JP5909100B2 - ラウドネスレンジ制御システム、伝送装置、受信装置、伝送用プログラム、および受信用プログラム - Google Patents

ラウドネスレンジ制御システム、伝送装置、受信装置、伝送用プログラム、および受信用プログラム Download PDF

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Description

この発明は、ラウドネスレンジ制御システム、伝送装置、受信装置、伝送用プログラム、および受信用プログラムに関し、特に、個々の視聴環境に応じてオーディオ信号のラウドネスレンジを調整するラウドネスレンジ制御システム、伝送装置、受信装置、伝送用プログラム、および受信用プログラムに関する。
放送局などが伝送するオーディオ信号は、周囲雑音が少なくかつ大音量まで再生可能な制作スタジオと同様の環境で再生する場合において、自然で高い臨場感が得られるように広いラウドネスレンジ幅で制作されている。ここで、ラウドネスとは、音の物理的な強さではなく人が聞いたときの音の大きさであり、ラウドネスレンジとは、オーディオ信号の時間ブロックごとにラウドネスを計測したとき、小さいラウドネス値から大きいラウドネス値までのオーディオ信号全体にわたる幅を示すものである(非特許文献1、2)。
伝送されたオーディオ信号を視聴する視聴環境は様々で、周囲雑音の大きさや再生可能な最大音量などは異なっている(非特許文献3、4)。例えば、広いラウドネスレンジをもつオーディオ信号を、周囲雑音が大きな環境で聞くとラウドネスレンジが小さな音は聞えなくなる。また、大音量での再生が困難な環境で再生音量を下げて聞くと、伝えたいスピーチ音などが聞き取りづらくなり、また小さな音は全く聞えなくなるなど、オーディオの試聴に問題が発生する。
周囲雑音が大きな環境や大音量での再生が困難な環境においても、小さい音から大きい音まで聞くことができるように、従来は音の物理的な強さによってオーディオ信号のレベルを調整する手法が考案されていた。しかし、音の物理的な強さは人が聞いた時の音の大きさであるラウドネスとは異なるため、必ずしも意図した音の大きさの範囲とはならない場合があった。特に、放送局がオーディオ信号を伝送する場合、視聴者側個々の視聴環境は様々であり、ラウドネスに基づいて、オーディオ信号のラウドネスレンジを個々の視聴環境に応じて調整し、視聴時の音質を改善する技術は開発されていなかった。
したがって、かかる点に鑑みてなされた本発明の目的は、オーディオ信号のラウドネスレンジを周囲雑音の大きさや再生可能な最大音量などが異なる個々の視聴環境に応じて調整し、視聴時の音質を改善可能なラウドネスレンジ制御システム、伝送装置、受信装置、伝送用プログラム、および受信用プログラムを提供することである。
上述した諸課題を解決すべく、本発明に係るラウドネスレンジ制御システムは、スピーチ信号及び効果音信号の少なくとも一方を含むオーディオ信号を伝送する伝送装置と、前記オーディオ信号を受信して再生する受信装置とを含み、視聴環境に応じて前記オーディオ信号のラウドネスレンジを調整するラウドネスレンジ制御システムであって、前記伝送装置は、前記オーディオ信号のラウドネス値を計測するオーディオ信号ラウドネス計測部と、前記スピーチ信号及び前記効果音信号のラウドネスに基づき、前記オーディオ信号に対するラウドネスレンジ制御の要否を示す制御識別情報を生成するラウドネスレンジ制御判定部と、前記オーディオ信号と、前記ラウドネス値と、前記制御識別情報とを多重化して前記受信装置に送信するメタデータ多重部と、を備え、前記受信装置は、前記オーディオ信号を増幅するアンプと、前記視聴環境に応じたラウドネスレンジの調整関数を設定する視聴環境設定部と、前記制御識別情報を参照しラウドネスレンジ制御が必要な場合、前記ラウドネス値と、前記調整関数とに基づき、前記オーディオ信号に対するラウドネス調整量を算出し、当該ラウドネス調整量に応じたゲイン調整値を前記アンプに与える、ことを特徴とする。
また、前記ラウドネスレンジ制御判定部は、前記スピーチ信号のラウドネスが第1閾値より大きい場合、前記ラウドネスレンジ制御を不要と判定する、ことが望ましい。
また、前記ラウドネスレンジ制御判定部は、前記スピーチ信号のラウドネスに対する前記効果音信号のラウドネスの比が第2閾値より大きい場合、前記ラウドネスレンジ制御を必要と判定する、ことが望ましい。
また、本発明に係る伝送装置は、スピーチ信号及び効果音信号の少なくとも一方を含むオーディオ信号を伝送する伝送装置であって、前記オーディオ信号のラウドネス値を計測するオーディオ信号ラウドネス計測部と、前記スピーチ信号及び前記効果音信号のラウドネスに基づき、前記オーディオ信号に対するラウドネスレンジ制御の要否を示す制御識別情報を生成するラウドネスレンジ制御判定部と、前記オーディオ信号と、前記ラウドネス値と、前記制御識別情報とを多重化して送信するメタデータ多重部と、を備えることを特徴とする。
また、本発明に係る受信装置は、伝送装置よりスピーチ信号及び効果音信号の少なくとも一方を含むオーディオ信号と、前記オーディオ信号のラウドネス値と、前記オーディオ信号に対するラウドネスレンジ制御の要否を示す制御識別情報とを受信し、前記オーディオ信号を再生する受信装置であって、前記オーディオ信号を増幅するアンプと、視聴環境に応じたラウドネスレンジの調整関数を設定する視聴環境設定部と、前記制御識別情報を参照しラウドネスレンジ制御が必要な場合、前記ラウドネス値と、前記調整関数とに基づき、前記オーディオ信号に対するラウドネス調整量を算出し、当該ラウドネス調整量に応じたゲイン調整値を前記アンプに与える、ことを特徴とする。
なお、本発明の解決手段をシステム及び装置として説明してきたが、本発明は各装置のプロセッサに同等の処理(ステップ)を実行させるプログラムとしても実現し得るものであり、本発明の範囲にはこれらも包含されるものと理解されたい。
例えば、本発明に係る伝送用プログラムは、スピーチ信号及び効果音信号の少なくとも一方を含むオーディオ信号を伝送する伝送装置に、前記オーディオ信号のラウドネス値を計測するステップと、前記スピーチ信号及び前記効果音信号のラウドネスに基づき、前記オーディオ信号に対するラウドネスレンジ制御の要否を示す制御識別情報を生成するステップと、前記オーディオ信号と、前記ラウドネス値と、前記制御識別情報とを多重化して送信するステップと、を実行させる。
また、本発明に係る受信用プログラムは、伝送装置よりスピーチ信号及び効果音信号の少なくとも一方を含むオーディオ信号と、前記オーディオ信号のラウドネス値と、前記オーディオ信号に対するラウドネスレンジ制御の要否を示す制御識別情報とを受信し、前記オーディオ信号を再生する受信装置に、前記オーディオ信号を増幅するステップと、視聴環境に応じたラウドネスレンジの調整関数を設定するステップと、前記制御識別情報を参照しラウドネスレンジ制御が必要な場合、前記ラウドネス値と、前記調整関数とに基づき、前記オーディオ信号に対するラウドネス調整量を算出し、当該ラウドネス調整量に応じたゲイン調整値をアンプに与えるステップと、を実行させる。
本発明に係るラウドネスレンジ制御システム、伝送装置、受信装置、伝送用プログラム、および受信用プログラムによれば、オーディオ信号のラウドネスレンジを周囲雑音の大きさや再生可能な最大音量などが異なる個々の視聴環境に応じて調整し、視聴時の音質を改善することができる。
本発明の一実施形態に係るラウドネスレンジ制御システムの構成を示す図である。 本発明の一実施形態に係る伝送装置の構成を示す図である。 オーディオ信号の各オーディオブロックを規定する時間窓の例を示す図である。 ラウドネスレンジ制御判定部の動作フローチャートである。 本発明の一実施形態に係る受信装置の構成を示す図である。 ラウドネスレンジの調整関数の例を示す図である。 ラウドネス調整量算出の一例を示す図である。
以降、諸図面を参照しながら、本発明の実施態様を詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るラウドネスレンジ制御システムの構成を示す図である。本実施形態に係るラウドネスレンジ制御システムは、伝送装置10及び受信装置20から構成されるものである。伝送装置10は、例えばオーディオ信号を伝送する放送局の放送用設備であり、受信装置20は、例えばテレビ、携帯電話、タブレット端末などオーディオ信号を受信して視聴するための機器である。本実施形態に係る伝送装置10は、オーディオ信号にラウドネスレンジ制御に関するメタデータ(以下、「ラウドネスレンジ制御メタデータ」と言う。詳細は後述。)を付加し、受信装置20に送信する。受信装置20は、ラウドネスレンジ制御メタデータが付加されたオーディオ信号を受信すると、ラウドネスレンジ制御メタデータに基づき、視聴環境(周囲雑音や最大再生可能レベル)に合わせてオーディオ信号のラウドネスレンジを調整する。
ここで、本実施形態におけるラウドネスレンジ制御システムにおいて伝送されるオーディオ信号は、以下の前提を持つものである。
(1)オーディオ信号は、周囲雑音が少なくかつ大音量まで再生可能な制作スタジオと同様の環境で再生する場合において、自然で高い臨場感が得られるように広いラウドネスレンジ幅で制作されている。
(2)オーディオ信号に含まれる成分のうちスピーチ信号など最も伝えたい音は、周囲雑音が大きな環境でも聞きやすいラウドネスレベル範囲内で、かつオーディオ信号全体を通してほぼ一定のラウドネスレベル範囲内で、制作されている。一方、楽音や効果音などは自然で臨場感の高いコンテンツとするため、小さなレベルから大きなレベルまで広いラウドネスレンジをもつ。
(3)オーディオ信号にはスピーチ信号と効果音信号とが個別に収録されており、番組制作者の意図および訓練された音響調整者の操作するミキシング情報に基づいて制作される。
図2は、本発明の一実施形態に係る伝送装置10の構成を示す図である。伝送装置10は、スピーチ信号ラウドネス計測部11と、効果音信号ラウドネス計測部12と、オーディオ信号ラウドネス計測部13と、オーディオ信号符号化部14と、ラウドネス比算出部15と、ラウドネスレンジ制御判定部16と、メタデータ多重部17とを備える。
オーディオ信号符号化部14は、スピーチ信号及び効果音信号の少なくとも一方を含むオーディオ信号をオーディオブロック毎に符号化し、符号化したオーディオ信号(オーディオ符号化信号)をメタデータ多重部17に出力する。図3は、オーディオ信号の各オーディオブロックを規定する時間窓の一例を示す図である。図示の通り、各オーディオブロックは、隣接するオーディオブロック間でオーバーラップ部分があるように規定される。
スピーチ信号ラウドネス計測部11は、オーディオ信号に含まれるスピーチ信号のラウドネスをオーディオブロック毎に計測し、計測したスピーチ信号のラウドネスをラウドネス比算出部15及びラウドネスレンジ制御判定部16に出力する。なお、ラウドネス計測の詳細について本稿では詳述を行わないが、必要であれば例えば非特許文献1、2を参照されたい。
効果音信号ラウドネス計測部12は、オーディオ信号に含まれる効果音信号のラウドネスをオーディオブロック毎に計測し、計測した効果音信号のラウドネスをラウドネス比算出部15に出力する。
オーディオ信号ラウドネス計測部13は、オーディオ信号全体のラウドネスをオーディオブロック毎に計測し、計測したオーディオ信号のラウドネスをメタデータ多重部17に出力する。なお、以降の記載においては、オーディオ信号ラウドネス計測部13が計測するオーディオ信号全体のラウドネスのことを「ラウドネス値」と称する。
ラウドネス比算出部15は、スピーチ信号のラウドネスに対する効果音信号のラウドネスの比を算出し、算出した比をラウドネスレンジ制御判定部16に出力する。なお、以降の記載においては、ラウドネス比算出部15が算出するスピーチ信号のラウドネスに対する効果音信号のラウドネスの比のことを「ラウドネス比」と称する。すなわち、ラウドネス比が小さいと、スピーチ信号のラウドネスに対して効果音信号のラウドネスが小さいことを意味し、ラウドネス比が大きいと、スピーチ信号のラウドネスに対して効果音信号のラウドネスが大きいことを意味する。
ラウドネスレンジ制御判定部16は、スピーチ信号及び効果音信号のラウドネスに基づき、オーディオ信号に対するラウドネスレンジ制御の要否(ON/OFF)を判定し、判定結果をメタデータ多重部17に出力する。より具体的には、ラウドネスレンジ制御判定部16は、スピーチ信号のラウドネスと、ラウドネス比とに基づき、ラウドネスレンジ制御の要否を判定する。なお、以降の記載においては、ラウドネスレンジ制御判定部16によるラウドネスレンジ制御の要否に関して生成する判定結果を「制御識別情報」と称する。
図4は、ラウドネスレンジ制御判定部16の動作フローチャートである。ラウドネスレンジ制御判定部16は、スピーチ信号ラウドネス計測部11からスピーチ信号ラウドネスを取得し(ステップS1)、ラウドネス比算出部15からラウドネス比を取得する(ステップS2)。ラウドネスレンジ制御判定部16は、スピーチ信号のラウドネスが所定の閾値Th1(第1閾値)より大きい場合(ステップS3のYes)、ラウドネスレンジ制御をOFF(不要)に設定する(ステップS6)。これは、スピーチ信号は周囲雑音が大きな環境でも聞きやすいラウドネスレベル範囲内に予め設定されているためである。一方、ラウドネスレンジ制御判定部16は、スピーチ信号のラウドネスが所定の閾値Th1以下である場合(ステップS3のNo)、ラウドネス比と所定の閾値Th2(第2閾値)の比較を行う(ステップS4)。ラウドネスレンジ制御判定部16は、ラウドネス比が所定の閾値Th2より大きい場合(ステップS4のYes)、ラウドネスレンジ制御をON(必要)に設定する(ステップS5)。これは、スピーチ信号のラウドネスに対して効果音信号のラウドネスが大きい場合、効果音信号は幅広いラウドネスレンジを持つため、特に、ラウドネスレンジを調整する効果が高くなるためである。ラウドネスレンジ制御判定部16は、ラウドネス比が所定の閾値Th2以下である場合、ラウドネスレンジ制御をOFF(不要)に設定する(ステップS6)。これは、スピーチ信号のラウドネスに対する効果音信号のラウドネスが小さい場合、効果音信号のラウドネスレンジを調整する効果が低く、さらに、ラウドネスレンジの調整によりスピーチ信号が聞き取りづらくなる場合があるためである。
メタデータ多重部17は、符号化されたオーディオ信号に、ラウドネスレンジ制御メタデータであるラウドネス値と制御識別情報とをオーディオブロック毎に同期して多重化し、図示しないアンテナ等により、受信装置20へ多重化されたオーディオ信号及びラウドネスレンジ制御メタデータを送信する。
図5は、本発明の一実施形態に係る受信装置20の構成を示す図である。受信装置20は、メタデータ分離部21と、ラウドネス調整量算出部22と、調整関数記憶部24を含む視聴環境設定部23と、オーディオ信号復号部25と、アンプ26と、遅延部27と、加算部28とを備える。
メタデータ分離部21は、図示しないアンテナ等により伝送装置10から受信した信号を、符号化されたオーディオ信号及びラウドネスレンジ制御メタデータ(ラウドネス値、制御識別情報)に分離し、ラウドネスレンジ制御メタデータ(ラウドネス値、制御識別情報)をラウドネス調整量算出部22に出力し、符号化されたオーディオ信号をオーディオ信号復号部25に出力する。
視聴環境設定部23は、様々な視聴環境(周囲雑音や最大再生可能レベル)に応じたラウドネスレンジの調整関数を記憶する調整関数記憶部24を備えており、視聴環境に応じた調整関数をラウドネス調整量算出部22に出力する。視聴環境設定部23は、例えばノイズセンサ等で周囲の雑音を測定したり、受信装置20のユーザなどから最大再生可能レベルの入力を受けたりすることにより視聴環境を判定することができる。
図6は、ラウドネスレンジの調整関数の一例を示す図である。図6(a)〜(c)に示す調整関数は入力されるラウドネス(横軸)と出力されるラウドネス(縦軸)との関係を示すものである。一般に、周囲雑音が大きな環境になるほど、また大音量での再生が困難な環境になるほど、調整関数は、入力されたオーディオ信号を、狭いラウドネスレンジの幅をもつオーディオ信号に変換する。これにより周囲雑音が大きな環境や大音量での再生が困難な環境においても、オーディオコンテンツに含まれるすべての音を聞くことが可能となり、試聴環境に適した臨場感の音が実現され、受聴時の音質が改善される。
図6(a)は比較的視聴環境が良い場合の調整関数の一例を示すものである。図示の通り、入力ラウドネスの区間により調整関数の勾配は異なるが、基本的に入力ラウドネスは一定の割合(勾配)で出力ラウドネスに変換されるため、当該調整関数では、元となるオーディオ信号のラウドネスレンジを比較的維持することができる。
図6(b)は図6(a)よりも雑音が多く、最大音量が低い場合の調整関数の一例を示すものである。図示の通り、−54以下の入力ラウドネスは、一律−36の出力ラウドネスに変換され、また、12以上の入力ラウドネスは、一律6の出力ラウドネスに変換されるため、当該調整関数では、ラウドネスレンジは狭くなるが、周囲の雑音が多い環境でもオーディオ信号が聞き取りやすくなり、かつ、最大音量を下げて視聴することができる。
図6(c)は図6(b)よりもさらに雑音が多く、最大音量が低い場合の調整関数の一例を示すものである。図示の通り、−36以下の入力ラウドネスは、一律−27の出力ラウドネスに変換され、また、0以上の入力ラウドネスは、一律0の出力ラウドネスに変換されるため、当該調整関数では、ラウドネスレンジはさらに狭くなるが、周囲の環境がさらに悪い場合でもオーディ信号が聞き取りやすくない、かつ、最大音量をさらに下げて視聴することができる。
ラウドネス調整量算出部22は、制御識別情報を参照し、ラウドネスレンジ制御がONである場合、視聴環境設定部23からの調整関数に基づき、オーディオ信号に対するラウドネス調整量を算出し、当該ラウドネス調整量に対応するゲイン調整値をアンプ26に出力する。一方、ラウドネス調整量算出部22は、制御識別情報を参照し、ラウドネスレンジ制御がOFFである場合、ラウドネスレンジの調整は行わず、アンプ26へのゲイン調整値の出力は行わない。
図7は、ラウドネス調整量算出の一例を示す図である。図7(a)の実線はラウドネスレンジの調整関数(図6(b)に対応)を示し、点線はラウドネスレンジの調整を行わない状態を示すものである。図7(b)は、図7(a)の調整関数と調整を行わない場合との差分をプロットしたグラフである。ラウドネス調整量算出部22は、当該グラフにより、オーディオ信号の各オーディオブロックに対するラウドネス調整量を算出することができる。例えば、ラウドネス調整量算出部22は、オーディオ信号のラウドネス値が−54である場合、ラウドネス調整量として18を算出することができる。ラウドネス調整量算出部22は、ラウドネスレンジ制御がONである場合、当該ラウドネス調整量に対応するゲイン調整値をアンプ26に出力する。
オーディオ信号復号部25は、符号化されたオーディオ信号を復号し、増幅のためアンプ26に出力する。
アンプ26は、復号されたオーディオ信号を所定のゲインにより増幅し、増幅したオーディオ信号を遅延部27及び加算部28に出力する。また、アンプ26は、ラウドネス調整量算出部22よりゲイン調整値を受けた場合、当該ゲイン調整値により調整したゲインによりオーディオ信号を増幅する。このため、アンプ26は、ラウドネスレンジ制御がOFFの場合は、元のオーディオ信号のラウドネスに応じた音の強さを出力し、ラウドネスレンジ制御がONの場合は、ゲイン調整値により、視聴環境に適した音の強さを出力することになる。
遅延部27は、加算部28において後続のオーディオブロックとオーバーラップする部分を適切に合成するため、後続のオーディオブロックとのオーバーラップ部分の信号に対して、オーバーラップ時間に対応する一定の遅延を加えた後、加算部28に出力する。
加算部28は、アンプ26からのオーディオ信号と、遅延部27からのオーディオ信号について、隣接するオーディオブロック間のオーバーラップ部分を適切に合成し、図示しないスピーカなどの報知装置を通じて、視聴者にオーディオ信号を音として再生する。
このように、本実施形態によれば、伝送装置10は、オーディオ信号と、ラウドネス値と、制御識別情報とを多重化して受信装置20に送信し、受信装置20は、制御識別情報を参照しラウドネスレンジ制御が必要な場合、ラウドネス値と、視聴環境に応じた調整関数とに基づき、オーディオ信号に対するラウドネス調整量を算出し、当該ラウドネス調整量に応じたゲイン調整を行う。これにより、オーディオ信号のラウドネスレンジを周囲雑音の大きさや再生可能な最大音量などが異なる個々の視聴環境に応じて調整し、視聴時の音質を改善することができる。即ち、周囲雑音が大きな環境や大音量での再生が困難な環境においても、オーディオコンテンツに含まれる全ての音を聞くことが可能となり、視聴環境に適した臨場感の音が実現され、受聴時の音質が改善される。
また、伝送装置10のラウドネスレンジ制御判定部16、スピーチ信号のラウドネスが第1閾値より大きい場合、ラウドネスレンジ制御を不要と判定する。これにより、予め周囲雑音が大きな環境でも聞きやすいラウドネスレベル範囲内に設定されているスピーチ信号をそのまま再生することが可能になる。
また、伝送装置10のラウドネスレンジ制御判定部16は、スピーチ信号のラウドネスに対する効果音信号のラウドネスの比(ラウドネス比)が第2閾値より大きい場合、ラウドネスレンジ制御を必要と判定する。これにより、効果音信号は幅広いラウドネスレンジを持つため、特に、ラウドネスレンジを調整する効果が高くなり、受聴時の音質を改善することができる。
本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各機能部、各ステップなどに含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の機能部やステップなどを1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
例えば、オーディオ信号の周波数帯域を聴覚の臨界帯域幅を持つ複数の周波数帯域に分割し、上記実施形態におけるラウドネスレンジ制御を周波数帯域毎に分けて行うことができる。例えば、オーディオ信号をスピーチ信号の周波数帯と、効果音信号の周波数帯とに分割し、各周波数帯域に個別にラウドネスレンジ制御を行うことが可能である。この場合、スピーチ信号の周波数帯域では、ラウドネスレンジ制御をOFFにし、スピーチ信号を元のラウドネスのまま出力し、効果音信号の周波数帯器では、ラウドネスレンジ制御をONにし、ラウドネスレンジを調整して出力することができる。
また、上記実施形態は、単一チャネルのオーディオ信号を例に記載しているが、2チャンネル音響信号や5.1チャンネルサラウンド音響信号などの多数のチャンネル数を持つ音響信号に拡張可能であることは言うまでもない。
本発明によれば、オーディオ信号のラウドネスレンジを周囲雑音の大きさや再生可能な最大音量などが異なる個々の視聴環境に応じて調整し、視聴時の音質を改善することができる。
10 伝送装置
11 スピーチ信号ラウドネス計測部
12 効果音信号ラウドネス計測部
13 オーディオ信号ラウドネス計測部
14 オーディオ信号符号化部
15 ラウドネス比算出部
16 ラウドネスレンジ制御判定部16
17 メタデータ多重部
20 受信装置
21 メタデータ分離部
22 ラウドネス調整量算出部
23 視聴環境設定部
24 調整関数記憶部
25 オーディオ信号復号部
26 アンプ
27 遅延部
28 加算部

Claims (7)

  1. スピーチ信号及び効果音信号の少なくとも一方を含むオーディオ信号を伝送する伝送装置と、前記オーディオ信号を受信して再生する受信装置とを含み、視聴環境に応じて前記オーディオ信号のラウドネスレンジを調整するラウドネスレンジ制御システムであって、
    前記伝送装置は、
    前記オーディオ信号のラウドネス値を計測するオーディオ信号ラウドネス計測部と、
    前記スピーチ信号及び前記効果音信号のラウドネスに基づき、前記オーディオ信号に対するラウドネスレンジ制御の要否を示す制御識別情報を生成するラウドネスレンジ制御判定部と、
    前記オーディオ信号と、前記ラウドネス値と、前記制御識別情報とを多重化して前記受信装置に送信するメタデータ多重部と、を備え、
    前記受信装置は、
    前記オーディオ信号を増幅するアンプと、
    前記視聴環境に応じたラウドネスレンジの調整関数を設定する視聴環境設定部と、
    前記制御識別情報を参照しラウドネスレンジ制御が必要な場合、前記ラウドネス値と、前記調整関数とに基づき、前記オーディオ信号に対するラウドネス調整量を算出し、当該ラウドネス調整量に応じたゲイン調整値を前記アンプに与える、ことを特徴とするラウドネスレンジ制御システム。
  2. 前記ラウドネスレンジ制御判定部は、前記スピーチ信号のラウドネスが第1閾値より大きい場合、前記ラウドネスレンジ制御を不要と判定する、ことを特徴とする請求項1に記載のラウドネスレンジ制御システム。
  3. 前記ラウドネスレンジ制御判定部は、前記スピーチ信号のラウドネスに対する前記効果音信号のラウドネスの比が第2閾値より大きい場合、前記ラウドネスレンジ制御を必要と判定する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のラウドネスレンジ制御システム。
  4. スピーチ信号及び効果音信号の少なくとも一方を含むオーディオ信号を伝送する伝送装置であって、
    前記オーディオ信号のラウドネス値を計測するオーディオ信号ラウドネス計測部と、
    前記スピーチ信号及び前記効果音信号のラウドネスに基づき、前記オーディオ信号に対するラウドネスレンジ制御の要否を示す制御識別情報を生成するラウドネスレンジ制御判定部と、
    前記オーディオ信号と、前記ラウドネス値と、前記制御識別情報とを多重化して送信するメタデータ多重部と、を備えることを特徴とする伝送装置。
  5. 伝送装置よりスピーチ信号及び効果音信号の少なくとも一方を含むオーディオ信号と、
    前記オーディオ信号のラウドネス値と、前記オーディオ信号に対するラウドネスレンジ制御の要否を示す制御識別情報とを受信し、前記オーディオ信号を再生する受信装置であって、
    前記オーディオ信号を増幅するアンプと、
    聴環境に応じたラウドネスレンジの調整関数を設定する視聴環境設定部と、
    前記制御識別情報を参照しラウドネスレンジ制御が必要な場合、前記ラウドネス値と、
    前記調整関数とに基づき、前記オーディオ信号に対するラウドネス調整量を算出し、当該ラウドネス調整量に応じたゲイン調整値を前記アンプに与える、ことを特徴とする受信装置。
  6. スピーチ信号及び効果音信号の少なくとも一方を含むオーディオ信号を伝送する伝送装置に、
    前記オーディオ信号のラウドネス値を計測するステップと、
    前記スピーチ信号及び前記効果音信号のラウドネスに基づき、前記オーディオ信号に対するラウドネスレンジ制御の要否を示す制御識別情報を生成するステップと、
    前記オーディオ信号と、前記ラウドネス値と、前記制御識別情報とを多重化して送信するステップと、を実行させるための伝送用プログラム。
  7. 伝送装置よりスピーチ信号及び効果音信号の少なくとも一方を含むオーディオ信号と、
    前記オーディオ信号のラウドネス値と、前記オーディオ信号に対するラウドネスレンジ制御の要否を示す制御識別情報とを受信し、前記オーディオ信号を再生する受信装置に、
    前記オーディオ信号を増幅するステップと、
    聴環境に応じたラウドネスレンジの調整関数を設定するステップと、
    前記制御識別情報を参照しラウドネスレンジ制御が必要な場合、前記ラウドネス値と、
    前記調整関数とに基づき、前記オーディオ信号に対するラウドネス調整量を算出し、当該ラウドネス調整量に応じたゲイン調整値をアンプに与えるステップと、を実行させるための受信用プログラム。
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