JP5909761B2 - 自動水栓 - Google Patents
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Description
下記特許文献1に、この種の自動水栓の一例が開示されている。
この自動水栓は、キッチン用の自動水栓としても好適なものである。
詳しくは、この自動水栓をキッチン用の自動水栓として用いた場合、上向きに設けた人体検知センサに手をかざして吐水開始させた後、検知エリアから手を外して水作業を続行することができ、そして水作業を終えた後、再び人体検知センサに手をかざすことで止水を行わせることができ、キッチンでの水作業等が行い易い。
但しこの自動水栓では、人体検知センサが吐水管に上向きに設けてあるため、使用者が人体の一部を無意識に人体検知センサにかざしてしまい易い問題がある。
またシンクの上方に設置してある電動式の昇降棚を下降させたときに、吐水管の人体検知センサが昇降棚を検知してしまい、意図せず吐水口から水を吐水させてしまったりすることが生じ得る。
このような問題に対して、特許文献1に開示の方法では解決することができない。
特許文献1に開示の方法は、吐水開始後に人体検知センサの検知距離を短く切り替えるものであり、止水状態の下で人体検知センサによる誤検知によって、意図せず吐水を行ってしまう問題を解決できない。
尚、人体検知センサによる誤検知をできるだけ防ぐために人体検知センサの検知距離を常時短くしておくことも考えられるが、この場合、人体検知センサの直近位置まで手かざし操作しなければならなくなり、操作性が悪化してしまう。
しかしながらこの特許文献2に開示のものでは、人体の横方向の動きと縦方向の動きとを正しく判別することができない。
通常、使用者の腕を伸ばす動作は、縦方向の動きを主としているものの横方向の動きも伴っており、このような動きに対して特許文献2に開示のものは、太陽電池A(21),太陽電池B(22)とが人体の縦の動きと横の動きとを明確に判別することができないために上記の誤検知を防止することができない。
尚本発明において、吐水状態の変更には吐水から止水若しくはその逆への変更,吐水流量の変更,吐水温度の変更,原水から浄水若しくはその逆への変更等の水質の変更等が含まれる。
また人体検知センサによる人体検知によって吐水の流量調節を行う場合、或いは吐水の温度調節を行う場合、更には水質の変更を行う場合には、それらの吐水状態の変更が禁止される。
また本発明によれば、人体検知センサの検知距離を常時短くしておくといったことは必要ないので、水栓を操作する際の良好な操作性を確保することができる。
尚水栓の操作、具体的には人体検知センサを非接触操作する際の想定される人体の横方向の動きは、通常ある程度の縦の動きも伴っている。
同様に人体検知センサを非接触操作することを目的としていないで、例えば使用者がシンクよりも奥にあるカウンタに向けて腕を伸ばすとき等に想定される縦の動きもまた、ある程度の横の動きを伴っている。
要するに本発明では、人体検知センサに横動検知手段と縦動検知手段との両方を備えることで、初めて人体の動きが横の動きであるのか又は縦の動きであるのかを判定することが可能となる。
また縦方向に距離を隔てて配置した複数の検知エリアを有するものとして、それら縦方向の複数の検知エリアをもって縦動検知エリア(縦動検知手段)となし、それら複数の縦方向に配置した検知エリアで時間差をもって人体検知することで縦動検知するようになすことができる。
また、人体の横方向の動きに対し、横方向に配置した検知エリアのうち、横方向の端位置の検知エリアで最後に人体検知するように各検知エリアの位置を定めておくことができる。
このようにしておけば、想定される人体の縦方向の動き、横方向の動きを容易に判別することが可能となる。
図1及び図2において、10は対面式キッチンの調理台12に備えられたシンク(水槽)であり、14はシンク10の奥側に設けられた、皿等の各種物品を載せることのできるカウンタである。
16は、調理台12におけるシンク10周りの天面18から起立する状態に設けられた自動水栓20の吐水管で、シンク10に向けて吐水する吐水口22を先端に有している。
吐水管16は、天面18から直立する下部24と、逆U字状のグースネック形状をなす上部26とを有している。
ここで調理台12の前に立った使用者とカウンタ14とを最短で結ぶ方向を前後方向としたとき、吐水管16の上部26はその前後方向の向きとされている。
この例の対面式キッチンにおいては、図4に示しているようにシンク10の上方に電動式で昇降する昇降棚25が設けられている。
給水路27,給湯路28上には、それぞれ吐水口22からの吐水状態制御を行う制御弁32,34が設けられている。
これら制御弁32,34は、弁部36と弁部36の弁体を駆動する電動式のモータ(ここではステッピングモータ)38とを有している。
これら制御弁32,34は制御部40に電気的に接続されており、各制御弁32,34が制御部40にて作動制御されるようになっている。
この例において、人体検知センサ42は人体検知、詳しくは後述するように人体の横方向の動きを検知するごとに吐水と止水とを交互に行わせる吐止水センサとして設けられている。
この例において、人体検知センサ42は人体の動きを検知するモーションセンサとして構成されており、第1センサ42-1と第2センサ42-2と第3センサ42-3との3つのセンサを有している。
即ちここでは、横方向に並んだ第1検知エリア42-1A,第2検知エリア42-2Aが同時に縦方向の検知エリアを兼ねたものとなっている。
但し第3検知エリア42-3Aは、それら第1検知エリア42-1Aと第2検知エリア42-2Aとに管軸方向の位置の差がある場合において、それらの位置の差よりも、第1検知エリア42-1A,第2検知エリア42-2Aに対してより大きく管軸方向に距離を隔てた位置に配置しておく。
これに対応して、図5の第3検知エリア42-3Aもまた、第1検知エリア42-1Aと第2検知エリア42-2Aとの間の横方向の中間位置に配置されている。
その手の動きは、図5(A)の場合、第1検知エリア42-1A,第3検知エリア42-3A,第2検知エリア42-2Aの順に所定の時間差をもって検知される。
即ち管軸と直交方向の横方向における端位置の第2検知エリア42-2Aでの検知が最後の検知となる。
第1検知エリア42-1A,第2検知エリア42-2A,第3検知エリア42-3Aの位置が予めそのように定められている。
制御部40はそれらの検知信号に基づいて人体(の一部)が横方向の動きを生じたものと判定する。即ち人体検知センサ42が使用者によって横方向に非接触操作されたものと判定する。
但しこのときの腕の動きは純粋に縦方向の動きだけではなく、ある程度の横方向の動きも伴っている。
そしてこれに応じて第1センサ42-1,第2センサ42-2,第3センサ42-3の順に各センサから検知信号が出力される。
制御部40は、それらの検知信号に基づいて人体の一部が縦方向の動きを生じたものと判定する。即ち人体検知センサ42による検知が、人体検知センサ42の非接触操作を目的としていない動きによるものであると判定する。
そこでここでは、図6に示しているように純粋に横方向の動きを横軸Xに、純粋に縦方向の動きを縦軸Yにとったとき、人体の動きが角度α以下の角度の小さい動きであれば横方向の動きとし、また角度αを超える角度の大きな動きであるときには縦方向の動きとする。
ここでαは例えば45°としておくことができる。
そしてこの実施形態では、以上のようにしてモーションセンサをなす人体検知センサ42が人体の横方向の動きだけを検知し、縦方向の人体の動きを検知しないときには、人体検知センサ42が使用者によって非接触操作されたものと判定して現在の吐水状態を変更する。
即ち止水から吐水に吐水状態を変更し、或いは吐水から止水に吐水状態を変更する。
この比較例は、第1検知エリア42-1A,第2検知エリア42-2Aの2つの検知エリアだけを設けた例で、この場合には、図12(A)に示しているように人体が横方向の動きを生じた場合にも、また(B)に示しているように縦方向の動きを生じた場合にも、第1検知エリア42-1A,第2検知エリア42-2Aで且つその順番で手の動きを検知してしまう。
即ちこの比較例では、人体の動きが横方向の動きであるのか、また縦方向の動きであるのかを判別することができない。
しかるに本実施形態ではそのような誤検知を有効に防ぐことができ、人体検知センサ42による誤検知に基づく自動水栓20の誤動作を防ぐことができる。
また一方、図7(B)に示しているように使用者が左手を縦方向に動かしたときには、第2検知エリア42-2A,第1検知エリア42-1A,第3検知エリア42-3Aの順に、人体検知センサ42が手を検知し、その手の動きが縦方向の動きであると判定する。
図5の実施形態では、第3検知エリア42-3Aを、第1検知エリア42-1Aと第2検知エリア42-2Aとの中間において、それら第1検知エリア42-1A及び第2検知エリア42-2Aの位置よりも管軸方向に大きく距離を隔てて(第1検知エリア42-1Aと第2検知エリア42-2Aとの管軸方向の位置の差に比べ大きく距離を隔てて)使用者から遠く離れた位置に配置しているが、この図8の実施形態では、第3検知エリア42-3Aを、第1検知エリア42-1Aと第2検知エリア42-2Aとの間の中間位置において、それらから管軸方向に大きく距離を隔てた、使用者に近い位置に配置している。
これに対して図9の例は、図8に示す右手に代えて左手を使用者が動かした場合の例を示したもので、図8に示したものとの違いは、図5に示したものと図7に示したものとの違いと基本的に同様である。
この昇降棚25の動きは上方から下方に移動する動きであり、この動きは上記の横方向の動きでも、また縦方向の動きでもないため、人体検知センサ42がこの昇降棚25の下降を誤検知することはなく、従ってその誤検知に基づいて吐水状態を変更してしまうといった不都合を生じない。
従って使用者が吐水状態の変更を目的として手を人体検知センサ42に対して横方向に動かしたときには、人体検知センサ42がこれを検知して止水から吐水に又はその逆に吐水状態の変更を行わせる一方、人体検知センサ42の非接触操作を目的としないで腕を伸ばすような動きを行ったとき、例えばシンク(水槽)10の奥側のカウンタ14に皿等の物品を載せようとして、或いはカウンタ14から皿等を取ろうとして腕を伸ばしたときには、人体検知センサ42が縦方向の人体の動きを検知することで、吐水状態の変更を行わせずに、現在の吐水状態を維持させる。
また本実施形態によれば、人体検知センサ42の検知距離を常時短くしておくといったことは必要ないので、自動水栓20を操作する際の良好な操作性を確保することができる。
このようにしておけば、操作方法を選択できることで、使用者の好み等に応じて最適な操作方法で自動水栓20を使用することが可能となる。
この例は、人体検知センサ42として、直交する2軸方向に多数の画素を面状に並べて成る画像センサ44を用いた例である。
具体的には、ここでは画像センサ44としてCCDセンサを用いている。
図10及び図11において、50はその画像センサ44を用いた人体検知センサ42による検知エリアを示している。
この実施形態では、画像センサ44にて検知エリア50内の画像を撮像する。得られた画像データは制御部40へと送られる。
制御部40はその画像データを画像処理することによって、人体(手)の動きが上記の横方向の動きであるか、或いは縦方向の動きであるかを判別する。
而して人体の動きが横方向の動きであれば吐水状態の変更、即ち止水から吐水に、若しくは吐水から止水に状態変更する。
また人体の動きが縦方向の動きであると判定したときには、吐水状態に変更を行わず、現在の吐水状態を維持する。
例えば図1〜図7の第1の実施形態において、センサの数を4つ若しくはそれ以上にしたり、或いはセンサが3つである場合も含めてそれらの配置を上例以外の他の配置とすることも可能である。
また本発明は上記人体検知センサ42を吐水の流量変更を行わせる流調センサとしたり、吐水の温度を変更させる温調センサとしたり、或いは水質変更させる水質変更センサとしたりすることも可能であり、更に人体検知センサ42を吐水管の上面ではなく側面に設けたりすることも可能である等、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。
16 吐水管
20 自動水栓
22 吐水口
32,34 制御弁
42 人体検知センサ
42-1A 第1検知エリア
42-2A 第2検知エリア
42-3A 第3検知エリア
44 画像センサ
50 検知エリア
Claims (2)
- (a)先端の吐水口から水槽に向けて吐水を行う吐水管と、(b)該吐水管に設けられた人体検知センサと、(c)該人体検知センサからの検知信号に基づいて吐水状態制御を行う電動式の制御弁と、を有する自動水栓において、
前記人体検知センサを、人体の動きを検知するモーションセンサとして構成し、
該人体検知センサは、平面視で前記吐水管の管軸と直交方向である横方向の動きを検知する横動検知手段と、該吐水管の管軸方向である縦方向の動きを検知する縦動検知手段と、を有するものとし、
該人体検知センサによる検知が人体の横方向の動きを検知したものであるときには吐水状態の変更を行い、人体の縦方向の動きを検知したものであるときには吐水状態の変更を行わないものとしてあることを特徴とする自動水栓。 - 請求項1において、前記人体検知センサが、前記吐水管に上向きに設けられ、人体の横方向の動きを検知するごとに吐水から止水に若しくはその逆に吐水状態を変更させる吐止水センサであることを特徴とする自動水栓。
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