JP5904532B2 - 赤外レーザ光を用いた光無線通信装置の光アンテナ - Google Patents

赤外レーザ光を用いた光無線通信装置の光アンテナ Download PDF

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Description

光無線通信において、10Gbps/sを超える伝送容量を持った新しい光無線通信システムを実用化するため、既存のシングルモード光ファイバ(Single Mode Fiber、以後「SMF」とも記載する)との接続を前提とし、自由空間を伝送した光を直接光ファイバに結合する光無線通信方式が開発されている。
光ファイバ技術を活用した光無線通信装置の主な光学系は、光ファイバ通信で用いられている波長1.31μmあるいは1.55μmのレーザ光に対して、装置外の空間光と装置内の空間光のビーム径を変換するビームエキスパンダと装置内の空間光を光ファイバに効率良く導入するためのファイバカップラ用結像レンズである。光アンテナであるビームエキスパンダは装置外からの空間光を集光する対物レンズと集光した光ビームを小口径の平行ビームに変換する接眼レンズから構成される。この際、一般に用いられているビームエキスパンダでは対物レンズには長い焦点距離を持った凸レンズ、接眼レンズには短い焦点距離を持つ凹レンズが用いられる。この構成はガリレオ型の望遠鏡と同じである。
しかしながら、光無線通信用の光アンテナ(ビームエキスパンダ)では射出瞳の位置にミラー駆動機構をおいて、装置内部のビームの変位を小さくする必要がある。このためには、接眼レンズにも凸レンズを用いるケプラー型の望遠鏡と同一の構成が必要になる。ケプラー型の構成を持ったビームエキスパンダは市販されていないので、上記の波長帯のレーザ光の結像に必要な回折限界の光学特性と光パワー損失の少ない良好な透過率を持ったビームエキスパンダを設計し、安価に製造する技術が必要とされている。
ところで、顕微鏡対物レンズや望遠鏡の対物レンズでは、無収差の基準として、入射面から焦点の参照面に向かって光線追跡を行い、複数の入射光線について光路差(OPD)を求めて、その最大値がλ/4以下となることや、入射光束全体について光路差の2乗平均を求め、その平方根(rms値)がλ/13以下になるといった条件が用いられる。以下の説明では、レーザ光に対する回折限界の結像条件として、入射光束全体にわたる光路差の2乗平均の平方根(この値を総合波面収差と呼ぶ)がλ/10(rms)以下であることをその波面収差の条件とする。
光無線通信装置に用いられるビームエキスパンダの対物レンズと接眼レンズには、装置の振動や熱膨張等によるレーザ光の入射角変動を許容するため、0.2度から4.0度までの幅広い入射角に対して回折限界の性能を維持する必要がある。
つまり、超高速の光ファイバ直結型の光無線通信装置に用いられるビームエキスパンダには、波長多重に対応する適度な色消し特性と、空間を飛来するレーザビームの入射角変動に対応できる大きな視野角が求められる。
光無線通信でも設置の容易性、製造費用の削減の要求から光学系の小型化が求められている。光無線通信で用いられるビームエキスパンダは所謂アフォーカル結像光学系であるが、軸長を短くして小型化するために、対物レンズと接眼レンズの間に凹レンズを入れる構成(特許文献1を参照)あるいは反射鏡を用いて光路を折りたたむ構成(特許文献2を参照)が開示されている。
しかしながら、特許文献1、で開示されている構成では焦点距離に関する結像条件が考慮されているだけで、上記の広い視野にわたる回折限界の結像性能を達成するための光学的な条件は考慮されていない。また、特許文献2で開示されている構成では、視野が画角で1mrad(0.058度)と狭いため、光通信装置全体を何らかの駆動機構の上に設置して、レーザ光の入射角変動をこの視野以内に収める必要があった。これらの文献に限らず、従来のレーザビームエキスパンダでは、軸上光線の結像性能だけが問題であり、良好な軸外の結像性能を得ることは不可能と考えられてきた。
特開平8−68936号公開公報 特開平5−72477号公開公報
可視光の領域のカメラレンズ等とは異なり、赤外波長帯で回折限界の結像性能を持った光学系は一般的でなく、市販製品も少ないため、従来は当該波長帯で特別に設計・製造されたレンズや反射鏡を用いて、高精度の光学系保持機構と合わせて装置を組み立てる必要があった。このため、量産効果も期待できず、大変高価な(1台あたり数百万以上)装置になる場合が多かった。また、従来の集光光学系では回折限界の結像性能が保証できる視野は、倍率10倍の場合で0.2度程度と比較的狭く、装置の設置調整に困難が伴う場合が多かった。
そこで本発明では光無線通信用に、波長が1.0μmから1.6μmの赤外波長域で回折限界の結像性能を従来の4倍以上の広い視野で提供できる光学系を、2枚あるいは3枚の市販レンズの組み合わせにより安価に製作する方法を提供することを課題とする。
請求項1に記載された発明に係る光アンテナは、外部空間に向けられた対物レンズ及び装置内に向けられた接眼レンズを有するケプラー型の光無線通信装置用の光アンテナであって、前記対物レンズが、一般の結像用に光学収差が補正された単レンズ、ダブレットレンズあるいはトリプレットレンズから選択される一つ又は二つのレンズで構成され、前記接眼レンズが、一般の結像用に光学収差が補正された単レンズ、ダブレットレンズあるいはトリプレットレンズから選択される一つ又は二つのレンズで構成され,前記接眼レンズの最前面の曲率半径と最後面の曲率半径との比が0.8乃至1.2であり、前記対物レンズと前記接眼レンズとの間に補正レンズとして1枚の平凹レンズが対物レンズ側に凹面を向けて配置され、前記補正レンズの位置が前記対物レンズの焦点距離の0.25倍乃至0.9倍の範囲で、前記対物レンズと前記接眼レンズの光学収差を同時に補正する位置であることを特徴とする。
請求項2に記載された発明に係る光アンテナは、請求項1に記載の光アンテナにおいて、前記対物レンズが貼り合わせ凸ダブレットレンズ及び単レンズからなり前記接眼レンズが貼り合わせ凸トリプレットレンズからなることを特徴とする。
本発明による光アンテナを使用することにより、ミラー駆動機構を動作させた状態で、複数の波長(例えば1.31μ、1.55μm)の空間を通して伝送されるレーザ光と、シングルモードファイバ中を伝搬するファイバ光を損失無く結合することができ、将来、この波長帯を全て利用する100Tbpsを超える超大容量の光無線通信が必要になった場合でもその光学系を安価に提供することができる。また本発明による光アンテナは視野角が広いので、従来、光無線通信装置全体の方向を制御するために用いられて来たモータや角度センサ等の機構部品を省略することが可能になり、小型でより実用性の高い光無線通信装置を実現することができる。さらに、本発明の適用範囲は光無線通信に限らず、回折限界の光学系を必要とするレーザレーダ(ライダー)やレーザ測距装置などの光計測分野への適用することができる。
光無線通信装置の光学系構成図である。 光無線通信装置の全体構成図である。 請求項1に記載の光アンテナのレンズ形状と光路図である。 請求項2に記載の光アンテナのレンズ形状と光路図である。 請求項3に記載の光アンテナのレンズ形状と光路図である。 請求項4に記載の光アンテナのレンズ形状と光路図である。
図1に光無線通信装置の光学系構成図を示す。光学系全体は3つの部分、すなわち、外部空間からの光を受光して装置内へリレーするとともに、装置内からの光を外部空間へ放射する光アンテナになるビームエキスパンダ5、2軸一体型のミラー駆動機構4、追尾センサを内蔵したファイバカプラ部から構成される。図1には、一点鎖線で示す、ビームエキスパンダの光軸に沿って入射した光線を実線で、大きな到来角で入射した光線を点線で示している。
追尾センサの誤差信号によりミラーを駆動し、ファイバカプラ部への入射条件を一定にするためには、光アンテナの射出瞳をミラー駆動機構の位置に一致させる必要がある。従ってビームエキスパンダの構成としてガリレオ型でなく、図1に示すケプラー型を採用する必要がある。
空間光とSMFとの結合効率の劣化を1dB以下に収めるために、光学系全体としての収差を波長の1/13(rms)以下になるように設計する。このような回折限界の結像条件を満たすため、従来は、レンズ等の結像系の開口を絞る(例えば単レンズではNAを0.06以下にする)ことにより収差の増大を抑えることが行われてきた。あるいは、図1に示すファイバカプラ部の結像レンズのように軸上での結像性能だけが問題であれば非球面レンズを用いることにより回折限界の性能が実現できる。しかしながら、光学系全体を小型・軽量化するためには、前者のような長焦点の光学系は採用できず、後者の非球面レンズでは大きな入射角の変動に対応できないといった問題があった。
ビームエキスパンダの倍率をMとすると、相手局からの光ビーム径を1/M倍に縮小するとともにビームの振れ角がM倍になるので、接眼レンズには広い視野にわたって回折限界の結像特性が要求される。図1の点線で示される軸外し光ビームを見ると、対物レンズ側では主光線と光軸がほぼ平行であり、接眼レンズ側では主光線が光軸と平行とは言えないのでこの光アンテナは物側テレセントリックの結像をしていると考えられる。
具体的な数値で説明すると、今回開発して光無線通信装置の場合、内部ビーム径は2mmで、1km程度の伝送距離に用いるためには20mm程度のビーム径が必要なことからビームエキスパンダの倍率は10程度となる。また、対物レンズと接眼レンズのNAは0.1程度が必要になる。
一方、装置の設置条件から0.4度程度の到来角変動を許容するとすれば、倍率10倍のビームエキスパンダを用いる場合は4度程度のビームの振れ角を補償する必要があり、接眼レンズはこれと同じ大きさのビームの振れ角変動においても回折限界の結像特性が求められる。
上記に説明したように、ミラー駆動機構を持ったSMF結合光学系には、広視野かつ比較的大きなNA(〜0.1)を持つ回折限界の結像光学系が必要である。従来はこのような条件を満たす接眼レンズは多数の組レンズで構成される場合が多かったが、市販されているレンズを使用しその配置を工夫することにより必要な性能を満たす光学系が製造可能になった。
図2にミラー駆動機構を用いた追尾機能を有する光学系の具体例を示す。図1の光学系に加えて4分割Siフォトディテクタによる追尾センサ11と波長980nm帯のビーコン光の光源9が増えている。図2ではビーコン光を点線で、波長1.55μmの信号光を実線で示している。
光学系の構成要素を極力少なくするため、追尾センサ11はファイバカプラ部と一体化している。SMFを保持する透明なガラスフェルールを用い空間光をファイバ光と結合するとともにSMFの外側に漏れてくるビーコン光を斜めカットしたミラーにより追尾センサ11へ導いている。送信用ビーコン光は信号光と波長多重カプラ7により多重化されて、ファイバカプラ部へ供給される。
ビーコン光と信号光を波長多重カプラ7で多重化することにより2つの異なる波長の光ビームについて同軸性が常に保たれる。
送受信のビーコン光をSMFの端面で空間的に分離するために、受信ビーコン光についてはファイバカプラ部内のファイバ結像レンズ3の焦点位置をSMF端面から少なくとも1mm前側に置く必要がある。一方、送信ビーコン光については、安定なビーコン追尾を受信側で維持するために、光アンテナから送信する際に2ミリラジアン程度の適度なビーム広がりを持たせる必要がある。
ビーコン光についての上記の2つの条件を満たすために、レンズに一定の色収差を持たせて1.5μm帯の信号光は平行光に、0.98μm帯のビーコン光は受信点で十分な大きさをもつような収束・発散光を送信するようにしている。
一般に光学ガラスは波長が短いほど強い屈折力を有しているため、この特性を用いて図2の点線に示すように光アンテナから送信直後に一旦焦点を結び、その後、必要なビーム広がりを持ったビームとなって受信点に到達する。
図2においてミラー駆動機構は2軸の自由度を有し、2mm角の4分割Siフォトディテクタによる追尾センサ11からの誤差信号に基づいて駆動されて、光無線通信装置の追尾機能を実現している。
波長1.5μmの信号光に対する装置全体の内部損失は2.2dBである。この数値には空間光とSMFとの理論結合損失0.9dBが含まれているので、光ファイバ直結型の光無線装置としての低損失化はほぼ限界に達している。
従来、このような高精度の光学系は、特別に設計・製作した光学部品を微調機構とともに、高価な測定器を用いて組み立てることが常識であったが、本装置ではSMFの結像点で1μm以下の精度(外部のビーム角度にすると1μrad)を実現しているにもかかわらず、ビームエキスパンダの焦点調節機構とミラー駆動機構以外には微調整機構は一切用いていない。
上記が実現できた理由は、(1)SMFが理想的な点光源でありこの開口から複数の波長の光を送受することで軸合わせの要求が緩和されている。(2)使用するレーザ光の波長が可視光に比べて長いので、市販されているレンズでも良好な波面収差特性が得られる。(3)空間光のビーム径をなるべく小さくして波面収差の影響を軽減している。ことにある。
[実施例1]ビーム口径20mm用の光アンテナ
図3の構成で有効径20mm、倍率10倍のビームエキスパンダを実現した例を示す。第1レンズA1は、Edmund Optics社の45806−Lで焦点距離f=100mmの貼り合わせダブレット、第2レンズA2はThorlabs社のAC060−010−Cで焦点距離f=10mmの貼り合わせダブレットで2つのレンズ間隔は103.5mmである。第2レンズA2の前面の曲率半径は9.20mm、後面の曲率半径は10.35mmで、請求項1の接眼レンズの曲率半径に関する条件を満たしている。
この構成で、口径20mmの入射ビームに対して全角0.8°で回折限界の性能を示すことが分かった。光アンテナとファイバ結像レンズを含めた光学系全体の光学収差を表1に示す。最初の行が全体の光学収差、A1の行とA2の行が光アンテナを構成するレンズA1,A2の光学収差を、A3の行がファイバ結像レンズの収差を示す。縦の列は順番に球面収差、コマ、非点収差、像面湾曲、像面歪曲、色収差を示す。表1から収差の主要な成分は、光アンテナ第1レンズの球面収差であることが分かる。
実施例1の2枚組10倍光アンテナの光学収差特性を表1に示す。
Figure 0005904532
これらのレンズはビーコン光の波長(982/972nm)から信号光の波長(1550nm)までの波長帯で無反射コーティングを施した市販ダブレットレンズの中から最適な組み合わせを選定した。この候補として、Edmund社の赤外通信用ダブレットのNIRIIコート品を使用することができる。また、ThorLab社のレンズもCコートを指定することにより、1050nmから1550nmの波長帯で良好な無反射コート特性を持つ製品を選定することができる。
次に、市販されているEdumumd Optics社、Thorlabs社、及びCVI社の赤外コートレンズの中から図4の構成を用いて設計・製作した光アンテナのリストを表2に示す。表2に示すレンズの組み合わせにより、倍率4倍から20倍までの広視野・回折限界のビームエキスパンダが実現できた。
この表の中で接眼レンズとして用いたAC064−013−Cの前面の曲率半径は12.42mm、後面の曲率半径は13.15mmである。このレンズも請求項1の接眼レンズの曲率半径に関する条件を満たす赤外レーザ結像用ダブレットであり広い視野で良好な結像性能がえられる。また、図4で追加された補正レンズである第2レンズB2の位置は第1レンズB1の焦点距離の0.25〜0.9倍で良好な収差補正特性が得られた。以下に代表的な2つの例、表2のe及びaについて構成を説明する。
表2に試作に用いたレンズ、アンテナ口径、倍率、有効視野角の関係を示す。
Figure 0005904532
[実施例2]ビーム口径13mm用の光アンテナ(表2のeの行)
距離が10m程度の近距離伝送に使うことを想定して、図4に示す3枚のレンズ構成で、表2のeの行に示すレンズを用い有効口径15mmの近距離光アンテナを設計・製作した。ビームエキスパンダの倍率は6.5倍である。第1レンズB1は、Edmund Optics社の45802−Lで焦点距離f=45mmの貼り合わせダブレット、第2レンズB2は補正レンズでThorlabs社のLC1439−Cで焦点距離f=−50mmの平凹レンズ、第3レンズB3はThorlabs社のAC060−010−Cで焦点距離f=10mmの貼り合わせダブレットである。
第1レンズB1と第2レンズB2の間隔は22.9mm、第2レンズB2と第3レンズB3の間隔は28.0mmである。補正レンズB2の位置は対物レンズと接眼レンズの光学収差が同時に補正されるように決め、対物レンズB1の焦点距離45mmの0.51倍になっている。
この構成で、口径12.9mmの入射ビームに対して、全角視野2.0°にわたって回折限界の精度が得られた。上記に説明した表2のeの行の構成による光アンテナとファイバ結像レンズを含めた光学収差を表3に示す。最初の行が光学系全体の収差を、B1の行からB3の行が光アンテナを構成する各レンズの収差、B4の行がファイバ結像レンズの収差を示す。表1に示した2レンズ構成の光アンテナに比べて、第2レンズB2によって特に第1レンズの球面収差とコマの大半が補正できていることが分かる。
実施例2(表2のeの行の光アンテナ)の3枚組6.5倍光アンテナの光学収差特性を表3に示す。
Figure 0005904532
[実施例3]ビーム口径42mm用の光アンテナ(表2のaの行)
図4の構成で、Edmund Optics社の直径50mmの大口径貼り合わせダブレットを用いて設計した、倍率21倍のビームエキスパンダの結果を示す。表2のaの行に示すレンズを用い、第1レンズB1は、Edmund Optics社の47318−Lで焦点距離f=150mmの貼り合わせダブレット、第2レンズB2はCVI社のPLCC−15.0−38.6−C−1050−1600で直径15mm、焦点距離f=−75mmの平凹レンズ、第3レンズB3はThorlabs社のAC060−010−Cで焦点距離f=10mmの貼り合わせダブレットである。
第1レンズB1と第2レンズB2の間隔は119.4mm、第2レンズB2と第3レンズB3の間隔は36.4mmである。補正レンズB2の位置は対物レンズと接眼レンズの光学収差が同時に補正されるように決め、対物レンズB1の焦点距離45mmの0.796倍になっている。
この構成で、口径42mmの入射ビームに対して、全角視野0.6°にわたって回折限界の精度が得られた。表2のaの行の構成による光アンテナとファイバ結像レンズを含めた光学収差を表4に示す。最初の行が光学系全体の収差を、B1の行からB3の行が光アンテナを構成する各レンズの収差、B4の行がファイバ結像レンズの収差を示す。第2レンズB2(平凹レンズ)によって特に第1レンズのコマと非点収差の大半が補正できているが、球面収差の補正効果は表3よりも少なくなっている。
実施例3(表2のaの行)の3枚組21倍の光アンテナの光学収差特性を表4に示す。
Figure 0005904532
[実施例4]ビーム口径46mm用の光アンテナ
対物レンズに複数の組レンズを用いた図5の構成で倍率23倍のビームエキスパンダを設計した結果を示す。対物レンズ(第1レンズC1と第2レンズC2)にはThorlabs社のAC508−250−C及びLE1985−Cを用いている。また第3レンズC3にはThorlabs社の焦点距離f=−25mmの平凹レンズLC1054−Cを用いる。第4レンズC4には図4と同じThorlabs社のAC060−010−Cを用いている。第1レンズC1と第2レンズC2の間隔は1mm、第2レンズC2と第3レンズC3の間隔は118.6mm、第3レンズC3と第4レンズC4の間隔は22.5mmである。
この構成で、口径45.9mmの入射ビームに対して、全角視野0.4°にわたって回折限界の精度が得られた。光アンテナとファイバ結像レンズを含めた実施例4の光学系の光学収差を表5に示す。最初の行が光学系全体の収差を、C1の行からC4の行が光アンテナを構成する各レンズの収差、C5の行がファイバ結像レンズの収差を示す。
第3レンズC3(平凹レンズ)によって第1レンズC1の球面収差、コマと非点収差の大半が補正できている。視野が実施例3よりも小さくなった原因は第4レンズC4(接眼レンズ)の光線高が大きくなって収差が急激に増加するためである。しかしながら、このビーム口径、入射角で回折限界の性能を示すビームエキスパンダは従来の技術では実現できなかったものである。ビームエキスパンダの全長は168mmで、倍率23倍としては小型になった。
実施例4の4枚組23倍の光アンテナの光学収差特性を表5に示す。
Figure 0005904532
[実施例5] 広視野の光アンテナ
実施例4の光アンテナで視野を制限している要因が接眼レンズの光学性能であることが分かったので、より広視野にするために、実施例3の構成で第3レンズに使用している貼り合わせダブレット(2枚組)から三枚の貼り合わせトリプレットレンズ構成に変えたのが図6の構成である。この第3レンズD3(接眼レンズ)の対称型の貼り合わせ3枚組レンズとして市販レンズの中でこのような構成のレンズは、Edmund Optics社のSteinheilトリプレットレンズしかなく、表面の無反射コートも赤外波長までは対応していない。
そこで、第3レンズD3を市販されている焦点距離12.5mmのSteinheilトリプレット47673−Lを用いて、結像性能を評価した。残りのレンズは実施例3と同じである。この構成で、倍率は17.5倍となり口径35mmの入射ビームに対して、全角で0.8°まで回折限界の光学性能が得られた。この実施例5の光学収差の計算結果を表6に示す。このような対称構成のトリプレットでは、前面の曲率半径と後面の曲率半径が等しくなり、請求項1の条件を満たす。
実施例5の3枚組の接眼レンズを用いた17.5倍光アンテナの光学収差特性を表6に示す。
Figure 0005904532
[実施例6] 大口径かつ広視野の光アンテナ
さらに、実施例4で用いた対物レンズ群(C1,C2)に実施例5で用いた貼り合わせ3枚組の接眼レンズD3とを組み合わせることにより、大口径かつ広視野の光アンテナが実現できた。この構成が請求項5に対応する。光アンテナを構成するレンズの数が増加すると、各面での反射損失やゴーストの影響が増加し、重量やコストも増加するので、最適なレンズ構成がどれかは必要な視野やビーム口径によって変わってくるが、本実施例を参考にすることにより、市販レンズの中から最適な組み合わせを選択することにより、従来考えられなかった光学性能を持った光アンテナ(ビームエキスパンダ)が実現できることが分かった。
1 対物レンズ
2 接眼レンズ
3 ファイバ結像レンズ
4 ミラー駆動機構
5 光アンテナ(ビームエキスパンダ)
6 ガラスフェルール
7 波長多重カプラ
8 ファイバカプラ部
9 ビーコン光の光源
10 干渉フィルタ
11 4分割Si−PD

Claims (2)

  1. 外部空間に向けられた対物レンズ及び装置内に向けられた接眼レンズを有するケプラー型の光無線通信装置用の光アンテナであって、
    前記対物レンズが、一般の結像用に光学収差が補正された単レンズ、ダブレットレンズあるいはトリプレットレンズから選択される一つ又は二つのレンズで構成され、
    前記接眼レンズが、一般の結像用に光学収差が補正された単レンズ、ダブレットレンズあるいはトリプレットレンズから選択される一つ又は二つのレンズで構成され、
    前記接眼レンズの最前面の曲率半径と最後面の曲率半径との比が0.8乃至1.2で あり、前記対物レンズと前記接眼レンズとの間に補正レンズとして1枚の平凹レンズが対物レンズ側に凹面を向けて配置され、前記補正レンズの位置が前記対物レンズの焦点距離の0.25倍乃至0.9倍の範囲で、前記対物レンズと前記接眼レンズの光学収差を同時に補正する位置であることを特徴とする光アンテナ。
  2. 前記対物レンズが貼り合わせ凸ダブレットレンズ及び単レンズからなり前記接眼レンズが貼り合わせ凸トリプレットレンズからなることを特徴とする請求項1に記載の光アンテナ。
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