弱めるのに対して、乾燥紙力増強剤はパルプ繊維間の相互作用を強める作用をすることから、互いの効果を打ち消しあう場合がある。また、サイズ剤を別途添加しなければならないという欠点がある。
紙力低下が少なく、かつ紙にサイズ性や柔軟性を付与可能な方法として、特定のアミドアミンと尿素の縮合物に特定のアミドアミン化合物を組み合わせた紙用柔軟剤を添加する方法(特許文献1)、特定の分子量ポリアルキレンイミンにアルキレンオキサイドを付加させ、さらに高級脂肪酸または高級脂肪酸エステルを縮合させた紙用改質剤を添加する方法(特許文献2)、特定のポリアルキレンポリアミンとモノカルボン酸を反応して得られるアミド化合物とエピハロヒドリンの反応物、乳化剤および水からなる紙用柔軟剤を添加する方法(特許文献3)が開示されている。
しかしながら、これらの方法は操業性に課題があるものや印刷用紙分野で必要とされるサイズ性が十分に得られていないなどの課題があり、印刷適性と柔軟性を両立させた添加剤は未だ得られていない。
特開2007−270398号公報 特開2005−82949号公報 特開2010−144271号公報
本発明は、上記事情に鑑み、層間強度の低下を抑えつつ、紙に十分なサイズ性と良好な柔軟性を同時にバランスよく付与することが可能な紙用添加剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定のポリアミン混合物に特定の脂肪酸を所定比で反応させて得られ、かつ所定のアミン価を有するアミドアミン化合物(a)と、特定のポリオキシアルキレンポリアミン(b)とを特定の割合で組み合わせた混合物が上記目的を達成することを見出した。
すなわち、本発明の紙用添加剤は、式(1)で表される化合物A10〜40モル%、式(2)で表される化合物B60〜90モル%からなるポリアミン混合物1モルに対し、炭素数12〜24の脂肪族モノカルボン酸2〜5モルを反応させて得られるアミン価40〜220mgKOH/gのアミドアミン化合物(a)と、式(3)で表されるポリオキシアルキレンポリアミン(b)とを含んでなり、アミドアミン化合物(a)100質量部に対してポリオキシアルキレンポリアミン(b)を5〜40質量部含んでなることを特徴とするものである。
Figure 0005928125
(式中、x+yは0〜2の整数である。)
Figure 0005928125
(式中、zは3〜5の整数である。)
Figure 0005928125
(Zは2または3価のアルコールの脱水酸基残基であり、OAは炭素数2または3のオキシアルキレン基である。lはオキシアルキレン基の平均付加モル数で1〜40である。m+nは2または3であり、mは0または1の整数、nは1〜3の整数である。)
本発明の紙用添加剤は、サイズ性と柔軟性を併せて紙に付与することが可能なアミドアミン化合物(a)と層間強度低下の抑制が可能なポリオキシアルキレンポリアミン(b)とを特定の割合で含んでなるので、層間強度の低下を抑えつつ、紙に十分なサイズ性と良好な柔軟性を同時にバランスよく付与することができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。本発明の紙用添加剤は、特定のポリアミン混合物に特定の脂肪酸を特定の比率で反応させて得られるアミドアミン化合物(a)と特定のポリオキシアルキレンポリアミン(b)とを特定の割合で含んでなることを特徴とする。以下、アミドアミン化合物(a)を製造するための各成分およびポリオキシアルキレンポリアミン(b)について説明する。
〔アミドアミン化合物(a)〕
(ポリアミン混合物)
本発明に用いるポリアミン化合物は、上記の式(1)で表される化合物Aを10〜40モル%、好ましくは20〜35モル%と、上記の式(2)で表される化合物Bを60〜90モル%、好ましくは65〜80モル%からなる。化合物Aと化合物Bの含有率がこれらの範囲を越えると、十分なサイズ性が得られない虞がある。
(化合物A)
本発明に用いる化合物Aは、アミノ基がエチレン鎖で結合した脂肪族ポリアミン化合物であり、分子中に1箇所の分岐構造を有する。分子中のアミノ基は、分岐部分の3級アミノ基以外は1級または2級アミノ基であるので、カルボキシル基と縮合することが可能である。式中のx+yは0〜2の整数であり、1が好ましい。これら化合物Aはそれぞれ特定の沸点を有するので、蒸留操作により分離可能である。本発明においては、式(1)で表される1種又は2種以上のポリアミン化合物Aを用いることができる。
(化合物B)
本発明に用いる化合物Bは、1級または2級アミノ基がエチレン鎖で直鎖状に結合した脂肪族ポリアミン化合物である。化合物Bは全てのアミノ基がカルボキシル基と縮合可能である。式(2)中、zは3〜5の整数であり、4が好ましい。化合物Bはそれぞれ特定の沸点を有するので、蒸留操作により分離可能である。本発明においては、式(2)で表される1種又は2種以上のポリアミン化合物Bを用いることができる。
(脂肪族モノカルボン酸)
上記ポリアミン混合物と反応させるために、本発明においては脂肪族モノカルボン酸が用いられる。本発明に用いる脂肪族モノカルボン酸は炭素数が12〜24の脂肪酸である。具体的には、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、アラキジン酸、ベヘン酸、エルカ酸、リグノセリン酸等が挙げられる。この中で炭素数が14〜20の飽和脂肪酸が好ましい。これら脂肪族モノカルボン酸は単独または混合物を用いてもよい。
本発明に用いるアミドアミン化合物(a)は、上記ポリアミン混合物1モルに対して、上記脂肪族モノカルボン酸を2〜5モルを縮合反応させて得られる。ポリアミン混合物1モルに対して反応させる脂肪族モノカルボン酸のモル数が2モル未満では、十分なサイズ性が得られない虞がある。なお、ポリアミン混合物1モルと反応させる脂肪族モノカルボン酸のモル数を、以下「反応モル比」という。
本発明に用いるアミドアミン化合物(a)はアミン価が40〜280mgKOH/gであり、好ましくは80〜220mgKOH/gである。アミン価が40mgKOH/g未満の場合は、良好な柔軟性が得られない虞があり、280mgKOH/gを超える場合は、十分なサイズ性が得られない虞がある。なお、アミドアミン化合物(a)のアミン価は公知の手法、例えばAmerican Oil Chemists' Society(AOCS)のTf 1b-64 (indicator method) に従って測定することができる。
本発明に用いるアミドアミン化合物(a)は、上記ポリアミン混合物と上記脂肪族モノカルボン酸とを無溶媒で混合し、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下で攪拌しながら160〜230℃に昇温し、反応と共に副生する生成水を反応系外へ除去しながら反応させることにより製造することができる。
また、本発明に用いるアミドアミン化合物(a)のアミン価は、上記ポリアミン混合物の1モルあたりのアミノ基数、脂肪族カルボン酸の反応モル比や脂肪族モノカルボン酸の炭素数を変えることにより調整することができる。例えば1モルあたりのアミノ基が多いポリアミン混合物を用いたり、反応モル比を下げたり、炭素数が少ない脂肪族モノカルボン酸を用いたりすることにより、アミン価を上昇させることができる。
〔ポリオキシアルキレンポリアミン(b)〕
ポリオキシアルキレンポリアミン(b)は、2または3価のアルコールの脱水酸基残基にアミノプロピル基を有する炭素数2または3のオキシアルキレン基が1つ以上付加した脂肪族エーテルアミン化合物である。すなわち、式(3)中のZは2または3価のアルコールから全ての水酸基が脱離した脱水酸基残基である。2または3価のアルコールは、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコールなどの2価のアルコール、グリセリン、トリメチロールプロパンなどの3価のアルコールが挙げられ、好ましくはプロピレングリコールである。
式(3)中のOAは炭素数2または3のオキシアルキレン基であり、好ましくは炭素数が3のオキシプロピレン基である。
式(3)中のlはオキシアルキレンの平均付加モル数であり、平均付加モル数lは1〜40であり、好ましくは1〜10である。ポリオキシプロピレンの平均付加モル数lが上記の範囲を外れる場合は、紙力低下の抑制が十分にできない虞がある。なお、オキシアルキレン基のエーテル酸素は、セルロースの水素と相互作用するのでパルプへの定着に対して有利であると考えられる。
式(3)中のmは0または1の整数、nは1〜3の整数であり、m+nは脱水酸基の数と一致する。Zは2または3価のアルコールから脱水酸基残基であるので、m+nは2または3である。したがって、mが0のときは、nは2または3であり、mが1のときは、nは1または2である。また、m+nは2であることが好ましいことから、mが0でnが2であるとき、またはmが1でnが1であるときが好ましい。
本発明においてポリオキシアルキレンポリアミン(b)は、アミドアミン化合物(a)100質量部に対して、5〜40質量部、好ましくは10〜20質量部含まれることを特徴とする。ポリオキシアルキレンポリアミン(b)が5質量部未満の場合は、層間強度の低下を抑制する効果が小さくなる虞がある。また40質量部を超える場合は、サイズ性および柔軟性を付与する効果が低下する虞がある。
ポリオキシアルキレンポリアミン(b)の一例であるポリオキシプロピレンジアミンの市販品としては、ハンツマン社によるジェファーミンD−230、ジェファーミンD−400、ジェファーミンD−2000、ジェファーミンT−403、ジェファーミンT−3000、ジェファーミンT−5000を例示することができる。
〔紙用添加剤〕
上記アミドアミン化合物(a)とポリオキシアルキレンポリアミン(b)の混合物を含む本発明の紙用添加剤は、典型的には、上記混合物を分散媒中に分散させ、分散液として使用できる。なお、分散媒としては、水または水とアルコールとの混合溶媒が好ましい。分散媒として使用されるアルコールはエタノール、プロピレングリコール、グリセリンが挙げられる。
本発明の紙用添加剤を分散液として使用する場合、分散液の調製を容易にするために、アミドアミン化合物(a)およびポリオキシアルキレンポリアミン(b)を酸で中和して塩とすることが好ましい。この際に使用する酸としては、種々の無機酸あるいは有機酸が挙げられ、具体的には、塩酸、硫酸、炭酸、硝酸、リン酸、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、グリコール酸、乳酸、グルコン酸、サリチル酸、ヒドロキシ吉草酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、タウリン、スルファミン酸等が挙げられる。好ましくは蟻酸、酢酸である。アミドアミン化合物(a)およびポリオキシアルキレンポリアミン(b)のアミン価を測り、1当量に相当する酸を添加してアミドアミン化合物(a)およびポリオキシアルキレンポリアミン(b)の塩とすることが好ましい。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。
〔アミドアミン化合物(a)の合成〕
表1および表2記載のポリアミン混合物(1〜3)と、表2記載の脂肪族モノカルボン酸を表2記載の反応モル比(対ポリアミン混合物1モル)で縮合反応させ(合成例1〜3、比較合成例1〜3)、アミドアミン化合物(a)(a−1〜a−3、a’−1〜a’−3)を得た。
Figure 0005928125
Figure 0005928125
〔アミン価の測定〕
表2記載のアミドアミン化合物(a)(a−1〜a−3、a’−1〜a’−3)のそれぞれについて、AOCSのTf 1b-64(indicator method)に従ってアミン価を測定し、表2に記載した。
〔実施例1〜6および比較例1〜4〕
表2記載のアミドアミン化合物(a)(a−1〜a−3、a’−1〜a’−3)と表3記載のポリオキシアルキレンポリアミン(b)(b−1、b−2)を表4記載の割合で配合した分散液(1〜10)をそれぞれ調製し、順次、実施例1〜6及び比較例1〜4とした。分散液の調製に際しては、各々のアミドアミン化合物(a)およびポリオキシアルキレンポリアミン(b)のアミン価に対して1当量に相当する量の酢酸をイオン交換水に加え、アミドアミン化合物(a)の酢酸塩とポリオキシアルキレンポリアミン(b)の酢酸塩の和として1.0質量%となるように分散させた。なお、比較例4の分散液(10)にはポリオキシアルキレンポリアミン(b)を加えなかった。
〔比較例5〕
ポリオキシアルキレンポリアミン(b)の代わりにヘキサメチレンジアミンを用いた以外は実施例1と同様に調製し、分散液(11)とした。
Figure 0005928125
Figure 0005928125
〔紙用添加剤の評価〕
上記で得られた紙用添加剤の分散液(実施例1〜6および比較例1〜5)を用いて、以下のようにして手すきシートを製造した。得られた手すきシートについて、サイズ性、柔軟性(曲げ剛度)、層間強度を評価した。
(1)手すきシートの調製
フリーネスが440mLであるLBKP(広葉樹晒パルプ)を1質量%含有するパルプスラリーを調製した。 このパルプスラリーをビーカーに400g(パルプ量4g)とり、予め糊化したカチオン化でんぷん(王子コーンスターチ(株)製:エースK−100)を有効分として対パルプ1質量%、上記分散液を有効分として対パルプ0.5質量%添加して、タービン羽根にて1分間攪拌した。その後、100gのパルプスラリーを用いてTAPPIスタンダードシートマシン((株)安田精機製作所製)により抄紙し、油圧プレス機((株)安田精機製作所製)で0.35MPa、5分間プレス後、ドラム式ドライヤー((株)安田精機製作所製)により105℃、2分の乾燥を行い、坪量50g/mの手すきシートを3枚調製した。この手すきシートを恒温恒湿室(温度23℃、湿度50%)にて17時間調湿させた。
(2)サイズ性の評価
JIS P8122:2004に準じて、手すきシートのステキヒトサイズ度(以下、サイズ度という。)を各例で6回測定し、サイズ度の合計を求め、表5にまとめて示した。サイズ性の評価は、本発明の紙用添加剤を含む分散液の代わりに、ADKサイズ剤(ニューペルハード73G、日油(株)製)を対パルプ0.1質量%含む分散液を添加した手すきシートのサイズ度を6回測定し、その合計値である60秒を基準に判定した。なお、無添加の手すきシートのサイズ度の合計値は0秒であった。
(評価基準)サイズ度の合計が60秒以上:〇(サイズ性が良好である。)
サイズ度の合計が60秒未満:×(サイズ性が不十分である。)
(3)柔軟性の評価
調湿した手すきシートの曲げ剛度を純曲げ試験機(カトーテック(株)製、KES−FB2)にて測定した。各例で6回の測定を行い、曲げ剛度の平均値を求めた。上記分散液を添加しない場合を基準とし、柔軟性を以下の基準に従って評価した。その評価を同じく表5にまとめて記載した。なお、上記分散液を添加しない場合の曲げ剛度は4.6×10−5N・m/mであった。
(評価基準)対ブランク曲げ剛度が80%未満:〇(柔軟性が良好である。)

対ブランク曲げ剛度が80%以上:×(柔軟性が不十分である。)
(4)層間強度の評価
調湿した手すきシートの層間強度をインターナルボンドテスター(熊谷理機工業(株)製、TAPPI−T569準拠)にて測定した。各例で6回の測定を行い、層間強度の平均値を求めた。上記分散液を添加しない場合を基準とし、層間強度を以下の基準に従って評価した。その評価を同じく表5にまとめて記載した。なお、上記分散液を添加しない場合の層間強度は0.20N・mであった。
(評価基準)対ブランク層間強度が60%以上:〇(層間強度が十分に保たれている。)
対ブランク層間強度が60%未満:×(層間強度が不十分である。)
Figure 0005928125
(評価結果)
本発明の紙用添加剤を使用した実施例1〜6は、いずれもサイズ度が60秒以上かつ対ブランク曲げ剛度が80%未満、対ブランク層間強度が60%以上であり、層間強度の低下を抑えつつ、紙に十分なサイズ性と良好な柔軟性が得られた。
一方、比較例1は、ポリアミン化合物Aを含まないアミドアミン化合物(a’−1)を使用しているので、本発明の実施例1〜6と比較して、柔軟性や層間強度については同等であるが、サイズ性が不十分であった。比較例2は、アミドアミン化合物(a’−2)のアミン価が本発明で規定する上限値を超えているので、サイズ性や柔軟性が不十分であった。比較例3は、アミドアミン化合物(a’−3)を合成する際に、炭素数10の脂肪族モノカルボン酸であるカプリン酸を用いているので、サイズ性や柔軟性が不十分であった。比較例4は、ポリオキシアルキレンポリアミン(b)を含まないので、本発明の実施例1〜6と比較して、サイズ性および柔軟性は同等であるが、層間強度の低下が大きかった。比較例5は、ポリオキシアルキレンポリアミン(b)とは異なるヘキサメチレンジアミンを配合しているので、層間強度の低下が大きかった。
本発明の紙用添加剤は、層間強度の低下を抑えつつ、紙に十分なサイズ性と良好な柔軟性を同時にバランスよく付与することができるので、製本用紙、新聞用紙、印刷・情報用紙、ダンボール用紙、板紙、ティシュペーパー、トイレットペーパー、キッチンタオル等の各種紙に広く利用することができる。

Claims (1)

  1. 式(1)で表される化合物A10〜40モル%、式(2)で表される化合物B60〜90モル%からなるポリアミン混合物1モルに対し、炭素数12〜24の脂肪族モノカルボン酸2〜5モルを反応させて得られるアミン価40〜280mgKOH/gのアミドアミン化合物(a)と、式(3)で表されるポリオキシアルキレンポリアミン(b)とを含んでなり、アミドアミン化合物(a)100質量部に対してポリオキシアルキレンポリアミン(b)を5〜40質量部含んでなる紙用添加剤。
    Figure 0005928125
    (式中、x+yは0〜2の整数である。)
    Figure 0005928125
    (式中、zは3〜5の整数である。)
    Figure 0005928125
    (Zは2または3価のアルコールの脱水酸基残基であり、OAは炭素数2または3のオキシアルキレン基である。lはオキシアルキレン基の平均付加モル数で1〜40である。m+nは2または3であり、mは0または1の整数、nは1〜3の整数である。)
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