JP5908787B2 - プレテンション型プレストレストコンクリート部材 - Google Patents

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本発明は主筋等、材軸方向に沿って配置された軸方向筋に予め緊張力が与えられた状態でコンクリートが打設されることによりコンクリートにプレストレスが導入されるプレテンション型プレストレストコンクリート部材に関するものである。
材軸方向に沿って配筋される主筋等の軸方向筋をコンクリートへのプレストレス導入のための緊張材として利用する場合(特許文献1参照)、コンクリートとの付着力による緊張力の伝達効果を確保する上で、軸方向筋には異形鉄筋(ねじ鉄筋を含む)が使用されることが多い(特許文献2参照)。
コンクリートは鉄筋(軸方向筋)に予め緊張力が与えられた状態で鉄筋の周りに打設され、コンクリートの硬化後に鉄筋の緊張力が解放されることによりコンクリートにプレテンション式にプレストレスが導入されるが、緊張力が解放されたときの鉄筋は伸長状態から収縮しようとすることで、断面を増大させよう(膨張しよう)とするため、鉄筋周囲のコンクリートに放射方向の力を作用させる。
この放射方向の力はコンクリートには鉄筋の断面周りの円周方向の引張力として作用し、コンクリートにひび割れを発生させようとするため、コンクリートにひび割れに対する補強を施すことが必要になる。この鉄筋周りの円周方向の引張力に対しては、鉄筋の周りにスパイラル筋等の補強筋を配筋することでコンクリートを補強することができると考えられる(特許文献2参照)。
また鉄筋の端部側の一部区間をコンクリートに付着させないことにより、端面でのコンクリートの損傷を防ぐことができる。
特開平3−093929号公報(請求項1、公報第3頁下左欄第3行〜同頁下右欄第20行、第1図、第2図) 特開2007−120002号公報(請求項1、段落0008〜0013、図2)
一方、伸長状態にある鉄筋が緊張力の解放により収縮しようとするときには、鉄筋に生じている緊張力(引張力)が付着力によってコンクリートに軸方向の圧縮力として導入される。
特許文献2において鉄筋の周りに配筋されるスパイラル筋は主に鉄筋の断面周りの円周方向の引張力に対する抵抗要素としての役割を果たす目的から、鉄筋のコンクリートに付着しない区間を含むコンクリート部材の端面からひび割れが想定される区間に跨って配置されている。但し、鉄筋がコンクリートに付着しない区間では鉄筋は収縮時にコンクリートに対して滑ることができるから、鉄筋の断面増大(膨張)によるコンクリートへの影響は付着区間程、現れないため、実質的にはスパイラル筋が円周方向の引張力に対する抵抗要素としての役割を果たす意味は鉄筋の付着なしの区間においてはない。
本発明は上記背景より、主筋等の軸方向筋をプレストレス導入のための緊張材として利用する場合に、緊張力の解放時に放射方向の力と共にコンクリートに発生し得る軸方向の引張力に対しても補強可能な構造を持つプレテンション型プレストレストコンクリート部材を提案するものである。
請求項1に記載の発明のプレテンション型プレストレストコンクリート部材は、材軸方向に沿って配置された軸方向筋に予め緊張力が与えられた状態でコンクリートが打設され、そのコンクリートにプレストレスが導入されるコンクリート部材において、
前記軸方向筋の、前記コンクリート部材の端面寄りの一部区間が前記コンクリートに付着せず、少なくとも前記コンクリートとの付着が切れた区間より前記コンクリート部材の軸方向中間部寄りの区間に、前記軸方向筋周りの前記コンクリートを放射方向に補強する補強材が配置されると共に、
少なくとも前記コンクリートとの付着が切れた区間より前記コンクリート部材の軸方向中間部寄りの区間に、前記緊張力が与えられた状態にある軸方向筋からの付着力を前記コンクリートに軸方向に分散させて伝達する軸方向材が前記軸方向筋の周囲に添うように、または前記軸方向筋を包囲するように配置され、
この軸方向材は前記軸方向筋と前記軸方向材との間に存在する前記コンクリートとの間に生じる付着力を通じて前記軸方向筋から伝達される前記緊張力を前記軸方向筋の軸方向に分散させて前記コンクリートに圧縮力として作用させることを構成要件とする。
軸方向筋には主に異形鉄筋(ねじ鉄筋、異形PC鋼棒を含む)が使用されるが、コンクリートとの間に付着力が発生すればよいため、必ずしも異形鉄筋である必要はなく、表面に何らかの凹凸面が形成されていればよい。「材軸方向に沿って配置」とは、主筋のようにコンクリート部材の材軸に平行に配筋されることと、PC鋼材のようにコンクリート部材の引張側に沿って波形に配筋されることを含み、コンクリート部材の全体的に、あるいは全長に亘り、材軸方向に平行に、もしくは平行に近い状態で配置されていればよい趣旨である
「軸方向筋の、コンクリート部材の端面寄りの一部区間がコンクリートに付着せず」とは、軸方向筋のコンクリートとの付着が切れ(コンクリートから分離し)、付着力による軸方向筋からの軸方向力がコンクリートに伝達されない状態にあることを言う。軸方向筋のコンクリートとの付着を切ることは、例えば軸方向筋にグリースを塗るか、スリーブを被せる等により得られるが、方法は問われない。
軸方向筋の、コンクリート部材端部側の一部区間からコンクリートに軸方向力が伝達されないことで、軸方向筋への緊張力の解放時にはコンクリートとの付着が切れた区間はコンクリートに対して軸方向に相対移動可能な、滑りを生じ得る状態にある。このため、コンクリートに周囲から拘束されている場合のように、軸方向筋の端部寄り区間(付着なしの区間)の断面が緊張力解放時に増大(膨張)し得るが、付着なしの区間では付着を切る手段によりこの断面増大(膨張)分を吸収するだけのクリアランスが存在しているため、周囲のコンクリートへの放射方向の力の作用と、その力に伴う円周方向の引張力の作用がなくなり、端面のコンクリートのひび割れが抑制される。
コンクリートとの付着が切れた区間よりコンクリート部材の軸方向中間部寄りの区間には、軸方向筋周りのコンクリートを放射方向に補強する、図1等に示すようなU字形の補強筋、せん断補強筋等の補強材が配置される。補強材の配置により軸方向筋の端部寄り区間(付着なしの区間)よりコンクリート部材の軸方向中間部寄りの区間において、コンクリートは軸方向筋の膨張に伴う放射方向の力(円周方向の引張力)によるひび割れを発生させようとする力に対して補強される。「少なくとも付着が切れた区間より」とは、付着が切れた区間を含む箇所からコンクリート部材の中間部側に補強材が配置されることであり、付着が切れた区間に補強材が配置されることもある意味である。
補強材は軸方向筋の周囲の少なくとも一部を周方向に包囲する、例えば軸方向筋を軸方向に見たときにリング状、U字形等の形状をし、軸方向筋の周囲の少なくとも一部を周方向に包囲することで、放射方向の力に起因する円周方向の引張力を負担し、コンクリートのひび割れを抑制する。補強材は軸方向筋の周囲の少なくとも一部を包囲する形状をしていれば、円周方向の引張力を負担可能であるため、図2に示すように複数本の主筋を包囲するせん断補強筋の一部が補強材として使用されることもある。補強材は複数本のU字形の補強筋のように軸方向筋の軸方向に断続的に配置される場合と、図3〜図5等に示すように単体で軸方向筋の軸方向に連続する形態をする場合がある。
また少なくともコンクリートとの付着が切れた区間よりコンクリート部材の軸方向中間部寄りの区間に、軸方向材が軸方向筋に添って配置されていることで、軸方向材が緊張状態からの解放時に軸方向筋に付与されている緊張力(引張力)を軸方向に分散させて均等に、コンクリートに圧縮力として作用させようとするため、コンクリートに導入されるプレストレスが軸方向に不均衡になることが抑制される。「少なくとも」とは、補強材の配置区間と同様、付着が切れた区間を含む箇所からコンクリート部材の中間部側に軸方向材が配置されることであり、付着が切れた区間に配置されることも、付着が切れた区間を含め、コンクリート部材の全長に配置されることもある意味である。
軸方向材は軸方向筋に添って配置されることで、コンクリートとの間の付着力を経て軸方向筋から伝達される緊張力を軸方向に分散させてコンクリートに圧縮力として与える作用を果たすと共に、軸方向筋周りのコンクリート中に軸方向の圧縮力の差による引張力が発生した場合の引張力に対する抵抗要素として機能する。「軸方向筋に添って」とは、軸方向筋に重なる場合と、軸方向筋と軸方向材との間に存在するコンクリートを介して付着力の伝達が可能な程度のクリアランスが軸方向筋と軸方向材との間に形成されている場合を含む。
軸方向材は軸方向筋に添って平行に配置される添え筋のように、必ずしも軸方向材の全体が軸方向筋の軸方向を向いている必要はない。軸方向材のいずれかの部分(要素)が軸方向筋の軸方向に交差した方向を向いていても、軸方向筋の軸方向を向く引張力の成分を負担することは可能であるから、軸方向筋の軸方向の引張力に対する抵抗要素として機能できる。
軸方向材のいずれかの部分(要素)が軸方向筋の軸方向に交差した方向を向いている場合には、その部分(要素)は軸方向筋の軸方向の成分とそれに直交する方向の成分に分解可能であるから、軸方向筋の軸方向の力の成分に加え、軸方向筋の軸方向に直交する方向の力の成分を負担することができる。よって軸方向材は軸方向筋の軸方向の力と併せ、コンクリートに円周方向に作用する引張力に対する抵抗要素としても機能することが可能である。
例えば軸方向材が図3、図4に示すような筒状のメッシュ筋、あるいはメッシュ状に編み込まれた繊維から構成され、軸方向筋の軸方向と周方向の二方向に交差した抵抗要素を持つ場合には、抵抗要素は軸方向の力の成分と周方向の力の成分を負担できるため、軸方向筋の軸方向力を負担する本来の機能に加え、軸方向筋の周囲に放射方向に作用する力(円周方向の引張力)を負担する補強材の機能を兼ねることが可能になる。すなわち、図3、図4に示す例の筒状の軸方向材は図1、図2における補強材と軸方向材を兼ねた形状をしていることになる。軸方向材が筒状のメッシュである理由は、軸方向筋のコンクリートとの付着を切る区間以外の区間では軸方向筋をコンクリートに付着させる必要があり、そのために軸方向材の表面から軸方向筋の表面にまでコンクリートを到達させる必要があることによる。
軸方向材は軸方向筋の周囲に添うように、または軸方向筋を包囲するように配置されることで、前記のように軸方向筋の付着力を軸方向の全長の区間に亘って分散させながら、コンクリートに伝達する。同時に、コンクリートに発生する可能性のある軸方向の引張力をコンクリートに代わって負担し、コンクリートを軸方向に分離させようとする引張力によるひび割れを抑制する働きをする。
請求項2に記載の発明のプレテンション型プレストレストコンクリート部材は、材軸方向に沿って配置された軸方向筋に予め緊張力が与えられた状態でコンクリートが打設され、そのコンクリートにプレストレスが導入されるコンクリート部材において、
前記コンクリート部材の端面寄りの一部区間の、前記軸方向筋を包囲する部分が前記端面から切り欠かれ、少なくともその切欠き部分から前記コンクリート部材の軸方向中間部寄りの区間に、前記軸方向筋周りの前記コンクリートを放射方向に補強する、前記軸方向筋の軸方向に連続する形状の補強材が配置され、この補強材の前記切欠き側の端部が前記切欠きの外周側の前記コンクリート中に定着されていることを構成要件とする。
「切欠き」はコンクリート部材を軸方向に見たときに、軸方向筋の全周を包囲するように形成され、軸方向筋の軸方向には後述する「補強材によるコンクリートの補強効果」を「軸方向筋の収縮によるコンクリートへの影響」が阻害しない程度の範囲内で、切欠きの長さが任意に設定される。
請求項2ではコンクリート部材の端面寄りの一部区間の、軸方向筋を包囲する部分が端面から切り欠かれることで、軸方向筋の、コンクリート部材の端面寄りの一部区間がコンクリートから露出した状態になるため、軸方向筋は請求項1における「コンクリート部材の端面寄りの一部区間がコンクリートに付着しない」状況と類似の状況になる。但し、コンクリートが切り欠かれた区間では軸方向筋からの軸方向力が完全にコンクリートに伝達されない状態になる点で、「付着なし」と相違する。
「軸方向筋の軸方向に連続する形状(の補強材)」とは、補強材自体が軸方向の両端間に連続することであるが、補強材の切欠き側の端部は切欠きの外周側のコンクリート中に定着されるため、少なくとも切欠き側の端部においては、軸方向筋の軸方向に直交する断面上、切欠きを包囲する形状をし、基本的にはスパイラル状の形状をする場合と筒状の形状をする場合がある。
コンクリートの切欠き区間においては、軸方向筋の、コンクリート部材端部側の一部区間からコンクリートに軸方向力が伝達されないことで、軸方向筋への緊張力の解放時にはコンクリートとの付着が切れた区間はコンクリートに対して軸方向に相対移動可能な状態になる。軸方向筋の端部区間はコンクリートに包囲(拘束)されないため、軸方向筋は緊張力の解放時には自由に収縮できるが、収縮に伴ってコンクリートに影響(引張力と圧縮力)を与えることもない。従って切欠きが形成された、軸方向筋の端部区間ではコンクリートには円周方向の引張力が発生することがないため、コンクリートのひび割れは防止される。
コンクリートの切欠き区間に、軸方向筋の軸方向の収縮に伴ってコンクリートに円周方向の引張力によるひび割れを生じさせることがないことで、補強材はコンクリートの切欠き区間よりコンクリート部材の軸方向中間部寄りの区間において、少なくとも軸方向筋の収縮による断面増大(膨張)に伴う円周方向の引張力を負担し、コンクリートをひび割れに対して補強する機能を果たせばよい。「少なくとも円周方向の引張力」とは、円周方向の引張力に加え、軸方向の引張力を負担することもある意味である。
請求項2では少なくともコンクリートの切欠き部分から、請求項1と同じく、コンクリート部材の軸方向中間部寄りの区間に補強材が配置されることで、請求項1と同様に軸方向筋の端部寄り区間よりコンクリート部材の軸方向中間部寄りの区間において、コンクリートが軸方向筋の膨張に伴う放射方向の力(円周方向の引張力)によるひび割れを発生させようとする力に対して補強される。
補強材は軸方向筋を周方向に包囲することで、放射方向の力に起因する円周方向の引張力を負担し、コンクリートのひび割れを抑制する働きをする。「少なくとも切欠き部分から」とは、請求項1の補強材と同じく、コンクリートの切欠き区間を含む箇所からコンクリート部材の中間部側に補強材が配置されることであり、コンクリート部材の端面から配置されることもある。
補強材の切欠き側の端部は切欠きの外周側のコンクリート中に定着されていることで、軸方向筋周りのコンクリートに切欠きが形成されながらも、補強材の切欠き側の端部を含め、補強材の全長がコンクリートに対して滑りを生ずることがない。切欠き側の端部がコンクリートに定着されることで、補強材は全長に亘ってコンクリート中に定着されることになる。「切欠きの外周側」とは、コンクリート部材を軸方向に見たときの軸方向筋の周りの部分を指す。
補強材7は図5、図6に示すように補強材7の外径、高さ、幅等、軸方向筋2の軸方向に直交する方向の断面上の大きさが切欠き6の内周面間距離より大きいことで、切欠き6の外周側のコンクリート3中に定着される状態になる。図5、図6は切欠き6がコンクリート部材1の端面側から中間部側へ向かって次第に断面が縮小する円錐台形状等に形成された場合を示しているが、切欠き6が円形断面である場合にもその切欠き6の内周面間距離より例えば補強材7の外径が大きければ、補強材7はコンクリート3に定着された状態になる。
切欠き6には図6に示すように軸方向筋2の収縮後、または収縮前にモルタル、接着剤等の充填材8が充填されることもある。収縮前に充填される充填材8には、収縮後の軸方向筋2の断面増大による引張力に対する抵抗要素としての補強繊維を混入させることもある。その場合、切欠き6を円錐台形状に形成することと併せ、軸方向筋2の収縮時に充填材8を、軸方向筋2の軸方向の収縮を阻止するための楔として機能させることも可能である。
補強材(の全長)がコンクリート中に定着されることで、補強材は軸方向に連続した形状をすることと併せ、全長に亘り、コンクリートに作用する円周方向の引張力に対しても、鉄筋の軸方向に作用し得る、圧縮力の差による引張力に対しても有効に抵抗することが可能であり、請求項1における補強材と軸方向材の双方の機能を併せ持つことになる。
補強材がコンクリートに作用する円周方向の引張力に対する抵抗要素としての機能に加え、軸方向の圧縮力の差による引張力に対する抵抗要素としての機能を発揮することが可能であることで、請求項2では必ずしも請求項1における軸方向材を軸方向筋に添って配置する必要がない。
但し、コンクリートに作用する軸方向の引張力に対する安全性を高めるために、少なくともコンクリート部材の切欠き部分よりコンクリート部材の軸方向中間部寄りの区間に、緊張力が与えられた状態にある軸方向筋からの付着力をコンクリートに軸方向に分散させて伝達する軸方向材を軸方向筋に添って配置することもある(請求項3)。軸方向材は軸方向筋と軸方向材との間に存在するコンクリートとの間に生じる付着力を通じて軸方向筋から伝達される緊張力を軸方向筋の軸方向に分散させてコンクリートに圧縮力として作用させる。
切欠き部分よりコンクリート部材の軸方向中間部寄りの区間に軸方向材が軸方向筋に添って配置されていることで、請求項1と同じく、軸方向筋の緊張状態からの解放時に軸方向筋に付与されている緊張力(引張力)が軸方向に分散してコンクリートに圧縮力として均等に作用しようとする。
軸方向材が軸方向筋に添って配置されることの効果は請求項1の場合と同じであり、軸方向材は軸方向筋の緊張力を軸方向に分散させてコンクリートに圧縮力を与える共に、コンクリート中に発生した場合の引張力に対する抵抗要素として機能する。請求項3の場合も「少なくとも切欠き部分より」とは、補強材の配置区間と同様、切欠き区間を含む箇所からコンクリート部材の中間部側に軸方向材が配置されることであり、切欠き区間に配置されることも、切欠き区間を含め、コンクリート部材の全長に配置されることもある意味である。
コンクリートの切欠き6部分には、図7、図8に示すように軸方向筋2をコンクリート3の端部に定着させるための定着部材9が配置されることもある。定着部材9は例えば軸方向筋2が挿通可能な挿通孔を持ち、軸方向筋2の断面より大きい断面を持つことで、軸方向筋2が挿通した状態で周囲の部分においてコンクリート3中に定着(埋設)される。
定着部材の断面が軸方向筋の断面より大きいことで、定着部材に軸方向筋が挿通し、接続された状態でコンクリート中に定着されたとき、軸方向筋に与えられている軸方向力(引張力)は軸方向筋周面における付着力に加え、定着部材のコンクリート部材の軸方向中間部側の端面からの支圧力によって、または支圧力と周面における付着力によってコンクリートに圧縮力として伝達される。
軸方向筋の軸方向力が定着部材の端面と周面からもコンクリートに伝達されることで、軸方向筋単独の付着力のみによってコンクリートに軸方向力が伝達される場合より、コンクリートに伝達される軸方向筋の付着力が低減されるため、軸方向筋の周面からコンクリートに伝達される圧縮力の差が生じにくくなる。この結果、圧縮力の差による引張力の発生が生じにくくなるため、コンクリート中に発生し得る引張力に対する補強を軽減することが可能になる。
請求項1では軸方向筋の、コンクリート部材の端面寄りの一部区間をコンクリートに付着させず、コンクリートとの付着が切れた区間よりコンクリート部材の軸方向中間部寄りの区間に補強材を配置するため、補強材の配置区間において軸方向筋の緊張力解放時の断面増大(膨張)によるコンクリートへの円周方向の引張力に抵抗することができる。
また少なくともコンクリートとの付着が切れた区間よりコンクリート部材の軸方向中間部寄りの区間に、軸方向材を軸方向筋に添って配置するため、軸方向筋の緊張状態からの解放時に軸方向筋に付与されている緊張力(引張力)が軸方向に分散させて均等にコンクリートに圧縮力として作用させることができる。
請求項2ではコンクリート部材の端面寄りの一部区間の、軸方向筋を包囲する部分を端面から切り欠き、軸方向筋の、コンクリート部材の端面寄りの一部区間をコンクリートから露出した状態にするため、コンクリートの切欠き区間では軸方向筋からの軸方向力がコンクリートに完全に伝達されない状態にすることができる。この結果、切欠き区間では軸方向筋の端部区間ではコンクリートに円周方向の引張力を発生させることがないため、コンクリートのひび割れを完全に防止することができる。
また補強材の切欠き側の端部を切欠きの外周側のコンクリート中に定着させていることで、補強材が軸方向に連続した形状をすることと併せ、全長に亘り、コンクリートに作用する円周方向の引張力に対しても、軸方向の引張力に対しても補強材に抵抗させることができる。
(a)は軸方向筋の、コンクリート部材の端面寄りの一部区間をコンクリートに付着させず、軸方向筋の周囲にU字形の補強材を配置し、軸方向筋に添って棒状の軸方向材を配置した場合の例を示したコンクリート部材の幅方向に見た断面図、(b)は(a)の軸方向筋部分の端面図である。 図1の変形例として補強材にせん断補強筋を使用した場合の例を示した断面図である。 図1における軸方向材を兼ねる円筒形状の補強材を軸方向筋の周りに配置した場合の例を示した断面図である。 図1における軸方向材を兼ねる円錐台形状の補強材を軸方向筋の周りに配置した場合の例を示した断面図である。 コンクリート部材の端面寄りの一部区間を切り欠き、軸方向筋の周囲に筒状の、コンクリートに定着される補強材を配置した場合の例を示した断面図である。 コンクリート部材の端面寄りの一部区間を切り欠き、軸方向筋の周囲に筒状の補強材を配置し、切欠きに充填材を充填した場合の例を示した断面図である。 切欠きに軸方向筋をコンクリートに定着させるためのナット状の定着部材を配置した場合の例を示した断面図である。 切欠きに軸方向筋をコンクリートに定着させるためのスリーブ状の定着部材を配置した場合の他の例を示した断面図である。
以下、図面を用いて本発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1〜図8は材軸方向に沿って配置された軸方向筋2に予め緊張力が与えられた状態で、軸方向筋2を含む区間にコンクリート3が打設され、緊張力の解放によりコンクリート3にプレストレスが導入されるプレテンション型プレストレストコンクリート部材(以下、コンクリート部材)1の製作例を示す。図1以下の図面ではコンクリート部材1が梁部材(桁部材)のような水平材(横架材)である場合の例を示しているため、軸方向筋2は下端筋(下端主筋)であるが、必ずしも下端筋である必要はない。
図1〜図4はコンクリート部材1の軸方向端部寄りの一部区間において、軸方向筋2をコンクリート3に付着させず、コンクリート3を補強材4と軸方向材5とで補強したコンクリート部材1の具体例である。図5〜図8はコンクリート部材1の軸方向端部寄りの一部区間において、軸方向筋2周りのコンクリート3を切り欠き、コンクリート3を軸方向に連続する形状の補強材7で補強したコンクリート部材1の具体例である。図1〜図4では軸方向筋2のコンクリート3との付着を切った(付着なしの)区間をハッチングで示してある。
軸方向筋2はコンクリート部材1の軸方向に直交する断面内において、コンクリート部材1が鉛直荷重(長期荷重)を受けている使用状態で引張力を受ける側に1本、もしくは幅方向に並列して複数本配置される。軸方向材5は緊張力が与えられた状態にある軸方向筋2からの付着力をコンクリート3に軸方向の圧縮力として軸方向に分散させて伝達する働きをする。例えば補強材4が図3、図4に示すように筒状等の形状をし、軸方向筋2の軸方向に分解できる要素を持つ場合には、補強材4が軸方向材5を兼ねることもある。
図1〜図4では軸方向筋2の、コンクリート部材1の端面寄りの一部区間がコンクリート3に付着せず、少なくともコンクリート3との付着が切れた区間よりコンクリート部材1の軸方向中間部寄りの区間に、軸方向筋2周りのコンクリート3を放射方向に補強する補強材4が配置される。
軸方向筋2のコンクリート3との付着が切れる一部区間は軸方向筋2の表面にグリース等を塗布することにより、またはコンクリート3に付着等により定着させた筒状のスリーブ内を軸方向に相対移動自在に挿通させることにより、コンクリート3との付着が切れ、コンクリート3に対して軸方向に相対移動可能な状態になる。軸方向材5は少なくともコンクリート3との付着が切れた区間よりコンクリート部材1の軸方向中間部寄りの区間に軸方向筋2に添って配置される。
図1はコンクリート部材1の軸方向端部寄りの一部区間のコンクリート3との付着を切り、そのコンクリート3との付着を切った区間を含め、コンクリート部材1の軸方向中間部寄りの区間に、補強材4としてのU字形状の複数本の補強筋を、軸方向筋2の軸方向に間隔を置いて配置すると共に、中間部寄りの区間に軸方向材5としての添え筋を軸方向筋2に重ねて配置した場合の例を示している。図1では補強材4として、コンクリート部材1の下端側が閉じた形のU字形状の補強筋を配置していることから、軸方向筋2の上側に、軸方向材5を幅方向に並列させて配置しているが、軸方向筋2の幅方向両側に配置することも下側に配置することもある。
補強材4は図1、図2に示す補強筋のように軸方向筋2の軸方向に分離している形態の他、図3、図4に示すように軸方向筋2の軸方向に連続した形態の場合があり、連続した形態にはスパイラル状も含まれる。
図2は予め緊張力が与えられる軸方向筋2を含むコンクリート部材1内の全軸方向筋2を包囲し、軸方向筋2を拘束するせん断補強筋41を補強材4として利用した場合の例を示している。全軸方向筋2とはコンクリート部材1中に配筋される軸方向筋2としての下端主筋と上端主筋を指す。
軸方向筋2が緊張力を与えられた状態から、緊張力を解放された状態に移行し、収縮したときの補強材4の収縮量は軸方向筋2の端部寄りで大きく、軸方向中心寄りで小さいことから、軸方向筋2の収縮に伴う断面増大(膨張)による周辺のコンクリート3への円周方向の引張力の影響は軸方向筋2の端部寄りの区間で生じ易いため、図1、図2ではコンクリート3中のコンクリート部材1の端部寄りの区間に補強材4を密に配置している。
図1、図2の例における軸方向筋2は端部区間のコンクリート3との付着が切れた区間ではコンクリート3に対して軸方向に滑りを生じ得る状態にあるが、軸方向材5自体はコンクリート3中に位置することで、コンクリート3に定着された状態にあるため、軸方向の引張力を負担できる状態にある。
図3、図4は図1、図2における補強材4を筒状の、メッシュ状(網目状)の部材に置き換えた場合の例を示している。メッシュ状の筒状部材はメッシュの構成要素(線要素)が軸方向筋2の軸方向に対して傾斜した方向を向くことで、軸方向筋2の軸方向の引張力と軸方向に直交する円周方向の引張力に対する抵抗力を保有するため、円周方向の引張力に対する抵抗要素としての補強材4と、軸方向の引張力に対する抵抗要素としての軸方向材5の機能を併せ持ち、軸方向材5としての役目も果たす。
図3、図4では筒状の補強材4が軸方向筋2の、付着なしの区間を含む区間を包囲した状態で、コンクリート3が打設されることから、補強材4が、軸方向筋2のコンクリート3との付着を切る区間以外の区間にコンクリート3が軸方向筋2の表面に付着することを阻害することがないよう、補強材4はメッシュ状に形成される。
補強材4は筒状でありながら、メッシュ状であることで、軸方向筋2の配筋状態で打設されるコンクリート3を補強材4の内部に入り込ませ、軸方向筋2の、付着なしの区間以外の表面に付着させる。メッシュ状の補強材4は鉄筋から製作される他、鋼製等の補強繊維(強化繊維)、強化繊維プラスチック等で製作される。図3は補強材4を円筒状に形成した場合、図4は円錐台形状に形成した場合を示している。
図5〜図8はコンクリート部材1の端面から軸方向中間部側へ向かった一部区間に、軸方向筋2を取り囲む内法(内径)の切欠き6を形成し、切欠き6の外周側のコンクリート3中に軸方向筋の軸方向に連続する形状の、例えば筒状の補強材7を配置した場合の例を示す。図5〜図8に示す補強材7は軸方向筋2の軸方向に連続する形状をする点で、図1、図2における補強材4と区別される。
切欠き6は、切欠き6の形成位置にその形状の型枠を配置しておき、コンクリート3の硬化後に離脱させられることによりコンクリート部材3の完成と同時に形成される。切欠き6は軸方向筋2の端部区間をコンクリート3に付着させない点で、図1〜図4における「付着なし」の状態と同じ意味を持つが、切欠き6区間にある軸方向筋2の収縮時にコンクリート3に一切の引張力を与えることがない点で、「付着なし」とは異なる。
図5、図6では切欠き6をコンクリート部材1の端面側から軸に直交する断面積が減少する円錐台形状に形成しているが、切欠き6は図7、図8に示すように円柱形状等に形成されることもあり、切欠き6の形状は問われない。只、切欠き6を円錐台形状に形成することには、後述のように軸方向筋2の緊張力の解放時に、切欠き6に充填される充填材8に軸方向筋2の軸方向の収縮を阻止するように作用させる意味がある。
筒状の補強材7の内周面間距離(内径)は切欠き6の内法より大きく、補強材7は切欠き6側へ露出することなく、全長に亘ってコンクリート3中に埋設され、定着される。補強材7は全長に亘ってコンクリート3中に定着されることで、軸方向筋2の回りのコンクリート3に作用する円周方向の引張力と軸方向の引張力に抵抗可能になる。筒状の補強材7としては前記した筒状の補強材4と同様、メッシュ状の部材の他、スパイラル筋等が使用される。
図5〜図8の例においては、補強材7が軸方向に連続した形状をすることで、図3、図4の例における補強材4と同じく、コンクリート3中に作用する軸方向の引張力に対する抵抗力も併せ持つため、軸方向筋2に添って軸方向材5が配置されていることに等しい。すなわち、軸方向に連続した補強材7は図1、図2の例における補強材4と軸方向材5の機能を兼ねることになる。但し、補助的に補強材7の他に軸方向材5をコンクリート3中に埋設することもある。
図6は図5の切欠き6内に、軸方向筋2の緊張力の解放前にモルタル、接着剤等の充填材8を充填した様子を示している。モルタルには引張力に対する抵抗要素になる短繊維が混入された繊維補強モルタルが使用されることもある。この場合、軸方向筋2の緊張力は充填材8の硬化後(強度発現後)に解放される。緊張力の解放に伴い、充填材8が円錐台形状の切欠き6内で圧縮されるが、コンクリート部材1の端面から中間部側へかけて切欠き6の断面積が減少していることで、充填材8は切欠き6の外周側を放射方向に押圧し、軸方向筋2を切欠き6内で挟持し、拘束するように働くため、軸方向筋2端部の軸方向の収縮を抑制し、軸方向筋2の緊張力を持続させるように作用する。
図7、図8は円柱状に形成された(形成されるべき)切欠き6部分に軸方向筋2をコンクリート3に定着、あるいは保持させるための定着部材9を配置し、定着部材9に軸方向筋2を接続(連結)しながら、定着部材9をコンクリート3中に定着させるか、軸方向筋2の軸方向に係止させることにより、緊張力を導入された状態にある軸方向筋2端部の収縮を抑制しようとする場合の例を示している。定着部材9がコンクリート3に定着された状態、もしくは係止した状態を維持しようとすることで、軸方向筋2の緊張力がコンクリート3にプレストレスとして損失なく導入されることになる。
定着部材9が図8に示すようにコンクリート3中に完全に定着される場合、定着部材9はコンクリート3との付着力と、軸方向筋2が軸方向に収縮しようとするときにその収縮の向きに、切欠き6の奥側の端面であるコンクリート3の端面に係止することによる支圧力とによってコンクリート3に定着された状態を維持しようとする。図7に示す定着部材9のようにコンクリート3との付着がない場合には、定着部材9はコンクリート3の端面への係止(支圧力)のみによってコンクリート3に対する軸方向の位置を維持しようとする。
図8に示すように定着部材9がコンクリート3中に予め埋設される場合には、周囲の部分においてコンクリート3中に埋設されることで、コンクリート3には付着力と軸方向中間部側を向いた端面での支圧力によって軸方向筋2の緊張力に対して抵抗するため、コンクリート3に定着された状態を維持する能力が高く、図6での切欠き6に充填される充填材8より軸方向筋2を緊張力解放時の位置に留めようとする効果が高い。図7に示すように定着部材9全体がコンクリート3の硬化後に切欠き6内に挿入され、軸方向筋2の端部に螺合してコンクリート部材1中に配置される場合には、定着部材9は切欠き6奥側のコンクリート3の端面に係止することにより軸方向筋2の緊張力に抵抗しながら、切欠き6に留まろうとする。
定着部材9は軸方向筋2が挿通するための挿通孔を持ち、軸方向筋2にはねじ(螺合)により、もしくは軸方向筋2が挿通した状態で挿通孔内にモルタル等の充填材が充填されることにより軸方向筋2に一体化する。
図7、図8に示す定着部材9はいずれも、端部区間にねじが切られた軸方向筋2に螺合することにより軸方向筋2に一体化する場合の例を示している。図7は定着部材9が軸方向長さの小さいナット状の場合、図8は軸方向長さの大きいスリーブ状の場合である。
図7に示す定着部材9は前記のようにコンクリート3の硬化後に、予めねじが切られた軸方向筋2の端部に螺合しながら、切欠き6内に挿入され、切欠き6の奥の端面に係止することにより軸方向筋2の緊張力に抵抗可能で、切欠き6内に停止した状態になる。この定着部材9は更に軸回りに回転させられることにより軸方向筋2への緊張力の再導入を可能にする。
図8に示すスリーブ状の定着部材9は全体が予め軸方向筋2と共に、コンクリート3中に埋設されている場合もあるが、カプラーのように軸方向に軸部とその両側に配置されるナット部とに分割されているような場合には、コンクリート部材1の端面側に位置するナット部のみが図7の例での定着部材9と同じく、コンクリート3の硬化後に切欠き6内に挿入されることもある。
1……コンクリート部材、
2……軸方向筋、3……コンクリート、
4……補強材、41……せん断補強筋、5……軸方向材、
6……切欠き、7……補強材(軸方向筋の軸方向に連続する形状)、
8……充填材、9……定着部材。

Claims (3)

  1. 材軸方向に沿って配置された軸方向筋に予め緊張力が与えられた状態でコンクリートが打設され、そのコンクリートにプレストレスが導入されるコンクリート部材において、
    前記軸方向筋の、前記コンクリート部材の端面寄りの一部区間が前記コンクリートに付着せず、少なくとも前記コンクリートとの付着が切れた区間より前記コンクリート部材の軸方向中間部寄りの区間に、前記軸方向筋周りの前記コンクリートを放射方向に補強する補強材が配置されると共に、
    少なくとも前記コンクリートとの付着が切れた区間より前記コンクリート部材の軸方向中間部寄りの区間に、前記緊張力が与えられた状態にある軸方向筋からの付着力を前記コンクリートに軸方向に分散させて伝達する軸方向材が前記軸方向筋の周囲に添うように、または前記軸方向筋を包囲するように配置され、
    この軸方向材は前記軸方向筋と前記軸方向材との間に存在する前記コンクリートとの間に生じる付着力を通じて前記軸方向筋から伝達される前記緊張力を前記軸方向筋の軸方向に分散させて前記コンクリートに圧縮力として作用させることを特徴とするプレテンション型プレストレストコンクリート部材。
  2. 材軸方向に沿って配置された軸方向筋に予め緊張力が与えられた状態でコンクリートが打設され、そのコンクリートにプレストレスが導入されるコンクリート部材において、
    前記コンクリート部材の端面寄りの一部区間の、前記軸方向筋を包囲する部分が前記端面から切り欠かれ、少なくともその切欠き部分から前記コンクリート部材の軸方向中間部寄りの区間に、前記軸方向筋周りの前記コンクリートを放射方向に補強する、前記軸方向筋の軸方向に連続する形状の補強材が配置され、この補強材の前記切欠き側の端部は前記切欠きの外周側の前記コンクリート中に定着されていることを特徴とするプレテンション型プレストレストコンクリート部材。
  3. 少なくとも前記コンクリート部材の前記切欠き部分より前記コンクリート部材の軸方向中間部寄りの区間に、前記緊張力が与えられた状態にある軸方向筋からの付着力を前記コンクリートに軸方向に分散させて伝達する軸方向材が前記軸方向筋の周囲に添うように、または前記軸方向筋を包囲するように配置され、
    この軸方向材は前記軸方向筋と前記軸方向材との間に存在する前記コンクリートとの間に生じる付着力を通じて前記軸方向筋から伝達される前記緊張力を前記軸方向筋の軸方向に分散させて前記コンクリートに圧縮力として作用させることを特徴とする請求項2に記載のプレテンション型プレストレストコンクリート部材。
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