JP5900685B1 - コネクタ端子 - Google Patents
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Abstract
Description
従って、パンチにより、数多くの棒状部材に凹部を形成してコネクタ端子を製造すると、パンチの傾斜面にめっきが大量に蓄積するおそれがあるため、パンチの清掃が必要となる。パンチの清掃を行うときには、コネクタ端子の製造が停止することになる。
そうなると、紐状のめっきカスが、隣接するコネクタ端子同士の間で跨がり、コネクタ端子を短絡させてしまう。
この凹部の最深部への深さ方向の直線を仮想基準線としたときに、第1面は、仮想基準線との成す角度が45度より大きく、90度以下となる範囲に形成されている。そうすることで、第1面を緩やかな傾斜面により形成することができる。従って、第1面を、めっきが剥がれることなく、めっきが押さえ込まれた面とすることができる。また、第2面は、仮想基準線との成す角度が0度以上、45度以下となる範囲の平面である。そのため、第2面は、第1面より急な傾斜面とすることができるため、凹部同士の間の細りを抑えることができる。しかし、第2面は急な傾斜面であるため、めっきが薄く延びたり、剥がれたりするおそれがある。次の第3面では、仮想基準線との成す角度が、45度より大きく、90度以下となる範囲の平面で、緩やかな平面である。そのため、第3面ではめっきが押さえ込まれた面とすることができるので、第2面でのめっきの剥がれの連続性を断ち切ることができる。従って、凹部を形成するためのパンチに、削れためっきが多く蓄積することを防止することができる。また、第1面と第3面とが緩やかな傾斜面であっても、第2面は急な傾斜面によって形成されているため、棒状部材の軸線周りにて隣り合う凹部同士の間で、凹部の底部から開口部側に渡って十分な厚みを確保することができる。
また、第1面に続く面は、第2面であるため、めっきを押さえ付けられた第1面および第3面と、めっきが薄く引き伸ばされ、深く棒状部材に深く入り込んだ第2面とを交互に配置することができる。
内壁面が棒状部材の長さ方向に沿って形成されていることで、パンチが棒状部材を押圧して凹部を形成するときに、棒状部材の長さ方向と直交する方向に剥がれることで発生するめっきカスを抑止することができる。
前記凹部は、前記棒状部材における軸線周りの各面に位置していることが望ましい。棒状部材に均等に凹部を形成することができるため、パンチによる押圧力で棒状部材が軸線を中心に回転してしまうことを抑えることができる。
また、本発明のコネクタ端子は、棒状部材の軸線周りにて隣り合う凹部同士の間で、凹部の底部から開口部側に渡って十分な厚みを確保することができる。
よって、本発明のコネクタ端子は、パンチへのめっきカスの蓄積を抑制しつつ、係止部の保持力を維持することができる。
本発明の実施の形態1に係るコネクタ端子を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、コネクタ端子11は、ハウジング(図示せず)に貫入されることで、電気コネクタとしてプリント配線基板(図示せず)に実装される雄型の端子である。
コネクタ端子11は、外周面にめっきが施された導電性の棒状部材により形成されている。図1に示すコネクタ端子11では、棒状部材を角棒状の金属棒としている。
複数の凹部21のうち、棒状部材の軸線L1周りにて隣り合う凹部21同士の間には、係止部30が形成されている。係止部30の頂部には、軸線L1方向から見た接触領域A1や実装領域A2の輪郭から突出した突起部31が形成される。
図2および図3に示すように内壁面210には、底部211を形成する第1面S11と、第1面S11に続いて交互に形成された第2面S12および第3面S13とを備えている。
まず、図3に示す凹部21の内壁面210と直交する凹部21の断面形状において、凹部21の最深部への深さ方向F2の直線を仮想基準線L2とする。図3に示す内壁面210では、最深部は溝底213となる。なお、凹部21は、向き合う内壁面210が仮想基準線L2を対称軸として対称で、深さ方向F2が軸線L1に向かって形成されているため、仮想基準線L2は軸線L1を通過する。
第2面S12は、仮想基準線L2との成す角度が、0度以上、45度以下となる範囲の平面に形成されている。図3に示す第2面S12は、仮想基準線L2との成す角度が15度に傾斜した平面である。
第3面S13は、仮想基準線L2との成す角度が、45度より大きく、90度以下となる範囲の平面に形成されている。図3に示す第3面S13は、仮想基準線L2との成す角度が60度に傾斜した平面である。
また、第2面S12の傾斜方向の長さが、第1面S11と第3面S13との傾斜方向の長さより、短く形成されている。
図4に示すように、角棒状の棒状部材B1における軸線L1周りの各面に対向するように、先細り形状を成す4個のパンチ41が配置されている。ここで、パンチ41の形状について、詳細に説明する。
第1面S111は、凹部21の第1面S11(図3参照)に対応する。同様に、第2面S112は、凹部21の第2面S12に対応し、第3面S113は、凹部21の第3面S13に対応する。
この第1面S111から第3面S113は、パンチ41の先端部41aの角度を二等分する二等分線を仮想基準線L3として、凹部21の第1面S11〜第3面S13と同様にして規定された面である。
第2面S12は、第1面S11より急な傾斜面となるので、凹部21同士の間の係止部30が細くなることを抑えることができる。
パンチ41の第2面S112が棒状部材B1に深く入り込むことで、第1面S111により押し込まれためっきP1からの続きが断ち切られ、剥がれることがある。剥がれめっきP1は、第2面S112が棒状部材B1に入り込む間だけ蓄積する。従って、パンチ41の傾斜面411全体に亘って蓄積しないので、第2面S112により蓄積されるめっきP1のカスを僅かな量とすることができる。
本発明の実施の形態2に係るコネクタ端子を図面に基づいて説明する。
本実施の形態2に係るコネクタ端子は、第1面が凹状の円弧面に形成されていることを特徴とするものである。
実施の形態1と同様に、凹部22の内壁面220と直交する凹部22の断面形状において、凹部22の最深部への深さ方向F2の直線を仮想基準線L2とする。図8に示す内壁面220では、最深部は溝底223となる。なお、凹部22は、向き合う内壁面220が仮想基準線L2を対称軸として対称で、深さ方向F2が軸線L1に向かって形成されているため、仮想基準線L2は軸線L1を通過する。
第1面S21には、実施の形態1と同様に、第2面S12が続いている。第2面S12には、第3面S13が続いている。そして、凹部22の開口部222に向かって、第2面S12と第3面S13とが交互に形成されている。
パンチ42には、凹部22の第1面S21に対応する第1面S121が形成されている。この第1面S121は、パンチ42の先端部42aの角度を二等分する二等分線を仮想基準線L3としたときに、この仮想基準線L3との成す角度が、45度より大きく、90度以下となる範囲に形成された凸状の円弧面である。なお、第1面S121は凸状の円弧面であるため、仮想基準線L3は先端部42aに接する接線の垂直二等分線である。
本発明の実施の形態3に係るコネクタ端子を図面に基づいて説明する。
本実施の形態3に係るコネクタ端子は、第1面が仮想基準線との成す角度が90度となる平面に形成されていることを特徴とするものである。
実施の形態1,2と同様に、凹部23の内壁面230と直交する凹部23の断面形状において、凹部23の最深部への深さ方向F2の直線を仮想基準線L2とする。図11に示す内壁面230では、最深部は溝底233となる。
第1面S31は、仮想基準線L2との成す角度が90度となる平面である。なお、図8では、仮想基準線L2が軸線L1を通過しているように設定されているが、第1面S21は深さが一定な平面であるため、仮想基準線L2は、軸線L1から平行にずれていてもよい。
パンチ43には、凹部23の第1面S31に対応する第1面S131が形成されている。この第1面S131は、パンチ43の先端部43aの角度を二等分する二等分線である仮想基準線L3との成す角度が90度となる平面である。なお、第1面S131は平面であるため、仮想基準線L3はパンチ43の先端面の垂直二等分線である。
第1面S131は、平面である。そのため、パンチ43の第1面S131が棒状部材B1に入り込むと、めっきP1が剥がれずに真っ直ぐ押し込まれ、凹部23の第1面S31が形成される。
次に、図13Bに示すように、パンチ43の第2面S112が、棒状部材B1のめっきP1を押圧して、凹部23の第2面S12が形成され、更には、図13Cに示すようにパンチ43の第3面S113が、棒状部材B1のめっきP1を押圧して、第3面S13が形成される。
本発明の実施の形態4に係るコネクタ端子を図面に基づいて説明する。
本実施の形態4に係るコネクタ端子は、棒状部材の長さ方向に沿って形成された内壁面だけでなく、長さ方向に直交する方向に沿って形成された内壁面にも段差部が形成されていることを特徴とするものである。
また、長さ方向F1で向き合い、長さ方向F1に直交する方向に沿って形成された内壁面240は、その間隔が、底部241から開口部242に向かって拡がるように形成されている。内壁面240には、内壁面210と同様に、第1面S11から第3面S13により段差部が形成されている。
内壁面240に形成された第1面S11から第3面S13は、実施の形態1にて、内壁面210における第1面S11から第3面S13に規定した条件と同じである。
このとき、内壁面240は、図17に示す仮想基準線L2に対して傾斜した平面(第1面S11)としたり、図8に示す凹状の円弧面(第1面S21)したり、図11に示す仮想基準線L2との成す角度が90度となる平面(第1面S31)としたりして、内壁面210〜230の第1面S11〜S31と組み合わせることができる。
この場合、図18Bに示す凹部25が、棒状部材B2の軸線L1から半径方向F3に向かって形成されていることで、パンチ44による押圧力で、棒状部材が軸線L1を中心に回転してしまうことを抑えることができる。また、凹部25が、円周を等分割した位置に形成されていることで、凹部25を均等に棒状部材B2に形成することができる。
21,22,23,24,25,26 凹部
210,220,230,240,251,252内壁面
211,221,231,241 底部
212,222,232,242 開口部
213,223,233,263 溝底
30 係止部
31 突起部
300 内壁面
41,42,43,44 パンチ
41a,42a,43a 先端部
41b 基端部
411 傾斜面
412 端面
A1 接触領域
A2 実装領域
A3 係止領域
B1,B2 棒状部材
L1 軸線
L2,L3 仮想基準線
F1 長さ方向
F2 深さ方向
F3 半径方向
S11,S21,S31,S111,S121,S131 第1面
S12,S112 第2面
S13,S113 第3面
P1 めっき
Claims (8)
- 電気コネクタのハウジングに貫入されるコネクタ端子であり、外周面にめっきが施された導電性の棒状部材における軸線周りに、複数の凹部を有し、前記凹部の向き合う内壁面同士の間隔が底部から開口部に向かって拡がり、前記複数の凹部のうち、前記棒状部材の軸線周りにて隣り合う前記凹部同士の間が前記ハウジングに係止されるコネクタ端子であって、
前記凹部の内壁面と直交する前記凹部の断面形状において、前記凹部の最深部への深さ方向の直線を仮想基準線としたときに、
前記底部となる第1面は、前記仮想基準線との成す角度が、45度より大きく、90度以下となる範囲であり、
前記凹部の内壁面には、前記第1面に続く第2面および第3面が交互に連続しており、
前記第2面は、前記仮想基準線との成す角度が、0度以上、45度以下となる範囲の平面であり、
前記第3面は、前記仮想基準線との成す角度が、45度より大きく、90度以下となる範囲の平面である、コネクタ端子。 - 前記第1面は、凹状の円弧面、前記仮想基準線との成す角度が90度となる平面、または前記仮想基準線に対して傾斜した平面のいずれかである請求項1記載のコネクタ端子。
- 前記凹部の向き合う内壁面は、前記棒状部材の長さ方向に沿っている請求項1または2記載のコネクタ端子。
- 前記凹部の向き合う内壁面は、前記棒状部材の長さ方向に直交する方向に沿っている請求項1または2記載のコネクタ端子。
- 前記第2面の傾斜方向の長さが、前記第3面の傾斜方向の長さより、短い請求項1記載のコネクタ端子。
- 前記棒状部材は、多角形断面を有し、
前記凹部は、前記棒状部材における軸線周りの各面に位置している請求項1記載のコネクタ端子。 - 前記棒状部材は、円形断面を有し、
前記凹部は、前記棒状部材の軸線から半径方向に向かっている請求項1記載のコネクタ端子。 - 前記凹部は、円周を等分割した位置にある請求項8記載のコネクタ端子。
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