JP5911293B2 - 皮膚外用剤 - Google Patents

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本発明は、化粧料(但し、医薬部外品を含む)等に好適な皮膚外用剤に関し、詳しくは、1)下記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及びそれらの薬理学的に許容される塩から選択される1種以上と、2)アドバンスド・グリケション・エンドプロダクツ(AGEs:Advanced glycation end-products)分解剤とを含有する皮膚外用剤に関す
る。
Figure 0005911293
(1)
[式中、R は、水素原子、炭素数1〜8の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、R は、
水素原子、炭素数1〜4の直鎖若しくは分岐のアルキル基、無置換若しくは置換基を有する芳香族基、又は無置換若しくは置換基を有する芳香族基により置換された炭素数1〜4の直鎖若しくは分岐のアルキル基を表し、R は、無置換又は置換基を有する芳香族基を表し、mは、0〜3の整数、nは、1又は2の整数を表す。]
シワやたるみ等の皮膚の物理的形状変化、しみやくすみ等の外観変化、肌の透明感やつやの低下等の肌の質感の低下などは、加齢と共に顕在化する肌症状であり、単独よりはむしろ複雑に絡み合いながら皮膚老化現象として認識される。この様な皮膚症状の悪化は、他人が抱く印象に大きな影響を与えるため、肌の美観を美しく保つことは、人々の重要な関心事である。このため、皮膚老化現象を予防又は改善し、若々しい肌を取り戻す手段を求め、多様な研究が行われているが、現状においては、十分に満足のいく手段を得るには至っていない。
この様な皮膚老化現象を予防又は改善する作用機序のひとつとして、終末糖化産物(AGEs:Advanced Glycation End-products)が注目されている。1912年にL.C.Mallardにより発見された、アミノ酸及び還元糖の非酵素的な縮合反応の結果生じるAGEsには、その特性が異なる数十種類の化合物(例えば、クロスリン、ピロピリジン、ペントシジン、ピラリン、カルボキシメチルリジンなど)が存在し、様々な性質を示すことが知られている。AGEsに関しては、糖尿病性血管合併症、動脈硬化、アルツハイマ−病などの様々な疾患との関連性が報告されている(例えば、非特許文献1を参照)。また、皮膚のAGEsに付いては、表皮(例えば、特許文献1を参照)及び真皮中における存在、更には、真皮AGEsの産生を抑制することによるくすみ等の色素沈着の予防又は改善作用(例えば、特許文献2を参照)が知られている。一方、角層中にAGEsが存在すること、並びに、その生物活性に付いては、解明されるに至っていない。このため、角層AGEsには、従来の皮膚中AGEsとは異なる作用機序を介する生物活性が発現する可能性が存在し、角層AGEsに働きかける成分には、前述の皮膚老化現象を予防又は改善効果が期待出来る。
また、生体を構成する蛋白質は、ほとんどの場合、必須アミノ酸と呼ばれる側鎖の異なる20種類のα−アミノ酸により構成されている。前記α−アミノ酸は、生体成分を構成する働きに加え、生体における多様な生物活性に関与することが知られている。前記α−アミノ酸の内、システイン及びその誘導体は、その分子構造中に硫黄原子を含むため、他のα−アミノ酸とは異なる生物活性が期待され、実際に、医薬品、化粧品、食品等の多岐に渡る分野への応用がなされている。しかしながら、硫黄原子を含有するα−アミノ酸誘導体は、化粧料等に配合した場合に、アミノ酸それ自身、又は、皮膚外用剤等の組成物における安定性が悪く、さらに、分解物による異臭が発生する等の問題が生じることも少なくないため、その使用が制限されることが多い。さらに、システイン酸誘導体に付いて述べれば、システイン酸及びその窒素原子上に脂肪族アシル基を有するシステイン酸誘導体は、油溶性基材(例えば、特許文献3を参照)、界面活性剤(例えば、特許文献4を参照)、粘液溶解活性及び抗酸化作用(例えば、特許文献5を参照)等の活性を有することが知られている。一方、前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩には、シワ形成に対する予防又は改善作用(例えば、特許文献6を参照)、紫外線暴露による色素沈着に対する予防又は改善作用(例えば、特許文献7を参照)が存することが報告されている。しかしながら、前記一般式(1)に表される化合物と、AGEs分解剤を共に皮膚外用剤に含有することにより皮膚症状の予防又は改善作用、取り分け、色素沈着に対する予防又は改善作用、並びに、シワ形成に対する予防又は改善作用が増強されることは、発明者の知る限り知られていなかった。
特開2009−008460号公報 特開2003−261432号公報 特開平05−117295号公報 特開平08−337563号公報 特開2003−095915号公報 WO2010−058730号公報 WO2011−087006号公報
山岸昌一 編集、AGEs研究の最前線 糖化蛋白質関連疾患研究の現状(メディカルレビュ−社、P231、(2004)
本発明は、この様な状況為されたものであり、皮膚症状の予防又は改善用、取り分け、紫外線暴露による色素沈着に対する予防又は改善用、並びに、シワ形成に対する予防又は改善用に好適な、皮膚外用剤を提供することを課題とする。
この様な状況に鑑みて、本発明者等は、皮膚症状の予防又は改善用、取り分け、紫外線暴露による色素沈着に対する予防又は改善用、並びに、シワ形成に対する予防又は改善用に好適な皮膚外用剤を求め、鋭意努力を重ねた結果、1)前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及びそれらの薬理学的に許容される塩から選択される1種以上と、2)AGEs分解剤とを含有する皮膚外用剤が、かかる作用に優れることを見出し、本発明を完成されるに至った。本発明は、以下に示す通りである。
<1> 1)下記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及びそれらの薬理学的に許容される塩から選択される1種以上と、2)アドバンスド・グリケション・エンドプロダクツ(AGEs:Advanced glycation end-products)分解剤とを含有することを特徴
とする、皮膚外用剤。
Figure 0005911293
(1)
[式中、R は、水素原子、炭素数1〜8の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、R は、
水素原子、炭素数1〜4の直鎖若しくは分岐のアルキル基、無置換若しくは置換基を有する芳香族基、又は無置換若しくは置換基を有する芳香族基により置換された炭素数1〜4の直鎖若しくは分岐のアルキル基を表し、R は、無置換又は置換基を有する芳香族基を表し、mは、0〜3の整数、nは、1又は2の整数を表す。]
<2> 前記一般式(1)に表される化合物が、下記一般式(2)に表される化合物であることを特徴とする、<1>に記載の皮膚外用剤。
Figure 0005911293
(2)
[式中、R は、水素原子、炭素数1〜8の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、R は、
無置換又は置換基を有する芳香族基を表し、mは、0〜3の整数、nは、1又は2の整数を表す。]
<3> 前記一般式(2)に表される化合物が、下記一般式(3)に表される化合物で
ることを特徴とする、<2>に記載の皮膚外用剤。
Figure 0005911293
(3)
[式中、R は、水素原子、炭素数1〜8の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、R は、
無置換又は置換基を有する芳香族基を表し、nは、1又は2の整数を表す。]
<4> 前記一般式(3)に表される化合物が、下記一般式(4)に表される化合物であることを特徴とする、<3>に記載の皮膚外用剤。
Figure 0005911293
(4)
[式中、R は、水素原子、炭素数1〜8の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、R は、
無置換又は置換基を有する芳香族基を表す。]
<5> 前記一般式(1)〜(4)に表される化合物が、N−(p−トルイル)システイン酸(化合物1)、N−(m−トルイル)システイン酸(化合物2)、N−(o−トルイル)システイン酸(化合物3)、N−(p−メトキシベンゾイル)システイン酸(化合物4)、N−(4−フェニルベンゾイル)システイン酸(化合物5)であることを特徴とする
、<1>〜<4>の何れかに記載の皮膚外用剤。
<6> 前記一般式(1)〜(3)に表される化合物が、N−(p−トルイル)ホモシステイン酸(化合物6)であることを特徴とする、<1>〜<3>の何れかに記載の皮膚外用剤。
Figure 0005911293
N−(p−トルイル)システイン酸(化合物1)
Figure 0005911293
N−(m−トルイル)システイン酸(化合物2)
Figure 0005911293
N−(o−トルイル)システイン酸(化合物3)
Figure 0005911293
N−(p−メトキシベンゾイル)システイン酸(化合物4)
Figure 0005911293
N−(4−フェニルベンゾイル)システイン酸(化合物5)
Figure 0005911293
N−(p−トルイル)ホモシステイン酸(化合物6)
<7> 前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及びそれらの薬理学的に許容される塩から選択される1種以上を、皮膚外用剤全量に対し、0.0001質量%〜20質量%含有することを特徴とする、<1>〜<6>の何れかに記載の皮膚外用剤。
<8> 前記AGEs分解剤が、下記の植物より得られる植物抽出物より選択される1種以上であることを特徴とする、<1>〜<7>の何れかに記載の皮膚外用剤。
(植物)マメ科ゲンゲ属に属する植物、モクセイ科オリーブ属に属する植物、ユキノシタ科ユキノシタ属に属する植物、バラ科ポテンチラ属に属する植物、マメ科アスパラトゥス属に属する植物、バラ科シモツケソウ属に属する植物、キク科ヨモギ属に属する植物
<9> 前記AGEs分解剤が、マメ科ゲンゲ属レンゲソウ、モクセイ科オリーブ属オリーブ、ユキノシタ科ユキノシタ属ユキノシタ、バラ科ポテンチラ属トルメンチラ、バラ科ポテンチラ属カワラサイコ、バラ科ポテンチラ属ミヤマキンバ、マメ科アスパラトゥス属ルイボス、バラ科シモツケソウ属シモツケソウ、キク科ヨモギ属ヨモギより得られる植物抽出物より選択される1種以上であることを特徴とする、<1>〜<8>の何れかに記載の皮膚外用剤。
<10> 前記のAGEs分解剤が、皮膚の角層中に存在するAGEsの分解作用を有することを特徴とする、<1>〜<9>の何れかに記載の皮膚外用剤。
<11> 前記AGEs分解剤を、皮膚外用剤全量に対し0.0001質量%〜10質量%含有することを特徴とする、<1>〜<10>の何れかに記載の皮膚外用剤。
<12> 化粧料であることを特徴とする、<1>〜<11>の何れかに記載の皮膚外用剤。
<13> 皮膚症状の予防又は改善用であることを特徴とする、<1>〜<12>の何れかに記載の皮膚外用剤。
<14> 前記皮膚症状が、紫外線暴露による色素沈着であることを特徴とする、<13>に記載の皮膚外用剤。
<15> 前記色素沈着が、メラニン過剰輸送により生じる角化細胞の細胞不活性化が関与する色素沈着異常によるものであることを特徴とする、<14>に記載の皮膚外用剤。<16> 前記皮膚症状が、シワ形成であることを特徴とする、<13>に記載の皮膚外用剤。
本発明によれば、化粧料(但し、医薬部外品を含む)等に好適な、皮膚症状に対する予防又は改善作用、取り分け、紫外線暴露による色素沈着に対する予防又は改善作用、並びに、シワ形成に対する予防又は改善作用に優れる、皮膚外用剤を提供することが出来る。
マメ科ゲンゲ属レンゲソウより得られる植物抽出物のヒト角層中AGEsの生成抑制作用を示す図である。
本発明の皮膚外用剤は、1)前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と、2)AGEs分解剤とを含有することを特徴とする。本発明の皮膚外用剤は、皮膚症状に対する予防又は改善作用、取り分け、紫外線暴露による色素沈着に対する予防又は改善作用、並びに、シワ形成に対する予防又は改善作用に優れる。本発明の紫外線暴露による色素沈着に対する予防又は改善作用には、紫外線暴露による一過性又は可逆的なメラニン産生亢進に起因する通常の日焼けの様な色素沈着に対する予防又は改善作用に加え、過剰又は慢性的なメラニン産生亢進によるケラチノサイトの細胞機能低下、タンオ遅延等に起因する治り難いしみ、くすみ、更には、軽い炎症又は肌荒れ症状を伴う色素沈着に対する予防又は改善作用も包含される。紫外線暴露による日焼けなどの通常の色素沈着は、メラノサイトにおけるメラニン産生亢進により起こるが、そのメラニン産生亢進作用は、一過性又は可逆的な生体反応である。一方、紫外線暴露等による刺激が過度であった場合には、メラノサイトにおけるメラニン産生が、過剰及び/又は慢性的に亢進された状態となり、最終的に、色素沈着異常による治り難いしみ、くすみ、軽い炎症や肌荒れ症状を伴う色素沈着異常を呈することとなる。この様なメラノサイトにおける過剰な刺激による過剰及び/又は慢性的なメラニン産生亢進状態は、ケラチノサイトへのメラニンの過剰輸送、蓄積又は排出遅延などの現象を引き起こし、ケラチノサイトの細胞機能低下、タンオ遅延に起因する色素沈着異常が生じる。また、この様な色素沈着異常が発生する過程においては、サイトカインに代表される多様な情報伝達因子が関与し、炎症、及び/又は、重層剥離などの肌荒れ症状を伴う色素沈着異常となることが多く見受けられる。本発明の皮膚外用剤は、この様な皮膚症状を呈する色素沈着異常に対しても優れた予防又は改善効果が期待出来る。本発明の皮膚外用剤は、前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と、AGEs分解剤と共に皮膚外用剤に含有させることにより、紫外線暴露による色素沈着に対する予防又は改善作用を相加又は相乗的に増強することが出来る。
一方、本発明の皮膚外用剤が有する皮膚症状の予防又は改善作用の内、シワ形成に対する予防又は改善作用には、既に形成されたシワに対する改善作用に加え、形成段階にあるシワ、並びに、今後形成されるシワの形成に対する予防又は改善作用が包含される。また、本発明の皮膚外用剤が対象とするシワ形成に対する予防又は改善作用としては、前記のシワ形成に対する予防又は改善作用であれば、特段の限定なく適用出来るが、より好ましくは、紫外線暴露により形成されるシワに対する予防又は改善作用であることが好ましい。シワ、たるみの形成は、重要な細胞外マトリックスのひとつであるコラゲンと深く関係することが知られている。即ち、皮膚中のコラゲン量が、加齢や紫外線暴露などの外部刺激により減少し、コラゲン線維束と弾性線維により形成される皮膚構造を維持するネットワクが崩壊することにより、シワ、たるみが形成される。本発明の前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩は、優れたコラゲン産生促進作用を有する。また、本発明の皮膚外用剤は、前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩をAGEs分解剤と共に皮膚外用剤に含有させることにより、前記一般式(1)に表される化合物が有するシワ形成に対する予防又は改善作用を相加又は相乗的に増強することが出来る。
以下に、本発明の皮膚外用剤の必須成分である、1)前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩、並びに、2)AGEs分解剤に関し説明する。
<本発明の前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩>
本発明の皮膚外用剤は、1)前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と、2)AGEs分解剤とを含有することを特徴とする。本発明の前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩は、後述するAGEs分解剤と共に皮膚外用剤に含有させることにより、皮膚症状に対する優れた予防又は改善作用、紫外線暴露などによる色素沈着に対する予防又は改善作用、並びに、シワ形成に対する予防又は改善作用が発揮される。また、本発明の前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩は、美白作用、並びに、シワ形成に対する予防又は改善作用を有することが知られている。しかしながら、前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩とAGEs分解剤を共に含有させることにより、かかる効果が相加又は相乗的に増強されることは発明者の知る限り報告されていない。また、前記一般式(1)〜(4)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩は、その化学構造中に不斉炭素を有するため、ラセミ体、光学活性体(D体及びL体)、更には、両光学活性体が任意の比率で存在するラセミ混合物などの様々な態様で存在する。本発明の前記一般式(1)〜(4)に表される化合物は、前記の光学活性体に関する態様のいずれにおいても、高い皮膚症状に対する予防又は改善作用を発揮するが、薬効及び安全性の面より、特に、L体(光学活性体)が好ましい。
本発明の皮膚外用剤に含有される前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩の内、好ましいものとしては、前記一般式(2)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来、より好ましくは、前記一般式(3)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示、さらに好ましくは、前記一般式(4)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来る。また、前記一般式(1)〜(4)に表される化合物に関し、好ましいものを具体的に例示すれば、N−(トルイル)システイン酸、N−(メトキシベンゾイル)システイン酸、N−(4−フェニルベンゾイル)システイン酸、N−(トルイル)ホモシステイン酸、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来、さらに好ましくは、N−(p−トルイル)システイン酸(化合物1)、N−(m−トルイル)システイン酸(化合物2)、N−(o−トルイル)システイン酸(化合物3)、N
−(p−メトキシベンゾイル)システイン酸(化合物4)、(N−4−フェニルベンゾイル)システイン酸(化合物5)、N−(p−トルイル)ホモシステイン酸(化合物6)、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来る。
本発明の前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩は、後述するAGEs分解剤と共に皮膚外用剤に含有させることにより、皮膚症状に対する優れた予防又は改善作用、取り分け、紫外線暴露による色素沈着に対する予防又は改善作用、並びに、シワ形成に対する予防又は改善効果を発揮する。かかる作用は、前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩、並びに、AGEs分解剤を共に皮膚外用剤に含有させることによる薬理学的な相加又は相乗的な作用、更には、両成分の標的部位への集積性又は貯留性の向上による増強効果であると考えられる。また、前記一般式(1)に表される化合物、並びに、AGEs分解剤を含有する皮膚外用剤は、皮膚感作性及び刺激性等において高い安全性を有する。加えて、かかる化合物は、皮膚外用剤の製造に使用される汎用的な極性又は非極性媒体への溶解性が高いため、多様な形態の皮膚外用剤の製造が可能であり、その製造も容易である。
ここで前記一般式(1)に表される化合物に付いて述べれば、式中、R 1 は、水素原子
、炭素数1〜8の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、R 2 は、水素原子、炭素数1〜4の
直鎖又は分岐のアルキル基、無置換又は置換基を有する芳香族基、無置換又は置換基を有する芳香族基により置換された炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、R 3
、無置換又は置換基を有する芳香族基を表し、mは、0〜3の整数、nは、1又は2の整
数を表す。前記R 1 は、水素原子、炭素数1〜8、より好ましくは、炭素数1〜4、の直
鎖又は分岐のアルキル基を表し、具体例を挙げれば、水素原子、メチル基、エチル基、プ
ロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等が好適に例示出来、より好ましくは、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が好適に例示出来、さらに好ましくは、水素原子、メチル基、エチル基が好適に例示出来る。前記R 2 は、水素原子、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基、無置換又は置換基を有す
る芳香族基、無置換又は置換基を有する芳香族基により置換された炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、具体例を挙げれば、水素原子、フェニル基、メチルフェニル基(トルイル基)、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、プロピルオキシフェニル基、ブチルオキシフェニル基、ヒドロキシフェニル基、アミノフェニル基、N−メチルフェニル基、N−エチルフェニル基、N,N−ジメチルアミノフェニル基、N,N−ジエチルアミノフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、フルオロフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、ピリジル基、ナフチル基、ビフェニル基、ベンジル基、メチルベンジル基、エチルベンジル基、メトキシベンジル基、エトキシベンジル基、ヒドロキシベンジル基、アミノベンジル基、N−メチルアミノベンジル基、N−エチルアミノベンジル基、クロロベンジル基、フルオロベンジル基、トリフルオロメチルベンジル基、ナフチルメチル基、ビフェニルメチル基、フェニルエチル基、ナフチルエチル基、ビフェニルエチル基、フェニルプロピル基、ナフチルプロピル基、ビフェニルプロピル基、フェニルブチル基、ナフチルブチル基、ビフェニルブチル基等が好適に例示出来、より好ましくは、水素原子、フェニル基、ベンジル基が好適に例示出来る。前記R 3 は、無置換又は置換基を有する芳香族基を表し、具体例
を挙げれば、フェニル基、メチルフェニル基(トルイル基)、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、プロピルオキシフェニル基、ブチルオキシフェニル基、ヒドロキシフェニル基、アミノフェニル基、N−メチルフェニル基、N−エチルフェニル基、N,N−ジメチルアミノフェニル基、N,N−ジエチルアミノフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、フルオロフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、ピリジル基、ナフチル基、ビフェニル基等が好適に例示出来、より好ましくは、フェニル基、メチルフェニル基(トルイル基)、メトキシフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基が好適に例示出来る。前記mは、0〜3の整数を表
し、特に、m=0の場合が好ましい。前記nは、1又は2の整数を表し、より好ましくは
、n=1が好適に例示出来る。
前記一般式(1)に表される化合物の内、好ましいものとしては、前記一般式(2)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来、より好ましくは、前記一般式(3)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来、さらに好ましくは、前記一般式(4)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来る。また、前記一般式(1)に表される化合物の内、好ましい化合物を具体的に例示すれば、N−ベンゾイルシステイン酸、N−(トルイル)システイン酸、N−(
メトキシベンゾイル)システイン酸、N−(フェニルベンゾイル)システイン酸、N−(トルイル)ホモシステイン酸、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来、さらに好ましくは、N−(p−トルイル)システイン酸(化合物1)、N−(m−トルイル)システイン酸(化合物2)、N−(o−トルイル)システイン酸(化合物3)、N−(p−メトキシベンゾイル)システイン酸(化合物4)、N−(4−
フェニルベンゾイル)システイン酸(化合物5)、N−(p−トルイル)ホモシステイン酸(化合物6)、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来る。
かかる化合物は、後述するAGEs分解剤と共に皮膚外用剤に含有させることにより、優れた皮膚症状の予防又は改善作用、取り分け、紫外線暴露による色素沈着に対する予防又は改善作用、並びに、シワ形成に対する予防又は改善作用における増強効果を発揮する。かかる作用は、前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩、並びに、AGEs分解剤を共に皮膚外用剤に含有させることによる薬理学的な相加又は相乗的な効果、更には、両成分の標的部位への集積性又は貯留性の向上
による増強効果であると考えられる。また、前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩、並びに、AGEs分解剤を含有する皮膚外用剤は、皮膚感作性及び刺激性等において高い安全性を有する。加えて、かかる化合物は、皮膚外用剤の製造に使用される汎用的な極性又は非極性媒体への溶解性が高いため、多様な形態の皮膚外用剤の製造が可能であり、その製造も容易である。
ここで前記一般式(2)に表される化合物に付いて述べれば、式中、R 4 は、水素原子
、炭素数1〜8の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、R 5 は、無置換又は置換基を有する
芳香族基を表し、nは、1又は2の整数、mは、0〜3の整数を表す。前記R 4 は、水素原
子、炭素数1〜8、より好ましくは、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、具体例を挙げれば、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等が好適に例示出来、より好ましくは、水素原子、メチル基、エチル基が好適に例示出来る。前記R 5 は、無置換又は置換基を有する芳香
族基を表し、具体例を挙げれば、フェニル基、メチルフェニル基(トルイル基)、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、プロピルオキシフェニル基、ブチルオキシフェニル基、ヒドロキシフェニル基、アミノフェニル基、N−メチルフェニル基、N−エチルフェニル基、N,N−ジメチルアミノフェニル基、N,N−ジエチルアミノフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、フルオロフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、ピリジル基、ナフチル基、ビフェニル基等が好適に例示出来、より好ましくは、フェニル基、メチルフェニル基(トルイル基)、メトキシフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基が好適に例示出来る。前記nは、1又は2の整数を表し、より好ましくは、n=1が好適に例示出来る。前記mは、0〜3の整数を表し、m=0の場合がより好ましい。
前記一般式(2)に表される化合物の内、前記一般式(3)又は(4)に表される化合物に含まれない化合物を具体的に例示すれば、N−(ベンジルカルボニル)システイン酸
、N−(メチルベンジルカルボニル)システイン酸、N−(エチルベンジルカルボニル)システイン酸、N−(プロピルベンジルカルボニル)システイン酸、N−(ブチルベンジルカルボニル)システイン酸、N−(メトキシベンジルカルボニル)システイン酸、N−(エトキシベンジルカルボニル)システイン酸、N−(プロピルオキシベジルカルボニル)シス
テイン酸、N−(ブチルオキシベンジルカルボニル)システイン酸、N−(ヒドロキシベンジルカルボニル)システイン酸、N−(アミノベンジルカルボニル)システイン酸、N−(N’−メチルアミノベンジルカルボニル)システイン酸、N−(N’−エチルアミノベンジ
ルカルボニル)システイン酸、N−(N’,N’−ジメチルアミノベンジルカルボニル)シ
ステイン酸、N−(N’,N’−ジエチルアミノベンジルカルボニル)システイン酸、N−(クロロベンジルカルボニル)システイン酸、N−(フルオロベンジルカルボニル)システ
イン酸、N−(ジフルオロベンジルカルボニル)システイン酸、N−(トリフルオロメチルベンジルカルボニル)システイン酸、[N−(ベンジルカルボニル)システイン酸]メチル
エステル、[N−(メチルベンジルカルボニル)システイン酸]メチルエステル、[N−(エ
チルベンジルカルボニル)システイン酸]メチルエステル、[N−(プロピルベンジルカル
ボニル)システイン酸]メチルエステル、[N−(ブチルベンジルカルボニル)システイン
酸]メチルエステル、[N−(メトキシベンジルカルボニル)システイン酸]メチルエステル、[N−(エトキシベンジルカルボニル)システイン酸]メチルエステル、[N−(プロピル
オキシベジルカルボニル)システイン酸]メチルエステル、[N−(ブチルオキシベンジル
カルボニル)システイン酸]メチルエステル、[N−(ヒドロキシベンジルカルボニル)シ
ステイン酸]メチルエステル、[N−(アミノベンジルカルボニル)システイン酸]メチルエステル、[N−(N’−メチルアミノベンジルカルボニル)システイン酸]メチルエステル、[N−(N’−エチルアミノベンジルカルボニル)システイン酸]メチルエステル、[N−(N
’,N’−ジメチルアミノベンジルカルボニル)システイン酸]メチルエスエル、[N−(N
’,N’−ジエチルアミノベンジルカルボニル)システイン酸]メチルエステル、[N−(クロロベンジルカルボニル)システイン酸]メチルエステル、[N−(フルオロベンジルカル
ボニル)システイン酸]メチルエステル、[N−(ジフルオロベンジルカルボニル)システ
イン酸]メチルエステル、[N−(トリフルオロメチルベンジルカルボニル)システイン酸]メチルエステル、[N−(ベンジルカルボニル)システイン酸]エチルエステル、[N−(メ
チルベンジルカルボニル)システイン酸]エチルエステル、[N−(エチルベンジルカルボ
ニル)システイン酸]エチルエステル、[N−(プロピルベンジルカルボニル)システイン
酸]エチルエステル、[N−(ブチルベンジルカルボニル)システイン酸]エチルエステル、[N−(メトキシベンジルカルボニル)システイン酸]エチルエステル、[N−(エトキシベ
ンジルカルボニル)システイン酸]エチルエステル、[N−(プロピルオキシベジルカルボ
ニル)システイン酸]エチルエステル、[N−(ブチルオキシベンジルカルボニル)システ
イン酸]エチルエステル、[N−(ヒドロキシベンジルカルボニル)システイン酸]エチルエステル、[N−(アミノベンジルカルボニル)システイン酸]エチルエステル、[N−(N’−メチルアミノベンジルカルボニル)システイン酸]エチルエステル、[N−(N’−エチルアミノベンジルカルボニル)システイン酸]エチルエステル、[N−(N’,N’−ジメチルア
ミノベンジルカルボニル)システイン酸]エチルエスエル、[N−(N’,N’−ジエチルア
ミノベンジルカルボニル)システイン酸]エチルエステル、[N−(クロロベンジルカルボ
ニル)システイン酸]エチルエステル、[N−(フルオロベンジルカルボニル)システイン
酸]エチルエステル、[N−(ジフルオロベンジルカルボニル)システイン酸]エチルエステル、[N−(トリフルオロメチルベンジルカルボニル)システイン酸]エチルエステル、N−(フェニルエチルカルボニル)システイン酸、N−(メチルフェニルエチルカルボニル)
システイン酸、N−(エチルフェニルエチルカルボニル)システイン酸、N−(プロピルフェニルエチルカルボニル)システイン酸、N−(ブチルフェニルエチルカルボニル)シス
テイン酸、N−(メトキシフェニルエチルカルボニル)システイン酸、N−(エトキシフェニルエチルカルボニル)システイン酸、N−(プロピルオキシフェニルエチルカルボニル
)システイン酸、N−(ブチルオキシフェニルエチルカルボニル)システイン酸、N−(ヒドロキシフェニルエチルカルボニル)システイン酸、N−(アミノフェニルエチルカルボ
ニル)システイン酸、N−(N’−メチルアミノフェニルエチルカルボニル)システイン酸、N−(N’−エチルアミノフェニルエチルカルボニル)システイン酸、N−(N’,N’−
ジメチルアミノフェニルエチルカルボニル)システイン酸、N−(N’,N’−ジエチルア
ミノフェニルエチルカルボニル)システイン酸、N−(クロロフェニルエチルカルボニル
)システイン酸、N−(フルオロフェニルエチルカルボニル)システイン酸、N−(ジフルオロフェニルエチルカルボニル)システイン酸、N−(トリフルオロメチルフェニルエチ
ルカルボニル)システイン酸、N−(フェニルプロピルカルボニル)システイン酸、N−(メチルフェニルプロピルカルボニル)システイン酸、N−(エチルフェニルプロピルカル
ボニル)システイン酸、N−(プロピルフェニルプロピルカルボニル)システイン酸、N−(ブチルフェニルプロピルカルボニル)システイン酸、N−(メトキシフェニルプロピル
カルボニル)システイン酸、N−(エトキシフェニルプロピルカルボニル)システイン酸
、N−(プロピルオキシフェニルプロピルカルボニル)システイン酸、N−(ブチルオキシフェニルプロピルカルボニル)システイン酸、N−(ヒドロキシフェニルプロピルカルボ
ニル)システイン酸、N−(アミノフェニルプロピルカルボニル)システイン酸、N−(N
’−メチルアミノフェニルプロピルカルボニル)システイン酸、N−(N’−エチルアミノフェニルプロピルカルボニル)システイン酸、N−(N’,N’−ジメチルアミノフェニル
プロピルカルボニル)システイン酸、N−(N’,N’−ジエチルアミノフェニルプロピル
カルボニル)システイン酸、N−(クロロフェニルプロピルカルボニル)システイン酸、N−(フルオロフェニルプロピルカルボニル)システイン酸、N−(ジフルオロフェニルプ
ロピルカルボニル)システイン酸、N−(トリフルオロメチルフェニルプロピルカルボニ
ル)システイン酸、N−(ベンジルカルボニル)ホモシステイン酸、N−(メチルベンジルカルボニル)ホモシステイン酸、N−(エチルベンジルカルボニル)ホモシステイン酸、N−(プロピルベンジルカルボニル)ホモシステイン酸、N−(ブチルベンジルカルボニル
)ホモシステイン酸、N−(メトキシベンジルカルボニル)ホモシステイン酸、N−(エトキシベンジルカルボニル)ホモシステイン酸、N−(プロピルオキシベジルカルボニル)
ホモシステイン酸、N−(ブチルオキシベンジルカルボニル)ホモシステイン酸、N−(ヒドロキシベンジルカルボニル)ホモシステイン酸、N−(アミノベンジルカルボニル)ホ
モシステイン酸、N−(N’−メチルアミノベンジルカルボニル)ホモシステイン酸、N−
(N’−エチルアミノベンジルカルボニル)ホモシステイン酸、N−(N’,N’−ジメチルアミノベンジルカルボニル)ホモシステイン酸、N−(N’,N’−ジエチルアミノベンジ
ルカルボニル)ホモシステイン酸、N−(クロロベンジルカルボニル)ホモシステイン酸
、N−(フルオロベンジルカルボニル)ホモシステイン酸、N−(ジフルオロベンジルカルボニル)ホモシステイン酸、N−(トリフルオロメチルベンジルカルボニル)ホモシステ
イン酸、[N−(ベンジルカルボニル)ホモシステイン酸]エチルエステル、[N−(メチル
ベンジルカルボニル)ホモシステイン酸]エチルエステル、[N−(エチルベンジルカルボ
ニル)ホモシステイン酸]エチルエステル、[N−(プロピルベンジルカルボニル)ホモシ
ステイン酸]エチルエステル、[N−(ブチルベンジルカルボニル)ホモシステイン酸]エチルエステル、[N−(メトキシベンジルカルボニル)ホモシステイン酸]エチルエステル、[N−(エトキシベンジルカルボニル)ホモシステイン酸]エチルエステル、[N−(プロピルオキシベジルカルボニル)ホモシステイン酸]エチルエステル、[N−(ブチルオキシベン
ジルカルボニル)ホモシステイン酸]エチルエステル、[N−(ヒドロキシベンジルカルボ
ニル)ホモシステイン酸]エチルエステル、[N−(アミノベンジルカルボニル)ホモシス
テイン酸]エチルエステル、[N−(N’−メチルアミノベンジルカルボニル)ホモシステイン酸]エチルエステル、[N−(N’−エチルアミノベンジルカルボニル)ホモシステイン酸]エチルエステル、[N−(N’,N’−ジメチルアミノベンジルカルボニル)ホモシステイ
ン酸]エチルエステル、[N−(N’,N’−ジエチルアミノベンジルカルボニル)ホモシス
テイン酸]エチルエステル、[N−(クロロベンジルカルボニル)ホモシステイン酸]エチルエステル、[N−(フルオロベンジルカルボニル)ホモシステイン酸]エチルエステル、[N
−(ジフルオロベンジルカルボニル)ホモシステイン酸]エチルエステル、[N−(トリフ
ルオロメチルベンジルカルボニル)ホモシステイン酸]エチルエステル、その光学異性体
及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来る。前記一般式(2)に表される化合物の内、好ましいものとしては、N−ベンゾイルシステイン酸、N−(トルイル)システイン酸、N−(メトキシベンゾイル)システイン酸、N−(フェニルベンゾイル)システイン酸、N−(トルイル)ホモシステイン酸、その光学異性体及び/又はそれ
らの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来、さらに好ましくは、N−(p−トルイル)システイン酸(化合物1)、N−(m−トルイル)システイン酸(化合物2)、N−(o−トルイル)システイン酸(化合物3)、N−(p−メトキシベンゾイル)システイン酸(化合物4)、N−(4−フェニルベンゾイル)システイン酸(化合物5)、N−(p−ト
イル)ホモシステイン酸(化合物6)、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来る。
かかる化合物は、後述するAGEs分解剤と共に皮膚外用剤に含有させることにより、優れた皮膚症状の予防又は改善作用、取り分け、紫外線暴露による色素沈着に対する予防又は改善作用、並びに、シワ形成に対する予防又は改善作用における増強効果を発揮する。かかる作用は、前記一般式(2)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩、並びに、AGEs分解剤を共に皮膚外用剤に含有させることによる薬理学的な相加又は相乗的な効果、更には、両成分の標的部位への集積性又は貯留性が高まることによる増強されると考えられる。また、前記一般式(2)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩、並びに、AGEs分解剤を含有する皮膚外用剤は、皮膚感作性及び刺激性等において高い安全性を有する。加えて、かかる化
合物は、皮膚外用剤の製造に使用される汎用的な極性又は非極性媒体への溶解性が高いため、多様な形態の皮膚外用剤の製造が可能であり、その製造も容易である。
ここで前記一般式(3)に表される化合物に付いて述べれば、式中、R 6 は、水素原子
、炭素数1〜8の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、R 7 は、無置換又は置換基を有する
芳香族基を表し、nは、1又は2の整数を表す。前記R 6 は、水素原子、炭素数1〜8、より好ましくは、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、具体例を挙げれば、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等が好適に例示出来、より好ましくは、水素原子、メチル基、エチル基が好適に例示出来る。前記R 7 は、無置換又は置換基を有する芳香族基を表し、具体例を
挙げれば、フェニル基、メチルフェニル基(トルイル基)、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、プロピルオキシフェニル基、ブチルオキシフェニル基、ヒドロキシフェニル基、アミノフェニル基、N−メチルフェニル基、N−エチルフェニル基、N,N−ジメチルアミノフェニル基、N,N−ジエチルアミノフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、フルオロフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、ピリジル基、ナフチル基、ビフェニル基等が好適に例示出来、より好ましくは、より好ましくは、フェニル基、メチルフェニル基(トルイル基)、メトキシフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基が好適に例示出来る。前記nは、1又は2の整数を表し、より好ましくは、n=1が好適に例示出来る。
前記一般式(3)に表される化合物の内、前記一般式(4)に表される化合物に含まれない化合物に関し具体例を挙げれば、N−(ベンゾイル)ホモシステイン酸、N−(メチルベンゾイル)ホモシステイン酸、N−(エチルベンゾイル)ホモシステイン酸、N−(プロピルベンゾイル)ホモシステイン酸、N−(ブチルベンゾイル)ホモシステイン酸、N−(メトキシベンゾイル)ホモシステイン酸、N−(エトキシベンゾイル)ホモシステイン酸
、N−(プロピルオキシベンゾイル)ホモシステイン酸、N−(ブチルオキシベンゾイル)ホモシステイン酸、N−(ヒドロキシベンゾイル)ホモシステイン酸、N−(アミノベンゾイル)ホモシステイン酸、N−(N’−メチルアミノベンゾイル)ホモシステイン酸、N−
(N’−エチルアミノベンゾイル)ホモシステイン酸、N−(N’,N’−ジメチルアミノベンゾイル)ホモシステイン酸、N−(N’,N’−ジエチルアミノベンゾイル)ホモシステ
イン酸、N−(クロロベンゾイル)ホモシステイン酸、N−(フルオロベンゾイル)ホモシステイン酸、N−(ジフルオロベゾイル)ホモシステイン酸、N−(トリフルオロメチルベンゾイル)ホモシステイン酸、N−(ナフチルカルボニル)ホモシステイン酸、N−(フェニルベンゾイル)ホモシステイン酸、[N−(ベンゾイル)ホモシステイン酸]メチルエス
テル、[N−(メチルベンゾイル)ホモシステイン酸]メチルエステル、[N−(エチルベン
ゾイル)ホモシステイン酸]メチルエステル、[N−(プロピルベンゾイル)ホモシステイ
ン酸]メチルエステル、[N−(ブチルベンゾイル)ホモシステイン酸]メチルエステル、[N−(メトキシベンゾイル)ホモシステイン酸]メチルエステル、[N−(エトキシベンゾイ
ル)ホモシステイン酸]メチルエステル、[N−(プロピルオキシベンゾイル)ホモシステ
イン酸]メチルエステル、[N−(ブチルオキシベンゾイル)ホモシステイン酸]メチルエステル、[N−(ヒドロキシベンゾイル)ホモシステイン酸]メチルエステル、[N−(アミノ
ベンゾイル)ホモシステイン酸]メチルエステル、[N−(N’−メチルアミノベンゾイル)ホモシステイン酸]メチルエステル、[N−(N’−エチルアミノベンゾイル)ホモシステイン酸]メチルエステル、[N−(N’,N’−ジメチルアミノベンゾイル)ホモシステイン酸]メチルエステル、[N−(N’,N’−ジエチルアミノベンゾイル)ホモシステイン酸]メチ
ルエステル、[N−(クロロベンゾイル)ホモシステイン酸]メチルエステル、[N−(フル
オロベンゾイル)ホモシステイン酸]メチルエステル、[N−(ジフルオロベゾイル)ホモ
システイン酸]メチルエステル、[N−(トリフルオロメチルベンゾイル)ホモシステイン
酸]メチルエステル、[N−(ナフチルカルボニル)ホモシステイン酸]メチルエステル、[N−(フェニルベンゾイル)ホモシステイン酸]メチルエステル、[N−(ベンゾイル)ホモ
システイン酸]エチルエステル、[N−(メチルベンゾイル)ホモシステイン酸]エチルエステル、[N−(エチルベンゾイル)ホモシステイン酸]エチルエステル、[N−(プロピルベ
ンゾイル)ホモシステイン酸]エチルエステル、[N−(ブチルベンゾイル)ホモシステイ
ン酸]エチルエステル、[N−(メトキシベンゾイル)ホモシステイン酸]エチルエステル、[N−(エトキシベンゾイル)ホモシステイン酸]エチルエステル、[N−(プロピルオキシ
ベンゾイル)ホモシステイン酸]エチルエステル、[N−(ブチルオキシベンゾイル)ホモ
システイン酸]エチルエステル、[N−(ヒドロキシベンゾイル)ホモシステイン酸]エチルエステル、[N−(アミノベンゾイル)ホモシステイン酸]エチルエステル、[N−(N’−メチルアミノベンゾイル)ホモシステイン酸]エチルエステル、[N−(N’−エチルアミノベンゾイル)ホモシステイン酸]エチルエステル、[N−(N’,N’−ジメチルアミノベンゾ
イル)ホモシステイン酸]エチルエステル、[N−(N’,N’−ジエチルアミノベンゾイル
)ホモシステイン酸]エチルエステル、[N−(クロロベンゾイル)ホモシステイン酸]エチルエステル、[N−(フルオロベンゾイル)ホモシステイン酸]エチルエステル、[N−(ジ
フルオロベゾイル)ホモシステイン酸]エチルエステル、[N−(トリフルオロメチルベン
ゾイル)ホモシステイン酸]エチルエステル、[N−(ナフチルカルボニル)ホモシステイ
ン酸]エチルエステル、[N−(フェニルベンゾイル)ホモシステイン酸]エチルエステル、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来る。前記一般式(3)に表される化合物の内、好ましいものとしては、N−ベンゾイルシステイン酸
、N−(トルイル)システイン酸、N−(メトキシベンゾイル)システイン酸、N−(フ
ェニルベンゾイル)システイン酸、N−(トルイル)ホモシステイン酸、その光学異性
体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来、さらに好ましくは、N
−(p−トルイル)システイン酸(化合物1)、N−(m−トルイル)システイン酸(
化合物2)、N−(o−トルイル)システイン酸(化合物3)、N−(p−メトキシベンゾイル)システイン酸(化合物4)、N−(4−フェニルベンゾイル)システイン酸(化合
物5)、N−(p−トルイル)ホモシステイン酸(化合物6)、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来る。
かかる化合物は、後述するAGEs分解剤と共に皮膚外用剤に含有させることにより、優れた皮膚症状の予防又は改善作用、取り分け、紫外線暴露による色素沈着に対する予防又は改善作用、並びに、シワ形成に対する予防又は改善作用における増強効果を発揮する。かかる作用は、前記一般式(3)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩、並びに、AGEs分解剤を共に皮膚外用剤に含有させることによる薬理学的な相加又は相乗的な効果、更には、両成分の標的部位への集積性又は貯留性が高まることによる増強されると考えられる。また、前記一般式(3)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩、並びに、AGEs分解剤を含有する皮膚外用剤は、皮膚感作性及び刺激性等において高い安全性を有する。加えて、かかる化合物は、皮膚外用剤の製造に使用される汎用的な極性又は非極性媒体への溶解性が高いため、多様な形態の皮膚外用剤の製造が可能であり、その製造も容易である。
ここで前記一般式(4)に表される化合物に付いて述べれば、式中、R 8 は、水素原子
、炭素数1〜8の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、R 9 は、無置換又は置換基を有する
芳香族基を表す。前記R 8 は、水素原子、炭素数1〜8、より好ましくは、炭素数1〜4
の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、具体例を挙げれば、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等が好適に例示出来、より好ましくは、水素原子、メチル基、エチル基が好適に例示出来る。前記R 9 は、無置換又は置換基を有する芳香族基を表し、具体例を挙げれば、フェニル基、メチ
ルフェニル基(トルイル基)、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、プロピルオキシフェニル基、ブチルオキシフェニル基、ヒドロキシフェニル基、アミノフェニル基、N−メチルフェニル基、N−エチルフェニル基、N,N−ジメチルアミノフェニル基、N,N−ジエチルアミノフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、フルオロフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、ピリジル基、ナフチル基、ビフェニル基等が好適に例示出来、より好ましくは、より好ましくは、フェニル基、メチルフェニル基(トルイル基)、メトキシフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基が好適に例示出来る。
前記一般式(4)に表される化合物の内、好ましいものを具体的に例示すれば、N−(
ベンゾイル)システイン酸、N−(トルイル)システイン酸、N−(エチルベンゾイル)システイン酸、N−(プロピルベンゾイル)システイン酸、N−(ブチルベンゾイル)システイン酸、N−(メトキシベンゾイル)システイン酸、N−(エトキシベンゾイル)システイン酸、N−(プロピルオキシベンゾイル)システイン酸、N−(ブチルオキシベンゾイル)システイン酸、N−(ヒドロキシベンゾイル)システイン酸、N−(アミノベンゾイル)システイン酸、N−(N’−メチルアミノベンゾイル)システイン酸、N−(N’−エチルアミノベンゾイル)システイン酸、N−(N’,N’−ジメチルアミノベンゾイル)システイ
ン酸、N−(N’,N’−ジエチルアミノベンゾイル)システイン酸、N−(クロロベンゾイル)システイン酸、N−(フルオロベンゾイル)システイン酸、N−(ジフルオロベゾイル)システイン酸、N−(トリフルオロメチルベンゾイル)システイン酸、N−(ナフチルカルボニル)システイン酸、N−(フェニルベンゾイル)システイン酸、[N−(ベンゾイル
)システイン酸]メチルエステル、[N−(トルイル)システイン酸]メチルエステル、[N−(エチルベンゾイル)システイン酸]メチルエステル、[N−(プロピルベンゾイル)シ
ステイン酸]メチルエステル、[N−(ブチルベンゾイル)システイン酸]メチルエステル、[N−(メトキシベンゾイル)システイン酸]メチルエステル、[N−(エトキシベンゾイル
)システイン酸]メチルエステル、[N−(プロピルオキシベンゾイル)システイン酸]メチルエステル、[N−(ブチルオキシベンゾイル)システイン酸]メチルエステル、[N−(ヒ
ドロキシベンゾイル)システイン酸]メチルエステル、[N−(アミノベンゾイル)システ
イン酸]メチルエステル、[N−(N’−メチルアミノベンゾイル)システイン酸]メチルエ
ステル、[N−(N’−エチルアミノベンゾイル)システイン酸]メチルエステル、[N−(N
’,N’−ジメチルアミノベンゾイル)システイン酸]メチルエステル、[N−(N’,N’−ジエチルアミノベンゾイル)システイン酸]メチルエステル、[N−(クロロベンゾイル)
システイン酸]メチルエステル、[N−(フルオロベンゾイル)システイン酸]メチルエステル、[N−(ジフルオロベゾイル)システイン酸]メチルエステル、[N−(トリフルオロメ
チルベンゾイル)システイン酸]メチルエステル、[N−(ナフチルカルボニル)システイ
ン酸]メチルエステル、[N−(フェニルベンゾイル)システイン酸]メチルエステル、[N−(ベンゾイル)システイン酸]エチルエステル、[N−(トルイル)システイン酸]エチルエステル、[N−(エチルベンゾイル)システイン酸]エチルエステル、[N−(プロピルベ
ンゾイル)システイン酸]エチルエステル、[N−(ブチルベンゾイル)システイン酸]エチルエステル、[N−(メトキシベンゾイル)システイン酸]エチルエステル、[N−(エトキ
シベンゾイル)システイン酸]エチルエステル、[N−(プロピルオキシベンゾイル)シス
テイン酸]エチルエステル、[N−(ブチルオキシベンゾイル)システイン酸]エチルエステル、[N−(ヒドロキシベンゾイル)システイン酸]エチルエステル、[N−(アミノベンゾ
イル)システイン酸]エチルエステル、[N−(N’−メチルアミノベンゾイル)システイン酸]エチルエステル、[N−(N’−エチルアミノベンゾイル)システイン酸]エチルエステ
ル、[N−(N’,N’−ジメチルアミノベンゾイル)システイン酸]エチルエステル、[N−
(N’,N’−ジエチルアミノベンゾイル)システイン酸]エチルエステル、[N−(クロロ
ベンゾイル)システイン酸]エチルエステル、[N−(フルオロベンゾイル)システイン酸]エチルエステル、[N−(ジフルオロベゾイル)システイン酸]エチルエステル、[N−(ト
リフルオロメチルベンゾイル)システイン酸]エチルエステル、[N−(ナフチルカルボニ
ル)システイン酸]エチルエステル、[N−(フェニルベンゾイル)システイン酸]エチルエステル、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来る。前記一般式(4)に表される化合物の内、好ましいものとしては、N−ベンゾイルシス
テイン酸、N−(トルイル)システイン酸、N−(メトキシベンゾイル)システイン酸、N−(フェニルベンゾイル)システイン酸、N−(トルイル)ホモシステイン酸、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来、さらに好ましくは、N−(p−トルイル)システイン酸(化合物1)、N−(m−トルイル)システイン酸(化合物2)、N−(o−トルイル)システイン酸(化合物3)、N−(p−メトキシベンゾイル)システイン酸(化合物4)、N−(4−フェニルベンゾイル)システイン酸(
化合物5)、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来る。
かかる化合物は、後述するAGEs分解剤と共に皮膚外用剤に含有させることにより、優れた皮膚症状の予防又は改善作用、取り分け、紫外線暴露による色素沈着に対する予防又は改善作用、並びに、シワ形成に対する予防又は改善作用における増強効果を発揮する。かかる作用は、前記一般式(4)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩、並びに、AGEs分解剤を共に皮膚外用剤に含有させることによる薬理学的な相加又は相乗的な効果、更には、両成分の標的部位への集積性又は貯留性が高まることによる増強されると考えられる。また、前記一般式(4)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩、並びに、AGEs分解剤を含有する皮膚外用剤は、皮膚感作性及び刺激性等において高い安全性を有する。加えて、かかる化合物は、皮膚外用剤の製造に使用される汎用的な極性又は非極性媒体への溶解性が高いため、多様な形態の皮膚外用剤の製造が可能であり、その製造も容易である。
前記一般式(1)〜(4)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩は、市販されているシステイン酸、ホモシステイン酸、並びに、それらの誘導体を出発原料とし、例えば、「ペプチド合成の基礎と実験(丸善)」等に記載の方法に従い、脱保護、カップリング及び保護基の導入反応を行うことにより製造することも出来るし、下記の製造方法により製造することも出来る。かかる化合物は、そのまま本発明の皮膚外用剤に含有させ使用することも出来るが、薬理学的に許容される酸又は塩基と共に処理し塩の形に変換し、塩として使用することも可能である。例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、炭酸塩などの鉱酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、パラトルエンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩などの有機酸塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属、トリエチルアミン塩、トリエタノルアミン塩、アンモニウム塩、モノエタノルアミン塩、ピペリジン塩等の有機アミン塩、リジン塩、アルギン酸塩等の塩基性アミノ酸塩などが好適に例示出来る。
斯くして得られた前記一般式(1)〜(4)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩は、後述するAGEs分解剤と共に皮膚外用剤に含有させることにより、優れた皮膚症状の予防又は改善作用、取り分け、紫外線暴露による色素沈着に対する予防又は改善作用、並びに、シワ形成に対する予防又は改善における相加又は相乗的な増強効果を発揮する。この様な作用を奏するには、前記一般式(1)〜(4)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩から選択される1種乃至は2種以上を、皮膚外用剤全量に対し総量で0.0001質量%〜20質量%、より好ましくは、0.001質量%〜10質量%、さらに好ましくは、0.01質量%〜3質量%含有することが好ましい。これは、皮膚外用剤全量に対する前記一般式(1)〜(4)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩の含有量が0.0001質量%より少ないと、美肌作用が低下し、また20質量%を超える量を配合しても、効果が頭打ちになるので、皮膚外用剤全量に対する前記の含有量が好ましい。
Figure 0005911293
N−(p−トルイル)−L−システイン酸(化合物1のL異性体)
<製造例1: 化合物1のL異性体の合成>
L−システイン酸1水和物 5(g)(26.7mmol)(シグマ アルドリッチ社)、1
,4−ジオキサン 20(mL)(和光純薬工業株式会社)、および、水 10(mL)を100(mL)ナス型フラスコに入れた後、氷浴にて冷却した。十分に冷却した後8(N)水酸
化ナトリウム水溶液 10.7(mL)、p−トルオイルクロリド 3.36(mL)(シグマ
アルドリッチ社)を液温が上昇しないように順次滴下した。滴下終了後、氷浴を外し室
温にて攪拌した。薄層クロマトグラフィで反応の進行を確認した後、1,4−ジオキサンを減圧留去した。得られた残渣を酢酸エチル(和光純薬工業株式会社)にて洗浄した後、塩酸にてpHを2以下に調整した。得られた水溶液を凍結乾燥し、メタノル(和光純薬工業株式会社)で目的物を抽出した。メタノルを減圧留去した後、結晶化し、ろ過した。濾取した結晶を乾燥し、上記構造を有する化合物1のL異性体 5.79(g)(20
.2mmol)を得た。
<化合物1のL異性体の物理恒数>
H−NMR(DO):δ 2.32(3H、s)、3.46(2H、m)、4.87(1H、m)、7.25(2H、d)、7.64(2H、dd).
FAB−MS(negative ion mode):M/z=286([M−H])、308([M+Na−H]).
Figure 0005911293
N−(m−トルイル)−L−システイン酸(化合物2のL異性体)
<製造例2: 化合物2のL異性体の合成>
L−システイン酸 3(g)(17.7mmol)(東京化成工業株式会社)、テトラヒドロ
フラン 18(mL)(和光純薬工業株式会社)、および、水 18(mL)を100(mL)ナス型フラスコに入れた後、氷浴にて冷却した。十分に冷却した後、炭酸カリウム 4.4
0(g)(31.6mmol)(和光純薬工業株式会社)、m−トルオイルクロリド 2.19
(g)(東京化成工業株式会社)を液温が上昇しないように順次添加した。氷浴下1時間
反応させた後、m−トルオイルクロリド 1.09(g)(東京化成工業株式会社)を再度
添加した。添加後、氷浴を外し室温にて攪拌した。薄層クロマトグラフィで反応の進行を確認した後、テトラヒドロフランを減圧留去した。得られた残渣を酢酸エチル(和光純薬工業株式会社)にて洗浄した後、塩酸にてpHを2以下に調整した。濾液を濃縮し、水
18(mL)を添加した。4℃にて熟成した後、析出した結晶を濾別した。得られた結晶をアセトン(和光純薬工業株式会社)で懸洗し、濾取した。濾取した結晶を60℃にて乾燥し、上記構造を有する化合物2のL異性体 1.65(g(5.74mmol)を得た。
<化合物2のL異性体の物理恒数>
H−NMR(DMSO−d):δ 2.36(3H、s)、2.94(2H、m)、4.41(1H、m)、7.36(2H、d)、7.58(2H、t)、8.84(1H、d)、12.5(1H、brs).
FAB−MS(negatove ion mode):M/z=286([M−H]
Figure 0005911293
N−(o−トルイル)−L−システイン酸(化合物3のL異性体)
<製造例3: 化合物3のL異性体の合成>
L−システイン酸 3(g)(17.7mmol)(東京化成工業株式会社)、テトラヒドロ
フラン 18(mL)(和光純薬工業株式会社)、水 18(mL)を100(mL)ナス型フラスコに入れた後、氷浴にて冷却した。十分に冷却した後、炭酸カリウム 4.40(g)(31.6mmol)(和光純薬工業株式会社)を添加した。o−トルオイルクロリド 3.2
8(g)(東京化成工業株式会社)を液温が上昇しないように順次添加した。添加後、氷
浴を外し室温にて攪拌した。薄層クロマトグラフィで反応の進行を確認した後、テトラヒドロフランを減圧留去した。得られた残渣を酢酸エチル(和光純薬工業株式会社)にて洗浄した後、塩酸にてpHを2以下に調整した。濾液を濃縮し、水 20(mL)を添加し
た。析出した結晶を濾取し、結晶をアセトン(和光純薬工業株式会社)で懸洗した。濾取した結晶を60℃にて乾燥し、上記構造を有する化合物3のL異性体 0.78(g)(2
.72mmol)を得た。
<化合物3のL異性体の物理恒数>
H−NMR(DO):δ 2.31(3H、s)、3.42(2H、m)、4.86(1H、m)、7.24(2H、m)、7.35(2H、m).
FAB−MS(negative ion mode):M/z=286([M−H]
Figure 0005911293
N−(p−メトキシベンゾイル)システイン酸(化合物4)
<製造例4: 化合物4のL異性体の合成>
L−システイン酸 2(g)(11.8mmol)(東京化成工業株式会社)、テトラヒドロ
フラン 12(mL)(和光純薬工業株式会社)、および、水 12(mL)を100(mL)ナス型フラスコに入れた後、氷浴にて冷却した。十分に冷却した後、炭酸カリウム 2.9
4(g)(21.3mmol)(和光純薬工業株式会社)、4−メトキシベンゾイルクロリド 1.61(g)(東京化成工業株式会社)を液温が上昇しないように順次添加した。氷浴
下1時間反応させた後、4−メトキシベンゾイルクロリド 0.81(g)(東京化成工業株式会社)を再度添加した。添加後、氷浴を外し室温にて攪拌した。薄層クロマトグラフィで反応の進行を確認した後、テトラヒドロフランを減圧留去した。得られた残渣を酢酸エチル(和光純薬工業株式会社)にて洗浄した後、塩酸にてpH2を以下に調整した。析出した結晶をろ過し、水で洗浄した。濾液を濃縮し、再度析出した結晶をろ過した。得られた結晶をあわせた後、アセトン(和光純薬工業株式会社)で懸洗した。結晶をろ過した後、濾取した結晶を60℃にて乾燥し、上記構造を有する化合物4のL異性体 2.47(g)(8.14mmol)を得た。
<化合物4のL異性体の物理恒数>
H−NMR(DO):δ 3.45(2H、m)、3.81(3H、s)、4.85(1H、m)、7.00(2H、d)、7.72(2H、d).
FAB−MS(negative ion mode):M/z=302([M−H]).
Figure 0005911293
N−(4−フェニルベンゾイル)−L−システイン酸(化合物5のL異性体)
<製造例5: 化合物5のL異性体の合成>
L−システイン酸 2(g)(11.8mmol)(東京化成工業株式会社)、テトラヒドロ
フラン 12(mL)(和光純薬工業株式会社)、および、水 12(mL)を100(mL)ナス型フラスコに入れた後、氷浴にて冷却した。十分に冷却した後、炭酸カリウム 2.9
4(g)(21.3mmol)(和光純薬工業株式会社)、4−フェニルベンゾイルクロリド 2.05(g)(東京化成工業株式会社)を液温が上昇しないように順次添加した。氷浴
下1.5時間反応させた後、4−フェニルベンゾイルクロリド 1.02(g)(東京化成工業株式会社)を再度添加した。添加後、氷浴を外し室温にて攪拌した。薄層クロマトグラフィで反応の進行を確認した後、テトラヒドロフランを減圧留去した。得られた残渣を酢酸エチル(和光純薬工業株式会社)にて洗浄した後、塩酸(和光純薬工業株式会社)にてpHを2以下に調整した。析出した結晶をろ過し、水で洗浄した。得られた結晶をアセトン(和光純薬工業株式会社)で懸洗した後、ろ過した。濾取した結晶を60℃にて乾燥し、上記構造を有する化合物5のL異性体 2.37(g)(6.78 mmol)を得た。
<化合物5のL異性体の物理恒数>
H−NMR(DMSO−d):δ 2.96(2H、m)、4.54(1H、q)、7.42(1H、m)、7.51(2H、m)、7.74(2H、d)、7.80(2H、d)、7.90(2H、d)、8.94(1H、d).
FAB−MS(negative ion mode):M/z=348([M−H]).
Figure 0005911293
N−(p−トルイル)ホモシステイン酸(化合物6)
<製造例6: 化合物6の合成>
DL−ホモシステイン酸 2(g)(10.9mmol)(シグマ アルドリッチ社)、テトラ
ヒドロフラン 12(mL)(和光純薬工業株式会社)、および、水 12(mL)を100(mL)ナス型フラスコに入れた後、氷浴にて冷却した。十分に冷却した後、炭酸カリウム
2.71(g)(19.6mmol)(和光純薬工業株式会社)を添加した。p−トルオイルクロリド 1.49(g)(シグマ アルドリッチ社)を液温が上昇しないように順次添加し
た。氷浴下1時間反応させた後、p−トルオイルクロリド 0.76(g)(シグマ アル
ドリッチ社)を再度添加した。添加後、氷浴を外し室温にて攪拌した。薄層クロマトグラフィで反応の進行を確認した後、テトラヒドロフランを減圧留去した。得られた残渣を酢酸エチル(和光純薬工業株式会社)にて洗浄した後、塩酸にてpH2を以下に調整した。溶液をろ過後、濾液を濃縮し、メタノル(和光純薬工業株式会社)を添加した。析出した結晶を濾別後、水で懸洗した。結晶をろ過し、濾取した結晶を60℃にて乾燥し、上記構造を有する化合物6 1.95(g)(6.47mmol)を得た。
<化合物6の物理恒数>
H−NMR(DMSO−d):δ 2.12(2H、m)、2.35(3H、s)、2.57(2H、t)、4.37(1H、m)、7.26(2H、d)、7.79(2H、d)、9.02(1H、d).
FAB−MS(negative ion mode):M/z=300([M−H]
<本発明のAGEs分解剤>
メイラド反応は、アミノ酸と還元糖が加熱により褐色の色素を生成する反応である。糖化反応は、還元糖のカルボニル基及びアミノ酸のアミノ基がシッフ塩基を形成した後、エナミノルを経由し、アマドリ転位により安定なアマドリ化合物を生成する初期段階と、それ以降の、脱水、加水分解、炭素間の開裂により、α−ジカルボニル化合物を生成し
、その後、α−ジカルボニル化合物、シッフ塩基、アマドリ化合物の分解、脂質過酸化反応由来のアルデヒド、糖の自動酸化及び分解などによりAGEsが生成する後期段階に分類することが出来る。AGEsは、前記の糖化反応の結果生じる生成物の総称であり、単一の化合物を意味するものではない。また、糖化反応は、最終生成物のAGEs生成に至る過程において、生体内蛋白質と分子内又は分子間の無秩序な架橋構造を形成することにより、物理的又は生理的な変化を引き起こし、皮膚の色調のくすみ、弾力性、肌の肌理等の美肌、美白的な要因に深く関与することが知られている。このため、真皮AGEs分解作用を有する成分には、糖化反応を抑制することにより、くすみなどの色素沈着が関与する皮膚症状を予防又は改善する作用が存することが知られている。しかしながら、前記のAGEs分解剤を用いたとしても、紫外線暴露による色素沈着に対する予防又は改善効果、取り分け、過剰及び/又は慢性的なメラニン産生亢進により生じるケラチノサイトの細胞機能低下、タンオ遅延に起因する治り難いしみ、くすみ、更には、炎症や肌荒れ症状を呈する色素沈着異常に対する予防又は改善効果は満足のいくものではなかった。本発明の皮膚外用剤は、AGEs分解剤、取り分け、角層AGEs分解作用を有するAGEs分解剤と、前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と共に皮膚外用剤に含有させることにより、優れた皮膚症状に対する予防又は改善作用、取り分け、紫外線暴露による色素沈着に対する予防又は改善作用、並びに、シワ形成に対する予防又は改善作用を発揮する。
本発明のAGEs分解剤としては、AGEs量を減少させる作用を有する成分であれば、特段の限定なく適用することが出来、かかるAGEs分解剤の内、好ましいものとしては、角層に存
在するAGEs量を減少させる作用を有する成分が好適に例示出来る。本発明のAGEs分解剤には、生成されたAGEsを分解する作用を有する成分に加え、糖化反応により産生されるAGEs産生を抑制する作用を有する成分も包含される。また、本発明のAGEs分解剤としては、例えば、特開2007−161662号公報に記載されたAGEs分解作用評価(α−ジケトンのC-C結合切断作用の測定、グルコース−牛血清アルブミンAGEs分解作用の測定)等にお
いてAGEs分解作用を示す成分が好適に例示出来る。前記のAGEs分解作用評価においてAGEs分解作用を有する成分とは、前記AGEs分解作用評価のα−ジケトンのC-C結合切断作用の
測定評価において、1−フェニル−1,2−プロパンジオンの量より算出される安息香酸の理論量に対し、実際に生成する安息香酸の量が、20%以上である物質、又は、グルコース−牛血清アルブミンAGEs分解作用の測定評価において、AGEs分解率が15%以上である物質を意味する。本出願人によれば、かかる評価系においてAGEs分解作用を有する成分としては、モクセイ科オリーブ属、ユキノシタ科ユキノシタ属、バラ科ポテンチラ属、マメ科アスパラトゥス属、バラ科シモツケソウ属、キク科ヨモギ属、マメ科ゲンゲ属する植物より得られる植物抽出物が好適に例示出来、さらに好ましくは、モクセイ科オリーブ属オリーブ、ユキノシタ科ユキノシタ属ユキノシタ、バラ科ポテンチラ属トルメンチラ、バラ科ポテンチラ属カワラサイコ、バラ科ポテンチラ属ミヤマキンバイ、マメ科アスパラトゥス属ルイボス、バラ科シモツケソウ属シモツケソウ、キク科ヨモギ属ヨモギ、マメ科ゲンゲ属レンゲソウより得られる植物抽出物が好適に例示出来る。また、前記AGEs分解作用を有する成分の内、さらに好ましいものとしては、角層AGEs分解剤が好適に例示出来る。角層AGEs分解剤としては、例えば、ヒト角層中のAGEs分解作用を有する成分、又は、ヒト角層におけるAGEs産生を抑制する作用を有する成分が好適に例示出来る。また、かかるヒト角層中に存在するAGEs分解作用を有する成分としては、ヒト角層中におけるAGEs分解作用評価において、パネラーより採取された角層標本に、抗AGEs抗体を反応させ、該反応部位を検知し、AGEs分解剤との共存下では、非共存下よりも明らかに反応部位が少なかった場合に、角層中に存在するAGEsの分解作用を有する成分と言うことが出来る。また、かかるヒト角層中におけるAGEsの生成を抑制する作用を有する成分としては、ヒト角層中におけるAGEs生成抑制評価において、角層標本をグルコース溶液に浸漬させて37℃で放置してAGEsを生成させた場合、前記AGEs分解剤との共存下では、非共存下よりも明らかに反応部位が少なかった場合に、角層中におけるAGEsの生成を抑制する作用を有する成分が好適に例示出来る。本願発明者等によれば、かかるヒト角層中のAGEs分解作用を有する成分、又は、ヒト角層におけるAGEsの産生を抑制する作用を有する成分としては、マメ科ゲンゲ属に属する植物より得られる植物抽出物が好適に例示出来、より好ましくは、マメ科ゲンゲ属レンゲソウより得られる植物抽出物が好適に例示出来る。
本発明のAGEs分解剤は、単純な化学物質、又は、動物又は植物より得られる抽出物を意味し、本発明の組成物に、かかる成分を唯1種のみ含有することも出来るし、2種以上を組み合わせて含有させることも出来る。ここで、本発明における植物抽出物とは、抽出物自体、抽出物の分画、精製した分画、抽出物乃至は分画、精製物の溶媒除去物の総称を意味する。かかるAGEs分解剤としては、本発明者等の検討によれば、マメ科ゲンゲ属、モクセイ科オリーブ属、ユキノシタ科ユキノシタ属、バラ科ポテンチラ属、マメ科アスパラトゥス属、バラ科シモツケソウ属、キク科ヨモギ属に属する植物より得られる植物抽出物が好適に例示出来、より好ましくは、マメ科ゲンゲ属レンゲソウ、モクセイ科オリーブ属オリーブ、ユキノシタ科ユキノシタ属ユキノシタ、バラ科ポテンチラ属トルメンチラ、バラ科ポテンチラ属カワラサイコ、バラ科ポテンチラ属ミヤマキンバイ、マメ科アスパラトゥ
ス属ルイボス、バラ科シモツケソウ属シモツケソウ、キク科ヨモギ属ヨモギより得られる植物抽出物、さらに好ましくは、マメ科ゲンゲ属レンゲソウより得られる植物抽出物が好適に例示出来る。マメ科ゲンゲ属レンゲソウより得られる植物抽出物は、AGEs分解作用、取り分け、表皮AGEsの分解作用に優れる。
前記のAGEs分解作用を有する植物抽出物の内、モクセイ科オリーブ属オリーブは、北アフリカ原産の常緑高木であり、果実は、オリーブオイルやピクルスとして使用されている。日本においては、香川県の小豆島などで栽培されている。ユキノシタ科ユキノシタ属ユキノシタは、中国・日本を原産地とする常緑多年草であり、民間薬として使用されている。また、日本においては、北海道から九州に渡る幅広い地域にて栽培されている。バラ科ポテンチラ属トルメンチラは、ヨーロッパに分布する多年草であり、肌を引きしめる効果や抗菌作用がある。バラ科ポテンチラ属ミヤマキンバイは、中国を原産地とする砂礫地、草地に生育する多年草の高山植物であり、日本においては、本州中部以北、北海道、千島列島等に成育する。バラ科ポテンチラ属カワラサイコは、日本においては、本州、四国、九州の日当たりのよい河原、砂地などに生育する多年草である。全草を翻白草、根を紅柴胡と称し、解熱通経薬として使用する。マメ科アスパラトゥス属ルイボスは、南アフリカ共和国の西ケープ州の北に広がるセダルバーグ山脈一帯のみに自生する針葉樹様の葉を持つ植物であり、葉を乾燥し健康茶に用いる。バラ科シモツケソウ属シモツケソウは、日本、中国原産の多年草の小低木であり、日本においては、関東以西の本州、四国、九州に自生している。キク科ヨモギ属ヨモギは、欧州、北アフリカ原産の耐寒性多年草であり、日本においては、草もち、お灸のもぐさなど古くから利用されてきた。日本においては、本州から九州、沖縄に渡る広い範囲に自生する。マメ科ゲンゲ属レンゲソウは、中国原産の二年草で、利尿、解熱作用があることが知られている。また、日本全土において、栽培されている。
かかる植物の抽出物を作製するためには、植物自体を裁断、破粉、粉砕等し溶媒にて抽出することも出来るが、好ましくは、植物体の全部乃至は一部或いはその加工物を溶媒で抽出することが好ましい。なお、前記の植物抽出物を得るためには、植物体の全部又は一部であれば特段の限定なく使用出来、例えば、果実、果皮、樹皮、幹、枝、葉、花、根、種子等が挙げられる。これらは単独の部位を用いてもよいし、2部位以上を用いてもよい。
また、前記植物抽出物を製造する際に用いる抽出溶媒としては、極性溶媒が好ましく、水、エタノル、イソプロピルアルコル、ブタノルなどのアルコル類、1,3−ブタンジオル、ポリプロピレングリコルなどの多価アルコル類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、ジエチルエテル、テトラヒドロフランなどのエテル類から選択される1種乃至は2種以上が好適に例示出来る。
本発明のAGEs分解剤は、皮膚外用剤全量に対し、0.0001質量%〜10質量%、より好ましくは、0.001質量%〜5質量%、さらに好ましくは、0.05質量%〜3質量%含有することが好ましい。これは、AGEs分解剤の含有量が少なすぎると、本発明の皮膚外用剤が有する皮膚症状に対する優れた予防又は改善効果が低下する傾向が認められ、多すぎても、効果が頭打ちになり、この系の自由度を損なう場合が存するためである。さらに、本発明の皮膚外用剤を、保湿、肌荒れ予防又は改善用などの前記以外の皮膚症状の予防又は改善作用を目的に配合した場合であっても、本発明の皮膚外用剤が、前記の皮膚症状に対する予防又は改善作用を発揮する場合は、本願発明の構成と効果を充足するので、本発明の技術的範囲に属する。
本発明における前記の植物抽出物より得られるAGEs分解作用を有する成分は、日本において自生又は生育された植物、漢方生薬原料などとして販売される日本産のものを用い、抽出物を作製することも出来るし、丸善製薬株式会社などの植物抽出物を取り扱う会社より販売されている市販の抽出物を購入し、使用することも出来る。抽出に際しては、植物体、地上部又は木幹部は予め、粉砕或いは細切して抽出効率を向上させるように加工することが好ましい。抽出物は、植物体、地上部乃至はその乾燥物1質量に対して、溶媒を1〜30質量部加え、室温であれば数日間、沸点付近の温度であれば数時間浸漬する。浸漬後は、室温まで冷却し、所望により不溶物を除去した後、溶媒を減圧濃縮するなどにより除去することが出来る。しかる後、シリカゲルやイオン交換樹脂を充填したカラムクロマトグラフィなどで分画精製し、所望の抽出物を得ることが出来る。
<製造例7: 本発明のモクセイ科オリブ属オリブより得られる抽出物の製造方法>
オリブの葉3(kg)に50%エタノル水溶液5Lを加え、2時間加熱環流し、濾過によって不溶物を取り除き減圧濃縮し、本発明のオリブより得られる植物抽出物を44(g)得た。
<製造例8: 本発明のユキノシタ科ユキノシタ属ユキノシタより得られる植物抽出物の
製造方法>
ユキノシタの葉3.5(kg)に50%エタノル水溶液6Lを加え、2時間加熱環流し、濾過によって不溶物を取り除き減圧濃縮し、本発明のユキノシタより得られる植物抽出物を41(g)得た。
<製造例9: 本発明のバラ科ポテンチラ属トルメンチラより得られる植物抽出物の製造
方法>
バラ科ポテンチラ属トルメンチラの全草の乾燥物100(g)を、細切した後、500
(mL)の50%エタノル水溶液を加えて3時間、加熱還流し、冷却後濾過にて不溶物を取り除いた後、減圧濃縮し、ついで凍結乾燥し、植物抽出物1を得た。しかる後に、植物抽出物1に200(mL)の水と200(mL)の酢酸エチルを加え、液液抽出を行い、酢酸エチル相をとり、減圧濃縮し、本発明のバラ科ポテンチラ属トルメンシラより得られる植物抽出物を得た。
<製造例10: 本発明のバラ科ポテンチラ属カワラサイコより得られる植物抽出物の製
造方法>
バラ科ポテンチラ属カワラサイコの全草の乾燥物100(g)を、細切した後、500
(mL)の50%エタノール水溶液を加えて3時間、加熱還流し、冷却後濾過にて不溶物を取り除いた後、減圧濃縮し、ついで凍結乾燥し、植物抽出物2を得た。しかる後に、植物抽出物2に200(mL)の水と200(mL)の酢酸エチルを加え、液液抽出を行い、酢酸エチル相をとり、減圧濃縮し、本発明のバラ科ポテンチラ属カワラサイコより得られる植物抽出物を得た。
<製造例11: 本発明のバラ科ポテンチラ属ミヤマキンバイより得られる植物抽出物の
製造方法>
バラ科ポテンチラ属ミヤマキンバイの全草の乾燥物100(g)を、細切した後、50
0(mL)の50%エタノル水溶液を加えて3時間、加熱還流し、冷却後濾過にて不溶物
を取り除いた後、減圧濃縮し、ついで凍結乾燥し、植物抽出物3を得た。しかる後に、植物抽出物3に200(mL)の水と200(mL)の酢酸エチルを加え、液液抽出を行い、酢酸エチル相をとり、減圧濃縮し、本発明のバラ科ポテンチラ属ミヤマキンバイより得られる植物抽出物を得た。
<製造例12: 本発明のマメ科アスパラトゥス属ルイボスより得られる植物抽出物の製
造方法>
マメ科アスパラトゥス属ルイボスの葉の乾燥物100(g)を、細切した後、500(mL)の50%エタノル水溶液を加えて3時間、加熱還流し、冷却後濾過にて不溶物を取
り除いた後、減圧濃縮し、ついで凍結乾燥し、抽出物4を得た。しかる後に、抽出物4に200(mL)の水と200(mL)の酢酸エチルを加え、液液抽出を行い、酢酸エチル相をとり、減圧濃縮し、本発明のマメ科アスパラトゥス属ルイボスより得られる植物抽出物を得た。
<製造例13: 本発明のバラ科シモツケソウ属シモツケソウより得られる植物抽出物の
製造方法>
バラ科ポテンチラ属シモツケソウの全草の乾燥物100(g)を、細切した後、500
(mL)の50%エタノル水溶液を加えて3時間、加熱還流し、冷却後濾過にて不溶物を取り除いた後、減圧濃縮し、ついで凍結乾燥し、抽出物5を得た。しかる後に、抽出物5に200(mL)の水と200(mL)の酢酸エチルを加え、液液抽出を行い、酢酸エチル相をとり、減圧濃縮し、本発明のバラ科シモツケソウ属シモツケソウより得られる植物抽出物を得た。
<製造例14: 本発明のキク科ヨモギ属ヨモギより得られる植物抽出物の製造方法>
キク科ヨモギ属ヨモギの全草の乾燥物100(g)を、細切した後、500(mL)の5
0%エタノル水溶液を加えて3時間、加熱還流し、冷却後濾過にて不溶物を取り除いた後、減圧濃縮し、ついで凍結乾燥し、抽出物6を得た。しかる後に、抽出物6に200(mL)の水と200(mL)の酢酸エチルを加え、液液抽出を行い、酢酸エチル相をとり、減圧濃縮し、本発明のキク科ヨモギ属ヨモギより得られる植物抽出物を得た。
<製造例15: 本発明のマメ科ゲンゲ属レンゲソウより得られる植物抽出物の製造方法

マメ科ゲンゲ属レンゲソウの全草及び種子の乾燥物1(kg)を細断し、10(L)のエ
タノル溶液を加え、50℃以下の温度にて一晩浸漬した後、濾過にて不溶物を除去することにより、エタノル溶液抽出物である抽出物を得た。
以下の方法に従い、本発明のAGEs分解剤のAGEs分解作用を評価した。
<試験例1: AGEs分解作用評価1(α−ジケトンのC-C結合切断作用の測定)>
22mM 1−フェニル−1,2−プロパンジオン/メタノール+0.1M リン酸緩衝液(pH7.4) 1(mL)と、本発明の植物抽出物(モクセイ科オリーブ属オリーブより
得られる植物抽出物、ユキノシタ科ユキノシタ属ユキノシタより得られる植物抽出物、バラ科ポテンチラ属トルメンチラより得られる植物抽出物、バラ科ポテンチラ属カワラサイコより得られる植物抽出物、バラ科ポテンチラ属ミヤマキンバイより得られる植物抽出物、マメ科アスパラトゥス属ルイボスより得られる植物抽出物、バラ科シモツケソウ属シモツケソウより得られる植物抽出物、キク科ヨモギ属ヨモギより得られる植物抽出物、マメ科ゲンゲ属レンゲソウより得られる植物抽出物) 1(mL)を混合し、37℃で10時間
反応させ、安息香酸の量をHPLCにて定量した。
(HPLC条件)
分析条件 検出器 :紫外吸光光度計(測定波長:260nm)
カラム :東ソー TSK−ODS80TsQA
カラム温度:室温
移動層 :氷酢酸2(g)/アセトニトリル 500(mL)+エデト酸二ナトリウム溶液(
1→250) 500(mL)
流量:1(mL)/min.
前述した本発明のAGEs分解剤に付いて、試験例1に記載の方法に従いAGEs分解作用評価(α−ジケトンのC-C結合切断作用の測定)を実施した。本発明のAGEs分解作用を有する
植物抽出物の切断作用は、モクセイ科オリーブ属オリーブより得られる植物抽出物(29%)、ユキノシタ科ユキノシタ属ユキノシタより得られる植物抽出物(35%)、バラ科ポテンチラ属トルメンチラより得られる植物抽出物(32%)、バラ科ポテンチラ属カワラサイコより得られる植物抽出物(29%)、バラ科ポテンチラ属ミヤマキンバイより得られる植物抽出物(34%)、マメ科アスパラトゥス属ルイボスより得られる植物抽出物(25%)、バラ科シモツケソウ属シモツケソウより得られる植物抽出物(37%)、キク科ヨモギ属ヨモギより得られる植物抽出物(33%)、マメ科ゲンゲ属レンゲソウより得られる植物抽出物(43%)であった。本発明のAGEs分解剤には、優れたAGEs分解作用が認められた。
<試験例2: AGEs分解作用評価2(グルコス−牛血清アルブミンAGEs分解作用の測定
)>
以下の試験材料を用い、AGEs分解作用評価を実施した。
AGE−BSA:グルコ−スと牛血清アルブミン(BSA)を37℃で12週間以上インキュベ
トし、PD−10 columns(Amersham Biosciences 17−0851−01)にて余分なグ
ルコスを除いたもの、1次抗体 :Anti-Albumin、Bovine Serum、Rabbit−Poly ROCKLAND 201−41331/20000、2次抗体 :Goat anti−rabbit IgG horseradish peroxidase conjugate BioRAD 170−6515 1/10000、基質 :TMB solution
Wako 546−01911
(手順)
Type I コラゲンコトした96穴マイクロプレト(Bio Coat 35 4407
)に10(μg/mL)のAGE-BSAを100μL加え、1.0μg(AGE-BSA/well) 37℃
にて4時間静置した後、0.05%Tween20/PBS(−)にて3回洗浄(マイクロミキサ上で室温、3分間振とうし)、PBS(−)に溶解した濃度(1×10−4%)の試料を
100(μL)加え、37℃で10時間以上反応させる。その後、0.05%Tween20/PBS(−)にて3回洗浄し、1次抗体を各wellに100μL/well加え、室温で30分間静置する。0.05%Tween20/PBS(−)にて3回洗浄し、2次抗体を100(μL
/well)入れ、室温30分間静置する。0.05%Tween20/PBS(−)にて3回洗浄し、TMBを100(μL/well)加え、室温15分反応させる。1N 塩酸を100
(μL/well)入れ、反応を止め、450nmの吸光度を測定する。AGEsの量を変え、
検量線を引き、この検量線より残存AGEs量を定量した。残存AGEsを添加したAGEsより減じ、添加したAGEsで除し、100を乗じてAGEs分解率を算出した。
前述した本発明のAGEs分解剤に付いて、試験例2に記載の方法に従いAGEs分解作用評価(グルコース−牛血清アルブミンAGEs分解作用の測定)を実施した。本発明のAGEs分解作用を有する植物抽出物のグルコース−牛血清アルブミンAGEs分解作用は、モクセイ科オリーブ属オリーブより得られる植物抽出物(25%)、ユキノシタ科ユキノシタ属ユキノシタより得られる植物抽出物(28%)、バラ科ポテンチラ属トルメンチラより得られる植物抽出物(24%)、バラ科ポテンチラ属カワラサイコより得られる植物抽出物(28%
)、バラ科ポテンチラ属ミヤマキンバイより得られる植物抽出物(31%)、マメ科アスパラトゥス属ルイボスより得られる植物抽出物(24%)、バラ科シモツケソウ属シモツケソウより得られる植物抽出物(32%)、キク科ヨモギ属ヨモギより得られる植物抽出物(33%)、マメ科ゲンゲ属レンゲソウより得られる植物抽出物(37%)であった。本発明のAGEs分解剤には、優れたAGEs分解作用が認められた。
<試験例3: ヒト角層中におけるAGEsの産生抑制作用評価>
角層中のAGEsは次のようにして検出できる。皮膚より市販の粘着テプ等を利用してテプストリッピングにより角層採取を行い、溶剤で半日処理して粘着テプ部分を除去する。得られた角層に対して免疫組織染色を行い、染色された角層標本を顕微鏡下で観察する。結果を図1に示す。前記溶剤としては、有機溶媒、特にキシレンが好ましく例示できる。免疫組織染色の条件として、一次抗体(anti AGE monocronal antibody(mouse) TransGenic KH001)、ビオチン化2次抗体(Biotin-Rabbit Anti Mouse IGg conjugate ZYMED 81-6740)、ABC 試薬(R.T.U VECTASTAIN Elite ABC REAGENT BECTOR PK-7100)、AEC基質(ENVISION kit/HRP(AEC) Dako K3464)が好ましく例示できる。対照として、70%エタノル溶液に浸漬した角層標本を用意した。角層標本を、100mMグルコスを
溶解した70%エタノル溶液に浸漬する。また、本発明のAGEs分解剤であるマメ科ゲンゲ属レンゲソウより得られる植物抽出物 0.1%共存下、非共存下で、37度で8日間
放置後、AGEsを検知した。マメ科ゲンゲ属レンゲソウより得られる植物抽出物の非共存下においては、対照と比較して明らかに反応部位が多く、グルコスによりAGEsが産生したことがわかった。マメ科ゲンゲ属レンゲソウより得られる植物抽出物 0.1%共存下で
は、非共存下に比べて明らかに反応部位が少なく、マメ科ゲンゲ属レンゲソウより得られる植物抽出物がヒト角層中におけるAGEsの産生抑制作用を有することがわかった。この度合いは、標識の存在面積比によって定量化することができるし、該標識の存在割合は、後述の如く、スコアなどで簡便に数値化できる。結果を図1に示す。
<本発明の皮膚外用剤>
本発明の皮膚外用剤は、1)前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と、2)AGEs分解剤を含有することを特徴とする。本発明の前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩は、AGEs分解剤と共に皮膚外用剤に含有することにより、皮膚症状に対する優れた予防又は改善作用、取り分け、紫外線暴露による色素沈着に対する予防又は改善作用、並びに、シワ形成に対する予防又は改善作用を発揮する。
また、本発明の皮膚外用剤の必須成分である1)前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と、2)AGEs分解剤とを含有する皮膚外用剤の製剤化にあたっては、通常の医薬品、医薬部外品、化粧料などの製剤化で使用される任意成分を含有することが出来る。本発明の皮膚外用剤としては、医薬品、医薬部外品、化粧品などが好適に例示出来、日常的に摂取出来ることから、化粧品、医薬部外品などに適応することが好ましい。その投与経路としては、かかる成分が連続投与される場合、さらには安全性を考慮した場合、経皮的に投与されることが好ましい。本発明の皮膚外用剤としては、皮膚に外用で適用されるものであれば、特段の限定無く使用することができ、例えば、化粧料、皮膚外用医薬、皮膚外用雑貨などが好適に例示でき、化粧料に適用することが特に好ましい。これは本発明の皮膚外用剤が、比類無き使用感の良さを有しているため、使用感が重要な化粧料に特に好適であるためである。また、本発明の皮膚外用剤としては、例えば、化粧料などのロション、乳液、エッセンス、クリム、パック化粧料、洗顔化粧料、クレンジング化粧料等が好ましく例示できる。更にその剤形としては、化粧料の領域で知られているものであれば特段の限定はなく、ロション製剤、水中油乳化製剤、油中水乳化製剤、複合エマルション乳化製剤等に好ましく例示できる。
本発明の皮膚外用剤においては、かかる成分以外に、通常皮膚外用剤で使用される任意成分を含有することが出来る。この様な任意成分としては、例えば、マカデミアナッツ油、アボガド油、トウモロコシ油、オリブ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマシ油、サフラワ油、綿実油、ホホバ油、ヤシ油、パム油、液状ラノリン、硬化ヤシ油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、イボタロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、ホホバロウ等のオイル、ワックス類;流動パラフィン、スクワラン、プリスタン、オゾケライト、パラフィン、セレシン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素類;オレイン酸、イソステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸等の高級脂肪酸類;セチルアルコル、ステアリルアルコル、イソステアリルアルコル、ベヘニルアルコル、オクチルドデカノル、ミリスチルアルコル、セトステアリルアルコル等の高級アルコール等;イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソプロピル、セバチン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロルプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロルプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタンエリトリット等の合成エステル油類;ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン;オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサンシロキサン等の環状ポリシロキサン;アミノ変性ポリシロキサン、ポリエテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等の変性ポリシロキサン等のシリコン油等の油剤類;脂肪酸セッケン(ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等)、ラウリル硫酸カリウム、アルキル硫酸トリエタノルアミンエテル等のアニオン界面活性剤類;塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミンオキサイド等のカチオン界面活性剤類;イミダゾリン系両性界面活性剤(2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等)、ベタイン系界面活性剤(アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)、アシルメチルタウリン等の両性界面活性剤類;ソルビタン脂肪酸エステル類(ソルビタンモノステアレト、セスキオレイン酸ソルビタン等)、グリセリン脂肪酸類(モノステアリン酸グリセリン等)、プロピレングリコール脂肪酸エステル類(モノステアリン酸プロピレングリコル等)、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエテル、POEソルビタン脂肪酸エステル類(POEソルビタンモノオレエト、モノステアリン酸ポリオキエチレンソルビタン等)、POEソルビット脂肪酸エステル類(POE−ソルビットモノラウレト等)、POEグリセリン脂肪酸エステル類(POE−グリセリンモノイソステアレト等)、POE脂肪酸エステル類(ポリエチレングリコルモノオレト、POEジステアレト等)、POEアルキルエテル類(POE2−オクチルドデシルエテル等)、POEアルキルフェニルエテル類(POEノニルフェニルエテル等)、プルロニック型類、POE・POPアルキルエテル類(POE・POP2−デシルテトラデシルエテル等)、テトロニック類、POEヒマシ油・硬化ヒマシ油誘導体(POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油等)、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド等の非イオン界面活性剤類;ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム等の保湿成分類;表面を処理されていてもよい、マイカ、タルク、カオリン、合成雲母、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸(シリカ)、酸化アルミニウム、硫酸バリウム等の粉体類;表面を処理されていてもよい、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化コバルト、群青、紺青、酸化チタン、酸化亜鉛の無機顔料類;表面を処理されていても
、雲母チタン、魚燐箔、オキシ塩化ビスマス等のパル剤類;レキ化されていてもよい赤色202号、赤色228号、赤色226号、黄色4号、青色404号、黄色5号、赤色505号、赤色230号、赤色223号、橙色201号、赤色213号、黄色204号、黄色203号、青色1号、緑色201号、紫色201号、赤色204号等の有機色素類;ポリエチレン末、ポリメタクリル酸メチル、ナイロン粉末、オルガノポリシロキサンエラストマ等の有機粉体類;パラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤;アントラニル酸系紫外線吸収剤;サリチル酸系紫外線吸収剤;桂皮酸系紫外線吸収剤;ベンゾフェノン系紫外線吸収剤;糖系紫外線吸収剤;2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベ
ンゾトリアゾル、4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン等の紫外線吸収剤類;エタノル、イソプロパノル等の低級アルコール類;ビタミンA又はその誘導体、ビタミンB 塩酸塩、ビタミンB トリパルミテト、ビタミンB ジオクタノエト、ビタミンB 又はその誘導体、ビタミンB 12 、ビタミンB 15 又はその誘導体等のビタミンB類;α−トコフェロル、β−トコフェロル、γ−トコフェロル、ビタミンEアセテト等のビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチン、ピロロキノリンキノン等のビタミン類等;フェノキシエタノル等の抗菌剤;ヘクトライト、ジメチルジステアリルアンモニウム変性ヘクトライトなどの有機変性粘土鉱物などが好ましく例示できる。
本発明の皮膚外用剤は前記の必須成分を含有することを特徴とする。本発明の皮膚外用剤は、化粧料の領域で知られているものであれば特段の限定はなく、ロション製剤、水中油乳化製剤、油中水乳化製剤、複合エマルション乳化製剤等に乳化剤形の形態としては、油中水乳化剤形でも、水中油乳化剤形でも構わないが、油中水乳化剤形が特に好ましい。ここで、油中水乳化剤形とは外相に油相を有する乳化剤形を総合して称する言葉であり、内相に水相を含有していてもよいし、水中油エマルションなどの乳化物を有していてもよい
本発明の皮膚外用剤においては、通常の化粧料などの皮膚外用剤で使用されている非界面活性剤を含有することが出来る。更に、乳化状態を安定に保つ意味でアルキル変性カルボキシビニルポリマ及び/又はその塩を含有させることも好ましい。かかる成分の好ましい含有量は、皮膚外用剤全量に対して、0.01〜0.5質量%であり、より好ましくは0.05〜0.3質量%である。かかる成分は、皮膚に投与後前記必須成分であるアモジメチコンと複合膜を作り、アモジメチコンの効果を増強させるので、その意味でも含有することが好ましい。かかるアルキル変性カルボキシビニルポリマには市販品が存し、かかる市販品を購入して使用することが出来る。好ましい市販品としては、日本サファクタント工業株式会社から市販され、炭素数10〜30のアルキル基でアルキル変性されている「ペムレン(PEMUREN;登録商標)TR−1」、「ペムレン(PEMUREN;登録商標)TR−2」、BFグッドリッチ社(米)から市販されている「カボポル(CARBOPOL;登録商標)1382」などがあり、アルキル変性されていないカ
ルボキシビニルポリマとしては、BFグッドリッチ社(米)から市販されている「カボポル(CARBOPOL;登録商標)Ultrez10」、「カーボポール(CARBOPOL;登録商標)940」などがある。このような親水性高分子は、唯一種を用いても、二種以上を組み合わせて用いても構わない。本発明の水中油型乳化皮膚外用剤は、このような親水性高分子を、0.05〜1質量%含有することが好ましく、0.08〜0.5質量%含有することがより好ましい。これより少ないと乳化系が不安定化するし、これより多いと系の粘度が高くなりすぎて、塗布性が悪くなる。
また、前記の任意成分の中で特に好ましいものとしては、非イオン界面活性剤であり、中でも、親油性の界面活性剤であって、乳化状態に於いて構造形成性に優れるもの好ましく、かかる非イオン界面活性剤としては、ソルビタンステアリン酸エステル、グリセリンモノステアリン酸エステルなどが特に好適に例示できる。かかる成分の好ましい含有量は0.1〜5質量%であり、より好ましくは0.2〜3質量%である。かかる成分を加えることにより、皮膚との接着性に優れるようになる。
本発明の皮膚外用剤は、1)前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と、2)AGEs分解剤とを含有することにより、「皮膚症状に対する予防又は改善用」、「紫外線暴露による色素沈着に対する予防又は改善用」、「シワ形成に対する予防又は改善用」、「皮膚透明感の改善用」、「くすみ改善用」などの美肌関連の肌症状に関する予防又は改善用として効果を発揮する。また、その他の皮膚症状の予防又は改善作用を期待し、皮膚外用剤に前記成分を含有させる場合にも、前記の皮膚症状の予防又は改善効果が発揮されている場合には本発明の効果を利用するものであるので、本発明の技術的範囲に属する。前記の美肌効果以外の作用としては、保湿作用、肌荒れ予防又は改善作用、老化改善作用などが挙げられる。
本発明の皮膚外用剤は、前記の任意成分や必須成分を常法に従って処理することにより製造することが出来る。
以下に、実施例を挙げて、更に詳細に本発明について説明を加える。
<製造例16: 本発明の皮膚外用剤の製造方法1>
以下の表1及び表2に示す処方に従って、本発明の皮膚外用剤である化粧料(ロション1〜11)を作製した。即ち、処方成分を80℃に加熱し、攪拌し、溶解させ、攪拌冷却した後、化粧料(ロション1〜11)を得た。同様に、表1の処方成分中の「本発明の前記一般式(1)に表される化合物」を「水」に置換した比較例1、「本発明のAGEs分解剤」を「水」に置換した比較例2、「本発明の前記一般式(1)に表される化合物」及び「本発明のAGEs分解剤」を共に「水」に置換した比較例3を作製した。
Figure 0005911293
Figure 0005911293
<試験例4: 本発明の皮膚外用剤の色素沈着抑制作用評価1>
実施例1に記載の方法に従い製造した化粧料(ロション1〜11)及び比較例1〜3を用い、色素沈着抑制効果を調べた。自由意思で参加したパネラの背部に、試験初日(1日目)に1.5cm×1.5cmの試験部位を設け、試験部位の皮膚明度(L*値)を
色彩色差計(CR-300、コニカミノルタ株式会社)にて測定した。試験初日に皮膚明
度を測定した後、試験部位に最少紅斑量の2倍量(2MED)の紫外線を1回照射した。
紫外線照射終了直後より1日3回、14日連続して、各試験部位に各検体(ロション1〜11及び比較例1〜3)を50μL塗布した。塗布終了24時間後(15日目)に色彩色差計(CR-300、コニカミノルタ株式会社)にて各試験部位の皮膚明度(L*値)
を測定し、試験初日のL*値から15日目のL*値を引いたΔL*値を算出した。L*値は大きいほど皮膚明度が高いことを示す。そのため、ΔL*値が小さいほど、試験初日のL*値と15日目のL*値との差が小さく、色素沈着が抑制されたと判断することができる。結果を表3に示す。本発明の皮膚外用剤であるロション1〜11は、比較例3と比べてΔL*値が小さく、優れた色素沈着抑制効果を有することが分かる。また、比較例1及び比較例2も、比較例3と比べてΔL*値が小さく、色素沈着抑制作用が認められたが、その効果はロション1〜11に比較し弱かった。これにより、本発明の皮膚外用剤である化粧料(ロション1〜11)は、優れた色素沈着に対する予防又は改善効果を示すことが分かる。
Figure 0005911293
<製造例17: 本発明の皮膚外用剤の製造方法2>
表4及び表5に記載の処方に従い油中水乳化剤型の化粧料(クリム1〜3)を作製した。即ち、イ、ロ、ハの成分をそれぞれ80℃に加温し、イの中にニを加えて溶解させ、混練してゲルを形成させ、これにロを加え希釈し、これに攪拌下徐々にハを加えて乳化し、攪拌冷却し、本発明の皮膚外用剤である化粧料(クリム1〜3)を作製した。同様の操作により、化粧料(クリム1)に含まれる「本発明の前記一般式(1)に表される化合物」及び「本発明のAGEs分解剤」を共に「水」に置換した比較例4を作製した。
Figure 0005911293
Figure 0005911293
<試験例5: 本発明の皮膚外用剤の色素沈着抑制作用評価2>
実施例3に記載の方法に従い製造した化粧料(クリム1〜3)及び比較例4に関し、実施例2に記載の試験方法に従い色素沈着抑制効果を評価した。結果を表6に示す。本発明の皮膚外用剤である化粧料(クリム1〜3)は、比較例4と比べてΔL*値が小さく、優れた色素沈着に対する予防又は改善効果を有することが分かる。
Figure 0005911293
<製造例18: 本発明の皮膚外用剤の製造方法3>
表4及び表5に記載の皮膚外用剤(クリーム1)の処方成分中、「ベントン38V」をPOE(25)ステアリン酸に置換したクリーム4の作製を試みたところ、クリーム4は、製造直後に分離しており、乳化物が得られなかった。
<試験例6: 本発明の皮膚外用剤のシワ改善効果に関する評価1>
実施例1に記載の方法に従い製造した皮膚外用剤(化粧料1〜7)、比較例1〜3に関し、以下の試験方法に従い、シワ改善効果を調べた。即ち、目尻のシワが気になるパネラ(女性、年齢層40〜60歳)各群5名よりなる群に、皮膚外用剤(化粧料1〜7)、比較例1〜3を渡し、1日朝晩2回、連日8週間使用してもらい、シワ改善度合をスコア
0:改善無し、スコア1:少し改善が感じられる、スコア2:改善したと感じる、スコア3:明瞭に改善した、スコア4:著しく改善した、の基準によりスコア評価を実施した。結果を表7に出現数として表す。これより本発明の1)前記一般式(1)に表される化合物と、2)AGEs分解剤を含有する皮膚外用剤(化粧料1〜7)は、シワ改善効果に優れることがわかる。また、前記一般式(1)角層AGEs分解作用を有するマメ科ゲンゲ属レンゲソウより得られる植物抽出物と抗シワ改善剤を含有する皮膚外用剤には、より高いシワ改善効果が認められた。
表7の結果より、本発明の化粧料(ロション1及びロション5)は、優れたシワ改善効果を有することがわかる。
Figure 0005911293
<試験例: 本発明の皮膚外用剤のシワ改善効果に関する評価2>
実施例3に記載の方法に従い製造した化粧料(クリム1〜3)及び比較例4に関し、実施例6に記載の方法に従い、本発明の皮膚外用剤の光老化モデルを用いたシワ改善効果を評価した。結果を表8に示す。
Figure 0005911293
表8の結果より、化粧料(クリム1〜3)は、優れたシワ改善効果を有することがわかる。
<試験例: 本発明の皮膚外用剤の色素沈着抑制作用評価
実施例1に記載の方法に従い製造した化粧料(ロション1、ローション5及びローション7)及び比較例3に関し、以下の手順に従い色素沈着抑制作用評価を行った。メラニン量が平均より多いパネラの選択にあたっては、皮膚から粘着テプストリッピングにより採取した角層細胞の標本を、硝酸銀水溶液を用いたメラニン染色を行うことにより可視化し、これを顕微鏡下観察することにより判定した。判定にあたっては、平均的な存在状況をスコア化して判別した。自由意志で参加した被験者の内、角層標本を用い有核細胞
の出現率が平均よりも高い、乃至は、重層剥離の度合いが平均よりも多い人を観察により選択しパネラとした。パネラの上腕内側部に1.5cm×1.5cmの試験部位を4ヶ所設け、最少紅斑量(1MED)の紫外線照射を1日1回、3日連続して3回照射した。照射終了後1日より、1日1回28日連続してサンプル50μLを塗布した。塗布終了
24時間後(29日目)に色彩色差計(CR-300、コニカミノルタ株式会社)にて各
試験部位の皮膚明度(L*値)を測定し、試験初日のL*値から29日目のL*値を引いたΔL*値を算出した。L*値は大きいほど皮膚明度が高いことを示す。そのため、ΔL*値が小さいほど、試験初日のL*値と29日目のL*値との差が小さく、色素沈着が抑制されたと判断することができる。結果を表9に示す。これにより、本発明の皮膚外用剤である化粧料(ロション1、ローション5及びローション7)は、優れた色素沈着抑制効果を示すことが分かる。
Figure 0005911293
<試験例9: 本発明の皮膚外用剤の色素沈着抑制作用評価
実施例3に記載の方法に従い製造した化粧料(クリム1〜3)及び比較例4に関し、実施例8に記載の方法に従い、色素沈着抑制作用を評価した。結果を表10に示す。表10の結果より、本発明の皮膚外用剤(クリム1〜3)は、優れた色素沈着抑制作用を示すことが判る。
Figure 0005911293
本発明は、美白用、シワ形成に対する予防又は改善用の化粧料などに応用可能である。

Claims (13)

  1. 1)下記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及びそれらの薬理学的に許容される塩から選択される1種以上と、2)アドバンスド・グリケーション・エンドプロダクツ(AGEs:Advanced glycation end-products)分解剤又はAGEs産生抑制剤とを含有
    することを特徴とし、前記AGEs分解剤又はAGEs産生抑制剤が下記の植物より得られる植物抽出物より選択される1種以上である、皮膚外用剤。
    (植物)マメ科ゲンゲ属に属する植物、モクセイ科オリーブ属に属する植物、ユキノシタ科ユキノシタ属に属する植物、バラ科ポテンチラ属に属する植物、マメ科アスパラトゥス属に属する植物、バラ科シモツケソウ属に属する植物、キク科ヨモギ属に属する植物
    Figure 0005911293
    [式中、R1は、水素原子を表し、R2は、水素原子を表し、R3は、フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、プロピルオキシフェニル基、又はビフェニル基を表し、mは0、は1又は2の
    整数を表す。]
  2. 前記一般式()に表される化合物が、下記一般式(4)に表される化合物であることを特徴とする、請求項に記載の皮膚外用剤。
    Figure 0005911293
    [式中、R8は、水素原子を表し、R9は、フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニ
    ル基、プロピルフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、プロピルオキシフェニル基、又はビフェニル基を表す。]
  3. 前記一般式(1)又は(4)に表される化合物が、N−(p−トルイル)システイン酸(化合物1)、N−(m−トルイル)システイン酸(化合物2)、N−(o−トルイル)システイン酸(化合物3)、N−(p−メトキシベンゾイル)システイン酸(化合物4)、又はN−(4−フェニルベンゾイル)システイン酸(化合物5)であることを特徴とする、
    請求項1又は2に記載の皮膚外用剤。
    Figure 0005911293
    N−(p−トルイル)システイン酸(化合物1)
    Figure 0005911293
    N−(m−トルイル)システイン酸(化合物2)
    Figure 0005911293
    N−(o−トルイル)システイン酸(化合物3)
    Figure 0005911293
    N−(p−メトキシベンゾイル)システイン酸(化合物4)
    Figure 0005911293
    N−(4−フェニルベンゾイル)システイン酸(化合物5)
  4. 前記一般式(1)表される化合物が、N−(p−トルイル)ホモシステイン酸(化合物6)であることを特徴とする、請求項1に記載の皮膚外用剤。
    Figure 0005911293
    N−(p−トルイル)ホモシステイン酸(化合物6)
  5. 前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及びそれらの薬理学的に許容される塩から選択される1種以上を、皮膚外用剤全量に対し、0.0001質量%〜20質量%含有することを特徴とする、請求項1〜の何れか1項に記載の皮膚外用剤。
  6. 前記AGEs分解剤又はAGEs産生抑制剤が、マメ科ゲンゲ属レンゲソウ、モクセイ科オリーブ属オリーブ、ユキノシタ科ユキノシタ属ユキノシタ、バラ科ポテンチラ属トルメンチラ、バラ科ポテンチラ属カワラサイコ、バラ科ポテンチラ属ミヤマキンバ、マメ科アスパラトゥス属ルイボス、バラ科シモツケソウ属シモツケソウ、キク科ヨモギ属ヨモギより得られる植物抽出物より選択される1種以上であることを特徴とする、請求項1〜の何れか1項に記載の皮膚外用剤。
  7. 前記のAGEs分解剤又はAGEs産生抑制剤が、皮膚の角層中に存在するAGEsの分解作用を有することを特徴とする、請求項1〜の何れか1項に記載の皮膚外用剤。
  8. 前記AGEs分解剤又はAGEs産生抑制剤を、皮膚外用剤全量に対し0.0001質量%〜10質量%含有することを特徴とする、請求項1〜の何れか1項に記載の皮膚外用剤。
  9. 化粧料であることを特徴とする、請求項1〜の何れか1項に記載の皮膚外用剤。
  10. 皮膚症状の予防又は改善用であることを特徴とする、請求項1〜の何れか1項に記載の皮膚外用剤。
  11. 前記皮膚症状が、紫外線暴露による色素沈着であることを特徴とする、請求項10に記載の皮膚外用剤。
  12. 前記色素沈着が、メラニン過剰輸送により生じる角化細胞の細胞不活性化が関与する色素沈着異常によるものであることを特徴とする、請求項11に記載の皮膚外用剤。
  13. 前記皮膚症状が、シワ形成であることを特徴とする、請求項10に記載の皮膚外用剤。
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