JP5910223B2 - ポリアミック酸組成物、無端ベルト及びその製造方法、画像形成装置 - Google Patents
ポリアミック酸組成物、無端ベルト及びその製造方法、画像形成装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5910223B2 JP5910223B2 JP2012068295A JP2012068295A JP5910223B2 JP 5910223 B2 JP5910223 B2 JP 5910223B2 JP 2012068295 A JP2012068295 A JP 2012068295A JP 2012068295 A JP2012068295 A JP 2012068295A JP 5910223 B2 JP5910223 B2 JP 5910223B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polyamic acid
- layer
- carbon black
- mass
- coating film
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Electrophotography Configuration And Component (AREA)
- Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
- Moulding By Coating Moulds (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
Description
例えば、特許文献1には、ポリイミドの前駆体として、pH7未満のカーボンブラックが、分子末端にアミノ基をもつポリアミック酸及び溶媒を含む溶液中に分散されてなるポリアミック酸組成物を用いることが開示されている。
また、例えば、特許文献2には、電子写真方式による画像形成装置に用いられ、内層と、該内層よりも外周表面側に積層された外層と、の少なくとも2層を有してなり、前記外層において単位体積当たりに含有されるカーボンブラックの含有量が、前記内層において単位体積当たりに含有されるカーボンブラックの含有量より少ない環状体が開示されている。
さらに、例えば、特許文献3には、少なくとも、樹脂と導電性粒子とを含んで構成される外層及び内層の2層を有してなり、前記内層が、厚み方向において他の領域に比べ導電性が高い領域を有する管状体が開示されている。
請求項1に係る発明は、全末端がアミノ基であるポリアミック酸であって、カルボン酸モノ無水物で封止されていない末端アミノ基及びカルボン酸モノ無水物で封止されている末端アミノ基の総モル量(X)に対するカルボン酸モノ無水物で封止されている末端アミノ基の総モル量(Z)の割合Z/Xが、0.05≦Z/X≦0.1であるポリアミック酸と、全固形分に対して10質量%以上80質量%以下のpH7未満のカーボンブラックと、溶媒と、を含むポリアミック酸組成物である。
全固形分に対して10質量%以上80質量%以下のpH7未満のカーボンブラックと、
溶媒と、
を含むポリアミック酸組成物である。
前記第1の塗布膜中の残留溶媒量が10質量%以上50質量%以下となるように溶媒を除去する第1の乾燥工程と、
残留溶媒量が10質量%以上50質量%以下である前記第1の塗布膜に、第2のポリイミド前駆体溶液を塗布して、前記第1の塗布膜に隣接する第2の塗布膜を形成する第2の塗布工程と、
前記第2の塗布膜の溶媒を除去する第2の乾燥工程と、
前記第1の塗布膜および前記第2の塗布膜を加熱し、前記第1の塗布膜中のポリイミド前駆体と、前記第2の塗布膜中のポリイミド前駆体とをイミド化して、第1層及び第2層が隣接した無端ベルトを形成する加熱工程と、
前記芯体から前記無端ベルトを抜き取る工程と、
を有する無端ベルトの製造方法である。
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
前記像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成手段と、
前記像保持体の表面の潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成された前記トナー像が転写される中間転写体と、
前記像保持体の表面に形成された前記トナー像を前記中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、
前記中間転写体の表面に転写された前記トナー像を被転写媒体に二次転写する二次転写手段と、
前記記録媒体に転写された前記トナー像を定着する定着手段と、
を備え、
前記中間転写体が、請求項4に記載の無端ベルトである画像形成装置である。
請求項3に係る発明によれば、上記割合Y/Xが、0≦Y/X<0.1の場合に比べ、ポリアミック酸組成物のポットライフが長い。
<第1実施形態のポリアミック酸組成物>
第1実施形態のポリアミック酸組成物は、末端アミノ基及び末端カルボキシ基の総モル量(X)に対する末端カルボキシ基の総モル量(Y)の割合Y/X(以下、末端アミノ基の総モル量(X)に対する末端カルボキシ基の総モル量(Y)の割合Y/Xとも称する。)が、0≦Y/X<0.4であるポリアミック酸と、全固形分に対して10質量%以上80質量%以下のpH7未満のカーボンブラックと、溶媒と、を含んで構成される。ただし、第1実施形態におけるポリアミック酸とは、カルボン酸二無水物と、ジアミン化合物との重合体であり、かつカルボン酸モノ無水物で末端封止されていないポリアミック酸とする。また、第1実施形態における割合Y/Xは、0.05≦Y/X<0.4が適用される。
以下、pH7未満のカーボンブラックを、「酸性カーボンブラック」とも称する。
第1実施形態のポリアミック酸組成物を上記構成とすることで、ポリアミック酸組成物中の酸性カーボンブラックの分散性を高められる。この理由は次の理由によるものと考えられる。
ところで、ポリアミック酸分子の分子鎖の末端は、主として、アミノ基またはカルボキシ基であり、ポリアミック酸は、両末端がアミノ基である分子、両末端がカルボキシ基である分子、または、一方の末端がアミノ基で、他方の末端がカルボキシ基である化学構造をしている。ここで、第1実施形態のポリアミック酸組成物に含まれるポリアミック酸の末端アミノ基の総モル量(X)に対する末端カルボキシ基の総モル量(Y)の割合Y/Xが、0≦Y/X<0.4である場合、すなわち、ポリアミック酸組成物に含まれるポリアミック酸が、両末端がアミノ基である分子である場合(0=Y/X)および、カルボキシ基を有するポリアミック酸を含んでいても、末端アミノ基の割合が多い場合(0<Y/X<0.4)には、ポリアミック酸は、アミノ基過多となると考えられる。
一方、酸性カーボンブラックのポリアミック酸組成物中の含有量が、組成物の全固形分に対して80質量%を超えると、末端アミノ基を有するポリアミック酸の存在に関わらず、酸性カーボンブラックが凝集する傾向にある。そのため、酸性カーボンブラックの含有量は80質量%以下である必要があり、ポリアミック酸組成物中の全固形分に対して10質量%以上80質量%以下であるとき、酸性カーボンブラックの分散性を高めるには、ポリアミック酸は超過分となるアミノ基がより多く必要と考えられる。
よって、10質量%以上80質量%以下の酸性カーボンブラックと、溶媒とを含む系において、ポリアミック酸の末端アミノ基の総モル量(X)に対する末端カルボキシ基の総モル量(Y)の割合Y/Xを、0≦Y/X<0.4とすることで、ポリアミック酸組成物中の酸性カーボンブラックの分散性を高めると考えられる。
第1実施形態のポリアミック酸組成物は、末端アミノ基の総モル量(X)に対する末端カルボキシ基の総モル量(Y)の割合Y/Xが、0≦Y/X<0.4であるポリアミック酸を含有する。なお、「末端カルボキシ基」には、2つのカルボキシ基が脱水した末端無水カルボキシ基を含む。
ポリアミック酸は、ポリイミドの前駆体であり、アミド結合(−NH−CO−)とカルボキシ基とを同一繰り返し単位内に有する高分子化合物である。
第1実施形態に係るポリアミック酸は、少なくとも1種が、アミド結合とカルボキシ基とを有する繰り返し単位を含む分子鎖(主鎖)の末端にアミノ基を有していればよく、かつ、ポリアミック酸組成物中の全ポリアミック酸における末端アミノ基の総モル量(X)に対する末端カルボキシ基の総モル量(Y)の割合Y/Xが、0≦Y/X<0.4となる範囲であれば、アミド結合とカルボキシ基とを有する繰り返し単位を含む分子鎖(主鎖)の末端にカルボキシ基を有していてもよい。また、ポリアミック酸の主鎖部分は、アミド結合とカルボキシ基とが並存する繰り返し単位を含む構造であれば、特に制限されない。
末端アミノ基の総モル量(X)は、ポリアミック酸組成物を、酸(例えば、塩酸等)を用いて中和滴定することにより測定される。
末端カルボキシ基の総モル量(Y)は、ポリアミック酸組成物中に、DA、DC、及びACの全種類のポリアミック酸が含まれている場合、DCの両末端に存在する末端カルボキシ基、および、ACの片末端に存在する末端カルボキシ基の合計モル量をいう。すなわち、末端カルボキシ基の総モル量(Y)は、ポリアミック酸組成物中の末端カルボキシ基を有するポリアミック酸の全末端カルボキシ基量(モル量)をいう。
末端カルボキシ基の総モル量(Y)は、ポリアミック酸組成物を、塩基(例えば、水酸化ナトリウム等)を用いて中和滴定することにより測定される。
Y/Xは、酸性カーボンブラックの分散性の観点から、0≦Y/X<0.4であることが好ましく、0≦Y/X≦0.3であることがより好ましい。一方、Y/Xは、ポリアミック酸組成物のポットライフの観点から、0.1≦Y/X<0.4が好ましく、0.2≦Y/X<0.4がより好ましい。
また、ポリアミック酸組成物中の全ポリアミック酸の含有量は、酸性カーボンブラックとの分散性の観点から、ポリアミック酸組成物の全固形分量に対して、10質量%以上80質量%以下であることが好ましく、20質量%以上40質量%以下であることがより好ましい。
ポリアミック酸の合成に用い得るテトラカルボン酸二無水物、及び、ジアミン化合物は、例えば、次のものを用いればよい。
テトラカルボン酸二無水物としては、分子構造中にカルボン酸無水物に由来する構造(−CO−O−CO−)を2つ有する化合物であれば、特に制限はなく、芳香族系、脂肪族系いずれの化合物も使用してもよい。
例えば、下記の一般式(I)で示されるものが挙げられる。
これらのテトラカルボン酸二無水物は、単独で使用しても、2種以上組み合わせて使用してもよい。
ジアミン化合物は、分子構造中に2つのアミノ基を有するジアミン化合物であれば特に限定されない。
前記ジアミン化合物は、例えば、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、1,5−ジアミノナフタレン、3,3−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、5−アミノ−1−(4’−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、6−アミノ−1−(4’−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、4,4’−ジアミノベンズアニリド、3,5−ジアミノ−3’−トリフルオロメチルベンズアニリド、3,5−ジアミノ−4’−トリフルオロメチルベンズアニリド、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,7−ジアミノフルオレン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4’−メチレン−ビス(2−クロロアニリン)、2,2’,5,5’−テトラクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジクロロ−4,4’−ジアミノ−5,5’−ジメトキシビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)−ビフェニル、1,3’−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、4,4’−(p−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4’−(m−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、2,2’−ビス[4−(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−2−トリフルオロメチル)フェノキシ]−オクタフルオロビフェニル等の芳香族ジアミン;ジアミノテトラフェニルチオフェン等の芳香環に結合された2個のアミノ基と当該アミノ基の窒素原子以外のヘテロ原子を有する芳香族ジアミン;1,1−メタキシリレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、4,4−ジアミノヘプタメチレンジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、イソフォロンジアミン、テトラヒドロジシクロペンタジエニレンジアミン、ヘキサヒドロ−4,7−メタノインダニレンジメチレンジアミン、トリシクロ[6,2,1,02.7]−ウンデシレンジメチルジアミン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)等の脂肪族ジアミン及び脂環式ジアミン等が挙げられる。
ポリアミック酸の合成に用いる、好ましいテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物との組み合わせは、芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族系ジアミンとの組合せが好ましい。
ポリアミック酸を合成する際の重合温度としては、0℃以上80℃以下の範囲が好ましい。
第1実施形態のポリアミック酸組成物は、少なくとも1種の溶媒を含有する。
溶媒は、ポリアミック酸組成物中で酸性カーボンブラックが分散する分散媒ともなる。
かかる溶媒としては、例えば、有機極性溶媒が挙げられ、具体的には、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドなどのホルムアミド系溶媒;N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドなどのアセトアミド系溶媒;N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドンなどのピロリドン系溶媒;フェノール、o−、m−、又はp−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノール、カテコールなどのフェノール系溶媒;テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン等のエーテル系溶媒;メタノール、エタノール、ブタノール等のアルコール系溶媒;ブチルセロソルブ等のセロソルブ系;及びヘキサメチルホスホルアミド、γ−ブチロラクトンなどを挙げられる。
中でも、ピロリドン系溶媒が好ましく、N−メチル−2−ピロリドン(以下「NMP」ともいう)がより好ましい。
第1実施形態のポリアミック酸組成物は、10質量%以上80質量%以下のpH7未満のカーボンブラック(酸性カーボンブラック)を含有する。
酸性カーボンブラックは、カーボンブラックを酸化処理することで、表面にカルボキシル基、キノン基、ラクトン基、水酸基等を付与して製造される。この酸化処理は、高温(例えば、300℃以上800℃以下)雰囲気下で、空気と接触され、反応させる空気酸化法、常温(例えば25℃、以下同様)下で窒素酸化物やオゾンと反応させる方法、及び高温(例えば300℃以上800℃以下)下での空気酸化後、低い温度(例えば20℃以上200℃以下)下でオゾン酸化する方法などにより行われる。
なお、酸性カーボンブラックは、コンタクト法で製造され得るが、密閉式のファーネス法によって製造するのが一般的である。ファーネス法では通常高pH・低揮発分のカーボンブラックしか製造されないが、これに上述の液相酸処理を施してpHを調整してもよい。このためファーネス法による製造により得られるカーボンブラックで、後工程処理によりpHが7未満となるように調節されたカーボンブラックも、適用し得る。
ここで、酸性カーボンブラックのpHは、カーボンブラックの水性懸濁液を調整し、ガラス電極で測定することで求められる。また、酸性カーボンブラックのpHは、酸化処理工程での処理温度、処理時間等の条件によって、調整される。
酸性カーボンブラックは、既述のように、ポリアミック酸組成物中に存在する超過分としてのポリアミック酸の末端アミノ基と水素結合を結ぶことにより分散性が高まると考えられるが、分散性をより高めるために、ポリアミック酸組成物は、更に分散剤を含有していてもよい。
酸性カーボンブラックを分散するために使用し得る分散剤としては、低分子量でも高分子量でもよく、カチオン系、アニオン系、非イオン系から選ばれるいずれの種類の分散剤を使用してもよい。分散剤として非イオン系高分子を使用することが好ましい。
非イオン系高分子としては、ポリ(N−ビニル−2−ピロリドン)、ポリ(N,N’−ジエチルアクリルアジド)、ポリ(N−ビニルホルムアミド)、ポリ(N−ビニルアセトアミド)、ポリ(N−ビニルフタルアミド)、ポリ(N−ビニルコハク酸アミド)、ポリ(N−ビニル尿素)、ポリ(N−ビニルピペリドン)、ポリ(N−ビニルカプロラクタム)、ポリ(N−ビニルオキサゾリン)等が挙げられる。
これらの非イオン系高分子は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。中でも、ポリ(N−ビニル−2−ピロリドン)が好ましい。
ポリアミック酸組成物中の非イオン系高分子の配合量は、ポリアミック酸100質量部に対して、0.2質量部以上3質量部以下であることが好ましい。
第1実施形態のポリアミック酸組成物は、次のようにして調製すればよい。
まず、テトラカルボン酸二無水物と、ジアミン化合物とを、溶媒中で重合反応させて、ポリイミド樹脂の前駆体であるポリアミック酸溶液を得る。かかるポリアミック酸溶液は、メタノールなどの貧溶媒中に添加して、一旦、ポリアミック酸を貧溶媒中に析出させ、再沈殿させて精製する。析出したポリアミック酸をろ別した後、γ−ブチロラクトン等のポリアミック酸が溶解する溶媒に再溶解させ、ポリアミック酸溶液を得る。
次に、得られたポリアミック酸溶液に、酸性カーボンブラックを、例えば、ポリアミック酸樹脂の乾燥質量100質量部に対して合計20質量部以上50質量部以下の範囲で添加すればよい。
第2実施形態のポリアミック酸組成物は、全末端がアミノ基であるポリアミック酸であって、カルボン酸モノ無水物で封止されていない末端アミノ基及びカルボン酸モノ無水物で封止されている末端アミノ基の総モル量(X)に対するカルボン酸モノ無水物で封止されている末端アミノ基の総モル量(Z)の割合Z/X(以下、カルボン酸モノ無水物で封止されていない末端アミノ基の総モル量(X)に対する末端アミノ基がカルボン酸モノ無水物で封止された末端の総モル量(Z)の割合Z/Xとも称する。)が、0≦Z/X<0.4であるポリアミック酸と、全固形分に対して10質量%以上80質量%以下のpH7未満のカーボンブラックと、溶媒と、を含んで構成される。
ただし、第2実施形態における割合Z/Xは、0.05≦Z/X≦0.1が適用される。
ポリアミック酸組成物を上記構成とすることで、ポリアミック酸組成物中の酸性カーボンブラックの分散性を高められる。この理由は次の理由によるものと考えられる。
まず、例えば、テトラカルボン酸二無水物又はその誘導体とジアミン化合物とを、ジアミン化合物過剰で反応させ、全アミン末端ポリアミック酸を合成する。次に、カルボン酸モノ無水物と末端アミン基と反応させ、末端アミン基を封止する。このようにして、末端アミン基のカルボン酸モノ無水物封止末端とする。
末端アミノ基の総モル量(X)は、ポリアミック酸組成物を、酸(例えば、塩酸等)を用いて中和滴定することにより測定される。
ポリアミック酸組成物中の全ポリアミック酸における末端の総モル量(Z)は、酸(例えば、塩酸等)を用いて中和滴定して測定する。
Z/Xは、酸性カーボンブラックの分散性の観点から、0≦Z/X<0.4であることが好ましく、0≦Z/X≦0.3であることがより好ましい。一方、Z/Xは、ポリアミック酸組成物のポットライフの観点から、0.1≦Z/X<0.4が好ましく、0.2≦Z/X<0.4がより好ましい。
カルボン酸モノ無水物として具体的には、例えば、無水フタル酸、無水マレイン酸、2,3−ベンゾフェノンジカルボン酸無水物、3,4−ベンゾフェノンジカルボン酸無水物、2,3−ジカルボキシフェニルフェニルエーテル無水物、3,4−ジカルボキシフェニルフェニルエーテル酸無水物、2,3−ビフェニルジカルボン酸無水物、3,4−ビフェニルジカルボン酸無水物、2,3−ジカルボキシフェニルフェニルスルホン無水物、3,4−ジカルボキシフェニルフェニルスルホン無水物、2,3−ジカルボキシフェニルフェニルスルフィド無水物、3,4−ジカルボキシフェニルフェニルスルフィド無水物、1,2−ナフタレンジカルボン酸無水物、2,3−ナフタレンジカルボン酸無水物、1,8−ナフタレンジカルボン酸無水物、1,2−アントラセンジカルボン酸無水物、2,3−アントラセンジカルボン酸無水物、1,9−アントラセンジカルボン酸無水物等が挙げられ、これらの中でも、無水フタル酸、無水マレイン酸がよい。
なお、カルボン酸無水物は、上記Z/Xが上記範囲となる範囲で使用量(封止量)が調整される。
本実施形態に係る無端ベルトは、第1又は第2実施形態(以下、本実施形態)に係るポリアミック酸組成物を用いて形成された第1層と、第1層上に、第1層と隣接して備えられ、ポリイミドを含む第2層と、を有する少なくとも2層構成の積層体である。無端ベルトは、隣接する第1層と第2層との他に、更に、1層以上の層が積層された3層以上の積層体であってもよい。
少なくとも2層以上の多層構成の無端ベルトにおいて、下層(第1層)を、本実施形態に係るポリアミック酸組成物を用いて形成された層とし、ポリイミドを含む上層(第2層)が下層に隣接する構成とすることで、無端ベルトの裏面抵抗のムラを抑制する。
無端ベルトは、第1層を無端ベルトの内層側、第2層を無端ベルトの外層側とする構成が好ましく、第1層の表面のうち、第2層側とは反対の面を、無端ベルトの裏面というものとする。
無端ベルトの構成を上記構成とすることで無端ベルトの裏面抵抗のムラを抑制する理由は定かではないが、次の理由によるものと考えられる。
よって、第1層中に酸性カーボンブラックが分散していることにより、層内での電気抵抗が偏らず、無端ベルトの裏面抵抗ムラが抑制されるものと考えられる。
特に、無端ベルトの周方向の抵抗ムラが抑制される。
以下、無端ベルトの構成を説明する。
第1層は、本実施形態に係るポリアミック酸組成物を用いて形成されていればよく、例えば、芯体に本実施形態に係るポリアミック酸組成物を塗布等して塗布膜とし、加熱および乾燥してポリアミック酸をポリイミド化した層であればよい。従って、無端ベルトの第1層は、本実施形態に係るポリアミック酸組成物由来のポリイミドを含有して構成される。本実施形態に係るポリアミック酸組成物は、酸性カーボンブラックが、組成物中に偏在せず分散しているため、第1層中に含まれる酸性カーボンブラックは、第1層内に偏在せず、分散している。
無端ベルトの第1層の形成に用いる本実施形態に係るポリアミック酸組成物の好ましい態様は、既述のとおりである。
無端ベルトが有する第2層は、第1層に隣接しており、少なくともポリイミドを含んでいればよく、更に、カーボンブラックなどの導電性粒子を含有していてもよい。
第2層が含み得るポリイミドは、テトラカルボン酸二無水物もしくはその誘導体と、ジアミン化合物との反応から得られるものが用いられる。
テトラカルボン酸二無水物もしくはその誘導体と、ジアミン化合物としては、本実施形態に係るポリアミック酸組成物の調製に用い得る化合物として挙げた化合物が挙げられる。テトラカルボン酸二無水物およびジアミン化合物の好ましい例、及び好ましい組み合わせは、本実施形態に係るポリアミック酸組成物に用いるものと同様であるが、第2層に含まれるポリイミドを得るために用い得るポリアミック酸の末端基種は特に制限されない。
導電性粒子としては、導電性又は半導電性の粉末が使用でき、ベルトとして特定の電気抵抗を安定して得ることができれば、導電性に制限はないが、例えば、ケッチエンブラック、アセチレンブラック、酸性カーボンブラック等のカーボンブラック、アルミニウムやニッケル等の金属、酸化錫等の酸化金属化合物、チタン酸カリウム等が例示される。そしてこれらを単独、あるいは併用して使用してもよいが価格面で有利なカーボンブラックが望ましい。
ここで、「導電性」とは、体積抵抗率が107 Ωcm未満であることを意味する。また、「半導電性」とは、体積抵抗率が107以上1013 Ωcm以下であることを意味する。他も同様である。
かかる観点から、第2層中の導電性粒子の含有量は、第1層に含まれる導電性粒子の含有量よりも小さいことが好ましく、具体的には、第1層中の導電性粒子の含有量の99質量%以下であることが好ましい。
−表面抵抗率−
本実施形態に係る無端ベルトは、裏面(内周面)の表面抵抗率が、常用対数値で9(LogΩ/□)以上13(LogΩ/□)以下であることが望ましく、10(LogΩ/□)以上12(LogΩ/□)以下であることがより望ましい。無端ベルトを画像形成装置の中間転写ベルトとして用いるとき、電圧印加の10sec後の表面抵抗率の常用対数値が13(LogΩ/□)を超えると、一次転写時に一次転写部材と中間転写ベルトとの間で放電が発生し画質欠陥が生じる場合がある。一方、電圧印加の10sec後の表面抵抗率の常用対数値が9(LogΩ/□)未満であると、中間転写ベルトに一次転写されたトナー像の保持力が不足し画質の粒状性や像乱れが発生する場合がある。
円形電極(例えば、三菱油化(株)製ハイレスターIPの「UR-100プローブ」)を用い、JIS K6911に従って測定した。表面抵抗率の測定方法を、図を用いて説明する。図1は、円形電極の一例を示す概略平面図(A)及び概略断面図(B)である。図1に示す円形電極は、第一電圧印加電極Aと板状絶縁体Bとを備える。第一電圧印加電極Aは、円柱状電極部Cと、該円柱状電極部Cの外径よりも大きい内径を有し、且つ円柱状電極部Cを一定の間隔で囲む円筒状のリング状電極部Dとを備える。第一電圧印加電極Aにおける円柱状電極部C及びリング状電極部Dと板状絶縁体Bとの間にベルトTを挟持し、第一電圧印加電極Aにおける円柱状電極部Cとリング状電極部Dとの間に電圧V(V)を印加したときに流れる電流I(A)を測定し、下記式により、ベルトTの転写面の表面抵抗率ρs(Ω/□)を算出する。ここで、下記式中、d(mm)は円柱状電極部Cの外径を示し、D(mm)はリング状電極部Dの内径を示す。
式:ρs=π×(D+d)/(D−d)×(V/I)
なお、表面抵抗率は、円形電極(三菱油化(株)製ハイレスターIPのURプローブ:円柱状電極部Cの外径Φ16mm、リング状電極部Dの内径Φ30mm、外径Φ40mm)を用い、22℃/55%RH環境下、電圧500V、10秒印加後の電流値を求め算出する。
本実施形態に係る無端ベルトは、その全体の体積抵抗率は、常用対数値で8(LogΩcm)以上13(LogΩcm)以下であることが望ましい。無端ベルトを中間転写ベルトとして用いるとき、前記体積抵抗率の常用対数値が8(LogΩcm)未満であると、像保持体から中間転写ベルトに転写された未定着トナー像の電荷を保持する静電的な力が働きにくくなるため、トナー同士の静電的反発力や画像エッジのフリンジ電界の力によって、画像の周囲にトナーが飛散してしまい、ノイズの大きい画像が形成される場合がある。一方、前記体積抵抗率の常用対数値が13(LogΩcm)を超えると、電荷の保持力が大きいために、1次転写での転写電界で転写ベルト表面が帯電するために除電機構が必要となる場合がある。尚、前記体積抵抗率の常用対数値は、後述する導電剤の種類、及び導電剤の添加量により制御される。
円形電極(例えば、三菱油化(株)製ハイレスターIPのUR−100プローブ)を用い、JIS K6911に従って測定する。前記体積抵抗率の測定方法を、図を用いて説明する。測定は表面抵抗率と同一の装置で測定する。但し、図1に示す円形電極において、表面抵抗率測定時の板状絶縁体Bに代えて第二電圧印加電極B’を備えた構成とする。そして、第一電圧印加電極Aにおける円柱状電極部C及びリング状電極部Dと第二電圧印加電極B’との間にベルトTを挟持し、第一電圧印加電極Aにおける円柱状電極部Cと第二電圧印加電極Bとの間に電圧V(V)を印加した時に流れる電流I(A)を測定し、下記式により、ベルトTの体積抵抗率ρv(Ωcm)を算出する。ここで、下記式中、tは、ベルトTの厚さを示す。
式 ρv=19.6×(V/I)×t
なお、体積抵抗率は、円形電極(三菱油化(株)製ハイレスターIPのURプローブ:円柱状電極部Cの外径Φ16mm、リング状電極部Dの内径Φ30mm、外径Φ40mm)を用い、22℃/55%RH環境下、電圧500V、10秒印加後の電流値を求め算出する。
ここで、無端ベルトの裏面の抵抗ムラとは、直径366mm、幅369mmの無端ベルトの裏面の表面抵抗率を、ベルト1本につき、幅方向に3点、周方向に8点の計24点測定したときの、最大値と最小値との差が、0.5を超える場合をいう。すなわち、本実施形態に係る無端ベルトは、既述の構成とすることで、無端ベルトの裏面の表面抵抗率の最大−最小差を、0.2以下とする。
無端ベルトの第1層中の酸性カーボンブラックの分散性は、無端ベルトの第1層と第2層との界面を、集束イオンビーム(FIB)により切断した後、断面切片を透過型電子顕微鏡で直接粒子を観察する方法や、ミクロトームにより断面切片を作製し、原子間力顕微鏡(AFM)の高さ情報から粒子の有無を観察する方法がある。
例えば、無端ベルトの第1層と第2層との界面が、カーボンブラック(CB)を含有しない層(非CB層という)であるか、カーボンブラックが凝集した層(CB凝集層という)であるかは、ミクロトームにより断面切片を作製し、コンダクティングモードのAFM観察を行なう方法で比較される。
・AFM装置:デジタル・インスツルメンツ社製D3000及びNanoscopeIII
・測定モード:コンタクトモード
・カンチレバー:Auコート導電性カンチレバー
・バネ定数:0.2N/m
・印加電圧:−10V
ただし、上記条件および測定方法は、一例であって、同条件に限定するものでない。試料により、測定範囲、印加電圧、バネ定数などを変更してもよい。
以上の方法で得られた電流像および電流値の最大値により導電性を比較する。
本実施形態に係る無端ベルトの製造方法は、第1層が、本実施形態にかかるポリアミック酸組成物を用いて形成されてあり、第2層が、第1層と隣接して形成され、ポリイミドを含む構成となる2層以上の積層無端ベルトを形成し得る方法であれば特に制限されない。
例えば、次の〔1〕〜〔3〕の製造方法が挙げられる。
〔1(1a)〕ポリイミドの前駆体であるポリアミック酸を含む本実施形態にかかるポリアミック酸組成物を芯体に塗布し、乾燥して第1層を形成すると共に、第1層上にポリイミド前駆体を含む溶液を塗布し、乾燥して第2層を形成する方法。
〔2〕本実施形態にかかるポリアミック酸組成物を芯体に塗布し、乾燥して形成した第1層用の無端ベルトと、同様の方法で別途作成したポリイミドを含む第2層となる無端ベルトとを、圧着して積層体とする方法。
〔3〕予め、芯体にポリアミド前駆体を含む溶液を塗布し、乾燥して第2層とすべき無端ベルト作製しておき、かかる無端ベルトの内周面に、本実施形態にかかるポリアミック酸組成物を芯体に塗布し、乾燥して第1層を形成する方法。
さらに、次の方法〔1b〕により無端ベルトを製造することが、ベルトの裏面抵抗ムラの抑制および第1層と第2層との接着性の観点から好ましい。
〔1b〕芯体の表面に、本実施形態に係るポリアミック酸組成物を含む第1のポリイミド前駆体溶液を塗布して第1の塗布膜を形成する第1の塗布工程と、
前記第1の塗布膜中の残留溶媒量が10質量%以上50質量%以下となるように溶媒を除去する第1の乾燥工程と、
残留溶媒量が10質量%以上50質量%以下である前記第1の塗布膜に、第2のポリイミド前駆体溶液を塗布して、前記第1の塗布膜に隣接する第2の塗布膜を形成する第2の塗布工程と、
前記第2の塗布膜の溶媒を除去する第2の乾燥工程と、
前記第1の塗布膜および前記第2の塗布膜を加熱し、前記第1の塗布膜中のポリイミド前駆体と、前記第2の塗布膜中のポリイミド前駆体とをイミド化して、第1層及び第2層が隣接した無端ベルトを形成する加熱工程と、
前記芯体から前記無端ベルトを抜き取る工程と、
を有して構成される。
第2の塗布膜を形成する際に、第1の塗布膜中の残留溶媒量が10質量%未満となるほどに乾燥していると、過乾燥のためベルト表面欠陥が生じてしまう。無端ベルトの第1層となる第1の塗布膜中の導電性粒子が凝集してしまうと、無端ベルトの裏面抵抗率やムラが生じ易くなる。第1の塗布膜中の導電性粒子が凝集するのは、第2の塗布膜を形成する際に、第2のポリイミド前駆体溶液中の溶媒が、乾燥した第1の塗布膜中に浸透し、第2層の乾燥時にポロアミック酸が第2層方向に移動するため、導電剤が密な領域が形成されると考えられる。第1の塗布膜中の残留溶媒量が50質量%以上となると、第2膜の塗布に影響が生じ、膜厚ムラとなりベルト表面性の悪化や体積抵抗率ムラが生じる。また、第1層と第2層の接着性が悪い。
本実施形態に係る無端ベルトは、第1層を形成する第1の塗布膜が、本実施形態にかかるポリアミック酸組成物を含む溶液により形成される。本実施形態にかかるポリアミック酸組成物を用いれば、ポリアミック酸と酸性カーボンブラックとが、水素結合により結ばれているため、仮に、第2のポリイミド前駆体溶液の溶媒により第1の塗布膜の表面が再溶解しても、第1の塗布膜の表面が、ポリマー層とカーボンブラックの凝集層とに分離しにくいと考えられる。
以下、本実施形態に係る無端ベルトの製造方法(〔1b〕に示す方法)について、より詳細に説明する。
まず、芯体の表面に、本実施形態に係るポリアミック酸組成物を含む第1のポリイミド前駆体溶液を塗布して第1の塗布膜を形成する(第1の塗布工程)。
本実施形態に係るポリアミック酸組成物の詳細、および好ましい態様については既述のとおりである。本実施形態に係るポリアミック酸組成物を用いて第1のポリイミド前駆体溶液とするには、本実施形態に係るポリアミック酸組成物をそのまま用いるか、本実施形態に係るポリアミック酸組成物を、本実施形態に係るポリアミック酸組成物に含まれる溶媒(例えば、NMP等)でさらに希釈すればよい。
芯体は、内部が空洞でない円柱状の芯体、または、内部が空洞になっている円筒状の芯体が用いられる。
次に、円筒状芯体11に塗布された第1の塗布膜を乾燥する(第1の乾燥工程)。本乾燥では、第1の塗布膜の残留溶媒量が50質量%以下、特に40質量%以下になるように行うことがよく、望ましくは36質量%以下である。第1の塗布膜の残留溶媒量が50質量%を越えると、第2のポリイミド前駆体溶液を第1の塗布膜上に塗布しにくくなる。一方、残留溶媒量が低い程、後述する導電性粒子の偏在(密度の上昇)が生じ易くなる。この第1の塗布膜の残留溶媒量、つまり第1の塗布膜の乾燥状態を制御することで、後述する導電性粒子の偏在(密集)度合いが制御される。
次に、導電性粒子を含有する第2のポリイミド前駆体溶液を、既述の残留溶媒量で乾燥された第1の塗布膜上に塗布して、第2のポリイミド前駆体溶液の塗布膜(第2の塗布膜)を形成する(第2の塗布工程)。
なお、第2のポリイミド前駆体溶液の円筒状芯体11に形成・乾燥された第1の塗布膜上への塗布方法は、内層用塗布液と同様である。
ここで、ポリイミド前駆体溶液として、カーボンブラック(導電性粒子)を分散させたポリアミド酸溶液を調製する例を例示する。まず、精製したカーボンブラックを用意し、有機極性溶媒に分散させ、カーボンブラック分散液を調整する。分散方法は、予備攪拌を行った後に分散機、ホモジナイザーにより分散する方法が望ましい。カーボンブラックの精製方法と同様に微細メディアの混入がカーボンブラックの精製効果を低下させてしまうため、メディアを使用しないメディアフリーの分散方法が望ましく、特に高粘度溶液のバラツキを抑制して分散するジェットミルが望ましい。
次に、第1の塗布膜表面に塗布された第2の塗布膜を乾燥させる(第2の乾燥工程)。本乾燥では、例えば、残留溶媒量が40質量%以下となるように行うことがよい。この残留溶媒量は、使用する樹脂材料種、得られる無端ベルトの使用用途、得られる無端ベルトの強度や維持性等などから決定される。
なお、第2の塗布膜が第1の塗布膜よりも厚みが厚い場合、第2の塗布膜に加えるエネルギーの総和は第1の塗布膜に加えるエネルギーの総和よりも大きいことがよい。具体的には、例えば、同じ乾燥温度であれば、第2の塗布膜の乾燥時間は第1の塗布膜よりも長くすることがよい。これにより、第1の塗布膜の溶媒は、第2の塗布膜を通じて乾燥するので、第1の塗布膜及び第2の塗布膜同時に乾燥が行われる。
第1の塗布膜、及び第2の塗布膜の乾燥後、第1の塗布膜および第2の塗布膜を加熱し、焼成を行う(加熱工程)ことで、無端ベルトが製造される。この焼成、即ちポリアミド酸をイミドに転化するには200℃以上の高温処理が一般的である。200℃以下では十分なイミド転化が得られない。一方、高温処理はイミド転化に有利であり、安定した特性が得られるが、熱エネルギーを使用するため、熱効率が悪くコストが高くなるため、転写ベルトの特性と生産性を考慮して熱処理温度を決める必要がある。
第1の塗布膜、及び第2の塗布膜を焼成することで、ポリイミド前駆体はポリイミドに転化し、それぞれ、ポリイミドを含む第1層、及びポリイミドを含む第2層となる。
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、像保持体の表面を帯電する帯電手段と、像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成手段と、像保持体の表面の潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、像保持体の表面に形成された前記トナー像が転写される中間転写体と、像保持体の表面に形成された前記トナー像を中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、中間転写体の表面に転写された前記トナー像を被転写媒体に二次転写する二次転写手段と、記録媒体に転写された前記トナー像を定着する定着手段と、を備え、中間転写体が、本実施形態に係る無端ベルトであるものとして構成される。
本実施形態に係る画像形成装置の詳細を、図3を用いて説明する。図3は、本実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。
像保持体101a〜101dとしては、公知の電子写真感光体を広く適用することができる。電子写真感光体としては、感光層が無機材料で構成される無機感光体や、感光層が有機材料で構成される有機感光体などを用いることができる。有機感光体においては、露光により電荷を発生する電荷発生層と、電荷を輸送する電荷輸送層を積層する機能分離型の有機感光体や、電荷を発生する機能と電荷を輸送する機能を同一の層が果たす単層型有機感光体が好適に用いられる。また、無機感光体においては、感光層がアモルファスシリコンにより構成されているものが、好適に用いられる。
帯電装置102a〜102dとしては、特に制限はなく、例えば、導電性(ここで、「導電性」とは例えば体積抵抗率が107Ω・cm未満を意味する。本明細書においては、特記がない限り同様である。)又は半導電性(ここで、「半導電性」とは例えば体積抵抗率が107〜1013Ωcmを意味する。本明細書においては、特記がない限り同様である。)のローラ、ブラシ、フィルム、又はゴムブレード等を用いた接触型帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン帯電器やコロトロン帯電器など、公知の帯電器を広く適用することができる。これらの中でも、オゾンの発生が少なく、効率的な帯電を行うことができる接触型帯電器が好ましい。
露光装置114a〜114dとしては、特に制限はなく、例えば、像保持体101a〜101dの表面に、半導体レーザー光、LED光、又は液晶シャッタ光等の光源、或いはこれらの光源からポリゴンミラーを介して所望の像様に露光できる光学系機器など、公知の露光装置を広く適用することができる。
現像装置103a〜103dとしては、目的に応じて選択することができる。例えば、一成分系現像剤又は二成分系現像剤をブラシ、ローラ等を用い接触或いは非接触させて現像する公知の現像器などが挙げられる。
1次転写ロール105a〜105dは単層或いは多層のいずれでもよい。例えば、単層構造の場合は、発泡又は無発泡のシリコーンゴム、ウレタンゴム、又はエチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)等にカーボンブラック等の導電性粒子が適量配合されたロールで構成される。その抵抗値は105Ω以上1010Ω以下の範囲にあることが好ましい。1次転写ロール105a〜105dには1.0kV以上5.5kV以下の電圧が印加され、像保持体101a〜101dとの間に発生する電界により、トナーを転写する。
像保持体クリーニング装置104a〜104dは、1次転写工程後の像保持体101a〜101dの表面に付着する残存トナーを除去するためのものであり、クリーニングブレードの他、ブラシクリーニング、又はロールクリーニング等を用いることができる。これらの中でもクリーニングブレードを用いることが好ましい。また、クリーニングブレードの材質としてはウレタンゴム、ネオプレンゴム、又はシリコーンゴム等が挙げられる。
2次転写ロール109の層構造は、特に限定されるものではないが、例えば、三層構造の場合、コア層と中間層とその表面を被覆するコーティング層により構成される。コア層は導電性粒子を分散したシリコーンゴム、ウレタンゴム、又はEPDM等の発泡体で、中間層はこれらの無発泡体で構成される。コーティング層の材料としては、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、パーフルオロアルコキシ樹脂などが挙げられる。2次転写ロール109の体積抵抗率は107Ωcm以下であることが好ましい。また、中間層を除いた2層構造とすることも可能である。
バックアップロール108は、2次転写ロール109の対向電極を形成する。バックアップロール108の層構造は、単層或いは多層のいずれでもよい。例えば単層構造の場合は、シリコーンゴム、ウレタンゴム、又はEPDM等にカーボンブラック等の導電性粒子が適量配合されたロールで構成される。二層構造の場合は、上記のようなゴム材料で構成される弾性層の外周面を高抵抗層で被覆したロールから構成される。バックアップロール108の表面抵抗率は107Ω/□以上1011Ω/□以下の範囲にあることが好ましい。
定着装置110としては、例えば、熱ローラ定着器や加圧ローラ定着器、又はフラッシュ定着器など公知の定着器を広く適用することができる。
中間転写ベルトクリーニング装置112及び113としては、クリーニングブレードの他、ブラシクリーニング、ロールクリーニング等を用いることができ、これらの中でもクリーニングブレードを用いることが好ましい。また、クリーニングブレードの材質としてはウレタンゴム、ネオプレンゴム、又はシリコーンゴム等が挙げられる。
以下に示す実施例Aにおいて、実施例A2、実施例A4及び実施例A6は、本発明に対する参考例として示すものである。
<1.ポリアミック酸組成物の調製と評価>
〔ポリアミック酸の合成〕
分子鎖の両末端がアミノ基であるポリアミック酸として、ポリアミック酸DA−A1と、分子鎖の両末端がカルボキシ基であるポリアミック酸として、ポリアミック酸DC−A1とを合成した。
NMP800g中に、ジアミン化合物として、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(以下「ODA」と略す)83.48g(416.9ミリモル)を加え、常温(25℃)で攪拌させながら溶解した。次いで、テトラカルボン酸二無水物として、3,3’,4,4’ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(以下「BPDA」と略す)116.52g(396.0ミリモル)を徐々に添加した。テトラカルボン酸二無水物の添加・溶解後、反応液の温度を60℃まで加熱して、その後反応液温度を保持したまま20時間重合反応を行い、ポリアミック酸DA−A1及びNMPを含む反応液を得た。得られた反応液を、#800のステンレスメッシュを用いてろ過して室温(25℃)まで冷却をして25℃における溶液粘度2.0Pa・s(東機産業社製、E型回転粘度計、TV−20Hを用い、標準ローター(1°34“×R24)で、測定温度:25℃、回転数:0.5rpm(100Pa・s以上)、1rpm(100Pa・s未満)の条件にて測定、以下の合成例も同様)のポリアミック酸溶液DA−A1を得た。
得られたポリアミック酸DA−A1の組成は、BPDA/ODA=95/100(モル/モル)となった。
ODAを79.57g(397.4ミリモル)、BPDAを120.43g(409.3ミリモル)とした以外は、合成例1と同様にして、ポリアミック酸DC−A1及びNMPを含む溶液粘度6.0Pa・sのポリアミック酸溶液DC−A1を得た。得られたポリアミック酸DC−A1の組成は、BPDA/ODA=103/100(モル/モル)となり、下記構造を有するものであった。
・ポリアミック酸DA−A1を含むポリアミック酸溶液DA−A1 700g
・ポリアミック酸DC−A1を含むポリアミック酸溶液DC−A1 300g
・酸性カーボンブラック(乾燥状態;導電剤)
〔SPECIAL BLACK4:Degussa社製、pH4.0、揮発分:14.0%、(以下「SB−4」と略する)〕 55.6g
ポリアミック酸組成物A1中の全ポリアミック酸における末端アミノ基の総モル量(X)に対する末端カルボキシ基の総モル量(Y)の割合Y/Xは0.3であった。
また、ポリアミック酸組成物A1をイミド転化したときの組成、つまりポリアミック酸組成物A1を用いて作製した酸性カーボンブラックが分散したポリイミドフィルムの組成は、ポリイミド/SB−4=185.4/55.6(質量比)である。よってカーボンブラック/ポリイミドは30.0/100(質量比)である。
・ポリアミック酸DA−A1を含むポリアミック酸溶液DA−A1 1000g
・酸性カーボンブラック(乾燥状態;導電剤)〔SB−4〕 55.6g
ポリアミック酸組成物A2中の全ポリアミック酸における末端アミノ基の総モル量(X)に対する末端カルボキシ基の総モル量(Y)の割合Y/Xは0であった。
また、ポリアミック酸組成物A2をイミド転化したときの組成、つまりポリアミック酸組成物A2を用いて作製した酸性カーボンブラックが分散したポリイミドフィルムの組成は、ポリイミド/SB−4=185.4/55.6(質量比)である。よってカーボンブラック/ポリイミドは30.0/100(質量比)である。
・ポリアミック酸DA−A1を含むポリアミック酸溶液DA−A1 800g
・ポリアミック酸DC−A1を含むポリアミック酸溶液DC−A1 200g
・酸性カーボンブラック(乾燥状態;導電剤)
〔SPECIAL BLACK4:Degussa社製、pH4.0、揮発分:14.0%、(以下「SB−4」と略する)〕 55.6g
ポリアミック酸組成物A3中の全ポリアミック酸における末端アミノ基の総モル量(X)に対する末端カルボキシ基の総モル量(Y)の割合Y/Xは0.2であった。
また、ポリアミック酸組成物A3をイミド転化したときの組成、つまりポリアミック酸組成物A3を用いて作製した酸性カーボンブラックが分散したポリイミドフィルムの組成は、ポリイミド/SB−4=185.4/55.6(質量比)である。よってカーボンブラック/ポリイミドは30.0/100(質量比)である。
・ポリアミック酸DA−A1を含むポリアミック酸溶液DA−A1 950g
・ポリアミック酸DC−A1を含むポリアミック酸溶液DC−A1 50g
・酸性カーボンブラック(乾燥状態;導電剤)
〔SPECIAL BLACK4:Degussa社製、pH4.0、揮発分:14.0%、(以下「SB−4」と略する)〕 55.6g
ポリアミック酸組成物A4中の全ポリアミック酸における末端アミノ基の総モル量(X)に対する末端カルボキシ基の総モル量(Y)の割合Y/Xは0.05であった。
また、ポリアミック酸組成物A4をイミド転化したときの組成、つまりポリアミック酸組成物A4を用いて作製した酸性カーボンブラックが分散したポリイミドフィルムの組成は、ポリイミド/SB−4=185.4/55.6(質量比)である。よってカーボンブラック/ポリイミドは30.0/100(質量比)である。
・ポリアミック酸DA−A1を含むポリアミック酸溶液DA−A1 400g
・ポリアミック酸DC−A1を含むポリアミック酸溶液DC−A1 600g
・酸性カーボンブラック(乾燥状態;導電剤)〔SB−4〕 55.6g
ポリアミック酸組成物101中の全ポリアミック酸における末端アミノ基の総モル量(X)に対する末端カルボキシ基の総モル量(Y)の割合Y/Xは0.6であった。
また、ポリアミック酸組成物A101をイミド転化したときの組成、つまりポリアミック酸組成物A101を用いて作製した酸性カーボンブラックが分散したポリイミドフィルムの組成は、ポリイミド/SB−4=185.4/55.6(質量比)である。よってカーボンブラック/ポリイミドは30.0/100(質量比)である。
・ポリアミック酸DA−A1を含むポリアミック酸溶液DA−A1 600g
・ポリアミック酸DC−A1を含むポリアミック酸溶液DC−A1 400g
・酸性カーボンブラック(乾燥状態;導電剤)〔SB−4〕 55.6g
ポリアミック酸組成物A102中の全ポリアミック酸における末端アミノ基の総モル量(X)に対する末端カルボキシ基の総モル量(Y)の割合Y/Xは0.4であった。
また、ポリアミック酸組成物A102をイミド転化したときの組成、つまりポリアミック酸組成物A102を用いて作製した酸性カーボンブラックが分散したポリイミドフィルムの組成は、ポリイミド/SB−4=185.4/55.6(質量比)である。よってカーボンブラック/ポリイミドは30.0/100(質量比)である。
・ポリアミック酸DC−A1を含むポリアミック酸溶液DC−A1 1000g
・酸性カーボンブラック(乾燥状態;導電剤)〔SB−4〕 55.6g
ポリアミック酸組成物A103中の全ポリアミック酸における末端アミノ基の総モル量(X)に対する末端カルボキシ基の総モル量(Y)の割合Y/Xは∞(X=0)であった。
また、ポリアミック酸組成物A103をイミド転化したときの組成、つまりポリアミック酸組成物A103を用いて作製した酸性カーボンブラックが分散したポリイミドフィルムの組成は、ポリイミド/SB−4=185.4/55.6(質量比)である。よってカーボンブラック/ポリイミドは30.0/100(質量比)である。
得られたポリアミック酸組成物A1、A2、A3,A4、A101、A102、及びA103について、粘弾性を測定し、酸性カーボンブラックの分散性を評価した。また、ポットライフも評価した。
HAKKE社製のMARSIIを用い、下記条件で、各ポリアミック酸組成物の貯蔵粘弾性率G’を測定した。また、カーボンブラック分散前の各ポリアミック酸溶液の貯蔵粘弾性率G0’を測定した。周波数0.1HzでのG’/G0’を算出し、酸性カーボンブラックの分散性を評価した。G’/G0’が大きいほど、酸性カーボンブラックの分散性が高いことを示す。結果を表1に示す。
・測定温度:23℃
・周波数範囲:0.1〜100Hz
・せん断応力:1Pa
・プローブ:C35/1 L07 041
ポットライフは、E型粘度計で各ポリアミック酸組成物の液粘度を24hごとに240hまで測定して評価した。E型粘度計の詳細は以下の通りである。
・E型粘度計:(東機産業社製TV−22型またはTV−25型)、循環恒温槽
・ローター:3°×R14
・ロータ回転数:50rpm
・測定温度:22±0.5℃
A:0hと240hでの粘度差が3%以内
B:0hと240hでの粘度差が10%以内
C:0hと240hでの粘度差が15%以内
D:0hと240hでの粘度差が15%超える
−ポリイミド前駆体溶液の準備−
1)第1のポリイミド前駆体溶液
「<1.ポリアミック酸組成物の調製と評価>」で得たポリアミック酸組成物A1、ポリアミック酸組成物A2、ポリアミック酸組成物A3、ポリアミック酸組成物A4、ポリアミック酸組成物A101、及び、ポリアミック酸組成物A102を、それぞれ、第1のポリイミド前駆体溶液A1、第1のポリイミド前駆体溶液A2、第1のポリイミド前駆体溶液A101、および第1のポリイミド前駆体溶液A102として用いた。
ポリアミック酸組成物A1の調製において、酸性カーボンブラックであるSB−4の添加量を55.6gから40gに変更したほかは、同様にして、第2のポリイミド前駆体溶液A1となるポリアミック酸組成物を調製した。
第2のポリイミド前駆体溶液A1の組成は、:ポリアミック酸(ポリアミック酸DA−A1とDC−A1の合計)/NMP/SB−4=185.4/614.6/40(質量比)であった。
ポリアミック酸組成物A1中の全ポリアミック酸における末端アミノ基の総モル量(X)に対する末端カルボキシ基の総モル量(Y)の割合Y/Xは0.3であった。
また、ポリアミック酸組成物1をイミド転化したときの組成、つまりポリアミック酸組成物1を用いて作製した酸性カーボンブラックが分散したポリイミドフィルムの組成は、ポリイミド/SB−4=185.4/40(質量比)である。よってカーボンブラック/ポリイミドは22/100(質量比)である。
外径90mm、長さ450mmのSUS材料製筒型金型を用意し、その外表面にシリコーン系離型剤を塗布・乾燥処理を行った(離型剤処理)。
離型剤処置を施した円筒型金型を周方向に10rpmの速度で回転させながら、円筒型金型端部より第1のポリイミド前駆体溶液1を口径1.0mmディスペンサーより吐出し、金型上に設置した金属ブレードにて一様の圧力で押し付けて塗布を行った。ディスペンサーユニットを円筒型金型の軸方向に100mm/分の速度で移動させることによって円筒型金型上に螺旋状に第1のポリイミド前駆体溶液1を塗布した。第1のポリイミド前駆体溶液1の塗布後、ブレードを解除して円筒状金型を2分間回転し続けレベリングを行った。
乾燥処理後の第1の塗布膜の残留溶媒量を測定し、残留溶媒量が10質量%以上50質量%以下であることを確認の上、第1のポリイミド前駆体溶液A1を第2のポリイミド前駆体溶液A1に変更して、第1のポリイミド前駆体溶液A1の塗布と同様にして、第2の塗布膜の形成を開始した。
なお、乾燥処理後の第1の塗布膜の残留溶媒量を、結果を表2に示した。
その後、金型及び塗布物を乾燥炉中で145℃空気雰囲気下、10rpmで回転させながら30分乾燥処理を行った。
乾燥後、塗布物より溶媒が揮発することで、塗布物は自己支持性を有するポリアミック酸樹脂成形品(無端ベルト本体)と変化した。
ポリイミド無端ベルトA1の製造において、第1のポリイミド前駆体溶液について、それぞれ、第1のポリイミド前駆体溶液A1を、表2の「塗布工程」「塗布液種」「第1」に示す溶液に変更したほかは、同様にして、ポリイミド無端ベルトA2〜A4、および、ポリイミド無端ベルトA101〜A104を製造した。
ポリイミド無端ベルトA1〜A4、および、ポリイミド無端ベルトA101〜A104につき、以下の評価を行った。その結果を表2に示す。
既述の方法で無端ベルトの裏面抵抗率〔LogΩ/□〕、体積抵抗率〔Ω・cm〕、裏面抵抗ムラ〔LogΩ/□〕を測定し、結果を表2に示した。
原子間力顕微鏡(AFM)を用いて、無端ベルトの第1層と第2層との界面が、カーボンブラック(CB)を含有しない層(非CB層という)であるか、カーボンブラックが凝集した層(CB凝集層という)であるかを確認し、第1層中の酸性カーボンブラックの分散性を評価した。
・AFM装置:デジタル・インスツルメンツ社製D3000及びNanoscopeIII
・測定モード:コンタクトモード
・カンチレバー:Auコート導電性カンチレバー
・バネ定数:0.2N/m
・印加電圧:−10V
上記条件の下、試料をAFMにて観察したときにおける各領域での電流値の最大値を測定した。試料は、包埋後、ミクロトームにより切断し、断面切片を作製し、試料深さ方向と平行に銀ペースト電極を貼り合わせ、カンチレバーの対向電極とした。この試料を10μm四方で観察し導電性と高さ情報を得た。
表2に、非CB層のAFM電流量〔A〕、および、CB凝集層のAFM電流量〔A〕を示した。また、AFM電流像から得られた知見を「AFM電流像」欄に示した。
図3に示す基本構成を有するフルカラープリンター(DocuPrint C5450:富士ゼロックス社製)を改造した画像形成装置に、「<2.無端ベルトの製造と評価>」で得たポリイミド無端ベルトA1を搭載し、画像形成装置A1とした。
この画質評価機を用い、一般環境(22℃、50%RH)の環境下、A3用紙(C2紙 富士ゼロックス社製)で黒のハーフトーン画像(画像濃度45%)を出力し、出力画像について画像濃度ムラを評価した。評価結果を表3に示す。
◎:画像濃度ムラの発生は無く、さらに高画質領域での使用上で問題ない
○:画像濃度ムラの軽微な発生は有るが、実使用上問題ない
△:濃画像度ムラの発生が多数有り、問題が確認される
×:画像濃度ムラの発生が全体に有り、実使用上耐えられない
以下に示す実施例Bにおいて、実施例B1、実施例B2、実施例B2−2、実施例B3、実施例B4、実施例B4−1、実施例B5、実施例B6及び実施例B6−1は、本発明に対する参考例として示すものである。
<1.ポリアミック酸組成物の調製と評価>
〔ポリアミック酸の合成〕
分子鎖の両末端がアミノ基であるポリアミック酸として、ポリアミック酸DA−B1と、分子鎖の両末端アミノ基の全てをカルボン酸モノ無水物で封止したポリアミック酸として、ポリアミック酸DC−B1とを合成した。
NMP800g中に、ジアミン化合物として、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(以下「ODA」と略す)83.48g(416.9ミリモル)を加え、常温(25℃)で攪拌させながら溶解した。次いで、テトラカルボン酸二無水物として、3,3’,4,4’ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(以下「BPDA」と略す)116.52g(396.0ミリモル)を徐々に添加した。テトラカルボン酸二無水物の添加・溶解後、反応液の温度を60℃まで加熱して、その後反応液温度を保持したまま20時間重合反応を行い、ポリアミック酸DA−B1及びNMPを含む反応液を得た。得られた反応液を、#800のステンレスメッシュを用いてろ過して室温(25℃)まで冷却をして25℃における溶液粘度2.0Pa・s(東機産業社製、E型回転粘度計、TV−20Hを用い、標準ローター(1°34“×R24)で、測定温度:25℃、回転数:0.5rpm(100Pa・s以上)、1rpm(100Pa・s未満)の条件にて測定、以下の合成例も同様)のポリアミック酸溶液DA−B1を得た。
得られたポリアミック酸DA−B1の組成は、BPDA/ODA=95/100(モル/モル)となった。
分子鎖の両末端がアミノ基であるポリアミック酸DA−B1の両末端アミノ基をカルボン酸モノ無水物で封止した。
具体的には、特開2010−77300公報の段落0064に記載されたブレンド法に準じて、DA−B1に41.8ミリモルの無水フタル酸を混合して重合した。
このようにして、ポリアミック酸DC−B1を得た。
・ポリアミック酸DA−B1を含むポリアミック酸溶液DA−B1 700g
・ポリアミック酸DC−B1を含むポリアミック酸溶液DC−B1 300g
・酸性カーボンブラック(乾燥状態;導電剤)
〔SPECIAL BLACK4:Degussa社製、pH4.0、揮発分:14.0%、(以下「SB−4」と略する)〕 55.6g
ポリアミック酸組成物B1中の全ポリアミック酸におけるカルボン酸モノ無水物で封止されていない末端アミノ基の総モル量(X)に対する末端アミノ基がカルボン酸モノ無水物で封止された末端の総モル量(Z)の割合Z/Xは0.3であった。
また、ポリアミック酸組成物B1をイミド転化したときの組成、つまりポリアミック酸組成物B1を用いて作製した酸性カーボンブラックが分散したポリイミドフィルムの組成は、ポリイミド/SB−4=185.4/55.6(質量比)である。よってカーボンブラック/ポリイミドは30.0/100(質量比)である。
・ポリアミック酸DA−B1を含むポリアミック酸溶液DA−B1 1000g
・酸性カーボンブラック(乾燥状態;導電剤)〔SB−4〕 55.6g
ポリアミック酸組成物B2中の全ポリアミック酸におけるカルボン酸モノ無水物で封止されていない末端アミノ基の総モル量(X)に対する末端アミノ基がカルボン酸モノ無水物で封止された末端の総モル量(Z)の割合Z/Xは0であった。
また、ポリアミック酸組成物B2をイミド転化したときの組成、つまりポリアミック酸組成物B2を用いて作製した酸性カーボンブラックが分散したポリイミドフィルムの組成は、ポリイミド/SB−4=185.4/55.6(質量比)である。よってカーボンブラック/ポリイミドは30.0/100(質量比)である。
・ポリアミック酸DA−B1を含むポリアミック酸溶液DA−B1 800g
・ポリアミック酸DC−B1を含むポリアミック酸溶液DC−B1 200g
・酸性カーボンブラック(乾燥状態;導電剤)
〔SPECIAL BLACK4:Degussa社製、pH4.0、揮発分:14.0%、(以下「SB−4」と略する)〕 55.6g
ポリアミック酸組成物B3中の全ポリアミック酸におけるカルボン酸モノ無水物で封止されていない末端アミノ基の総モル量(X)に対する末端アミノ基がカルボン酸モノ無水物で封止された末端の総モル量(Z)の割合Z/Xは0.2であった。
また、ポリアミック酸組成物B3をイミド転化したときの組成、つまりポリアミック酸組成物B3を用いて作製した酸性カーボンブラックが分散したポリイミドフィルムの組成は、ポリイミド/SB−4=185.4/55.6(質量比)である。よってカーボンブラック/ポリイミドは30.0/100(質量比)である。
・ポリアミック酸DA−B1を含むポリアミック酸溶液DA−B1 950g
・ポリアミック酸DC−B1を含むポリアミック酸溶液DC−B1 50g
・酸性カーボンブラック(乾燥状態;導電剤)
〔SPECIAL BLACK4:Degussa社製、pH4.0、揮発分:14.0%、(以下「SB−4」と略する)〕 55.6g
ポリアミック酸組成物B4中の全ポリアミック酸におけるカルボン酸モノ無水物で封止されていない末端アミノ基の総モル量(X)に対する末端アミノ基がカルボン酸モノ無水物で封止された末端の総モル量(Z)の割合Z/Xは0.05であった。
また、ポリアミック酸組成物B4をイミド転化したときの組成、つまりポリアミック酸組成物B4を用いて作製した酸性カーボンブラックが分散したポリイミドフィルムの組成は、ポリイミド/SB−4=185.4/55.6(質量比)である。よってカーボンブラック/ポリイミドは30.0/100(質量比)である。
・ポリアミック酸DA−B1を含むポリアミック酸溶液DA−B1 400g
・ポリアミック酸DC−B1を含むポリアミック酸溶液DC−B1 600g
・酸性カーボンブラック(乾燥状態;導電剤)〔SB−4〕 55.6g
ポリアミック酸組成物101中の全ポリアミック酸におけるカルボン酸モノ無水物で封止されていない末端アミノ基の総モル量(X)に対する末端アミノ基がカルボン酸モノ無水物で封止された末端の総モル量(Z)の割合Z/Xは0.6であった。
また、ポリアミック酸組成物B101をイミド転化したときの組成、つまりポリアミック酸組成物B101を用いて作製した酸性カーボンブラックが分散したポリイミドフィルムの組成は、ポリイミド/SB−4=185.4/55.6(質量比)である。よってカーボンブラック/ポリイミドは30.0/100(質量比)である。
・ポリアミック酸DA−B1を含むポリアミック酸溶液DA−B1 600g
・ポリアミック酸DC−B1を含むポリアミック酸溶液DC−B1 400g
・酸性カーボンブラック(乾燥状態;導電剤)〔SB−4〕 55.6g
ポリアミック酸組成物B102中の全ポリアミック酸におけるカルボン酸モノ無水物で封止されていない末端アミノ基の総モル量(X)に対する末端アミノ基がカルボン酸モノ無水物で封止された末端の総モル量(Z)の割合Z/Xは0.4であった。
また、ポリアミック酸組成物B102をイミド転化したときの組成、つまりポリアミック酸組成物B102を用いて作製した酸性カーボンブラックが分散したポリイミドフィルムの組成は、ポリイミド/SB−4=185.4/55.6(質量比)である。よってカーボンブラック/ポリイミドは30.0/100(質量比)である。
・ポリアミック酸DC−B1を含むポリアミック酸溶液DC−B1 1000g
・酸性カーボンブラック(乾燥状態;導電剤)〔SB−4〕 55.6g
ポリアミック酸組成物B103中の全ポリアミック酸におけるカルボン酸モノ無水物で封止されていない末端アミノ基の総モル量(X)に対する末端アミノ基がカルボン酸モノ無水物で封止された末端の総モル量(Z)の割合Z/Xは∞(X=0)であった。
また、ポリアミック酸組成物B103をイミド転化したときの組成、つまりポリアミック酸組成物B103を用いて作製した酸性カーボンブラックが分散したポリイミドフィルムの組成は、ポリイミド/SB−4=185.4/55.6(質量比)である。よってカーボンブラック/ポリイミドは30.0/100(質量比)である。
得られたポリアミック酸組成物B1、B2、B3、B4、B101、B102、及びB103について、粘弾性を測定し、酸性カーボンブラックの分散性を評価した。また、ポットライフも評価した。結果を表4に示す。
なお、酸性カーボンブラックの分散性、ポットライフの評価については、実施例Aと同様にして行った。
−ポリイミド前駆体溶液の準備−
1)第1のポリイミド前駆体溶液
「<1.ポリアミック酸組成物の調製と評価>」で得たポリアミック酸組成物B1、ポリアミック酸組成物B2、ポリアミック酸組成物B3、ポリアミック酸組成物B4、ポリアミック酸組成物B101、及び、ポリアミック酸組成物B102を、それぞれ、第1のポリイミド前駆体溶液B1、第1のポリイミド前駆体溶液B2、第1のポリイミド前駆体溶液B101、および第1のポリイミド前駆体溶液B102として用いた。
ポリアミック酸組成物B1の調製において、酸性カーボンブラックであるSB−4の添加量を55.6gから40gに変更したほかは、同様にして、第2のポリイミド前駆体溶液B1となるポリアミック酸組成物B1を調製した。
第2のポリイミド前駆体溶液B1の組成は、:ポリアミック酸(ポリアミック酸DB−B1とDC−B1の合計)/NMP/SB−4=185.4/614.6/40(質量比)であった。
ポリアミック酸組成物B1中の全ポリアミック酸におけるカルボン酸モノ無水物で封止されていない末端アミノ基の総モル量(X)に対する末端アミノ基がカルボン酸モノ無水物で封止された末端の総モル量(Z)の割合Z/Xは0.3であった。
また、ポリアミック酸組成物1をイミド転化したときの組成、つまりポリアミック酸組成物1を用いて作製した酸性カーボンブラックが分散したポリイミドフィルムの組成は、ポリイミド/SB−4=185.4/40(質量比)である。よってカーボンブラック/ポリイミドは22/100(質量比)である。
実施例Aのポリイミド無端ベルトA1の製造において、第1のポリイミド前駆体溶液について、それぞれ、第1のポリイミド前駆体溶液A1を、表5の「塗布工程」「塗布液種」「第1」に示す溶液に変更すると共に、第2のポリイミド前駆体溶液A1を第2のポリイミド前駆体溶液B1に変更したほかは、同様にして、ポリイミド無端ベルトB1〜B4、および、ポリイミド無端ベルトB101〜B104を製造した。
ポリイミド無端ベルトB1〜B4、および、ポリイミド無端ベルトB101〜B104につき、実施例Aと同様の評価を行った。その結果を表5に示す。
図3に示す基本構成を有するフルカラープリンター(DocuPrint C5450:富士ゼロックス社製)を改造した画像形成装置に、「<2.無端ベルトの製造と評価>」で得たポリイミド無端ベルトB1を搭載し、画像形成装置B1とした。
この画質評価機を用い、実施例Aと同様にして評価した。評価結果を表6に示す。
101Y、101M、101C、101BK 感光体ドラム
102 中間転写ベルト
105〜108 現像器
200 画像形成装置
200Y、200M、200C、200Bk 画像形成ユニット
206 転写搬送ベルト
Claims (6)
- 全末端がアミノ基であるポリアミック酸であって、カルボン酸モノ無水物で封止されていない末端アミノ基及びカルボン酸モノ無水物で封止されている末端アミノ基の総モル量(X)に対するカルボン酸モノ無水物で封止されている末端アミノ基の総モル量(Z)の割合Z/Xが、0.05≦Z/X≦0.1であるポリアミック酸と、全固形分に対して10質量%以上80質量%以下のpH7未満のカーボンブラックと、溶媒と、を含むポリアミック酸組成物。
- カルボン酸二無水物と、ジアミン化合物との重合体であり、かつカルボン酸モノ無水物で末端封止されていないポリアミック酸であって、末端アミノ基及び末端カルボキシ基の総モル量(X)に対する末端カルボキシ基の総モル量(Y)の割合Y/Xが、0.05≦Y/X<0.4であるポリアミック酸と、
全固形分に対して10質量%以上80質量%以下のpH7未満のカーボンブラックと、
溶媒と、
を含むポリアミック酸組成物。 - 前記割合Y/Xが、0.1≦Y/X<0.4であるである請求項2に記載のポリアミック酸組成物。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリアミック酸組成物を用いて形成された第1層と、第1層上に、第1層と隣接して備えられ、ポリイミドを含む第2層と、を有する無端ベルト。
- 芯体の表面に、請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリアミック酸組成物を含む第1のポリイミド前駆体溶液を塗布して第1の塗布膜を形成する第1の塗布工程と、
前記第1の塗布膜中の残留溶媒量が10質量%以上50質量%以下となるように溶媒を除去する第1の乾燥工程と、
残留溶媒量が10質量%以上50質量%以下である前記第1の塗布膜に、第2のポリイミド前駆体溶液を塗布して、前記第1の塗布膜に隣接する第2の塗布膜を形成する第2の塗布工程と、
前記第2の塗布膜の溶媒を除去する第2の乾燥工程と、
前記第1の塗布膜および前記第2の塗布膜を加熱し、前記第1の塗布膜中のポリイミド前駆体と、前記第2の塗布膜中のポリイミド前駆体とをイミド化して、第1層及び第2層が隣接した無端ベルトを形成する加熱工程と、
前記芯体から前記無端ベルトを抜き取る工程と、
を有する無端ベルトの製造方法。 - 像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
前記像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成手段と、
前記像保持体の表面の潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成された前記トナー像が転写される中間転写体と、
前記像保持体の表面に形成された前記トナー像を前記中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、
前記中間転写体の表面に転写された前記トナー像を被転写媒体に二次転写する二次転写手段と、
前記記録媒体に転写された前記トナー像を定着する定着手段と、
を備え、
前記中間転写体が、請求項4に記載の無端ベルトである画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012068295A JP5910223B2 (ja) | 2011-08-17 | 2012-03-23 | ポリアミック酸組成物、無端ベルト及びその製造方法、画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011178582 | 2011-08-17 | ||
JP2011178582 | 2011-08-17 | ||
JP2012068295A JP5910223B2 (ja) | 2011-08-17 | 2012-03-23 | ポリアミック酸組成物、無端ベルト及びその製造方法、画像形成装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013057051A JP2013057051A (ja) | 2013-03-28 |
JP5910223B2 true JP5910223B2 (ja) | 2016-04-27 |
Family
ID=48133180
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012068295A Expired - Fee Related JP5910223B2 (ja) | 2011-08-17 | 2012-03-23 | ポリアミック酸組成物、無端ベルト及びその製造方法、画像形成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5910223B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7470681B2 (ja) * | 2019-05-22 | 2024-04-18 | 株式会社カネカ | ポリアミド酸溶液の製造方法、および積層体の製造方法 |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3196638B2 (ja) * | 1995-04-28 | 2001-08-06 | 東レ株式会社 | 樹脂ブラックマトリックス、黒色ペースト、カラーフィルタおよび液晶表示素子 |
JP2009237157A (ja) * | 2008-03-26 | 2009-10-15 | Fuji Xerox Co Ltd | ポリアミック酸組成物、ポリイミド無端ベルト及びその製造方法、画像形成装置 |
JP4853505B2 (ja) * | 2008-09-26 | 2012-01-11 | 富士ゼロックス株式会社 | ポリアミック酸組成物、ポリイミド無端ベルトおよび画像形成装置 |
JP5614060B2 (ja) * | 2009-03-19 | 2014-10-29 | 富士ゼロックス株式会社 | 管状体、転写ユニット及び画像形成装置 |
JP5446655B2 (ja) * | 2009-09-18 | 2014-03-19 | 富士ゼロックス株式会社 | ポリイミド系高分子組成物、ポリイミド無端ベルト、ポリイミド無端ベルトの製造方法、ベルトユニットおよび画像形成装置 |
-
2012
- 2012-03-23 JP JP2012068295A patent/JP5910223B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2013057051A (ja) | 2013-03-28 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US9052654B2 (en) | Polyamic acid composition, polyimide endless belt, and image forming apparatus | |
JP2009237157A (ja) | ポリアミック酸組成物、ポリイミド無端ベルト及びその製造方法、画像形成装置 | |
JP2013181136A (ja) | ポリイミド前駆体組成物、無端ベルトの製造方法、及び画像形成装置 | |
JP4123296B2 (ja) | 中間転写ベルト及びその製造方法、並びに、画像形成装置 | |
JP6798153B2 (ja) | 無端ベルト、画像形成装置、及び無端ベルトユニット | |
JP6798154B2 (ja) | 無端ベルト、画像形成装置、及び無端ベルトユニット | |
JP5446655B2 (ja) | ポリイミド系高分子組成物、ポリイミド無端ベルト、ポリイミド無端ベルトの製造方法、ベルトユニットおよび画像形成装置 | |
JP6900844B2 (ja) | 無端ベルト、画像形成装置、無端ベルトユニット、及びポリイミド樹脂成形体 | |
JP2006016592A (ja) | ポリアミック酸組成物、ポリイミド無端ベルト及びその製造方法、画像形成装置 | |
JP6011374B2 (ja) | ポリイミド前駆体組成物、ポリイミド前駆体組成物の製造方法、転写ベルト、転写ベルトの製造方法、転写ベルトユニット、及び画像形成装置 | |
JP2016040600A (ja) | 画像形成装置用ポリイミド製シームレスベルト | |
JP5747535B2 (ja) | 円筒状成形体及びその製造方法、円筒状成形体ユニット、画像形成装置用部材、画像形成装置、並びに樹脂組成物 | |
JP4696630B2 (ja) | 樹脂製無端ベルト及びその製造方法、並びに画像形成装置 | |
JP6996090B2 (ja) | 電子写真装置用転写ベルト、画像形成装置及び転写ベルトユニット | |
JP5910223B2 (ja) | ポリアミック酸組成物、無端ベルト及びその製造方法、画像形成装置 | |
JP6828504B2 (ja) | 画像形成装置用の円筒状部材、画像形成装置、及び円筒状部材ユニット | |
JP5103800B2 (ja) | ポリアミック酸組成物の製造方法およびポリイミド無端ベルトの製造方法 | |
JP4356508B2 (ja) | ポリアミック酸組成物、並びに画像形成装置、それを用いたポリイミド無端ベルト及びその製造方法 | |
JP6269732B2 (ja) | ポリイミド前駆体組成物、ポリイミド成形体、及び画像形成装置 | |
JP6798364B2 (ja) | 転写ベルト、転写ベルトユニット、画像形成装置及び転写ベルトの製造方法 | |
JP5157330B2 (ja) | 成形用芯体、シームレス管状物の製造方法 | |
JP6036355B2 (ja) | カーボンブラック分散ポリアミック酸組成物、無端ベルト及びその製造方法、並びに、画像形成装置 | |
JP6065681B2 (ja) | ポリイミド前駆体、ポリイミド前駆体組成物、ポリイミド成形体の製造方法、及び、画像形成装置 | |
JP2018146635A (ja) | 電子写真装置用無端ベルト、画像形成装置、及び、無端ベルトユニット | |
JP5958369B2 (ja) | ポリイミド前駆体組成物、ポリイミド前駆体組成物の製造方法、転写ベルト、転写ベルトの製造方法、転写ベルトユニット、及び画像形成装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20150210 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20150825 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20150826 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20151023 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20160301 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20160314 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5910223 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |