JP5904326B2 - Nmr装置のセットアップ方法 - Google Patents

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Description

本発明は、高感度核磁気共鳴(NMR)装置のセットアップ方法に関する。
NMR(核磁気共鳴)装置は、スピン磁気モーメントを有する原子核に静磁場を印加し、該スピン磁気モーメントにラーモアの歳差運動を発生させて、そこに歳差運動と同じ周波数の高周波を照射して共鳴させることにより、該スピン磁気モーメントを有する原子核の信号を検出する分析装置である。
図1はNMR装置の概略構成図である。高周波発振器1で発生された高周波は、位相制御器2及び振幅制御器3によって位相と振幅時間幅(パルス幅)を制御され、高周波パルスとして電力増幅器(パワーアンプ)4に送られる。
電力増幅器4で、NMR信号を励起するために必要な電力にまで増幅された高周波パルスは、デュプレクサ5を介してNMRプローブ6に送られて、NMRプローブ6内に置かれた図示しない照射・検出コイルから被測定試料に照射される。
高周波パルス照射後、被測定試料が発生する微弱なNMR信号は、前記照射・検出コイルにより検出され、デュプレクサ5を介して前置増幅器(プリアンプ)7に送られ、受信器8で取り扱い可能な信号強度にまで増幅される。
受信器8は、前置増幅器7で増幅された高周波のNMR信号を、デジタル信号に変換可能なオーディオ周波数に周波数変換し、同時に振幅の制御を行なう。受信器8でオーディオ周波数に周波数変換されたNMR信号は、アナログ−デジタルデータ変換器(A/D変換器)9によってデジタル信号に変換され、制御コンピュータ10に送られる。
制御コンピュータ10は、位相制御器2及び振幅制御器3を制御すると共に、時間領域で取り込んだNMR信号をフーリェ変換処理し、フーリェ変換後のNMR信号の位相を補正した後、NMRスペクトルとして表示する。
NMR装置は、観測核に発生した局所的な磁場を検出コイルにより精密に検知する。得られた磁場データには、外部磁界のほか、周囲に存在する原子からの超微細磁場の情報が含まれる。超微細磁場は、周囲に配位する原子の位置や、観測核と周辺原子との結合状態に依存する。得られた磁場データを緻密に解析することにより、原子レベルでの試料の化学同定や、タンパク質をはじめとした高分子の構造解析が可能となる。
磁場データから超微細磁場の情報を抽出するには、NMR信号の高分解能観測を実現すること、そしてその目的のために、試料空間において外部磁界の高均一性を達成することが重要になる。何らかの理由で発生する外部磁界の不均一は、磁場データから超微細磁場を抽出する上で誤差を与える。不均一な磁場を与える要因として、試料空間に近接する部材の磁化が挙げられる。特に、局所磁場を検知する検出コイルは、その磁化がゼロでなければ、試料空間に乱れた磁場を発生する。
通常、高分解能を特徴とするNMR装置には、試料空間の磁場ひずみを補正するシム装置が設けられているものの、その補正の次数は現実的に低次に限られ、複雑な形状となる検出コイルの磁化による不均一磁場の補正は困難である。よって、試料空間に近接しかつ複雑な形状を持つ検出コイルについては、試料空間に磁場ひずみを及ぼさないようにする
ために、その材料の磁化を完全にゼロにすることが求められる。
一方、化学同定や構造解析の精度を高めるには、分解能のほか、観測核からの信号検出感度も重要であることは言うまでもない。たとえば高分子のように異なった超微細磁場を持つ観測核が多種類存在するなら、相対的に少量となったすべての種類の観測核を検出できなければ、正しい分子構造を導き出せない。
電磁波を利用する他の手法、たとえばX線や光に比べ、NMRで検知する電磁波帯はRF領域であり1原子が発する電磁波エネルギーは非常に弱い。交差分極など弱い信号を相対的に強くする工夫がなされる一方で、弱い信号を高感度に検出する方法がこれまでに精力的に開発されてきた。
観測核からの電磁波をファラデーの電磁誘導の法則に基づいて検出する方法は、古典的であり、かつ広く知られた技術である。揺動散逸定理から、ファラデーの電磁誘導の法則に基づく検出コイルを使った方法では、ノイズはジョンソンノイズが支配的であり、コイルの温度の平方根、およびコイルの電気抵抗の平方根に比例することが知られる。ゆえにたとえば非特許文献1で述べられているように、冷却下で電気抵抗がほぼゼロにできる超伝導材料をコイル材料に選択することは、ファラデーの電磁誘導の法則に基づく検出コイルを使った方法の中では、観測核からのNMR信号の検出感度を高める上で、現在において最良の方法のひとつであると考えられる。
非特許文献2では、高感度性をもつ信号受信検出器として有望な、超伝導材料から成る検出コイルが取り上げられており、この文献に述べられた構成と動作を以下に説明する。まず装置の全体構成を図2(a)に、その中心部分の断面図を図2(b)に示す。
図中21は、試料に静磁場を印加するための超伝導マグネットシステムである。超伝導マグネットシステム21の中央部を軸芯に沿って縦に貫通するボア内に、低温NMRプローブ22が設置されている。低温NMRプローブ22の試料装填部の周りには、試料に印加される静磁場の持つX方向、Y方向、Z方向の磁場ひずみを補正するために、X、Y、Zの各方向に所望の強度分布を持つ磁場を発生させることのできる静磁場シムシステム23が低温NMRプローブ22と同心状に設けられている。低温NMRプローブ22は、プローブ冷却システム24から供給される冷媒によって冷却される。
図2(b)は、低温NMRプローブ22を静磁場H0軸と直交する平面で切ったときの
断面図である。図中32は断熱パイプ33内に挿入された試料である。試料32を囲むように、内側から1H核用検出コイル対31−1、2H核(ロック核)用検出コイル対31−2、13C核用検出コイル対31−3、15N核用検出コイル対31−4が互いに直交配置されながら、低温NMRプローブ22中に置かれている。各検出コイル対はヘルムホルツコイルを構成し、熱伝導率の高いセラミック(例えば、サファイヤや窒化アルミニウムなど)でできた平板状の基板上に、超伝導材料を素材として、巻回保持されている。各基板はプローブ冷却システム24により冷却されたベース30に取り付けられて低温に保持される。
低温NMRプローブ22の特徴は、試料温度調節用ガスを断熱パイプ33中に流して試料32を所望の温度に制御しながら、検出コイルをプローブ冷却システム24の冷却能により極低温にまで冷却することにある。この冷却によって、検出コイルの電気抵抗が下がり、コイルのQ値が上がる。合わせて、冷却によって電気的な熱雑音が低下する。これらの相乗効果で、NMR信号検出の高感度化が期待できる。
非特許文献1で取り上げられた検出コイル材料の超伝導化は、通常の金属材料を使用し
た場合に比べて、検出コイルの電気抵抗をさらに低下させ、より一層の感度向上を図ることを目的としている。
米国特許第5,565,778号公報 米国特許第5,986,453号公報
NMR利用に焦点を当てると、超伝導体の低減された高周波表面抵抗特性には、検出信号に混入する熱雑音を抑制する効果が期待される。しかしながら、超伝導体は、超伝導現象に伴う強い磁気シールド特性を合わせ持つ。この特性は、静磁場に対して逆方向の磁場を生じる、いわゆるマイスナー効果ゆえに、強力な磁化を発生し、試料空間の磁場均一度を乱し、結果として検出コイル近傍での磁場ひずみが試料を充填可能な空間の割合を低下させ、S/Nの劣化を招く。
S.Anlageは、非特許文献1で、酸化物高温超伝導体を使ったNMR検出コイルの特性を報告した。非特許文献1の中から表1を引用すると、室温環境で銅等の通常金属を使った検出コイルに比べ、低温環境で酸化物高温超伝導体を使った検出コイルは、そのQ値が40倍程度向上したと記載されている。一般に、NMR信号検出の感度は、検出コイルのQ値の平方根に比例することから、感度は後者において相対的に6.3倍程度が見込める計算に
なる。
非特許文献1の表1では、試料充填比(測定対象試料体積に対するコイル体積の比)についても言及している。室温環境で通常金属を使ったコイルの試料充填比を1とすると、低温環境で酸化物高温超伝導体を使ったコイルのそれは0.2程度とされる。一般に感度は
試料充填比の平方根に比例することから、感度は後者において相対的に0.45倍程度と半減される。
試料充填比が低くならざるを得ない理由として、フラットな基板を使ったコイルデザインを強いられることの他に、超伝導材料の強い磁気シールド特性ゆえに、磁場不均一性の悪影響を避けるために検出コイルと試料32との間を大きく隔離させざるを得ないことを挙げている。
特許文献1や非特許文献2では、試料中心で電場を弱め試料によるQ値劣化を防止するデザインの他、試料軸回りの対称性を高くしかつ適宜スリットを配置し、マイスナー効果による磁気シールドの源となるシールド電流を発生させ難いデザインを提案している。しかしながら、外部磁界軸回りのスリット対策は困難であり、また外部磁界軸方向の磁場均一度低下は避けられない。
本発明の目的は、上述した点に鑑み、超伝導体を用いたNMR検出コイルであっても、高い試料充填比を獲得できるような、高感度測定用NMR装置のセットアップ方法を提供することにある。
この目的を達成するため、本発明にかかるNMR装置のセットアップ方法は、
静磁界H0を試料に印加する超伝導マグネットシステム、
該静磁界H0と直交する向きに、試料に高周波磁場を印加して、観測核を磁気的に励起させるNMRプローブ、
該NMRプローブに内蔵され、磁気的に励起された観測核が放出するNMR信号を検出する第二種超伝導体からなる検出コイル、
該検出コイルを極低温に冷却し、検出コイルのQ値を高め、かつ熱雑音を低減させるクライオシステム、
を備えたNMR装置において用いられるセットアップ方法であって、
(1)外部磁界をH0+ΔH(ただしΔH>0)に設定し、前記検出コイルがまだ常伝導状態にあるときに、最終目標の静磁場強度H0よりもΔHだけ強い磁場を前記検出コイルに印加する工程、
(2)前記検出コイルを冷却し、超伝導転移温度Tc以下のT0に設定し、外部磁界H0+ΔHが前記検出コイルに印加された状態で、前記検出コイルを超伝導状態にする工程、
(3)外部磁界をH0+ΔH からH0まで下げ、前記検出コイルを超伝導状態に置いたまま、印加されている外部磁場をΔHだけ低い値にする工程、
の3つの工程を備えたことを特徴としている。
本発明のNMR装置のセットアップ方法によれば、
静磁界H0を試料に印加する超伝導マグネットシステム、
該静磁界H0と直交する向きに、試料に高周波磁場を印加して、観測核を磁気的に励起させるNMRプローブ、
該NMRプローブに内蔵され、磁気的に励起された観測核が放出するNMR信号を検出する第二種超伝導体からなる検出コイル、
該検出コイルを極低温に冷却し、検出コイルのQ値を高め、かつ熱雑音を低減させるクライオシステム、
を備えたNMR装置において用いられるセットアップ方法であって、
(1)外部磁界をH0+ΔH(ただしΔH>0)に設定し、前記検出コイルがまだ常伝導状態にあるときに、最終目標の静磁場強度H0よりもΔHだけ強い磁場を前記検出コイルに印加する工程、
(2)前記検出コイルを冷却し、超伝導転移温度Tc以下のT0に設定し、外部磁界H0+ΔHが前記検出コイルに印加された状態で、前記検出コイルを超伝導状態にする工程、
(3)外部磁界をH0+ΔH からH0まで下げ、前記検出コイルを超伝導状態に置いたまま、印加されている外部磁場をΔHだけ低い値にする工程、
の3つの工程を備えたことを特徴としているので、
超伝導体を用いたNMR検出コイルであっても、高い試料充填比を獲得できるような、NMNR装置のセットアップ方法を提供することができる。
従来の一般的なNMR装置の構成を示す図である。 従来の一般的な低温NMRプローブの構成を示す図である。 第2種超伝導体の磁化曲線の一例である。 本発明にかかるNMR測定方法の一実施例である。 試料Y123の磁化曲線測定結果の一例である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本発明を実施するための装置構成は、図2に示す従来の低温プローブを備えたNMR装置と同じである。そこで、本発明の説明においては、図2の構成番号をそのまま使用して説明を行なうものとする。
まず、検出コイル31の構成材料として、超伝導材料を使用することを前提として、高感度能と高分解能性を兼ね備えたNMR検出コイルを提案する。使用する超伝導材料は、第二種超伝導体である。第二種超伝導体の特徴は、磁界が侵入しない超伝導体領域と、磁束という形で磁界が侵入した常伝導状態とが共存する中間状態を有することである。
さらに、超伝導材料中において、格子欠陥や常伝導析出物が存在することが必要条件である。これは、後述するように意図的に作ったり、混入させたりしても良いし、意図せずとも製造過程で作られてしまうものを利用しても良い。
格子欠陥や常伝導析出物では、局所的に超伝導特性が壊れ、常伝導状態になっていると考えることができる。格子欠陥や常伝導析出物の磁気的な性質は、中間状態における磁束とほぼ等価であると考え得る。これの超伝導体領域における磁束と異なる点は、格子欠陥や常伝導析出物は結晶内を移動せず、また交わった磁束と相互作用して磁束を遠ざけない性質を持つことである。以下、このような格子欠陥や常伝導析出物をピン止め中心と呼ぶことにする。
ピン止め中心およびその周辺でトラップされた磁束の磁化をMpと呼ぶ。それ以外の超伝導体の磁化をMsと呼ぶ。また、NMR測定の際に設定したい磁界強度をH0、コイルの設定温度をT0、超伝導体の超伝導転移温度をTcとする。ただし、T0<Tcである。
以下に、超伝導材料の総磁化Mp+Msを完全にゼロにする方法を、3つの工程からなる手
順で記す。
(1)外部磁界をH0+ΔHに設定する。ただしΔH>0とする。これにより、超伝導材料でで
きた検出コイルがまだ常伝導状態にあるときに、最終目標の外部磁界H0よりもΔHだけ強
い磁場が検出コイルに印加されることになる。(第1工程)
(2)超伝導材料でできた検出コイルを冷却し、Tc以下のT0に設定する。これにより、外部磁界H0+ΔHが検出コイルに印加された状態で、検出コイルは超伝導状態となる。(第2工程)
(3)外部磁界をH0+ΔH からH0まで下げる。これにより、検出コイルは超伝導状態に置
かれたまま、印加されている外部磁界がΔHだけ低い値となる。(第3工程)
これら3つの工程を経て、超伝導材料の磁化がどのように変わるかを考える。
まず工程(2)を終えた状態では、超伝導材料の磁化は、Mp+Ms(H0+ΔH)となる。外部
磁界の関数であるMs(H0+ΔH)は、マイスナー効果に従って負の値を取る。具体的には、磁場侵入長程度の表皮に流れるシールド電流に起因した強い反磁化(負値)が支配的である。ただし、第二種超伝導体の性質として、超伝導状態の検出コイル中に、部分的に常伝導析出物や格子欠陥に由来する常伝導部位が混在する中間状態では、磁束がそこに侵入し、常磁性磁化の性質を持つ部位を持つようになる。
仮に外部磁界をゼロ(H0+ΔH→0)にすることを考える。このとき、Ms(H0+ΔH)はゼロに
なる。外部磁界がゼロになるに伴い、シールド電流が流れなくなり、また磁束が消失するからである。しかしながら、Mpはトラップされたまま残留する。残留する性質は、現在において、超伝導マグネットとして広く応用されている。よって、ゼロ磁場において、超伝導材料の磁化はMpとなり正の値を取る。つまり、H0+ΔH→0において、開始が負の値、終
了が正の値なので、いずれかの外部磁界の中間強度値で、検出コイルのトータル磁化値がゼロになることが期待できる。
工程(3)を終えた状態では、超伝導材料の磁化は、Mp+Ms(H0)となる。
この磁化の符号と値の特徴は、以下の性質に注目することで理解できる。
(a)磁場変化量ΔHが小さい場合(<Hc1)、材料表面から磁場侵入長程度の表皮に流れる
シールド電流が主に変化する一方で、超伝導体表皮内部の常伝導析出物や格子欠陥近傍における磁束のふるまいなどは維持される。ここでHc1は、超伝導体の下部臨界磁界を示す

(b)一方、磁場変化量ΔHが小さい場合、磁場変化量ΔHの変化前後でMpの大きさは殆ど変わらない。
(a)の性質から、磁化Ms(H0)は近似的に Ms(H0+ΔH)+χΔHと表すことができる。こ
のχの値は、ゼロ磁場中冷却(ZFC)法に基づいて初めて超伝導体に磁場を印加した際の
、Hc1以下の磁場応答係数(=完全反磁性磁化率)の絶対値と同等の値を持つ。すなわち
、χは正の値で+1程度と大きな値が期待できる。
図3に一般的な第二種超伝導体の磁化曲線を示す。図の横軸は、試料である第二種超伝導体に印加される磁界の強度、図の縦軸は、第二種超伝導体の磁化値である。
図3から明らかなように、ZFC法により冷却されて超伝導状態になった第二種超伝導体
の磁化の大きさは、外部から印加される磁場の強度をゼロから徐々に上げていくと、始めのうち(外部磁界が0〜Hc1まで)は、完全反磁性体の特徴である大きな負の磁化値を示
す。曲線の傾斜は、反磁性磁化率-|χ|である。
ところが、磁化値は、外部磁界がHc1未満の領域で最も大きく変化し、外部磁界がHc1付近において負の極大値を示した後は、外部磁界の増大にも関わらず、超伝導体中の常伝導析出物や格子欠陥など常伝導部位への磁束の侵入により、磁化値の大きさは負の値から徐々にゼロに向かって負の値が小さくなる。
このように図3は、ΔH〜Hc1において|χΔH|>|Mp+Ms(H0+ΔH)|が期待できることを示
唆する。結局、第3工程を経た状態でΔH〜Hc1とした場合には、磁化は正値を取ると期待できる。第2工程を経た状態では、磁化は負値であったので、ΔHをHc1以下で調整することで、第3工程において総磁化がゼロになることが期待できるのである。
3つの工程における超伝導材料の磁化の変化を整理すると、
(1)ピン止め中心が混入した第二種超伝導材料を用いて、磁場中冷却(FC)法で超伝導状態へ相転移させ、さらに外部磁界を下げることによって、総磁化ゼロの状態に設定することが可能となる。また、外部磁界低下の必要量は、Hc1が基準となる。
(2)外部磁界を所定量低下させる際の必要磁場量の確保を、一般的な高分解能NMR装置に既設である外部磁界シム装置の変動量で対応できること、は現実的に大切な条件となる。例として、中間状態が安定化している酸化物高温超伝導体では、Hc1は外部磁界シム
装置の変動量で対応できる程度に低い。たとえばYBa2Cu3O7は、外部磁界方向をH0⊥cに選べばHc1〜30Oe(Oe=エルステッド)程度とされている。
(3)補足すれば、超伝導材料の前処理として述べたピン止め中心の混入操作は、電気抵抗を低下させることにも効果的である。一般に、磁束が移動する状態では、伝導キャリアの移動損失を招くと考えられている。ピン止め中心を導入することで磁束がトラップされやすくなり、伝導キャリアの散乱を軽減できると考えられる。
以下、具体的に構成および動作について説明する。
[実施例]
(1)構成
1.検出コイル31
線材には、第二種超伝導材料を利用する。かつ線材中に常伝導領域から成るいわゆるピン止め中心を設けておく。具体的には、超伝導材料の一例として、酸化物高温超伝導体YBa2Cu3O7(Y123)が挙げられる。
常伝導領域から成るピン止め中心として、たとえば重イオン照射に依って形成される非超伝導アモルファスが有効である。ピン止め中心の量は、照射量に依って制御する。基板31上にY123を成長させる場合には、あらかじめ重イオンを基板に照射させ基板を乱した状態でY123を成長させることでも、成長後のY123に重イオンを照射して欠陥を形成させることでも可能である。
また、常伝導領域から成るピン止め中心として、たとえばY123成長時、常伝導体Y2BaCuO5(Y211)を形成させることも有効である。成長環境(温度、酸素ガス圧など)を制御することで、ピン止め中心量を制御する。
また、常伝導領域から成るピン止め中心として、たとえばBaZrO3やBaSnO3など非超伝導相粒子を導入する方法も有効である。
また、常伝導領域から成るピン止め中心として、基板に傷をつける方法、成長過程で粒界混入、酸素濃度調整、など、様々な欠損を設ける手段を利用することも有効である。
また、材料の別の例として、酸化物高温超伝導体Bi2Sr2CaCu2O8が挙げられる。常伝導
領域から成るピン止め中心の形成は、上記と同様に、重イオン照射法、RE211相形成、な
どが有効である。
材料の別の例として、金属系超伝導体NbTiが挙げられる。常伝導領域から成るピン止め中心の形成は、α-Ti相粒界が考えられる。
2.シムコイル23、およびその制御電源
超伝導磁石21が発生する外部磁界(〜10万エルステッド)に平行に、Hc1程度の磁
界(〜100エルステッド)を発生させることを目的とする。たとえば、検出コイル30の材料としてY123を選定する場合、Z方向(静磁場方向)にHc1〜30エルステッド程度を
発生することが求められる。
3.プローブ冷却装置24
プローブ22に備わった検出コイル30の温度を、極低温領域まで冷却することを目的とする。
(2)動作
本実施例の動作の流れを、図4に示す。図4に示すように、本実施例は、次の5つの工程から成る。
1.第1工程[A001]
検出コイルの温度をTc以上に設定した状態で、超伝導磁石21から外部磁界H0、シムコイルからZ軸方向(H0と同じ方向)の外部磁界ΔHを発生させ、検出コイルを常磁性磁化
させる。
2.第2工程[A002]
プローブ冷却装置24により、検出コイル30の温度を臨界温度以下のT0(<Tc)に設定
し、検出コイルを超伝導状態にする。
3.第3工程[A003]
線幅などから試料の磁場均一度を知ることができるNMR用標準試料を使って、NMRスペクトルの線幅測定結果から、試料周辺の静磁場の均一度を記録する。
4.第4工程[A004]
シムコイル23が発生しているZ軸方向(H0と同じ方向)の外部磁界ΔHを下げて、磁
場均一度(すなわち、観測されるNMR用標準試料のNMR線幅)を記録し、先の記録と比較する。
5.第5工程[A005]
A003〜A004を繰り返して、静磁場均一度が最高になるように(すなわち、観測されるNMR用標準試料のNMR線幅が最も狭くなるように)、ΔHを調整する。この操作自体は
、通常行なわれているZシムの調整作業の要領とまったく同じである。
6.第6工程[A006]
こうして磁化値がゼロになるようにセットアップされた検出コイルを用いて、高感度NMR測定を行なう。
なお、上記の一連の動作を実施する前に、あらかじめ検出コイル30について、温度T0で磁化曲線データ(例えば、図5のような)を取得しておくことが好ましい。所望の設定磁界H0とそれ以下の磁界領域で、外部磁界と磁化の関係を記録しておくと、上記A001においてΔHの設定の目安となる。
この際に、外部磁界を下げても磁化が負の値から正の値へ変化せず、磁化ゼロを横切らない場合には、検出コイル30中のピン止め中心量を増やすように働きかける。これにより、マイスナー効果で検出コイル30の表面に生じる静磁場とは逆向きの磁場を、検出コイル30内部のピン止め効果で外場磁束の固定維持によって生じる正向きの磁場により完全にキャンセルすることができるようになり、検出コイル30全体のトータル磁化を完全にゼロにすることができる。
図5は、試料Y123の磁化曲線測定結果である。測定には、SQUID磁化率測定装置を用い、図の横軸は、試料に印加される磁界の強度、図の縦軸は、磁化値である。試料は、H⊥c軸となるように置かれて測定されている。Y123の薄膜成長軸はc軸である。
図中、●は、ゼロ磁場冷却法(ZFC)により試料を超伝導状態にした後、外部磁界をゼ
ロから50kOe(5万エルステッド)まで徐々に上昇させ、その後、50kOeからゼロ磁場まで徐々に下降させて、試料の磁化がどう変化するかを記録したものである。また、○は、磁場中冷却法(FC)により試料に50kOeの外部静磁場を印加した後に試料を冷却して超伝導
状態にし、外部磁界を50kOeからゼロ磁場まで徐々に下降させて、試料の磁化がどう変化
するかを記録したものである。
図5から明らかなように、ZFC法で冷却されて超伝導状態になった第二種超伝導体の磁
化の大きさは、外部から印加される静磁場の強度をゼロから徐々に上げていくと、始めのうち(外部磁界が0〜Hc1まで)は、完全反磁性体の特徴である大きな負の磁化値を示す
。曲線の傾斜は、反磁性磁化率-|χ|で表される。
ところが、磁化値は、外部磁界がHc1となる付近で負の極大値を示した後は、外部磁界
の増大にも関わらず、超伝導体中の常伝導不純物や格子欠陥など常伝導部位への磁束の侵入により、磁化値の大きさは負の値から徐々にゼロに向かって負の値が小さくなっていく。
外部磁界を50kOeまで上昇させた後、50kOeから再びゼロ磁場まで降下させると、試料の磁化値は、38kOe付近で磁化ゼロとなり、その後は正の値を取りながら、その値は徐々に
大きくなり、ゼロ磁場において正の最大値となる。
一方、FC法で冷却されて超伝導状態になった第二種超伝導体の磁化の大きさは、最初50kOeではピン止め効果による正の磁化とマイスナー効果による負の磁化とが互いに相殺し
合って、ZFC法のときよりも遥かに小さな値の負の磁化値を示す。
そして、外部磁界をわずかに降下させただけで、試料はゼロ磁化の状態となる。その後、外部磁界をさらにゼロまで降下させると、試料の磁化値は正の値を取りながら、その値は徐々に大きくなり、ゼロ磁場において正の最大値となる。このときの値は、ZFC法で測
定した最終値とほぼ同じ値である。
ZFC法では、ゼロ磁場から外部磁界を上昇させたときマイスナー効果による磁気シール
ド効果が効いて、試料内部にまで磁場が入り込みにくい。よって、磁束がピン止め中心を交差する確率が減り、磁束がピン止め中心にトラップされにくい。この場合には、到達磁界Hmax(図5では50kOe)から外部磁界を下降させた際に磁束が消失してしまう。
一方、FC法では超伝導状態に転移したと同時に、試料内部まで磁場が入り込んでいるので、試料内部のピン止め中心も十分に磁束トラップに機能する。この結果、到達磁界Hmax(図5では50kOe)から外部磁界を下降させた際にも、磁束はトラップされており、磁束
は消失しにくくなる。
上記実施例では、あらかじめ外部磁界をわずかに(ΔH)上げておく発生源として、シ
ムコイル23(特にZシムコイル)およびその制御電源を用いた。前述したとおり、高分解能NMR装置用超伝導マグネットの装置には、シム機能が予め備わっていることが多く、流用できることが利点と考えられるからである。そして、FC法によりNMR検出コイルを超伝導状態にした後、Zシムコイルを用いて外部磁界をわずかに(ΔH)下げてやるこ
とにより、NMR検出コイルのゼロ磁化状態を実現させた。
しかしながら、超伝導材料のHc1の値によっては、シムコイル23およびその制御電源
だけでは、磁場量が不足する事態も考えられる。この場合には、別途均一度の高い磁場可変コイルを装着するか、あるいは超伝導マグネット21の電流値を操作する必要がある。
Andersonらが記した特許文献2では、AC磁場を利用するなど磁束量の生成・消滅を引き起こす方法が提案されている。しかしながら、この場合には、磁化の不可逆的な変化が必要条件となり、比較的大きな磁場振動量が必須となる。
本発明では、Hc1以下の小さな磁場降下で検出コイルの総磁化ゼロの状態に設定できる
方法を述べた。この方法は、現実的な構成を想定し易い。なぜなら、高分解能NMR装置用マグネットには、通常に磁場シミング装置が付属しており、その磁場調整機能で対応できるからである。
結局、NMR信号検出コイルの材料として、電気抵抗が小さく検出感度向上が期待できる超伝導体を利用することを前提として、磁束を強くトラップできる常伝導ピン止め中心
を導入した第二種超伝導体を選定し、かつ、超伝導状態において常伝導ピン止め中心が磁束をトラップする確率が高い磁場中冷却法を選定することで、所定の極低温温度において磁場の降下という単純な工程を行なうのみで、超伝導材料の磁化抑制が実現でき、さらに降下磁場量が小さくても磁化抑制が可能となった。
高感度NMR装置用の低温プローブに広く利用できる。

Claims (6)

  1. 静磁界H0を試料に印加する超伝導マグネットシステム、
    該静磁界H0と直交する向きに、試料に高周波磁場を印加して、観測核を磁気的に励起させるNMRプローブ、
    該NMRプローブに内蔵され、磁気的に励起された観測核が放出するNMR信号を検出する第二種超伝導体からなる検出コイル、
    該検出コイルを極低温に冷却し、検出コイルのQ値を高め、かつ熱雑音を低減させるクライオシステム、
    を備えたNMR装置において用いられるセットアップ方法であって、
    (1)外部磁界をH0+ΔH(ただしΔH>0)に設定し、前記検出コイルがまだ常伝導状態にあるときに、最終目標の静磁場強度H0よりもΔHだけ強い磁場を前記検出コイルに印加する工程、
    (2)前記検出コイルを冷却し、超伝導転移温度Tc以下のT0に設定し、外部磁界H0+ΔHが前記検出コイルに印加された状態で、前記検出コイルを超伝導状態にする工程、
    (3)外部磁界をH0+ΔH からH0まで下げ、前記検出コイルを超伝導状態に置いたまま、印加されている外部磁場をΔHだけ低い値にする工程、
    の3つの工程を備えたことを特徴とするNMR装置のセットアップ方法。
  2. 前記磁場ΔHを発生させるために、前記超伝導マグネットシステムに備えられたシムコイルとその制御電源を使用することを特徴とする請求項1記載のNMR装置のセットアップ方法。
  3. 外部磁界を前記検出コイルの磁化をゼロとするのに最適な値に合わせる方法として、シムコイルの発生する磁場ΔHを可変させながら標準試料のNMR信号を測定し、その信号の線幅が最も狭くなるようにシム値を調整することを特徴とする請求項2記載のNMR装置のセットアップ方法。
  4. 前記第二種超伝導体は、酸化物高温超電導体YBa2Cu3O7、酸化物高温超電導体Bi2Sr2CaCu2O8、または金属系超伝導体NbTiであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のNMR装置のセットアップ方法。
  5. 前記第二種超伝導体は、重イオン照射により形成される非超伝導アモルファス、常伝導不純物、または格子欠陥の存在によりその特性を制御されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のNMR装置のセットアップ方法。
  6. 最適な磁界強度ΔHを見積もるために、予め磁化測定装置を用いて、前記第2種超伝導体の磁場中冷却法による磁化曲線を求めておくことを特徴とする請求項1記載のNMR装置のセットアップ方法。
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