以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
まず、第1の実施形態に係る照明装置1について説明する。図1は、照明装置1の構成を示した概略図であり、図2は、照明装置1の回路構成を示したブロック図である。これらの図に示されるように、照明装置1は、本体10と、発光部20と、AC/DCコンバータ30と、電源切替部40と、バッテリ50と、充放電切替部60と、停電検出部70と、制御部80と、を備えている。
本体10は、発光部20およびAC/DCコンバータ30等の各部を収容するものであり、本実施形態では既存の直管蛍光灯と略同一の寸法形状に構成されている。すなわち、本実施形態の照明装置1は、既存の直管蛍光灯用のソケットに接続し、直管蛍光灯の代替として使用可能に構成されている。
すなわち、本体10は、既存の直管蛍光灯と略同一の長さの棒状に構成されると共に、両端部に適宜の規格の口金11が設けられており、この口金11を介して外部の交流電源(商用電源)100からの電力が照明装置1の各部に供給されるようになっている。また、通常時(非停電時)における照明装置1のON/OFF(点灯/非点灯)は、壁等に設けられた照明スイッチ110によって行うようになっている。
本体10の上側部分は、適宜の強度および剛性を有する支持部材12となっており、発光部20等の各部および口金11は、この支持部材12に取り付けられている。また本体10の下側部分は、断面が略円弧状の半透明のカバー部材13となっており、発光部20は、このカバー部材13によって覆われるようになっている。
発光部20は、基板21上に配置された複数のLED素子22を備え、通電により光を発するものである。基板21はLED素子22を下方に向けた状態で支持部材12の下側に固定されており、LED素子22の発する光は、カバー部材13を透過することで適宜に拡散されるようになっている。
AC/DCコンバータ30は、交流電源100から供給される交流電力を所定の電圧の直流電力に変換するものである。AC/DCコンバータ30は、出力側が電源切替部40および充放電切替部60に接続されている。AC/DCコンバータ30が変換した直流電力は、LED素子22の駆動用の電力として、電源切替部40を介して発光部20に供給される。AC/DCコンバータ30が変換した直流電力はまた、バッテリ50の充電用の電力として、充放電切替部60を介してバッテリ50に供給される。
電源切替部40は、制御部80に制御され、発光部20に供給する直流電力を、AC/DCコンバータ30からの直流電力と充放電切替部60からの直流電力の間で切り替えるものである。すなわち、電源切替部40は、発光部20に供給する電力の供給源を交流電源100とバッテリ50の間で切り替えるものである。
バッテリ50は、交流電源100によって充電可能な二次電池であり、停電時における発光部20への電力供給源として機能するものである。充放電切替部60は、制御部80に制御され、バッテリ50の充電および放電(すなわち、発光部20への電力の供給)を切り替えるものである。
なお、上述の本体10、発光部20、AC/DCコンバータ30、電源切替部40、バッテリ50、および充放電切替部60は、既知の適宜の構成のものを採用することが可能であるため、詳細な説明は省略する。
停電検出部70は、交流電源100の停電を検出するものであり、高周波トランス71と、双方向性ダイオード72と、コンデンサ73と、抵抗74と、を備えて構成されている。高周波トランス71は、一次コイル71aが交流電源100に接続され、二次コイル71bが制御部80に接続されている。双方向性ダイオード72は、高周波トランス71の一次コイル71aと並列に接続されている。コンデンサ73は、双方向性ダイオード72よりも交流電源100側において一次コイル71aの一側に直列に接続されている。抵抗74は、双方向性ダイオード72よりも交流電源100側において一次コイル71aの他側に直列に接続されている。
本実施形態では、停電検出部70をこのように構成することで、交流電源100の停電を簡便に検出することを可能としている。具体的には、交流電源100と制御部80の間に高周波トランス71を設けることで、通常時の50または60Hzの周波数の交流電力を遮断して制御部80に伝えないようにしつつ、停電時に2本の電源ケーブル101、102の間のインピーダンスおよびリアクタンスにより生じる高周波(例えば、数百Hz〜数十kHz)の微弱電流を制御部80に出力(送信)することが可能となる。
すなわち、高周波トランス71を設けることで、通常時には制御部80に信号が出力されず、停電時にのみ制御部80に信号を出力することが可能となる。さらに、高周波トランス71と双方向性ダイオード72、コンデンサ73および抵抗74を組み合わせた上述の回路構成とすることで、停電時に生じる高周波の微弱電流のうちの所望の周波数成分(例えば、数kHz)を抽出して制御部80に出力することが可能となる。
なお、本実施形態では、交流電源100の電圧として一般的な商用電源の電圧を含む90〜260Vを想定し、高周波トランス71としてインダクタンスが25mHのものを、双方向性ダイオード72として順方向電圧が3.7Vの2つのダイオードを、コンデンサ73として容量が3300pFのものを、抵抗74として抵抗値が1.8Ωのものを使用しているが、各部品の仕様がこれらに限定されないことはいうまでもない。また、双方向性ダイオード72に代えて、適宜の抵抗値を有する抵抗を使用するようにしてもよい。
制御部80は、既知のマイコン等から構成され、照明装置1の各部を制御するものである。制御部80は、停電検出部70から信号を入力(受信)していない場合、すなわち通常時には、電源切替部40を、AC/DCコンバータ30からの直流電力を発光部20に供給する状態とする。これにより発光部20は、交流電源100が供給する電力によって点灯し、照明スイッチ110によってON/OFFが可能となる。すなわち、照明装置1を通常照明として使用することができる。
制御部80はまた、停電検出部70から信号を入力しておらず、且つバッテリ50の充電量が所定の下限値以下の場合、充放電切替部60をAC/DCコンバータ30からの直流電力をバッテリ50に供給する状態とする。これによりバッテリ50は、照明スイッチ110がONの場合、すなわち発光部20が点灯している場合には、交流電源100によって充電されることとなる。
制御部80は、その後、バッテリ50の充電量が所定の上限値に達したならば充電を停止し、自然放電等によってバッテリ50の充電量が所定の下限値まで低下したならば充電を開始する制御を繰り返す。これにより、バッテリ50の充電量は所定の下限値以上に保持されることとなる。
制御部80はまた、停電検出部70からの信号の入力が一定時間(例えば3秒間)継続した場合に、交流電源100に停電が発生したと判定し、充放電切替部60をバッテリ50からの直流電力を電源切替部40に供給する状態とすると共に、電源切替部40を充放電切替部60からの直流電力を発光部20に供給する状態とする。これにより、発光部20は、バッテリ50によって点灯することとなる。
本実施形態では、このように停電検出部70から一定時間継続して信号を入力した場合に制御部80が停電が発生したと判定することで、商用電源において比較的頻繁に発生する瞬停を除外して停電検出の精度を高めるようにしている。
また、本実施形態では、照明スイッチ110がOFFの場合には、微弱電流が停電検出部70内を流れなくなるため、交流電源100が停電していても停電検出部70は制御部80に信号を送信しないようになっている。すなわち、本実施形態では、停電発生時に発光部20が点灯していなかった場合には、停電発生後も発光部20は点灯しないようになっている。このようにすることで、例えば停電発生時に室内や施設内全体が無人であるにも関わらず照明装置1がバッテリ50によって点灯するといった無駄をなくすことが可能となる。
なお、停電の発生後であっても、照明スイッチ110をOFFからONにすることで停電検出部70内に微弱電流が流れるようになるため、発光部20をバッテリ50によって点灯させることができる。また、再度照明スイッチ110をOFFにすることで、発光部20を消灯させることができる。すなわち、本実施形態では、停電中においても照明スイッチ110によって照明装置1をON/OFFすることが可能となっている。
交流電源100が停電から復帰した場合、停電検出部70は、制御部80に信号を出力しなくなる。制御部80は、停電検出部70からの信号の入力が一定時間(例えば3秒間)継続してなされなかった場合に、交流電源100が停電から復帰したと判定し、充放電切替部60をバッテリ50を充電可能な状態とすると共に、電源切替部40をAC/DCコンバータ30からの直流電力を発光部20に供給する状態とする。これにより、発光部20は、交流電源100によって点灯することとなる。また、バッテリ50の充電量が所定の下限値以下に低下していた場合、バッテリ50の充電が開始される。
このように、本実施形態によれば、複雑な制御構成を採用することなく、簡便に停電を検出して発光部20への電力供給源をバッテリ50に切り替えることが可能となっている。また、本実施形態では、照明スイッチ110がOFFの場合には停電が発生しても発光部20は点灯しないようになっており、さらに、停電中においても照明スイッチ110によって照明装置1をON/OFFすることが可能であるため、照明装置1を効率的に使用することが可能となっている。
なお、制御部80等を動作させるための電力は、バッテリ50から供給するようにしてもよいし、別途専用のバッテリを設けるようにしてもよい。また、本体10を電球用のソケットに接続可能に構成し、照明装置1を電球の代替として使用可能に構成するようにしてもよい。
次に、第2の実施形態に係る照明装置2について説明する。本実施形態に係る照明装置2は、第1の実施形態に係る照明装置1に検出機能拡張部90および取外し検出部91を追加したものであり、その他の構成は照明装置1と共通である。従って、以下の説明においては、照明装置1と共通の部分については同一の符号を付すと共にその説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
図3(a)は、照明装置2の回路構成を示したブロック図であり、図3(b)は、照明装置2の口金11周辺を示した概略図である。本実施形態では、検出機能拡張部90および取外し検出部91を設けることで、交流電源100の停電を検出した場合に電力供給源を自動的にバッテリ50に切り替えて発光部20を点灯させるだけでなく、本体10が蛍光灯用ソケットから取り外された場合にも電力供給源を自動的にバッテリ50に切り替えて発光部20を点灯させるようにしている。これにより、本実施形態の照明装置2は、停電時に持ち運び可能な電灯としても機能するようになっている。
検出機能拡張部90は、停電検出部70の機能を拡張し、停電の検出以外の各種条件によっても停電検出部70に信号を出力させることを可能とするものである。検出機能拡張部90は、図3(a)に示されるように、停電検出部70よりも交流電源100側において停電検出部70と並列に接続されており、互いに直列に接続された補助コンデンサ90aおよび検出スイッチ90bを備えている。従って、補助コンデンサ90aは、検出スイッチ90bがONの状態(接続状態)で停電検出部70の一次コイル71aと並列に接続され、検出スイッチ90bがOFFの状態(遮断状態)で一次コイル71aから遮断されるようになっている。
すなわち、検出機能拡張部90は、検出スイッチ90bをONにし、補助コンデンサ90aを一次コイル71aと並列に接続することで、停電時と同様に高周波の微弱電流を発生させ、この結果、停電検出部70が制御部80に向けて信号を出力するように構成されている。従って、制御部80は、検出スイッチ90bが一定時間(例えば3秒間)継続してONとなった場合においても、充放電切替部60をバッテリ50からの直流電力を電源切替部40に供給する状態とすると共に、電源切替部40を充放電切替部60からの直流電力を発光部20に供給する状態とすることとなる。なお、本実施形態では、補助コンデンサ90aとして容量が0.1μFのものを使用しているが、補助コンデンサ90aの容量がこれに限定されないことはいうまでもない。
取外し検出部91は、本体10がソケットから取り外されたことを検出するためのものである。取外し検出部91は、図3(b)に示されるように、口金11に設けられており、口金11をソケットに接続した場合にソケットに押圧されることで検出スイッチ90bをOFFとし、口金11がソケットから外されて押圧が解除されることで検出スイッチをONとする(ONに自動復帰する)ように構成されている。従って、停電検出部70は、本体10がソケットから取り外された場合にも制御部80に信号を出力することとなり、発光部20は、本体10のソケットからの取り外しから一定時間の経過後、バッテリ50によって自動的に点灯することとなる。
このように、本実施形態では、検出機能拡張部90および取外し検出部91を備えることで、停電時の暗闇の中でのスイッチ操作を必要とすることなく、照明装置2を点灯させて持ち運ぶことが可能となっている。また、本実施形態では、本体10がソケットから取り外された場合にも停電時と同様に停電検出部70から制御部80に信号が送信されるように検出機能拡張部90および取外し検出部91を構成しているため、制御構成を複雑化することなく、本体10のソケットからの取り外しを検出することが可能となっている。
また、本実施形態では、本体10をソケットから取り外した状態のまま、指等で取外し検出部91を一定時間押圧することで、バッテリ50によって点灯していた発光部20を消灯させることも可能となっている。すなわち、取外し検出部91は、照明装置2を持ち運んで使用する際に発光部20を点灯または消灯させるON/OFFスイッチとしても機能するようになっており、使い勝手に優れたものとなっている。
なお、照明装置2の保管時には、取外し検出部91を押圧する適宜のキャップ等を口金11に装着し、検出スイッチ90bがOFF状態に維持されるようにすることで、発光部20が点灯しないようにすることができる。また、補助コンデンサ90aに代えて適宜の抵抗値を有する補助抵抗を設けるようにしてもよい。
次に、第3の実施形態に係る照明システム3について説明する。本実施形態に係る照明システム3は、照明装置4と、補助停電検出装置120と、から構成され、照明装置4は、第1の実施形態に係る照明装置1に、検出機能拡張部90と、通信部92と、検出スイッチ切替部93と、を追加したものとなっている。従って、以下の説明においては、照明装置1または2と共通の部分については同一の符号を付すと共にその説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
図4は、照明システム3の回路構成を示したブロック図である。照明装置4の備える通信部92は、例えば赤外線や電波の送受信によって補助停電検出装置120と通信を行うものである。また、検出スイッチ切替部93は、例えばリレー等の既知の構成を備え、通信部92が補助停電検出装置120から送信された信号を受信している場合に検出機能拡張部90の検出スイッチ90bをONとし、通信部92が補助停電検出装置120からの信号を受信していない場合に検出機能拡張部90の検出スイッチ90bをOFFとするように構成されている。
すなわち、本実施形態の照明装置4は、外部の補助停電検出装置120から送信された信号を受信した場合にも、停電検出部70が制御部80に信号を出力するように構成されている。従って、制御部80は、補助停電検出装置120からの信号を一定時間(例えば3秒間)継続して受信した場合においても、充放電切替部60をバッテリ50からの直流電力を電源切替部40に供給する状態とすると共に、電源切替部40を充放電切替部60からの直流電力を発光部20に供給する状態とすることとなる。
補助停電検出装置120は、照明スイッチ110のようなスイッチを有さない系統(電源ケーブル103、104)を介して交流電源100に接続され、照明装置4の停電検出部70とは別個に停電検出を行うものである。補助停電検出装置120は、補助装置側通信部121と、補助停電検出部122と、補助装置制御部123と、を備えている。
補助装置側通信部121は、照明装置4の通信部92と通信を行うものである。補助停電検出部122は、交流電源100に接続され、例えば停電に伴う電圧低下を検出することによって交流電源100の停電を検出するものである。補助停電検出装置120においては、補助停電検出部122と交流電源100の間にスイッチが存在しないため、電圧低下の検出等の簡便な手法により停電を検出することが可能となっている。補助停電検出部122は、交流電源100の停電を検出した場合に、補助装置制御部123に信号を出力する。
補助装置制御部123は、既知のマイコン等から構成され、補助停電検出装置120の各部を制御するものである。補助装置制御部123は、補助停電検出部122が停電を検出している場合に、補助装置側通信部121を制御して照明装置4に向けて信号を送信する。また、補助装置制御部123は、補助停電検出部122が停電を検出していない場合には、信号を送信しないように補助装置側通信部121を制御する。
従って、照明装置4の制御部80は、補助停電検出装置120の補助停電検出部122が一定時間(例えば3秒間)継続して停電を検出した場合、交流電源100に停電が発生したと判定し、充放電切替部60をバッテリ50からの直流電力を電源切替部40に供給する状態とすると共に、電源切替部40を充放電切替部60からの直流電力を発光部20に供給する状態とする。これにより、発光部20は、バッテリ50によって点灯することとなる。
このように、本実施形態によれば、例えば交流電源100と照明装置4を接続する電源ケーブル101、102の状態や、電源ケーブル101、102に接続された他の機器等の影響により停電時の微弱電流が発生しにくいような場合にも、補助停電検出装置120によって確実に停電を検出することが可能となっている。また、補助停電検出装置120は、照明装置4近傍のコンセント等に常時接続しておくだけでよいため、簡便さを維持したまま確実な停電の検出が可能となっている。
なお、図示は省略しているが、補助停電検出装置120は、補助装置制御部123等を動作させるための電力供給源としてのバッテリと、交流電源100からの交流電力を変換して充電用の直流電力をバッテリに供給するAC/DCコンバータと、補助装置制御部123に制御されてバッテリの充放電を切り替える充放電切替部と、を備えている。
また、本実施形態の照明システム3は、複数の照明装置4を有するものであってもよく、この場合、照明装置4ごとに補助停電検出装置120を設けるようにしてもよいし、複数の照明装置4に対して1つの補助停電検出装置120を設けるようにしてもよい。また、照明装置4に取外し検出部91を設けるようにしてもよい。
また、補助装置側通信部121からの信号の送信は、上述のように補助停電検出部122が停電を検出している期間中に継続して信号を送信するようにしてもよいし、補助停電検出部122が停電を検出した場合に検出スイッチ90bをONにする信号を送信し、補助停電検出部122が停電からの復帰を検出したときに検出スイッチ90bをOFFにする信号を送信するようにしてもよい。
さらに、補助停電検出装置120を、通常時(非停電時)に補助装置側通信部121から信号を連続的または断続的に送信し、停電時には補助装置側通信部121から信号を送信しないように構成すると共に、検出スイッチ切替部93を、通信部92が補助停電検出装置120からの信号を受信している場合に検出スイッチ90bをOFFとし、通信部92が補助停電検出装置120からの信号を受信していない場合に検出スイッチ90bをONとするように構成してもよい。この場合、補助停電検出部122および補助装置制御部123の構成をさらに簡素化すると共に、補助停電検出装置120からバッテリを省略することが可能となる。
次に、第4の実施形態に係る照明システム5について説明する。本実施形態に係る照明システム5は、第3の実施形態に係る照明システム3において、照明装置4を照明装置6に置き換えたものであり、照明装置6は、照明装置4に遮断検出部94および装置切離部95を追加したものとなっている。従って、以下の説明においては、照明システム3と共通の部分については同一の符号を付すと共にその説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
図5は、照明システム5の回路構成を示したブロック図である。照明装置6の備える遮断検出部94は、検出機能拡張部90よりも交流電源100側において交流電源100に接続され、電圧低下の検出等の簡便な手法により交流電源100からの電力供給が遮断されたことを検出するものである。すなわち、遮断検出部94は、停電と照明スイッチ110がOFFの状態(遮断状態)とを区別せずに、交流電源100から照明装置6への電力供給の遮断を検出する。
装置切離部95は、遮断検出部94が交流電源100からの電力供給の遮断を検出したことに基づいて、停電検出部70および検出機能拡張部90を電源ケーブル102(すなわち、交流電源100に繋がる系統)から切り離すものである。具体的に装置切離部95は、電源ケーブル102側の検出機能拡張部90と遮断検出部94の間に設けられた切離スイッチ95aと共に例えばリレー等の既知の構成を備え、遮断検出部94が電力供給の遮断を検出していない場合に切離スイッチ95aをON(接続状態)とし、遮断検出部94が電力供給の遮断を検出した場合に切離スイッチ95aをOFF(遮断状態)とするように構成されている。
これにより、照明システム5においては、停電時に電源ケーブル101、102の間のインピーダンスおよびリアクタンスによりに生じる高周波の微弱電流は装置切離部95によってカットされ、停電検出部70は、検出機能拡張部90の生成する高周波の微弱電流のみに基づいて制御部80に向けて信号を出力するようになっている。すなわち、照明システム5では、補助停電検出装置120のみによって停電を検出するようにしている。このような構成とすることで、照明装置6と交流電源100の接続状況によらず、照明スイッチ110がOFFの状態を停電と誤検出する可能性を大幅に低減することが可能となる。
図6(a)および(b)は、照明スイッチ110がOFFの状態を停電と誤検出する可能性が高まる接続状況の例を示したブロック図である。例えば、図6(a)に示されるように複数の照明装置6を同一の系統(電源ケーブル101、102)に接続した場合、または図6(b)に示されるように照明装置6と他の機器130を同一の系統に接続した場合、照明装置6同士または照明装置6と他の機器を繋ぐ閉回路L1〜L4が系統内に存在することとなる。このような閉回路L1〜L4内では、電力供給の遮断時に機器間の干渉等によって高周波の微弱電流が発生しやすいため、照明スイッチ110がOFFの状態においても高周波の微弱電流が発生する可能性が高まることとなる。すなわち、照明スイッチ110がOFFの状態を停電と誤検出する可能性が高まることとなる。
このため、本実施形態の照明システム5では、停電が発生した場合および照明スイッチ110がOFFの場合のいずれにおいても、停電検出部70および検出機能拡張部90を電源ケーブル102から切り離すことで、系統内の閉回路L1〜L4内に発生した高周波の微弱電流が停電検出部70に流入するのを防止し、補助停電検出装置120によってのみ停電を検出するようにしている。このようにすることで、照明装置6と交流電源100の接続状況によらず、停電検出の精度を高めることが可能となる。また、停電検出部70を変更する必要がないため、高精度な停電検出を簡便且つ安価に実現することが可能となっている。なお、切離スイッチ95aを電源ケーブル101側に設けるようにしてもよいことはいうまでもない。
次に、第5の実施形態に係る照明システム7について説明する。本実施形態に係る照明システム7は、第4の実施形態に係る照明システム5において、補助停電検出装置120を補助停電検出装置120aに置き換えたものであり、補助停電検出装置120aは、補助停電検出装置120に照度検出部124を追加したものとなっている。従って、以下の説明においては、照明システム5と共通の部分については同一の符号を付すと共にその説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
図7は、照明システム7の回路構成を示したブロック図である。上述のように、補助停電検出装置120aの備える照度検出部124は、既知の照度センサ(光センサ)から構成され、周囲の照度(明るさ)を検出するものである。そして、本実施形態の補助停電検出装置120aの備える補助装置制御部123は、補助停電検出部122が停電を検出し、且つ照度検出部124が検出した周囲の照度が所定の閾値以下の場合に、補助装置側通信部121を制御して照明装置6に向けて信号を送信する。また、補助装置制御部123は、補助停電検出部122が停電を検出しているか否かに関わらず、照度検出部124が検出した周囲の照度が所定の閾値よりも大きい場合には、信号を送信しないように補助装置側通信部121を制御する。
このようにすることで、停電検出の精度を高めることが可能となる。すなわち、交流電源100の停電時には、交流電源100を電力の供給源とする周囲の全ての照明装置等が消灯することとなるが、電力供給系統の局所的な不具合や遮断機による電力供給の遮断の場合には、点灯したままの照明装置等が周囲に存在する可能性が高いため、適宜の位置に配置した補助停電検出装置120の周囲の照度を検出することで、停電をその他の不具合等とは区別して検出することが可能となる。
また、本実施形態では、遮断検出部94および装置切離部95を備える照明装置6を使用することで、照明スイッチ110がOFFの状態でも高精度に停電を検出可能としながらも、例えば昼間の停電等、周囲が十分に明るいために発光部20を点灯させる必要がない場合には、発光部20を点灯させないようにすることが可能となる。これにより、照明装置6のバッテリ50が無駄に消費されないようにすることができる。
なお、照明装置6の発光部20の発する光を受ける位置に照度検出部124を配置する場合、例えば、補助停電検出部122が停電を検出し、且つ照度検出部124が検出した周囲の照度が所定の閾値以下である状態が一定時間(例えば3秒間)継続した後は、補助停電検出部122が停電を検出しているか否かのみに基づいて検出機能拡張部90の検出スイッチ90bのON/OFFを切り替えるように、補助装置側通信部121による信号の送信を制御すればよい。また、照明装置6に代えて照明装置4を使用するようにしてもよいことはいうまでもない。
次に、第6の実施形態に係る照明システム8について説明する。本実施形態に係る照明システム8は、第5の実施形態に係る照明システム7において、補助停電検出装置120aを補助停電検出装置120bに置き換えたものであり、補助停電検出装置120bは、補助停電検出装置120aから補助停電検出部122を省略したものとなっている。従って、以下の説明においては、照明システム7と共通の部分については同一の符号を付すと共にその説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
図8は、照明システム8の回路構成を示したブロック図である。本実施形態の補助停電検出装置120bでは補助停電検出部122を省略しているため、補助装置制御部123は、照度検出部124の検出した周囲の照度が所定の閾値以下である場合に、補助装置側通信部121を制御して照明装置6に向けて信号を送信する。また、補助装置制御部123は、照度検出部124が検出した周囲の照度が所定の閾値よりも大きい場合には、信号を送信しないように補助装置側通信部121を制御する。
このようにすることで、より簡便に停電を検出することが可能となる。すなわち、照度検出部124を、交流電源100を電力の供給源とする装置の発する光、および太陽光の少なくともいずれか一方を常に受ける位置に配置することで、周囲の照度の検出のみで停電を検出することが可能となる。具体的には、例えば昼間は太陽光を受け、夜間は常夜灯や街灯等からの光を受ける位置に照度検出部124を配置するようにすればよい。
また、照明システム8に含まれる照明装置6が常夜灯や街灯等として使用される場合には、照度検出部124を照明装置6の発光部20が発する光を受ける位置に配置することもできる。この場合、例えば照度検出部124が検出した周囲の照度が所定の閾値以下である状態が一定時間(例えば3秒間)継続した後は、検出機能拡張部90の検出スイッチ90bがONの状態を一定時間(例えば30分間)継続させる、または手動のリセット操作が行われるまで継続させるように、補助装置側通信部121による信号の送信を制御すればよい。
また、本実施形態の補助停電検出装置120bは、必ずしも交流電源100に接続する必要はないため、補助停電検出装置120bを他の電源に接続するようにしてもよいし、バッテリのみによって補助停電検出装置120bを駆動するようにしてもよい。また、通常時は常に光を受ける位置に照度検出部124が配置されることから、ソーラーセル(太陽電池)によってバッテリを充電するようにしてもよい。すなわち、本実施形態では、補助停電検出装置120bの配置が交流電源100の構成によって制限されないため、補助停電検出装置120bを適切な位置に配置することが可能となっている。
以上説明したように、上記実施形態に係る照明装置1、2、4および6は、通電により光を発する発光部20と、電力を蓄えるバッテリ50と、発光部20への電力の供給源を外部の交流電源100とバッテリ50の間で切り替える電源切替部40と、交流電源100の停電を検出した場合に信号を送信する停電検出部70と、停電検出部70からの信号の受信に基づいて、発光部20への電力の供給源を交流電源100からバッテリ50に切り替えるように電源切替部40を制御する制御部80と、を備え、停電検出部70は、交流電源100に接続される一次コイル71aおよび制御部80に接続される二次コイル71bを有する高周波トランス71を備えている。
このような構成とすることで、通常時の交流電力を遮断して制御部80に伝えないようにしつつ、停電時に2本の電源ケーブル101、102の間のインピーダンスおよびリアクタンスにより生じる高周波の微弱電流を制御部80に出力することが可能となるため、複雑な制御構成を採用することなく簡便に停電を検出し、発光部20への電力供給源をバッテリ50に切り替えて点灯させることができる。
また、照明装置2、4および6は、停電検出部70の検出機能を拡張する検出機能拡張部90を備え、検出機能拡張部90は、停電検出部70よりも交流電源100側において一次コイル71aと並列に接続される補助コンデンサ90aまたは補助抵抗と、補助コンデンサ90aまたは補助抵抗と直列に接続され、補助コンデンサ90aまたは補助抵抗と一次コイル71aの接続および遮断を切り替える検出スイッチ90bと、を備えている。このようにすることで、ソケットからの取り外しや外部からの信号の受信等の各種条件に基づいて停電検出部70に信号を出力させ、発光部20をバッテリ50によって点灯させることが可能となるため、制御構成を複雑化することなく、照明装置2、4および6の使い勝手および汎用性を高めることができる。
また、照明装置4および6は、外部から送信された信号を受信する通信部92と、通信部92における外部からの信号の受信状態に基づいて、検出スイッチ90bを遮断状態から接続状態に切り替える検出スイッチ切替部93と、を備えている。このようにすることで、外部からの信号の受信状態に基づいて停電検出部70に信号を出力させ、発光部20をバッテリ50によって点灯させることが可能となるため、制御構成を複雑化することなく、照明装置4および6の使い勝手および汎用性を高めることができる。
また、照明装置6は、交流電源100からの電力供給の遮断を検出する遮断検出部94と、遮断検出部94が電力供給の遮断を検出したことに基づいて、停電検出部70および検出機能拡張部90を交流電源100に繋がる系統から切り離す装置切離部95と、を備えている。このようにすることで、補助停電検出装置120によってのみ停電を検出することが可能となるため、照明装置6と交流電源100の接続状況によらず、停電検出の精度を高めることができる。また、制御構成を複雑化することなく、高精度な停電検出を実源することができる。
また、照明装置1、2、4および6は、蛍光灯用または電球用のソケットに接続可能な本体10を備えている。このようにすることで、既存の蛍光灯または電球の代替として使用することが可能となるため、照明装置1、2および4の設置を容易にすると共に汎用性を高めることができる。
また、照明装置2は、蛍光灯用または電球用のソケットに接続可能な本体10と、本体10がソケットに接続されている場合に検出スイッチ90bを遮断状態とし、本体10がソケットから取り外されている場合に検出スイッチ90bを接続状態とする取外し検出部91と、を備えている。このようにすることで、停電時の暗闇の中でのスイッチ操作を必要とすることなく、照明装置2を点灯させて持ち運ぶことが可能となるため、照明装置2の使い勝手を高めることができる。
また、制御部80は、停電検出部70による停電の検出が一定時間継続した場合に、発光部20への電力の供給源を交流電源100からバッテリ50に切り替えるように電源切替部40を制御する。このようにすることで、瞬停を除外して停電検出の精度を高めることができる。
また、停電検出部70は、一次コイル71aと並列に接続される双方向性ダイオード72または抵抗と、双方向性ダイオード72よりも交流電源100側において一次コイル71aの一側に直列に接続されるコンデンサ73と、双方向性ダイオード72よりも交流電源100側において一次コイル71aの他側に直列に接続される抵抗74と、を備えている。このようにすることで、停電時に生じる高周波の微弱電流のうちの所望の周波数成分を抽出して制御部80に出力することが可能となるため、停電を簡便に検出することができる。
また、上記実施形態に係る照明システム3、5および7は、照明装置4または6と、照明装置4または6とは別に設けられる補助停電検出装置120または120aと、を備え、補助停電検出装置120または120aは、照明装置4または6とは別系統を介して交流電源100に接続され、停電を検出する補助停電検出部122と、通信部92に向けて信号を送信する補助装置側通信部121と、補助停電検出部122が停電を検出したことに基づいて、検出スイッチ90bを接続状態とするように補助装置側通信部121による信号の送信を制御する補助装置制御部123と、を備えている。
このような構成とすることで、簡便な制御構成でありながらも、照明装置4と交流電源100の接続状況に影響されることなく確実に停電を検出し、発光部20への電力供給源をバッテリ50に切り替えて点灯させることができる。
また、照明システム7の補助停電検出装置120aは、周囲の照度を検出する照度検出部124を備え、補助装置制御部123は、補助停電検出部122が停電を検出し、且つ照度検出部124が検出した周囲の照度が所定の閾値以下であることに基づいて、検出スイッチ90bを接続状態とするように補助装置側通信部121による信号の送信を制御する。このようにすることで、停電をその他の不具合等とは区別して検出することが可能となるため、停電検出の精度を高めることができる。また、周囲が十分に明るいような場合に発光部20を点灯させないようにすることが可能となるため、バッテリ50の無駄な消費を防ぐことができる。
また、上記実施形態に係る照明システム8は、照明装置4または6と、照明装置4または6とは別に設けられる補助停電検出装置120bと、を備え、補助停電検出装置120bは、交流電源100を電力の供給源とする装置の発する光および太陽光の少なくともいずれか一方を常に受ける位置に配置され、周囲の照度を検出する照度検出部124と、通信部92に向けて信号を送信する補助装置側通信部121と、照度検出部124が検出した周囲の照度が所定の閾値以下であることに基づいて、検出スイッチ90bを接続状態とするように補助装置側通信部121による信号の送信を制御する補助装置制御部123と、を備えている。
このような構成とすることで、周囲の照度の検出のみで停電を検出することが可能となるため、より簡便に停電を検出することができる。また、補助停電検出装置120bを交流電源100に接続する必要がないため、補助停電検出装置120bを適切な位置に配置することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の照明装置および照明システムは、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、本体10の形状および各部の配置構成は,上記実施形態において示したものに限定されず、任意の形状および配置構成を採用することができる。
また、上記実施形態においては、本体10を蛍光灯用ソケットまたは電球用ソケットに接続可能に構成した場合の例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その他の各種ソケットや端子等を介して交流電源100に接続されるものであってもよい。また、上記実施形態では、照明装置1、2、4および6の各部を一体的に構成した場合の例を示したが、例えばバッテリ50および充放電切替部60等、一部を別体的に構成するようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、光源としてLED素子22を備える発光部20を設けた場合の例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、発光部20は、例えば蛍光灯、発熱電球または有機EL等、その他の光源を備えるものであってもよい。また、光源の配置構成が限定されないことは言うまでもなく、複数の光源を別体的に配置するようにしてもよい。
また、上記実施形態において示した作用および効果は、本発明から生じる最も好適な作用および効果を列挙したものに過ぎず、本発明による作用および効果は、これらに限定されるものではない。