JP5906709B2 - スピーカ - Google Patents

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Description

本発明は、スピーカの音響特性を好適化する技術に関する。
スピーカの中には、箱状の部材をエンクロージャとし、このエンクロージャの前面をなす板に1乃至複数個のスピーカユニットを各々の放音面をスピーカの前方に向けて固定したものがある。この種のスピーカにおけるスピーカユニットが固定された板はバッフル板と呼ばれる。この種のスピーカでは、スピーカユニットから前方に向けて放射された音の回折音がバッフル板の各点で反射し、各点の反射音が前方に向けて再放射される。この結果、スピーカの前方の各受聴点には、スピーカユニットから放射された直接音の他に、スピーカユニットから前方に向けて放射された後、回折し、バッフル板の各点での反射を経て再放射された音が届く。このため、スピーカユニットから各受聴点までの音響伝達系の周波数応答にピークやディップが発生して音響特性が悪化する場合がある。特許文献1には、この問題の解決を意図して案出された技術の開示がある。同文献に開示されたスピーカシステムは、エンクロージャの前面バッフルにおけるスピーカユニットの周囲に吸音部材を貼付したものである。このスピーカシステムでは、スピーカユニットから側方に回折した音波が前面バッフルの吸音部材によって吸収され、前方に反射される反射音の音圧が小さくなる。よって、この技術によると、前方の受聴点における音響特性の悪化が防止される。
特開2009−94706号公報
しかしながら、特許文献1の技術の場合、スピーカユニットの周囲に吸音部材を貼付する分だけ製造コストが高くなるという問題がある。本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、スピーカのバッフル板の反射音の影響による音響特性の悪化を軽減する技術的手段を提供することを目的とする。
本発明は、バッフル板を有する筐体と、前記筐体のバッフル板に固定された音源とを具備し、前記バッフル板に前記音源からの距離が遠くなるほど幅が広がる1又は複数個の切り欠け部が設けられていることを特徴とするスピーカを提供する。
本発明は、本願発明者らが行った以下の考察に基づいてなされたものである。まず、発明者らは、図11に示すように、スピーカから音を放射した場合におけるバッフル板上の物理現象を解析するためのモデルとして直径D1(D1=610mm)の真円状のバッフル面BFを採用し、このバッフル面BFの中心Aを音の放射点とし、放射点Aから前方に1000mmだけ離れた点を受聴点Z1とし、放射点Aから受聴点Z1までの音響伝達系の周波数応答RBFを計算した。図12は、周波数応答RBFを示す図である。この周波数応答RBFでは、430Hz、1400Hz、2400Hz、及び3390Hzの付近にピークが現れており、960Hz、1900Hz、2900Hz、及び3890Hzの付近にディップが現れている。
発明者らは、このようなピークやディップが周波数応答RBFに生じる原因を調べるために、周波数応答RBFにおけるディップに該当する周波数(以下、ディップ周波数)の音とピークに該当する周波数(以下、ピーク周波数)の音を放射点Aから放射した場合にバッフル面BF上の各点の反射音によって受聴点Z1に発生する音圧を境界要素法により定量化することを考えた。すなわち、図13に示すように、バッフル面BFを格子状に分割した各矩形領域を各々境界要素法の要素Eとし、受聴点Z1の音圧P(q)を次式により算出するのである。
Figure 0005906709
この式(1)におけるpは要素Eの中心の位置ベクトルである。qは受聴点Z1の位置ベクトルである。P(p)は要素Eにおける音圧である。Vは粒子速度である。Sは要素Eの面積である。また、G(p,q)はグリーン関数である。このG(p,q)は次式により与えられる。dG(p,q)/dnはグリーン関数G(p,q)の要素Eの法線方向の微分である。
Figure 0005906709
この式(2)におけるrは要素Eの位置ベクトルpと受聴点Z1の位置ベクトルqとの間の距離である。
しかしながら、上記式(1)に従って受聴点Z1に発生する音圧P(q)を演算するとなると、膨大な演算量が必要になる。そこで、発明者らは、次のようにして受聴点Z1に発生する音圧P(q)を検討した。まず、発明者らは、バッフル面BFの中心Aから外周に向って引いた直線DM上の各点の反射音の音圧を求めた。図14(a)に示す波形Waは、ディップ周波数の音(3890Hzの音)をバッフル面BFの中心Aから放射した場合の直線DM上の各点の反射音の音圧を示すものである。また、図15(a)に示す波形Waは、ピーク周波数の音(3390Hzの音)をバッフル面BFの中心Aから放射した場合の直線DM上の各点の反射音の音圧を示すものである。図14(a)および図15(a)において、横軸xは直線DMを示しており、バッフル面BFの中心Aのx座標値を0としている。また、縦軸は音圧である。後述する図14(b)、図15(b)、図14(c)、図15(c)についても同様である。
次に、発明者らは、バッフル面BFの中心Aから放射した場合の距離を同じくする各点に到達する回折音の音圧は略同じであることに着目し、図14(a)および図15(a)において、各x座標値に対応した音圧に対して、2πxを乗算した音圧を算出した。図14(b)および図15(b)に示す音圧(波形Wb)は、この2πx乗算後の音圧を示すものである。図14(b)および図15(b)において、各x座標値に対応した音圧は、バッフル面BFの中心Aを中心とする半径xの円周上の各点に発生する反射音の音圧の総和SUMCIRを示している。バッフル面BFにおいて発生する全反射音が受聴点Z1に発生させる音圧は、バッフル面BFの中心Aからバッフル面BFの端部までの各位置(x座標値)について半径xの円周上に発生する全反射音の音圧の総和SUMCIRを求めて加算したもの、すなわち、バッフル面BFの中心Aからバッフル面BFの端部に向けて音圧SUMCIRを積分した積分値SUMRADに依存する。図14(c)および図15(c)に示す波形Wcは、x座標値とx=0から各x座標値までの音圧SUMCIRの積分値との関係を示すものである。
発明者らは、図14(b)および図15(b)に示す積分値SUMCIRの波形Wbについて、ディップ周波数の音とピーク周波数の音の両方に共通する特徴、ディップ周波数の音にのみ共通する特徴、ピーク周波数の音にのみ共通する特徴として以下のものがあることを確認した。
a1.ディップ周波数の音とピーク周波数の音の両方に共通する特徴
・バッフル面BFの中心Aにおける振幅が最大となっている。
・バッフル面BFの周縁における振幅が0になっている。
・バッフル面BFの中心Aと中心Aから該当音の1/4波長分だけ周縁側の点との間の区間Faにおいて振幅が最大値から0まで減少している。
・バッフル面BFにおける中心Aから該当音の1/4波長分だけ周縁側の点と周縁との間の区間Fbでは、略同じ振幅の絶対値をもった正負のピークが該当音の半波長分の間隔をあけて交互に現れている。
b1.ディップ周波数の音にのみ共通する特徴
・区間Fb内における負のピークの出現数は正のピークの出現数よりも1つ多い。
c1.ピーク周波数の音にのみ共通する特徴
・区間Fb内における正のピークの出現数と負のピークの出現数が同数である。
これらの特徴a1、b1、c1から、発明者らは、スピーカの音源からディップ周波数やピーク周波数の音を放音した場合に受聴点Z1において次のような物理現象が発生する推測した。
a2.ディップ周波数の音を放射した場合
この場合、図16の例に示すように、ディップ周波数の音の1つの波長をλDIPとし、スピーカのバッフル板PLTに音源Cから距離λDIP/4+λDIP/2×(m−1)(m=1〜M)(Mは波形Wbのゼロクロス点の数)(図16の例ではM=8)だけ離れた同心円WD−m(m=1〜8)を描いた場合における円WD−1と円WD−2、円WD−2と円WD−3、円WD−3と円WD−4、円WD−4と円WD−5、円WD−5と円WD−6、円WD−6と円WD−7、円WD−7と円WD−8に各々挟まれた環状領域を領域AR−1〜AR−7とすると、領域AR−1〜AR−7の各々から放射された反射音の総計SUMCIRの絶対値|SUMCIR|は略同じになる。よって、この場合、領域AR−1から放射された反射音の負の音圧と領域AR−2から放射された反射音の正の音圧、領域AR−3から放射された反射音の負の音圧と領域AR−4から放射された正の音圧、領域AR−5から放射された反射音の負の音圧と領域AR−6から放射された反射音の正の音圧は受聴点Z1において相殺し合う。従って、この場合、領域AR−1の内側の領域AR−0から放射された直接音及び反射音の正の音圧とバッフル板PLTの端部の近傍の領域AR−7から放射された反射音の負の音圧とを加算した音圧が受聴点Z1に作用する。この結果、受聴点Z1における音圧が極小(ディップ)になる。
b2.ピーク周波数の音を放射した場合
この場合、図17の例に示すように、ピーク周波数の音の波長をλPEAKとし、スピーカのバッフル板PLT上に音源Cから距離λPEAK/4+λPEAK/2×(n−1)(n=1〜N)(Nは波形Wbのゼロクロス点の数)(図17の例ではN=7)だけ離れた同心円WP−n(n=1〜7)を描いた場合における円WP−1と円WP−2、円WP−2と円WP−3、円WP−3と円WP−4、円WP−5と円WP−6、円WP−6と円WP−7に各々挟まれた環状領域を領域AR−1〜AR−6とすると、領域AR−1〜AR−6の各々から放射された反射音の総計SUMCIRの絶対値|SUMCIR|は略同じになる。よって、この場合、領域AR−1から放射された反射音の負の音圧と領域AR−2から放射された反射音の正の音圧、領域AR−3から放射された反射音の負の音圧と領域AR−4から放射された反射音の正の音圧、及び領域AR−5から放射された反射音の負の音圧と領域AR−6から放射された反射音の正の音圧が受聴点Z1において相殺し合う。従って、この場合、領域AR−1の内側の領域AR−0から放射された直接音及び反射音の正の音圧だけが受聴点Z1に作用する。この結果、受聴点Z1における音圧が極大(ピーク)になる。
以上が、発明者らが行った考察である。ここで、本発明では、スピーカのバッフル板に音源からの距離が遠くなるほど幅が広がる1または複数個の切り欠け部が設けられている。よって、本発明では、ディップ周波数の音を放射した場合、図18の例に示すように、バッフル板PLT上における音源Cを中心とする環状領域AR−1〜AR−7(音源Cから距離λDIP/4+λDIP/2×(m−1)(m=1〜8)だけ離れた同心円に挟まれた領域)のうち切り欠け部のある最も内側の領域AR−2では、当該領域AR−2から放射される反射音の音圧の総計SUMCIRが領域AR−2内における切り欠け部の面積S−2に応じた音圧ΔP−2だけ小さくなる。領域AR−2の外側の領域AR−3では、当該領域AR−3から放射される反射音の音圧の総計SUMCIRが領域AR−3内における切り欠け部の面積S−3に応じた音圧ΔP−3だけ大きくなる。領域AR−3の外側の領域AR−4では、当該領域AR−4から放射される反射音の音圧の総計SUMCIRが領域AR−4内における切り欠け部の面積S−4に応じた音圧ΔP−4だけ小さくなる。領域AR−4の外側の領域AR−5では、当該領域AR−5から放射される反射音の音圧の総計SUMCIRが領域AR−5内における切り欠け部の面積S−5に応じた音圧ΔP−5だけ大きくなる。領域AR−5の外側の領域AR−6では、当該領域AR−6から放射される反射音の音圧の総計SUMCIRが領域AR−6内における切り欠け部の面積S−6に応じた音圧ΔP−6だけ小さくなる。領域AR−6の外側の領域AR−7では、当該領域AR−7から放射される反射音の音圧の総計SUMCIRが領域AR−7内における切り欠け部の面積S−7に応じた音圧ΔP−7だけ大きくなる。
そして、領域AR−2、AR−3、AR−4、AR−5、AR−6、AR−7における反射音の音圧の変化量ΔP−2、ΔP−3、ΔP−4、ΔP−5、ΔP−6、ΔP−7の大小関係は、ΔP−2<ΔP−3<ΔP−4<ΔP−5<ΔΔP−6<ΔP−7となるから、この場合における領域AR−1〜AR−7の反射音の音圧の総計SUMRADは、全体として正の方向に変化する。この結果、受聴点Z1に作用する音圧もまた正の方向に変化し、該当周波数におけるディップの急峻さが緩和される。
また、本発明では、ピーク周波数の音を放射した場合、図19の例に示すように、バッフル板PLT上における音源Cを中心とする環状の領域AR−1〜AR−6(音源Cから距離λPEAK/4+λPEAK/2×(n−1)(n=1〜7)だけ離れた同心円に挟まれた領域)のうち切り欠け部のある最も内側の領域AR−2では、当該領域AR−2から放射される反射音の音圧の総計SUMCIRが領域AR−2内における切り欠け部の面積S−2に応じた音圧ΔP−2だけ小さくなる。領域AR−2の外側の領域AR−3では、当該領域AR−3から放射される反射音の音圧の総計SUMCIRが領域AR−3内における切り欠け部の面積S−3に応じた音圧ΔP−3だけ大きくなる。領域AR−3の外側の領域AR−4では、当該領域AR−4から放射される反射音の音圧の総計SUMCIRが領域AR−4内における切り欠け部の面積S−4に応じた音圧ΔP−4だけ小さくなる。領域AR−4の外側の領域AR−5では、当該領域AR−5から放射される反射音の音圧の総計SUMCIRが領域AR−5内における切り欠け部の面積S−5に応じた音圧ΔP−5だけ大きくなる。領域AR−5の外側の領域AR−6では、当該領域AR−6から放射される反射音の音圧の総計SUMCIRが領域AR−6内における切り欠け部の面積S−6に応じた音圧ΔP−6だけ小さくなる。
そして、領域AR−2、AR−3、AR−4、AR−5、AR−6における反射音の音圧の変化量ΔP−2、ΔP−3、ΔP−4、ΔP−5、ΔP−6の大小関係は、ΔP−2<ΔP−3<ΔP−4<ΔP−5<ΔP−6となるから、この場合における領域AR−1〜AR−6から放射される反射音の音圧の総計SUMRADは、全体として負の方向に変化する。この結果、受聴点Z1に作用する音圧もまた負の方向に変化し、該当周波数におけるピークの急峻さが緩和される。
発明者らは、本発明の効果を確認するため、次の2つの検証を行った。第1の検証では、図11に示したバッフル面BFに中心Aからの距離が遠くなるほど幅が広がる1または複数個の切り欠け部を設けた場合における周波数応答を計算した。より具体的に説明すると、第1の検証では、図20に示すように、直径D1(D1=610mm)の真円の半径線上における中心Aから距離Y(Y=0.555mm)だけ離れた点を基準点とし、真円上における基準点から左右にθ/2(θ=45度)ずつ外側の方角に引いた線と円周とに囲まれた部分(中心角を90度とする扇状の部分)を切り欠いたものをバッフル面BF2とした。また、図21に示すように、直径D1(D1=610mm)の真円の半径線上における中心から相反する方向に距離Y(Y=0.555mm)だけ離れた2点を基準点とし、真円上における2つの基準点から左右にθ’/2(θ’=22.5度)ずつ外側の方角に引いた線と円周とに囲まれた2つの部分を切り欠いたものをバッフル面BF2’とした。その上で、バッフル面BF2の中心Aを音の放射点とした場合における受聴点Z1の周波数応答RBF2とバッフル面BF2’の中心Aを音の放射点とした場合における受聴点Z1の周波数応答RBF2’を計算した。
図22(a)は、周波数応答RBF2と図12に示した周波数応答RBFを周波数軸を揃えて示した図である。図22(b)は、周波数応答RBF2’と図12に示した周波数応答RBFを周波数軸を揃えて示した図である。これらの図22(a)及び図22(b)の周波数応答RBF2及びRBF2’では、430Hz、1400Hz、2400Hz、及び3390Hzの付近にピークが現れており、960Hz、1900Hz、2900Hz、及び3890Hzの付近にディップが現れている。しかし、周波数応答RBF2及びRBF2’における430Hz、1400Hz、2400Hz、及び3390Hzの音圧は周波数応答RBFにおける430Hz、1400Hz、2400Hz、及び3390Hzの音圧よりも小さくなっている。また、周波数応答RBF2及びRBF2’における960Hz、1900Hz、2900Hz、及び3890Hzの音圧は周波数応答RBFにおける960Hz、1900Hz、2900Hz、及び3890Hzの音圧よりも大きくなっている。このことから、スピーカのバッフル板に中心からの距離が遠くなるほど幅が広がる1または複数個の切り欠け部を設けることにより周波数応答がフラットに近くなることが確認された。
第2の検証では、図20に示したバッフル面BF2の切り欠け部分の形状を決める寸法Y及びθを変化させた場合おける周波数応答のピーク及びディップの音圧を計算した。より具体的に説明すると、第2の検証では、バッフル面BF2における距離YをY=0.005にしたものをバッフル面BF1とし、距離YをY=0.105にしたものをバッフル面BF3とし、距離YをY=0.155にしたものをバッフル面BF4とし、距離YをY=0.205にしたものをバッフル面BF5とし、距離YをY=0.255にしたものをバッフル面BF6とした。
第2の検証では、これら5つのバッフル面BF1、BF3、BF4、BF5、BF6にバッフル面BF2を加えた6つのバッフル面BF1、BF2、BF3、BF4、BF5、BF6について、各々の角度θを0≦θ≦90の範囲内で変化させた場合における周波数応答の1次ピークの音圧を計算した。図23のグラフG11は、バッフル面BF1における角度θを0度から90度に向かって変化させた場合の1次ピークの音圧の変化を示すものである。グラフG12は、バッフル面BF2における角度θを0度から90度に向かって変化させた場合の1次ピークの音圧の変化を示すものである。グラフG13は、バッフル面BF3における角度θを0度から90度に向かって変化させた場合の1次ピークの音圧の変化を示すものである。グラフG14は、バッフル面BF4における角度θを0度から90度に向かって変化させた場合の1次ピークの音圧の変化を示すものである。グラフG15は、バッフル面BF5における角度θを0度から90度に向かって変化させた場合の1次ピークの音圧の変化を示すものである。グラフG16は、バッフル面BF6における角度θを0度から90度に向かって変化させた場合の1次ピークの音圧の変化を示すものである。
図23のグラフG11、G12、G13、G14、G15、G16では、角度θが大きくなるほど1次ピークの音圧が小さくなっている。このことから、周波数応答のピークの音圧は距離Yが同じであれば角度θが大きくなるほどフラットに近くなる、ということが確認された。また、グラフG11、G12、G13、G14、G15、G16の勾配は、距離Yの大きいものほど急峻になっている。このことから、周波数応答のピークの音圧は角度θが同じであれば距離Yが短いほどフラットに近くなる、ということが確認された。
また、第2の検証では、6つのバッフル面BF1、BF2、BF3、BF4、BF5、BF6について、各々の角度θを0≦θ≦90の範囲内で変化させた場合の1次ディップの音圧を計算した。図24のグラフG21は、バッフル面BF1における角度θを0度から90度に向かって変化させた場合の1次ディップの音圧の変化を示すものである。グラフG22は、バッフル面BF2における角度θを0度から90度に向かって変化させた場合の1次ディップの音圧の変化を示すものである。グラフG23は、バッフル面BF3における角度θを0度から90度に向かって変化させた場合の1次ディップの音圧の変化を示すものである。グラフG24は、バッフル面BF4における角度θを0度から90度に向かって変化させた場合の1次ディップの音圧の変化を示すものである。グラフG25は、バッフル面BF5における角度θを0度から90度に向かって変化させた場合の1次ディップの音圧の変化を示すものである。グラフG26は、バッフル面BF6における角度θを0度から90度に向かって変化させた場合の1次ディップの音圧の変化を示すものである。
図24のグラフG21、G22、G23、G24、G25、G26では、角度θが大きくなるほど1次ディップの音圧が大きくなっている。このことから、周波数応答のディップの音圧は距離Yが同じであれば角度θが大きくなるほどフラットに近くなる、ということが確認された。また、グラフG21、G22、G23、G24、G25、G26の勾配の大小関係は、G22>G23>G24>G21>G25>G26となっている。このことから、ディップについては距離Y=0.555が最適値であり、0.555より短い場合及び長い場合の何れにおいても周波数応答のディップの音圧がフラットから遠ざかる、ということが確認された。
本発明の第1実施形態であるスピーカの斜視図である。 同スピーカの効果の検証のために求めた周波数応答を示す図である。 同スピーカの効果の検証のために求めた周波数応答を示す図である。 本発明の第2実施形態であるスピーカの斜視図である。 同スピーカの効果の検証のために求めた周波数応答を示す図である。 同スピーカの効果の検証のために求めた周波数応答を示す図である。 本発明の第3実施形態であるスピーカの正面図及び側面図である。 本発明の第4実施形態であるスピーカの正面図及び側面図である。 本発明の第5実施形態であるスピーカの斜視図である。 本発明の変形例であるスピーカの正面図及び側面図である。 本発明の発明者らの考察において採用したバッフル面BFを示す図である。 バッフル面BFの受聴点における周波数応答を示す図である。 バッフル面BFを分割した各要素Eを示す図である。 本発明の発明者らの考察において作成した波形を示す図である。 本発明の発明者らの考察において作成した波形を示す図である。 バッフル面上の物理現象を説明するための図である。 バッフル面上の物理現象を説明するための図である。 本発明の効果を説明するための図である。 本発明の効果を説明するための図である。 本発明の効果の検証において採用したバッフル面BF2を示す図である。 本発明の効果の検証において採用したバッフル面BF2’を示す図である。 バッフル面BF2及びBF2’の周波数応答を示す図である。 バッフル面BF2の周波数応答のピークの音圧と同面BF2の角度θとの関係を示す図である。 バッフル面BF2の周波数応答のディップの音圧と同面BF2の角度θとの関係を示す図である。
以下、図面を参照し、この発明の実施の形態を説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態であるスピーカSP1の斜視図である。このスピーカSP1は、エンクロージャ10とスピーカユニット11、12、13とを有する。エンクロージャ10は、スピーカユニット11、12、13を保持する筐体としての役割を果たす部材である。このエンクロージャ10は、上下幅H(例えば、H=1000mmとする)、左右幅W(例えば、W=520mmとする)、及び奥行き幅L(例えば、L=480mmとする)を持った直方体状をなしている。スピーカユニット11は、オーディオ装置(不図示)の出力信号における高域(3kHz〜10kHz)の成分を音として放音する第1の音源としての役割を果たす装置である。スピーカユニット12は、オーディオ装置の出力信号における中域(500Hz〜3kHz)の成分を音として放射する第2の音源としての役割を果たす装置である。スピーカユニット13は、オーディオ装置の出力信号における低域(20Hz〜500Hz)の成分を音として放射する第3の音源としての役割を果たす装置である。
スピーカユニット11は、エンクロージャ10のバッフル板14の中央上部に固定されている。スピーカユニット12は、バッフル板14の中央におけるスピーカユニット11の下の位置に固定されている。スピーカユニット13は、バッフル板14の中央におけるスピーカユニット12の下の位置に固定されている。
このスピーカSP1では、エンクロージャ10のバッフル板14におけるスピーカユニット11の上側、左側、及び右側の周端部付近の領域に切り欠け部15HU、15HL、及び15HRが設けられている。また、スピーカSP1では、エンクロージャ10のバッフル板14におけるスピーカユニット12の左側及び右側の周端部付近の領域に切り欠け部15ML及び15MRが設けられている。これらの切り欠け部15HU、15HL、15HR、15ML、及び15MRのうち切り欠け部15HU、15HL、及び15HRの幅は、スピーカユニット11からの距離が遠くなるほど広くなっている。また、切り欠け部15ML及び15MRの幅はスピーカユニット12からの距離が遠くなるほど広くなっている。より詳細に説明すると、切り欠け部15HU、15HL、及び15HRは、各々の頂点をスピーカユニット11に向けた三角形状をなしている。切り欠け部15HUは、バッフル板14におけるスピーカユニット11よりも上に距離D2だけ離れた点からバッフル板14の上側の端辺20Uに至っており、当該端辺20Uにおいて幅が最大になっている。切り欠け部15HLは、バッフル板14におけるスピーカユニット11よりも左に距離D3だけ離れた点からバッフル板14の左側の端辺20Lに至っており、当該端辺20Lにおいて幅が最大になっている。切り欠け部15HRは、バッフル板14におけるスピーカユニット11よりも右に距離D3だけ離れた点からバッフル板14の右側の端辺20Rに至っており、当該端辺20Rにおいて幅が最大になっている。切り欠け部15ML及び15MRは、各々の頂点をスピーカユニット12に向けた三角形状をなしている。切り欠け部15MLは、バッフル板14におけるスピーカユニット12よりも左に距離D4だけ離れた点からバッフル板14の端辺20Lに至っており、当該端辺20Lにおいて幅が最大になっている。切り欠け部15MRは、バッフル板14におけるスピーカユニット12よりも右に距離D4だけ離れた点からバッフル板14の端辺20Rに至っており、当該端辺20Rにおいて幅が最大になっている。
以上が、本実施形態の構成の詳細である。本実施形態によると、ディップ周波数の音を放射した場合に受聴点に発生する音圧とピーク周波数の音を放射した場合に受聴点に発生する音圧との差が小さくなり、受聴点における周波数応答をフラットに近づけることができる。
ここで、本願発明者らは、本実施形態の効果を確認するため、次の2つの検証を行った。第1の検証では、スピーカSP1のバッフル板14とスピーカユニット11及び12とからなる音響装置(すなわち、スピーカSP1のエンクロージャ10におけるバッフル板14以外の部分とバッフル板14上のスピーカユニット13を除いた音響装置)をスピーカSP1’とし、このスピーカSP1'のスピーカユニット12から中域(500Hz〜3kHz)の音を放射した場合におけるスピーカユニット12から前方に1000mmだけ離れた受聴点Z2の周波数応答R1Mを計算した。また、スピーカSP1’のバッフル板14から切り欠け部15HU、15HL、15HR、15ML、15MRを無くしたものをスピーカSP0とし、スピーカSP0のスピーカユニット12から中域(500Hz〜3kHz)の音を放射した場合における受聴点Z2の周波数応答R0Mを計算した。図2は、周波数応答R1M及びR0Mを周波数軸を揃えて示したものである。図2では、周波数応答R1M及びR0Mでは、1000Hzに1次のディップが現れており、1400Hzに1次のピークが現れている。そして、周波数応答R1Mにおける1次のディップの音圧は周波数応答R0Mにおける1次のディップの音圧よりも大きくなっており、周波数応答R1Mにおける1次のピークの音圧は周波数応答R0Mにおける1次のピークの音圧よりも小さくなっている。このことから、本実施形態によると、中域(500Hz〜3kHz)の周波数応答をフラットに近づけることができる、ということが確認された。
第2の検証では、スピーカSP1のスピーカユニット11から高域(3kHz〜10kHz)の音を放射した場合における受聴点Z2の周波数応答R1Hを計算した。また、スピーカSP0のスピーカユニット11から高域(3kHz〜10kHz)の音を放射した場合における受聴点Z2の周波数応答R0Hを計算した。図3は、周波数応答R1H及びR0Hを周波数軸を揃えた示したものである。図3の周波数応答R1H及びR0Hでは、3390Hzに1次のディップが現れており、3900Hzに1次のピークが現れている。また、周波数応答R1Hにおける1次のディップの音圧は周波数応答R0Hにおける1次のディップの音圧よりも大きくなっており、周波数応答R1Hにおける1次のピークの音圧は周波数応答R0Hにおける1次のピークの音圧よりも小さくなっている。このことから、本実施形態によると、高域(3kHz〜10kHz)の周波数応答をフラットに近づけることができる、ということが確認された。
<第2実施形態>
図4は、本発明の第2実施形態であるスピーカSP1Aの斜視図である。このスピーカSP1Aでは、エンクロージャ10のバッフル板14におけるスピーカユニット11の上方に切り欠け部16が設けられている。この切り欠け部16の幅は、スピーカユニット11からの距離が遠くなるほど広くなっている。より詳細に説明すると、切り欠け部16は、頂点をスピーカユニット11に向けた三角形状をなしている。切り欠け部16は、バッフル板14におけるスピーカユニット11よりも上に距離D5だけ離れた点からバッフル板14の上側の端辺21Uに至っており、当該端辺21Uにおいて幅が最大になっている。
以上が本実施形態の構成の詳細である。本実施形態によると、ディップ周波数の音を放射した場合に受聴点に発生する音圧とピーク周波数の音を放射した場合に受聴点に発生する音圧との差が小さくなり、受聴点の周波数応答をフラットに近づけることができる。
ここで、本願発明者らは、本実施形態の効果を確認するため、次の2つの検証を行った。第1の検証では、スピーカSP1Aのバッフル板14とスピーカユニット11及び12とからなる音響装置(すなわち、スピーカSP1Aのエンクロージャ10におけるバッフル板14以外の部分とバッフル板14上のスピーカユニット13を除いた音響装置)をスピーカSP1A’とし、このスピーカSP1A'のスピーカユニット12から中域(500Hz〜3kHz)の音を放射した場合における受聴点Z2の周波数応答R1AMを計算した。図5は、この周波数応答R1AMと第1実施形態の検証において求めた周波数応答R0Mを周波数軸を揃えた示したものである。図5では、周波数応答R1AMにおける1次のディップの音圧は周波数応答R0Mにおける1次のディップの音圧よりも大きくなっており、周波数応答R1AMにおける1次のピークの音圧は周波数応答R0Mにおける1次のピークの音圧よりも小さくなっている。このことから、本実施形態によると、中域(500Hz〜3kHz)の周波数応答をフラットに近づけることができる、ということが確認された。
第2の検証では、スピーカSP1A’のスピーカユニット11から高域(3kHz〜10kHz)の音を放射した場合における受聴点Z2の周波数応答R1AHを計算した。図6は、この周波数応答R1AHと第1実施形態の検証において求めた周波数応答R0Hを周波数軸を揃えて示したものである。図6では、周波数応答R1AHにおける1次のディップの音圧は周波数応答R0Hにおける1次のディップの音圧よりも大きくなっており、周波数応答R1AHにおける1次のピークの音圧は周波数応答R0Hにおける1次のピークの音圧よりも小さくなっている。このことから、本実施形態によると、高域(3kHz〜10kHz)の周波数応答をフラットに近づけることができることが確認された。
<第3実施形態>
図7(a)は、本発明の第3実施形態であるスピーカSP1Bの正面図である。図7(b)は、スピーカSP1Bの右側面図である。上記第1及び第2実施形態では、バッフル板14における切り欠け部15HU、15HL、15HR、15ML、15MR、16の周縁がバッフル板14自体の端辺に達していた。これに対し、本実施形態では、バッフル板14における切り欠け部の周縁がバッフル板14に囲まれている。より詳細に説明すると、このスピーカSP1Bでは、バッフル板14の中央上部に1つのスピーカユニット12が設けられている。また、バッフル板14におけるスピーカユニット12の左右に切り欠け部153L及び153Rが設けられている。切り欠け部153L及び153Rは頂点の1つをスピーカユニット12に向けた三角形状をなしている。切り欠け部153L及び153Rにおけるスピーカユニット12側の頂点を挟む2辺間の角度は鈍角になっている。そして、このスピーカSP1Bでは、切り欠け部153Lにおけるスピーカユニット12側の頂点と反対側の辺163Lとバッフル板14の左端辺18Lが平行になっており、辺163Lは辺18Lよりも僅かに内側に離れている。また、切り欠け部153Rにおけるスピーカユニット12側の頂点と反対側の辺163Rとバッフル板14の右端辺18Rが平行になっており、辺163Rは辺18Rよりも僅かに内側に離れている。以上が、本実施形態の構成の詳細である。本実施形態のスリットはスピーカユニットからの距離が離れるほど幅が広くなる形状になっており、本実施形態によっても、受聴点の周波数応答をフラットに近づけることができる。
<第4実施形態>
図8(a)は、本発明の第4実施形態であるスピーカSP1Cの正面図である。図8(b)は、スピーカSP1Cの右側面図である。このスピーカSP1Cは、意匠性を向上させるために、スピーカSP1B(図7(a)及び図7(b))における切り欠け部153L及び153Rを、音源であるスピーカユニット12側に向かって湾曲した切り欠け部154L及び154Rに置き換えたものである。より詳細に説明すると、このスピーカSP1Cのバッフル板14の切り欠け部154L及び154Rは、三日月を模擬した形状を有している。切り欠け部154Lにおける湾曲部分はスピーカユニット12側を向いており、その上下の端部はバッフル板14の左端辺18Lを向いている。切り欠け部154Rにおける湾曲部分はスピーカユニット12側を向いており、その上下の端部はバッフル板14の右端辺18Rを向いている。以上が、本実施形態の構成の詳細である。本実施形態の切り欠け部もスピーカユニットからの距離が遠くなるほど幅が広くなる形状になっており、本実施形態によっても、受聴点の周波数応答をフラットに近づけることができる。
<第5実施形態>
図9は、本発明の第5実施形態であるスピーカSP1Dの斜視図である。このスピーカSP1Dは、スピーカSP1C(図8(a)及び図8(b))のバッフル板14における切り欠け部154L及び154Rを含む部分に傾斜を設けたものである。より詳細に説明すると、このスピーカSP1Dでは、バッフル板14における上端辺19の左端から右に距離D11だけ離れた点20Lから孔154Lを通って左端辺18Lに至る線21Lと端辺18L及び19とに囲まれた3角形状の領域ARTLが、線21Lから離れて左上隅の頂点22Lに近づくほど幅薄になっている。また、バッフル板14における上端辺19の右端から左に距離D11だけ離れた点20Rから孔154Rを通って右端辺18Rに至る線21Rと端辺18R及び19に囲まれた3角形状の領域ARTRが、線21Rから離れて右上隅の頂点22Rに近づくほど幅薄になっている。以上が、本実施形態の構成の詳細である。本実施形態では、バッフル板14上における傾斜している領域ARTL及びARTRで反射した反射波の多くは、バッフル板14の正面方向(受聴点のある方向)よりも外側に向けて再放射される。よって、本実施形態によると、受聴点におけるピーク周波数の音の音圧とディップ周波数の音の音圧をより小さくすることができる。
<他の実施形態>
以上、この発明の実施形態を説明したが、この発明には、他にも各種の実施形態が考えられる。例えば、以下の通りである。
(1)上記第1及び第2実施形態では、バッフル板14に3つのスピーカユニット11、12、13が設けられていた。しかし、バッフル板14上におけるスピーカユニットの個数を1個や2個にしてもよいし、4個以上にしてもよい。また、それぞれのスピーカユニットを中心とする切り欠け部を設けてもよい。
(2)上記第1及び第2実施形態では、切り欠け部15HU、15HL、及び15HRはスピーカユニット11に頂点を向けた三角形状をなしており、切り欠け部15ML及び15MRはスピーカユニット12に頂点を向けた三角形状をなしていた。しかし、スピーカユニット11及び12からの距離が遠くなるほど幅が広がるような形状であれば、三角形状である必要はなく、その位置も実施形態に限定されない。また、切り欠け部の個数も問わない。
(3)上記第1及び第2実施形態では、切り欠け部15HU、15HL、及び15HRはバッフル板14における表裏面間を貫いていた。しかし、この切り欠け部15HU、15HL、及び15HRをバッフル板14を表面から所定幅だけ凹ませた構成にしてもよい。
(4)上記第5実施形態は、第3実施形態のスピーカSP1Cのバッフル板14における切り欠け部154L及び154Rを含む部分に傾斜を設けたものであった。しかし、第1実施形態のスピーカSP1のバッフル板14における切り欠け部15HU、15HL、15HR、15ML、及び15MRを含む部分に傾斜を設けてもよい。また、第2実施形態のスピーカSP1Aのバッフル板14における切り欠け部16を含む部分に傾斜を設けてもよい。
(5)上記第1乃至第5実施形態では、バッフル板14にスピーカユニットからの距離が遠くなるほど幅が広がる1又は複数個の切り欠け部が設けられていた。しかし、この切り欠け部の代わりに凸部や凹部、吸音材を貼付した部分を設けてもよい。要するに、バッフル板14上が反射特性の異なる第1の領域(音源における音の放射面と平行なバッフル面をなしている領域)と第2の領域(バッフル面よりも凸んでいる領域や、吸音材が貼付されている領域)とに分かれており、第2の領域の幅がスピーカユニットから離れるほど広がるような構成になっていればよい。この態様の特徴を概念的に示すと、「バッフル板を有する筐体と、前記筐体のバッフル板に固定された音源とを具備し、前記バッフル板上が反射特性の異なる第1の領域と第2の領域に分かれており、前記第2の領域の幅は音源からの距離が遠くなるほど広くなっていることを特徴とするスピーカ。」となる。
(6)上記第1乃至第5実施形態では、エンクロージャ10の上下幅H、左右幅W、及び奥行き幅Lは、H=1000mm、W=520mm、L=480mmとなっていた。しかし、エンクロージャ10の上下幅H、左右幅W、及び奥行き幅Lを上記各実施形態と異なる寸法としてもよい。
(7)上記第4実施形態では、バッフル板14の切り欠け部154L及び154Rは、三日月を模擬した形状を有していた。しかし、スピーカユニット12からの距離が遠くなるほど幅が広くなる形状であれば三日月を模擬したものである必要はない。図10(a)は、この変形例であるスピーカSP1Eの正面図である。図10(b)は、スピーカSP1Eの右側面図である。このスピーカSP1Eのバッフル板14の切り欠け部155L及び155Rは、くの字に屈曲している。そして、切り欠け部155Lの屈曲部分はスピーカユニット12を向いている。切り欠け部155Rの屈曲部分もスピーカユニット12を向いている。このような構成によっても、第4実施形態と同様の効果を奏することができる。
10…エンクロージャ、11、12、13…スピーカユニット、14…バッフル板、15HU、15HL、15HR、15ML、15MR、16…切り欠け部。

Claims (4)

  1. バッフル板を有する筐体と、
    前記筐体のバッフル板に固定された音源と
    を具備し、
    前記バッフル板に前記音源からの距離が遠くなるほど幅が広がる1又は複数個の切り欠け部が設けられており、
    前記切り欠け部は、
    前記音源に向いた頂点を有し、当該頂点から前記バッフル板の周端部に向けて引いた2線と当該周端部とで囲まれた部分を前記バッフル板から切り欠いて形成されている
    ことを特徴とするスピーカ。
  2. 前記切り欠け部は、音源に頂点の1つを向けた三角形状をなしていることを特徴とする請求項1に記載のスピーカ。
  3. 前記バッフル板の周端部において前記切り欠け部の幅が最大になっていることを特徴とする請求項1または2に記載のスピーカ。
  4. 前記切り欠け部は、前記音源側に向かって湾曲した形状を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1の請求項に記載のスピーカ。
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