JP5910569B2 - リング式紡機のリング/トラベラ系 - Google Patents

リング式紡機のリング/トラベラ系 Download PDF

Info

Publication number
JP5910569B2
JP5910569B2 JP2013094011A JP2013094011A JP5910569B2 JP 5910569 B2 JP5910569 B2 JP 5910569B2 JP 2013094011 A JP2013094011 A JP 2013094011A JP 2013094011 A JP2013094011 A JP 2013094011A JP 5910569 B2 JP5910569 B2 JP 5910569B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ring
traveler
spinning machine
recess
groove
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013094011A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014029045A (ja
Inventor
中野 勉
勉 中野
丸山 直樹
直樹 丸山
直路 冨永
直路 冨永
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyota Industries Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Industries Corp filed Critical Toyota Industries Corp
Priority to JP2013094011A priority Critical patent/JP5910569B2/ja
Priority to EP13173525.0A priority patent/EP2682508B1/en
Priority to CN201310273529.6A priority patent/CN103526357B/zh
Publication of JP2014029045A publication Critical patent/JP2014029045A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5910569B2 publication Critical patent/JP5910569B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • DTEXTILES; PAPER
    • D01NATURAL OR MAN-MADE THREADS OR FIBRES; SPINNING
    • D01HSPINNING OR TWISTING
    • D01H1/00Spinning or twisting machines in which the product is wound-up continuously
    • D01H1/02Spinning or twisting machines in which the product is wound-up continuously ring type
    • DTEXTILES; PAPER
    • D01NATURAL OR MAN-MADE THREADS OR FIBRES; SPINNING
    • D01HSPINNING OR TWISTING
    • D01H7/00Spinning or twisting arrangements
    • D01H7/02Spinning or twisting arrangements for imparting permanent twist
    • D01H7/52Ring-and-traveller arrangements
    • D01H7/60Rings or travellers; Manufacture thereof not otherwise provided for ; Cleaning means for rings
    • D01H7/602Rings
    • DTEXTILES; PAPER
    • D01NATURAL OR MAN-MADE THREADS OR FIBRES; SPINNING
    • D01HSPINNING OR TWISTING
    • D01H7/00Spinning or twisting arrangements
    • D01H7/02Spinning or twisting arrangements for imparting permanent twist
    • D01H7/52Ring-and-traveller arrangements
    • D01H7/60Rings or travellers; Manufacture thereof not otherwise provided for ; Cleaning means for rings
    • D01H7/604Travellers

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Textile Engineering (AREA)
  • Spinning Or Twisting Of Yarns (AREA)
  • Ropes Or Cables (AREA)

Description

本発明は、リング式紡機のリング/トラベラ系に係り、詳しくはリング式紡機の液潤滑の無いリング/トラベラ系に関する。
リング精紡機用のリング/トラベラ系において、摩擦摩耗や焼き付きなどによる性能低下を抑制することによって高速化や寿命延長を達成するため、材質変更、表面処理、形状変更、潤滑液の使用等の種々の技術が提案されている。このうち、潤滑液を使用する方策は、比較的低コストで効果もあるが、オイルによって通過する糸が汚れたり、メンテナンスに手間がかかったりする等の問題があり、毛紡などの比較的限られた用途にのみ用いられている。
リング精紡機やリング撚糸機のリングに、摩耗低減効果を改良した表面処理として、表面構造を付与した硬質クロムめっきを施すことが提案されている(特許文献1参照)。表面構造としては、硬質クロム被膜の厚さが1μm〜60μmであり、粗さRaが特に最大0.3μmであることが好ましいとしている。
また、リング式紡機には直接関係ないが、材料表面の摩擦抵抗を低減する微細な周期構造の作成方法が提案されている(特許文献2参照)。具体的には、フェムト秒パルスレーザーを材料表面に照射し、その照射部をオーバーラップさせながら走査して、入射光とその材料表面に沿った散乱光の干渉部分のアブレーションによって周期構造を作製する。周期構造は、サブミクロンの間隔と溝深さを持つ。
特表2002−510755号公報 国際公開2004/035255号公報
ところが、特許文献1の構成では、トラベラの滑走時における摩擦抵抗の低減効果が不充分で、トラベラが摩耗によりリングから飛散してしまうことがあった。一方、特許文献2で提案されている構成、即ち摺動面に微細周期構造を付与する構成は、液潤滑条件での摺動を前提としている。そのため、液潤滑の無い条件下で摺動されるリング/トラベラ系にそのまま適用した場合、早期に周期構造が摩滅し、摩擦抵抗低減効果が失われてしまう。
本発明は、前記の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、液潤滑を用いずに、従来品に比べて摩擦低減効果が向上し、かつ摩擦低減効果を長く持続することができるリング式紡機のリング/トラベラ系を提供することにある。
上記課題を解決するリング式紡機のリング/トラベラ系は、非液潤滑で、トラベラの滑走時における前記トラベラとリングとの摺動面に、0.1〜20μmの深さの凹部と、1〜250μmの幅の平面部とからなる周期構造が形成されており、前記凹部により前記トラベラ及び前記リングの摺動時に周囲の空気によるくさび効果を生じさせる。ここで、「リング式紡機」とは、リングレールに支持されて昇降するリング上を摺動するトラベラを介して糸の巻き取りを行うリング精紡機、リング撚糸機等の紡機を意味する。また、「凹部」とは、溝及び周囲が平面で囲まれた窪みを意味する。
この発明では、凹部により摺動時に周囲の空気によるくさび効果が生じて摩擦低減効果が得られるとともに、摺動は平面部で行われるため凹部が摩滅することはない。凹部及び平面部は、リングに形成されても、トラベラに形成されても良い。したがって、液潤滑を用いずに、従来品に比べて摩擦低減効果が向上し、かつ摩擦低減効果を長く持続することができる。
前記平面部の幅は10〜50μmであることが好ましい。平面部の幅が狭いと平面部の摩耗の点で不利になり、平面部の幅が広いと凹部の合計面積が小さくなってくさび効果の寄与が少なくなる。そのため、平面部の幅は10〜50μmが好ましい。
前記凹部の深さは5μm以下であることが好ましい。この場合、凹部による負荷能力を得易い。
前記凹部は溝であることが好ましい。凹部が溝の場合、凹部が窪みの場合に比べて、摩耗粉排出による摩擦低減効果が発揮され易い。
前記凹部は円形で直径5〜50μm、深さ1〜10μmの窪みであり、隣り合う窪み間の距離が10〜100μmであることが好ましい。凹部が溝でなくても、円形の窪みで直径、深さ及び隣り合う窪み間の距離が前記の範囲の場合、くさび効果及びトラベラとリングとの摺動界面から摩耗粉やその他異物を排出する効果により摩擦低減効果が良好に得られる。
前記凹部及び前記平面部のうちの少なくとも前記凹部には固体潤滑性コーティング層が形成されていることが好ましい。この構成によれば、凹部には固体潤滑性コーティング層が形成されているため、固体潤滑性コーティング層が形成されていない場合に比べて、凹部に繊維、摩耗粉、その他異物が侵入してもその排出性が高くなり、凹部によるくさび効果及びトラベラとリングとの摺動界面からの摩耗粉やその他異物の排出効果が低減することを抑制することができる。
本発明によれば、液潤滑を用いずに、従来品に比べて摩擦低減効果が向上し、かつ摩擦低減効果を長く持続することができるリング式紡機のリング/トラベラ系を提供することができる。
(a)は第1の実施形態のリングの斜視図、(b)は部分拡大斜視図、(c)は紡出中のトラベラとリングとの関係を示す模式断面図。 (a),(b),(c)は溝と平面部との関係を示す模式断面図。 (a),(b),(c)は溝の延びる方向を示す模式図。 (a),(b),(c)は斜めに延びる溝と平面部との関係を示す模式図。 滑走抵抗と滑走距離との関係を示すグラフ。 (a)は実施形態のリングを使用した場合、(b)は市販品のリングを使用した場合のトラベラの摩耗状態を示す模式図。 第2の実施形態の凹部を示す模式図。 滑走抵抗と滑走距離との関係を示すグラフ。 (a)は実施形態のリングを使用した場合、(b)は市販品のリングを使用した場合のトラベラの摩耗状態を示す模式図。 凹部壁面に固体潤滑性コーティングが形成された実施形態の模式断面図。 (a)は別の実施形態の溝の形状を示す模式断面図、(b)は別の実施形態の溝の配置を示す模式図、(c)は別の実施形態のリングとトラベラの形状を示す部分断面図。 別の実施形態の凹部を示す模式図。
(第1の実施形態)
以下、本発明をリング精紡機のリング/トラベラ系に具体化した第1の実施形態を図1〜図6にしたがって説明する。
図1(a)〜(c)に示すように、リング/トラベラ系を構成するリング11は、断面形状がT型のフランジ11aを有し、トラベラ12はC型断面形状に形成されている。リング11はベアリング鋼で形成され、図1(b),(c)に示すように、フランジ11aの表面にメッキ層13が形成されている。メッキ層13はクロムメッキで、厚さが10〜20μm程度に形成されている。
メッキ層13には、トラベラ12の滑走時におけるトラベラ12とリング11との摺動面に、この実施形態では図1(c)に示すようにフランジ11aの内周面に、周期構造(テクスチャ)14が形成されている。周期構造14は、図2、図3及び図4に示すように、凹部としての溝15と、平面部16とが交互に形成された状態に構成されている。溝15は、深さが0.1〜20μm、好ましくは5μm以下に形成されている。平面部16は、幅が1〜250μm、好ましくは10〜50μmに形成されている。
溝15は一定幅で形成され、図2(a)に示すように、溝幅W1が平面部16の幅としてのリッジ幅W2と同じでも、図2(b)に示すように、溝幅W1がリッジ幅W2より広くても、図2(c)に示すように、溝幅W1がリッジ幅W2より狭くてもよい。また、溝15は、その延びる方向が、図3(a)に示すように、リング11の周方向と直交する方向であっても、図3(b)に示すように、周方向と平行であっても、図3(c)に示すように、周方向と斜めに交差する方向であってもよい。なお、図3(a)〜(c)では、図の左右方向がリング11の周方向になる。
周期構造14は、例えば、フェムト秒パルスレーザーをリング11の周期構造14を形成すべき箇所に照射することにより形成される。
次に前記のように構成されたリング/トラベラ系の作用を説明する。図示しないドラフトパートから送出された糸Yは、図1(c)に示すように、トラベラ12を経て高速回転されるボビン(図示せず)に巻き取られる。リング精紡機の通常紡出運転時のスピンドルの最高回転速度は25000rpm程度であり、トラベラ12は糸Yの巻取り張力によりフランジ11a上を滑走する。トラベラ12の滑走姿勢は回転速度により若干異なるが、図1(c)に示すように、フランジ11aの内側下部に当接した状態で滑走する。
この実施形態のリング/トラベラ系は、トラベラ12の滑走時におけるリング11とトラベラ12との摺動面に、溝15と平面部16とが交互に形成された周期構造14を有する。そのため、溝15の存在により、摺動時に周囲の空気によるくさび効果及びトラベラとリングとの摺動界面からの摩耗粉やその他異物を排出する効果により、液潤滑を用いずに、摩擦低減効果が得られる。そして、摺動は平面部16で行われるため、溝15が摩滅することが無い。その結果、従来品に比べて摩擦低減効果が向上し、かつ摩擦低減効果を長く持続する。また、従来では、寿命的に老化したリングであっても、周期構造14を形成することにより、再生できる可能性もある。
周期構造14の効果を確認するため、先ず平面部がない周期構造を有するリング11を、フェムト秒パルスレーザーをリング11の周期構造14を形成すべき箇所に照射することにより形成した。周期的な凹凸の方向が、リング11の周方向と直交、周方向と平行及び周方向と斜め方向の3種類の周期構造を有するリング11を形成して、リング/トラベラ系を構成した。比較例として周期構造の無い市販品のリングを使用したリング/トラベラ系を構成した。そして、慣らし運転なしで紡出試験を行った。トラベラ12の滑走距離が6600km(紡出開始からドッフィングまでのトラベラ12の滑走距離200km×ドッフィング回数33回)に達するまで試験を行い、滑走抵抗と滑走距離との関係を調べた。滑走抵抗は、リングを回転可能に支持し、トラベラにより、リングに与えられる連れ回り力をロードセルで計測して求めた。
その結果、滑走距離2200kmまでは、周期構造14を有するリング/トラベラ系は、いずれも市販品に比べて滑走抵抗が低かった。そして、滑走距離2600km〜4200kmまでは、周期的な凹凸の方向が、リング11の周方向と平行及び周方向と斜め方向の周期構造14において、滑走抵抗が市販品に比べて約30%低下した。しかし、周期的な凹凸の方向が、リング11の周方向と直交する周期構造14の場合は、ドッフ数13回以上では市販品に対する優位性がなくなった。
そこで、図4(a),(b),(c)に示すように、周期的な凹凸の方向が、リング11の周方向(図の左右方向に相当)に対して斜め方向の周期構造14を有するリング11について、溝幅W1と平面部16のリッジ幅W2を種々変えたものを形成して、滑走抵抗とドッフ数との関係を調べた。なお、図4(a)〜(c)においては、ドットの部分が溝15を表し、ドットのない部分が平面部16を表している。
リング11の周方向に対する角度が45°の溝15を有する周期構造14の、溝幅W1と、リッジ幅W2と、溝深さDとの値が、表の組み合わせのものを形成して試験を行った。なお、滑走距離1400kmまでは15000〜21000rpmで段階的に回転数を上げて慣らし運転で紡出し、滑走距離1600km以降において高速回転(22000rpm)で紡出を行った。
結果を図5に示す。図5から、慣らし運転後の高速回転の紡出時には、市販品のリングを使用した場合に比べて、周期構造14を有するリング11ではいずれも滑走抵抗が小さくなり、周期構造14の効果が確認された。
溝幅W1及びリッジ幅W2の関係が同じで、溝深さDが異なる場合を見ると、溝幅W1が20μmでリッジ幅W2が20μmの例(試料1及び試料5)と、溝幅W1が40μmでリッジ幅W2が20μmの例(試料3及び試料6)のいずれの場合も、溝深さが浅い(1μm)方が、溝深さDが深い(5μm)場合に比べて滑走抵抗が小さくなった。溝深さは1μmの方が5μmより好ましいと考えられる。
また、トラベラ12の摩耗状態を観察したところ、市販品のリングを使用した場合は、図6(b)に示すように、リングとの摺動面となる部分に摩耗部20が形成されていた。しかし、周期構造14を有するリング11を使用した場合は、図6(a)に示すように、摩耗部20’は摩耗部20に比べて減少していた。
この実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)リング式紡機(リング精紡機)のリング/トラベラ系は、トラベラ12の滑走時におけるトラベラ12とリング11との摺動面に、0.1〜20μmの深さの凹部と、1〜250μmの幅の平面部16と、が交互に形成された周期構造14を有する。そのため、摺動時に周囲の空気によるくさび効果により、液潤滑を用いずに、従来品に比べて摩擦低減効果が向上し、かつ摩擦低減効果を長く持続することができる。
(2)凹部として溝15が形成されているため、凹部が窪みの場合に比べて、摩耗粉排出による摩擦低減効果が発揮され易い。
(3)平面部16の幅を10〜50μmにした場合は、この範囲を逸脱した場合に比べて、平面部16の摩耗の観点と、周期構造14のくさび効果の寄与との観点から摩耗低減効果が向上する。
(4)凹部(溝15)の深さを5μm以下にした場合は、凹部による負荷能力を得易い。
(5)周期構造14は、溝15と平面部16との周期的な凹凸の方向が、リング11の周方向と傾斜するように構成されている。したがって、周期的な凹凸の方向が、周方向と直交方向の場合に比べて、摩擦低減効果が向上する。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態を図7〜図9にしたがって説明する。この実施形態では、凹部が溝15ではなく窪み(ディンプル)17で構成されている点が第1の実施形態と異なっている。第1の実施形態と同一部分は同一符号を付して詳しい説明を省略する。
図7に示すように、窪み17は、開口部の形状が円形に形成されている。窪み17は、直径5〜50μm、深さ1〜10μmの窪みであり、隣り合う窪み間の距離が10〜100μmである。即ち、窪み17は、リング式紡機のリング/トラベラ系において、非液潤滑で、トラベラ12の滑走時におけるトラベラ12とリング11との摺動面に、0.1〜20μmの深さの凹部と、1〜250μmの幅の平面部と、が交互に形成されているという条件を満たしている。窪み17は、例えば、リング11の周期構造を形成すべき箇所にビーズショットを行うことにより形成される。
リング11の周期構造を形成すべき箇所に、直径10μm、深さ2μm、隣り合う窪み間距離70μmで窪み17を形成して、リング/トラベラ系を構成した。比較例として窪み17の無い市販品のリングを使用したリング/トラベラ系を構成した。そして、それぞれ紡出試験を行った。なお、滑走距離1400kmまでは15000〜21000rpmで段階的に回転数を上げて慣らし運転で紡出し、滑走距離1600km以降において高速回転(22000rpm)で紡出を行った。
結果を図8に示す。図8から、慣らし運転後の高速回転の紡出時には、市販品のリングを使用した場合に比べて、窪み17を有するリング11では滑走抵抗が小さくなり、窪み17の効果が確認された。
また、トラベラ12の摩耗状態を観察したところ、市販品のリングを使用した場合は、図9(b)に示すように、リングとの摺動面となる部分に摩耗部20が形成されていた。しかし、窪み17を有するリング11を使用した場合は、図9(a)に示すように、摩耗部20’の大きさが摩耗部20に比べて小さくなっていた。
したがって、この実施形態においても、第1の実施形態の(1)と同様の効果を得ることができる他に次の効果を得ることができる。
(6)凹部として円形の窪み17が形成されているため、溝15を形成する場合に比べて、凹部を形成するために必要なエネルギー消費が少なくなる。
実施形態は前記に限定されるものではなく、例えば、次のように具体化してもよい。
○ 図10に示すように、凹部としての溝15又は窪み17の壁面に固体潤滑性コーティング層18が形成されていてもよい。固体潤滑性コーティング層18は、例えば、フッ素樹脂により形成される。但し、固体潤滑性コーティング層18によって溝15や窪み17が埋まらないように、溝幅W1、溝深さD及び窪み17の直径や深さは、数μm以上あることが好ましい。溝15又は窪み17に固体潤滑性コーティング層18が形成されている場合は、固体潤滑性コーティング層18が形成されていない場合に比べて、溝15又は窪み17に繊維、摩耗粉、その他異物が侵入してもその排出性が高くなる。その結果、凹部によるくさび効果及びトラベラ12とリング11との摺動界面からの摩耗粉やその他異物の排出効果が低減することを抑制することができる。
○ 固体潤滑性コーティング層18は、凹部及び平面部16のうちの少なくとも凹部に形成されていればよく、溝15又は窪み17の壁面だけでなく、平面部16にも固体潤滑性コーティング層18を形成してもよい。平面部16に固体潤滑性コーティング層18を形成した場合は、トラベラ交換後におけるトラベラ12とリング11とのなじみ性が向上する。
○ 溝15は幅方向の中心に対して対称な形状に限らない。例えば、図11(a)に示すように、溝15の最深部が、溝15を挟んで存在する一方の平面部16側に片寄った位置に存在し、最深部から一方の平面部16に至る面は円弧面で形成され、他方の平面部16に至る面は平面からなる斜面で形成されていてもよい。
○ 周期構造14を溝15で構成する場合、溝15は一方向に延びる溝15だけに限られない。例えば、図11(b)に示すように、リング11の周方向と平行に延びる溝15と、周方向と斜めに交差する方向に延びる溝15との両方が存在した構造としてもよい。また、周方向と斜めに交差する方向に延びる溝15として、周方向と成す角度が逆の対称性を持つ2種類の溝15が存在する構造としてもよい。
○ リング11の周方向と斜めに交差する方向に延びる溝15が周方向と成す角度は、45°に限らず任意の角度でよい。
○ 窪み17は、開口部の形状が円形のものに限らず、例えば、楕円形、長円形、矩形あるいは多角形であってもよい。開口部の形状が円形以外の窪み17は、ビーズショットに代えて、例えば、フェムト秒パルスレーザー等の極短パルスレーザーを、窪み17を形成すべき位置に照射する方法により形成される。また、窪み17は同じ形状あるいは大きさのものだけで形成された構成に限らず、図12に示すように異なる形状や大きさのものが混在していてもよい。即ち、窪み17は周期構造を有していなくてもよい。
○ フランジ11aにメッキ層13を形成せずに、周期構造14を形成してもよい。しかし、リング11の材質が現在、市販品で使用されている材質の場合は、メッキ層13を形成した方が好ましい。
○ リング/トラベラ系を構成するリング11は、フランジ11aが断面T型状に限らない。例えば、図11(c)に示すように、傾斜型のフランジ11aを有するリング11に適用してもよい。この場合、トラベラ12も傾斜フランジに対応する形状のものを使用する。
○ 周期構造14の形成方法は、フェムト秒パルスレーザー等の極短パルスレーザーを、周期構造14を形成すべき位置に照射する方法に限らない。例えば、マイクロエッチングや、種々の化学的、物理的な手法を用いてもよい。
○ 潤滑液を使用するリング/トラベラ系では、リング/トラベラ系を通過する糸Yが汚れるため適用しないが、例えば、ポリテトラフルオロエチレン等の固体潤滑を用いた潤滑が行われるリング/トラベラ系に適用してもよい。
○ 周期構造14は、リング/トラベラ系のリング11に形成される代わりに、トラベラ12に形成されてもよい。しかし、トラベラ12に設けた場合は、リング11に設けた場合に比べて、周期構造14の面積が大幅に小さくなるため、リング11に設ける方が好ましい。
○ リング精紡機に限らず、リングを有する紡機、例えば、リング撚糸機に適用してもよい。
以下の技術的思想(発明)は前記実施形態から把握できる。
(1)リング式紡機のリングであって、トラベラの滑走時における前記トラベラとの接触面に、0.1〜20μmの深さの凹部と、1〜250μmの幅の平面部と、が交互に形成された周期構造を有するリング。
(2)リング式紡機のトラベラであって、トラベラの滑走時におけるリングとの接触面に、0.1〜20μmの深さの凹部と、1〜250μmの幅の平面部と、が交互に形成された周期構造を有するトラベラ。
11…リング、12…トラベラ、15…凹部としての溝、16…平面部、17…凹部としての窪み、18…固体潤滑性コーティング層。

Claims (6)

  1. リング式紡機のリング/トラベラ系において、非液潤滑で、トラベラの滑走時における前記トラベラとリングとの摺動面に、0.1〜20μmの深さの凹部と、1〜250μmの幅の平面部とからなる周期構造が形成されており、前記凹部により前記トラベラ及び前記リングの摺動時に周囲の空気によるくさび効果を生じさせることを特徴とするリング式紡機のリング/トラベラ系。
  2. 前記平面部の幅は10〜50μmである請求項1に記載のリング式紡機のリング/トラベラ系。
  3. 前記凹部の深さは5μm以下である請求項1又は請求項2に記載のリング式紡機のリング/トラベラ系。
  4. 前記凹部は溝である請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のリング式紡機のリング/トラベラ系。
  5. 前記凹部は円形で直径5〜50μm、深さ1〜10μmの窪みであり、隣り合う窪み間の距離が10〜100μmである請求項1に記載のリング式紡機のリング/トラベラ系。
  6. 前記凹部及び前記平面部のうちの少なくとも前記凹部には固体潤滑性コーティング層が形成されている請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載のリング式紡機のリング/トラベラ系。
JP2013094011A 2012-07-04 2013-04-26 リング式紡機のリング/トラベラ系 Active JP5910569B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013094011A JP5910569B2 (ja) 2012-07-04 2013-04-26 リング式紡機のリング/トラベラ系
EP13173525.0A EP2682508B1 (en) 2012-07-04 2013-06-25 Ring-traveler system of ring spinning machine
CN201310273529.6A CN103526357B (zh) 2012-07-04 2013-07-02 环锭纺纱机的钢领-钢丝圈***

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012150492 2012-07-04
JP2012150492 2012-07-04
JP2013094011A JP5910569B2 (ja) 2012-07-04 2013-04-26 リング式紡機のリング/トラベラ系

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014029045A JP2014029045A (ja) 2014-02-13
JP5910569B2 true JP5910569B2 (ja) 2016-04-27

Family

ID=48745686

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013094011A Active JP5910569B2 (ja) 2012-07-04 2013-04-26 リング式紡機のリング/トラベラ系

Country Status (3)

Country Link
EP (1) EP2682508B1 (ja)
JP (1) JP5910569B2 (ja)
CN (1) CN103526357B (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6027998B2 (ja) * 2014-04-16 2016-11-16 株式会社豊田自動織機 リング式紡機の液潤滑の無いリング/トラベラ系
JP6149838B2 (ja) 2014-10-15 2017-06-21 株式会社豊田自動織機 リング式紡機のリング/トラベラ系
JP2016079523A (ja) * 2014-10-15 2016-05-16 株式会社豊田自動織機 リング式紡機のリング/トラベラ系
JP7163632B2 (ja) * 2018-06-26 2022-11-01 株式会社豊田自動織機 リング式紡機のリング/トラベラ系
CN109234864A (zh) * 2018-10-08 2019-01-18 合肥经新纺织科技有限公司 一种双捻纱同步生产装置和生产方法
JP7390969B2 (ja) * 2020-05-12 2023-12-04 株式会社豊田中央研究所 精紡機用リングおよびその製造方法

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3416301A (en) * 1967-01-31 1968-12-17 Maremont Corp Spinning ring with indented surface
JPS5242180Y1 (ja) * 1969-08-18 1977-09-24
JPS546655B1 (ja) * 1969-09-05 1979-03-30
JPH02182926A (ja) * 1988-12-29 1990-07-17 Kanai Hiroyuki 紡機用リング
JPH04327223A (ja) * 1991-04-26 1992-11-16 Kanai Hiroyuki 紡機用リング
JPH04135977U (ja) * 1991-05-30 1992-12-17 金井 宏之 紡機用給油リング
JPH04135976U (ja) * 1991-05-30 1992-12-17 金井 宏之 紡機用給油リング
US6360521B1 (en) 1998-02-04 2002-03-26 Bracker Ag Ring for ring frames and ring twisters
EP1586405B1 (en) 2002-09-27 2012-10-24 Canon Machinery Inc. Method of forming a periodic structure on a material surface

Also Published As

Publication number Publication date
EP2682508A3 (en) 2015-05-27
CN103526357A (zh) 2014-01-22
EP2682508A2 (en) 2014-01-08
EP2682508B1 (en) 2016-07-13
JP2014029045A (ja) 2014-02-13
CN103526357B (zh) 2016-08-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5910569B2 (ja) リング式紡機のリング/トラベラ系
JP5994721B2 (ja) リング式紡機のリング/トラベラ系
JP6027998B2 (ja) リング式紡機の液潤滑の無いリング/トラベラ系
JP2008223942A (ja) 転がり軸受
JP2014526618A (ja) 精紡機または撚糸機に用いる糸案内リング
EP3009541B1 (en) Ring-traveler device of ring type spinning machine
JP2009204125A (ja) 転がり軸受
JP2016079523A (ja) リング式紡機のリング/トラベラ系
JP7162459B2 (ja) リング式紡機のリング/トラベラ系
JP7163632B2 (ja) リング式紡機のリング/トラベラ系
JP7390969B2 (ja) 精紡機用リングおよびその製造方法
JPH04175511A (ja) スタータ用針状ころ軸受
CN205115714U (zh) Dlc离子渗入纳米涂层钢领
JP2019157978A (ja) 転動装置、転がり軸受およびそれらの製造方法
JP2019215015A (ja) 転動装置および転がり軸受
CN105805152A (zh) 一种钢球全方位转动球轴承
JPH0673444U (ja) ころがり軸受
JP2012241772A (ja) スラスト軸受
TWM419778U (en) Structural improvement of oil nozzle for use in spinning
CN103322058A (zh) 一种提高圆柱滚子轴承润滑效果的保持架

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140805

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150716

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150728

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150928

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160301

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160314

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5910569

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151