JP5908479B2 - クラジノース環のC−4”をエポキシド基で修飾した9−デオキソ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAの新規製造方法 - Google Patents

クラジノース環のC−4”をエポキシド基で修飾した9−デオキソ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAの新規製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、クラジノース環のC−4”をエポキシド基で修飾した9−デオキソ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAの新規製造方法に関する。この化合物は、例えばツラスロマイシンの合成の重要な中間体である。
本発明は、式
の化合物を製造するための新規方法に関する。
前記化合物は、アザエリスロマイシンAのクラジノース環のC−4”位に新しい官能基、典型的には第三塩基性アミノ基または他のヘテロ原子官能基を導入するために適している。
本発明の更なる目的は本発明の方法の新規中間体である。これらの新規化合物は高い収率及び純度で安定な固体として結晶形態で単離され得る。
マクロライドは公知クラスの抗生物質である。クラリスロマイシン及びアジスロマイシンは各種病原体に起因するヒト呼吸器感染を治療するためにかなり長い間使用されている。最近では、ツラスロマイシンがウシ及びブタにおける細菌性呼吸器疾患の治療及び予防のために認可されている。ツラスロマイシンは式
の15員アザリド抗生物質である。
例えばEP 0988310またはEP 1253153から公知のツラスロマイシンの製造方法は、出発物質として9−デオキソ−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA(アザエリスロマイシンA)を使用している。アミノ基9a及びヒドロキシル基C−2’をベンジルクロロホルメートで保護した後、4位のヒドロキシル基を酸化し、脱保護後、上記式(1)のエポキシドに変換する。次いで、このエポキシドを、該エポキシド基をn−プロピルアミンと反応させることによりツラスロマイシンに変換する。
公知の合成方法の主な欠点は、
(i)それ自体または通常保護剤を汚染している不純物の結果として、ヒト発癌物質であることが公知である非常に毒性のベンジルクロロホルメートを保護剤として使用している。一方、これは海洋汚染物質として分類されており、よって特に工業規模で取り扱うとき追加の安全性の問題が生ずる;
(ii)中間体及びツラスロマイシンの単離及び精製方法は、不純物及び反応中に形成される副生成物を除去するために面倒なカラムクロマトグラフィーを必要とする;
(iii)酸化ステップ後に導入された保護基を除去するために3日間の接触水素化が必要である。この水素化は、非常に低レベルまで十分に除去されなければならず、ツラスロマイシンに持ち越されてはならない毒性クラス1金属(すなわち、パラジウム)の存在下で実施される;
(iv)公知であり、文献で立証されているように、特に9a位の窒素がメチル化されていないならばアザリドは不安定であり、これにより15員アザリド骨格が分解される;
ことである。
従って、工業規模で実行可能であるツラスロマイシンを製造するための改良方法に対する要望が存在している。今回、驚くことに、アザエリスロマイシンAの代わりにエリスロマイシンA 9−(E)−オキシムから出発してツラスロマイシン及び上記式(1)のその前駆体をスムーズに規模拡大し得る合成が知見された。
欧州特許出願公開第0988310号明細書 欧州特許出願公開第1253153号明細書
本発明は、1つの態様で、上の式(1)の(2R,3S,4R,5R,8R,10R,11R,12S,13S,14R)−2−エチル−3,4,10−トリヒドロキシ−13−[[(3S,4S,6R,8R)−8−メトキシ−4,8−ジメチル−1,5−ジオキサスピロ[2.5]オクタ−6−イル]オキシ]−3,5,8,10,12,14−ヘキサメチル−11−[[3,4,6−トリデオキシ−3−(ジメチルアミノ)−α−D−キシロ−ヘキソピラノシル]オキシ]−1−オキサ−6−アザシクロペンタデカン−15−オンを製造するための新規方法に関し、方法は、
(i)エリスロマイシンA 9−(E)−オキシムのC−2’のヒドロキシル基及び場合によりC−9オキシム基を保護して、式
(式中、Rはヒドロキシル保護基であり、Rは水素またはオキシム保護基である)
の化合物を得るステップ;
(ii)式(3)の化合物を酸化剤の存在下で酸化して、式
(式中、R及びRは上に定義した通りである)
の化合物を得るステップ;
(iii)式(4)の化合物を式
(式中、R及びRは各々上に定義した通りである)
の対応するエポキシドに変換するステップ;
(iv)式(5)の化合物の保護基R及び場合によりRを除去して、式
の化合物を得るステップ;
(v)式(6)のオキシムをベックマン転位にかけて、式
の対応する6,9−イミノエーテルを得るステップ;
(vi)式(7)のイミノエーテルを還元して、式(1)のエポキシドを得るステップ;
を含む。
本発明の更なる実施形態によれば、まず前記式(1)のエポキシドを上記した方法に従って製造し、更に例えばEP 0988310またはEP 1253153からそれ自体公知の方法に従ってツラスロマイシンに変換する。
本発明の更なる実施形態は式(4)、(5)、(6)及び(7)の新規中間体に関する。
合成のステップ(i)は、2’−ヒドロキシ基及び場合により9位のオキシム基に対応するヒドロキシル基の適切な保護基を用いる選択的保護に関する。適切なヒドロキシル保護基は、例えば当業者に周知のヒドロキシル保護基と共に、T.W.Greene and P.G.M.Wuts,“Protective Groups in Organic Synthesis”,John Wiley & Sons,New York,1991に記載されているものである。好ましくは、2’(R)及び9位(R)のヒドロキシル保護基は各々C−C−アルカノイル、より好ましくはアセチルまたはプロピオニル、特にアセチルである。
従って、Rは好ましくはC−C−アルカノイル、より好ましくはアセチルまたはプロピオニル、特にアセチルである。Rは好ましくは水素(H)またはC−C−アルカノイル、より好ましくはH、アセチルまたはプロピオニル、特にHまたはアセチルである。
出発物質エリスロマイシンA 9−(E)−オキシムは市販されており、または例えばTetrahedron Letters,1970,p.157からそれ自体公知の合成方法に従って容易に製造され得る。
C−2’位のヒドロキシル基及びオキシムのヒドロキシル基を、例えば極性非プロトン性溶媒中、ほぼ室温で適切な有機酸またはその誘導体(例えば、無水酢酸または酸ハライド)を用いて処理することにより保護してもよい。好ましいアセチル基の導入は、例えば、J.Bergeら,WO2004/039822に記載されている手順に従ってエリスロマイシンA 9−(E)−オキシムを極性非プロトン性有機溶媒(例えば、ジクロロメタン)中室温で約2.5当量の無水酢酸を用いて処理することにより達成される。この反応に対する代替溶媒は、例えばケトン(例えば、アセトンまたはメチルイソブチルケトン)、エーテル(例えば、メチルtert.−ブチルエーテル)、または酢酸エステル(例えば、酢酸エチル、酢酸イソプロピルまたは酢酸イソブチル)である。好ましい実施形態によれば、C−2’位のヒドロキシル基及び9位のオキシムのヒドロキシル基の両方をアシル化、特にアセチル化により保護する、すなわちR及びRが共にアルカノイル、特にアセチルである。
式(3)の化合物を単離することなく更に処理してもよく、または適切な溶媒または溶媒の混合物から結晶化し、濾過により集め、乾燥してまたは乾燥せずに更に処理してもよい。
ステップ(ii)に従う式(3)の化合物の対応する式(4)のケトンへの酸化は、例えば一般的に使用されている酸化剤、例えば活性化ジメチルスルホキシド(DMSO)及び関連する試薬、及びT.T.Tidwell,Syntheis,1990,857−870に記載されている方法及びその改変を含めた方法を用いて実施される。DMSOを例えば無水トリフルオロ酢酸、塩化オキサリル、ポリリン酸、ピリジン−SO複合体または無水酢酸を用いることにより活性化してもよい。酸化ステップ(ii)は、デス・マーチン・ペルヨージナン、金属(クロム、マンガンまたはセレン)酸化物または塩、または他の酸化剤を用いてもなされ得る。酸化に対する典型的な反応条件は、例えばEP 1253153に記載されており、
a)モファット酸化:トリフルオロ酢酸ピリジニウムの存在下で1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド及びDMSO;
b)スワーン酸化:
(i)ジクロロメタン中塩化オキサリル及びDMSOの後に、トリエチルアミンの添加
(ii)ジクロロメタン中無水トリフルオロ酢酸及びDMSOの後に、トリエチルアミンの添加;
を含む。
本明細書中に記載されている方法の実施形態では、式(3)の化合物を無水トリフルオロ酢酸、ジメチルスルホキシド及び1つ以上の極性非プロトン性溶媒、例えばジクロロメタンまたはTHF溶媒(例えば、テトラヒドロフランまたは2−メチルテトラヒドロフラン)を含む培体中、低温(例えば、−70℃〜−60℃)で式(4)の化合物に酸化した後、温度を保持しながらアミン、例えばN,N−ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、N,N−ジエチルメチルアミン、N−エチルピペリジン、N−メチルピロリジンまたは1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタントリエチルアミン、特にトリエチルアミンを添加する。
その更なる実施形態では、生じた式(4)の化合物を適切な溶媒または溶媒の混合物から結晶化することにより単離する。必要ならば、逆溶媒を添加してもよい。式(4)の化合物の結晶化のための好ましい溶媒は極性プロトン性及び極性非プロトン性溶媒、例えばアルコール、ケトンまたはアセトニトリルである。好ましい逆溶媒は、例えば水、炭化水素及びエーテルである。本発明の好ましい実施形態は、式(4)(式中、R及びRは各々アセチルである)の化合物に関する。
本発明の方法のステップ(iii)によれば、式(4)のケトンを適切には低温で硫黄イリドを用いて処理することにより式(5)のエポキシドに変換する。好ましい硫黄イリドはジメチルスルホニウムメチリド(すなわち、(CHCH )である。
ジメチルスルホニウムメチリドのような硫黄イリドはそれ自体公知の慣用方法により製造される。例えば、化合物(R)(式中、Rは例えばメチルであり、Xは好ましくはハロ、BF、PFまたはスルホネートである)を活性化剤として作用する塩基、例えば水酸化カリウム、カリウムtert−ブトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド、カリウムエトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムメトキシドまたはカリウムヘキサメチルジシラジドを用いて処理する。
式(4)の化合物の硫黄イリドとの反応のために使用される典型的な溶媒は、エーテル(例えば、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチルテトラヒドロフラン、メチルtert−ブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等)、芳香族炭化水素(例えば、トルエン)、塩素化脂肪族炭化水素(例えば、ジクロロメタン)、DMSOまたは1つ以上の上記溶媒の混合物である。最も好ましい溶媒はTHF、またはTHFとジクロロメタンの混合物である。
反応混合物の後処理は、有利には例えば水性弱酸性溶液を用いてクエンチし、生成物を水非混和性溶媒に抽出することにより実施する。
好ましい実施形態では、臭化トリメチルスルホニウム((CHBr)をTHF中−10℃以下の温度でカリウムtert−ブトキシドと反応させることによりジメチルスルホニウムメチリドを生成させる。別の好ましい実施形態では、式(4)のケトンをジクロロメタン中に含む溶液を−60〜−80℃の温度まで冷却したTHF中のジメチルスルホニウムメチリド溶液に1滴ずつ添加して、式(5)のエポキシドを得る。
その更なる実施形態では、適切な溶媒または溶媒の混合物から結晶化することにより式(5)の化合物を単離する。必要ならば、逆溶媒を添加してもよい。式(5)の化合物の結晶化のために好ましい溶媒は極性プロトン性及び極性非プロトン性溶媒、例えばアルコール、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、n−ブタノールまたはsec−ブタノール、特にイソプロパノール;ケトン、例えばアセトン、メチルエチルケトンまたはメチルイソブチルケトン、特にアセトン;及びアセトニトリル、またはその混合物である。好ましい逆溶媒は特に水、炭化水素及びエーテルである。本発明の好ましい実施形態は、式(5)(式中、R及びRは各々C−C−アルカノイル、特にアセチルである)のエポキシド化合物に関する。本発明の更に好ましい実施形態は、エポキシド形成中オキシムに結合しているアセチル基を除去することにより得られ得る式(5)(式中、RはC−C−アルカノイル、特にアセチルであり、Rは水素である)の化合物に関する。
本発明の方法のステップ(iv)に従う2’−ヒドロキシ基及び適用可能ならば9位のオキシム基に対応するヒドロキシル基の保護基の除去は、例えばT.W.Greene and P.G.M.Wuts,“Protective Groups in Organic Synthesis”,John Wiley & Sons,New York,1991に記載されているそれ自体公知の方法により実施される。ヒドロキシル基がエステル化により保護されている場合、開裂は好ましくはアルコーリシスにより実施される。好ましくは、式(4)の化合物をアルコール、例えばC−C−アルカノール、より具体的にはメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロピルアルコール、tert−ブチルアルコール、n−ブタノール、または2つ以上のアルコールの混合物からなる群から選択されるアルコールを用いて例えば0℃〜100℃、好ましくは0〜30℃の温度で処理する。
ステップ(iv)の特に好ましい実施形態によれば、式(5)の化合物のアセチル基の除去は、上の式(6)の化合物を得るべく15〜25℃の温度でメタノールを用いて処理することにより完了する。
その更なる実施形態では、適切な溶媒または溶媒の混合物から結晶化することにより式(6)の化合物を単離する。例えば、式(6)の化合物は、反応に使用した溶媒を留去することにより及び/または該溶媒を極性プロトン性または極性非プロトン性溶媒、例えばアルコール、ケトン、アセトニトリルまたはその混合物で置換することにより単離される。必要ならば、逆溶媒を添加してもよい。好ましい逆溶媒は特に水、炭化水素及びエーテルである。
ステップ(v)に従う式(6)の化合物の対応する式(7)の6,9−イミノエーテルへの変換は例えばベックマン転位反応を用いて達成される。ベックマン転位は原則酸性、中性及び塩基性条件下で実施され得る。しかしながら、マクロライドの酸性条件に対する感受性及びオキシム官能基の塩基性条件下での起こり得る異性化のために反応条件を変更することが推奨され得る。
式(6)のエリスロマイシンA 9−オキシム誘導体のベックマン転位による環拡大を生起するための好ましい方法は、オキシム基のスルホン酸誘導体、例えばハロゲン化アルキルスルホニル、ハロゲン化アリールスルホニルまたは無水アリールスルホン酸、特にハロゲン化アリールスルホニル(例えば、特に塩化p−トルエンスルホニル)を用いる初期O−スルホニル化を含む。こうして形成された中間体オキシムスルホネートを前もって単離した後または好ましくは直接式(7)の転位生成物に変換する。この反応は、有利には適切な有機溶媒、例えば水溶性有機溶媒と水の混合物(例えば、水性アセトンまたは水性ジオキサン)、極性有機溶媒(例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、酢酸エチル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、トルエン、アセトニトリル、ピリジン)、または2つ以上の前記有機溶媒の混合物中、無機または有機塩基の存在下で実施する。最も好ましい溶媒はアセトン、またはアセトンと水の混合物である。
ベックマン転位反応を8〜10のpH及び−10℃〜10℃の温度で実施することが好ましい。
方法の特に好ましい実施形態では、0℃〜5℃の温度で、水性水酸化ナトリウムを添加することによりpHを9.0以上に保持しながら、式(6)のオキシムをアセトンと水の混合物中に含む溶液に塩化p−トルエンスルホニルを少しずつ添加する。好ましくは、式(7)のイミノエーテルを反応混合物から結晶化し、水を添加し、pHを10〜12、好ましくは10.5〜11.0に調節し、温度を例えば5℃〜30℃に維持すると、該イミノエーテルが濾過により単離され得る。
その更なる実施形態では、式(7)の化合物を適切な溶媒または溶媒の混合物から再結晶化する。極性プロトン性及び極性非プロトン性溶媒、例えばアルコール、ケトンまたはアセトニトリルが上記再結晶化を実施するための適切な溶媒である。
ステップ(v)に従って得た式(7)の大環状イミデートを適切な還元剤を用いて式(1)のエポキシドに還元する。前記還元反応を実施するために利用可能な一般的方法は2つある。
(a)第1の方法は適切な溶媒系中で複合金属水素化物を使用する。適切な水素化物還元剤には、水素化アルミニウムリチウム、水素化ジイソブチルアルミニウム、ホウ水素化ナトリウムまたはカリウム、及びシアノホウ水素化ナトリウムが含まれる。水素化アルミニウムリチウム及び水素化ジイソブチルアルミニウムは無水溶媒(例えば、ベンゼン、トルエン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン及びジメトキシエタン)を使用しなければならず、一方ホウ水素化ナトリウムまたはカリウム及びシアノホウ水素化ナトリウムはアルコール性溶媒(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノールまたはエチレングリコール)、水、または上記した2つ以上の溶媒の混合物中で使用され得る。本発明に従う好ましい複合金属水素化物はホウ水素化ナトリウムまたはホウ水素化カリウムである。好ましい溶媒はメタノール、エタノール、イソプロパノール、水、またはその混合物である。前記還元は好ましくは−10℃〜10℃の温度及び6.5〜8.5のpHで実施する。
(b)第2の方法は適切な触媒の存在下で水素を使用する。例えば、この方法は高圧での接触水素化により還元を実施することを含む。この反応は通常基質と触媒の混合物を適切な溶媒(例えば、メタノール、エタノール、水性ジオキサンまたは酢酸)中、水素の高圧雰囲気下で振とうすることにより達成される。
本発明の方法の1つの特に好ましい実施形態は、−5℃〜5℃の温度を維持しながら、式(7)の化合物を水とメタノールの混合物中でホウ水素化ナトリウムを用いて処理することにより式(1)のエポキシドに還元することを含む。反応が完了し、適切に後処理した後、式(1)のエポキシドが得られる。
本発明の更に好ましい実施形態によれば、生じた式(1)の化合物を適切な溶媒または溶媒の混合物から結晶化することにより単離する。式(1)の化合物の結晶化のために好ましい溶媒は極性プロトン性及び極性非プロトン性溶媒、例えばアルコール、ケトンまたはアセトニトリルである。必要ならば、逆溶媒を添加してもよい。好ましい逆溶媒は特に水、炭化水素及びエーテルである。
本発明の別の更なる実施形態は、本発明の方法に従って得られ得る式(1)のエポキシドをn−プロピルアミンとの反応により上の式(2)のツラスロマイシンに変換することを含む。この変換のための方法及び条件は、例えばEP 0988310またはEP 1253153に開示されている。好ましくは、式(1)のエポキシドをC−C−アルカノール溶媒(例えば、イソブタノール)中、高温(例えば、35〜75℃の温度)でn−プロピルアミンと反応させる。
以下の実施例は、本発明を決して限定することなく本発明を更に説明する。
[実施例1]
エリスロマイシンA 9−(E)−オキシム(50.0g)をジクロロメタン(500mL)に添加する。無水酢酸(16mL)を1滴ずつ添加し、混合物を室温で約3時間維持する。溶液を無水炭酸カリウムの10% 水溶液(300mL)に添加する。ジクロロメタン(150mL)を添加し、混合物を30分間撹拌し、層を分離する。有機層を炭酸カリウムの10% 水溶液(2×300mL)で洗浄し、その後固体が得られるまで減圧下で蒸発させる。60.1gの式(3)(式中、R及びRは各々アセチルである)の化合物(MS:833,API−ES)を得る。
[実施例2a]
DMSO(370mL)を実施例1に従って得た式(3)(式中、R及びRは各々アセチルである)の化合物(211g)をジクロロメタン(約1500mL)中に含む懸濁液に添加する。混合物を−70℃で冷却し、無水トリフルオロ酢酸(73.6mL)を1滴ずつ添加する。混合物を−65/−70℃で30分間保持し、トリエチルアミン(165mL)も1滴ずつ添加する。混合物を再び−65/−70℃で35分間保持し、約75分間で水(1500mL)に添加する。分離後、有機層をまず1500mLの水、次いで900mLの水で洗浄し、固体が得られるまで減圧下で蒸発させる。234.4gの式(4)(式中、R及びRは各々アセチルである)の化合物(MS:831,API−ES)を得る。
[実施例2b]
実施例1に従う式(3)(式中、R及びRは各々アセチルである)の化合物(16.5g)をジクロロメタン(200mL)に添加する。無水媒体が得られるまで混合物を蒸留する。DMSO(40mL)を添加し、混合物を−70℃で冷却する。無水トリフルオロ酢酸(6.0mL)を1滴ずつ添加し、その後混合物を−65/−70℃で約20分間保持する。トリエチルアミン(13mL)を1滴ずつ添加し、混合物を−65/−75℃で45分間保持する。反応が完了したら、ジクロロメタン(もう50mL)を添加し、最後に全混合物を水(200mL)に添加する。分離後、有機層を水(2×200mL)で洗浄し、固体が得られるまで減圧下で蒸発させる。14.9gの式(4)(式中、R及びRは各々アセチルである)の化合物を得る。
前に得た固体(0.5g)のサンプルを室温でアセトン(1.5mL)に添加する。沈殿した固体が得られるまで水(約1mL)を添加し、濾過する。0.38gの純粋な式(4)(式中、R及びRは各々アセチルである)の化合物を得る。
[実施例3a]
(a) 実施例2aまたは2bに従って得た式(4)(式中、R及びRは各々アセチルである)の化合物(25.0g)をジクロロメタン(150mL)に添加する。無水媒体が得られるまで混合物を蒸留し、その後使用するために溶液を保持する。
(b) 臭化トリメチルスルホニウム(6.8g)をTHF(100mL)に添加する。無水媒体を得るために32mLを蒸留する。その後混合物を約−20℃まで冷却し、カリウムterr−ブトキシド(8.5g)を添加する。混合物を−10/−20℃に75分間保持する。次いで、混合物を−60℃/−70℃まで冷却する。
(c) 温度を約−70℃で維持しながら、(a)に従う式(4)の化合物の溶液を(b)に従う反応混合物にゆっくり添加する。添加が完了したら、温度を約−70℃で2時間保持する。塩化アンモニウムの水溶液(12.7g及び110mLの水)を約10分間で添加し、温度が0/10℃に上昇する。ジクロロメタン(50mL)を添加し、pHを十分量のNaOH 20%で10.5に調節し、層を分離する。有機層を水(100mL)で洗浄する。この有機層に水(50mL)を添加し、沈殿が観察されるまで混合物を蒸留する。水(25mL)を添加し、混合物を約0/5℃で冷却する。沈殿した固体を濾過により集め、水(2×25mL)で洗浄する。9.8gの式(5)(式中、Rはアセチルであり、Rは水素である)のエポキシド(MS:803,API−ES)を得る。
[実施例3b]
(a) 実施例2aまたは2bに従って得た式(4)(式中、R及びRは各々アセチルである)の化合物(85.0g)をジクロロメタン(425mL)に添加する。無水媒体が得られるまで混合物を蒸留し、溶液をその後使用するために保持する。
(b) 臭化トリメチルスルホニウム(27.9g)をTHF(340mL)に添加する。無水媒体を得るために160mLを蒸留する。その後混合物を約−20℃まで冷却し、カリウムtert−ブトキシド(34.8g)を添加する。混合物を−10/−20℃で95分間保持する。次いで、混合物を−60℃/−70℃まで冷却する。
(c) 温度を約−70/−80℃で維持しながら、(a)に従って前に製造した式(4)の化合物の溶液を(b)に従う反応混合物にゆっくり添加する。添加後、温度を約−70℃で約1時間保持する。塩化アンモニウムの水溶液(40.0g及び400mLの水)をゆっくり添加し、温度が0/10℃に上昇する。ジクロロメタン(60mL)を添加し、pHを十分量のNaOH 20%で10.2に調節し、層を分離する。有機層(約470mL)を水(2×400mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥する。
前の有機層(100mL)にアセトン(60mL)を添加する。ジクロロメタンが完全に除去されるまで混合物を蒸留する。混合物を室温まで冷却し、濾過し、冷アセトンで洗浄する。9.9gの純粋な式(5)(式中、Rはアセチルであり、Rは水素である)のエポキシドを得る。
[実施例4a]
完全な溶液が得られるまでメタノール(約150mL)を式(5)(式中、Rはアセチルであり、Rは水素である)のエポキシド(2.5g)に添加する。混合物を室温で4時間放置する。次いで、混合物をまず50℃に、その後60/65℃に加熱し、反応が完了するまでこの温度で放置する。最後に、固体(2.4gの式(6)の化合物;MS:761,API−ES)が得られるまで溶媒を減圧下で蒸発させる。
[実施例4b]
完全な溶液が得られるまでメタノール(約1300mL)を式(5)(式中、Rはアセチルであり、Rは水素である)のエポキシド(34.4g)に添加する。反応が完了するまで混合物を室温で約4日間放置する。最後に、固体(33.1gの式(6)の化合物)が得られるまで溶媒を減圧下で蒸発させる。
前に得た固体(1.5g)をヘプタン(15mL)とアセトン(5mL)の混合物に添加する。混合物を65℃で加熱し、完全な溶液を得る。その後混合物を室温で非常にゆっくり冷却する。沈殿した固体を濾過し、ヘプタン(5mL)で洗浄する。0.7gの純粋な式(6)の化合物を得る。
[実施例5a]
式(6)の化合物(100.8g)をアセトン(442.0g)に添加する。水(345.2g)をゆっくり添加し、混合物を0/5℃まで冷却する。アセトン(もう10mL)を添加する。NaOH 20%の水溶液を同時に添加することによりpHを9.0〜9.5に維持しながら、p−トルエンスルホニルクロリド(33.6g)を少しずつ添加する。混合物を45分間撹拌し、放置し、約15/20℃に加温する。混合物を1時間撹拌し、その後水(980mL)をゆっくり添加する。十分量の水酸化ナトリウムを添加することにより混合物をpH11.0に調節し、90分間撹拌し、濾過し、水(2×80mL)で洗浄する。86.8gの式(7)のイミノエーテル(MS:743,API−ES)を得る。
[実施例5b]
式(6)の化合物(15.8g)をアセトン(69.6g)に添加する。水(54.0g)をゆっくり添加し、混合物を0/5℃まで冷却する。NaOH 20%の水溶液を同時に添加することによりpHを9.0〜9.5に維持しながら、p−トルエンスルホニルクロリド(5.3g)を少しずつ添加する。混合物を35分間撹拌し、放置し、約15/20℃に加温する。混合物を約2時間撹拌し、その後水(94mL)をゆっくり添加する。十分量の水酸化ナトリウムを添加することにより混合物をpH10.5/11.0に調節し、60分間撹拌し、濾過し、水(2×39mL)で洗浄する。12.0gの式(7)のイミノエーテルを得る。前に得た固体(10.0g)とアセトン(75mL)の混合物を完全に溶解するまで還流する。混合物を2時間で室温まで冷却し、その後約15℃まで冷却し、この温度で30分間撹拌する。沈殿した固体を濾過により単離し、アセトン(2×5mL)で洗浄する。5.8gの純粋な式(7)のイミノエーテルを得る。
[実施例6]
式(7)のイミノエーテル(45.0g)をメタノール(105.0g)に添加する。水(91.0g)をゆっくり添加し、溶液を−5/0℃まで冷却する。pHをHCl 18%で7.5に調節し、ホウ水素化ナトリウムの20% 水溶液(28.5g)を1滴ずつ添加する。温度を−5/5℃、pHを約7.5に保ちながら、溶液を45分間撹拌する。酢酸イソプロピル(161g)及び水(75g)を約15分間で添加し、十分量の水酸化ナトリウムを添加することによりpHを11.5に調節する。混合物を30/40℃に加熱し、層を分離する。水性層を酢酸イソプロピル(30.7g)で抽出する。合わせた有機層に水(169.6g)及び酢酸イソプロピル(19.2g)を添加し、混合物を0℃まで冷却する。十分量のHCl 18%を添加することによりpHを約2.0に調節し、条件を約30分間維持する。N−メチルグルカミン(45.0g)を2回に分けて添加し、pHを2.0に再調節し、混合物を45分間撹拌する。pHを十分量のNaOH 20%で約8.2に調節し、酢酸イソプロピル(14.7g)を添加する。混合物を35℃に加熱し、pHを再び十分量のNaOH 20%で約11.5に調節する。酢酸イソプロピル(170.0g)を添加し、層を分離する。水性層を酢酸イソプロピル(もう100mL)で抽出する。水(250.0g)を有機層にゆっくり添加し、混合物を0℃まで冷却する。十分量のHCl 18%を添加することによりpHを2.0に調節し、酢酸イソプロピル(30g)及び水(30g)を添加する。pH及び温度条件を約30分間維持する。N−メチルグルカミン(20.0g)を添加し、pHを2.0に再調節し、混合物を45分間撹拌する。その後混合物を30/40℃に加熱し、pHを約11.5に調節する。pH及び温度条件を約30分間維持し、層を分離する。水性層を酢酸イソプロピル(98.0)で抽出し、固体(45.2gの式(1)のアザリド)が得られるまで合わせた有機層を減圧下で蒸発させる。
前に得た固体をアセトン(230mL)に添加する。混合物を加熱し、完全に溶解するまで約10分間還流し、その後約50℃まで冷却する。水(400mL)を1滴ずつ添加し、混合物を15/20℃までゆっくり冷却する。沈殿した固体を濾過し、水(57mL)、アセトンと水の混合物(2:3,57mL)で洗浄する。37.2gの純粋な式(1)のアザリド(MS:747,API−ES)を得る。
[実施例7]
(a) エリスロマイシンA 9−(E)−オキシム(150.4g)をジクロロメタン(1500mL)に添加する。無水酢酸(50mL)を1滴ずつ添加し、混合物を室温で3時間維持する。ジクロロメタン(1000mL)及び炭酸ナトリウムの10% 水溶液(1000mL)を添加する。混合物を30分間撹拌し、層を分離する。有機層を炭酸ナトリウムの10% 水溶液(2×1000mL)で洗浄する。生じた式(3)(式中、R及びRは各々アセチルである)の化合物を含有する有機層を以下のステップにおいて使用するために保持する。
(b) 出発容量の25〜30%が得られるまで、上のステップ(a)に従う粗な生成物を蒸留する。DMSO(300mL)を添加し、混合物を−70℃で冷却し、無水トリフルオロ酢酸(56mL)を1滴ずつ添加する。混合物を−65/−70℃で30分間保持し、トリエチルアミン(125mL)も1滴ずつ添加する。混合物を再び−65/−70℃で30分間保持し、水(900mL)に約1時間で添加する。分離後、有機層を水(2×900mL)で洗浄し、固体(160.4gの式(4)(式中、R及びRは各々アセチルである)の化合物)が得られるまで減圧下で蒸発させる。
(c) 上のステップ(b)に従って得た式(4)(式中、R及びRは各々アセチルである)の化合物(160.4g)をジクロロメタン(700mL)に添加する。無水混合物が得られるまで混合物を蒸留し、その後使用するために保持する。臭化トリメチルスルホニウム(55.3g)をTHF(700mL)に添加する。無水媒体を得るために420mLを蒸留させる。その後混合物を−20℃で冷却し、カリウムterr−ブトキシド(60.2g)を少しずつ添加する。混合物を−10/−20℃で75分間保持する。次いで、混合物を−60℃まで冷却し、その後−70/−80℃まで冷却する。
温度を−70/−80℃で維持しながら、前に調製した式(4)の化合物の溶液を反応混合物にゆっくり添加する。添加後、温度を−65/−70℃で30分間保持する。ジクロロメタン(200mL)を添加し、混合物を放置し、約−40/−50℃に加温する。塩化アンモニウムの水溶液(650mL中72.0g)を約15〜30分間で添加し、温度は10/20℃に上昇する。層を分離する。有機層を水(2×600mL)で洗浄する。出発容量の20〜30%が得られるまで最終有機層を蒸留し、2−プロパノール(600mL)を添加する。沈殿の開始が観察されるまで混合物を更に蒸留する。混合物を10℃までゆっくり冷却し、この温度で90分間放置する。反応混合物を濾過し、冷却2−プロパノール(60mL)で洗浄して、117.1gの式(5)(式中、Rはアセチルであり、Rは水素である)のエポキシドを得る。
(d) ステップ(c)に従って得たエポキシド(117.1g)をメタノール(4500mL)に添加する。混合物を撹拌しながら室温で7日間放置し、固体(109.8gの式(6)の化合物)が得られるまで減圧下で蒸発させる。
(e) ステップ(d)に従って得た式(6)の化合物(109.8g)をアセトン(485.4g)に添加する。水(378.7g)をゆっくり添加し、混合物を−5/5℃まで冷却する。NaOH 20%の水溶液の同時添加によりpHを9.0〜9.5に維持しながら、p−トルエンスルホニルクロリド(36.3g)を少しずつ添加する。混合物を40分間撹拌し、放置し、約15/20℃に加温する。混合物をもう3時間撹拌し、その後水(1076mL)をゆっくり添加する。十分量の水酸化ナトリウムを添加することにより混合物をpH11.0に調節し、1時間撹拌し、濾過し、冷却水(275mL)で洗浄する。101.4gの式(7)のイミノエーテルを得る。
(f) ステップ(e)に従って得た式(7)のイミノエーテル(101.4g)をメタノール(236.8g)に添加する。水(196.7g)をゆっくり添加し、溶液を−5/5℃まで冷却する。pHをHCl 18%で7.5に調節し、ホウ水素化ナトリウムの20% 水溶液(63.6g)を1滴ずつ添加する。温度を−5/5℃、pHを約7.5に保持しながら、溶液を30分間撹拌する。酢酸イソプロピル(357.3g)及び水(169.6g)を15分間で添加し、十分量の水酸化ナトリウムを添加することによりpHを11.5に調節する。混合物を25/30℃に加熱し、層を分離する。水性層を捨てる。有機層に水(382.9g)を添加し、混合物を0℃まで冷却する。十分量のHCl 18%を添加することによりpHを2.0に調節し、条件を約30分間維持する。N−メチルグルカミン(101.5g)を2回に分けて添加し、pHを2.0に再調節し、混合物を45分間撹拌する。酢酸イソプロピル(394.2g)を添加し、pHを水酸化ナトリウム 20%で約11.0に調節し、層を分離する。有機層に水(564.4g)を添加し、混合物を0℃まで冷却する。十分量のHCl 18%を添加することによりpHを2.0に調節し、条件を約30分間維持する。N−メチルグルカミン(33.9g)を添加し、pHを2.0に再調節し、混合物を45分間撹拌する。pHをまず約8.5に調節し、混合物を25/30℃で加温した後、約11.0に調節する。層を分離し、固体(90.4gの式(1)のアザリド)が得られるまで有機層を低圧下で蒸発させる。
[実施例8]
実施例6または7に従って得た式(1)のアザリド(90.4g)をイソブタノール(900mL)に添加する。混合物を55/65℃で加熱しながら、N−プロピルアミン(100mL)を添加する。必要ならば反応が完了するまでN−プロピルアミンを更に添加しながら、温度を15時間維持する。最後に、固体(95.7gの式(2)のツラスロマイシン)が得られるまで溶媒を低圧下で蒸発させる。

Claims (18)



  1. の化合物の製造方法であって、方法は、
    (i)エリスロマイシンA 9−(E)−オキシムのC−2’のヒドロキシル基及び場合によりC−9オキシム基を保護して、式

    (式中、R1はヒドロキシル保護基であり、R2は水素またはオキシム保護基である)
    の化合物を得るステップ;
    (ii)式(3)の化合物を酸化剤の存在下で酸化して、式

    (式中、R1及びR2は上に定義した通りである)
    の化合物を得るステップ;
    (iii)式(4)の化合物を式

    (式中、R1及びR2は各々上に定義した通りである)
    の対応するエポキシドに変換するステップ;
    (iv)式(5)の化合物の保護基R1及び場合によりR2を除去して、式

    の化合物を得るステップ;
    (v)式(6)のオキシムをベックマン転位にかけて、式

    の対応する6,9−イミノエーテルを得るステップ;
    (vi)式(7)のイミノエーテルを還元して、式(1)のエポキシドを得るステップ;
    を含む方法。
  2. ステップ(ii)における式(3)の化合物の酸化を無水トリフルオロ酢酸、塩化オキサリル、ポリリン酸、ピリジン−SO3複合体または無水酢酸により活性化したジメチルスルホキシドを用いて実施する請求項1に記載の方法。
  3. 式(3)及び(4)中のR1及びR2の両方がC2−C4−アルカノイルである請求項1または2に記載の方法。


  4. (式中、R1はC2−C4−アルカノイルであり、R2はHまたはC2−C4−アルカノイルである)
    の化合物。
  5. ステップ(iii)に従う式(5)のエポキシドの製造はC−4”位のカルボニル基をスルホニウムメチリドイオンと反応させることを含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。


  6. (式中、R1はC2−C4−アルカノイルであり、R2はHまたはC2−C4−アルカノイルである)
    の化合物。
  7. 1及び場合によりR2の保護基の除去をC1−C4−アルカノールでの処理により実施する請求項1〜3または5のいずれか1項に記載の方法。


  8. の化合物。
  9. ステップ(v)に従う式(7)の化合物の製造を式(6)のオキシムをスルホン酸誘導体と反応させることにより実施する請求項1〜3、5または7のいずれか1項に記載の方法。


  10. の化合物。
  11. ステップ(vi)に従う式(7)のイミノエーテルの還元を還元剤として複合金属水素化物を用いて実施する請求項1〜3、5、7または9のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記(vi)で得られた式(1)の化合物にn−プロピルアミンと反応させるステップ(vii)をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  13. ジメチルスルホキシドが無水トリフルオロ酢酸により活性化したものである、請求項2に記載の方法。
  14. 2−C4−アルカノイルがアセチルである、請求項3に記載の方法。
  15. 1がアセチルであり、かつR2がアセチルである、請求項4に記載の化合物。
  16. 1がアセチルであり、かつR2がHである、請求項6に記載の化合物。
  17. 前記処理はメタノールでの処理である、請求項7に記載の方法。
  18. スルホン酸誘導体がp−トルエンスルホニルクロリドである、請求項9に記載の方法。
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