JP5920236B2 - 色彩選別機及び色彩選別方法 - Google Patents

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Description

本発明は、粒状の被選別物中における基準外の被選別物を選別するための色彩選別機及び色彩選別方法に関わり、更に詳しくは、実運転における選別時に良品として選別されたものの中に不良品が混入する選別漏れ現象等の不具合を解消することができる色彩選別機及び色彩選別方法に関する。
穀物等、粒状の被選別物中における基準外の被選別物を選別するための色彩選別機は、傾斜させて設置したシュート内に被選別物を流下させて被選別物の色彩等を判別手段によって判定し、基準外の被選別物を圧縮空気の噴射によって吹き飛ばすことにより選別する構成を採用しており、このようなシュート状の選別手段を複数の工程に設けている(例えば、特許文献1〜3参照。)。
このように選別手段を複数の工程に設けている理由は、(ア)シュート内の溝を流下する被選別物の速度は非常に速いため、圧縮空気の噴射によって吹き飛ばされるのは基準外のものだけでなく、基準内の良品も一緒に吹き飛ばされること、及び(イ)被選別物は良品と不良品の2種類が明確になっているのではなく、良品と不良品との中間的なもの(以下、中間品と言う)もあることから、1回の選別のみでは、所期の選別ができないためである。
例えば特許文献1及び2の色彩選別機は、1次選別手段(主選別装置)と2次選別手段(再選別装置)の2工程の選別手段を設け、1次選別手段にて不良品と判定された被選別物を2次選別手段にて再選別を行い、良品と判定された被選別物を再び1次選別手段に戻すことによって、被選別物中における基準外の被選別物の選別率を向上させている。
また、特許文献3の色彩選別機は、多工程の選別手段を設けて被選別物を良品、不良品、中間品の3種類に選別し、中間品については再度、元の選別手段に搬送して選別をし直すことによって選別率の向上を図ったものである。
特開昭59−6973号公報 特開2000−107703号公報 特開2012−143670号公報
(1)選別漏れ現象
以上のような従来の色彩選別機において、消費者やユーザーからの異物等の混入に関する苦情が跡を絶たないという問題点がある。しかしそれが色彩選別機にて、いわゆる選別漏れ現象が生じているのかどうかも明確ではなかった。
すなわち、ユーザーからの苦情に基づき選別漏れの事実の有無を確かめるため、テスト的に選別する場合(各種の不良品を通常の原料に近い混入率にて混入して試作した被選別物を選別するような場合)においては、ほぼ完全に選別ができるからである。にもかかわらず、実際の製品を購入している消費者やユーザーからは商品(良品)の中に不良品が混入しているとの苦情は跡を絶たない状態であり、何故そのようになるのか、業界内で長らく不明であるとされてきた。従って実際の選別時に選別漏れを起こす事実があるのか否か、またあるとすればどのように解決するかという問題点があった。
(2)ループ現象
また、複数の工程が設けられた選別手段間等で基準外の被選別物が移動を繰り返す、いわゆる「ループ現象」により、極めて長時間に亘り選別作業が終了しないという問題点がある。
(3)プラントの設備効率低下
さらに、上記「ループ現象」に起因して、選別及びロット切替作業の長時間化等のタイムロス、並びに、機内に残留する被選別物をロット切替時に不良品側へ排出せざるを得ないため良品が捨てられてしまうという良品ロスにより、プラントの設備効率が低下するという問題点がある。
そこで、本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、先ず実際の選別時に選別漏れを起こすことの解明と、選別率を大幅に向上して選別漏れ現象を抑制できるとともに、「ループ現象」を解消してプラントの設備効率を向上できる色彩選別機及び色彩選別方法を提供する点にある。
本願の発明者は、顧客満足度を向上するために、消費者からの苦情に結びつく選別漏れ現象の発生メカニズムの解明について鋭意検討を行った。
先ず、色彩選別機に使用される、圧縮空気の噴射を行う空気噴射装置(特許文献1では「エアガン」、特許文献2では「選別装置」、特許文献3では「エジェクター」。)について検討すると、その構成は、コンプレッサから供給された圧縮空気を電磁弁により噴射口から噴射させるものである。
従って、このような空気噴射装置は、大量の良品の中に僅かの不良品が混入しているような場合の選別除去には適するが、良品の中に大量の不良品が混入しているような場合では、圧縮空気の噴出頻度が追い付かなくなる。
次に、従来の色彩選別機について検討すると、特許文献1及び2の色彩選別機においては1次選別手段と2次選別手段との間において、特許文献3の色彩選別機においては1次選別手段と2次選別手段との間に加えて、1次選別手段において「ループ現象」が発生する。注目すべきは、ロットの大きさに比例して良品か不良品かの判別を先送りされた中間的不良品の量が多くなり、そのことが選別手段を通過する被選別物中の不良品の混入率を高める結果となることである。
従って、実際にプラントで行っている長時間連続作業時には、「ループ現象」により被選別物中の不良品の混入率が増加しおり、上述の空気噴射装置の特性から、圧縮空気の噴出頻度が追い付かなくなって選別漏れ現象が生じていたのである。
これに対して、実験的に行う選別の際には、選別された良品中における不良品混入の有無を、良品又は不良品を手選別して数えることによって調べなければならないことから、極めて少量のロットで選別を行っており、このような極めて少量のロットでは選別作業が短時間で終了するため、「ループ現象」による不良品の混入率の増加はなく、選別漏れ現象が再現しなかったのである。
以上のような検討及び知見により、本願の発明者は、選別漏れ現象が「ループ現象」に起因することを突き止めたことから、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明に係る色彩選別機は、前記課題解決のために、粒状の被選別物中の基準外の被選別物を選別するための、所定の閾値によって、空気噴射装置により空気を噴射して前記被選別物を閾値内と閾値外の2種類の選別品に選別する、前記被選別物を流下させる複数の溝を設けたシュートを有する選別手段を備えた色彩選別機であって、
前記選別手段を工程以上備え、
1次選別手段によって選別された閾値内の選別品を2次選別手段へ搬送するとともに、1次選別手段によって選別された閾値外の選別品を3次選別手段へ搬送し、
2次選別手段によって選別された閾値内の選別品を回収するとともに、2次選別手段によって選別された閾値外の選別品を3次選別手段へ搬送し、
3次選別手段によって選別された閾値内の選別品を4次選別手段へ搬送するとともに、3次選別手段によって選別された閾値外の選別品を回収し、
3次選別手段よりも後工程の選別手段において、その選別手段が最終工程の選別手段でない場合は、選別された閾値内の選別品を後工程の選別手段へ搬送するとともに、選別された閾値外の選別品を回収し、
3次選別手段よりも後工程の選別手段において、その選別手段が最終工程の選別手段である場合は、閾値内の選別品と閾値外の選別品を分離してそれぞれを別個に回収することを特徴とする(請求項1)。
また、本発明に係る色彩選別機は、前記課題解決のために、粒状の被選別物中の基準外の被選別物を選別するための、所定の閾値によって、空気噴射装置により空気を噴射して前記被選別物を閾値内と閾値外の2種類の選別品に選別する、前記被選別物を流下させる複数の溝を設けたシュートを有する選別手段を備えた色彩選別機であって、
前記選別手段を4工程以上備え、
1次選別手段によって選別された閾値内の選別品を3次選別手段へ搬送するとともに、1次選別手段によって選別された閾値外の選別品を2次選別手段へ搬送し、
2次選別手段によって選別された閾値内の選別品を3次選別手段へ搬送するとともに、2次選別手段によって選別された閾値外の選別品を回収し、
3次選別手段によって選別された閾値内の選別品を回収するとともに、3次選別手段によって選別された閾値外の選別品を4次選別手段へ搬送し、
3次選別手段よりも後工程の選別手段において、その選別手段が最終工程の選別手段でない場合は、選別された閾値内の選別品を回収するとともに、選別された閾値外の選別品を後工程の選別手段へ搬送し、
3次選別手段よりも後工程の選別手段において、その選別手段が最終工程の選別手段である場合は、閾値内の選別品と閾値外の選別品を分離してそれぞれを別個に回収することを特徴とする(請求項2)。
さらに、本発明に係る色彩選別機は、前記課題解決のために、粒状の被選別物中の基準外の被選別物を選別するための、所定の閾値によって、空気噴射装置により空気を噴射して前記被選別物を閾値内と閾値外の2種類の選別品に選別する、前記被選別物を流下させる複数の溝を設けたシュートを有する複数工程の選別手段を備えた複数台の色彩選別機を直列に連結して構成される、4工程以上の選別手段を備えた色彩選別機であって、
1次選別手段によって選別された閾値内の選別品を2次選別手段へ搬送するとともに、1次選別手段によって選別された閾値外の選別品を3次選別手段へ搬送し、
2次選別手段によって選別された閾値内の選別品を回収するとともに、2次選別手段によって選別された閾値外の選別品を3次選別手段へ搬送し、
3次選別手段によって選別された閾値内の選別品を4次選別手段へ搬送するとともに、3次選別手段によって選別された閾値外の選別品を回収し、
3次選別手段よりも後工程の選別手段において、その選別手段が最終工程の選別手段でない場合は、選別された閾値内の選別品を後工程の選別手段へ搬送するとともに、選別された閾値外の選別品を回収し、
3次選別手段よりも後工程の選別手段において、その選別手段が最終工程の選別手段である場合は、閾値内の選別品と閾値外の選別品を分離してそれぞれを別個に回収することを特徴とする(請求項3)。
さらにまた、本発明に係る色彩選別機は、前記課題解決のために、粒状の被選別物中の基準外の被選別物を選別するための、所定の閾値によって、空気噴射装置により空気を噴射して前記被選別物を閾値内と閾値外の2種類の選別品に選別する、前記被選別物を流下させる複数の溝を設けたシュートを有する複数工程の選別手段を備えた複数台の色彩選別機を直列に連結して構成される、4工程以上の選別手段を備えた色彩選別機であって、
1次選別手段によって選別された閾値内の選別品を3次選別手段へ搬送するとともに、1次選別手段によって選別された閾値外の選別品を2次選別手段へ搬送し、
2次選別手段によって選別された閾値内の選別品を3次選別手段へ搬送するとともに、2次選別手段によって選別された閾値外の選別品を回収し、
3次選別手段によって選別された閾値内の選別品を回収するとともに、3次選別手段によって選別された閾値外の選別品を4次選別手段へ搬送し、
3次選別手段よりも後工程の選別手段において、その選別手段が最終工程の選別手段でない場合は、選別された閾値内の選別品を回収するとともに、選別された閾値外の選別品を後工程の選別手段へ搬送し、
3次選別手段よりも後工程の選別手段において、その選別手段が最終工程の選別手段である場合は、閾値内の選別品と閾値外の選別品を分離してそれぞれを別個に回収することを特徴とする(請求項4)。
これらのような色彩選別機の構成によれば、選別手段を工程以上備え、後工程の選別手段から前工程の選別手段へ選別品の搬送が行われないので、従来の色彩選別機のように1次選別手段にて不良品と判定された被選別物を2次選別手段にて再選別を行い、良品と判定された被選別物を再び1次選別手段に戻すような選別品の返送を行わないため、選別手段間で基準外の被選別物が移動を繰り返す「ループ現象」が発生しない。
従って、従来の色彩選別機のように、ロットの大きさに比例して良品か不良品かの判別を先送りされた中間的不良品の量が多くなり、選別手段を通過する被選別物中の不良品の混入率が高くなることがない。
よって、「ループ現象」により被選別物中の不良品の混入率が増加し、空気噴射装置の特性から、圧縮空気の噴出頻度が追い付かなくなって生じる選別漏れ現象を無くすことができるとともに、選別率を大幅に向上することができる。
その上、「ループ現象」に起因する、選別及びロット切替作業の長時間化等のタイムロスが無くなるとともに、極めて長時間に亘り選別作業が終了しないことから、機内に残留する被選別物をロット切替時に不良品側へ排出せざるを得ないため良品が捨てられてしまう良品ロスが無くなるため、プラントの設備効率が向上する。
その上さらに、ループ現象による空気噴射装置の噴気回数が減ることにより省エネにもなる。
その上、4工程以上の選別手段を用いて、選別されて少量となった被選別物を後工程の選別手段に搬送して精密選別をする構成であるので、より精度の高い選別を行うことができることから、良品中に混入してしまう不良品等の混入率をさらに低下させることができるため、選別率がさらに向上する。
本発明に係る色彩選別方法は、前記課題解決のために、粒状の被選別物中の基準外の被選別物を選別するための、所定の閾値によって、空気噴射装置により空気を噴射して前記被選別物を閾値内と閾値外の2種類の選別品に選別する、前記被選別物を流下させる複数の溝を設けたシュートを有する選別手段を用いた色彩選別方法であって、
前記選別手段を工程以上備え、
1次選別手段によって選別された閾値内の選別品を2次選別手段へ搬送するとともに、1次選別手段によって選別された閾値外の選別品を3次選別手段へ搬送し、
2次選別手段によって選別された閾値内の選別品を回収するとともに、2次選別手段によって選別された閾値外の選別品を3次選別手段へ搬送し、
3次選別手段によって選別された閾値内の選別品を4次選別手段へ搬送するとともに、3次選別手段によって選別された閾値外の選別品を回収し、
3次選別手段よりも後工程の選別手段において、その選別手段が最終工程の選別手段でない場合は、選別された閾値内の選別品を後工程の選別手段へ搬送するとともに、選別された閾値外の選別品を回収し、
3次選別手段よりも後工程の選別手段において、その選別手段が最終工程の選別手段である場合は、閾値内の選別品と閾値外の選別品を分離してそれぞれを別個に回収することを特徴とする(請求項)。
また、本発明に係る色彩選別方法は、前記課題解決のために、粒状の被選別物中の基準外の被選別物を選別するための、所定の閾値によって、空気噴射装置により空気を噴射して前記被選別物を閾値内と閾値外の2種類の選別品に選別する、前記被選別物を流下させる複数の溝を設けたシュートを有する選別手段を用いた色彩選別方法であって、
前記選別手段を4工程以上備え、
1次選別手段によって選別された閾値内の選別品を3次選別手段へ搬送するとともに、1次選別手段によって選別された閾値外の選別品を2次選別手段へ搬送し、
2次選別手段によって選別された閾値内の選別品を3次選別手段へ搬送するとともに、2次選別手段によって選別された閾値外の選別品を回収し、
3次選別手段によって選別された閾値内の選別品を回収するとともに、3次選別手段によって選別された閾値外の選別品を4次選別手段へ搬送し、
3次選別手段よりも後工程の選別手段において、その選別手段が最終工程の選別手段でない場合は、選別された閾値内の選別品を回収するとともに、選別された閾値外の選別品を後工程の選別手段へ搬送し、
3次選別手段よりも後工程の選別手段において、その選別手段が最終工程の選別手段である場合は、閾値内の選別品と閾値外の選別品を分離してそれぞれを別個に回収することを特徴とする(請求項6)。
これらのような色彩選別方法によれば、選別手段を工程以上備え、後工程の選別手段から前工程の選別手段へ選別品の搬送が行われないので、従来の色彩選別方法のように1次選別手段にて不良品と判定された被選別物を2次選別手段にて再選別を行い、良品と判定された被選別物を再び1次選別手段に戻すような選別品の返送を行わないため、選別手段間で基準外の被選別物が移動を繰り返す「ループ現象」が発生しない。
従って、従来の色彩選別方法のように、ロットの大きさに比例して良品か不良品かの判別を先送りされた中間的不良品の量が多くなり、選別手段を通過する被選別物中の不良品の混入率が高くなることがない。
よって、「ループ現象」により被選別物中の不良品の混入率が増加し、空気噴射装置の特性から、圧縮空気の噴出頻度が追い付かなくなって生じる選別漏れ現象を無くすことができるとともに、選別率を大幅に向上することができる。
その上、「ループ現象」に起因する、選別及びロット切替作業の長時間化等のタイムロスが無くなるとともに、極めて長時間に亘り選別作業が終了しないことから、機内に残留する被選別物をロット切替時に不良品側へ排出せざるを得ないため良品が捨てられてしまう良品ロスが無くなるため、プラントの設備効率が向上する。
その上さらに、ループ現象による空気噴射装置の噴気回数が減ることにより省エネにもなる。
その上、4工程以上の選別手段を用いて、選別されて少量となった被選別物を後工程の選別手段に搬送して精密選別をする構成であるので、より精度の高い選別を行うことができることから、良品中に混入してしまう不良品等の混入率をさらに低下させることができるため、選別率がさらに向上する。
以上のように、本発明に係る色彩選別機及び色彩選別方法によれば、選別手段を工程以上備え、後工程の選別手段から前工程の選別手段へ選別品の搬送が行われないので、選別手段間で基準外の被選別物が移動を繰り返す「ループ現象」が発生しないため、「ループ現象」により被選別物中の不良品の混入率が増加し、圧縮空気の噴出頻度が追い付かなくなって生じる選別漏れ現象を無くすことができるとともに、選別率を大幅に向上することができること、「ループ現象」に起因するタイムロスが無くなるとともに、極めて長時間に亘り選別作業が終了しないため良品が捨てられてしまう良品ロスが無くなるため、プラントの設備効率が向上すること、等の顕著な効果を奏する。
本発明の色彩選別機の構成を示す側面から見た模式図である。 実施の形態1に係る色彩選別機の選別手順(色彩選別方法)を示す説明図である。 実施の形態2に係る色彩選別機の選別手順(色彩選別方法)を示す説明図である。 実施の形態3に係る色彩選別機の選別手順(色彩選別方法)を示す説明図である。 実施の形態4に係る色彩選別機の選別手順(色彩選別方法)を示す説明図である。 実施例の色彩選別機による選別結果を示す図である。 比較例の色彩選別機による選別結果を示す図である。 実施例及び比較例の色彩選別機の1次選別手段を通過する被選別物中の不良品の量の推移を示す図である。 実施例及び比較例の色彩選別機の1次選別手段を通過する被選別物中の不良品混入率の推移を示す図である。
本明細書における「基準外の被選別物」とは、穀物を例に取れば穀物中(被選別物中)に混在する石粒やガラス片等の異物だけではなく、穀物であっても粒の一部又は全部が異色のもの(異色種)等の製品とならないもの(「不良品」)も含むものである。
また「色彩選別機」とは、色彩の差によって選別する機能及び光量の差によってガラス片等を選別する機能の一方又は両方の機能を備えた装置を含むものである。
本発明は、粒状の被選別物中の基準外の被選別物を選別するための、所定の閾値によって前記被選別物を閾値内と閾値外の2種類の選別品に選別する、3工程以上の選別手段を備えたものであり、本明細書においては、3工程以上の選別手段として、最初に被選別物が投入される最前工程(最上流側)の選別手段を1次選別手段といい、2次選別手段、3次選別手段・・・の呼び方は、低次の選別手段がより前工程(上流側)のものを、高次の選別手段がより後工程(下流側)のものを指している。
また、本発明に係る色彩選別機及び色彩選別方法は、従来の色彩選別機及び色彩選別方法のように1次選別手段にて不良品と判定された被選別物を2次選別手段にて再選別を行い、良品と判定された被選別物を再び1次選別手段に戻すことはせず、従って選別手段間における前記選別品の搬送を、後工程の選別手段から前工程の選別手段へは行わない(前記選別品の返送は行わない)ものである。
次に本発明の実施の形態を添付図面に基づき詳細に説明するが、本発明は、添付図面に示された形態に限定されず特許請求の範囲に記載の要件を満たす実施形態の全てを含むものである。
先ず、本発明に係る色彩選別機及び選別手段の基本構造並びに選別手段の基本動作について説明する。
(色彩選別機)
図1の本発明の色彩選別機の構成を示す側面から見た模式図に示すように、色彩選別機1は、選別手段2、供給筒3及びフィーダ4を主要部品としている。
(選別手段)
選別手段2は、シュート5、色判別センサ6a、色判別センサ6b、対物用照明7、バックグラウンド用照明8、バックグラウンド9、保護材10、清掃部材11、空気噴射装置12、分離ホッパ13、良品口14及び不良品口15等から構成される。
また、空気噴射装置12の正面には圧縮空気噴射口16が設けられ、背面には圧縮空気を空気噴射装置12に供給するための圧縮空気供給管17が接続される。
さらに、圧縮空気噴射口16の背面には、空気噴射装置12内に供給された圧縮空気を圧縮空気噴射口16から噴射させるための電磁弁18が設けられる。
そして、空気噴射装置12は支持部材19によって固定されており、圧縮空気噴射口16には振動センサ20が設置される。
(選別手段の基本動作)
先ず、供給筒3からフィーダ4に供給された被選別物(図示せず)は、フィーダ4によって流量が調整され、整然とした送り出しによってシュート5に流下される。
次に、シュート5内に設けられた複数の溝(図示せず)を加速しながら流下した被選別物は、対物用照明7によって光を照射され、被選別物を透過又は反射した光が色判別センサ6a及び色判別センサ6bによって読み取られる。
ここで、色判別センサ6a及び色判別センサ6bにおいては、予めバックグラウンド用照明8によってバックグラウンド9を照射した際の光の透過率、反射率、光量等を基準に、被選別物の光の透過率、反射率、光量等が所定の閾値内にある場合には、良品と判別して分離ホッパ13内の良品口14に流下させる。
一方、被選別物の光の透過率、反射率、光量等が所定の閾値外にある場合には、不良品と判別して空気噴射装置12の圧縮空気噴射口16から空気を噴射して吹き飛ばし、分離ホッパ13内の不良品口15に流下させる。
なお、上記においては、閾値内の被選別物を良品とし、閾値外の被選別物を不良品と判定しているがこれに限定されるものではなく、閾値内の被選別物を不良品とし、閾値外の被選別物を良品と判定しても良い。また、本発明に用いられる選別手段2は1種類の閾値を用いることが好ましいが、これに限定されるものではなく、必要に応じて2種以上の閾値を用いて、被選別物を閾値内と閾値外の2種類の選別品に選別するようにしても良い。
(実施の形態1)
図2の色彩選別機の選別手順(色彩選別方法)を示す説明図に示すように、実施の形態1に係る色彩選別機の選別手段2は、5工程の選別手段、すなわち、1次選別手段2a、2次選別手段2b、3次選別手段2c、4次選別手段2d及び5次選別手段2eを備えている。
ここで、各選別手段間の搬送は、スクリューコンベアや空気搬送等公知のあらゆる搬送手段を用いることができる。
図2において、先ず、被選別物は1次選別手段2aに送られる。そして、1次選別手段2aにおいて良品と判定された被選別物は2次選別手段2bに搬送され、不良品と判定された被選別物は3次選別手段2cに搬送される。ここで、不良品の混入率が高い被選別物の場合は、良品と判定され2次選別手段2bに搬送されたものの中に、選別漏れとなった不良品が混入しており、また不良品として3次選別手段2cに搬送されたものの中には良品が混入している状態となっている。
次に、2次選別手段2bに搬送された被選別物は2次選別手段2bによって選別され、良品と判定された被選別物は回収され、不良品と判定された被選別物は3次選別手段2cに搬送される。
次に、1次選別手段2a及び2次選別手段2bから3次選別手段2cに搬送された被選別物は、合流して3次選別手段2cによって選別され、良品と判定された被選別物は4次選別手段2dに搬送され、不良品と判定された被選別物は回収される。
次に、4次選別手段2dに搬送された被選別物は4次選別手段2dによって選別され、良品と判定された被選別物は5次選別手段2eに搬送され、不良品と判定された被選別物は回収される。
次に、5次選別手段2eに搬送された被選別物は5次選別手段2eによって選別され、良品及び不良品と判定された被選別物はそれぞれ別個に回収される。
実施の形態1の色彩選別機は、選別手段を5工程備えたものの構成例を示しており、このような選別手段を4工程以上備えた構成では、1次選別手段によって選別された閾値内の選別品を2次選別手段へ搬送するとともに、1次選別手段によって選別された閾値外の選別品を3次選別手段へ搬送し、2次選別手段によって選別された閾値内の選別品を回収するとともに、2次選別手段によって選別された閾値外の選別品を3次選別手段へ搬送し、3次選別手段よりも後工程の選別手段において、その選別手段が最終工程の選別手段でない場合は、選別された閾値内の選別品を後工程の選別手段へ搬送するとともに、選別された閾値外の選別品を回収し、3次選別手段よりも後工程の選別手段において、その選別手段が最終工程の選別手段である場合は、閾値内の選別品と閾値外の選別品を分離してそれぞれを別個に回収する。
(実施の形態2)
図3の色彩選別機の選別手順(色彩選別方法)を示す説明図に示すように、実施の形態2に係る色彩選別機の選別手段2は、5工程の選別手段、すなわち、1次選別手段2a、2次選別手段2b、3次選別手段2c、4次選別手段2d及び5次選別手段2eを備えており、実施の形態2の構成は、実施の形態1の構成における良品と不良品とが入れ替わった態様となっている。
図3において、先ず、被選別物は1次選別手段2aに送られる。そして、1次選別手段2aにおいて不良品と判定された被選別物は2次選別手段2bに搬送され、良品と判定された被選別物は3次選別手段2cに搬送される。
次に、2次選別手段2bに搬送された被選別物は2次選別手段2bによって選別され、不良品と判定された被選別物は回収され、良品と判定された被選別物は3次選別手段2cに搬送される。
次に、1次選別手段2a及び2次選別手段2bから3次選別手段2cに搬送された被選別物は、合流して3次選別手段2cによって選別され、不良品と判定された被選別物は4次選別手段2dに搬送され、良品と判定された被選別物は回収される。
次に、4次選別手段2dに搬送された被選別物は4次選別手段2dによって選別され、不良品と判定された被選別物は5次選別手段2eに搬送され、良品と判定された被選別物は回収される。
次に、5次選別手段2eに搬送された被選別物は5次選別手段2eによって選別され、良品及び不良品と判定された被選別物はそれぞれ別個に回収される。
実施の形態2の色彩選別機は、選別手段を5工程備えたものの構成例を示しており、このような選別手段を4工程以上備えた構成では、1次選別手段によって選別された閾値内の選別品を3次選別手段へ搬送するとともに、1次選別手段によって選別された閾値外の選別品を2次選別手段へ搬送し、2次選別手段によって選別された閾値内の選別品を3次選別手段へ搬送するとともに、2次選別手段によって選別された閾値外の選別品を回収し、3次選別手段よりも後工程の選別手段において、その選別手段が最終工程の選別手段でない場合は、選別された閾値内の選別品を回収するとともに、選別された閾値外の選別品を後工程の選別手段へ搬送し、3次選別手段よりも後工程の選別手段において、その選別手段が最終工程の選別手段である場合は、閾値内の選別品と閾値外の選別品を分離してそれぞれを別個に回収する。
以上のような選別手段を4工程以上備えた色彩選別機として、1台の色彩選別機のみにより4工程以上の選別手段を備える構成ではなく、複数工程の選別手段を備えた複数台の色彩選別機を直列に連結して4工程以上の選別手段を備えるようにしても良い。
(実施の形態3)
図4の色彩選別機の選別手順(色彩選別方法)を示す説明図に示すように、実施の形態3に係る色彩選別機の選別手段2は、3工程の選別手段、すなわち、1次選別手段2a、2次選別手段2b及び3次選別手段2cを備えている。
図4において、先ず、被選別物は1次選別手段2aに送られる。そして、1次選別手段2aにおいて良品と判定された被選別物は2次選別手段2bに搬送され、不良品と判定された被選別物は3次選別手段2cに搬送される。
次に、2次選別手段2bに搬送された被選別物は2次選別手段2bによって選別され、良品と判定された被選別物は回収され、不良品と判定された被選別物は3次選別手段2cに搬送される。
次に、3次選別手段2cに搬送された被選別物は3次選別手段2cによって選別され、良品及び不良品と判定された被選別物はそれぞれ別個に回収される。
(実施の形態4)
図5の色彩選別機の選別手順(色彩選別方法)を示す説明図に示すように、実施の形態4に係る色彩選別機の選別手段2は、3工程の選別手段、すなわち、1次選別手段2a、2次選別手段2b及び3次選別手段2cを備えており、実施の形態4の構成は、実施の形態3の構成における良品と不良品とが入れ替わった態様となっている。
図5において、先ず、被選別物は1次選別手段2aに送られる。そして、1次選別手段2aにおいて不良品と判定された被選別物は2次選別手段2bに搬送され、良品と判定された被選別物は3次選別手段2cに搬送される。
次に、2次選別手段2bに搬送された被選別物は2次選別手段2bによって選別され、不良品と判定された被選別物は回収され、良品と判定された被選別物は3次選別手段2cに搬送される。
次に、3次選別手段2cに搬送された被選別物は3次選別手段2cによって選別され、良品及び不良品と判定された被選別物はそれぞれ別個に回収される。
次に、実施例及び比較例に基づいて本発明に係る色彩選別機をさらに詳細に説明する。
<実施例>
図2に示す5工程の選別手段を内蔵した色彩選別機を製作した。各選別手段の構成の概要及び選別物(良品又は不良品と判定されたもの)の搬送先は以下の通りである。選別物の搬送先は、実施の形態1と同じ構成にし、実際に選別試験を行ったのが図6である。
(各選別手段の構成の概要)
(1)1次選別手段2a:複数の溝を設けたシュートを2系統
(2)2次選別手段2b:複数の溝を設けたシュートを2系統
(3)3次選別手段2c:複数の溝を設けたシュートを1系統
(4)4次選別手段2d:複数の溝を設けたシュートを1系統
(5)5次選別手段2e:複数の溝を設けたシュートを1系統
(各選別手段における選別物(良品又は不良品と判定されたもの)の搬送先)
(1)1次選別手段2a
(A)良品判定品→2次選別手段2b
(B)不良品判定品→3次選別手段2c
(2)2次選別手段2b
(A)良品判定品→回収
(B)不良品判定品→3次選別手段2c
(3)3次選別手段2c
(A)良品判定品→4次選別手段2d
(B)不良品判定品→回収
(4)4次選別手段2d
(A)良品判定品→5次選別手段2e
(B)不良品判定品→回収
(5)5次選別手段2e
(A)良品判定品→回収
(B)不良品判定品→回収
<比較例>
従来型の2工程の選別手段を内蔵した色彩選別機を製作した。各選別手段の構成の概要及び選別物(良品又は不良品と判定されたもの)の搬送先は以下の通りである。選別物の搬送先は、従来の色彩選別機と同じ構成にし、上記実施例と同条件で選別試験を行ったのが図7である。
(各選別手段の構成の概要)
(1)1次選別手段:複数の溝を設けたシュートを2系統
(2)2次選別手段:複数の溝を設けたシュートを1系統
(各選別手段における選別物(良品又は不良品と判定されたもの)の搬送先)
(1)1次選別手段
(A)良品判定品→回収
(B)不良品判定品→2次選別手段
(2)2次選別手段
(A)良品判定品→1次選別手段(再選別1回目)
(B)不良品判定品→回収
(3)1次選別手段(再選別1回目)
(A)良品判定品→回収
(B)不良品判定品→2次選別手段(再選別1回目)
(4)2次選別手段(再選別1回目)
(A)良品判定品→1次選別手段(再選別2回目)
(B)不良品判定品→回収
(5)1次選別手段(再選別2回目)
(A)良品判定品→回収
(B)不良品判定品→2次選別手段(再選別2回目)
(6)2次選別手段(再選別2回目)
(A)良品判定品→回収
(B)不良品判定品→回収
<選別評価>
(試料)
基準外の被選別物として、いわゆる被害粒(中間品の中でもさらに中程に位置づけられる、最も選別が困難である米)を99.4g、及び米粒の1/2程度の大きさのガラス片を200個混入することとし、これらに基準内の被選別物である正常な精白米を加えた試料10kgを作製した。
(試験方法)
上記試料10kgを、それぞれ実施例及び比較例の色彩選別機を用いて選別し、基準外の被選別物の選別率の評価を行った。
(試験結果)
(1)実施例
(ガラス片)
図6の実施例の色彩選別機による選別結果に示すように、実施例の色彩選別機は、ガラス片を全て選別できることが分かる(選別率100%)。
(被害粒(不良品))
また、図6から、実施例の色彩選別機は、被害粒についてもほぼ選別できることが分かる(0.3gの選別漏れであり、選別率は、(99.1/99.4)×100≒99.7%)。
なお、この選別漏れとなった0.3gの被選別物は中間品の中程のものの中でも良品よりの中間品(肉眼ではほとんど見えにくい、極めて微細な黒点がある米粒)であり、良品の中に含んでいても何ら問題になるものではない。
(2)比較例
(ガラス片)
図7の比較例の色彩選別機による選別結果に示すように、比較例の色彩選別機は、ガラス片を完全に選別することができないことが分かる(3個の選別漏れであり、選別率は、(197/200)×100≒98.5%)。
(被害粒(不良品))
また、図7から、比較例の色彩選別機は、被害粒についても多くの選別漏れが生じることが分かる(2.4gの選別漏れであり、選別率は、(97/99.4)×100≒97.6%)。
ここで、比較例の色彩選別機が不十分な選別となっている理由は、比較例の色彩選別機において、一部の被選別物が1次選別手段と2次選別手段との間で移動を繰り返す、いわゆる「ループ現象」が発生していることによる。
具体的には、先ず、<比較例>の(各選別手段における選別物(良品又は不良品と判定されたもの)の搬送先)の「(1)1次選別手段」において不良品と判定された被選別物が、「(2)2次選別手段」において良品と判定されて、再び「(3)1次選別手段(再選別1回目)」に搬送されることになる。しかしながら、「(3)1次選別手段(再選別1回目)」においても再び不良品と判定されることから、1次選別手段と2次選別手段との間で移動を繰り返すこととなる。
また、これと同じ現象が、「(3)1次選別手段(再選別1回目)」、「(4)2次選別手段(再選別1回目)」及び「(5)1次選別手段(再選別2回目)」においても発生していることから、前記「ループ現象」が発生し、その結果、被選別物中の不良品の混入率が高まり、空気噴射装置の噴出頻度では対応できなくなっているのである。
従って、「(6)2次選別手段(再選別2回目)」において最終的に良品として回収された被選別物の中にも、依然として不良品として判定されるべきである異物や異色粒等の基準外の選別物が混在することになるのである。
<ループ現象の評価>
(試料及び試験方法)
最も選別困難な良品と不良品の中間の更に中程の被害粒を100gと、正常な精白米を混合した試料10kg(不良率1%)を20ロット用意し、それぞれ1〜10番までの10ロットを実施例と比較例の色彩選別機において1ロットずつ連続して選別した。
そして、1次選別手段を通過する際の被選別物(比較例においては2次選別手段による選別を終えて再び1次選別手段に搬送されてくる被選別物と新たに投入されるロットとの混合物)中における不良品の量の推移と不良品の混入率の推移を計測した。なお、処理流量については一般的な処理流量(毎時3t)にて行った。
(試験結果)
(1)実施例
図8に示す色彩選別機の1次選別手段を通過する被選別物中の不良品の量の推移及び図9に示す1次選別手段を通過する被選別物中の不良品混入率の推移から、実施例の色彩選別機(実線)では、被選別物中の不良品の量及び不良品の混入率は常に一定(試料と同じ混入率)であることが分かる。
この理由は、実施例の色彩選別機では1次選別手段2aで選別されたものが再び1次選別手段2aに戻される構造ではないことから、ループ現象が発生せず、1次選別手段2aには絶えず新しいロットが投入されるためである。
また、実施例の色彩選別機では、選別に要した時間も投入した10ロットの全てにおいて同じ時間であった。
(2)比較例
図8に示す色彩選別機の1次選別手段を通過する被選別物中の不良品の量の推移から、比較例の色彩選別機(破線)では、1次選別手段を通過する被選別物中の不良品の量が徐々に増加することが分かる。
この理由は、2次選別手段に選別された被選別物(不良品が混入している状態となっている)が再び1次選別手段に搬送されるため、1次選別手段に次々に投入される新たなロットと加算されて被選別物の量が徐々に増え、1次選別手段を通過する被選別物中の不良品の量が徐々に増加するためである。
また、図9に示す1次選別手段を通過する被選別物中の不良品混入率の推移から、比較例の色彩選別機(破線)では、被選別物中の不良品の混入率も徐々に増加することが分かる。
この理由は、図8の破線のように不良品の量が増加するにつれて、空気噴射装置による圧縮空気の噴出頻度が追い付かなくなり、そのことが良品中に不良品の選別漏れを招くものである。
このように従来の色彩選別機においては、大量の被選別物を選別する工場では、図9の破線のように時間の経過とともに被選別物中の不良品の混入率が高まり、やがて空気噴射装置による圧縮空気の噴出頻度が追い付かない状況となって選別漏れを招く結果となる。また、運転開始時には所定の時間で選別処理が出来ていても、図8の破線のように徐々に2次選別手段から戻る不良品の量が累積されて被選別物の量が増加し、選別時間が長時間かかることになる。
補足すると、図8及び図9のデータは被選別物の10kgが、それぞれ1次選別手段を通過する時間を12秒に調整したものであり、実施例では10ロットが1次選別手段を通過するのに2分であったが比較例の場合は約2.5分(それも2次選別手段から戻ったものと次のロットと混合する時間を除いて)かかったが、いずれも極めて短時間の選別処理におけるデータである。
しかしながら、このような短時間の選別処理におけるデータであるにもかかわらず、比較例の色彩選別機の場合は僅か約2.5分の運転で1次選別手段を通過する被選別物の不良品の混入率が約3倍にも増加してしまったのである。尤もこの評価試験は不良品の混入率も高く、また試験に用いた不良品は2次選別手段において全量が良品と判定されて1次選別手段に戻される悪条件によるものであることが前提であるにしても、実際に精米工場におけるロットは大きいものでは約半日程度連続して流されるため、このようなロットの大きさに比例して比較例の色彩選別機における1次選別手段を通過する不良品の混入率が極めて高くなることは自明の理であり、本発明の色彩選別機が如何に「ループ現象」を有効に防止でき、その結果選別漏れ等を防止出来るものであるかが分かる。
以上のような本願発明の色彩選別機及び色彩選別方法によれば、選別手段2を3工程以上備え、後工程の選別手段から前工程の選別手段へ選別品の搬送が行われないので、従来の色彩選別機及び色彩選別方法のように1次選別手段にて不良品と判定された被選別物を2次選別手段にて再選別を行い、良品と判定された被選別物を再び1次選別手段に戻すような選別品の返送を行わないため、選別手段間で基準外の被選別物が移動を繰り返す「ループ現象」が発生しない。
従って、従来の色彩選別機及び色彩選別方法のように、ロットの大きさに比例して良品か不良品かの判別を先送りされた中間的不良品の量が多くなり、選別手段を通過する被選別物中の不良品の混入率が高くなることがない。
よって、「ループ現象」により被選別物中の不良品の混入率が増加し、空気噴射装置の特性から、圧縮空気の噴出頻度が追い付かなくなって生じる選別漏れ現象を無くすことができるとともに、選別率を大幅に向上することができる。
また、「ループ現象」に起因する、選別及びロット切替作業の長時間化等のタイムロスが無くなるとともに、極めて長時間に亘り選別作業が終了しないことから、機内に残留する被選別物をロット切替時に不良品側へ排出せざるを得ないため良品が捨てられてしまう良品ロスが無くなるため、プラントの設備効率が向上する。
さらに、ループ現象による空気噴射装置の噴気回数が減ることにより省エネにもなる。
さらにまた、例えば実施の形態1の図2及び実施の形態2の図3のように、選別手段を4工程以上備えた色彩選別機及び色彩選別方法によれば、4工程以上の選別手段を用いて、選別されて少量となった被選別物を後工程の選別手段に搬送して精密選別をする構成であるので、より精度の高い選別を行うことができることから、良品中に混入してしまう不良品等の混入率をさらに低下させることができるため、選別率がさらに向上する。
ここで、被選別物に不良品の混入率の高い場合への対応や選別率の向上を考慮すると、選別手段を5工程以上備えた構成がより好ましい実施態様である。
1 色彩選別機
2 選別手段
2a 1次選別手段
2b 2次選別手段
2c 3次選別手段
2d 4次選別手段
2e 5次選別手段
3 供給筒
4 フィーダ
5 シュート
6a 色判別センサ
6b 色判別センサ
7 対物用照明
8 バックグラウンド用照明
9 バックグラウンド
10 保護材
11 清掃部材
12 空気噴射装置
13 分離ホッパ
14 良品口
15 不良品口
16 圧縮空気噴射口
17 圧縮空気供給管
18 電磁弁
19 支持部材
20 振動センサ

Claims (6)

  1. 粒状の被選別物中の基準外の被選別物を選別するための、所定の閾値によって、空気噴射装置により空気を噴射して前記被選別物を閾値内と閾値外の2種類の選別品に選別する、前記被選別物を流下させる複数の溝を設けたシュートを有する選別手段を備えた色彩選別機であって、
    前記選別手段を4工程以上備え、
    1次選別手段によって選別された閾値内の選別品を2次選別手段へ搬送するとともに、1次選別手段によって選別された閾値外の選別品を3次選別手段へ搬送し、
    2次選別手段によって選別された閾値内の選別品を回収するとともに、2次選別手段によって選別された閾値外の選別品を3次選別手段へ搬送し、
    3次選別手段によって選別された閾値内の選別品を4次選別手段へ搬送するとともに、3次選別手段によって選別された閾値外の選別品を回収し、
    3次選別手段よりも後工程の選別手段において、その選別手段が最終工程の選別手段でない場合は、選別された閾値内の選別品を後工程の選別手段へ搬送するとともに、選別された閾値外の選別品を回収し、
    3次選別手段よりも後工程の選別手段において、その選別手段が最終工程の選別手段である場合は、閾値内の選別品と閾値外の選別品を分離してそれぞれを別個に回収することを特徴とする色彩選別機。
  2. 粒状の被選別物中の基準外の被選別物を選別するための、所定の閾値によって、空気噴射装置により空気を噴射して前記被選別物を閾値内と閾値外の2種類の選別品に選別する、前記被選別物を流下させる複数の溝を設けたシュートを有する選別手段を備えた色彩選別機であって、
    前記選別手段を4工程以上備え、
    1次選別手段によって選別された閾値内の選別品を3次選別手段へ搬送するとともに、1次選別手段によって選別された閾値外の選別品を2次選別手段へ搬送し、
    2次選別手段によって選別された閾値内の選別品を3次選別手段へ搬送するとともに、2次選別手段によって選別された閾値外の選別品を回収し、
    3次選別手段によって選別された閾値内の選別品を回収するとともに、3次選別手段によって選別された閾値外の選別品を4次選別手段へ搬送し、
    3次選別手段よりも後工程の選別手段において、その選別手段が最終工程の選別手段でない場合は、選別された閾値内の選別品を回収するとともに、選別された閾値外の選別品を後工程の選別手段へ搬送し、
    3次選別手段よりも後工程の選別手段において、その選別手段が最終工程の選別手段である場合は、閾値内の選別品と閾値外の選別品を分離してそれぞれを別個に回収することを特徴とする色彩選別機。
  3. 粒状の被選別物中の基準外の被選別物を選別するための、所定の閾値によって、空気噴射装置により空気を噴射して前記被選別物を閾値内と閾値外の2種類の選別品に選別する、前記被選別物を流下させる複数の溝を設けたシュートを有する複数工程の選別手段を備えた複数台の色彩選別機を直列に連結して構成される、4工程以上の選別手段を備えた色彩選別機であって、
    1次選別手段によって選別された閾値内の選別品を2次選別手段へ搬送するとともに、1次選別手段によって選別された閾値外の選別品を3次選別手段へ搬送し、
    2次選別手段によって選別された閾値内の選別品を回収するとともに、2次選別手段によって選別された閾値外の選別品を3次選別手段へ搬送し、
    3次選別手段によって選別された閾値内の選別品を4次選別手段へ搬送するとともに、3次選別手段によって選別された閾値外の選別品を回収し、
    3次選別手段よりも後工程の選別手段において、その選別手段が最終工程の選別手段でない場合は、選別された閾値内の選別品を後工程の選別手段へ搬送するとともに、選別された閾値外の選別品を回収し、
    3次選別手段よりも後工程の選別手段において、その選別手段が最終工程の選別手段である場合は、閾値内の選別品と閾値外の選別品を分離してそれぞれを別個に回収することを特徴とする色彩選別機。
  4. 粒状の被選別物中の基準外の被選別物を選別するための、所定の閾値によって、空気噴射装置により空気を噴射して前記被選別物を閾値内と閾値外の2種類の選別品に選別する、前記被選別物を流下させる複数の溝を設けたシュートを有する複数工程の選別手段を備えた複数台の色彩選別機を直列に連結して構成される、4工程以上の選別手段を備えた色彩選別機であって、
    1次選別手段によって選別された閾値内の選別品を3次選別手段へ搬送するとともに、1次選別手段によって選別された閾値外の選別品を2次選別手段へ搬送し、
    2次選別手段によって選別された閾値内の選別品を3次選別手段へ搬送するとともに、2次選別手段によって選別された閾値外の選別品を回収し、
    3次選別手段によって選別された閾値内の選別品を回収するとともに、3次選別手段によって選別された閾値外の選別品を4次選別手段へ搬送し、
    3次選別手段よりも後工程の選別手段において、その選別手段が最終工程の選別手段でない場合は、選別された閾値内の選別品を回収するとともに、選別された閾値外の選別品を後工程の選別手段へ搬送し、
    3次選別手段よりも後工程の選別手段において、その選別手段が最終工程の選別手段である場合は、閾値内の選別品と閾値外の選別品を分離してそれぞれを別個に回収することを特徴とする色彩選別機。
  5. 粒状の被選別物中の基準外の被選別物を選別するための、所定の閾値によって、空気噴射装置により空気を噴射して前記被選別物を閾値内と閾値外の2種類の選別品に選別する、前記被選別物を流下させる複数の溝を設けたシュートを有する選別手段を用いた色彩選別方法であって、
    前記選別手段を4工程以上備え、
    1次選別手段によって選別された閾値内の選別品を2次選別手段へ搬送するとともに、1次選別手段によって選別された閾値外の選別品を3次選別手段へ搬送し、
    2次選別手段によって選別された閾値内の選別品を回収するとともに、2次選別手段によって選別された閾値外の選別品を3次選別手段へ搬送し、
    3次選別手段によって選別された閾値内の選別品を4次選別手段へ搬送するとともに、3次選別手段によって選別された閾値外の選別品を回収し、
    3次選別手段よりも後工程の選別手段において、その選別手段が最終工程の選別手段でない場合は、選別された閾値内の選別品を後工程の選別手段へ搬送するとともに、選別された閾値外の選別品を回収し、
    3次選別手段よりも後工程の選別手段において、その選別手段が最終工程の選別手段である場合は、閾値内の選別品と閾値外の選別品を分離してそれぞれを別個に回収することを特徴とする色彩選別方法。
  6. 粒状の被選別物中の基準外の被選別物を選別するための、所定の閾値によって、空気噴射装置により空気を噴射して前記被選別物を閾値内と閾値外の2種類の選別品に選別する、前記被選別物を流下させる複数の溝を設けたシュートを有する選別手段を用いた色彩選別方法であって、
    前記選別手段を4工程以上備え、
    1次選別手段によって選別された閾値内の選別品を3次選別手段へ搬送するとともに、1次選別手段によって選別された閾値外の選別品を2次選別手段へ搬送し、
    2次選別手段によって選別された閾値内の選別品を3次選別手段へ搬送するとともに、2次選別手段によって選別された閾値外の選別品を回収し、
    3次選別手段によって選別された閾値内の選別品を回収するとともに、3次選別手段によって選別された閾値外の選別品を4次選別手段へ搬送し、
    3次選別手段よりも後工程の選別手段において、その選別手段が最終工程の選別手段でない場合は、選別された閾値内の選別品を回収するとともに、選別された閾値外の選別品を後工程の選別手段へ搬送し、
    3次選別手段よりも後工程の選別手段において、その選別手段が最終工程の選別手段である場合は、閾値内の選別品と閾値外の選別品を分離してそれぞれを別個に回収することを特徴とする色彩選別方法。
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