JP5909310B1 - 電極用パッド - Google Patents
電極用パッド Download PDFInfo
- Publication number
- JP5909310B1 JP5909310B1 JP2016503480A JP2016503480A JP5909310B1 JP 5909310 B1 JP5909310 B1 JP 5909310B1 JP 2016503480 A JP2016503480 A JP 2016503480A JP 2016503480 A JP2016503480 A JP 2016503480A JP 5909310 B1 JP5909310 B1 JP 5909310B1
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- adhesive sheet
- sensitive adhesive
- thickness
- conductive pressure
- conductive
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Measurement And Recording Of Electrical Phenomena And Electrical Characteristics Of The Living Body (AREA)
Abstract
Description
本願は、2014年11月17日に日本に出願された特願2014−233169及び2015年3月31日に日本に出願された特願2015−074416号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
例えば、特許文献1には、含水状ゲル層を備え、当該含水状ゲル層を生体面と密着して用いる生体電極用パッドが開示されている。また、特許文献2には、導電性高分子ハイドロゲルと電極素子とを備え、前記導電性高分子ハイドロゲルを人体及び対象物表面に貼付して用いる高分子ハイドロゲル電極が開示されている。
このような日常生活の中で利用されるコンパクトな生体センサは、心電等の電気的情報を取得するための二つ以上の電極が同一機器内の近接した位置に配置される。
また、上記のような短絡を避けるためには、生体センサの電極ごとに電極用パッドを取り付け、かつ、各々の電極用パッド同士が接触しないように被験者に貼付する必要があり、電極用パッドの取扱いが煩雑であった。
さらにまた、電極用パッドには、皮膚に貼着された際に、ムレやかぶれを生じない良好な使用感が求められる。
すなわち本発明の電極用パッドは、以下の構成を有する。
[1]任意の電極と接続するための第一の導電性粘着シートと、該第一の導電性粘着シートの面方向に離間して位置し、他の電極と接続するための第二の導電性粘着シートと、前記第一の導電性粘着シートと前記第二の導電性粘着シートとを支持する基材と、を備え、前記基材は、前記第一の導電性粘着シートの一部及び前記第二の導電性粘着シートの一部と重なり、前記第一の導電性粘着シート及び前記第二の導電性粘着シートは、それぞれ少なくとも一方の面が露出しており、前記第一の導電性粘着シート及び前記第二の導電性粘着シートは、下記測定方法で測定される厚み圧縮率が10%以下であり、かつ、厚み回復率が95%以上であり、前記基材は、下記測定方法で測定される吸水倍率が1〜1.5倍である非導電性の素材であり、前記第一の導電性粘着シート及び第二の導電性粘着シートと基材が重なる領域の透湿度が1000g/m2・24h以上である、電極用パッド。
[厚み圧縮率の測定方法]
20mm×20mmの導電性粘着シートを測定サンプルとし、その厚みを測定する(初期シート厚み)。前記測定サンプルに底面90mm×140mmの5kgの重りを10秒間載置した後、直ちに前記測定サンプルから重りを取り除き測定サンプルの厚みを測定する(圧縮シート厚み)。厚み圧縮率を下記(1)式から求める。
厚み圧縮率(%)=100×(初期シート厚み−圧縮シート厚み)/初期シート厚み・・・(1)
[厚み回復率の測定方法]
上記厚み圧縮率の測定方法において、5kgの重りを取り除いてから5分間放置した後、直ちに測定サンプルの厚みを測定する(回復シート厚み)。厚み回復率を下記(2)式から求める。
厚み回復率(%)=100×回復シート厚み/ 初期シート厚み・・・(2)
[吸水倍率の測定方法]
50mm×50mmの基材を測定サンプルとし、その質量を測定する(浸漬前基材質量)。この測定サンプルを20℃の水に浸漬し、浸漬してから24時間後の質量を測定する(浸漬後基材質量)。吸水倍率を下記(3)式から求める。
吸水倍率(倍)=浸漬後基材質量/浸漬前基材質量・・・(3)
[2]前記第一の導電性粘着シート及び前記第二の導電性粘着シートは、それぞれ両面が露出している[1]に記載の電極用パッド。
[3]前記第一の導電性粘着シート及び前記第二の導電性粘着シートの双方もしくは一方は、アクリルアミド系ハイドロゲルである、[1]又は[2]に記載の電極用パッド。
[4]前記基材は、織布又は不織布である、[1]〜[3]のいずれかに記載の電極用パッド。
[5]生体センサに用いられる[1]〜[4]のいずれかに記載の電極用パッド。
[6]工業センサに用いられる[1]〜[4]のいずれかに記載の電極用パッド。
<電極用パッド>
図1及び図2の電極用パッド1は、第一の導電性粘着シート2と、第二の導電性粘着シート4と、前記第一の導電性粘着シート2及び第二の導電性粘着シート4に積層され、前記第一の導電性粘着シート2と前記第二の導電性粘着シート4とを支持する基材10とを備える。
電極用パッド1は、一方を長手とする平面視略長方形とされている。略長方形は、4つの角部の全て又は一部に、曲線もしくは直線の隅切が形成された形状、及び4辺のうちの1辺以上が曲線で形成された形状を含む概念である。
電極用パッド1の大きさは、特に限定されないが、例えば、長辺が50〜110mm、短辺が30〜70mmとされる。
電極用パッド1の厚さは、特に限定されないが、例えば、0.5〜2.0mmとされる。上記下限値未満では、電極用パッド1が軟弱になりすぎて、取り扱いにくくなるおそれがある。上記上限値超では、電極用パッド1の可撓性が損なわれて、取り扱いにくくなるおそれがある。
基材10には、平面視略長方形の開口部12が形成され、枠状とされている。
第一の導電性粘着シート2は、平面視略長方形の平板状であり、その平面視面積が基材10の平面視面積よりも小さいものとされている。第一の導電性粘着シート2は、基材10の開口部12の一部を覆うように設けられ、第一の導電性粘着シート2の3辺は、基材10の一方の短手を形成する辺と、この辺に隣接する2辺とに重なっている。平面視において、第一の導電性粘着シート2は、その一部が開口部12から露出し、底面視において、第一の導電性粘着シート2は、全体が露出している。即ち、第一の導電性粘着シート2は、両面が露出している。
第二の導電性粘着シート4は、基材10の長手方向に第一の導電性粘着シート2と離間して位置し、開口部12の一部を覆うように設けられている。即ち、第一の導電性粘着シート2と第二の導電性粘着シート4とは、第一の導電性粘着シート2の面方向で離間している。
本実施形態において、第二の導電性粘着シート4の3辺は、基材10の他方の短手を形成する辺と、この辺に隣接する2辺とに重なっている。平面視において、第二の導電性粘着シート4は、その一部が開口部12から露出し、底面視において、第二の導電性粘着シート4は、全体が露出している。即ち、第二の導電性粘着シート4は、両面が露出している。
第一の導電性粘着シート2と第二の導電性粘着シート4との離間距離Dは、第一及び第二の導電性粘着シートに接続された電極が短絡しない距離とされ、例えば、5〜20mmとされる。
前記透湿度が1000g/m2・24h未満であると、ムレやかぶれを充分に抑制できなくなる。前記透湿度は、例えば第一の導電性粘着シート2の厚みや単位面積当たりの質量を調整したり、基材10の透湿度を調整することで容易に調整される。
第二の導電性粘着シート4の一部及び基材10が重なって形成されたU字状の領域の透湿度は、前記第一の導電性粘着シート2及び基材10が積層されて形成された領域の透湿度と同様である。
[透湿度の測定方法]
本発明における透湿度は、JIS Z0208:1976の透湿度試験方法に準拠して測定される値である。具体的には、透湿度は、次の手順により測定される。
第一の導電性粘着シート2と基材10を重ねた積層体を作製し、これをφ70mmに切り取り試験片とする。
透湿カップ(JIS規格品φ60mm)に15gの無水塩化カルシウムを入れ、上記試験片で透湿カップの開口部を覆い(試験片の第一の導電性粘着シート側が開口部に接する)、試験片の第一の導電性粘着シートと透湿カップの接着面に溶かしたパラフィンを塗り付け密封する。密封した透湿カップを、密封した面が上になるようにして40±0.5℃、相対湿度90±2%の環境下に24時間放置し、前記密封した透湿カップの質量を秤量する。そして、下記式により透湿度を算出する。
透湿度(g/m2・24h)=u/s
ただし、sは、透湿面積(m2)、uは、増加質量の絶対値の合計(g)である。
第二の導電性粘着シート4の一部と基材10が重なった領域の透湿度の測定方法は、第一の導電性粘着シート2の一部と基材10が重なった領域の透湿度の測定方法と同様である。
第一の導電性粘着シート2は、厚み圧縮率が10%以下であり、かつ、厚み回復率が95%以上である。また、第一の導電性粘着シート2としては、通常、測定対象からの電気信号を導通できる程度の導電性と電極及び測定対象に貼付可能な粘着性を有するものが用いられる。
以上のような要件を満たす第一の導電性粘着シート2は以下のようにして得ることができる。
第一の導電性粘着シート2は、ハイドロゲル、オルガノゲル等のゲルから構成されるが、生体適合性に優れる点などから、ハイドロゲルから構成されるものが好ましい。
なお、ここにいう高分子マトリックスとは、重合性単量体と架橋性単量体を重合架橋したマトリックスを指す。
さらに、架橋性単量体の総量は、導電性高分子ハイドロゲル全体の5質量%以下であることが好ましい。
上記湿潤剤としては、例えば、多価アルコール単量体を重合させた重合体を50質量%以上含むとともに、多価アルコール単量体として、3価以上の多価アルコール単量体を含み、前記重合体の平均分子量が150〜4000であり、水溶性を示し、かつ((重合体中に存在するエーテル基の数+重合体中に存在するヒドロキシル基の数)/重合体中に存在する炭素原子の数))≧1/3の条件を満たすものが好ましい。
また、上記多価アルコール単量体を重合してなる重合体は、水溶性である。水溶性とは25℃の水100gに10g以上溶解することを意味する。更に、多価アルコール単量体を重合してなる重合体としては、((重合体中に存在するエーテル基の数+重合体中に存在するヒドロキシル基の数)/重合体中に存在する炭素原子の数)≧1/3の条件を満たす重合体が好ましい。また、重合体の繰返し単位内に3価以上の多価アルコール単量体由来の単位を配することにより、湿潤剤としての湿潤機能が向上すると共に、高分子マトリックスや溶媒との静電気的相互作用が高くなり、ゲル内部からの湿潤剤の溶出をより低減することができる。
アクリルアミド系ハイドロゲルは、生体適合性、耐腐食性に優れる基材であり、また、上記重合性単量体は、反応性に優れるため、当該ゲル中の残存モノマーが少なく、皮膚刺激性も低い。
第二の導電性粘着シート4の厚みは、第一の導電性粘着シート2の厚みと同様である。
第一の導電性粘着シート2の厚みと、第二の導電性粘着シート4の厚みは同じであってもよいし、異なっていてもよい。
なお、ここで言う「粘着力」の試験方法は、第一の導電性粘着シート2を20mm×100mmに切断したものを測定サンプルとし、ベークライト板に測定サンプルを貼り付け、23℃、50%RH条件下で30分間経過後、直ちにJIS Z0237に準拠して測定した粘着力である。
第二の導電性粘着シート4の粘着力は、第一の導電性粘着シート2の粘着力と同様である。第一の導電性粘着シート2の粘着力と、第二の導電性粘着シート4の粘着力は同じであってもよいし、異なっていてもよい。
[厚み圧縮率の測定方法]
第一の導電性粘着シートを切断等により20mm×20mmとした測定サンプル(以下、「初期シート」ともいう。)を用意する。前記初期シートの厚みを測定し、これを「初期シート厚み」とする。次に、前記初期シートに底面90mm×140mmの5kgの重りを載置し、10秒間放置した後、直ちに前記シートから重りを取り除いたシート(以下、「圧縮シート」ともいう。)を作製する。前記圧縮シートの厚みを測定し、これを「圧縮シート厚み」とする。そして、下記(1)式から厚み圧縮率を求める。
厚み圧縮率(%)=100×(初期シート厚み−圧縮シート厚み)/初期シート厚み・・・(1)
第一の導電性粘着シート2の厚み圧縮率が10%を超えると、第一の導電性粘着シート2が変形しやすくなる。これにより、電極用パッドの抵抗が変動し、測定対象からの電気信号を正確に電極に伝えられなくなり、安定な測定ができなくなる。
第二の導電性粘着シート4の厚み圧縮率の測定方法は、第一の導電性粘着シート2の厚み圧縮率の測定方法と同様である。
第二の導電性粘着シート4の厚み圧縮率は、第一の導電性粘着シート2の厚み圧縮率と同様である。第一の導電性粘着シート2の厚み圧縮率と、第二の導電性粘着シート4の厚み圧縮率は同じでもよいし、異なってもよい。
[厚み回復率の測定方法]
上記厚み圧縮率の測定方法において、5kgの重りを取り除いてから5分間放置した測定サンプル(以下、「回復シート」ともいう。)を作製する。前記回復シートの厚みを測定し、これを「回復シート厚み」とする。そして、下記(2)式から厚み回復率を求める。
厚み回復率(%)=100×回復シート厚み/初期シート厚み・・・(2)
第一の導電性粘着シート2の厚み回復率が95%未満であると、第一の導電性粘着シート2の保形性が悪化し、経時とともに、第一の導電性粘着シート2の変形の度合いが大きくなる。これにより、第一の導電性粘着シート2の抵抗の変動が大きくなり、安定した測定ができなくなる。
第二の導電性粘着シート4の厚み回復率の測定方法は、第一の導電性粘着シート2の厚み回復率の測定方法と同様である。
第二の導電性粘着シート4の厚み回復率は、第一の導電性粘着シート2の厚み回復率と同様である。第一の導電性粘着シート2の厚み回復率と、第二の導電性粘着シート4の厚み回復率は同じでもよいし、異なってもよい。
なお、上記厚み圧縮率及び厚み回復率の測定は、いずれも大気中(例えば温度20〜27℃、相対湿度40〜60%)で行われる。また、上記初期シート、圧縮シート及び回復シートの厚みの測定は、厚みゲージ(株式会社ミツトヨ製「シックネスゲージ」)を用い1/100mmまで行われる。
第二の導電性粘着シート4にも、第一の導電性粘着シート2と同様の中間基材を設けることができる。第一の導電性粘着シート2の中間基材と、第二の導電性粘着シート4の中間基材は同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、第一の導電性粘着シート2又は第二の導電性粘着シート4の一方にだけ中間基材を設けてもよいし、両方に中間基材を設けてもよい。
上記重合性単量体と、架橋性単量体と、湿潤剤と、電解質塩と、水とを混合し、これに光重合開始剤を添加した配合液を調製する。次に、前記配合液をポリエチレンテレフタレートフィルム等のフィルム上に任意の厚さで展開し、これにUV照射して重合架橋反応を行いシート状のゲルを形成する。得られたシート状のゲルを所望の形状に切断して、第一の導電性粘着シート2とする。
なお、必要に応じて、上記配合液をフィルム上に任意の厚さで展開した後に、当該展開した配合液の層中に上記中間基材を配置し、これにUV照射して重合架橋反応を行い、中間基材が設けられたシート状のゲルとしてもよい。これを所望の形状に切断すれば、中間基材が設けられた第一の導電性粘着シート2が得られる。
第二の導電性粘着シート4の製造方法は、第一の導電性粘着シート2と同様である。
本発明の基材10は、吸水倍率が1〜1.5倍である非導電性の基材である。
本発明の基材の吸水倍率は、以下の測定方法で測定される値である。
[吸水倍率の測定方法]
基材を切断等により50mm×50mmとした測定サンプルを用意し、これを23℃、相対湿度50%RHの恒温恒湿槽内で24時間保管した測定サンプル(以下、「浸漬前基材」ともいう。)を作製する。前記浸漬前基材を前記恒温恒湿槽から取り出し、直ちにその質量を測定し、これを「浸漬前基材質量」とする。その後、浸漬前基材を20℃の水(イオン交換水)に24時間浸漬し、浸漬後に水中から取り出し表面に付着した水滴をガーゼで軽くふき取った測定サンプル(以下、「浸漬後基材」ともいう。)を作製する。前記浸漬後基材の質量を測定し、これを「浸漬後基材質量」とする。そして、下記式(3)から基材の吸水倍率を求める。
吸水倍率(倍)=浸漬後基材質量/浸漬前基材質量・・・(3)
[抵抗の測定方法]
上記[吸水倍率の測定方法]における浸漬前基材及び浸漬後基材のそれぞれについて電気抵抗の測定を行う。前記電気抵抗の測定は、三和電気計器株式会社製のDIGITAL MULTIMETER CD771装置を用いて、浸漬前基材及び浸漬後基材のそれぞれの表面に、前記装置の2つのリードを先端の距離が20mmとなるように載置して行う。電気抵抗の測定は、大気中(例えば温度20〜27℃、相対湿度40〜60%)で行われる。
上記の中でも、加工性、透湿性に優れ、導電性粘着シートとの貼着性も良好であることから、織布又は不織布が好ましい。これらの中でも、スパンボンド法により製造されたポリオレフィン製の不織布が特に好ましい。
本発明の電極用パッドの製造方法は、特に限定されない。電極用パッド1の製造方法の一例について、図3を用いて説明する。
最初に、上記のように製造した第一の導電性粘着シート2及び第二の導電性粘着シート4を、同一平面上に所望の間隔Dをもって配置する。その後、あらかじめ枠状に加工しておいた基材10を、前記第一の導電性粘着シート2及び第二の導電性粘着シート4と対向させて配置する。そして、基材10と、第一の導電性粘着シート2及び第二の導電性粘着シート4とを貼り合わせて、これらを一体とすることにより、電極用パッド1を容易に製造できる。
なお、第一の導電性粘着シート2及び第二の導電性粘着シート4と、基材10との貼り合わせ面には、必要に応じて接着剤を塗布してもよい。
電極用パッド1の使用方法について、電極用パッド1をウエアラブルなセンサに用いた場合を例にして説明する。
図4に示すように、本例のセンサは、2つの電極30、32が間隔をおいて配置され、この2つの電極の間に、光学センサ34及び画像センサ36が配置されたものである。
次いで、電極用パッド1を、センサの電極に貼着する。このとき、電極用パッド1の開口部12から露出した第一の導電性粘着シート2に、センサの一方の電極30が貼着され、開口部12から露出した第二の導電性粘着シート4に、センサの他方の電極32が貼着されるようにする。加えて、電極用パッド1の窓部20に、光学センサ34及び画像センサ36を位置させる。
これにより、センサの電極30、32と、測定対象とが、電極用パッド1を介して固定される。
また、光学センサ34及び画像センサ36は、電極用パッド1を貫通する窓部20に位置するため、導電性粘着シートの影響を受けずに、正確なデータを取得できる。
以上説明した電極用パッド1は、第一の導電性粘着シート2及び第二の導電性粘着シート4が導電性を有しているので、これらのシートに接続された電極30、32は、これらのシートを介して測定対象から発せられた電気信号を検知できる。
また、電極用パッド1は、第一の導電性粘着シート2及び第二の導電性粘着シート4が粘着性を有するため、測定対象に、センサの電極を良好に固定できる。
第一の導電性粘着シート2及び第二の導電性粘着シート4は、厚み回復率が95%以上である。そのため、第一の導電性粘着シート2及び第二の導電性粘着シート4は保形性に優れ、経時による変形が抑制される。これにより、測定対象からの電気信号を長期にわたり正確に電極に伝えられ安定した測定を行える。
さらにまた、アクリルアミド系ハイドロゲルは、水分の吸収性にも優れる。このため、これらの導電性粘着シートを用いた電極用パッド1は、例えば皮膚に粘着された場合に、汗等の吸収性に優れており、電極用パッド1を長時間使用しても不快感が軽減され、良好な使用感が得られる。
加えて、織布又は不織布は透湿性に優れるため、これらを表面に備える電極用パッド1は、例えば皮膚に粘着した場合に、汗等の蒸散性に優れており、電極用パッド1を長時間使用しても不快感が軽減され、良好な使用感が得られる。
本発明の電極用パッドは、上述の実施形態に限定されない。
上述の実施形態では、電極用パッドの形状は、平面視略長方形とされたが、平面視形状はこれに限定されない。例えば、楕円形、真円形、正方形、菱形、瓢箪形、五角形以上の多角形等の任意の形状とされてもよい。
第二の導電性粘着シートについても同様である。
ただし、電極用パッドの一体性を高め、取り扱い性をより良好にする点からは、基材が枠状とされることが好ましい。
なお、基材10を、電極用パッドの両長手方向に延ばすように形成したり、一方又は両方の短手方向に延ばすように形成することも任意である。
さらに、基材10を、電極用パッドの両長手方向に延ばすように形成したり、一方又は両方の短手方向に延ばすように形成し、この延ばした部分に開口部を適宜設けることも任意である。
なお、電極用パッドには、窓部があってもよいし、なくてもよい。
当該剥離シートは、特に限定されないが、第一及び第二の導電性粘着シートから容易に剥離できる材質や表面を備えることが好ましい。当該剥離シートとしては、例えば、熱可塑性樹脂からなるシートやフィルムが好ましく、これらの中でも、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルムが好ましい。また、剥離シートは、第一及び第二の導電性粘着シートと接する面に、シリコーン等により剥離処理が施されていてもよい。
なお、電極用パッドに、把持部が設けられると、電極用パッドの使用時に、上記剥離シートを剥がしやすくできるので好ましい。
工業センサとしては、例えば、測定対象の表面抵抗値を検知するセンサ、温度センサ、加速度センサ、表面抵抗値と表面温度等の複数の情報を同時に検知するセンサ、超音波センサ、画像センサ等が挙げられる。
本実施例において使用した材料は下記の通りである。
A−1:積水化成品工業株式会社製の商品名「AG」。初期シート厚み:0.80mm。
A−2:積水化成品工業株式会社製の商品名「AG」。初期シート厚み:0.40mm。
A−3:積水化成品工業株式会社製の商品名「SR−A」。初期シート厚み:0.75mm。
A−4:共同技研化学株式会社製の商品名「メークリンゲルMGCS50」。初期シート厚み:0.50mm。
A−1〜A−3は、導電性の粘着シートであり、A−4は、非導電性の粘着シートである。なお、非導電性の粘着シートとは、粘着シートを50mm×50mmに裁断し、これを23℃、相対湿度50%RHの恒温恒湿槽内で24時間保管した測定サンプルを作製し、前記測定サンプルについて抵抗の測定を行った際に、抵抗が高く測定できない状態(絶縁状態)である粘着シートを意味する。前記抵抗の測定は、測定対象を前記測定サンプルとすること以外は上述の[抵抗の測定方法]と同様にして行われる。
B−1:シンワ株式会社製の商品名「6670−1A」。厚み:0.49mm。
B−2:ダイワボウポリテック株式会社製の商品名「TT−70」。厚み:0.67mm。
B−3:商品名「カーボンシートNH−3」。厚み:0.05mm。
B−4:シンワ株式会社製の商品名「9825−8F」。厚み:0.10mm。
B−5:三井化学株式会社製の商品名「シンテックスMY R004」。厚み:0.10mm。
B−6:井上ニット株式会社製の商品名「トリコットハーフ」。厚み:0.20mm。
B−7:クラレトレーディング株式会社製の商品名「FM070」。厚み:0.18mm。
上述した[吸水倍率の測定方法]に従って、各基材の吸水倍率を測定した。結果を表1に示す。また、各基材について、上述した[抵抗の測定方法]に従って、浸漬前基材及び浸漬後基材の抵抗を測定した。抵抗を測定できなかった場合(絶縁状態)を「○」、測定できた場合を「×」とした。結果を表1に示す。
上述した[透湿度の測定方法]に従って、各粘着シートと各基材とを表1に示す組合せで重ねた積層体を作製し、その透湿度を測定した。結果を表1に示す。
各粘着シート及び基材を、表1に示すように組み合わせて、図1に示す形態の電極用パッドを製造した。
各例の電極用パッドを用いた際、電極用パッドの抵抗の変動が抑制され安定した測定ができるか(測定安定性)、ムレ・かぶれを抑制できるか(ムレ・かぶれの抑制性)を、以下のように評価した。
それぞれの評価結果を表1に示す。
各例の電極用パッドを、図4に示すようにして市販の生体センサの電極に貼着し、該電極用パッドの生体センサの電極が貼着されていない面を、被験者の胸部に貼着した。この状態で心電測定を1時間行った。測定開始から30分経過時に、生体センサの上面を指で2分間押さえつけて電極用パッドに外力をかけ電極の短絡の有無を確認した。さらに測定開始から40分経過時に、発汗を想定して、20mLの水を霧吹きで電極用パッドが中心となるように噴霧し、その際の電極の短絡の有無を確認した。そして、下記判断基準により測定安定性を評価し、「○」を合格とした。
(測定安定性の判断基準)
○:電極用パッドの抵抗の変動が抑制され、被験者からの電気信号を正確に電極に伝えられ安定した測定が行えた。
×:電極用パッドの抵抗の変動が大きく、被験者からの電気信号を正確に電極に伝えられず安定した測定ができなかった。または、電極用パッドに接続された電極を短絡させた。
各例の電極用パッドを、エタノールで脱脂した胸部の皮膚に1日当たり12時間連続して貼着する操作を、3日間連続して行った。貼着前の皮膚の状態、3日間連続して貼着した後の皮膚の状態、及び貼着中に感じるムレの状態を観察し、下記判断基準によりムレ・かぶれの抑制性を評価した。「○」を合格とした。
(ムレ・かぶれの抑制性の判断基準)
○:3日間貼着した後の皮膚の状態が、貼着前と変わらない。
×:3日間貼着した後の皮膚にかぶれが観察される。または、3日間の貼着中にムレを感じる。
一方、本発明の吸水倍率を満たさない基材が用いられた電極用パッド(比較例1、3、5)では、測定開始から40分経過前までは安定した測定が行えたが、40分経過時に発汗を想定して水を噴霧した際に、電極用パッドに接続された電極が短絡してしまい良好な測定安定性が得られなかった。導電性の基材が用いられ、かつ、本発明の透湿度を満たさない電極用パッド(比較例2、4、6)では、電極用パッドに接続された電極を短絡させ心電測定ができず、さらに、ムレ・かぶれを抑制できなかった。非導電性の粘着シートを用い、かつ、本発明の透湿度を満たさない電極用パッド(比較例7)では、心電測定ができず、さらに、ムレ・かぶれを抑制できなかった。
以上の結果から、本発明を適用した電極用パッドによれば、短絡等を生じるおそれがなく安定した測定ができ、ムレやかぶれを生じにくいことが確認できた。また、実施例1〜7の電極用パッドは、一体的に取り扱えるため、取扱い性に優れていた。
2 第一の導電性粘着シート
4 第二の導電性粘着シート
10 基材
12 開口部
20 窓部
30、32 電極
34 光学センサ
36 画像センサ
Claims (6)
- 任意の電極と接続するための第一の導電性粘着シートと、
該第一の導電性粘着シートの面方向に離間して位置し、他の電極と接続するための第二の導電性粘着シートと、
前記第一の導電性粘着シートと前記第二の導電性粘着シートとを支持する基材と、を備え、
前記基材は、前記第一の導電性粘着シートの一部及び前記第二の導電性粘着シートの一部と重なり、
前記第一の導電性粘着シート及び前記第二の導電性粘着シートは、それぞれ少なくとも一方の面が露出しており、
前記第一の導電性粘着シート及び前記第二の導電性粘着シートは、下記測定方法で測定される厚み圧縮率が10%以下であり、かつ、厚み回復率が95%以上であり、
前記基材は、下記測定方法で測定される吸水倍率が1〜1.5倍である非導電性の基材であり、
前記第一の導電性粘着シートの一部及び前記第二の導電性粘着シートの一部と基材が重なった領域の透湿度が1000g/m2・24h以上である、電極用パッド。
厚み圧縮率の測定方法: 20mm×20mmの導電性粘着シートを測定サンプルとし、その厚みを初期シート厚みとして測定し、前記測定サンプルに底面90mm×140mmの5kgの重りを10秒間載置した後、直ちに前記測定サンプルから重りを取り除き測定サンプルの厚みを圧縮シート厚みとして測定し、厚み圧縮率を下記(1)式から求める。
厚み圧縮率(%)=100×(初期シート厚み−圧縮シート厚み)/初期シート厚み・・・(1)
厚み回復率の測定方法: 上記厚み圧縮率の測定方法において、5kgの重りを取り除いてから5分間放置した後、直ちに測定サンプルの厚みを回復シート厚みとして測定し、厚み回復率を下記(2)式から求める。
厚み回復率(%)=100×回復シート厚み/初期シート厚み・・・(2)
吸水倍率の測定方法: 50mm×50mmの基材を測定サンプルとし、その質量を浸漬前基材質量として測定し、この測定サンプルを20℃の水に浸漬し、浸漬してから24時間後の質量を浸漬後基材質量として測定し、吸水倍率を下記(3)式から求める。
吸水倍率(倍)=浸漬後基材質量/浸漬前基材質量・・・(3) - 前記第一の導電性粘着シート及び前記第二の導電性粘着シートは、それぞれ両面が露出している請求項1に記載の電極用パッド。
- 前記第一の導電性粘着シート及び前記第二の導電性粘着シートの双方もしくは一方は、アクリルアミド系ハイドロゲルである、請求項1又は2に記載の電極用パッド。
- 前記基材は、織布又は不織布である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の電極用パッド。
- 生体センサに用いられる請求項1〜4のいずれか一項に記載の電極用パッド。
- 工業センサに用いられる請求項1〜4のいずれか一項に記載の電極用パッド。
Applications Claiming Priority (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014233169 | 2014-11-17 | ||
JP2014233169 | 2014-11-17 | ||
JP2015074416 | 2015-03-31 | ||
JP2015074416 | 2015-03-31 | ||
PCT/JP2015/077727 WO2016080082A1 (ja) | 2014-11-17 | 2015-09-30 | 電極用パッド |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP5909310B1 true JP5909310B1 (ja) | 2016-04-26 |
JPWO2016080082A1 JPWO2016080082A1 (ja) | 2017-04-27 |
Family
ID=55793204
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016503480A Active JP5909310B1 (ja) | 2014-11-17 | 2015-09-30 | 電極用パッド |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5909310B1 (ja) |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH04246371A (ja) * | 1991-01-31 | 1992-09-02 | Nitto Denko Corp | 生体電極用パッド |
JP2011045816A (ja) * | 2009-08-26 | 2011-03-10 | Asahi Kasei Fibers Corp | 水処理不織布フィルターおよびその製造方法 |
US8263720B1 (en) * | 2011-10-05 | 2012-09-11 | Rochal Industries, Llp | Sacrificial adhesive coatings |
WO2014039525A1 (en) * | 2012-09-04 | 2014-03-13 | Lkc Technologies, Inc. | Electrode arrays |
-
2015
- 2015-09-30 JP JP2016503480A patent/JP5909310B1/ja active Active
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH04246371A (ja) * | 1991-01-31 | 1992-09-02 | Nitto Denko Corp | 生体電極用パッド |
JP2011045816A (ja) * | 2009-08-26 | 2011-03-10 | Asahi Kasei Fibers Corp | 水処理不織布フィルターおよびその製造方法 |
US8263720B1 (en) * | 2011-10-05 | 2012-09-11 | Rochal Industries, Llp | Sacrificial adhesive coatings |
WO2014039525A1 (en) * | 2012-09-04 | 2014-03-13 | Lkc Technologies, Inc. | Electrode arrays |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPWO2016080082A1 (ja) | 2017-04-27 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
WO2016080082A1 (ja) | 電極用パッド | |
US5143071A (en) | Non-stringy adhesive hydrophilic gels | |
US4989607A (en) | Highly conductive non-stringy adhesive hydrophilic gels and medical electrode assemblies manufactured therefrom | |
US4777954A (en) | Conductive adhesive medical electrode assemblies | |
EP3123974B1 (en) | Water-rich adherent gel, composition for manufacturing water-rich adherent gel, and electrode pad | |
US4706680A (en) | Conductive adhesive medical electrode assemblies | |
US8897853B2 (en) | Quick-release self-contained medical electrode | |
EP1019105B1 (en) | Polar, lipophilic pressure-sensitive adhesive compositions and medical devices using same | |
WO1997034947A1 (en) | Conductive adhesives prepared from zwitterionic materials | |
JP2015521085A (ja) | 長期着用される多機能の生体用電極 | |
WO2012021368A2 (en) | Medical electrodes | |
JP2015521085A5 (ja) | ||
JP5815019B2 (ja) | ハイドロゲル積層電極及びその製造方法 | |
JP4460253B2 (ja) | 親水性高分子ゲル粘着材 | |
Wong et al. | Smart skin‐adhesive patches: from design to biomedical applications | |
US11375952B2 (en) | Adhesive hydrogel and medical electrode using the same | |
JP2006290858A (ja) | 皮膚用粘着剤組成物、生体電極用粘着剤組成物、経皮吸収用粘着剤組成物、皮膚用テープ、生体電極及び経皮吸収製剤 | |
JP5909310B1 (ja) | 電極用パッド | |
JP5860323B2 (ja) | 電気刺激用生体電極 | |
JP7161963B2 (ja) | 生体センサ用積層体および生体センサ | |
CN110337268B (zh) | 生物体用电极片 | |
JP2018051155A (ja) | 導電性積層ハイドロゲルシート | |
JP2021052868A (ja) | 電極パッド | |
WO2023234332A1 (ja) | 生体センサ | |
JP2024066428A (ja) | 粘着性ハイドロゲル及び粘着性ハイドロゲル製造用組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20160127 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20160126 |
|
A871 | Explanation of circumstances concerning accelerated examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871 Effective date: 20160126 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A975 | Report on accelerated examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005 Effective date: 20160226 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20160308 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20160325 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5909310 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |