JP5905773B2 - 光重合性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
[1] (A)カルボキシル基含有量が酸当量で100〜600であり、かつ重量平均分子量が5,000〜500,000であるバインダー用樹脂:10〜90質量%;
(B)光重合性不飽和化合物:5〜70質量%;
(C)光重合開始剤:0.01〜20質量%;及び
(D)下記一般式(I):
で表される化合物:0.05〜0.5質量%
を含む、光重合性樹脂組成物。
[2] 前記(A)バインダー用樹脂の重量平均分子量が、40,000〜130,000である、[1]に記載の光重合性樹脂組成物。
[3] 前記(A)バインダー用樹脂のモノマー成分は、下記一般式(II):
[4] 前記(B)光重合性不飽和化合物は、下記一般式(III):
で表される化合物を含む、[1]〜[3]のいずれか一つに記載の光重合性樹脂組成物。
[5] [1]〜[4]のいずれか一つに記載の光重合性樹脂組成物を、支持体上に積層してなる、光重合性樹脂積層体。
[6] [1]〜[4]のいずれか一つに記載の光重合性樹脂組成物を、基板上に積層する積層工程;該光重合性樹脂組成物を露光する露光工程;及び該光重合性樹脂組成物の未露光部を除去することによってレジストパターンを形成する現像工程を含む、レジストパターンの形成方法。
[7] [1]〜[4]のいずれか一つに記載の光重合性樹脂組成物を、基板上に積層する積層工程;該光重合性樹脂組成物を露光する露光工程;該光重合性樹脂組成物の未露光部を除去することによってレジストパターンを形成する現像工程;該レジストパターンが形成された該基板をエッチング又はめっきする配線パターン形成工程;及び該配線パターン形成工程後の基板からレジストパターンを剥離する剥離工程を含む、回路基板の製造方法。
[8] [1]〜[4]のいずれか一つに記載の光重合性樹脂組成物を、金属板である基板上に積層する工程;該光重合性樹脂組成物を露光する露光工程;該光重合性樹脂組成物の未露光部を除去することによってレジストパターンを形成する現像工程;該レジストパターンが形成された該基板をエッチングする導体パターン形成工程;及び該導体パターン形成工程後の基板からレジストパターンを剥離する剥離工程を含む、リードフレームの製造方法。
[9] [1]〜[4]のいずれか一項に記載の光重合性樹脂組成物を、LSIとしての回路形成が終了したウェハに積層する積層工程;該光重合性樹脂組成物を露光する露光工程;該光重合性樹脂組成物の未露光部を除去することによってレジストパターンを形成する現像工程;該レジストパターンが形成された該ウェハをめっきするめっき工程;及び該めっき工程後のウェハからレジストパターンを剥離する剥離工程を含む、半導体パッケージの製造方法。
1つの実施形態では、(A)カルボキシル基含有量が酸当量で100〜600であり、かつ重量平均分子量が5,000〜500,000であるバインダー用樹脂:10〜90質量%、(B)光重合性不飽和化合物:5〜70質量%、(C)光重合開始剤:0.01〜20質量%、及び(D)下記の一般式(I):
で表される化合物:0.05〜0.5質量%を含む、光重合性樹脂組成物を提供する。
(A)バインダー用樹脂は、酸当量で100〜600のカルボキシル基含有量、好ましくは250〜450のカルボキシル基含有量を有する。(A)バインダー用樹脂が2種以上のポリマーで構成される場合、全ポリマーの平均で酸当量が上記範囲内であればよい。好ましくは、(A)バインダー用樹脂を構成する全てのポリマーについて、酸当量が上記範囲である。酸当量とは、その中に1当量のカルボキシル基を有する重合体の質量(グラム)を意味する。(A)バインダー用樹脂中のカルボキシル基は、それを含む光重合性樹脂組成物のアルカリ水溶液に対する現像性及び剥離性を与えるために有用である。酸当量は、現像耐性、解像性及び支持体等への密着性の観点から100以上であり、現像性及び剥離性の観点から600以下である。酸当量の測定は、自動滴定装置(例えば平沼産業(株)製平沼自動滴定装置(COM−555))を使用し、0.1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を用いて電位差滴定法により行われる。
(分散度)=(重量平均分子量)/(数平均分子量)
(A)バインダー用樹脂が2種以上のポリマーで構成される場合、全ポリマーの平均で重量平均分子量及び分散度が上記範囲内であればよい。しかし好ましくは、(A)バインダー用樹脂を構成する全てのポリマーについて、重量平均分子量及び分散度が上記範囲である。
で表される化合物であることが好ましい。
より具体的に、MAAを用いた場合には、例えば、モノマー成分中14〜86質量%の範囲であることが好ましく、解像/密着性の観点からより好ましくは14〜50質量%の範囲である。
(B)光重合性不飽和化合物は、光重合性不飽和結合を有する化合物であればよく、典型的にはエチレン性不飽和結合を有する化合物である。また、該光重合性不飽和化合物の反応基が(メタ)アクリル基である場合、前駆体である上記一般式(I)で表される化合物と種々アルコール体との反応によって光重合性不飽和化合物が得られるが、この反応の際、未反応の上記一般式(I)で表される化合物が光重合性樹脂組成物中の0.05〜0.5質量%になるような任意の割合で、上記一般式(I)で表される化合物を意図的に残存させてもよい。(B)光重合性不飽和化合物は、解像性の観点から、下記一般式(III):
で表される群から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有することが好ましい。
(C)光重合開始剤としては、活性光線(例えば紫外線等)により活性化されて重合反応を開始させる化合物として一般に知られている光重合開始剤を使用できる。感度、解像性及び密着性の観点から、(C)光重合開始剤が2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体を含有することが好ましく、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体とp−アミノフェニルケトンとの併用系がより好ましい。
光重合性樹脂組成物には、上記の各成分に加え、着色物質、発色系染料、安定剤、可塑剤等の各種添加剤を含有させることができる。
実施形態の別の態様は、上述した光重合性樹脂組成物を支持体上に積層してなる、光重合性樹脂積層体を提供する。光重合性樹脂積層体は、典型的には、光重合性樹脂組成物からなる光重合性樹脂層とその層を支持する支持体とからなるが、必要により、光重合性樹脂層の支持体と反対側の表面に保護層を有していても良い。ここで用いられる支持体としては、露光光源から放射される活性光線を透過する透明なものが望ましい。このような支持体としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、塩化ビニリデン共重合フィルム、ポリメタクリル酸メチル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、スチレン共重合体フィルム、ポリアミドフィルム、セルロース誘導体フィルム等が挙げられる。これらのフィルムとしては、必要に応じ延伸されたものも使用可能である。支持体(特にフィルム)のヘーズは5以下であることが好ましい。支持体(特にフィルム)の厚みは、薄い方が画像形成性及び経済性の面で有利であるが、強度を維持する観点等から、10〜30μmが好ましい。
実施形態の別の態様は、上述した光重合性樹脂組成物を基板上に積層する積層工程、該光重合性樹脂組成物を露光する露光工程、及び該光重合性樹脂組成物の未露光部を除去することによってレジストパターンを形成する現像工程を含む、レジストパターンの形成方法を提供する。レジストパターンの具体的な形成方法の一例を示す。
まず、積層工程においては、例えばラミネーターを用いて光重合性樹脂組成物を基板上に積層する。光重合性樹脂組成物は、典型的には、支持体及び任意に保護層と組合された前述の光重合性樹脂積層体の形態で、光重合性樹脂層として基板上に形成できる。具体的には、例えば、光重合性樹脂積層体が保護層を有する場合には保護層を剥離した後、ラミネーターで光重合性樹脂層を基板表面に加熱圧着し積層する。この場合、光重合性樹脂層は基板表面の片面だけに積層しても良いし、両面に積層しても良い。この時の加熱温度は一般的に40〜160℃である。また、該加熱圧着は2回以上行うことにより密着性及び耐薬品性が向上する。この時、圧着には二連のロールを備えた二段式ラミネーターを使用しても良いし、基板と光重合性樹脂積層体とを重ねて何回か繰り返してロールに通し両者を圧着しても良い。
次に、露光工程では、露光機を用いて光重合性樹脂組成物を露光する。必要ならば支持体を剥離しフォトマスクを通して活性光線により露光する。露光量は、光源照度及び露光時間より決定され、光量計を用いて測定しても良い。
次に、現像工程では、現像装置を用いて、光重合性樹脂組成物の未露光部を除去する。上記露光後、光重合性樹脂層上に支持体がある場合には、必要に応じてこれを除き、続いてアルカリ水溶液の現像液を用いて未露光部を除去し、レジストパターンを得る。アルカリ水溶液としては、Na2CO3、K2CO3等の水溶液を使用できる。これらは光重合性樹脂層の特性に合わせて選択されるが、0.2〜2質量%の濃度、20〜40℃のNa2CO3水溶液が一般的である。該アルカリ水溶液中には、表面活性剤、消泡剤、現像を促進させるための少量の有機溶剤等を混入させてもよい。
別の実施形態は、上述したレジストパターン形成方法の各工程に加え、レジストパターンが形成された基板をエッチング又はめっきする配線パターン形成工程、及び基板からレジストパターンを剥離する剥離工程を含む、回路基板の製造方法を提供する。すなわち、回路基板(具体的にはプリント配線板)の製造方法は、基板として例えば銅張積層板又はフレキシブル基板を用い、上述のレジストパターンの形成方法に続いて、以下の工程を経ることで実施できる。
現像によりレジストパターンが形成されて露出した基板の表面(例えば銅面)に対してエッチング又は既知のめっき法によるめっきを施して配線パターンを形成する。めっき法として特に制限はないが、銅、半田、錫、ニッケル、パラジウム、金、銀等を用いるめっき法が挙げられる。めっき方法は電解めっきでも良いし、無電解めっきでも良い。
配線パターン形成工程の後、レジストパターンを、例えば現像液よりも強いアルカリ性を有する水溶液により基板から剥離して、所望の回路基板(プリント配線板)を得る。剥離用のアルカリ水溶液(以下、「剥離液」ともいう。)について特に制限はないが、2〜5質量%の濃度で、かつ40〜70℃のNaOH、KOH又は有機アミン化合物の水溶液が一般的に用いられる。剥離液に少量の水溶性溶媒を加えることが可能である。
実施形態の別の態様は、上述したレジストパターン形成方法の各工程に加え、レジストパターンが形成された基板をエッチングする導体パターン形成工程、及び基板からレジストパターンを剥離する剥離工程を含む、リードフレームの製造方法を提供する。
実施形態の別の態様は、上述した光重合性樹脂組成物を、LSIとしての回路形成が終了したウェハを基板として用いて、上記のレジストパターン形成方法によってレジストパターンを形成し、さらに該レジストパターンが形成されたウェハ基板をめっきするめっき工程、及び該めっき工程後のウェハ基板からレジストパターンを剥離する剥離工程を行う、半導体パッケージの製造方法を提供する。すなわち、半導体パッケージの製造方法は、基板としてLSIとしての回路形成が終了したウェハを用い、上述のレジストパターンの形成方法に続いて、以下の工程を経ることで実施できる。
光重合性樹脂組成物を典型的には光重合性樹脂積層体の形態でドライフィルムレジストとして用い、サンドブラスト工法により基材に加工を施すことにより、凹凸パターンを有する基材を形成することもできる。この場合には、基材上に、上記したレジストパターンの形成方法と同様の方法で、光重合性樹脂積層体をラミネートし、露光、現像を施す。更に形成されたレジストパターン上からブラスト材を吹き付け、目的の深さに切削するサンドブラスト処理工程、及び基材上に残存した樹脂部分をアルカリ剥離液等で基材から除去する剥離工程を経て、基材上に微細なパターンを加工することができる。上記サンドブラスト処理工程に用いるブラスト材としては公知のものが用いられ、例えばSiC、SiO2、Al2O3、CaCO3、ZrO、ガラス、ステンレス等の粒径2〜100μm程度の微粒子が用いられる。
実施例及び比較例における光重合性樹脂積層体は次の様にして作製した。
表1に示す化合物を用意し、表2に示す組成割合で光重合性樹脂組成物を調製した。なお表1中の「重合比」とは質量比であり、「%」とは質量%である。なお、表2におけるA−1〜A−3の質量部は、メチルエチルケトンを含まない樹脂成分のみの値である。
上記の光重合性樹脂組成物をよく攪拌、混合し、支持体として16μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人フィルム(株)製、GR−16)の表面にバーコーターを用いて均一に塗布し、95℃の乾燥機中で4分間乾燥して光重合性樹脂層を形成した。光重合性樹脂層の厚みは40μmであった。
下記(1)の評価用基板としては、35μm厚の圧延銅箔を積層した1.6mm厚の銅張積層板を用い、表面を湿式バフロール研磨(スリーエム(株)製、スコッチブライト(登録商標)HD#600、2回通し)した。
評価に必要なマスクフィルムを支持体であるポリエチレンテレフタレートフィルム上におき、超高圧水銀ランプ((株)オーク製作所製、HMW−801)により、ストーファー製21段ステップタブレットが8段となる露光量で、光重合性樹脂層を露光した。
ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離した後、アルカリ現像機(フジ機工製、ドライフィルム用現像機)を用いて30℃の1質量%Na2CO3水溶液を所定時間スプレーし、光重合性樹脂層の未露光部分を最小限像時間の2倍の時間で溶解除去した。この際、未露光部分の光重合性樹脂層が完全に溶解するのに要する最も少ない時間を最小現像時間とした。
めっき後の評価基板に、50℃に加温した3質量%の水酸化ナトリウム水溶液をスプレーして硬化したレジストを剥離した。
(1)解像性評価
ラミネート後15分経過した解像度評価用基板を、露光部と未露光部の幅が1:1の比率のラインパターンで露光した。最小現像時間の2倍の現像時間で現像し、硬化レジストラインが正常に形成されている最小マスク幅を解像度の値とし、解像性を下記のようにランク分けした。
◎:解像度の値が20μm以下
○:解像度の値が20μmを超え、24μm以下
△:解像度の値が24μmを超え、28μm以下
×:解像度の値が28μmを超える
ラミネート後15分経過した剥離性評価用基板を、4cm×5cmのベタパターンのマスクを通して露光し、現像した。ベタパターンを形成した基板を、50℃の3%水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬して、ベタパターンのレジストが完全に基板から剥離されるまでの時間を測定した。この剥離時間により下記のようにランク分けした。
◎:剥離時間が44秒以下
○:剥離時間が44秒を超え47秒以下
△:剥離時間が47秒を超え50秒以下
×:剥離時間が50秒を超え53秒以下
××:剥離時間が53秒を超える
同様に50℃の3%水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬して、剥離されたベタパターンのレジスト片をスリットノズル0.1MPaの水洗水で10秒シャワーし、剥離片の形状を観察した。この剥離片の形状により下記のようにランク分けした。
◎:剥離片が砕け、一片が1mm角程度の大きさになる
○:剥離片が砕け、一片が5mm角程度の大きさになる
△:剥離片が砕け、一片が10mm角程度の大きさになる
×:剥離片が数片にしか砕けない
Claims (8)
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の光重合性樹脂組成物を、支持体上に積層してなる、光重合性樹脂積層体。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の光重合性樹脂組成物を、基板上に積層する積層工程;該光重合性樹脂組成物を露光する露光工程;及び該光重合性樹脂組成物の未露光部を除去することによってレジストパターンを形成する現像工程を含む、レジストパターンの形成方法。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の光重合性樹脂組成物を、基板上に積層する積層工程;該光重合性樹脂組成物を露光する露光工程;該光重合性樹脂組成物の未露光部を除去することによってレジストパターンを形成する現像工程;該レジストパターンが形成された該基板をエッチング又はめっきする配線パターン形成工程;及び該配線パターン形成工程後の基板からレジストパターンを剥離する剥離工程を含む、回路基板の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の光重合性樹脂組成物を、金属板である基板上に積層する工程;該光重合性樹脂組成物を露光する露光工程;該光重合性樹脂組成物の未露光部を除去することによってレジストパターンを形成する現像工程;該レジストパターンが形成された該基板をエッチングする導体パターン形成工程;及び該導体パターン形成工程後の基板からレジストパターンを剥離する剥離工程を含む、リードフレームの製造方法。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の光重合性樹脂組成物を、LSIとしての回路形成が終了したウェハに積層する積層工程;該光重合性樹脂組成物を露光する露光工程;該光重合性樹脂組成物の未露光部を除去することによってレジストパターンを形成する現像工程;該レジストパターンが形成された該ウェハをめっきするめっき工程;及び該めっき工程後のウェハからレジストパターンを剥離する剥離工程を含む、半導体パッケージの製造方法。
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