図1は、本発明の一実施の形態によるナビゲーションシステムの構成図である。このナビゲーションシステムは、車両100に搭載されているナビゲーション装置1および通信端末2と、通信回線網3と、配信サーバ4とによって構成される。なお、ナビゲーション装置1と通信端末2は、有線あるいは無線接続によって接続されている。
ナビゲーション装置1は、車両100の現在位置を検出し、地図を表示して検出した車両100の現在位置をその地図上に示す。そして、車両100の運転者であるユーザに車両100の目的地が設定されると、その目的地までの推奨経路を探索し、探索した推奨経路に従って車両100を目的地まで案内する。ナビゲーション装置1には、このような処理を実行するために用いる地図データが記憶されている。
また、ナビゲーション装置1は、外部の配信サーバ4から提供されるPOI情報を取得することができる。POI情報とは、POI(Point Of Interest)と呼ばれる各種の施設に関する情報であり、地図上に存在する様々なPOIの名称や位置を表している。たとえば、旅館やホテル等の宿泊施設、レストラン、ガソリンスタンド、コンビニエンスストアなどの様々な施設について、その種類や位置等の情報がPOI情報として取得される。なお、POI情報には、このように配信サーバ4から提供されるものと、ナビゲーション装置1において予め記録されているものとが存在する。これらのPOI情報を互いに区別するため、以下では、配信サーバ4から提供されるPOI情報を「外部POI情報」と称し、ナビゲーション装置1において予め記録されているPOI情報を「内部POI情報」と称する。
外部POI情報は、ユーザの操作に応じて、通信端末2および通信回線網3を介して配信サーバ4からナビゲーション装置1に配信することができる。あるいは、配信サーバ4からパーソナルコンピュータ等の情報端末に予めダウンロードされた外部POI情報をメモリカード5やUSB(Universal Serial Bus)メモリ6に記録しておき、これをナビゲーション装置1において読み込むこととしてもよい。
通信端末2は、ナビゲーション装置1の制御により、必要に応じて通信回線網3と無線接続を行う。通信回線網3には、配信サーバ4が接続されている。すなわちナビゲーション装置1は、通信端末2と通信回線網3を介して配信サーバ4に接続する。通信端末2と通信回線網3が無線接続する際には、通信回線網3が有する不図示の無線基地局が用いられる。この無線基地局は、その周囲の所定の通信エリア内にある通信端末2と無線通信することが可能であり、全国各地に散在している。なお、通信端末2は、たとえば携帯電話などである。また、通信回線網3は、たとえば携帯電話回線網やインターネットなどにより構築される。
配信サーバ4は、外部POI情報を配信するための装置である。ユーザは、所定の操作を行うことにより、ナビゲーション装置1から配信サーバ4に対して外部POI情報の配信要求を行うことができる。この配信要求に応じて、配信サーバ4は、自身のデータベースに予め記録されているPOI情報や、インターネット上のウェブサーバ等から取得したPOI情報の中から、ナビゲーション装置1の現在位置に対応する地域のPOI情報を抽出する。そして、抽出したPOI情報を外部POI情報として、前述のように通信端末2および通信回線網3を介してナビゲーション装置1へ配信する。
メモリカード5とUSBメモリ6は、前述のように配信サーバ4から予めダウンロードされた外部POI情報を記録するための可搬型の記録媒体である。ナビゲーション装置1は、パーソナルコンピュータ等の情報端末を用いて配信サーバ4からダウンロードした外部POI情報が記録されているメモリカード5またはUSBメモリ6がユーザによってセットされると、そこから外部POI情報を読み込んで取得することができる。
なお、配信サーバ4を経由せずに、インターネット上のウェブサーバ等から外部POI情報を直接取得してメモリカード5やUSBメモリ6に記録してもよい。また、メモリカード5やUSBメモリ6の代わりに、他の種類の記録媒体、たとえばデータ書き込み可能な各種のCD、DVDなどを用いてもよい。パーソナルコンピュータ等の情報端末によりダウンロードしたPOI情報を書き込むことができると共に、そのPOI情報をナビゲーション装置1において読み出すことができるものである限り、どのような記録媒体を利用してもよい。
次にナビゲーション装置1の構成について説明する。図2は、ナビゲーション装置1の構成を示すブロック図である。図2に示すように、ナビゲーション装置1は、制御部10、振動ジャイロ11、車速センサ12、ハードディスクドライブ(HDD)13、メモリカードリーダ14、USBインタフェース15、GPS(Global Positioning System)受信部16、表示モニタ17、スピーカ18および入力装置19を備えている。
制御部10は、マイクロプロセッサや各種周辺回路、RAM、ROM等によって構成されており、HDD13に記録されている制御プログラムや地図データに基づいて、各種の処理を実行する。この制御部10により、自車両すなわち車両100を目的地まで案内するための様々な処理が実行される。たとえば、目的地を設定する際の目的地の探索処理、設定された目的地までの推奨経路の探索処理、車両100の現在位置の検出処理、各種の画像表示処理、音声出力処理などが実行される。また、制御部10には通信端末2が接続されており、制御部10によって通信端末2を制御することで、ナビゲーション装置1から図1の配信サーバ4に対して外部POI情報の配信要求を行うこともできる。この配信要求に応じて配信サーバ4から配信された外部POI情報は、通信端末2を経由して制御部10へ出力される。
振動ジャイロ11は、車両100の角速度を検出するためのセンサである。車速センサ12は、車両100の車速を検出するためのセンサである。これらのセンサの検出結果に基づいて、制御部10において車両100の運動状態を所定の時間間隔ごとに算出することにより、車両100の移動量が求められる。
HDD13は、記録されたデータを記憶保持することができる不揮発性の記録媒体である。HDD13には、上記の制御プログラムおよび地図データを含む各種のデータが記録されている。HDD13に記録されているこれらのデータは、必要に応じて制御部10の制御により読み出され、制御部10が実行する様々な処理や制御に利用される。
HDD13に記録された地図データは、経路計算データと、道路データと、背景データとを含む。経路計算データは、目的地までの推奨経路を探索する際などに用いられるデータである。道路データは、道路の形状や種別などを表すデータである。なお、地図データにおいて各道路の最小単位はリンクと呼ばれている。すなわち、地図データにおいて各道路は複数のリンクにより構成される。背景データは、地図の背景を表すデータである。なお、地図の背景とは、地図上に存在する道路以外の様々な構成物である。たとえば、河川、鉄道、緑地帯、各種構造物などが背景データによって表される。
上記の地図データの中には、ナビゲーション装置1において予め記録されている前述の内部POI情報も含まれる。すなわち、内部POI情報は地図データの一部としてHDD13に記録されている。
図3は、HDD13に記録されている内部POI情報の例を示す図である。図3に示すように、内部POI情報は、符号20に示すような主データレコードの並びと、符号30に示すような副データレコードの並びとによって構成されている。符号21に示すように、主データレコードのN番目には、たとえば東京ディズニーランドについてのPOI情報として、東京ディズニーランドの名称、住所、電話番号および位置座標を表す情報が記録されている。また、東京ディズニーランドに関連付けられた施設である関連施設のPOI情報を副データレコードにおいて参照するための情報として、副データレコード内における当該関連施設のPOI情報の記録位置を表す副データオフセットと、当該関連施設のPOI情報のデータサイズとが記録されている。
一方、副データレコードにおいて、東京ディズニーランドに対応する上記の副データオフセットおよびデータサイズによって示される位置には、符号31に示すように、東京ディズニーランドの関連施設についてのPOI情報として、その関連施設の名称および位置座標が記録されている。すなわち、東京ディズニーランドに併設されている第一駐車場、第二駐車場および第三駐車場の名称と位置座標とが副データレコード内にそれぞれ記録されている。
なお、以上説明したような内部POI情報の記録形式はあくまで一例であるため、他の記録形式であってもよい。ナビゲーション装置1で利用するために必要な情報を地図上の様々な施設(POI)について適切に表すと共に、そのうち特定の施設についてはその施設に関連付けられた関連施設を参照できるものである限り、内部POI情報をHDD13に記録するのにどのような記録形式を採用してもよい。
なお、上記ではナビゲーション装置1において地図データがHDD13に記録されている例を説明したが、HDD以外のものに地図データを記録してもよい。たとえば、HDDの代わりにフラッシュメモリなどを用いてもよい。
メモリカードリーダ14は、メモリカード5に記録されている外部POI情報を読み出すための部分である。メモリカードリーダ14に設けられている挿入口にメモリカード5がセットされると、制御部10の制御により、メモリカード5に記録されている外部POI情報がメモリカードリーダ14によって読み出され、HDD13に出力される。これにより、ナビゲーション装置1においてメモリカード5から外部POI情報が読み込まれ、HDD13に記録される。
USBインタフェース15は、USBメモリ6を装填するためのスロット部を有している。このスロット部にUSBメモリ6が装填されると、制御部10の制御により、USBメモリ6に記録されている外部POI情報がUSBインタフェース15によって読み出され、所定のインタフェース処理が行われた後、HDD13に出力される。これにより、ナビゲーション装置1においてUSBメモリ6から外部POI情報が読み込まれ、HDD13に記録される。
GPS受信部16は、GPS衛星から送信されるGPS信号を受信して制御部10へ出力する。GPS信号には、受信位置と現在時刻を求めるための情報として、そのGPS信号を送信したGPS衛星の位置と送信時刻に関する情報が含まれている。したがって、所定数以上のGPS衛星からGPS信号を受信することにより、これらの情報に基づいて受信位置と現在時刻を算出することができる。このGPS受信部16によって受信されたGPS信号に基づいて算出された受信位置と、前述の振動ジャイロ11および車速センサ12の検出結果に基づいて算出された車両100の移動量とに基づいて、車両100の現在位置が求められる。
表示モニタ17は、ナビゲーション装置1において様々な画面表示を行うための装置であり、液晶ディスプレイ等を用いて構成される。この表示モニタ17により、地図画面の表示などが行われる。表示モニタ17に表示される画面の内容は、制御部10が行う画面表示制御によって決定される。表示モニタ17は、たとえば車両100のダッシュボード上やインストルメントパネル内など、ユーザが見やすいような位置に設置されている。
スピーカ18は、制御部10の制御により、車両の走行に関する様々な音声情報を出力する。たとえば、推奨経路に従って自車両を目的地まで案内するための経路案内用の音声や、各種の警告音などが出力される。
入力装置19は、ナビゲーション装置1を動作させるための様々な入力操作をユーザが行うための装置であり、各種の入力スイッチ類を有している。ユーザは入力装置19を操作することにより、たとえば、目的地に設定したい施設や地点の名称等を入力したり、予め登録された登録地の中から目的地を選択したり、地図を任意の方向にスクロールしたりすることができる。この入力装置19は、操作パネルやリモコンなどによって実現することができる。あるいは、表示モニタ17と一体化されたタッチパネルにより入力装置19を実現してもよい。
ユーザが入力装置19を操作して目的地を設定すると、ナビゲーション装置1は、地図データにおいて設定された前述のリンクコストに基づいて、たとえばリンクコストの合計が最小となる目的地までの経路を探索し、その経路を推奨経路として設定する。こうして設定された推奨経路は、他の道路と区別可能な表示形態により地図上に示される。その後ナビゲーション装置1は、現在地周辺の地図を表示し、設定された推奨経路に従って車両100を目的地まで案内する。
次に、ナビゲーション装置1において目的地を設定する際に実行される処理について説明する。目的地を設定する際、ユーザの操作に応じて、ナビゲーション装置1は、HDD13に記録されている内部POI情報、または無線通信やメモリカード5またはUSBメモリ6を介して外部から取得した外部POI情報に基づいて、目的地に設定する施設(POI)を選択する。このとき、外部POI情報に基づいて施設を選択した場合は、その施設と同一の施設を内部POI情報からも検索する。その結果、内部POI情報にも当該施設の情報が含まれていた場合は、図3で説明したような副データオフセットおよびデータサイズに基づいて、当該施設に対応する関連施設を特定し、その関連施設のPOI情報を内部POI情報から取得する。そして、表示モニタ17において当該施設および関連施設の位置を地図上にそれぞれ表示する。
ここで、内部POI情報と外部POI情報とは、互いに異なる提供元からそれぞれ提供されたものである場合がある。そのため、同一施設であっても、その施設名称や住所が両POI情報間において完全には一致しないことがある。たとえば、施設名称のうち一部分が異なっていたり、施設名称や住所に使われている文字の一部が半角と全角で異なっていたりする場合がある。また、両POI情報の位置座標によって示される施設の位置が同じではなく、多少ずれている場合もある。そのため、外部POI情報に基づいて選択した施設と同一の施設を内部POI情報において検索する場合は、これらの相違点を考慮に入れる必要がある。
図4は、以上説明した処理によって表示モニタ17に表示される目的地設定画面の例を示す図である。この目的地設定画面には、目的地候補リスト40と地図画面50とが表示されている。
目的地候補リスト40には、符号41〜45に示す各項目がリスト状に並べて表示されている。このうち項目41は、外部POI情報に基づいてユーザの操作により選択された施設である東京ディズニーランドを表している。一方、項目42は、選択された施設と同一の施設として、内部POI情報に基づいて検索された東京ディズニーランドを表している。内部POI情報には、この施設に対するPOI情報として、図3において符号21に示したような内容の情報が記録されている。また、項目43、44および45は、上記の項目42が表す施設に対応する関連施設として、東京ディズニーランドに併設されている第一駐車場、第二駐車場および第三駐車場をそれぞれ表している。内部POI情報には、これらの各関連施設に対するPOI情報として、図3において符号31に示したような内容の情報が記録されている。
地図画面50には、上記の項目41〜45に対応する各施設の位置を地図上に示したアイコン51〜55がそれぞれ表示されている。すなわち、アイコン51は、項目41に対応する東京ディズニーランドの位置を示しており、アイコン52は、項目42に対応する東京ディズニーランドの位置を示している。また、アイコン53、54および55は、項目43、44および45に対応する各関連施設、すなわち第一駐車場、第二駐車場および第三駐車場の位置をそれぞれ示している。なお、アイコン51とアイコン52とは、同じ東京ディズニーランドの位置を示すものであるにも関わらず、地図画面50において互いに異なった場所にそれぞれ表示されている。これは、前述のように、内部POI情報と外部POI情報との間で位置座標が一致していないためである。
図4の目的地設定画面において、ユーザが目的地候補リスト40の項目41〜45のいずれかを入力装置19の操作によって指定すると、その項目に対応する施設が目的地に設定される。そして、車両100の現在位置から設定された目的地までの経路が探索され、その経路を推奨経路として、車両100の誘導が開始される。
以上説明したようにして目的地を設定する際にナビゲーション装置1において実行される処理のフローチャートを図5に示す。このフローチャートは、ユーザが入力装置19を用いて所定の操作を行うことにより、外部POI情報を取得して目的地を設定することをナビゲーション装置1に対して指示したときに、ナビゲーション装置1の制御部10において実行されるものである。
ステップS10において、制御部10は、外部POI情報を取得する。ここでは前述のように、通信端末2を用いて行われる無線通信を介して、配信サーバ4から外部POI情報を取得する。あるいは、メモリカードリーダ14やUSBインタフェース15を用いてメモリカード5やUSBメモリ6に記憶された外部POI情報を読み出すことにより、メモリカード5またはUSBメモリ6を介して外部POI情報を取得する。
ステップS20において、制御部10は、ステップS10で取得した外部POI情報に基づいてPOIの選択を行う。ここでは、たとえば取得した外部POI情報が表す各POIを表示モニタ17に一覧表示し、その中でいずれかのPOIを入力装置19の操作によってユーザに選択させることにより、外部POI情報に基づくPOIの選択を行う。あるいは、選択しようとするPOIの種類や名称などをユーザに入力させ、その入力結果に基づいて外部POI情報から該当するPOIを検索することとしてもよい。
ステップS30において、制御部10は、ステップS20で選択したPOIに対して所定の一致条件を満たすPOIを、HDD13に記録されている内部POI情報から検索する。ここでは、選択したPOIについて外部POI情報に記録されている施設名称、電話番号、住所などに基づいて、これらと一致する内容の施設名称、電話番号または住所が設定されているPOIを内部POI情報の中から検索する。このとき、施設名称、電話番号、住所の全てを必ずしも用いる必要はない。また、前述のような提供元の違いによる差異を考慮して、外部POI情報における施設名称や住所と完全には一致していなくても、部分的にある程度一致していれば、同一の施設名称や住所であると判断することが好ましい。このようにして、ステップS20で選択したPOIに対して、外部POIにおける当該POIの名称、住所および電話番号のいずれか少なくとも一つに基づいた所定の一致条件を満たすPOIを、HDD13に記録されている内部POI情報から検索する。
ステップS40において、制御部10は、一致条件を満たすPOIがステップS30において検索されたか否かを判定する。ステップS30の実行時に上記のような一致条件を満たすPOIが内部POI情報から検索できた場合は、ステップS50へ進む。一方、このような一致条件を満たすPOIが内部POI情報において存在しない場合は、一致条件を満たすPOIが検索されなかったと判定し、ステップS80へ進む。
ステップS50において、制御部10は、ステップS30で検索したPOIについて、外部POI情報と内部POI情報との間における座標間距離を算出する。すなわち、外部POI情報での位置座標と、内部POI情報での位置座標との差分を求め、この差分に相当する距離を計算することにより、座標間距離を計算する。
ステップS60において、制御部10は、ステップS50で算出した座標間距離が所定距離以内であるか否かを判定する。座標間距離が同一の施設であると見なせるような所定の基準距離、たとえば100m以内である場合はステップS70へ進み、そうでない場合はステップS80へ進む。これにより、ステップS30で検索したPOIがステップS20で選択したPOIと同一のPOIであるか否かを判定する。なお、このときの判定に用いる基準距離を当該POIの種類などに応じて変化させてもよい。たとえば、遊園地やショッピングモール等の大規模施設については、他の施設よりも基準距離を大きく設定することが好ましい。
以上説明したステップS30〜S60の処理を実行することにより、HDD13に記録されている内部POI情報において、ステップS20で選択したPOIと同一のPOIが検索される。すなわち、選択したPOIに対して所定の一致条件を満たすPOIが内部POI情報において存在し、さらに、これらのPOI同士の間の距離が所定距離以内である場合は、選択したPOIと同一のPOIが内部POI情報から検索される。一方、選択したPOIに対して一致条件を満たすPOIが内部POI情報内に存在しない場合や、選択したPOIと一致条件を満たすPOIとの間の距離が所定距離以上である場合、ステップS20で選択したPOIと同一のPOIは内部POI情報から検索されない。
ステップS70において、制御部10は、HDD13に記録されている内部POI情報に基づいて、ステップS30で検索したPOIと関連付けられた関連施設を特定する。ここでは、図3で説明したような副データオフセットおよびデータサイズを内部POI情報において参照することで、当該POIに対する関連施設のPOI情報としての副データレコードを読み出す。こうして読み出した関連施設のPOI情報に基づいて、当該POIと関連付けられた関連施設を特定し、その関連施設の名称や位置を求める。ステップS70を実行したら、ステップS90へ進む。
ステップS80において、制御部10は、ステップS20で選択したPOIの近隣に存在する駐車場を検索する。ここでは、当該POIから所定範囲内、たとえば100m以内の範囲に存在する駐車場を近隣駐車場として検索する。これにより、選択したPOIに対して関連施設が検索できなかった場合は、そのPOIの周辺にある駐車場を関連施設の代わりに検索するようにする。ステップS80を実行したら、ステップS90へ進む。
ステップS90において、制御部10は、目的地設定画面を表示モニタ17に表示する。このとき、ステップS70を実行することで関連施設を特定した場合は、ステップS20で選択したPOIと、そのPOIと同一の施設としてステップS30で検索したPOIと、これらに対してステップS70で特定した関連施設とについて、それぞれの名称を目的地候補リスト40に一覧表示する。さらに、これらの各POIおよび関連施設の位置を地図画面50に表示する。これにより、図4のような目的地設定画面が表示モニタ17に表示される。一方、ステップS80を実行することで近隣駐車場を検索した場合は、ステップS20で選択したPOIと、そのPOIについてステップS80で検索した近隣駐車場とについて、それぞれの名称を目的地候補リスト40に一覧表示する。さらに、これらのPOIおよび近隣駐車場の位置を地図画面50に表示する。これにより、図4の目的地設定画面と同様に、選択したPOIとその近隣駐車場とが表示モニタ17において地図上に同時に表示される。
ステップS90を実行したら、制御部10は図5のフローチャートに示す処理を終了する。その後は、ステップS90で表示した目的地設定画面においていずれかのPOIがユーザにより選択されると、そのPOIを目的地に設定する。そして、車両100の現在位置から設定された目的地までの経路を探索し、その経路を推奨経路として車両100の誘導を開始する。
以上説明した実施の形態によれば、次の作用効果を奏する。
(1)ナビゲーション装置1は、制御部10の処理により、外部POI情報に基づいてPOIを選択する(ステップS20)。また、HDD13に記録されている内部POI情報に基づいて、ステップS20で選択されたPOIと同一のPOIを検索する(ステップS30〜S60)。そして、当該POIと関連付けられた関連施設を内部POI情報に基づいて特定し(ステップS70)、図4のような目的地設定画面を表示モニタ17に表示する(ステップS90)。これにより、ステップS20で選択されたPOIと、ステップS30〜S60で検索されたPOIと、内部POI情報において当該POIと関連付けられた関連施設とを、地図上に同時に表示する。このようにしたので、外部POI情報と内部POI情報のような複数種類の施設情報に基づいて、選択された施設に関連する施設をユーザに容易に確認させることができる。
(2)上記の関連施設は、ディズニーランドのような特定の施設に対応する駐車場を含むようにした。そのため、ユーザはいずれかのPOIを指定するだけで、そのPOIに行ったときに駐車すべき駐車場の位置を容易に確認することができる。
(3)ナビゲーション装置1は、制御部10の処理により、通信端末2を用いた無線通信または可搬型の記録媒体であるメモリカード5やUSBメモリ6を介して、外部POI情報を外部から取得する(ステップS10)。これにより、必要に応じて外部POI情報を容易に取得することができる。
(4)外部POI情報および内部POI情報は、各POIの名称、住所および電話番号のいずれか少なくとも一つをそれぞれ含んでいる。制御部10は、外部POI情報におけるステップS20で選択されたPOIの名称、住所および電話番号のいずれか少なくとも一つに基づいた所定の一致条件を満たすPOIを、内部POI情報から検索する(ステップS30)。このようにしたので、外部POI情報と内部POI情報との間における提供元の違いによる差異を考慮して、ステップS20で選択されたPOIと同一のPOIを内部POI情報から確実に検索することができる。
(5)外部POI情報および内部POI情報は、さらに各POIの位置をそれぞれ含んでいる。制御部10は、外部POI情報における当該POIの位置と、内部POI情報における当該POIの位置との間の距離を算出し(ステップS50)、その算出結果に基づいて、ステップS30で検索された一致条件を満たすPOIが、ステップS20で選択されたPOIと同一のPOIであるか否かを判定する(ステップS60)。このようにして、ステップS20で選択されたPOIとステップS30で検索されたPOIとが同一のPOIであるか否かを確実に判定するようにしたので、選択されたPOIと同一のPOIに対する検索精度を向上することができる。
(6)ステップS20で選択されたPOIと同一のPOIをステップS30〜S60において検索できなかった場合に、制御部10は、当該POIから所定範囲内の駐車場を検索する(ステップS80)。そして、ステップS90において表示する目的地設定画面において、ステップS20で選択されたPOIと、ステップS80で検索された駐車場とを、地図上に同時に表示する。このようにしたので、ステップS20で選択されたPOIと同一のPOIを検索できなかった場合であっても、そのPOIに行ったときに駐車すべき駐車場の位置を容易に確認することができる。
なお、上記実施の形態では、外部POI情報に基づいてPOIを選択した場合に、そのPOIと同一のPOIを内部POI情報から検索し、これらのPOIとその関連施設とを地図上に表示する例を説明した。しかし、内部POI情報に基づいてPOIを選択した場合に、そのPOIと同一のPOIを外部POI情報から検索して同様の処理を行ってもよい。
また、上記実施の形態では、関連施設の例として駐車場を説明したが、駐車場以外の施設を関連施設としてもよい。たとえば、敷地内に様々な施設が存在する公園、レジャーランド、ショッピングモール等の複合施設について、その敷地内の各施設同士を関連施設とすることができる。あるいは、ユーザが任意の施設同士を関連施設として設定できるようにしてもよい。
さらに、上記実施の形態では、HDD13に記録されている内部POI情報と、無線通信やメモリカード5またはUSBメモリ6を介して外部から取得した外部POI情報とを用いる例を説明したが、これ以外のPOI情報を用いるようにしてもよい。たとえば、外部POI情報として取得した複数種類のPOI情報を用いたり、内部POI情報としてHDD13に記録されている複数種類のPOI情報を用いたりする場合にも、上記実施の形態で説明したのと同様の処理を行うことができる。すなわち、複数種類のPOI情報のうちいずれか少なくとも一つが関連施設の情報を含んでおり、そのうちいずれかのPOI情報に基づいて施設を選択すると共に、関連施設の情報を含んだ他のいずれかのPOI情報に基づいて、選択された施設と同一の施設を検索し、これらの各施設および当該施設と関連付けられた関連施設を地図上に同時に表示するものであれば、本発明はどのようなナビゲーション装置においても適用可能である。
上記実施の形態および各変形例では、本発明をナビゲーション装置に適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。たとえば、ナビゲーション装置以外の車載装置や、他の情報端末、たとえば携帯電話やスマートフォン等においても適用可能である。
以上説明した実施の形態や各種の変形例はあくまで一例であり、発明の特徴が損なわれない限り、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。また、上記実施の形態と変形例とを任意に組み合わせてもよい。