JP5898887B2 - 組成物、並びに、これを用いた透明膜、マイクロレンズ、固体撮像素子、透明膜の製造方法、マイクロレンズの製造方法、及び、固体撮像素子の製造方法 - Google Patents

組成物、並びに、これを用いた透明膜、マイクロレンズ、固体撮像素子、透明膜の製造方法、マイクロレンズの製造方法、及び、固体撮像素子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、組成物、並びに、これを用いた透明膜、マイクロレンズ、固体撮像素子、透明膜の製造方法、マイクロレンズの製造方法、及び、固体撮像素子の製造方法に関する。
電子複写機、固体撮像素子などのオンチップカラーフィルターの結像光学系に用いられるマイクロレンズや銅配線に代わる光配線用途として、屈折率が高くかつ微細な透明膜や透明配線などの形成が可能な透明部材形成用組成物が望まれている。
特に固体撮像素子に用いられるマイクロレンズは、固体撮像素子の微細化が進むとともに、より微細であることが求められるとともに、より効率的な集光を実現するために高屈折率が求められるようになってきた。例えば、シリカ被覆酸化チタン粒子を用いた高屈折率のパターン形成性光重合組成物が開示されている(例えば、特許文献1参照)。また粒子表面のケイ素原子の割合が20%以上である金属酸化物を用いた固体撮像素子用組成物が開示されており高屈折率でパターン形成性の優れることが示されている(例えば、特許文献2参照)。特に近年では高画素化に伴い1画素のサイズが極めて小さく、より効率よく光を集めることが必須となってきている。このため、より高屈折率のマイクロレンズが必要とされている。また、1回の製造でより多くのデバイスを作成するため、使用されるウエハーサイズも大きくなっている。
また酸化チタン粒子を使用した透明高屈折率被膜形成用組成物として、特許文献3の実施例3には、酸化チタン、界面活性剤及びバインダーポリマーを含有する組成物が開示されている。
特開2009−179678号公報 特開2008−185683号公報 特開平8−110401号公報
しかしながら、上記のような特許文献に記載の高屈折率材料形成用の組成物は、組成物の塗布後の塗布面状の経時変化が大きく、例えば、塗布した後に室温で24時間経時させると、膜面に不均一部分が発生するという問題があった。このような膜面における不均一部分の発生は、金属酸化物とバインダーポリマーとの相溶性不良により凝集が生じることが原因と推定される。
また上記のような特許文献に記載の高屈折率材料形成用の組成物を用いて、マイクロレンズをエッチングにより作製しようとすると、次のような問題が生じることが本発明者らの検討により見出された。すなわち、マイクロレンズを形成するために、上記のような組成物から形成された高屈折材料の上にレジストを塗布した後、パターン露光し、現像すると、現像液によりレジストが除去された面(すなわち、下層の高屈折材料が現れた面)が現像液と接触することによって現像液の影響を受け、高屈折材料の屈折率が低下してしまい、要求性能である高屈折率なマイクロレンズが得られないという問題がある。
本発明は上記に鑑みなされたものであり、屈折率が高く、組成物の塗布後の塗布面状の経時変化が小さく、かつ、現像処理後の屈折率の低下が小さい膜を形成できる組成物、並びに、これを用いた透明膜、マイクロレンズ、固体撮像素子、透明膜の製造方法、マイクロレンズの製造方法、及び、固体撮像素子の製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための具体的手段は以下の通りである。
[1]
金属酸化物粒子(A)としての酸化チタン粒子又は酸化ジルコニウム粒子と、ベンジル(メタ)アクリレートを重合して得られる繰り返し単位、エチレンオキサイド基を含有するアルキル(メタ)アクリレートを重合して得られる繰り返し単位及びイソブチル(メタ)アクリレートを重合して得られる繰り返し単位を含有するバインダーポリマー(F)と、界面活性剤(G)とを含有する組成物であって、前記界面活性剤(G)の含有量が前記組成物の全固形分に対して0.0010質量%〜3.0質量%である組成物。
[2]
金属酸化物粒子(A)としての酸化チタン粒子又は酸化ジルコニウム粒子と、ベンジル(メタ)アクリレートを重合して得られる繰り返し単位を含有するバインダーポリマー(F)と、界面活性剤(G)と、pKa14以下の官能基を有する基Xを有する繰り返し単位と、側鎖に原子数40〜10,000のオリゴマー鎖又はポリマー鎖Yとを有し、かつ塩基性窒素原子を含有する樹脂である分散樹脂(B)とを含有する組成物であって、前記界面活性剤(G)の含有量が前記組成物の全固形分に対して0.0010質量%〜3.0質量%である組成物。

前記界面活性剤(G)がフッ素系界面活性剤又はノニオン系界面活性剤である[1]又は[2]に記載の組成物。

前記界面活性剤(G)の含有量が前記組成物の全固形分に対して0.50質量%〜3.0質量%である[1]〜[]のいずれか1項に記載の組成物。

前記金属酸化物粒子(A)として酸化チタン粒子を含有する[1]〜[]のいずれか1項に記載の組成物。

前記バインダーポリマー(F)が更に(メタ)アクリレートを重合して得られる繰り返し単位を含有する[1]〜[]のいずれか1項に記載の組成物。

前記バインダーポリマー(F)がエチレンオキサイド基を有する[2]に記載の組成物。

前記バインダーポリマー(F)が更にエチレンオキサイド基を含有するアルキル(メタ)アクリレートを重合して得られる繰り返し単位及びイソブチル(メタ)アクリレートを重合して得られる繰り返し単位の両方を含有する[2]に記載の組成物。

マイクロレンズ形成用である[1]〜[]のいずれか1項に記載の組成物。
10
[1]〜[]のいずれか1項に記載の組成物を用いて形成された透明膜。
11
10]に記載の透明膜を用いて形成されたマイクロレンズ。
12
前記透明膜をドライエッチングすることにより形成された[11]に記載のマイクロレンズ。
13
11]又は[12]に記載のマイクロレンズを有する固体撮像素子。
14
[1]〜[]のいずれか1項に記載の組成物をウエハ上に塗布する工程、
続く第一の加熱工程、及び
更に続いて前記第一の加熱工程における加熱温度より高い温度での第二の加熱工程を有する、透明膜の製造方法。
15
10]に記載の透明膜をポストベーク処理し整形する工程、及び更にドライエッチング工程を有する、マイクロレンズの製造方法。
16
少なくともフォトダイオード、遮光膜、及びデバイス保護膜を有する固体撮像素子用基板に、赤色画素、青色画素、及び緑色画素を形成する工程、
[1]〜[]のいずれか1項に記載の組成物を塗布し加熱する工程、
レジストパターンを形成する工程、
ポストベーク処理し、形成したレジストパターンをレンズ状の形状に整形する工程、及び
ドライエッチング工程、
を有する、固体撮像素子の製造方法。
本発明は上記[1]〜[1]に関するものであるが、その他の事項(たとえば下記<1>〜<15>に記載した事項など)についても参考のために記載した。
<1>
金属酸化物粒子(A)としての酸化チタン粒子又は酸化ジルコニウム粒子と、ベンジル(メタ)アクリレートから誘導される繰り返し単位を含有するバインダーポリマー(F)と、界面活性剤(G)とを含有する組成物であって、前記界面活性剤(G)の含有量が前記組成物の全固形分に対して0.0010質量%〜3.0質量%である組成物。
<2>
前記界面活性剤(G)がフッ素系界面活性剤又はノニオン系界面活性剤である上記<1>に記載の組成物。
<3>
前記界面活性剤(G)の含有量が前記組成物の全固形分に対して0.50質量%〜3.0質量%である上記<1>又は<2>に記載の組成物。
<4>
前記金属酸化物粒子(A)として酸化チタン粒子を含有する上記<1>〜<3>のいずれか1項に記載の組成物。
<5>
前記バインダーポリマー(F)が更に(メタ)アクリレートから誘導される繰り返し単位を含有する上記<1>〜<4>のいずれか1項に記載の組成物。
<6>
前記バインダーポリマー(F)がエチレンオキサイド基を有する上記<1>〜<5>のいずれか1項に記載の組成物。
<7>
前記バインダーポリマー(F)が更にエチレンオキサイド基を含有するアルキル(メタ)アクリレートから誘導される繰り返し単位及びイソブチル(メタ)アクリレートから誘導される繰り返し単位の両方を含有する上記<1>〜<6>のいずれか1項に記載の組成物。
<8>
マイクロレンズ形成用である上記<1>〜<7>のいずれか1項に記載の組成物。
<9>
上記<1>〜<8>のいずれか1項に記載の組成物を用いて形成された透明膜。
<10>
上記<9>に記載の透明膜を用いて形成されたマイクロレンズ。
<11>
前記透明膜をドライエッチングすることにより形成された上記<10>に記載のマイクロレンズ。
<12>
上記<10>又は<11>に記載のマイクロレンズを有する固体撮像素子。
<13>
上記<1>〜<8>のいずれか1項に記載の組成物をウエハ上に塗布する工程、
続く第一の加熱工程、及び
更に続いて前記第一の加熱工程における加熱温度より高い温度での第二の加熱工程を有する、透明膜の製造方法。
<14>
上記<9>に記載の透明膜をポストベーク処理し整形する工程、及び更にドライエッチング工程を有する、マイクロレンズの製造方法。
<15>
少なくともフォトダイオード、遮光膜、及びデバイス保護膜を有する固体撮像素子用基板に、赤色画素、青色画素、及び緑色画素を形成する工程、
上記<1>〜<8>のいずれか1項に記載の組成物を塗布し加熱する工程、
レジストパターンを形成する工程、
ポストベーク処理し、形成したレジストパターンをレンズ状の形状に整形する工程、及びドライエッチング工程、
を有する、固体撮像素子の製造方法。
本発明における組成物において特定の量の界面活性剤が存在しないと、塗布後の乾燥により溶媒がなくなって密に接することになる金属酸化物粒子とバインダーポリマーとの相溶性が不安定になり、経時により金属酸化物粒子の凝集などを起こし、面状が悪くなる。しかし、その金属酸化物粒子とバインダーポリマーとの間に、特定の量の界面活性剤が入ることによって、その相溶性を良化させ、その結果、組成物の塗布後の塗布面状の経時変化を小さくすることができると推測される。
また、本発明の組成物を用いて、マイクロレンズをエッチングにより作製する際に、本発明の組成物から形成された高屈折材料の上にレジストを塗布し、パターン露光及び現像することによって、現像液によりレジストが除去された面(すなわち、下層の高屈折材料が現れた面)が現像液と接触した場合においても、本発明における組成物において特定の量の界面活性剤が存在しない時には、上記に述べたように金属酸化物粒子とバインダーポリマーだけでは表面に不均一部分が生じ、その隙間に現像液が入るために結果として屈折率の低下を招くことがあるが、特定の量の界面活性剤が存在する時には、そこに界面活性剤が入ることで潜在的にあった表面の不均一を防止し、結果として現像液の入り込みを防止することにより、屈折率の低下が小さい膜が提供されるものと推測される。
すなわち、本発明の組成物を使用することにより、屈折率が高く、組成物の塗布後の塗布面状の経時変化が小さく、かつ、現像処理後の屈折率の低下が小さい膜を得ることができる。
本発明によれば、屈折率が高く、組成物の塗布後の塗布面状の経時変化が小さく、かつ、現像処理後の屈折率の低下が小さい膜を形成できる組成物、並びに、これを用いた透明膜、マイクロレンズ、及び、固体撮像素子を提供できる。
以下、本発明の組成物について詳細に説明する。
なお、本明細書に於ける基(原子団)の表記に於いて、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
なお、本明細書において、“(メタ)アクリレート”はアクリレート及びメタアクリレートを表し、“(メタ)アクリル”はアクリル及びメタアクリルを表し、“(メタ)アクリロイル”は、アクリロイル及びメタクリロイルを表す。また、本明細書中において、“単量体”と“モノマー”とは同義である。本発明における単量体は、オリゴマー及びポリマーと区別され、質量平均分子量が2,000以下の化合物をいう。本明細書中において、重合性化合物とは、重合性基を有する化合物のことをいい、単量体であっても、ポリマーであってもよい。重合性基とは、重合反応に関与する基を言う。
また、本明細書において、「屈折率」とは、特に断らない限り、波長500nmの光に対する屈折率のことを言う。
<組成物>
本発明の組成物は、金属酸化物粒子(A)としての酸化チタン粒子又は酸化ジルコニウム粒子と、ベンジル(メタ)アクリレートから誘導される繰り返し単位を含有するバインダーポリマー(F)と、界面活性剤(G)とを含有する組成物であって、前記界面活性剤(G)の含有量が組成物の全固形分に対して0.0010質量%〜3.0質量%である。
本発明の組成物において、金属酸化物粒子(A)としての酸化チタン粒子又は酸化ジルコニウム粒子は組成物中で分散されていることが好ましく、以下に説明する分散組成物として組成物中に含有され、分散されていることがより好ましい。
<分散組成物>
本発明の組成物に好ましく含有される分散組成物は、金属酸化物粒子(A)としての酸化チタン粒子又は酸化ジルコニウム粒子と、分散樹脂(B)と、溶媒(C)とを含有する分散組成物である。
(A)金属酸化物粒子としての酸化チタン粒子又は酸化ジルコニウム粒子
本発明における金属酸化物粒子(A)としては、少なくとも酸化チタン粒子又は酸化ジルコニウム粒子が用いられる。酸化チタン粒子及び酸化ジルコニウム粒子は、屈折率の高い無機粒子である。酸化チタン粒子としては二酸化チタン(TiO)粒子が挙げられ、酸化ジルコニウム粒子としては二酸化ジルコニウム(ZrO)粒子が挙げられる。本発明の組成物は、金属酸化物粒子(A)として、少なくとも酸化チタン粒子を含有することがより高い屈折率が得られることから好ましく、中でも二酸化チタン粒子(以下、単に「二酸化チタン」ということがある)を含有することがより好ましい。
本発明における酸化チタン粒子及び酸化ジルコニウム粒子は、一次粒子径が1nmから100nmであることが好ましく、例えば、市販の酸化チタン粒子及び酸化ジルコニウム粒子から適宜選択して用いることができる。
前記酸化チタン粒子及び酸化ジルコニウム粒子の一次粒子径は好ましくは1nmから100nmであるが、1nmから80nmであることがより好ましく、1nmから50nmであることが特に好ましい。酸化チタン粒子及び酸化ジルコニウム粒子の一次粒子径が100nm以下であることにより、屈折率及び透過率の低下が抑制されるので好ましい。また1nm以上であることにより、凝集による分散性や分散安定性の低下が抑制されるので好ましい。
また本発明において、酸化チタン粒子及び酸化ジルコニウム粒子の一次粒子径は、酸化チタン粒子及び酸化ジルコニウム粒子の平均粒子径として得られる。本発明における酸化チタン粒子及び酸化ジルコニウム粒子の平均粒子径は、酸化チタン粒子及び/又は酸化ジルコニウム粒子を含む混合液又は分散液を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで80倍に希釈し、得られた希釈液について動的光散乱法を用いて測定することにより得られた値のことを言う。
この測定は、日機装株式会社製マイクロトラックUPA−EX150を用いて行って得られた数平均粒子径のこととする。
本発明において酸化チタン粒子及び酸化ジルコニウム粒子の屈折率としては特に制限はないが、高屈折率を得る観点から、1.75〜2.70であることが好ましく、1.90〜2.70であることが更に好ましい。
また酸化チタン粒子及び酸化ジルコニウム粒子の比表面積は、10m/gから400m/gであることが好ましく、20m/gから200m/gであることが更に好ましく、30m/gから150m/gであることが最も好ましい。
また酸化チタン粒子及び酸化ジルコニウム粒子の形状には特に制限はない。例えば、米粒状、球形状、立方体状、紡錘形状あるいは不定形状であることができる。
本発明における酸化チタン粒子及び酸化ジルコニウム粒子は、有機化合物により表面処理されたものであってもよい。表面処理に用いる有機化合物の例には、ポリオール、アルカノールアミン、ステアリン酸、シランカップリング剤及びチタネートカップリング剤が含まれる。中でもシランカップリング剤が好ましい。
表面処理は、1種単独の表面処理剤でも、2種類以上の表面処理剤を組み合わせて実施してもよい。
また酸化チタン粒子及び酸化ジルコニウム粒子の表面が、アルミニウム、ケイ素、ジルコニアなどの酸化物により覆われていることもまた好ましい。これにより、より耐候性が向上する。
本発明における酸化チタン粒子及び酸化ジルコニウム粒子としては、市販されているものを好ましく用いることができる。
二酸化チタン粒子の市販物としては、例えば石原産業(株)製TTOシリーズ(TTO−51(A)、TTO−51(C)など)、TTO−S、Vシリーズ(TTO−S−1、TTO−S−2、TTO−V−3など)、テイカ(株)製MTシリーズ(MT−01、MT−05など)などを挙げることができる。
二酸化ジルコニウム粒子の市販物としては、例えば、UEP(第一稀元素化学工業(株)製)、PCS(日本電工(株)製)、JS−01、JS−03、JS−04(日本電工(株)製)、UEP−100(第一稀元素化学工業(株)製)などを挙げることができる。
本発明において金属酸化物粒子(A)は、金属酸化物粒子を1種単独でも、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、少なくとも1種は上述の酸化チタン粒子又は酸化ジルコニウム粒子である。
金属酸化物粒子(A)として、金属酸化物粒子2種以上を組み合わせて用いる場合に、上述の酸化チタン粒子又は酸化ジルコニウム粒子と共に併用可能な金属酸化物粒子としては本発明の効果を損なわない限り特に制限はないが、屈折率の高い無機粒子が好ましく、例えば酸化珪素粒子が挙げられ、酸化珪素粒子としては二酸化珪素(SiO)粒子が挙げられる。該酸化珪素粒子の一次粒子径、屈折率、比表面積、形状及び表面処理の態様は、酸化チタン粒子及び酸化ジルコニウム粒子について上記した範囲と同様である。
酸化珪素粒子としては市販されているものを好ましく用いることができ、二酸化珪素粒子の市販物としては、例えば、OG502−31クラリアント社(Clariant Co.)製などを挙げることができる。
本発明において酸化チタン粒子又は酸化ジルコニウム粒子は金属酸化物粒子(A)の全質量に対して30〜100質量%であることが好ましく、60〜100質量%であることがより好ましく、80〜100質量%であることが更に好ましく、100質量%であること(すなわち、金属酸化物粒子(A)が酸化チタン粒子又は酸化ジルコニウム粒子のみから構成されること)が最も好ましい。
分散組成物又は本発明の組成物を構成する際、非常に高い屈折率を得るべく、組成物中の金属酸化物粒子(A)の含有量は、分散組成物又は本発明の組成物の全固形分に対して10〜90質量%であることが好ましく、10〜50質量%であることがより好ましく、更に好ましくは12〜40質量%であり、特に好ましくは15〜35質量%である。
一方、特に、高屈折率のマイクロレンズ用としては、分散組成物又は本発明の組成物の全固形分に対して50〜90質量%であることが好ましく、52〜85質量%であることがより好ましく、55〜80質量%であることが最も好ましい。
(B)分散樹脂
本発明の組成物に好ましく含有される分散組成物は、分散樹脂を含む。分散樹脂としては、上記金属酸化物粒子(A)を分散させる限り特に制限はないが、グラフト鎖を有する共重合体が好ましく、以下に説明するグラフト共重合体(以下、「特定樹脂1」ともいう)がより好ましい。該グラフト共重合体は、水素原子を除いた原子数が40〜10000の範囲であるグラフト鎖を有している。この場合のグラフト鎖とは、共重合体の主鎖の根元(主鎖から枝分かれしている基において主鎖に結合する原子)から、主鎖から枝分かれしている基の末端までを示す。分散組成物において、この特定樹脂1は、金属酸化物粒子に分散性を付与する分散樹脂であり、グラフト鎖による溶媒との親和性を有するために、金属酸化物粒子の分散性、及び、経時後の分散安定性に優れる。また、分散組成物としたとき、グラフト鎖と溶媒とが良好な相互作用を示すことにより、塗布膜における膜厚の均一性が悪化することが抑制されるものと考えられる。
本発明で好ましく使用される分散樹脂(B)としてのグラフト共重合体としては、グラフト鎖1本あたりの水素原子を除いた原子数が40から10000であるが、グラフト鎖1本あたりの水素原子を除いた原子数が100から500であることがより好ましく、グラフト鎖1本あたりの水素原子を除いた原子数が150から260であることが更に好ましい。
グラフト鎖1本あたりの水素原子を除いた原子数が40以上であることにより、グラフト鎖が長いため、立体反発効果が大きくなり分散性や分散安定性が向上するので好ましい。一方、グラフト鎖1本あたりの水素原子を除いた原子数が10000以下であることにより、グラフト鎖が長くなりすぎることがなく、金属酸化物粒子への吸着力の低下が抑制され、分散性や分散安定性の低下が抑制されるので好ましい。
なお、グラフト鎖1本あたりの水素原子を除いた原子数とは、主鎖を構成する高分子鎖に結合している根元の原子から、主鎖から枝分かれしている枝ポリマーの末端までに含まれる水素原子以外の原子の数である。またグラフト共重合体にグラフト鎖が2種以上含まれる場合、少なくとも1種のグラフト鎖の水素原子を除いた原子数が上記要件を満たしていればよい。
グラフト鎖のポリマー構造としては、ポリ(メタ)アクリル構造、ポリエステル構造、ポリウレタン構造、ポリウレア構造、ポリアミド構造、ポリエーテル構造などを用いることができるが、グラフト鎖と溶媒との相互作用性を向上させ、それにより分散性や分散安定性を高めるために、ポリ(メタ)アクリル構造、ポリエステル構造、ポリエーテル構造を有するグラフト鎖であることが好ましく、ポリエステル構造、ポリエーテル構造を有することがより好ましい。
グラフト共重合体は、上記グラフト鎖を有する構造単位(繰り返し単位)を有することが好ましく、例えば、ポリマー構造をグラフト鎖として有するマクロモノマーを、常法に基づいて重合させることにより得ることができ、このようなマクロモノマーの構造としては、ポリマー主鎖部と反応可能な置換基を有し、かつ本発明の要件を満たすグラフト鎖を有していれば、特に限定されないが、好ましくは、反応性二重結合性基を有するマクロモノマーを好適に使用することができる。
特定樹脂1の合成に好適に用いられる市販マクロモノマーとしては、AA−6(東亞合成社製)、AA−10(東亞合成社製)、AB−6(東亞合成社製)、AS−6(東亞合成社製)、AN−6(東亞合成社製)、AW−6(東亞合成社製)、AA−714(東亞合成社製)、AY−707(東亞合成社製)、AY−714(東亞合成社製)、AK−5(東亞合成社製)、AK−30(東亞合成社製)、AK−32(東亞合成社製)、ブレンマーPP−100(日油社製)、ブレンマーPP−500(日油社製)、ブレンマーPP−800(日油社製)、ブレンマーPP−1000(日油社製)、ブレンマー55−PET−800(日油社製)、ブレンマーPME−4000(日油社製)、ブレンマーPSE−400(日油社製)、ブレンマーPSE−1300(日油社製)、ブレンマー43PAPE−600B(日油社製)、などが挙げられる。この中でも、好ましくは、AA−6(東亞合成社製)、AA−10(東亞合成社製)、AB−6(東亞合成社製)、AS−6(東亞合成社製)、AN−6(東亞合成社製)、ブレンマーPME−400(日油社製)、ブレンマーPME−100(日油社製)、ブレンマーPME−200(日油社製)、ブレンマーPME−1000(日油社製)などが挙げられる。
特定樹脂1は、上記グラフト鎖を有する構造単位として、少なくとも下記式(1)〜式(4)のいずれかで表される構造単位を含むことが好ましく、少なくとも、下記式(1A)、下記式(2A)、下記式(3)、及び、下記式(4)のいずれかで表される構造単位を含むことがより好ましい。
式(1)〜式(4)において、X、X、X、X、及び、Xはそれぞれ独立に水素原子或いは1価の有機基を表す。合成上の制約の観点から、好ましくは水素原子、或いは炭素数1から12のアルキル基であり、水素原子或いはメチル基であることがより好ましく、メチル基が特に好ましい。
式(1)〜式(4)において、W、W、W、及び、Wはそれぞれ独立に酸素原子或いはNHを表し、特に酸素原子が好ましい。
式(3)中、R’は、分岐若しくは直鎖のアルキレン基(炭素数は1〜10が好ましく、2又は3であることがより好ましい)を表し、分散安定性の観点から、−CH−CH(CH)−で表される基、又は、−CH(CH)−CH−で表される基が好ましい。
また、式(3)中のR’としては特定樹脂1中に構造の異なるR’を2種以上混合して用いても良い。
式(1)〜式(4)において、Y、Y、Y、及び、Yはそれぞれ独立に2価の連結基であり、特に構造上制約されない。具体的には、下記の(Y−1)から(Y−21)の連結基などが挙げられる。下記構造でA、Bはそれぞれ、式(1)〜式(4)における左末端基、右末端基との結合を意味する。下記に示した構造のうち、合成の簡便性から、(Y−2)、(Y−13)であることがより好ましい。
式(1)〜式(4)において、Z、Z、Z、及び、Zは、それぞれ独立に、水素原子又は1価の置換基であり、置換基の構造は特に限定されないが、具体的には、アルキル基、水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基、或いはヘテロアリールオキシ基、アルキルチオエーテル基、アリールチオエーテル基、或いはヘテロアリールチオエーテル基、アミノ基などが挙げられる。この中でも、特に分散性向上の観点から、立体反発効果を有することが好ましく、Z〜Zで表される1価の置換基としては、各々独立に炭素数5〜24のアルキル基又は炭素数5〜24のアルコキシ基が好ましく、その中でも、特に各々独立に炭素数5〜24の分岐アルキル基を有するアルコキシ基或いは炭素数5〜24の環状アルキル基を有するアルコキシ基が好ましい。また、Zで表される1価の置換基としては、炭素数5〜24のアルキル基が好ましく、その中でも、各々独立に炭素数5〜24の分岐アルキル基或いは炭素数5〜24の環状アルキル基が好ましい。
式(1)〜式(4)において、n、m、p、及び、qはそれぞれ1から500の整数である。
式(1)及び式(2)において、j及びkは、それぞれ独立に、2〜8の整数を表す。式(1)及び式(2)におけるj及びkは、分散安定性の観点から、4〜6の整数が好ましく、5が最も好ましい。
式(4)中、Rは水素原子又は1価の有機基を表し、特に構造上限定はされないが、好ましくは、水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基であり、更に好ましくは、水素原子、アルキル基である。該Rがアルキル基である場合、該アルキル基としては、炭素数1〜20の直鎖状アルキル基、炭素数3〜20の分岐状アルキル基、又は炭素数5〜20の環状アルキル基が好ましく、炭素数1〜20の直鎖状アルキル基がより好ましく、炭素数1〜6の直鎖状アルキル基が特に好ましい。
また、式(4)中のRとしては特定樹脂1中に構造の異なるRを2種以上混合して用いても良い。
前記式(1)で表される構造単位としては、分散安定性の観点から、下記式(1A)又は(2A)で表される構造単位であることがより好ましい。
式(1A)中、X、Y、Z及びnは、式(1)におけるX、Y、Z及びnと同義であり、好ましい範囲も同様である。
式(2A)中、X、Y、Z及びmは、式(2)におけるX、Y、Z及びmと同義であり、好ましい範囲も同様である。
特定樹脂1としては、前記式(1A)で表される構造単位を有するものであることが更に好ましい。
本発明に好ましく使用される特定樹脂1において、上記グラフト鎖を有する構造単位(繰り返し単位)は、質量換算で、特定樹脂1の総質量に対し10%〜80%の範囲で含むことが好ましく、20〜65%の範囲で含むことがより好ましく、35〜60%の範囲で含むことが特に好ましい。この範囲内であると金属酸化物粒子の分散性や分散安定性が高く、分散組成物を含有する組成物を用いて形成した塗布膜における膜厚の均一性が更に良好になる。また、本発明に使用される特定樹脂1としては、2種以上の構造が異なるグラフト共重合体の組み合わせであってもよい。
また、本発明に好ましく使用される特定樹脂1は、酸基を有する構造単位(繰り返し単位)を、特定樹脂1の総質量に対し20質量%以上90質量%以下で有する重合体であることが好ましい。酸基を有する構造単位の含有量は、特定樹脂1の総質量に対し50質量%以上80質量%以下であることがより好ましく、60質量%以上75質量%以下であることが最も好ましい。
酸基を有する構造単位の含有量が、特定樹脂1の総質量に対し20質量%以上であると、特定樹脂1の金属酸化物粒子への吸着性が十分となって分散安定性が良好となり、本発明の組成物を大サイズ(例えば12インチ)のウエハーに塗布した場合に、ウエハーの中心部と周辺部での膜厚差が小さい膜を形成しやすくなる。
酸基を有する構造単位の含有量が、特定樹脂1の総質量に対し90質量%以下であると、上記グラフト鎖の特定樹脂1への導入量が十分となって分散安定性が良好となり、同様に、ウエハーの中心部と周辺部での膜厚差が小さい膜を形成しやすくなる。
また、酸基を有する構造単位の含有量が上記範囲内であることにより、特定樹脂1の酸価を下記の好ましい範囲内に好適に調整できる。
また、酸基は、グラフト鎖以外に金属酸化物粒子と相互作用を形成しうる官能基としても機能し得る。
前記酸基としては、例えば、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基、フェノール性水酸基などが挙げられ、金属酸化物粒子への吸着力と、分散性・分散安定性の観点から、カルボン酸基、スルホン酸基、及びリン酸基から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、カルボン酸基が特に好ましい。
更に、酸基構造は、樹脂構造の主鎖より5原子分以上離れている構造が好ましい。更に酸基としては、芳香環に結合したカルボン酸が最も好ましい。
前記酸基としては、これらを1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記特定樹脂1の酸価は、70mgKOH/g以上350mgKOH/g以下の範囲であることが好ましく、より好ましくは80mgKOH/g以上300mgKOH/g以下の範囲、更に好ましくは80mgKOH/g以上150mgKOH/g以下の範囲である。酸価を上記範囲とすることにより、組成物が大サイズ(例えば12インチ)のウエハーに塗布された場合でも、ウエハーの中心部と周辺部での膜厚差が小さい膜をより確実に得ることができる。
特定樹脂1の酸価は、例えば、特定樹脂1中における酸基の平均含有量から算出することができる。また、特定樹脂1を構成する酸基を含有するモノマー単位の含有量を変化させることで所望の酸価を有する樹脂を得ることができる。
特定樹脂1は、上記グラフト鎖及び酸基以外の、金属酸化物粒子と相互作用を形成しうる官能基を有する構造単位(繰り返し単位)を更に有していても良い。このような、その他の金属酸化物粒子と相互作用を形成しうる官能基を有する構造単位は、特に構造上限定されないが、例えば、塩基性基を有する構造単位、配位性基を有する構造単位、反応性を有する基を有する構造単位などが挙げられる。
前記塩基性基としては、例えば、第1級アミノ基、第2級アミノ基、第3級アミノ基、N原子を含むヘテロ環、アミド基などが挙げられる。特に好ましいものは、金属酸化物粒子への吸着力が良好で、かつ、分散性・分散安定性が高い第3級アミノ基である。前記塩基性基としては、これらを1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
特定樹脂1は、塩基性基を有する構造単位(繰り返し単位)を含有してもしなくても良いが、含有する場合、塩基性基を有する構造単位の含有量は、特定樹脂1の総質量に対し0.1質量%以上50質量%以下であり、特に好ましくは、0.1質量%以上30質量%以下である。
前記配位性基、反応性を有する基としては、例えば、アセチルアセトキシ基、トリアルコキシシリル基、イソシアネート基、酸無水物残基、酸塩化物残基などが挙げられる。特に好ましいものは、金属酸化物粒子への吸着力が良好で、分散性・分散安定性が高いアセチルアセトキシ基である。前記配位性基、反応性を有する基としては、これらを1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
特定樹脂1は、配位性基又は反応性を有する基を有する構造単位(繰り返し単位)を含有してもしなくても良いが、含有する場合、配位性基又は反応性を有する基を有する構造単位の含有量は、特定樹脂1の総質量に対し0.1質量%以上50質量%以下であり、特に好ましくは、0.1質量%以上30質量%以下である。
また、特定樹脂1は、上記グラフト鎖を有する構造単位及び上記酸基を有する構造単位とは異なる、金属酸化物粒子と相互作用を形成しうる官能基を有する構造単位として、下記一般式(i)〜(iii)のいずれかで表される単量体から得られる繰り返し単位の少なくとも1種を有していても良い。
上記式(i)〜(iii)中、R、R、及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素等)、又は炭素原子数が1〜6のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等)を表す。
、R、及びRは、より好ましくは水素原子、又は炭素原子数が1〜3のアルキル基であり、最も好ましくは、水素原子又はメチル基である。R、及びRは、水素原子であることが特に好ましい。
Xは、酸素原子(−O−)又はイミノ基(−NH−)を表し、酸素原子であることが好ましい。
Lは、単結合又は2価の連結基である。2価の連結基としては、2価の脂肪族基(例えば、アルキレン基、置換アルキレン基、アルケニレン基、置換アルケニレン基、アルキニレン基、置換アルキニレン基)、2価の芳香族基(例えば、アリーレン基、置換アリーレン基)、2価の複素環基及びそれらと酸素原子(−O−)、硫黄原子(−S−)、イミノ基(−NH−)、置換イミノ基(−NR31−、ここでR31は脂肪族基、芳香族基又は複素環基)又はカルボニル基(−CO−)との組み合わせ等が挙げられる。
前記2価の脂肪族基は、環状構造又は分岐構造を有していてもよい。前記脂肪族基の炭素原子数は、1〜20が好ましく、1〜15がより好ましく、1〜10が更に好ましい。脂肪族基は不飽和脂肪族基よりも飽和脂肪族基の方が好ましい。また、脂肪族基は、置換基を有していてもよい。置換基の例は、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、芳香族基及び複素環基が挙げられる。
前記2価の芳香族基の炭素原子数は、6〜20が好ましく、6〜15が更に好ましく、6〜10が最も好ましい。また、前記芳香族基は置換基を有していてもよい。置換基の例は、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、脂肪族基、芳香族基及び複素環基が挙げられる。
前記2価の複素環基は、複素環として5員環又は6員環を有することが好ましい。複素環に他の複素環、脂肪族環又は芳香族環が縮合していてもよい。また、複素環基は置換基を有していてもよい。置換基の例としては、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、オキソ基(=O)、チオキソ基(=S)、イミノ基(=NH)、置換イミノ基(=N−R32、ここでR32は脂肪族基、芳香族基又は複素環基)、脂肪族基、芳香族基及び複素環基が挙げられる。
Lは、単結合、アルキレン基又はオキシアルキレン構造を含む2価の連結基であることが好ましい。オキシアルキレン構造は、オキシエチレン構造又はオキシプロピレン構造であることがより好ましい。また、Lはオキシアルキレン構造を2以上繰り返して含むポリオキシアルキレン構造を含んでいてもよい。ポリオキシアルキレン構造としてはポリオキシエチレン構造又はポリオキシプロピレン構造が好ましい。ポリオキシエチレン構造は、−(OCHCH−で表され、nは、2以上の整数が好ましく、2〜10の整数であることがより好ましい。
上記式(i)〜(iii)中、Zは、金属酸化物粒子と相互作用を形成しうる官能基を表し、上記した酸基、塩基性基、又は反応性を有する基であることが好ましく、カルボン酸基、又は第三級アミノ基であることがより好ましく、カルボン酸基であることが更に好ましい。また、Yは、メチン基又は窒素原子を表す。
上記式(iii)中、R、R、及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素等)、炭素原子数が1〜6のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等)、Z、又は−L−Zを表す。ここでL及びZは、上記におけるものと同義である。R、R、及びRとしては、水素原子、又は炭素数が1〜3のアルキル基が好ましく、水素原子がより好ましい。
本発明においては、上記一般式(i)で表される単量体として、R、R、及びRが水素原子又はメチル基であって、Lがアルキレン基又はオキシアルキレン構造を含む2価の連結基であって、Xが酸素原子又はイミノ基であって、Zがカルボン酸基である化合物が好ましい。
また、上記一般式(ii)で表される単量体として、Rが水素原子又はメチル基であって、Lがアルキレン基であって、Zがカルボン酸基であって、Yがメチン基である化合物が好ましい。また、上記一般式(iii)で表される単量体として、R、R、及びRが水素原子又はメチル基であって、Zがカルボン酸基である化合物が好ましい。
式(i)〜(iii)で表される代表的な化合物の例としては、メタクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、分子内に付加重合性二重結合と水酸基を有する化合物(例えば、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル)とコハク酸無水物の反応物、分子内に付加重合性二重結合と水酸基を有する化合物とフタル酸無水物の反応物、分子内に付加重合性二重結合と水酸基を有する化合物とテトラヒドロキシフタル酸無水物の反応物、分子内に付加重合性二重結合と水酸基を有する化合物と無水トリメリット酸の反応物、分子内に付加重合性二重結合及び水酸基を有する化合物とピロメリット酸無水物との反応物、アクリル酸、アクリル酸ダイマー、アクリル酸オリゴマー、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、4−ビニル安息香酸、ビニルフェノール、4−ヒドロキシフェニルメタクリルアミドなどが挙げられる。
更に、金属酸化物粒子の分散組成物に好ましく含まれる特定樹脂1は、画像強度などの諸性能を向上する目的で、本発明の効果を損なわない限りにおいて、前記グラフト鎖を有する構造単位、前記酸基を有する構造単位、及び、これらの構造単位とは異なる、金属酸化物粒子と相互作用を形成しうる官能基を有する構造単位に加えて、更に種々の機能を有する他の構造単位、例えば、分散物に用いられる分散媒との親和性を有する官能基、などを有する構造単位を共重合成分に由来する構造単位として含むことができる。
本発明に係る特定樹脂1に共重合可能な共重合成分としては、例えば、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、スチレン類、アクリロニトリル類、メタクリロニトリル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類などから選ばれるラジカル重合性化合物が挙げられる。
具体的には、例えば、アルキルアクリレート(該アルキル基の炭素原子数は1〜20のものが好ましい)等のアクリル酸エステル類、(具体的には、例えば、ベンジルアクリレート、4−ビフェニルアクリレート、ブチルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、4−t−ブチルフェニルアクリレート、4−クロロフェニルアクリレート、ペンタクロロフェニルアクリレート、4−シアノベンジルアクリレート、シアノメチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、エチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ヘプチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、イソボルニルアクリレート、イソプロピルアクリレート、メチルアクリレート、3,5−ジメチルアダマンチルアクリレート、2−ナフチルアクリレート、ネオペンチルアクリレート、オクチルアクリレート、フェネチルアクリレート、フェニルアクリレート、プロピルアクリレート、トリルアクリレート、アミルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、5−ヒドロキシペンチルアクリレート、アリルアクリレート、2−アリロキシエチルアクリレート、プロパギルアクリレートなど)、
アルキルメタクリレート(該アルキル基の炭素原子は1〜20のものが好ましい)等のメタクリル酸エステル類(例えば、ベンジルメタクリレート、4−ビフェニルメタクリレート、ブチルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、4−t−ブチルフェニルメタクリレート、4−クロロフェニルメタクリレート、ペンタクロロフェニルメタクリレート、4−シアノフェニルメタクリレート、シアノメチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、2−エトキシエチルメタクリレート、エチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ヘプチルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、メチルメタクリレート、3,5−ジメチルアダマンチルメタクリレート、2−ナフチルメタクリレート、ネオペンチルメタクリレート、オクチルメタクリレート、フェネチルメタクリレート、フェニルメタクリレート、プロピルメタクリレート、トリルメタクリレート、アミルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、5−ヒドロキシペンチルメタクリレート、アリルメタクリレート、2−アリロキシエチルメタクリレート、プロパギルメタクリレート、2−ジエチルアミノエチルメタクリレート、2−ジメチルアミノメタクリレートなど)、
スチレン、アルキルスチレン等のスチレン類(例えば、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヘキシルスチレン、シクロへキシルスチレン、デシルスチレン、ベンジルスチレン、クロロメチルスチレン、トリフルオロメチルスチレン、エトキシメチルスチレン、アセトキシメチルスチレンなど)、アルコキシスチレン(例えばメトキシスチレン、4−メトキシ−3−メチルスチレン、ジメトキシスチレンなど)、ハロゲンスチレン(例えばクロロスチレン、ジクロロスチレン、トリクロロスチレン、テトラクロロスチレン、ペンタクロロスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン、ヨードスチレン、フルオロスチレン、トリフルオロスチレン、2−ブロモ−4−トリフルオロメチルスチレン、4−フルオロ−3−トリフルオロメチルスチレンなど)、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。
これらラジカル重合性化合物のうち、好適に使用されるのは、メタクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、スチレン類であり、特に好適に使用されるのは、ベンジルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、4−t−ブチルフェニルメタクリレート、ペンタクロロフェニルメタクリレート、4−シアノフェニルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、エチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、メチルメタクリレート、3,5−ジメチルアダマンチルメタクリレート、2−ナフチルメタクリレート、ネオペンチルメタクリレート、フェニルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、アリルメタクリレート、
アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、モルホリルアクリルアミド、ピペリジルアクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−ナフチルアクリルアミド、N−ヒドロキシメチルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−アリルアクリルアミド、4−ヒドロキシフェニルアクリルアミド、2−ヒドロキシフェニルアクリルアミド、N、N−ジメチルアクリルアミド、N、N−ジイソプロピルアクリルアミド、N、N−ジ−t−ブチルアクリルアミド、N、N−ジシクロヘキシルアクリルアミド、N、N−フェニルアクリルアミド、N、N−ジヒドロキシエチルアクリルアミド、N、N−ジアリルアクリルアミド、
メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−イソプロピルメタクリルアミド、モルホリルメタクリルアミド、ピペリジルメタクリルアミド、N−t−ブチルメタクリルアミド、N−シクロヘキシルメタクリルアミド、N−フェニルメタクリルアミド、N−ナフチルメタクリルアミド、N−ヒドロキシメチルメタクリルアミド、N−ヒドロキシエチルメタクリルアミド、N−アリルメタクリルアミド、4−ヒドロキシフェニルメタクリルアミド、2−ヒドロキシフェニルメタクリルアミド、N、N−ジメチルメタクリルアミド、N、N−ジイソプロピルメタクリルアミド、N、N−ジ−t−ブチルメタクリルアミド、N、N−ジシクロヘキシルメタクリルアミド、N、N−フェニルメタクリルアミド、N、N−ジヒドロキシエチルメタクリルアミド、N、N−ジアリルメタクリルアミド、
スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、シクロへキシルスチレン、クロロメチルスチレン、トリフルオロメチルスチレン、エトキシメチルスチレン、アセトキシメチルスチレン、メトキシスチレン、4−メトキシ−3−メチルスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、トリクロロスチレン、テトラクロロスチレン、ペンタクロロスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン、ヨードスチレン、フルオロスチレン、トリフルオロスチレン、2−ブロモ−4−トリフルオロメチルスチレン、4−フルオロ−3−トリフルオロメチルスチレンである。
これらのラジカル重合性化合物は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。特定樹脂1は、上記のラジカル重合性化合物を含有してもしなくても良いが、含有する場合、これらのラジカル重合性化合物に対応する構造単位の含有量は、特定樹脂1の総質量に対し0.1質量%以上50質量%以下であり、特に好ましくは、0.1質量%以上30質量%以下である。
特定樹脂1は、従来公知の方法により合成することができる。合成する際に用いられる溶媒としては、例えば、エチレンジクロリド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトン、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、1−メトキシ−2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、トルエン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチルなどが挙げられる。これらの溶媒は単独あるいは2種以上混合してもよい。
特定樹脂1の具体例としては、以下の例示化合物1〜34が挙げられるが、本発明はこれらに限定されない。下記例示化合物中、各構造単位に併記される数値(主鎖繰り返し単位に併記される数値)は、当該構造単位の含有量〔質量%:(wt%)と記載〕を表す。側鎖の繰り返し部位に併記される数値は、当該繰り返し部位の繰り返し数を示す。
特定樹脂1の重量平均分子量(GPC法で測定されたポリスチレン換算値)は、5,000以上300,000以下であることが好ましく、7,000以上100,000以下であることがより好ましく、10,000以上50,000以下であることが特に好ましい。
分散樹脂(B)としては、以下に説明する樹脂(以下、適宜、「特定樹脂2」と称する)を使用することもできる。特定樹脂2は、pKa14以下の官能基を有する基Xを有する繰り返し単位と、側鎖に原子数40〜10,000のオリゴマー鎖又はポリマー鎖Yとを有し、かつ塩基性窒素原子を含有することを特徴とする。
本発明における分散組成物は、後に詳述するように特定樹脂2中の窒素原子と基Xが有するpKa14以下の官能基との双方で金属酸化物粒子(A)と相互作用し、更に特定樹脂2が原子数40〜10,000のオリゴマー鎖又はポリマー鎖Yを有するために、例えば、前記オリゴマー鎖又はポリマー鎖Yが立体反発基として機能することにより、良好な分散性を発揮して、高屈折粒子としての金属酸化物粒子を均一に分散することができる。また、分散組成物が室温等で長期間保存された場合にも、前記オリゴマー鎖又はポリマー鎖Yと溶媒とが相互作用を行うことにより、金属酸化物粒子の沈降を長期間抑制することができる。更に、この分散組成物(より具体的には、例えば硬化性組成物)によって塗布膜を形成した際に、前記オリゴマー鎖又はポリマー鎖Yが立体反発基として機能することで金属酸化物粒子の凝集が防止されるため、金属酸化物粒子の含有量を高くしても、上記のように、分散性及び分散安定性が損なわれにくい。すなわち、本発明の分散組成物を使用することにより、優れた分散性及び分散安定性を達成しつつ、非常に高い屈折率を有する膜を得ることができる。
ここで、塩基性窒素原子とは、塩基性を呈する窒素原子であれば特に制限はないが、特定樹脂2がpKb14以下の窒素原子を有する構造を含有することが好ましく、pKb10以下の窒素原子を有する構造を含有することがより好ましい。
本発明において塩基強度pKとは、水温25℃でのpKをいい、塩基の強さを定量的に表すための指標のひとつであり、塩基性度定数と同義である。塩基強度pKと、後述の酸強度pKとは、pK=14−pKの関係にある。
pKa14以下の官能基を有する基Xについては、特定樹脂2−1について後述する基Xと同義である。
特定樹脂2が側鎖に有する原子数40〜10,000のオリゴマー鎖又はポリマー鎖Yとしても、特定樹脂2−1について後述する原子数40〜10,000のオリゴマー鎖又はポリマー鎖Yと同義である。
特定樹脂2としては、下記式で表されるpKa14以下の官能基を有する基Xを有する繰り返し単位、下記式で表される塩基性窒素原子を有する繰り返し単位、及び下記式で表される原子数40〜10,000のオリゴマー鎖又はポリマー鎖Yを有する繰り返し単位(下記繰り返し単位の構造の左から順に対応する。)を含有する樹脂などが挙げられる。
上記式中、x、y、及びzはそれぞれ繰り返し単位の重合モル比を示し、xは5〜50、yは5〜60、zは10〜90であることがこのましい。lはポリエステル鎖の連結数を示し、原子数40〜10,000のオリゴマー鎖又はポリマー鎖を形成し得る整数であり、70〜2000であることが好ましい。
前記特定樹脂2は、前記pKa14以下の官能基を有する基Xが結合する窒素原子を含有する繰り返し単位と、側鎖に原子数40〜10,000のオリゴマー鎖又はポリマー鎖Yとを有する樹脂であることが好ましい。
前記特定樹脂2は、(i)ポリ(低級アルキレンイミン)系繰り返し単位、ポリアリルアミン系繰り返し単位、ポリジアリルアミン系繰り返し単位、メタキシレンジアミン−エピクロルヒドリン重縮合物系繰り返し単位、及びポリビニルアミン系繰り返し単位から選択される少なくとも1種の、窒素原子を含有する繰り返し単位であって、前記窒素原子に結合し、かつpKa14以下の官能基を有する基Xを有する繰り返し単位と、側鎖に(ii)原子数40〜10,000のオリゴマー鎖又はポリマー鎖Yとを有する樹脂2−1(以下、適宜、「特定樹脂2−1」と称する)であることが特に好ましい。
((i)ポリ(低級アルキレンイミン)系繰り返し単位、ポリアリルアミン系繰り返し単位、ポリジアリルアミン系繰り返し単位、メタキシレンジアミン−エピクロルヒドリン重縮合物系繰り返し単位、及びポリビニルアミン系繰り返し単位から選択される少なくとも1種の窒素原子を含有する繰り返し単位)
本発明の特定樹脂2−1は、ポリ(低級アルキレンイミン)系繰り返し単位、ポリアリルアミン系繰り返し単位、ポリジアリルアミン系繰り返し単位、メタキシレンジアミン−エピクロルヒドリン重縮合物系繰り返し単位、及びポリビニルアミン系繰り返し単位から選択される少なくとも1種の窒素原子を含有する繰り返し単位(i)を有する。これにより、前記金属酸化物粒子(A)表面への吸着力が向上し、かつ前記金属酸化物粒子間の相互作用が低減できる。
ポリ(低級アルキレンイミン)は鎖状であっても網目状であってもよい。
ポリ(低級アルキレンイミン)系繰り返し単位、ポリアリルアミン系繰り返し単位、ポリジアリルアミン系繰り返し単位、メタキシレンジアミン−エピクロルヒドリン重縮合物系繰り返し単位、及びポリビニルアミン系繰り返し単位から選択される少なくとも1種の窒素原子を含有する繰り返し単位(i)を重合して得られる主鎖の数平均分子量、すなわち、特定樹脂2−1から側鎖の前記オリゴマー鎖又はポリマー鎖Y部分を除いた部分の数平均分子量は、100〜10,000が好ましく、200〜5,000が更に好ましく、300〜2,000が最も好ましい。主鎖部の数平均分子量は、核磁気共鳴分光法で測定した末端基と主鎖部の水素原子積分値の比率から求めるか、原料であるアミノ基を含有するオリゴマー又はポリマーの分子量の測定により求めることができる。
窒素原子を含有する繰り返し単位(i)としては、特にポリ(低級アルキレンイミン)系繰り返し単位、又はポリアリルアミン系繰り返し単位であることが好ましい。なお、本発明において、ポリ(低級アルキレンイミン)における低級とは炭素数が1〜5であることを示し、低級アルキレンイミンとは炭素数1〜5のアルキレンイミンを表す。この構造を明示すれば、本発明の特定樹脂2−1は、一般式(I−1)で表される繰り返し単位及び一般式(I−2)で表される繰り返し単位を有する構造、或いは、一般式(II−1)で表される繰り返し単位及び一般式(II−2)で表される繰り返し単位を有する構造を含むことが好ましい。
(一般式(I−1)で表される繰り返し単位及び一般式(I−2)で表される繰り返し単位)
本発明の特定樹脂2−1の好ましい構成成分である一般式(I−1)で表される繰り返し単位及び一般式(I−2)で表される繰り返し単位について詳細に説明する。
上記一般式(I−1)及び(I−2)中、
及びRは、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子又はアルキル基を表す。aは、各々独立に、1〜5の整数を表す。*は繰り返し単位間の連結部を表す。
XはpKa14以下の官能基を有する基を表す。
Yは原子数40〜10,000のオリゴマー鎖又はポリマー鎖を表す。
本発明の特定樹脂2−1は、一般式(I−1)又は一般式(I−2)で表される繰り返し単位に加えて、更に一般式(I−3)で表される繰り返し単位を共重合成分として有することが好ましい。このような繰り返し単位を併用することで、この樹脂を前記金属酸化物粒子(A)の分散剤として用いたときに更に分散性能が向上する。
上記一般式(I−3)中、
*、R、R及びaは一般式(I−1)と同義である。
Y’はアニオン基を有する原子数40〜10,000のオリゴマー鎖又はポリマー鎖を表す。
上記一般式(I−3)で表される繰り返し単位は、主鎖部に一級又は二級アミノ基を有する樹脂に、アミンと反応して塩を形成する基を有するオリゴマー又はポリマーを添加して反応させることで形成することが可能である。
一般式(I−1)、一般式(I−2)及び一般式(I−3)において、R及びRは特に水素原子であることが好ましい。aは2であることが原料入手の観点から好ましい。
本発明の特定樹脂2−1は、一般式(I−1)、一般式(I−2)及び一般式(I−3)で表される繰り返し単位以外に、低級アルキレンイミンを繰り返し単位として含んでいてもよい。前述と同様に、低級アルキレンイミンとは、炭素数1〜5のアルキレンイミンを表す。特定樹脂2−1は、そのような低級アルキレンイミン繰り返し単位を含有していても、含有していなくてもよいが、含有する場合、低級アルキレンイミン繰り返し単位は、特定樹脂2−1に含まれる全繰り返し単位中、1〜70モル%含有することが好ましく、3〜50モル%含有することが最も好ましい。なお、そのような低級アルキレンイミン繰り返し単位における窒素原子には、更に、前記X、Y又はY’で示される基が結合していてもよい。このような主鎖構造に、Xで示される基が結合した繰り返し単位とYが結合した繰り返し単位の双方を含む樹脂もまた、本発明の特定樹脂2−1に包含される。
一般式(I−1)で表される繰り返し単位は、pKa14以下の官能基を有する基Xが結合する窒素原子を含有する繰り返し単位であり、このような窒素原子を含有する繰り返し単位は、保存安定性・現像性の観点から、特定樹脂2−1に含まれる全繰り返し単位中、1〜80モル%含有することが好ましく、3〜50モル%含有することが最も好ましい。
一般式(I−2)で表される繰り返し単位は、原子数40〜10,000のオリゴマー鎖又はポリマー鎖を有する繰り返し単位であり、このような繰り返し単位は、保存安定性の観点から、本発明の特定樹脂2−1の全繰り返し単位中、10〜90モル%含有することが好ましく、30〜70モル%含有することが最も好ましい。
両者の含有比について検討するに、分散安定性及び親疎水性のバランスの観点からは、繰り返し単位(I−1):(I−2)はモル比で10:1〜1:100の範囲であることが好ましく、1:1〜1:10の範囲であることがより好ましい。
なお、所望により併用される一般式(I−3)で表される繰り返し単位は原子数40〜10,000のオリゴマー鎖又はポリマー鎖を含む部分構造が、主鎖の窒素原子にイオン的に結合しているものであり、特定樹脂2−1の全繰り返し単位中、効果の観点からは、0.5〜20モル%含有することが好ましく、1〜10モル%含有することが最も好ましい。
なお、ポリマー鎖Yがイオン的に結合していることは、赤外分光法や塩基滴定により確認できる。
(一般式(II−1)で表される繰り返し単位及び(II−2)で表される繰り返し単位)
本発明の特定樹脂2−1の他の好ましい構成成分である一般式(II−1)で表される繰り返し単位及び一般式(II−2)で表される繰り返し単位について詳細に説明する。
一般式(II−1)及び(II−2)中、
、R、R及びRは、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基を表す。*、X及びYは一般式(I−1)及び(I−2)中の*、X及びYと同義である。
特定樹脂2−1は、一般式(II−1)で表される繰り返し単位、一般式(II−2)で表される繰り返し単位に加えて、更に一般式(II−3)で表される繰り返し単位を共重合成分として含むことが好ましい。このような繰り返し単位を併用することで、この樹脂を前記金属酸化物粒子(A)の分散剤として用いたときに更に分散性能が向上する。
一般式(II−3)中、*、R、R、R及びRは一般式(II−1)と同義である。Y’は一般式(I−3)中のY’と同義である。
一般式(II−1)、(II−2)及び(II−3)において、R、R、R及びRは水素原子であることが原料の入手性の観点から好ましい。
一般式(II−1)はpKa14以下の官能基を有する基Xが結合する窒素原子を含有する繰り返し単位であり、このような窒素原子を含有する繰り返し単位は、保存安定性・現像性の観点から、特定樹脂2−1に含まれる全繰り返し単位中、1〜80モル%含有することが好ましく、3〜50モル%含有することが最も好ましい。
一般式(II−2)は原子数40〜10,000のオリゴマー鎖又はポリマー鎖Yを有する繰り返し単位であり、このような繰り返し単位は、保存安定性の観点から、本発明の特定樹脂2−1の全繰り返し単位中、10〜90モル%含有することが好ましく、30〜70モル%含有することが最も好ましい。
両者の含有比について検討するに、分散安定性及び親疎水性のバランスの観点からは、繰り返し単位(II−1):(II−2)はモル比で10:1〜1:100の範囲であることが好ましく、1:1〜1:10の範囲であることがより好ましい。
所望により併用される一般式(II−3)で表される繰り返し単位は特定樹脂2−1の全繰り返し単位中、0.5〜20モル%含有することが好ましく、1〜10モル%含有することが最も好ましい。
本発明の特定樹脂2−1においては、分散性の観点から、特に一般式(I−1)で表される繰り返し単位と一般式(I−2)で表される繰り返し単位の双方を含むことが最も好ましい。
<pKa14以下の官能基を有する基X>
Xは水温25℃でのpKaが14以下の官能基を有する。ここでいう「pKa」とは、化学便覧(II)(改訂4版、1993年、日本化学会編、丸善株式会社)に記載されている定義のものである。
「pKa14以下の官能基」は、物性がこの条件を満たすものであれば、その構造などは特に限定されず、公知の官能基でpKaが上記範囲を満たすものが挙げられるが、特にpKaが12以下である官能基が好ましく、pKaが11以下である官能基が最も好ましい。具体的には、例えば、カルボン酸(pKa 3〜5程度)、スルホン酸(pKa −3〜−2程度)、−COCHCO−(pKa 8〜10程度)、−COCHCN(pKa 8〜11程度)、−CONHCO−、フェノール性水酸基、−RCHOH又は−(RCHOH(Rはペルフルオロアルキル基を表す。pKa 9〜11程度)、スルホンアミド基(pKa 9〜11程度)等が挙げられ、特にカルボン酸(pKa 3〜5程度)、スルホン酸(pKa −3〜−2程度)、−COCHCO−(pKa 8〜10程度)が好ましい。
前記基Xが有する官能基のpKaが14以下であることにより、前記金属酸化物粒子(A)との相互作用を達成することができる。
このpKa14以下の官能基を有する基Xは、前記窒素原子を含有する繰り返し単位における窒素原子に直接結合することが好ましいが、前記窒素原子を含有する繰り返し単位の窒素原子とXとは、共有結合のみならず、イオン結合して塩を形成する態様で連結していてもよい。
本発明におけるpKa14以下の官能基を含有する基Xとしては、特に一般式(V−1)、一般式(V−2)又は一般式(V−3)で表される構造を有するものが好ましい。
上記一般式(V−1)、一般式(V−2)中、
Uは単結合又は2価の連結基を表す。
d及びeは、それぞれ独立して0又は1を表す。
上記一般式(V−3)中、Qはアシル基又はアルコキシカルボニル基を表す。
Uで表される2価の連結基としては、例えば、アルキレン(より具体的には、例えば、−CH−、−CHCH−、−CHCHMe−、−(CH−、−CHCH(n−C1021)−等)、酸素を含有するアルキレン(より具体的には、例えば、−CHOCH−、−CHCHOCHCH−等)、アリーレン基(例えば、フェニレン、トリレン、ビフェニレン、ナフチレン、フラニレン、ピロリレン等)、アルキレンオキシ(例えば、エチレンオキシ、プロピレンオキシ、フェニレンオキシ等)、アルケニレン基(例えば、ビニレン基)等が挙げられるが、特に炭素数1〜30のアルキレン基、炭素数2〜30アルケニレン基又は炭素数6〜20のアリーレン基が好ましく、炭素数1〜20のアルキレン、炭素数2〜20アルケニレン基又は炭素数6〜15のアリーレン基が最も好ましい。また、生産性の観点から、dは1が好ましく、また、eは0が好ましい。
Qはアシル基又はアルコキシカルボニル基を表す。Qにおけるアシル基としては、炭素数1〜30のアシル基(例えば、ホルミル、アセチル、n−プロパノイル、ベンゾイル等)が好ましく、特にアセチルが好ましい。Qにおけるアルコキシカルボニル基としては、炭素数2〜30のアルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基等)が好ましい。Qは、特にアシル基が好ましく、アセチル基が製造のし易さ、原料(Xの前駆体X’)の入手性の観点から好ましい。
本発明における基Xは、窒素原子を含有する繰り返し単位の前記窒素原子と結合していることが好ましい。これにより、前記金属酸化物粒子(A)の分散性・分散安定性が飛躍的に向上する。
更に、基Xはそこに部分構造としてpKa14以下の官能基を含むものであるため、アルカリ可溶性基としても機能する。それにより、この樹脂を硬化性組成物などに用い、塗膜にエネルギーを付与して部分的に硬化させ、未露光部を溶解除去してパターンを形成する如き用途に使用する場合、未硬化領域のアルカリ現像液への現像性が向上し、分散性・分散安定性・現像性の鼎立が可能になったと考えられる。
XにおけるpKa14以下の官能基の含有量は特に制限がないが、本発明の特定樹脂2 1gに対し、0.01〜5mmolであることが好ましく、0.05〜1mmolであることが最も好ましい。この範囲において、前記金属酸化物粒子(A)の分散性、分散安定性が向上し、かつ、硬化性組成物に該樹脂を用いた場合、未硬化部の現像性に優れることになる。また、酸価の観点からは、特定樹脂2の酸価が5〜50mgKOH/g程度となる量、含まれることが、本発明の特定樹脂2をパターン形成性の硬化性組成物に用いたときの現像性の観点から好ましい。
(原子数40〜10,000のオリゴマー鎖又はポリマー鎖Y)
Yとしては、特定樹脂2の主鎖部と連結できるポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリ(メタ)アクリル酸エステル等の公知のポリマー鎖が挙げられる。Yの特定樹脂2との結合部位は、オリゴマー鎖又はポリマー鎖Yの末端であることが好ましい。
Yは、ポリ(低級アルキレンイミン)系繰り返し単位、ポリアリルアミン系繰り返し単位、ポリジアリルアミン系繰り返し単位、メタキシレンジアミン−エピクロルヒドリン重縮合物系繰り返し単位、及びポリビニルアミン系繰り返し単位から選択される少なくとも1種の窒素原子を含有する繰り返し単位の前記窒素原子と結合していることが好ましい。ポリ(低級アルキレンイミン)系繰り返し単位、ポリアリルアミン系繰り返し単位、ポリジアリルアミン系繰り返し単位、メタキシレンジアミン−エピクロルヒドリン重縮合物系繰り返し単位、及びポリビニルアミン系繰り返し単位から選択される少なくとも1種の窒素原子を含有する繰り返し単位などの主鎖部とYとの結合様式は、共有結合、イオン結合、又は、共有結合及びイオン結合の混合である。Yと前記主鎖部の結合様式の比率は、共有結合:イオン結合=100:0〜0:100であるが、95:5〜5:95が好ましく、90:10〜10:90が最も好ましい。この範囲外であると、分散性・分散安定性が悪化し、かつ溶剤溶解性が低くなる。
Yは、前記窒素原子を含有する繰り返し単位の前記窒素原子とアミド結合、又はカルボン酸塩としてイオン結合していることが好ましい。
前記オリゴマー鎖又はポリマー鎖Yの原子数としては、分散性・分散安定性・現像性の観点から、50〜5,000であることが好ましく、60〜3,000であることがより好ましい。
前記オリゴマー鎖又はポリマー鎖Y1本あたりの原子数が40未満では、グラフト鎖が短いため、立体反発効果が小さくなり分散性が低下する場合がある。一方、前記オリゴマー鎖又はポリマー鎖Y1本あたりの原子数が10000を超えると、前記オリゴマー鎖又はポリマー鎖Yが長くなりすぎ、金属酸化物粒子への吸着力が低下して分散性が低下する場合がある。
また、Yの数平均分子量はGPC法によるポリスチレン換算値により測定することができる。Yの数平均分子量は、特に1,000〜50,000が好ましく、1,000〜30,000が分散性・分散安定性・現像性の観点から最も好ましい。
Yで示される側鎖構造は、主鎖連鎖に対し、樹脂1分子中に、2つ以上連結していることが好ましく、5つ以上連結していることが最も好ましい。
特に、Yは一般式(III−1)で表される構造を有するものが好ましい。
一般式(III−1)中、Zはポリエステル鎖を部分構造として有するポリマー又はオリゴマーであり、下記一般式(IV)で表される遊離のカルボン酸を有するポリエステルからカルボキシル基を除いた残基を表す。
一般式(IV)中、Zは一般式(III−1)中のZと同義である。
特定樹脂2−1が一般式(I−3)又は(II−3)で表される繰り返し単位を含有する場合、Y’が一般式(III−2)であることが好ましい。
一般式(III−2)中、Zは一般式(III−1)のZと同義である。
片末端にカルボキシル基を有するポリエステル(一般式(IV)で表わされるポリエステル)は、(IV−1)カルボン酸とラクトンの重縮合、(IV−2)ヒドロキシ基含有カルボン酸の重縮合、(IV−3)二価アルコールと二価カルボン酸(若しくは環状酸無水物)の重縮合などにより得ることができる。
(IV−1)カルボン酸とラクトンの重縮合反応において用いるカルボン酸は、脂肪族カルボン酸(炭素数1〜30の直鎖又は分岐のカルボン酸が好ましく、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、n−ヘキサン酸、n−オクタン酸、n−デカン酸、n−ドデカン酸、パルミチン酸、2−エチルヘキサン酸、シクロヘキサン酸等)、ヒドロキシ基含有カルボン酸(炭素数1〜30の直鎖又は分岐のヒドロキシ基含有カルボン酸が好ましく、例えば、グリコール酸、乳酸、3−ヒドロキシプロピオン酸、4−ヒドロキシドデカン酸、5−ヒドロキシドデカン酸、リシノール酸、12−ヒドロキシドデカン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、2,2−ビス(ヒロドキシメチル)酪酸等)が挙げられるが、特に、炭素数6〜20の直鎖脂肪族カルボン酸又は炭素数1〜20のヒドロキシ基含有カルボン酸が好ましい。これらカルボン酸は混合して用いても良い。ラクトンは、公知のラクトンを用いることができ、例えば、β−プロピオラクトン、β−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−ヘキサノラクトン、γ−オクタノラクトン、δ−バレロラクトン、δ−ヘキサラノラクトン、δ−オクタノラクトン、ε−カプロラクトン、δ−ドデカノラクトン、α−メチル−γ−ブチロラクトン等を挙げることができ、特にε−カプロラクトンが反応性・入手性の観点から好ましい。
これらラクトンは複数種を混合して用いても良い。
カルボン酸とラクトンの反応時の仕込みモル比率は、目的のポリエステル鎖の分子量によるため一義的に決定できないが、カルボン酸:ラクトン=1:1〜1:1,000が好ましく、1:3〜1:500が最も好ましい。
(IV−2)ヒドロキシ基含有カルボン酸の重縮合におけるヒドロキシ基含有カルボン酸は、前記(IV−1)におけるヒドロキシ基含有カルボン酸と同様であり、好ましい範囲も同様である。
(IV−3)二価アルコールと二価カルボン酸(若しくは環状酸無水物)の重縮合反応における二価アルコールとしては、直鎖又は分岐の脂肪族ジオール(炭素数2〜30のジオールが好ましく、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール等)が挙げられ、特に炭素数2〜20の脂肪族ジオールが好ましい。
二価カルボン酸としては、直鎖又は分岐の二価の脂肪族カルボン酸(炭素数1〜30の二価の脂肪族カルボン酸が好ましく、例えば、コハク酸、マレイン酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、グルタル酸、スベリン酸、酒石酸、シュウ酸、マロン酸等)が挙げられ、特に炭素数3〜20の二価カルボン酸が好ましい。また、これら二価カルボン酸と等価な酸無水物(例えば、無水コハク酸、無水グルタル酸等)を用いてもよい。
二価カルボン酸と二価アルコールは、モル比で1:1で仕込むことが好ましい。これにより、末端にカルボン酸を導入することが可能となる。
ポリエステル製造時の重縮合は、触媒を添加して行うことが好ましい。触媒としては、ルイス酸として機能する触媒が好ましく、例えばTi化合物(例えば、Ti(OBu)、Ti(O−Pr)等)、Sn化合物(例えば、オクチル酸スズ、ジブチルスズオキシド、ジブチルスズラウレート、モノブチルスズヒドロキシブチルオキシド、塩化第二スズ等)、プロトン酸(例えば、硫酸、パラトルエンスルホン酸等)等が挙げられる。触媒量は、全モノマーのモル数に対し、0.01〜10モル%が好ましく、0.1〜5モル%が最も好ましい。反応温度は、80〜250℃が好ましく、100〜180℃が最も好ましい。反応時間は、反応条件により異なるが、概ね1〜24時間である。
ポリエステルの数平均分子量はGPC法によるポリスチレン換算値として測定することができる。ポリエステルの数平均分子量は、1,000〜1,000,000であるが、2,000〜100,000が好ましく、3,000〜50,000が最も好ましい。分子量がこの範囲にある場合、分散性・現像性の両立ができる。
Yにおけるポリマー鎖を形成するポリエステル部分構造は、特に、(IV−1)カルボン酸とラクトンの重縮合、及び、(IV−2)ヒドロキシ基含有カルボン酸の重縮合、により得られるポリエステルであることが、製造容易性の観点から好ましい。
本発明の特定樹脂2の具体的態様〔(A−1)〜(A−61)〕を、樹脂が有する繰り返し単位の具体的構造とその組合せにより以下に示すが、本発明はこれに限定されるものではない。下記式中、k、l、m、及びnはそれぞれ繰り返し単位の重合モル比を示し、kは1〜80、lは10〜90、mは0〜80、nは0〜70であり、かつk+l+m+n=100である。p及びqはポリエステル鎖の連結数を示し、それぞれ独立に5〜100,000を表す。R’は水素原子又はアルキルカルボニル基を表す。
本発明の特定樹脂2を合成するには、(1)一級又は二級アミノ基を有する樹脂と、Xの前駆体x、及びYの前駆体yとを反応させる方法、(2)Xを含有するモノマーとYを含有するマクロモノマーとの重合による方法などにより製造することが可能であるが、まず、一級又は二級アミノ基を主鎖に有する樹脂を合成し、その後、該樹脂に、Xの前駆体x及びYの先駆体yを反応させて、主鎖に存在する窒素原子に高分子反応により導入することで製造することが好ましい。
一級又は二級アミノ基を有する樹脂としては、窒素原子を有する主鎖部を構成する1級又は2級アミノ基を含有するオリゴマー又はポリマーが挙げられ、例えば、ポリ(低級アルキレンイミン)、ポリアリルアミン、ポリジアリルアミン、メタキシレンジアミン−エピクロルヒドリン重縮合物、ポリビニルアミン等が挙げられる。これらのうち、ポリ(低級アルキレンイミン)、又は、ポリアリルアミンから構成されるオリゴマー又はポリマーが好ましい。
pKa14以下の官能基を有する基Xの前駆体xとは、前記一級又は二級アミノ基を有する樹脂と反応し、主鎖にXを導入することのできる化合物を表す。
xの例としては、環状カルボン酸無水物(炭素数4〜30の環状カルボン酸無水物が好ましく、例えば、コハク酸無水物、グルタル酸無水物、イタコン酸無水物、マレイン酸無水物、アリルコハク酸無水物、ブチルコハク酸無水物、n−オクチルコハク酸無水物、n−デシルコハク酸無水物、n−ドデシルコハク酸無水物、n−テトラデシルコハク酸無水物、n−ドコセニルコハク酸無水物、(2−ヘキセン−1−イル)コハク酸無水物、(2−メチルプロペン−1−イル)コハク酸無水物、(2−ドデセン−1−イル)コハク酸無水物、n−オクテニルコハク酸無水物、(2,7−オクタンジエン−1−イル)コハク酸無水物、アセチルリンゴ酸無水物、ジアセチル酒石酸無水物、ヘット酸無水物、シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物、3又は4−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物、テトラフルオロコハク酸無水物、3又は4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、4−メチル−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、フタル酸無水物、テトラクロロフタル酸無水物、ナフタル酸無水物、ナフタル酸無水物、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、meso−ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンカルボン酸二無水物等)、ハロゲン原子含有カルボン酸(例えば、クロロ酢酸、ブロモ酢酸、ヨード酢酸、4−クロロ−n−酪酸等)、スルトン(例えば、プロパンスルトン、1,4−ブタンスルトン等)、ジケテン、環状スルホカルボン酸無水物(例えば、2−スルホ安息香酸無水物等)、−COCHCOClを含有する化合物(例えば、エチルマロニルクロリド等)、又はシアノ酢酸クロリド等が挙げられ、特に環状カルボン酸無水物、スルトン、ジケテンが、生産性の観点から好ましい。
原子数40〜10,000のオリゴマー鎖又はポリマー鎖Yの前駆体yとは、前記一級又は二級アミノ基を有する樹脂と反応し、前記オリゴマー鎖又はポリマー鎖Yを導入することのできる化合物を表す。
yは、特定樹脂2の窒素原子と共有結合又はイオン結合できる基を末端に有する原子数40〜10,000のオリゴマー又はポリマーが好ましく、特に、片末端に遊離のカルボキシル基を有する原子数40〜10,000のオリゴマー又はポリマーが最も好ましい。
yの例としては、一般式(IV)で表される片末端に遊離のカルボン酸を有するポリエステル、片末端に遊離のカルボン酸を有するポリアミド、片末端に遊離のカルボン酸を有するポリ(メタ)アクリル酸系樹脂等が挙げられるが、特に、一般式(IV)で表される片末端に遊離のカルボン酸を含有するポリエステルが最も好ましい。
yは公知の方法で合成することができ、例えば、一般式(IV)で表される片末端に遊離のカルボン酸を含有するポリエステルは、前記の通り、(IV−1)カルボン酸とラクトンの重縮合、(IV−2)ヒドロキシ基含有カルボン酸の重縮合、(IV−3)二価アルコールと二価カルボン酸(若しくは環状酸無水物)の重縮合より製造する方法が挙げられる。片末端に遊離のカルボン酸を含有するポリアミドは、アミノ基含有カルボン酸(例えば、グリシン、アラニン、β−アラニン、2−アミノ酪酸等)の自己縮合等により製造することができる。片末端に遊離のカルボン酸を有するポリ(メタ)アクリル酸エステルはカルボキシル基含有連鎖移動剤(例えば、3−メルカプトプロピオン酸等)の存在下、(メタ)アクリル酸系モノマーをラジカル重合することにより製造することができる。
本発明の特定樹脂2は、(a)一級又は二級アミノ基を有する樹脂とx、yを同時に反応させる方法、(b)一級又は二級アミノ基を有する樹脂とxを反応させた後、yと反応させる方法、(c)一級又は二級アミノ基を有する樹脂とyを反応させた後、xと反応させる方法、により製造することができる。特に、(c)一級又は二級アミノ基を有する樹脂とyを反応させた後、xと反応させる方法が好ましい。
反応温度は、条件により適宜選択できるが、20〜200℃が好ましく、40〜150℃が最も好ましい。反応時間は、1〜48時間が好ましく、1〜24時間が生産性の観点から更に好ましい。
反応は溶媒存在下で行っても良い。溶媒としては、水、スルホキシド化合物(例えば、ジメチルスルホキシド等)、ケトン化合物(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等)、エステル化合物(例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル、プロピレングリコール1−モノメチルエーテル2−アセテート等)、エーテル化合物(例えば、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン等)、脂肪族炭化水素化合物(例えば、ペンタン、ヘキサン等)、芳香族炭化水素化合物(例えば、トルエン、キシレン、メシチレン等)、二トリル化合物(例えば、アセトニトリル、プロピオンニトリル等)、アミド化合物(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等)、カルボン酸化合物(例えば、酢酸、プロピオン酸等)、アルコール化合物(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、3−メチルブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール等)、ハロゲン系溶媒(例えば、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等)が挙げられる。
溶媒を用いる場合、基質に対し、0.1〜100質量倍用いることが好ましく、0.5〜10質量倍用いることが最も好ましい。
本発明の特定樹脂2は、再沈法で精製してもよい。再沈法で、低分子量成分を除去することにより、得られた特定樹脂2を分散剤として使用した場合の分散性能が向上する。再沈には、ヘキサン等の炭化水素計溶媒、メタノールなどのアルコール系溶媒を用いることが好ましい。
このようにして得られた本発明における特定樹脂2は、GPC法により測定された重量平均分子量が3,000〜100,000であることが好ましく、5,000〜55,000であることが更に好ましい。分子量が上記範囲において、高現像性・高保存安定性を達成しうるという利点を有する。また、本発明の特定樹脂2における窒素原子を含有する繰り返し単位(i)における窒素原子の存在は、酸滴定等の方法により確認することができ、pKaが14以下である官能基の存在、及び、その官能基が前記繰り返し単位の窒素原子と結合していることは塩基滴定・核磁気共鳴分光法・赤外分光法等の方法により確認することができる。また、(ii)原子数40〜10,000のオリゴマー鎖又はポリマー鎖Yを側鎖に有する点については、核磁気共鳴分光法・GPC法等の方法で確認することができる。
以下に、本発明の特定樹脂2の具体例をその分子量とともに記載する。R’はアルキル基を表す。
本発明の組成物に好ましく含有される分散組成物において、特定樹脂1及び2はそれぞれ、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の組成物に好ましく含有される分散組成物又は本発明の組成物の全固形分に対する分散樹脂(B)(例えば、特定樹脂1又は2)の含有量は、分散性、分散安定性の観点から、10〜50質量%の範囲が好ましく、11〜40質量%の範囲がより好ましく、12〜30質量%の範囲が更に好ましい。
−その他の分散樹脂−
本発明の組成物に好ましく含有される分散組成物には、金属酸化物粒子の分散性を調整する等の目的で、上記特定樹脂以外の分散樹脂(以下、「その他の分散樹脂」と称する場合がある)が含有されていてもよい。
本発明に用いることができるその他の分散樹脂としては、高分子分散剤〔例えば、ポリアミドアミンとその塩、ポリカルボン酸とその塩、高分子量不飽和酸エステル、変性ポリウレタン、変性ポリエステル、変性ポリ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル系共重合体、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物〕、及び、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルカノールアミン、顔料誘導体等を挙げることができる。
その他の分散樹脂は、その構造から更に直鎖状高分子、末端変性型高分子、グラフト型高分子、ブロック型高分子に分類することができる。
その他の分散樹脂は、金属酸化物粒子及び所望により併用する顔料の表面に吸着し、再凝集を防止するように作用する。そのため、金属酸化物粒子表面へのアンカー部位を有する末端変性型高分子、グラフト型高分子、ブロック型高分子が好ましい構造として挙げることができる。
一方で、その他の分散樹脂は、金属酸化物粒子表面を改質することで、分散樹脂の吸着を促進させる効果を有する。
その他の分散樹脂の具体例としては、BYK Chemie社製「Disperbyk−101(ポリアミドアミン燐酸塩)、107(カルボン酸エステル)、110(酸基を含む共重合物)、130(ポリアミド)、161、162、163、164、165、166、170(高分子共重合物)」、「BYK−P104、P105(高分子量不飽和ポリカルボン酸)、EFKA社製「EFKA4047、4050、4010、4165(ポリウレタン系)、EFKA4330、4340(ブロック共重合体)、4400、4402(変性ポリアクリレート)、5010(ポリエステルアミド)、5765(高分子量ポリカルボン酸塩)、6220(脂肪酸ポリエステル)、6745(フタロシアニン誘導体)、6750(アゾ顔料誘導体)」、味の素ファィンテクノ社製「アジスパーPB821、PB822」、共栄社化学社製「フローレンTG−710(ウレタンオリゴマー)」、「ポリフローNo.50E、No.300(アクリル系共重合体)」、楠本化成社製「ディスパロンKS−860、873SN、874、#2150(脂肪族多価カルボン酸)、#7004(ポリエーテルエステル)、DA−703−50、DA−705、DA−725」、花王社製「デモールRN、N(ナフタレンスルホン酸ホルマリン重縮合物)、MS、C、SN−B(芳香族スルホン酸ホルマリン重縮合物)」、「ホモゲノールL−18(高分子ポリカルボン酸)」、「エマルゲン920、930、935、985(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)」、「アセタミン86(ステアリルアミンアセテート)」、ルーブリゾール社製「ソルスパース5000(フタロシアニン誘導体)、22000(アゾ顔料誘導体)、13240(ポリエステルアミン)、3000、17000、27000(末端部に機能部を有する高分子)、24000、28000、32000、38500(グラフト型高分子)」、日光ケミカル者製「ニッコールT106(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート)、MYS−IEX(ポリオキシエチレンモノステアレート)」等が挙げられる。
これらのその他の樹脂は、単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の組成物に好ましく含有される分散組成物又は本発明の組成物はその他の分散樹脂を含有してもしなくても良いが、含有する場合、分散組成物又は本発明の組成物の全固形分に対するその他の分散樹脂の含有量は、1〜20質量%の範囲が好ましく、1〜10質量%の範囲がより好ましい。
(C)溶媒
本発明の組成物に好ましく含有される分散組成物は溶媒を含むが、該溶媒は種々の有機溶剤を用いて構成することができる。
ここで使用できる有機溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、エチレンジクロライド、テトラヒドロフラン、トルエン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、アセチルアセトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メトキシプロパノール、メトキシメトキシエタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、乳酸メチル、乳酸エチルなどがある。
これらの有機溶剤は、単独あるいは混合して使用することができる。本発明の組成物に好ましく含有される分散組成物における固形分の濃度は、2〜60質量%であることが好ましい。
本発明の組成物に好ましく含有される分散組成物の製造方法としては、特に制限はなく通常用いられる分散組成物の製造方法を適用することができる。例えば、金属酸化物粒子(A)、分散樹脂(B)、及び溶媒(C)を混合し、循環型分散装置(ビーズミル)等を用いて分散処理することで製造することができる。
<組成物>
本発明の組成物は、上述の金属酸化物粒子(A)としての酸化チタン粒子又は酸化ジルコニウム粒子に加え、ベンジル(メタ)アクリレートから誘導される繰り返し単位を含有するバインダーポリマー(F)と、界面活性剤(G)とを含有する組成物であって、前記界面活性剤(G)の含有量が組成物の全固形分に対して0.0010質量%〜3.0質量%である。
かかる構成であることで、屈折率が高く、組成物の塗布後の塗布面状の経時変化が小さく、かつ、現像処理後の屈折率の低下が小さい膜(代表的には透明膜)を形成できる組成物とすることができる。
本発明の組成物は、硬化性組成物であることが好ましい。硬化性組成物の一形態としては、本発明の組成物が、更に重合性化合物(D)と、重合開始剤(E)とを含有し、必要に応じてその他の成分を含むことによって構成される硬化性組成物であることが好ましい。
このように、本発明において、「硬化性組成物」は、「組成物」の一形態であるため、上記したように、硬化性組成物の全固形分に対する金属酸化物粒子の含有量は、上記した組成物又は分散組成物における金属酸化物粒子の含有量の範囲と同様である。
本発明の組成物が、硬化性組成物とされることにより、屈折率が高く、組成物の塗布後の塗布面状の経時変化が小さく、かつ、現像処理後の屈折率の低下が小さい膜(代表的には透明膜)をより良好に形成できる。
また、本発明は、本発明の組成物又は硬化性組成物を用いて形成された透明膜にも関する。
本発明の組成物又は硬化性組成物から得られる膜又は硬化膜(硬化性組成物により膜を形成し、次いで、硬化反応を行った膜)は、屈折率が1.72〜2.60であることが好ましく、1.80〜2.60であることがより好ましい。
膜又は硬化膜の屈折率が1.72〜2.60であるという物性は、本発明の組成物が、上記金属酸化物粒子(A)、ベンジル(メタ)アクリレートから誘導される繰り返し単位を含有するバインダーポリマー(F)及び界面活性剤(G)(本発明の硬化性組成物においては更に重合性化合物(D)及び重合開始剤(E))を含有する限りにおいて、どのような手段によって達成されても良いが、例えば、重合性化合物(D)や、更に添加され得るバインダーポリマーの種類及び含有量の調整することや、組成物に金属酸化物粒子(A)を含有させるとともに、金属酸化物粒子の種類及び含有量の調整することにより、好適に、達成される。
特に、金属酸化物粒子を、上記した好ましい例にすることにより、より容易に、上記物性を達成できる。
また、本発明の組成物は、透明な組成物であることが好ましく、より具体的には、組成物により膜厚1.0μmの膜又は硬化膜を形成した時、該膜又は硬化膜の厚み方向に対する光透過率が、400〜700nmの波長領域全域に渡って90%以上となるような組成物である。
すなわち、本発明の透明膜は、膜厚1.0μmにおいて、膜の厚み方向に対する光透過率が、400〜700nmの波長領域全域に渡って90%以上となるような膜を言う。
このような光透過率の物性は、本発明の組成物が、上記金属酸化物粒子(A)、ベンジル(メタ)アクリレートから誘導される繰り返し単位を含有するバインダーポリマー(F)及び界面活性剤(G)(本発明の硬化性組成物においては更に重合性化合物(D)及び重合開始剤(E))を含有する限りにおいて、どのような手段によって達成されても良いが、例えば、重合性化合物(D)や、更に添加され得るバインダーポリマーの種類及び含有量の調整することにより、好適に達成される。また、金属酸化物粒子(A)の粒子径や、分散樹脂(B)の種類及び添加量を調整することによっても、上記光透過率の物性を好適に達成できる。
本発明の組成物及び透明膜に関し、上記光透過率が、400〜700nmの波長領域全域に渡って90%以上であることは、特にマイクロレンズが、その求められる特性を発現するために重要な要素である。
上記光透過率は、400〜700nmの波長領域全域に渡って、95%以上であることが好ましく、99%以上であることがより好ましく、100%であることが最も好ましい。
以上を鑑み、本発明の組成物は、実質的には、着色剤を含有しない(着色剤の含有量は、組成物の全固形分に対して、0質量%であることが好ましい)。
(F)ベンジル(メタ)アクリレートから誘導される繰り返し単位を含有するバインダーポリマー
本発明の組成物は、ベンジル(メタ)アクリレートから誘導される繰り返し単位を含有するバインダーポリマー(F)を含有する。バインダーポリマーがベンジル(メタ)アクリレートから誘導される繰り返し単位を含有することにより、組成物中の金属酸化物粒子の分散状態が安定になり、本発明の効果の発現に寄与するものと推定される。
本発明のバインダーポリマー(F)はベンジル(メタ)アクリレートから誘導される繰り返し単位(以下、“BzMA”又は“繰り返し単位BzMA”と表記することもある)に加えて、更に(メタ)アクリレートから誘導される繰り返し単位(以下、“MAA”又は“繰り返し単位MAA”と表記することもある)を含有することが好ましく、これらに加えて更にアルキル(メタ)アクリレートから誘導される繰り返し単位を含有することがより好ましい。バインダーポリマー(F)がこれら繰り返し単位を含有することにより、本発明の効果がより良好に発現される。
(メタ)アクリレートから誘導される繰り返し単位(“繰り返し単位MAA”)は、典型的には(メタ)アクリル酸から誘導される繰り返し単位である。
アルキル(メタ)アクリレートから誘導される繰り返し単位における側鎖のアルキル基の炭素数は、好ましくは1〜30であり、より好ましくは1〜20である。
アルキル(メタ)アクリレートから誘導される繰り返し単位としては、イソブチル(メタ)アクリレートから誘導される繰り返し単位(以下、“iBuMA”又は“繰り返し単位iBuMA”と表記することもある)、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートから誘導される繰り返し単位(以下、“HEMA”又は“繰り返し単位HEMA”と表記することもある)、及びエチレンオキサイド基を含有するアルキル(メタ)アクリレートから誘導される繰り返し単位(以下、“EOA”又は“繰り返し単位EOA”と表記することもある)等が挙げられ、これらのうち少なくとも一つの繰り返し単位が含有されることが好ましく、少なくとも二つの繰り返し単位が含有されることがより好ましい。
ここで、エチレンオキサイド基を含有するアルキル(メタ)アクリレートから誘導される繰り返し単位とは、アルキル(メタ)アクリレートから誘導される繰り返し単位において、側鎖のアルキル基中のアルキレン鎖の一部又は全部が、エチレンオキサイド基に置き換えられた構造を有する繰り返し単位を意味する。エチレンオキサイド基は−(CO)−で表されることが好ましい。ここでnは整数を表し、好ましくは2〜90の整数であり、より好ましくは4〜23の整数であり、特に好ましくは6〜15の整数である。
またバインダーポリマー(F)はエチレンオキサイド基を有することが好ましく、繰り返し単位EOAを含有することがより好ましく、繰り返し単位EOA及び繰り返し単位iBuMAの両方を含有することが更に好ましい。
すなわち本発明のバインダーポリマー(F)としては、繰り返し単位BzMA、繰り返し単位MAA、繰り返し単位EOA及び繰り返し単位iBuMAのすべてを含有するバインダーポリマーが特に好ましく、これら4つの繰り返し単位のみからなるバインダーポリマーが最も好ましい。
バインダーポリマー(F)の繰り返し単位として、繰り返し単位BzMAに加えて繰り返し単位iBuMAと繰り返し単位EOAの両方を含むことが好ましい理由は不明だが、組成物におけるバインダーポリマー(F)の溶解性と、金属酸化物粒子との相溶性をバランスさせることで、溶液状態での均一性ひいては塗布膜にした時の膜の均一性がより高まるのではないかと推定している。
本発明のバインダーポリマー(F)における、繰り返し単位BzMAの含有量は、バインダーポリマー(F)の全繰り返し単位に対して、好ましくは10〜65モル%の範囲であり、より好ましくは10〜50モル%の範囲であり、更に好ましくは20〜40モル%の範囲である。
本発明のバインダーポリマー(F)は、繰り返し単位MAAを含有してもしなくてもよいが、含有する場合、繰り返し単位MAAの含有量は、バインダーポリマー(F)の全繰り返し単位に対して、好ましくは1〜50モル%の範囲であり、より好ましくは5〜40モル%の範囲であり、更に好ましくは10〜35モル%の範囲である。
本発明のバインダーポリマー(F)は、繰り返し単位iBuMAを含有してもしなくてもよいが、含有する場合、繰り返し単位iBuMAの含有量は、バインダーポリマー(F)の全繰り返し単位に対して、好ましくは1〜50モル%の範囲であり、より好ましくは10〜50モル%の範囲であり、更に好ましくは20〜45モル%の範囲である。
本発明のバインダーポリマー(F)は、繰り返し単位HEMAを含有してもしなくてもよいが、含有する場合、繰り返し単位HEMAの含有量は、バインダーポリマー(F)の全繰り返し単位に対して、好ましくは1〜40モル%の範囲であり、より好ましくは3〜30モル%の範囲であり、更に好ましくは5〜25モル%の範囲である。
本発明のバインダーポリマー(F)は、繰り返し単位EOAを含有してもしなくてもよいが、含有する場合、繰り返し単位EOAの含有量は、バインダーポリマー(F)の全繰り返し単位に対して、好ましくは0.5〜40モル%の範囲であり、より好ましくは1〜25モル%の範囲であり、更に好ましくは2〜15モル%の範囲である。
本発明のバインダーポリマー(F)の重量平均分子量(GPC法で測定されたポリスチレン換算値)としては、好ましくは1,000以上であり、より好ましくは5,000以上10万以下、更に好ましくは5,000以上5万以下の範囲である。多分散度(重量平均分子量/数平均分子量)は1以上が好ましく、更に好ましくは1.1以上10以下の範囲である。
バインダーポリマー(F)は、ランダムポリマー、ブロックポリマー、グラフトポリマー等いずれでもよい。
本発明のバインダーポリマー(F)は、従来公知の方法により合成できる。合成する際に用いられる溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、エチレンジクロリド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトン、メタノール、エタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、トルエン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、ジメチルスルホキシド、水等が挙げられる。これらの溶媒は単独で又は2種以上混合して用いられる。
本発明の組成物において用いるバインダーポリマー(F)を合成する際に用いられるラジカル重合開始剤としては、アゾ系開始剤、過酸化物開始剤等公知の化合物が挙げられる。
以下にバインダーポリマー(F)の具体例をその重量平均分子量(Mw)及び共重合比
(モル比)と共に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明の組成物において、バインダーポリマー(F)は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の組成物におけるバインダーポリマー(F)の含有量は、組成物の全固形分に対して、1質量%以上40質量%以下であることが好ましく、3質量%以上30質量%以下であることがより好ましく、4質量%以上20質量%以下であることが更に好ましい。
−その他のバインダーポリマー−
本発明の組成物はバインダーポリマー(F)以外のバインダーポリマーを含有してもよい。バインダーポリマー(F)以外のバインダーポリマーとしては線状有機ポリマーを用いることが好ましい。このような線状有機ポリマーとしては、公知のものを任意に使用できる。好ましくは水現像あるいは弱アルカリ水現像を可能とするために、水あるいは弱アルカリ水に可溶性又は膨潤性である線状有機ポリマーが選択される。線状有機ポリマーは、皮膜形成剤としてだけでなく、水、弱アルカリ水あるいは有機溶剤現像剤としての用途に応じて選択使用される。例えば、水可溶性有機ポリマーを用いると水現像が可能になる。このような線状有機ポリマーとしては、側鎖にカルボン酸基を有するラジカル重合体、例えば特開昭59−44615号公報、特公昭54−34327号公報、特公昭58−12577号公報、特公昭54−25957号公報、特開昭54−92723号公報公報、特開昭59−53836号公報、特開昭59−71048号公報に記載されているもの、すなわち、カルボキシル基を有するモノマーを単独あるいは共重合させた樹脂、酸無水物を有するモノマーを単独あるいは共重合させ酸無水物ユニットを加水分解若しくはハーフエステル化若しくはハーフアミド化させた樹脂、エポキシ樹脂を不飽和モノカルボン酸及び酸無水物で変性させたエポキシアクリレート等が挙げられる。カルボキシル基を有するモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、4−カルボキシルスチレン等があげられ、酸無水物を有するモノマーとしては、無水マレイン酸等が挙げられる。
また、同様に側鎖にカルボン酸基を有する酸性セルロース誘導体がある。この他に水酸基を有する重合体に環状酸無水物を付加させたものなどが有用である。
本発明において、バインダーポリマー(F)以外のバインダーポリマーとして、共重合体を用いる場合、共重合させる化合物として、先にあげたモノマー以外の他のモノマーを用いることもできる。他のモノマーの例としては、下記(1)〜(12)の化合物が挙げられる。
(1)2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート等の脂肪族水酸基を有するアクリル酸エステル類、及びメタクリル酸エステル類。
(2)アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−2−クロロエチル、グリシジルアクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート、ビニルアクリレート、2−フェニルビニルアクリレート、1−プロペニルアクリレート、アリルアクリレート、2−アリロキシエチルアクリレート、プロパルギルアクリレート等のアルキルアクリレート。
(3)メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸−2−クロロエチル、グリシジルメタクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート、ビニルメタクリレート、2−フェニルビニルメタクリレート、1−プロペニルメタクリレート、アリルメタクリレート、2−アリロキシエチルメタクリレート、プロパルギルメタクリレート等のアルキルメタクリレート。
(4)アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−ヘキシルメタクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−ニトロフェニルアクリルアミド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミド、ビニルアクリルアミド、ビニルメタクリルアミド、N,N−ジアリルアクリルアミド、N,N−ジアリルメタクリルアミド、アリルアクリルアミド、アリルメタクリルアミド等のアクリルアミド若しくはメタクリルアミド。
(5)エチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル等のビニルエーテル類。
(6)ビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビニルブチレート、安息香酸ビニル等のビニルエステル類。
(7)スチレン、α−メチルスチレン、メチルスチレン、クロロメチルスチレン、p−アセトキシスチレン等のスチレン類。
(8)メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロピルビニルケトン、フェニルビニルケトン等のビニルケトン類。
(9)エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、イソプレン等のオレフィン類。
(10)N−ビニルピロリドン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等。
(11)マレイミド、N−アクリロイルアクリルアミド、N−アセチルメタクリルアミド、N−プロピオニルメタクリルアミド、N−(p−クロロベンゾイル)メタクリルアミド等の不飽和イミド。
(12)α位にヘテロ原子が結合したメタクリル酸系モノマー。例えば、特開2002−309057号、特開2002−311569号等の各公報に記載の化合物を挙げる事ができる。
前記バインダーポリマー(F)以外のバインダーポリマーには、下記一般式(ED)で表される化合物(以下「エーテルダイマー」と称することもある。)を必須とする単量体成分を重合してなる繰り返し単位を含むことも好ましい。
(式(ED)中、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜25の炭化水素基を表す。)
これにより、本発明の組成物は、耐熱性とともに透明性にも極めて優れた塗膜を形成しうる。前記エーテルダイマーを示す前記一般式(ED)中、R及びRで表される置換基を有していてもよい炭素数1〜25の炭化水素基としては、特に制限はないが、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、t−アミル、ステアリル、ラウリル、2−エチルヘキシル等の直鎖状又は分岐状のアルキル基;フェニル等のアリール基;シクロヘキシル、t−ブチルシクロヘキシル、ジシクロペンタジエニル、トリシクロデカニル、イソボルニル、アダマンチル、2−メチル−2−アダマンチル等の脂環式基;1−メトキシエチル、1−エトキシエチル等のアルコキシで置換されたアルキル基;ベンジル等のアリール基で置換されたアルキル基;等が挙げられる。これらの中でも特に、メチル、エチル、シクロヘキシル、ベンジル等のような酸や熱で脱離しにくい1級又は2級炭素の置換基が耐熱性の点で好ましい。
前記エーテルダイマーの具体例としては、例えば、ジメチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジエチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(n−プロピル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(イソプロピル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(n−ブチル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(イソブチル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(t−ブチル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(t−アミル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(ステアリル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(ラウリル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(2−エチルヘキシル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(1−メトキシエチル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(1−エトキシエチル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジベンジル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジフェニル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジシクロヘキシル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(t−ブチルシクロヘキシル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(ジシクロペンタジエニル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(トリシクロデカニル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(イソボルニル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジアダマンチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(2−メチル−2−アダマンチル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート等が挙げられる。これらの中でも特に、ジメチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジエチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジシクロヘキシル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジベンジル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエートが好ましい。これらエーテルダイマーは、1種のみ使用してもよいし、2種以上使用してもよい。また、前記一般式(ED)で示される化合物由来の構造体は、その他のモノマーを共重合させてもよい。
これらの中で、側鎖にアリル基やビニルエステル基とカルボキシル基を有する(メタ)アクリル樹脂及び特開2000−187322号公報、特開2002−62698号公報に記載されている側鎖に二重結合を有するアルカリ可溶性樹脂や、特開2001−242612号公報に記載されている側鎖にアミド基を有するアルカリ可溶性樹脂が膜強度、感度、現像性のバランスに優れており、好適である。
また、特公平7−12004号公報、特公平7−120041号公報、特公平7−120042号公報、特公平8−12424号公報、特開昭63−287944号公報、特開昭63−287947号公報、特開平1−271741号公報等に記載される酸基を含有するウレタン系バインダーポリマーや、特開2002−107918号公報に記載される酸基と二重結合を側鎖に有するウレタン系バインダーポリマーは、非常に、強度に優れるので、膜強度の点で有利である。
また、欧州特許第993966号、欧州特許第1204000号、特開2001−318463号公報等に記載の酸基を有するアセタール変性ポリビニルアルコール系バインダーポリマーも、膜強度に優れており、好適である。
更にこの他に水溶性線状有機ポリマーとして、ポリビニルピロリドンやポリエチレンオキサイド等が有用である。また皮膜の強度を上げるためにアルコール可溶性ナイロンや2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパンとエピクロロヒドリンのポリエーテル等も有用である。
本発明の組成物で使用しうるバインダーポリマー(F)以外のバインダーポリマーの重量平均分子量(GPC法で測定されたポリスチレン換算値)としては、好ましくは5,000以上であり、更に好ましくは1万以上30万以下の範囲であり、数平均分子量については好ましくは1,000以上であり、更に好ましくは2,000以上25万以下の範囲である。多分散度(重量平均分子量/数平均分子量)は1以上が好ましく、更に好ましくは1.1以上10以下の範囲である。
これらのバインダーポリマーは、ランダムポリマー、ブロックポリマー、グラフトポリマー等いずれでもよい。
本発明で用いうるバインダーポリマー(F)以外のバインダーポリマーは、従来公知の方法により合成できる。合成する際に用いられる溶媒としては、バインダーポリマー(F)を合成する際に用いられる溶媒と同様のものが用いられる。
本発明の組成物において用いうるバインダーポリマー(F)以外のバインダーポリマーを合成する際に用いられるラジカル重合開始剤としては、アゾ系開始剤、過酸化物開始剤等公知の化合物が挙げられる。
本発明の組成物において、バインダーポリマー(F)以外のバインダーポリマーは、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の組成物は、バインダーポリマー(F)以外のバインダーポリマーを含有してもしなくても良いが、含有する場合、組成物の全固形分に対して、バインダーポリマー(F)以外のバインダーポリマーの含有量は、1質量%以上40質量%以下であることが好ましく、3質量%以上30質量%以下であることがより好ましく、4質量%以上20質量%以下であることが更に好ましい。
(G)界面活性剤
本発明の組成物は、各種の界面活性剤を、組成物の全固形分に対して0.0010質量%〜3.0質量%の範囲で含有する。界面活性剤を0.0010質量%以上含有することにより、塗布膜となったときに金属酸化物粒子とバインダーポリマーとの間に均一に界面活性剤が存在することになり、その結果本願の課題である経時後の塗布面状悪化防止や、エッチング現像後の屈折率の低下が防止できる。また界面活性剤を、3.0質量%を超えて添加すると、界面活性剤自身のはじきによりかえって塗布面状が悪くなる。
界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤などの各種界面活性剤を使用できる。
これらのなかでもフッ素系界面活性剤又はノニオン系界面活性剤が好ましく、フッ素系界面活性剤が最も好ましい。
特に、本発明の組成物は、フッ素系界面活性剤を含有することで、塗布液として調製したときの液特性(特に、流動性)がより向上することから、塗布厚の均一性や省液性をより改善することができる。
即ち、フッ素系界面活性剤を含有する透明組成物を適用した塗布液を用いて膜形成する場合においては、被塗布面と塗布液との界面張力を低下させることにより、被塗布面への濡れ性が改善され、被塗布面への塗布性が向上する。このため、少量の液量で数μm程度の薄膜を形成した場合であっても、厚みムラの小さい均一厚の膜形成をより好適に行える点で有効である。
フッ素系界面活性剤中のフッ素含有率は、3質量%〜40質量%が好適であり、より好ましくは5質量%〜30質量%であり、特に好ましくは7質量%〜25質量%である。フッ素含有率がこの範囲内であるフッ素系界面活性剤は、塗布膜の厚さの均一性や省液性の点で効果的であり、組成物中における溶解性も良好である。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、メガファックF171、同F172、同F173、同F176、同F177、同F141、同F142、同F143、同F144、同R30、同F437、同F475、同F479、同F482、同F554、同F780、同F781(以上、DIC(株)製)、フロラードFC430、同FC431、同FC171(以上、住友スリーエム(株)製)、サーフロンS−382、同SC−101、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC1068、同SC−381、同SC−383、同S393、同KH−40(以上、旭硝子(株)製)等が挙げられる。
ノニオン系界面活性剤として具体的には、グリセロール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン並びにそれらのエトキシレート及びプロポキシレート(例えば、グリセロールプロポキシレート、グリセリンエトキシレート等)、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ソルビタン脂肪酸エステル(BASF社製のプルロニックL10、L31、L61、L62、10R5、17R2、25R2、テトロニック304、701、704、901、904、150R1、ソルスパース20000(日本ルーブリゾール(株)製)、サーフィノール465(日信化学製)、等が挙げられる。
カチオン系界面活性剤として具体的には、フタロシアニン誘導体(商品名:EFKA−745、森下産業(株)製)、オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)、(メタ)アクリル酸系(共)重合体ポリフローNo.75、No.90、No.95(共栄社化学(株)製)、W001(裕商(株)製)等が挙げられる。
アニオン系界面活性剤として具体的には、W004、W005、W017(裕商(株)社製)等が挙げられる。
シリコーン系界面活性剤としては、例えば、東レ・ダウコーニング(株)製「トーレシリコーンDC3PA」、「トーレシリコーンSH7PA」、「トーレシリコーンDC11PA」,「トーレシリコーンSH21PA」,「トーレシリコーンSH28PA」、「トーレシリコーンSH29PA」、「トーレシリコーンSH30PA」、「トーレシリコーンSH8400」、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製「TSF−4440」、「TSF−4300」、「TSF−4445」、「TSF−4460」、「TSF−4452」、信越シリコーン株式会社製「KP341」、「KF6001」、「KF6002」、ビックケミー社製「BYK307」、「BYK323」、「BYK330」等が挙げられる。
界面活性剤は、1種のみを用いてもよいし、2種類以上を組み合わせてもよい。
本発明の組成物において、界面活性剤の含有量は、組成物の全固形分量に対して、0.0010質量%〜3.0質量%に調整することが必要である。本願が解決する課題である、エッチング現像処理後の屈折率の低下をできるだけ小さくするためには、界面活性剤の含有量は、組成物の全固形分量に対して、0.010質量%〜3.0質量%であることが好ましく、0.10質量%〜3.0質量%であることがより好ましく、0.50質量%〜3.0質量%であることが更に好ましく、特に好ましくは1.0質量%〜3.0質量%である。
本発明の組成物は、金属酸化物粒子(A)として酸化チタン粒子を含有し、バインダーポリマー(F)として前記バインダーポリマーJ−1を含有し、界面活性剤(G)としてフッ素系界面活性剤を含有する組成物であって、前記フッ素系界面活性剤の含有量が前記組成物の全固形分に対して0.50質量%〜3.0質量%であることが、塗布後の塗布面状の経時変化がより小さく、かつ、現像処理後の屈折率の低下がより小さい膜を形成できることから好ましい。
(D)重合性化合物
本発明の組成物が硬化性組成物であり、重合性化合物(D)を含有する場合、重合性化合物(D)は、少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物であることが好ましく、より好ましくは末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、更に好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。このような化合物は当該技術分野において広く知られるものであり、本発明においてはこれらを特に限定無く用いることができる。
これらは、例えばモノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体及びオリゴマー、又はそれらの混合物並びにそれらの共重合体などの化学的形態をもつ。モノマー及びその共重合体の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。また、ヒドロキシル基やアミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル類あるいは不飽和カルボン酸アミド類と単官能若しくは多官能イソシアネート類あるいはエポキシ類との付加反応物、及び単官能若しくは、多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアネート基や、エポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルあるいは不飽和カルボン酸アミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物;更にハロゲン基や、トシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルあるいは不飽和カルボン酸アミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリス(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリス(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー、イソシアヌール酸EO変性トリアクリレート等がある。
メタクリル酸エステルとしては、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビス−〔p−(メタクリルオキシエトキシ)フェニル〕ジメチルメタン等がある。
イタコン酸エステルとしては、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート等がある。
クロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラジクロトネート等がある。イソクロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等がある。
マレイン酸エステルとしては、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等がある。
その他のエステルの例として、例えば、特公昭51−47334号公報、特開昭57−196231号公報記載の脂肪族アルコール系エステル類や、特開昭59−5240号公報、特開昭59−5241号公報、特開平2−226149号公報記載の芳香族系骨格を有するもの、特開平1−165613号公報記載のアミノ基を含有するもの等も好適に用いられる。更に、前述のエステルモノマーは混合物としても使用することができる。
また、脂肪族多価アミン化合物と不飽和カルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等がある。
その他の好ましいアミド系モノマーの例としては、特公昭54−21726号公報記載のシクロへキシレン構造を有すものを挙げることができる。
また、イソシアネートと水酸基の付加反応を用いて製造されるウレタン系付加重合性化合物も好適であり、そのような具体例としては、例えば、特公昭48−41708号公報中に記載されている1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、下記式(V)で表され、水酸基を有するビニルモノマーを付加させた1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
下記式(V)中、R及びRはそれぞれ独立して、水素原子又はメチル基を示す。
また、特開昭51−37193号公報、特公平2−32293号公報、特公平2−16765号公報に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号公報、特公昭56−17654号公報、特公昭62−39417号公報、特公昭62−39418号公報記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。更に、特開昭63−277653号公報、特開昭63−260909号公報、特開平1−105238号公報に記載される、分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有する重合性化合物類を用いることによっては、非常に感光スピードに優れた硬化性組成物を得ることができる。
その他の例としては、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号、各公報に記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させて得られたたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートを挙げることができる。また、特公昭46−43946号公報、特公平1−40337号公報、特公平1−40336号公報記載の特定の不飽和化合物や、特開平2−25493号公報記載のビニルホスホン酸系化合物等も挙げることができる。また、ある場合には、特開昭61−22048号公報記載のペルフルオロアルキル基を含有する構造が好適に使用される。更に、日本接着協会誌vol.20、No.7、300〜308ページ(1984年)に記載されている光硬化性モノマー及びオリゴマーも使用することができる。
また、前記重合性化合物としては、少なくとも1個の付加重合可能なエチレン基を有する、常圧下で100℃以上の沸点を持つエチレン性不飽和基を持つ化合物も好ましい。その例としては、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、等の単官能のアクリレートやメタアクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイロキシエチル)イソシアヌレート、グリセリンやトリメチロールエタン等の多官能アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加させた後(メタ)アクリレート化したもの、特公昭48−41708号、特公昭50−6034号、特開昭51−37193号各公報に記載されているようなウレタン(メタ)アクリレート類、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号各公報に記載されているポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタアクリレート及びこれらの混合物を挙げることができる。
多官能カルボン酸にグリシジル(メタ)アクリレート等の環状エーテル基とエチレン性不飽和基を有する化合物を反応させ得られる多官能(メタ)アクリレートなども挙げることができる。
また、その他の好ましい重合性化合物として、特開2010−160418、特開2010−129825、特許4364216等に記載される、フルオレン環を有し、エチレン性重合性基を2官能以上有する化合物、カルド樹脂も使用することが可能である。
また、常圧下で100℃以上の沸点を有し、少なくとも一つの付加重合可能なエチレン性不飽和基を持つ化合物としては、特開2008−292970号公報の段落番号[0254]〜[0257]に記載の化合物も好適である。
上記のほか、下記一般式(MO−1)〜(MO−5)で表される、ラジカル重合性モノマーも好適に用いることができる。なお、式中、Tがオキシアルキレン基の場合には、炭素原子側の末端がRに結合する。
前記一般式において、nは0〜14であり、mは1〜8である。一分子内に複数存在するR、T、は、各々同一であっても、異なっていてもよい。
上記一般式(MO−1)〜(MO−5)で表されるラジカル重合性モノマーの各々において、複数のRの内の少なくとも1つは、−OC(=O)CH=CH、又は、−OC(=O)C(CH)=CHで表される基を表す。
上記一般式(MO−1)〜(MO−5)で表される、ラジカル重合性モノマーの具体例としては、特開2007−269779号公報の段落番号0248〜段落番号0251に記載されている化合物を本発明においても好適に用いることができる。
また、特開平10−62986号公報において一般式(1)及び(2)としてその具体例と共に記載の、前記多官能アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加させた後に(メタ)アクリレート化した化合物も、重合性化合物として用いることができる。
中でも、重合性化合物としては、ジペンタエリスリトールトリアクリレート(市販品としては KAYARAD D−330;日本化薬株式会社製)、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート(市販品としては KAYARAD D−320;日本化薬株式会社製)ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート(市販品としては KAYARAD D−310;日本化薬株式会社製)、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート(市販品としては KAYARAD DPHA ;日本化薬株式会社製)、及びこれらの(メタ)アクリロイル基がエチレングリコール、プロピレングリコール残基を介している構造が好ましい。これらのオリゴマータイプも使用できる。
重合性化合物としては、多官能モノマーであって、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基等の酸基を有していても良い。従って、エチレン性化合物が、上記のように混合物である場合のように未反応のカルボキシル基を有するものであれば、これをそのまま利用することができるが、必要において、上述のエチレン性化合物のヒドロキシル基に非芳香族カルボン酸無水物を反応させて酸基を導入しても良い。この場合、使用される非芳香族カルボン酸無水物の具体例としては、無水テトラヒドロフタル酸、アルキル化無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、アルキル化無水ヘキサヒドロフタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸が挙げられる。
本発明において、酸価を有するモノマーとしては、脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルであり、脂肪族ポリヒドロキシ化合物の未反応のヒドロキシル基に非芳香族カルボン酸無水物を反応させて酸基を持たせた多官能モノマーが好ましく、特に好ましくは、このエステルにおいて、脂肪族ポリヒドロキシ化合物がペンタエリスリトール及び/又はジペンタエリスリトールであるものである。市販品としては、例えば、東亞合成株式会社製の多塩基酸変性アクリルオリゴマーとして、M−510、M−520などが挙げられる。
これらのモノマーは1種を単独で用いても良いが、製造上、単一の化合物を用いることは難しいことから、2種以上を混合して用いても良い。また、必要に応じてモノマーとして酸基を有しない多官能モノマーと酸基を有する多官能モノマーを併用しても良い。
酸基を有する多官能モノマーの好ましい酸価としては、0.1〜40mg−KOH/gであり、特に好ましくは5〜30mg−KOH/gである。多官能モノマーの酸価が低すぎると現像溶解特性が落ち、高すぎると製造や取扱いが困難になり光重合性能が落ち、画素の表面平滑性等の硬化性が劣るものとなる。従って、異なる酸基の多官能モノマーを2種以上併用する場合、或いは酸基を有しない多官能モノマーを併用する場合、全体の多官能モノマーとしての酸基が上記範囲に入るように調整することが必須である。
また、重合性モノマーとして、カプロラクトン構造を有する多官能性単量体を含有することが好ましい。
カプロラクトン構造を有する多官能性単量体としては、その分子内にカプロラクトン構造を有する限り特に限定されるものではないが、例えば、トリメチロールエタン、ジトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、グリセリン、ジグリセロール、トリメチロールメラミン等の多価アルコールと、(メタ)アクリル酸及びε−カプロラクトンをエステル化することにより得られる、ε−カプロラクトン変性多官能(メタ)アクリレートを挙げることができる。なかでも下記式(1)で表されるカプロラクトン構造を有する多官能性単量体が好ましい。
(式中、6個のRは全てが下記式(2)で表される基であるか、又は6個のRのうち1〜5個が下記式(2)で表される基であり、残余が下記式(3)で表される基である。)
(式中、Rは水素原子又はメチル基を示し、mは1又は2の数を示し、「*」は結合手であることを示す。)
(式中、Rは水素原子又はメチル基を示し、「*」は結合手であることを示す。)
このようなカプロラクトン構造を有する多官能性単量体は、例えば、日本化薬(株)からKAYARAD DPCAシリーズとして市販されており、DPCA−20(上記式(1)〜(3)においてm=1、式(2)で表される基の数=2、Rが全て水素原子である化合物)、DPCA−30(同式、m=1、式(2)で表される基の数=3、Rが全て水素原子である化合物)、DPCA−60(同式、m=1、式(2)で表される基の数=6、Rが全て水素原子である化合物)、DPCA−120(同式においてm=2、式(2)で表される基の数=6、Rが全て水素原子である化合物)等を挙げることができる。
本発明において、カプロラクトン構造を有する多官能性単量体は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
また、本発明における特定モノマーとしては、下記一般式(i)又は(ii)で表される化合物の群から選択される少なくとも1種であることも好ましい。
前記一般式(i)及び(ii)中、Eは、各々独立に、−((CHCHO)−、又は−((CHCH(CH)O)−を表し、yは、各々独立に0〜10の整数を表し、Xは、各々独立に、アクリロイル基、メタクリロイル基、水素原子、又はカルボキシル基を表す。
前記一般式(i)中、アクリロイル基及びメタクリロイル基の合計は3個又は4個であり、mは各々独立に0〜10の整数を表し、各mの合計は0〜40の整数である。但し、各mの合計が0の場合、Xのうちいずれか1つはカルボキシル基である。
前記一般式(ii)中、アクリロイル基及びメタクリロイル基の合計は5個又は6個であり、nは各々独立に0〜10の整数を表し、各nの合計は0〜60の整数である。但し、各nの合計が0の場合、Xのうちいずれか1つはカルボキシル基である。
前記一般式(i)中、mは、0〜6の整数が好ましく、0〜4の整数がより好ましい。
また、各mの合計は、2〜40の整数が好ましく、2〜16の整数がより好ましく、4〜8の整数が特に好ましい。
前記一般式(ii)中、nは、0〜6の整数が好ましく、0〜4の整数がより好ましい。
また、各nの合計は、3〜60の整数が好ましく、3〜24の整数がより好ましく、6〜12の整数が特に好ましい。
また、一般式(i)又は一般式(ii)中の−((CH2)yCH2O)−又は−((CH2)yCH(CH3)O)−は、酸素原子側の末端がXに結合する形態が好ましい。
前記一般式(i)又は(ii)で表される化合物は1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。特に、一般式(ii)において、6個のX全てがアクリロイル基である形態が好ましい。
また、一般式(i)又は(ii)で表される化合物の特定モノマー中における全含有量としては、20質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましい。
前記一般式(i)又は(ii)で表される化合物は、従来公知の工程である、ペンタエリスリト−ル又はジペンタエリスリト−ルにエチレンオキシド又はプロピレンオキシドを開環付加反応により開環骨格を結合する工程と、開環骨格の末端水酸基に、例えば(メタ)アクリロイルクロライドを反応させて(メタ)アクリロイル基を導入する工程と、から合成することができる。各工程は良く知られた工程であり、当業者は容易に一般式(i)又は(ii)で表される化合物を合成することができる。
前記一般式(i)、(ii)で表される化合物の中でも、ペンタエリスリトール誘導体及び/又はジペンタエリスリトール誘導体がより好ましい。
具体的には、下記式(a)〜(f)で表される化合物(以下、「例示化合物(a)〜(f)」ともいう。)が挙げられ、中でも、例示化合物(a)、(b)、(e)、(f)が好ましい。
一般式(i)、(ii)で表される特定モノマーの市販品としては、例えばサートマー社製のエチレンオキシ鎖を4個有する4官能アクリレートであるSR−494、日本化薬株式会社製のペンチレンオキシ鎖を6個有する6官能アクリレートであるDPCA−60、イソブチレンオキシ鎖を3個有する3官能アクリレートであるTPA−330などが挙げられる。
また、重合性化合物としては、特公昭48−41708号、特開昭51−37193号、特公平2−32293号、特公平2−16765号に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号、特公昭56−17654号、特公昭62−39417号、特公昭62−39418号記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。更に、重合性化合物として、特開昭63−277653号、特開昭63−260909号、特開平1−105238号に記載される、分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有する付加重合性化合物類を用いることによって、非常に感光スピードに優れた硬化性組成物を得ることができる。
重合性化合物の市販品としては、ウレタンオリゴマーUAS−10、UAB−140(山陽国策パルプ社製)、UA−7200」(新中村化学社製、DPHA−40H(日本化薬社製)、UA−306H、UA−306T、UA−306I、AH−600、T−600、AI−600(共栄社製)などが挙げられる。
また、重合性化合物としては、酸基を有するエチレン性不飽和化合物類も好適である。酸基を有するエチレン性不飽和化合物類は、前記多官能アルコールの一部のヒドロキシ基を(メタ)アクリレート化し、残ったヒドロキシ基に酸無水物を付加反応させてカルボキシ基とするなどの方法で得られる。市販品としては、例えば、東亞合成株式会社製の多塩基酸変性アクリルオリゴマーとして、M−510、M−520などが挙げられる。
これらの重合性化合物について、その構造、単独使用か併用か、添加量等の使用方法の詳細は、硬化性組成物の最終的な性能設計にあわせて任意に設定できる。例えば、次のような観点から選択される。
感度の点では1分子あたりの不飽和基含量が多い構造が好ましく、多くの場合、2官能以上が好ましい。また、硬化膜の強度を高くするためには、3官能以上のものがよく、更に、異なる官能数・異なる重合性基(例えばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン系化合物、ビニルエーテル系化合物)のものを併用することで、感度と強度の両方を調節する方法も有効である。
また、硬化性組成物に含有される他の成分(例えば、重合開始剤、金属酸化物粒子等)との相溶性、分散性に対しても、重合性化合物の選択・使用法は重要な要因であり、例えば、低純度化合物の使用や、2種以上の他の成分の併用により相溶性を向上させうることがある。また、基板などの硬質表面との密着性を向上させる目的で特定の構造を選択することもあり得る。
本発明の組成物が硬化性組成物であり、重合性化合物(D)を含有する場合、重合性化合物(D)として、少なくとも1個のエポキシ基を有する重合性化合物(以下“エポキシ化合物”とも言う)を用いることもできる。このようなエポキシ化合物は当該技術分野において広く知られるものであり、本発明においてはこれらを特に限定無く用いることができる。
本発明の組成物は、重合性化合物(D)を含有してもしなくてもよいが、含有する場合、組成物の全固形分に対して、重合性化合物(D)の含有量は、1質量%〜50質量%の範囲であることが好ましく、3質量%〜40質量%の範囲であることがより好ましく、5質量%〜30質量%の範囲であることが更に好ましい。
この範囲内であると、屈折率を低下させることなく、硬化性が良好で好ましい。
(E)重合開始剤
本発明の組成物が硬化性組成物であり、重合性化合物(D)を含有する場合に用いられる重合開始剤(E)は、重合性化合物(D)の重合を開始、促進する化合物であり、後述するマイクロレンズの製造方法における、工程(ニ)、(b)などの加熱工程における硬化を良好にする観点などから、45℃までは安定であるが高温加熱時の重合開始能が良好であることが好ましい。
また、後述するマイクロレンズの製造方法における、工程(ロ)、(b)、(d)などの放射線照射による露光工程における硬化を良好にする観点などから、紫外線領域から可視の光線に対して感光性を有するものが好ましい。また、光励起された増感剤と何らかの作用を生じ、活性ラジカルを生成する活性剤であってもよく、モノマーの種類に応じてカチオン重合を開始させるような開始剤であってもよい。
また、前記重合開始剤は、約300nm〜800nm(330nm〜500nmがより好ましい。)の範囲内に少なくとも約50の分子吸光係数を有する化合物を、少なくとも1種含有していることが好ましい。
また、重合開始剤は、単独で、又は2種以上を併用して用いることができる。
重合開始剤(E)としては、例えば、有機ハロゲン化化合物、オキシジアゾール化合物、カルボニル化合物、ケタール化合物、ベンゾイン化合物、アクリジン化合物、有機過酸化化合物、アゾ化合物、クマリン化合物、アジド化合物、メタロセン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、有機ホウ酸化合物、ジスルホン酸化合物、オキシムエステル化合物、オニウム塩化合物、アシルホスフィン(オキシド)化合物が挙げられる。
有機ハロゲン化化合物の具体例としては、若林等、「Bull Chem.Soc Japan」42、2924(1969)、米国特許第3,905,815号明細書、特公昭46−4605号公報、特開昭48−36281号公報、特開昭55−32070号公報、特開昭60−239736号公報、特開昭61−169835号公報、特開昭61−169837号公報、特開昭62−58241号公報、特開昭62−212401号公報、特開昭63−70243号公報、特開昭63−298339号公報、M.P.Hutt“Jurnal of Heterocyclic Chemistry”1(No3),(1970)」等に記載の化合物が挙げられ、特に、トリハロメチル基が置換したオキサゾール化合物、s−トリアジン化合物が挙げられる。
s−トリアジン化合物として、より好適には、すくなくとも一つのモノ、ジ、又はトリハロゲン置換メチル基がs−トリアジン環に結合したs−トリアジン誘導体、具体的には、例えば、2,4,6−トリス(モノクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(ジクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2―n−プロピル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(α,α,β−トリクロロエチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3,4−エポキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−クロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔1−(p−メトキシフェニル)−2,4−ブタジエニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−スチリル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−i−プロピルオキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−ナトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニルチオ−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ベンジルチオ−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(ジブロモメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、2−メトキシ−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジン等が挙げられる。
オキシジアゾール化合物の例としては、2−トリクロロメチル−5−スチリル−1,3,4−オキソジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(シアノスチリル)−1,3,4−オキソジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(ナフト−1−イル)−1,3,4−オキソジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−スチリル)スチリル−1,3,4−オキソジアゾールなどが挙げられる。
カルボニル化合物の例としては、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、2−メチルベンゾフェノン、3−メチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4−ブロモベンゾフェノン、2−カルボキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、α−ヒドロキシ−2−メチルフェニルプロパノン、1−ヒドロキシ−1−メチルエチル−(p−イソプロピルフェニル)ケトン、1−ヒドロキシ−1−(p−ドデシルフェニル)ケトン、2−メチル−(4’−(メチルチオ)フェニル)−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、1,1,1−トリクロロメチル−(p−ブチルフェニル)ケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−4−モルホリノブチロフェノン等のアセトフェノン誘導体、チオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン誘導体、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジエチルアミノ安息香酸エチル等の安息香酸エステル誘導体等を挙げることができる。
ケタール化合物の例としては、ベンジルメチルケタール、ベンジル−β−メトキシエチルエチルアセタールなどを挙げることができる。
ベンゾイン化合物の例としては、m−ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインメチルエーテル、メチルo−ベンゾイルベンゾエートなどを挙げることができる。
アクリジン化合物の例としては、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9−アクリジニル)ヘプタンなどを挙げることができる。
有機過酸化化合物としては、例えば、トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ブタン、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−オキサノイルパーオキサイド、過酸化こはく酸、過酸化ベンゾイル、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジメトキシイソプロピルパーオキシカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、tert−ブチルパーオキシアセテート、tert−ブチルパーオキシピバレート、tert−ブチルパーオキシネオデカノエート、tert−ブチルパーオキシオクタノエート、tert−ブチルパーオキシラウレート、3,3’,4,4’−テトラ−(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ−(t−ヘキシルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ−(p−イソプロピルクミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、カルボニルジ(t−ブチルパーオキシ二水素二フタレート)、カルボニルジ(t−ヘキシルパーオキシ二水素二フタレート)等が挙げられる。
アゾ化合物としては、例えば、特開平8−108621号公報に記載のアゾ化合物等を挙げることができる。
クマリン化合物としては、例えば、3−メチル−5−アミノ−((s−トリアジン−2−イル)アミノ)−3−フェニルクマリン、3−クロロ−5−ジエチルアミノ−((s−トリアジン−2−イル)アミノ)−3−フェニルクマリン、3−ブチル−5−ジメチルアミノ−((s−トリアジン−2−イル)アミノ)−3−フェニルクマリン等を挙げることができる。
アジド化合物の例としては、米国特許第2848328号明細書、米国特許第2852379号明細書並びに米国特許第2940853号明細書に記載の有機アジド化合物、2,6−ビス(4−アジドベンジリデン)−4−エチルシクロヘキサノン(BAC−E)等が挙げられる。
メタロセン化合物としては、特開昭59−152396号公報、特開昭61−151197号公報、特開昭63−41484号公報、特開平2−249号公報、特開平2−4705号公報、特開平5−83588号公報記載の種々のチタノセン化合物、例えば、ジシクロペンタジエニル−Ti−ビス−フェニル、ジシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,6−ジフルオロフェニル−1−イル、ジシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4−ジフルオロフェニル−1−イル、ジシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4,6−トリフルオロフェニル−1−イル、ジシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニル−1−イル、ジシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル−1−イル、ジメチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,6−ジフルオロフェニル−1−イル、ジメチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4,6−トリフルオロフェニル−1−イル、ジメチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニル−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル−1−イル、特開平1−304453号公報、特開平1−152109号公報記載の鉄−アレーン錯体等が挙げられる。
ビイミダゾール系化合物としては、例えば、ヘキサアリールビイミダゾール化合物(ロフィンダイマー系化合物)等が好ましい。
ヘキサアリールビイミダゾール化合物としては、例えば、特公昭45−37377号公報、特公昭44−86516号公報記載のロフィンダイマー類、特公平6−29285号公報、米国特許第3,479,185号、同第4,311,783号、同第4,622,286号等の各明細書に記載の種々の化合物、具体的には、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ブロモフェニル))4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o,p−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(m−メトキシフェニル)ビイジダゾール、2,2’−ビス(o,o’−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ニトロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−メチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−トリフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール等が挙げられる。
有機ホウ酸塩化合物としては、例えば、特開昭62−143044号、特開昭62−150242号、特開平9−188685号、特開平9−188686号、特開平9−188710号、特開2000−131837、特開2002−107916、特許第2764769号、特開200116539号、等の各公報、及び、Kunz,Martin“Rad Tech’98.Proceeding April 19−22,1998,Chicago”等に記載される有機ホウ酸塩、特開平6−157623号公報、特開平6−175564号公報、特開平6−175561号公報に記載の有機ホウ素スルホニウム錯体あるいは有機ホウ素オキソスルホニウム錯体、特開平6−175554号公報、特開平6−175553号公報に記載の有機ホウ素ヨードニウム錯体、特開平9−188710号公報に記載の有機ホウ素ホスホニウム錯体、特開平6−348011号公報、特開平7−128785号公報、特開平7−140589号公報、特開平7−306527号公報、特開平7−292014号公報等の有機ホウ素遷移金属配位錯体等が具体例として挙げられる。
ジスルホン化合物の例としては、特開昭61−166544号公報、特開2002−328465号公報等に記載される化合物等が挙げられる。
本発明に用いられる(E)重合開始剤としては、硬化性、経時安定性、後加熱時に着色が起こりにくいという観点から、オキシム化合物が好ましい。
オキシム化合物としては、J.C.S.Perkin II(1979)1653−1660)、J.C.S.Perkin II(1979)156−162、Journal of Photopolymer Science and Technology(1995)202−232、特開2000−66385号公報記載の化合物、特開2000−80068号公報、特表2004−534797号公報記載の化合物等が挙げられる。
オキシム化合物は、熱により分解し重合を開始、促進する熱重合開始剤としての機能を有する。
また、本発明で用いられるオキシム化合物は、350nm〜500nmの波長領域に極大吸収波長を有することが好ましく、360nm〜480nmの波長領域に吸収波長を有するものであることがより好ましく、365nm及び455nmの吸光度が高いものが特に好ましい。
オキシム化合物は、365nm又は405nmにおけるモル吸光係数は、感度の観点から、1,000〜300,000であることが好ましく、2,000〜300,000であることがより好ましく、5,000〜200,000であることが特に好ましい。
化合物のモル吸光係数は、公知の方法を用いることができるが、具体的には、例えば、紫外可視分光光度計(Varian社製Carry−5 spctrophotometer)にて、酢酸エチル溶媒を用い、0.01g/Lの濃度で測定することが好ましい。
また、オキシム化合物としては、IRGACURE OXE01、及び、IRGACURE OXE02などの市販品(いずれも、BASF社製)も好適に使用でき、IRGACURE OXE01がより好ましい。
オニウム塩化合物としては、例えば、S.I.Schlesinger,Photogr.Sci.Eng.,18,387(1974)、T.S.Bal et al,Polymer,21,423(1980)に記載のジアゾニウム塩、米国特許第4,069,055号明細書、特開平4−365049号等に記載のアンモニウム塩、米国特許第4,069,055号、同4,069,056号の各明細書に記載のホスホニウム塩、欧州特許第104,143号の各明細書、特開平2−150848号、特開平2−296514号の各公報に記載のヨードニウム塩などが挙げられる。
本発明に好適に用いることのできるヨードニウム塩は、ジアリールヨードニウム塩であり、安定性の観点から、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基等の電子供与性基で2つ以上置換されていることが好ましい。
本発明に好適に用いられるスルホニウム塩としては、欧州特許第370,693号、同390,214号、同233,567号、同297,443号、同297,442号、米国特許第4,933,377号、同4,760,013号、同4,734,444号、同2,833,827号、独国特許第2,904,626号、同3,604,580号、同3,604,581号の各明細書に記載のスルホニウム塩が挙げられ、安定性及び感度の観点から、好ましくは電子求引性基で置換されているものである。電子求引性基としては、ハメット値が0より大きいことが好ましい。好ましい電子求引性基の例としては、ハロゲン原子、カルボン酸基などが挙げられる。
また、その他の好ましいスルホニウム塩としては、トリアリールスルホニウム塩の1つの置換基がクマリン構造又はアントアキノン構造を有し、300nm以上に吸収を有するスルホニウム塩が挙げられる。別の好ましいスルホニウム塩としては、トリアリールスルホニウム塩が、アリロキシ基、アリールチオ基を置換基に有する300nm以上に吸収を有するスルホニウム塩が挙げられる。
また、オニウム塩化合物の例としては、J.V.Crivello et al,Macromolecules,10(6),1307(1977)、J.V.Crivello et al,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,17,1047(1979)に記載のセレノニウム塩、C.S.Wen et al,Teh,Proc.Conf.Rad.Curing ASIA,p478 Tokyo,Oct(1988)に記載のアルソニウム塩等のオニウム塩等が挙げられる。
アシルホスフィン(オキシド)化合物としては、BASF社製のイルガキュア819、ダロキュア4265、ダロキュアTPOなどが挙げられる。
本発明の硬化性組成物に用いられる(E)重合開始剤としては、硬化性の観点から、トリハロメチルトリアジン系化合物、ベンジルジメチルケタール化合物、α−ヒドロキシケトン化合物、α−アミノケトン化合物、アシルホスフィン系化合物、フォスフィンオキサイド系化合物、メタロセン化合物、オキシム系化合物、トリアリルイミダゾールダイマー、オニウム系化合物、ベンゾチアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、アセトフェノン系化合物及びその誘導体、シクロペンタジエン−ベンゼン−鉄錯体及びその塩、ハロメチルオキサジアゾール化合物、3−アリール置換クマリン化合物からなる群より選択される化合物が好ましい。
更に好ましくは、トリハロメチルトリアジン系化合物、α−アミノケトン化合物、アシルホスフィン系化合物、フォスフィンオキサイド系化合物、オキシム系化合物、トリアリルイミダゾールダイマー、オニウム系化合物、ベンゾフェノン系化合物、アセトフェノン系化合物であり、トリハロメチルトリアジン系化合物、α−アミノケトン化合物、オキシム系化合物、トリアリルイミダゾールダイマー、ベンゾフェノン系化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物が最も好ましい。
特に、本発明の硬化性組成物を、固体撮像素子のカラーフィルタ上に設けてマイクロレンズとする場合には、特に、後加熱時の着色が少なく、かつ硬化性が良好であるため、(E)重合開始剤としては、オキシム系化合物を用いるのが最も好ましい。
本発明の組成物は、重合開始剤(E)を含有してもしなくてもよいが、含有する場合、重合開始剤(E)の含有量(2種以上の場合は総含有量)は、組成物の全固形分に対し0.1質量%以上10質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.3質量%以上8質量%以下、更に好ましくは0.5質量%以上5質量%以下である。この範囲で、良好な硬化性が得られる。
本発明の組成物が硬化性組成物である場合、硬化性組成物は、更に、必要に応じて、以下に詳述する任意成分を更に含有してもよい。以下、硬化性組成物が含有しうる任意成分について説明する。
[増感剤]
本発明の硬化性組成物は、重合開始剤(E)のラジカル発生効率の向上、感光波長の長波長化の目的で、増感剤を含有していてもよい。
本発明に用いることができる増感剤としては、前記した重合開始剤(E)に対し、電子移動機構又はエネルギー移動機構で増感させるものが好ましい。
増感剤としては、以下に列挙する化合物類に属しており、かつ、300nm〜450nmの波長領域に吸収波長を有するものが挙げられる。
即ち、例えば、多核芳香族類(例えば、フェナントレン、アントラセン、ピレン、ペリレン、トリフェニレン、9,10−ジアルコキシアントラセン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、チオキサントン類(イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、クロロチオキサントン)、シアニン類(例えば、チアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、フタロシアニン類、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリリウム類(例えば、スクアリリウム)、アクリジンオレンジ、クマリン類(例えば、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン)、ケトクマリン、フェノチアジン類、フェナジン類、スチリルベンゼン類、アゾ化合物、ジフェニルメタン、トリフェニルメタン、ジスチリルベンゼン類、カルバゾール類、ポルフィリン、スピロ化合物、キナクリドン、インジゴ、スチリル、ピリリウム化合物、ピロメテン化合物、ピラゾロトリアゾール化合物、ベンゾチアゾール化合物、バルビツール酸誘導体、チオバルビツール酸誘導体、アセトフェノン、ベンゾフェノン、チオキサントン、ミヒラーズケトンなどの芳香族ケトン化合物、N−アリールオキサゾリジノンなどのヘテロ環化合物などが挙げられる。
本発明に用いうる増感剤として、より好ましい例としては、下記一般式(e−1)〜(e−4)で表される化合物が挙げられる。
式(e−1)中、Aは硫黄原子又はNR50を表し、R50はアルキル基又はアリール基を表し、Lは隣接するA及び隣接炭素原子と共同して色素の塩基性核を形成する非金属原子団を表し、R51及びR52はそれぞれ独立に、水素原子又は1価の非金属原子団を表し、R51及びR52は互いに結合して、色素の酸性核を形成してもよい。Wは酸素原子又は硫黄原子を表す。
式(e−2)中、Ar及びArはそれぞれ独立に、アリール基を表し、−L−による結合を介して連結している。ここで−L−は−O−又は−S−を表す。また、Wは式(e−1)に示したものと同義である。
式(e−3)中、Aは硫黄原子又はNR59を表し、Lは隣接するA及び炭素原子と共同して色素の塩基性核を形成する非金属原子団を表し、R53、R54、R55、R56、R57及びR58はそれぞれ独立に、一価の非金属原子団の基を表し、R59はアルキル基又はアリール基を表す。
式(e−4)中、A及びAはそれぞれ独立に、−S−又は−NR62を表し、R62は置換若しくは非置換のアルキル基、又は、置換若しくは非置換のアリール基を表し、Lは、隣接するA及び炭素原子と共同して色素の塩基性核を形成する非金属原子団を表し、Lは、隣接するA及び炭素原子と共同して色素の塩基性核を形成する非金属原子団を表し、R60及びR61はそれぞれ独立に、1価の非金属原子団を表し、又は互いに結合して脂肪族性又は芳香族性の環を形成することができる。
硬化性組成物は増感剤を含有してもしなくてもよいが、含有する場合、硬化性組成物中における増感剤の含有量は、深部への光吸収効率と開始剤の分解効率の観点から、固形分換算で、0.1質量%以上20質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上15質量%以下がより好ましい。
増感剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、硬化性組成物に含有しうる好ましい増感剤としては、上記増感剤の他、下記一般式(II)で表される化合物、及び、一般式(III)で表される化合物から選択される少なくとも一種が挙げられる。
これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
一般式(II)中、R11及びR12は、各々独立に1価の置換基を表し、R13、R14、R15及びR16は、各々独立に水素原子又は1価の置換基を表す。nは0〜5の整数を表し、n’は0〜5の整数を表し、n及びn’が両方とも0となることはない。nが2以上である場合、複数存在するR11はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。n’が2以上である場合、複数存在するR12はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。なお、一般式(II)において二重結合による異性体については、どちらかに限定されるものではない。
一般式(II)で表される化合物としては、波長365nmにおけるモル吸光係数εが500mol−1・L・cm−1以上であることが好ましく、波長365nmにおけるεが3000mol−1・L・cm−1以上であることがより好ましく、波長365nmにおけるεが20000mol−1・L・cm−1以上であることが最も好ましい。各波長でのモル吸光係数εの値が上記範囲であると、光吸収効率の観点から感度向上効果が高く好ましい。
一般式(II)で表される化合物の好ましい具体例を以下に例示するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、本明細書においては、化学式は簡略構造式により記載することもあり、特に元素や置換基の明示がない実線等は、炭化水素基を表す。
一般式(III)中、Aは置換基を有してもよい芳香族環又はヘテロ環を表し、Xは酸素原子、硫黄原子、又は−N(R23)−を表し、Yは酸素原子、硫黄原子、又は−N(R23)−を表す。R21、R22、及びR23は、それぞれ独立に、水素原子又は1価の非金属原子団を表し、A、R21、R22、及びR23は、それぞれ互いに結合して、脂肪族性又は芳香族性の環を形成してもよい。
一般式(III)において、R21、R22、及びR23は、それぞれ独立に、水素原子又は1価の非金属原子団を表す。R21、R22、及びR23が1価の非金属原子を表す場合、置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換のアルケニル基、置換若しくは非置換の芳香族複素環残基、置換若しくは非置換のアルコキシ基、置換若しくは非置換のアルキルチオ基、ヒドロキシル基、又は、ハロゲン原子であることが好ましい。
一般式(III)で表される化合物は、光重合開始剤の分解効率向上の観点から、Yは酸素原子、又は−N(R23)−が好ましい。R23は、水素原子又は一価の非金属原子団を表す。更に、Yは−N(R23)−であることが最も好ましい。
以下、一般式(III)で表される化合物の好ましい具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。また、酸性核と塩基性核を結ぶ2重結合による異性体については明らかでなく、本発明はどちらかの異性体に限定されるものでもない。
[共増感剤]
本発明の硬化性組成物は、更に共増感剤を含有することも好ましい。
本発明において共増感剤は、重合開始剤(E)や増感剤の活性放射線に対する感度を一層向上させる、あるいは、酸素による重合性化合物(D)の重合阻害を抑制する等の作用を有する。
このような共増感剤の例としては、アミン類、例えば、M.R.Sanderら著「Journal of Polymer Society」第10巻3173頁(1972)、特公昭44−20189号公報、特開昭51−82102号公報、特開昭52−134692号公報、特開昭59−138205号公報、特開昭60−84305号公報、特開昭62−18537号公報、特開昭64−33104号公報、Research Disclosure 33825号記載の化合物等が挙げられ、具体的には、トリエタノールアミン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ホルミルジメチルアニリン、p−メチルチオジメチルアニリン等が挙げられる。
共増感剤の別の例としては、チオール及びスルフィド類、例えば、特開昭53−702号公報、特公昭55−500806号公報、特開平5−142772号公報記載のチオール化合物、特開昭56−75643号公報のジスルフィド化合物等が挙げられ、具体的には、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプト−4(3H)−キナゾリン、β−メルカプトナフタレン等が挙げられる。
また、共増感剤の別の例としては、アミノ酸化合物(例、N−フェニルグリシン等)、特公昭48−42965号公報記載の有機金属化合物(例、トリブチル錫アセテート等)、特公昭55−34414号公報記載の水素供与体、特開平6−308727号公報記載のイオウ化合物(例、トリチアン等)等が挙げられる。
硬化性組成物は共増感剤を含有してもしなくてもよいが、含有する場合、これら共増感剤の含有量は、重合成長速度と連鎖移動のバランスによる硬化速度の向上の観点から、硬化性組成物の全固形分の質量に対し、0.1質量%以上30質量%以下の範囲が好ましく、1質量%以上25質量%以下の範囲がより好ましく、1.5質量%以上20質量%以下の範囲が更に好ましい。
[重合禁止剤]
本発明においては、硬化性組成物の製造中あるいは保存中において重合可能なエチレン性不飽和二重結合を有する化合物の不要な重合を阻止するために、重合禁止剤を添加することが好ましい。
本発明に用いうる重合禁止剤としては、フェノール系水酸基含有化合物、N−オキシド化合物類、ピペリジン1−オキシルフリーラジカル化合物類、ピロリジン1−オキシルフリーラジカル化合物類、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン類、ジアゾニウム化合物類、及びカチオン染料類、スルフィド基含有化合物類、ニトロ基含有化合物類、FeCl、CuCl等の遷移金属化合物類が挙げられる。
更に好ましい態様としては、以下の通りである。
フェノール系水酸基含有化合物が、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、フェノール樹脂類、及びクレゾール樹脂類からなる群より選択される化合物であるのが好ましい。
N−オキシド化合物類が、5,5−ジメチル−1−ピロリンN−オキシド、4−メチルモルホリンN−オキシド、ピリジンN−オキシド、4−ニトロピリジンN−オキシド、3−ヒドロキシピリジンN−オキシド、ピコリン酸N−オキシド、ニコチン酸N−オキシド、及びイソニコチン酸N−オキシドからなる群より選択される化合物であるのが好ましい。
ピペリジン1−オキシル フリーラジカル化合物類が、ピペリジン1−オキシルフリーラジカル、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシルフリーラジカル、4−オキソ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシルフリーラジカル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシルフリーラジカル、4−アセトアミド−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシルフリーラジカル、4−マレイミド−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシルフリーラジカル、及び4−ホスホノキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシルフリーラジカルからなる群より選択される化合物であるのが好ましい。
ピロリジン1−オキシルフリーラジカル化合物類が3−カルボキシプロキシルフリーラジカル(3−カルボキシ−2,2,5,5−テトラメチルピロリジン1−オキシルフリーラジカル)であるのが好ましい。
N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン類が、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン第一セリウム塩及びN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩からなる化合物群から選択される化合物であるのが好ましい。
ジアゾニウム化合物類が、4−ジアゾフェニルジメチルアミンの硫酸水素塩、4−ジアゾジフェニルアミンのテトラフルオロホウ酸塩、及び3−メトキシ−4−ジアゾジフェニルアミンのヘキサフルオロリン酸塩からなる群より選択される化合物であるのが好ましい。
本発明に使用しうる好適な重合禁止剤を以下に例示するが、本発明はこれらに制限されるものではない。なおフェノール系重合禁止剤としては、下記例示化合物(P−1)〜(P−24)が挙げられる。
アミン系重合禁止剤としては、下記例示化合物(N−1)〜(N−7)が挙げられる。
硫黄系重合禁止剤としては、下記例示化合物(S−1)〜(S−5)が挙げられる。
フォスファイト系重合禁止剤としては、下記例示化合物(R−1)〜(R−5)が挙げられる。
更に、以下に示す各化合物もまた、好適な重合禁止剤として使用しうる。
上記例示化合物のなかでも、好ましくは、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)のフェノール系水酸基含有化合物、ピペリジン1−オキシル フリーラジカル化合物類若しくは、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシルフリーラジカル、4−オキソ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシルフリーラジカル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシルフリーラジカル、4−アセトアミド−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシルフリーラジカル、4−マレイミド−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシルフリーラジカル、及び4−ホスホノキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシルフリーラジカルのピペリジン1−オキシルフリーラジカル化合物、若しくはN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン第一セリウム塩及びN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩のN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン化合物であり、より好ましくは、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシルフリーラジカル、4−オキソ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシルフリーラジカル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシルフリーラジカル、4−アセトアミド−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシルフリーラジカル、4−マレイミド−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシルフリーラジカル、及び4−ホスホノキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシルフリーラジカルのピペリジン1−オキシルフリーラジカル化合物、若しくはN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン第一セリウム塩及びN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩のN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン化合物であり、更に好ましくは、−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン第一セリウム塩及びN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩のN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン化合物である。
重合禁止剤の好ましい添加量としては、(E)重合開始剤100質量部に対して、0.01質量部以上10質量部以下であることが好ましく、更に0.01質量部以上8質量部以下であることが好ましく、0.05質量部以上5質量部以下の範囲にあることが最も好ましい。
上記範囲とすることで、非画像部における硬化反応抑制及び画像部における硬化反応促進が充分おこなわれ、画像形成性及び感度が良好となる。
[その他の添加剤]
更に、硬化性組成物に対しては、硬化皮膜の物性を改良するために可塑剤や感脂化剤等の公知の添加剤を加えてもよい。
可塑剤としては、例えば、ジオクチルフタレート、ジドデシルフタレート、トリエチレングリコールジカプリレート、ジメチルグリコールフタレート、トリクレジルホスフェート、ジオクチルアジペート、ジブチルセバケート、トリアセチルグリセリン等があり、バインダーポリマーを使用した場合、重合性化合物とバインダーポリマーとの合計質量に対し10質量%以下添加することができる。
[紫外線吸収剤]
本発明の硬化性組成物は、紫外線吸収剤を含有してもよい。紫外線吸収剤としては、共役ジエン系化合物である下記一般式(I)で表される化合物が特に好ましい。
前記一般式(I)において、R及びRは、各々独立に、水素原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、又は炭素原子数6〜20のアリール基を表し、RとRとは互いに同一でも異なっていてもよいが、同時に水素原子を表すことはない。
及びRで表される炭素原子数1〜20のアルキル基は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、n−へキシル基、シクロへキシル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−オクタデシル基、エイコシル基、メトキシエチル基、エトキシプロピル基、2−エチルへキシル基、ヒドロキシエチル基、クロロプロピル基、N,N−ジエチルアミノプロピル基、シアノエチル基、フェネチル基、ベンジル基、p−t−ブチルフェネチル基、p−t−オクチルフェノキシエチル基、3−(2,4−ジーt−アミルフェノキシ)プロピル基、エトキシカルボニルメチル基、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル基、2−フリルエチル基などが挙げられ、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、n−へキシル基が好ましい。
及びRで表されるアルキル基は置換基を有していてもよく、置換基を有するアルキル基の置換基としては、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、ハロゲン原子、アシルアミノ基、アシル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヒドロキシ基、シアノ基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、置換カルバモイル基、置換スルファモイル基、ニトロ基、置換アミノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基等が挙げられる。
及びRで表される炭素原子数6〜20のアリール基は、単環であっても縮合環であってもよく、置換基を有する置換アリール基、無置換のアリール基のいずれであってもよい。例えば、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、インデニル基、アセナブテニル基、フルオレニル基等を挙げることができる。置換基を有する置換アリール基の置換基としては、例えば、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、ハロゲン原子、アシルアミノ基、アシル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヒドロキシ基、シアノ基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、置換カルバモイル基、置換スルファモイル基、ニトロ基、置換アミノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基等が挙げられる。中でも、置換又は無置換のフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基が好ましい。
また、R及びRは、R及びRが結合する窒素原子と共に、環状アミノ基を形成してもよい。環状アミノ基としては、例えば、ピペリジノ基、モルホリノ基、ピロリジノ基、ヘキサヒドロアゼピノ基、ピペラジノ基等が挙げられる。
上記のうち、R及びRとしては、炭素数1〜8の低級のアルキル基(例えば、メチル、エチル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、tert−ペンチル、ヘキシル、オクチル、2−エチルヘキシル、tert−オクチルなど)、又は置換若しくは無置換のフェニル基(例えば、トリル基、フェニル基、アニシル基、メシチル基、クロロフェニル基、2,4−ジ−tert−アミルフェニル基など)が好ましい。また、RとRとが結合して、式中のNで表される窒素原子を含んで環(例えば、ピペリジン環、ピロリジン環、モルホリン環など)を形成していることも好ましい。
前記一般式(I)において、R及びRは、電子求引基を表す。ここで電子求引基は、ハメットの置換基定数σ値(以下、単に「σ値」という。)が、0.20以上1.0以下の電子求引性基である。好ましくは、σ値が0.30以上0.8以下の電子求引性基である。
ハメット則は、ベンゼン誘導体の反応又は平衡に及ぼす置換基の影響を定量的に論ずるために、1935年にL. P. Hammettにより提唱された経験則であるが、これは今日広く妥当性が認められている。ハメット則により求められた置換基定数には、σ値とσ値とがあり、これらの値は多くの一般的な成書に記載があるが、例えば、J.A. Dean編「Lange’s Handbook of Chemistry」第12版、1979年(Mc Graw−Hill)や「化学の領域増刊」、122号、96〜103頁、1979年(南江堂)、Chemical Reviews, 91巻、165頁〜195頁、1991年に詳しい。本発明では、これらの成書に記載の文献既知の値がある置換基にのみ限定されるという意味ではなく、その値が文献未知であってもハメット則に基づいて測定した場合にその範囲内に含まれる限り包含されることは勿論である。
前記σ値が、0.20以上1.0以下の電子求引性基の具体例としては、アシル基、アシルオキシ基、カルバモイル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、ジアルキルホスホノ基、ジアリールホスホノ基、ジアリールホスフィニル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホニルオキシ基、アシルチオ基、スルファモイル基、チオシアネート基、チオカルボニル基、少なくとも2つ以上のハロゲン原子で置換されたアルキル基、少なくとも2つ以上のハロゲン原子で置換されたアルコキシ基、少なくとも2つ以上のハロゲン原子で置換されたアリールオキシ基、少なくとも2つ以上のハロゲン原子で置換されたアルキルアミノ基、少なくとも2つ以上のハロゲン原子で置換されたアルキルチオ基、σ値0.20以上の他の電子求引性基で置換されたアリール基、複素環基、塩素原子、臭素原子、アゾ基、又はセレノシアネート基が挙げられる。これらの置換基のうち、更に置換基を有することが可能な基は、先に挙げたような置換基を更に有してもよい。
これらのうち、R及びRとしては、アシル基、カルバモイル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホニルオキシ基、スルファモイル基が好ましく、特にアシル基、カルバモイル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、シアノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホニルオキシ基、スルファモイル基が好ましい。
上記のうち、本発明においては、Rとしては、シアノ基、−COOR、−CONHR、−COR、−SOより選択される基が好ましく、また、Rとしては、シアノ基、−COOR、−CONHR、−COR、−SOより選択される基が好ましい。R及びRは、各々独立に、炭素原子数1〜20のアルキル基、又は炭素原子数6〜20のアリール基を表す。R及びRで表される炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基は、前記R及びRにおける場合と同義であり、好ましい態様も同様である。
また、R及びRは互いに結合して環を形成してもよい。
また、上記のR、R、R、及びRの少なくとも1つは、連結基を介して、ビニル基と結合したモノマーより導かれるポリマーの形になっていてもよい。他のモノマーとの共重合体であっても良い。共重合体の場合、他のモノマーとしては、アクリル酸、α―クロロアクリル酸、α―アルアクリル酸(例えば、メタアクリル酸などのアクリル酸類から誘導されるエステル、好ましくは低級アルキルエステル及びアミド例えばアクリルアミド、メタアクリルアミド、t−ブチルアクリルアミド、メチルアクリレート、メチルメタアクリレート、エチルアクリレート、エチルメタアクリレート、n−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−エチルへキシルアクリレート、n−へキシルアクリレート、オクチルメタアクリレート、及びラウリルメタアクリレート、メチレンビスアクリルアミド等)、ビニルエステル(例えば、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート及びビニルラウレート等)、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、芳香族ビニル化合物(例えば、スチレン及びその誘導体、例えばビニルトルエン、ジビニルベンゼン、ビニルアセトフェノン、スルホスチレン、及びスチレンスルフィン酸等)、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、ビニリデンクロライド、ビニルアルキルエーテル(例えば、ビニルエチルエーテル等)、マレイン酸エステル、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルピリジン、2−及び4−ビニルピリジン等がある。
このうち特にアクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル、芳香族ビニル化合物が好ましい。
上記他のモノマー化合物の2種以上を一緒に併用することも出来る。例えば、n−ブチルアクリレートとジビニルベンゼン、スチレンとメチルメタアクリレート、メチルアクリレートとメタアクリレート酸等を併用できる。
以下、前記一般式(I)で表される化合物の好ましい具体例〔例示化合物(1)〜(14)〕を示す。但し、本発明においては、これらに制限されるものではない。
一般式(I)で表される紫外線吸収剤は、特公昭44−29620号、特開53−128333号、特開昭61−169831号、特開昭63−53543、特開昭63−53544号、特開昭63−56651号等の各公報、WO2009/123109号パンフレットに記載されている方法により合成することができる。具体的にはWO2009/123109号パンフレット段落番号0040に記載の方法で上記例示化合物(1)を合成することができる。
本発明の硬化性組成物は、紫外線吸収剤を含有してもしなくても良いが、含有する場合、紫外線吸収剤の含有量は、組成物の全固形分に対して、0.1質量%〜10質量%が好ましく、0.1質量%〜5質量%がより好ましく、0.1質量%〜3質量%が特に好ましい。
本発明の組成物又は硬化性組成物は、溶媒を含むが、該溶媒は種々の有機溶剤を用いて構成することができる。使用できる有機溶剤としては、前述の分散組成物における溶媒(C)と同様の有機溶剤が挙げられる。
これらの有機溶剤は、単独あるいは混合して使用することができる。本発明の組成物又は硬化性組成物における固形分の濃度は、2〜60質量%であることが好ましい。
[透明膜の製造方法]
本発明の透明膜の製造方法としては、前述の組成物又は硬化性組成物をウエハ上にスプレー法、ロールコート法、回転塗布法(スピンコート法)、バー塗布法等で塗布する工程、
続く第一の加熱工程、及び
更に続いて前記第一の加熱工程における加熱温度より高い温度での第二の加熱工程を有する。
第一の加熱工程における条件としては、マイクロレンズの製造方法における(イ)工程におけるプリベーク条件として後述する条件と同様である。
第二の加熱工程における条件としては、マイクロレンズの製造方法における(ニ)工程におけるポストベーク条件として後述する条件と同様である。
<マイクロレンズ>
本発明の組成物又は硬化性組成物は、高屈折率で高透過率な透明膜を形成可能であるため、例えば、マイクロレンズ及びマイクロレンズアレイの形成に極めて好適に使用することができる。
すなわち、本発明の組成物又は硬化性組成物は、マイクロレンズ形成用であることが好ましい。
また、本発明は、本発明の組成物又は硬化性組成物を用いて形成された透明膜を用いて形成されたマイクロレンズにも関する。
[マイクロレンズの製造方法]
本発明の組成物又は硬化性組成物を用いたマイクロレンズの製造方法には、特に制限はなく通常用いられる方法を適用することができ、例えば、前述の透明膜をポストベーク処理し整形する工程、及び更にドライエッチング工程を有する製造方法などが挙げられる。
透明膜をポストベーク処理し整形する工程としては、(f)工程として詳細に後述するものと同様である。
ドライエッチング工程としては、(g)工程として詳細に後述するものと同様である。
本発明の硬化性組成物を用いたマイクロレンズの製造方法の好ましい1つの態様として、少なくとも下記(イ)〜(ニ)の工程を含む製造方法が挙げられる。
(イ)本発明の硬化性組成物の塗膜を基板上に形成する工程。
(ロ)該塗膜の少なくとも一部に放射線を照射する工程。
(ハ)照射後の塗膜を現像する工程。
(ニ)現像後の塗膜を加熱する工程。
以下、これらの工程について説明する。
(イ)工程
この工程においては、硬化性組成物を、好ましくは液状組成物として、基板表面に塗布し、プリベークを行うことにより溶媒を除去して、基板上に塗膜を形成する。
前記基板としては、例えば、ガラス基板、シリコンウエハーや、これらの表面に各種金属層が形成された基板、イメージセンサー用オンチップカラーフィルターが塗布された基板等を挙げることができる。
塗布方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法、バー塗布法等の適宜の方法を採用することができる。
プリベークの条件としては、各成分の種類や使用量等によっても異なるが、通常、60〜120℃で30秒〜15分間程度である。形成される塗膜の膜厚は、プリベーク後の値として、0.5〜20μm程度が好ましい。
(ロ)工程
この工程においては、形成された塗膜の少なくとも一部に放射線を照射する。
塗膜の一部のみに放射線を照射する際には、所定のパターンを有するマスクを介して照射する。
照射する放射線としては、例えば、g線、i線等の紫外線、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー等の遠紫外線、シンクロトロン放射線等のX線、電子線等の荷電粒子線等を使用することができるが、これらのうち紫外線が好ましい。
露光量は、硬化性組成物の構成等に応じて適宜選択できるが、50〜2,000J/m程度が好ましい。
(ハ)工程
この工程においては、露光後の塗膜を現像液、好ましくはアルカリ現像液により現像して、放射線の未照射部分を除去することにより、所定形状のパターンを形成させる。
前記アルカリ現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジエチルアミノエタノール、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ [4.3.0]−5−ノネン等の水溶液を挙げることができる。また、アルカリ現像液には、メタノール、エタノール等の水溶性有機溶媒、界面活性剤や各種有機溶媒を添加して使用することができる。
現像方法としては、液盛り法、ディッピング法、揺動浸漬法、シャワー法等の適宜の方法を採用することができる。なお、アルカリ現像液で現像したのちは、通常、例えば流水洗浄等により洗浄する。
現像時間は、硬化性組成物の構成、現像液の構成によって異なるが、通常、常温で30〜120秒間程度である。
(ニ)工程
この工程においては、現像後の塗膜を、ホットプレート、オーブン等の加熱装置により加熱(ポストベーク)することにより、当該塗膜を硬化させる。
このポストベークにおいて、加熱温度は、通常、120〜250℃、好ましくは160〜230℃である。また加熱時間は、加熱手段により異なるが、ホットプレート上で加熱する場合、通常5〜30分間程度であり、オーブン中で加熱する場合、通常、30〜90分間程度である。
また、ポストベークに際しては、2回以上加熱するステップベーク法等を採用することもできる。
本発明の硬化性組成物を用いたマイクロレンズの製造方法の好ましい別の態様として、少なくとも下記(a)〜(g)の工程を含む形成方法が挙げられる。
(a)本発明の硬化性組成物を用いて、カラーフィルター等の基材上に塗布膜を形成する工程
(b)上記の塗布膜を加熱して、塗布膜の乾燥(又は、乾燥及び硬化)を行うか、上記の塗布膜を適切な波長の光源(g線、i線等)により露光し硬化させるかの少なくともいずれかを行うことにより、高屈折率膜(透明膜)を得る工程
(c)上記加熱後の高屈折率膜上にレジスト塗膜を形成する工程
(d)上記レジスト塗膜を、適切な波長の光源(g線、i線等)により露光する工程
(e)上記露光後のレジスト塗膜を現像し、レジストパターンを形成する工程
(f)後加熱により上記レジストをレンズ状に整形させる工程
(g)ドライエッチングにより、上記レジストパターンと、上記高屈折率膜の一部を除去することにより、高屈折率膜をレンズ状に整形する工程
以下、これらの工程について説明する。
−(a)工程−
この工程においては、本発明の硬化性組成物を、カラーフィルター等の基材上に塗布して、塗布膜を形成する。
塗布方法としては、前記工程(イ)と同様の方法が挙げられる。
−(b)工程−
この工程において、塗布膜の加熱の好ましい一実施形態としては、プリベークとポストベークの2段階の加熱処理が挙げられる。
プリベークの条件としては、各成分の種類や使用量等によっても異なるが、通常、60〜120℃で30秒〜15分間程度である。形成される塗膜の膜厚は、プリベーク後の値として、0.5〜20μm程度が好ましい。このプリベークの工程は省略されることもある。
次いで、ホットプレート、オーブン等の加熱装置により加熱(ポストベーク)することにより、当該塗布膜を硬化させる。ポストベークの条件としては、通常、120℃〜300℃で30秒〜60分間程度である。なお、ポストベーク工程の前に露光を行うことにより、硬化を促進してもよい。
上記の塗布膜を適切な波長の光源(g線、i線等)により露光し硬化させる場合において、照射する放射線としては、前記工程(ロ)と同様な放射線種及び露光量が挙げられる。
−(c)工程−
この工程においては、高屈折率膜の上にレジスト塗膜を形成する。このレジストとしては、一般に市販されている、紫外線露光によりパターン形成可能なレジストが使用可能である。このレジスト塗膜に対し、(a)工程と同様にプリベークを実施する。
−(d)工程−
この工程においては、上記塗膜に対しマスクを使用してパターン状に露光する。照射する放射線としては、前記工程(ロ)と同様な放射線種及び露光量が挙げられる。
−(e)工程−
この工程においては、露光後のレジスト塗膜を現像液、好ましくはアルカリ現像液により現像して、放射線の未照射部分あるいは照射部分を除去することにより、所定形状のパターンを形成させる。
前記アルカリ現像液としては、前記工程(ハ)と同様なアルカリ現像液が挙げられる。
現像方法としては、工程(ハ)について前述した方法と同様の方法が挙げられる。
現像時間としては、工程(ハ)について前述したものと同様である。
−(f)工程−
この工程においては、ホットプレート、オーブン等の加熱装置により後加熱(ポストベーク)することにより、上記パターン形成後のレジストをレンズ状に整形させる。ポストベークの条件としては、通常、120℃〜300℃で30秒〜60分間程度である。また、レンズ状に整形させるため、2回以上加熱するステップベーク法等を採用することもできる。
−(g)工程−
ドライエッチングは、公知の方法(たとえば特開2010−204154号公報)により実行することができる。
このようにして、目的とするマイクロレンズを製造することができる。
本発明のマイクロレンズの製造方法によると、優れた特性(例えば、高屈折率と高透過性)を有する高精細なマイクロレンズ及びマイクロレンズアレイを高い製品歩留りで簡便に形成することができる。
本発明におけるマイクロレンズは、本発明の組成物又は硬化性組成物から形成されたものであり、優れた特性バランスを有しており、各種のOA機器、液晶テレビ、携帯電話、プロジェクター等の液晶表示素子、ファクシミリ、電子複写機、固体撮像素子等のオンチップカラーフィルターの結像光学系、光ファイバコネクタ等に極めて好適に使用することができる。
<固体撮像素子>
本発明の固体撮像素子は、既述の本発明の組成物又は硬化性組成物を用いて形成されたマイクロレンズを備えることを特徴とする。
本発明の固体撮像素子は、高屈折率で高透過性のマイクロレンズを備えているため、ノイズを低減でき、優れた色再現性を示す。
本発明の固体撮像素子は、本発明の組成物又は硬化性組成物を用いて形成されたマイクロレンズを備えた構成であり、固体撮像素子として機能する構成であれば、特に限定はなく、例えば、基板上に、固体撮像素子(CCDイメージセンサ、CMOSイメージセンサ等)の受光エリアを構成する複数のフォトダイオード及びポリシリコン等からなる受光素子を有し、カラーフィルター上に前記マイクロレンズが備えた構成等が挙げられる。
本発明の固体撮像素子の製造方法としては特に制限はないが、1つの好ましい態様としては、少なくともフォトダイオード、遮光膜、及びデバイス保護膜を有する固体撮像素子用基板に、赤色画素、青色画素、及び緑色画素を形成する工程、
前述の組成物又は硬化性組成物を塗布し加熱する工程、
レジストパターンを形成する工程、
ポストベーク処理し、形成したレジストパターンをレンズ状の形状に整形する工程、及び
ドライエッチング工程
を有する。
組成物又は硬化性組成物を塗布し加熱する工程としては、前述のマイクロレンズの製造方法における(a)工程及び(b)工程における基材上に塗布膜を形成する工程及び塗布膜を加熱して、塗布膜の乾燥(又は、乾燥及び硬化)を行う工程と同様である。
レジストパターンを形成する工程としては、前述のマイクロレンズの製造方法における(d)工程及び(e)工程と同様である。
ポストベーク処理し、形成したレジストパターンをレンズ状の形状に整形する工程としては、前述のマイクロレンズの製造方法における(f)工程と同様である。
ドライエッチング工程としては、前述のマイクロレンズの製造方法における(g)工程と同様である。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」及び「%」は質量基準である。
<調製例1>
[二酸化チタン分散液1(分散組成物)の調製]
下記組成の混合液に対し、循環型分散装置(ビーズミル)として、寿工業株式会社製ウルトラアペックスミル(商品名)を用いて、以下のようにして分散処理を行い、分散組成物として二酸化チタン分散液1を得た。
〜組成〜
・二酸化チタン(石原産業(株)製、商品名:TTO−51(C)) : 180部
・「例示化合物33」の樹脂(分散樹脂(B)) : 48.6部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA): 300部
例示化合物33の樹脂の重量平均分子量は38000である。
また分散装置は以下の条件で運転した。
・ビーズ径:φ0.05mm
・ビーズ充填率:75体積%
・周速:8m/sec
・ポンプ供給量:10Kg/hour
・冷却水:水道水
・ビーズミル環状通路内容積:0.15L
・分散処理する混合液量:0.44Kg
分散開始後、30分間隔(1パスの時間)で平均粒子径の測定を行った。
平均粒子径は分散時間(パス回数)とともに減少していったが、次第にその変化量が少なくなっていった。分散時間を30分間延長したときの一次粒子径の変化が5nm以下となった時点で分散を終了した。なお、この分散液中の二酸化チタン粒子の一次粒子径は40nmであった。
なお、本実施例における二酸化チタンの一次粒子径は、二酸化チタンを含む混合液又は分散液を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで80倍に希釈し、得られた希釈液について動的光散乱法を用いて測定することにより得られた値のことを言う。
この測定は、日機装株式会社製マイクロトラックUPA−EX150を用いて行って得られた数平均粒子径のこととする。
<調製例2>
[酸化ジルコニウム分散液(分散組成物)の調製]
50g/Lの濃度のオキシ塩化ジルコニウム水溶液を48質量%水酸化ナトリウム水溶液で中和し、水和ジルコニウム懸濁液を得た。この懸濁液をろ過した後、イオン交換水で洗浄し、水和ジルコニウムケーキを得た。このケーキを、イオン交換水を溶媒として酸化ジルコニウム換算で濃度15質量%に調整して、オートクレーブに入れ、圧力150気圧、150℃で24時間水熱処理して酸化ジルコニウム微粒子懸濁液とし、乾燥により水分をなくして、酸化ジルコニウムの微粒子を得た。(平均粒子径5nm)。
調製例1で調製した二酸化チタン分散液のうち二酸化チタンを上記酸化ジルコニウムに置きかえた以外は同様にして、酸化ジルコニウム分散液を調製した。調製例1と同様に測定して求めた酸化ジルコニウム分散液中の酸化ジルコニウム粒子の一次粒子径は10nmであった。
<調製例3>
[二酸化チタン分散液2(分散組成物)の調製]
下記組成の混合液に対し、循環型分散装置(ビーズミル)として、寿工業株式会社製ウルトラアペックスミル(商品名)を用いて、以下のようにして分散処理を行い、分散組成物として二酸化チタン分散液2を得た。
〜組成〜
・二酸化チタン(石原産業(株)製、商品名:TTO−51(C)) : 180部
・下記分散樹脂(分散樹脂(B)) : 48.6部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA): 300部
また分散装置は調整例1と同じ条件で運転した。調製例1と同様に測定して求めた二酸化チタン分散液2中の二酸化チタン粒子の一次粒子径は40nmであった。
<実施例1>
[組成物の調製]
上記で得られた二酸化チタン分散液1(分散組成物)を用いて、以下の組成となるように各成分を混合して組成物(硬化性組成物)を得た。
〜硬化性組成物の組成〜
・上記で調製した二酸化チタン分散液1(分散組成物) … 52.86部
・バインダーポリマー(J−1) … 3.27部
(前掲のJ−1;重量平均分子量(Mw)及び共重合比(モル比)は前記の通りである)
・界面活性剤 … 0.30部
(メガファック F781 フッ素系界面活性剤(DIC(株)製)
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート … 4.36部
(重合性化合物、下記T−1)
・オキシム重合開始剤 … 0.30部
(光重合開始剤、BASF社製 IRGACURE OXE−01(下記K−1))
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)… 40.0部
(透明膜の作製)
上記で得られた硬化性組成物を12インチシリコンウエハ上にスピンコート法で塗布し、その後ホットプレート上で100℃で2分間加熱して膜厚1.05μmの塗布膜を得た。更にこの塗布膜を、200℃で5分、ホットプレート上で加熱して、透明膜としての硬化膜(膜厚:1.0μm)を得た。
[透明膜の屈折率及び光透過率の測定]
上記で得られた基板に対して、ジェー・エー・ウーラム・ジャパン社製エリプソメトリーを用いて、透明膜の波長500nmの光に対する屈折率を測定した。また、この透明膜に関して、大塚電子社製のMCPD Seriesを用いて、400nm〜700nmの波長領域全域に渡る光透過率を測定した。
透明膜の屈折率の結果を下記表1に示す。なお、この透明膜の光透過率を400nmから700nmまで測定したところ、塗布直後はこの測定範囲のいずれにおいても92%以上の光透過率を示した。
[塗布後の塗布面状の経時評価]
上記のように硬化性組成物を塗布したサンプルを室温にて24時間放置した後、透明度を目視にて5〜1で評価した。結果を下記表1に示す。
5:透明度に変化なく、全く問題ないレベル。
4:周辺部の透明度がわずかに変化しているが、中央部分に変化はなく、実用上問題ないレベル
3:周辺部、中央部にわずかに変化が認められるが、実用上は問題ないレベル
2:周辺部、中央部に不均一部分が認められ、実用上も問題となるレベル
1:全面に不均一部分があり、明らかに許容外レベル
[エッチング用レジストの現像処理後の透明膜の屈折率評価]
上記のように形成した透明膜としての硬化膜の上に更に、ポジ型のフォトレジスト「FHi622BC」(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ社製)をスピンコーターにて塗布し、100℃で1分間の加熱処理を行ない、膜厚が0.8μmになるようにフォトレジスト層を形成した。次いで、i線ステッパー(FPA3000i5、キャノン(株)製)にて300mJ/cmの全面露光を行ない、110℃で1分間の加熱処理を実施した後、現像液FHD−5(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ社製)で1分間、現像処理し、透明膜(硬化膜)上のフォトレジスト層をすべて剥離した。処理後の透明膜(硬化膜)の屈折率を前記の方法に準じて測定した。
結果を、[現像処理後の屈折率]−[現像処理前の屈折率]から求めた現像処理後の屈折率変化の値とともに下記表1に示す。
<実施例2〜43、比較例1〜9>
硬化性組成物における分散液の種類、バインダーポリマーの種類、界面活性剤の種類、及び硬化性組成物中の全固形分に対する界面活性剤の含有量を下記表1のように変更する以外は、実施例1に準じて、実施例2〜43、比較例1〜9の硬化性組成物を調製し、評価した結果を表1に示す。ここで界面活性剤の含有量を変更する場合には、界面活性剤の添加量を増減するとともに、組成物中の全体の固形分量が一定(すなわち、固形分濃度が一定)となるように、前記界面活性剤の添加量の増減に従い、バインダーポリマー(F)の添加量を増減することにより変更した。なお、これら透明膜の光透過率を400nmから700nmまで測定したところ、塗布直後はこの測定範囲のいずれにおいても92%以上の光透過率を示した。
<実施例44〜46>
[組成物の調製]
上記で得られた二酸化チタン分散液2(分散組成物)を用いて、以下の組成となるように各成分を混合して実施例44の組成物(硬化性組成物)を得た。
〜硬化性組成物の組成〜
・上記で調製した二酸化チタン分散液2(分散組成物) … 52.86部
・バインダーポリマー(J−5) … 3.27部
(前掲のJ−5;重量平均分子量(Mw)及び共重合比(モル比)は前記の通りである)
・界面活性剤 … 0.30部
(メガファック F781 フッ素系界面活性剤(DIC(株)製)
・エポキシ化合物 … 4.36部
(重合性化合物、製品名:EHPE 3150 (ダイセル化学工業株式会社製))
・オキシム重合開始剤 … 0.30部
(光重合開始剤、BASF社製 IRGACURE OXE−01(前記K−1))
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)… 40.0部
・p−メトキシフェノール(重合禁止剤) … 0.001部
実施例44の硬化性組成物において、硬化性組成物中の全固形分に対する界面活性剤の含有量を下記表1のように変更する以外は、実施例44に準じて、実施例45及び46の硬化性組成物を調製した。ここで界面活性剤の含有量を変更する際には、界面活性剤の添加量を増減するとともに、組成物中の全体の固形分量が一定(すなわち、固形分濃度が一定)となるように、前記界面活性剤の添加量の増減に従い、バインダーポリマー(F)の添加量を増減することにより変更した。実施例44〜46の硬化性組成物を、実施例1に準じて評価した結果を表1に示す。
なお、これら透明膜の光透過率を400nmから700nmまで測定したところ、塗布直後はこの測定範囲のいずれにおいても92%以上の光透過率を示した。
なお金属酸化物粒子(A)の欄における「TiO−1」との表記は、分散組成物として上記調製例1で調整した二酸化チタン分散液1を用いたことを意味し、「ZrO」との表記は、分散組成物として上記調製例2で調整した酸化ジルコニウム分散液を用いたことを意味し、「TiO−2」との表記は、分散組成物として上記調製例3で調整した二酸化チタン分散液2を用いたことを意味する。
バインダーポリマー(F)の欄におけるJ−2〜J−6は、前掲の構造、重量平均分子量(Mw)及び共重合比(モル比)を有するバインダーポリマーである。
また界面活性剤(G)の欄における「サーフィノール465」は、サーフィノール465(ノニオン系界面活性剤 日信化学製)、「KF−6001」はKF−6001(シリコン系界面活性剤 信越シリコーン製)を意味する。
また比較例9で使用されるバインダーポリマーのJ−7は、以下に記載する構造、重量平均分子量(Mw)及び共重合比(モル比)を有し、ベンジル(メタ)アクリレートから誘導される繰り返し単位を含有しない比較用のバインダーポリマーである。
表1より、本発明の組成物(硬化性組成物)を用いて形成された膜は、組成物の塗布後の塗布面状の経時変化が小さく、かつ、現像処理後の屈折率の低下が小さいことがわかる。また本発明の組成物(硬化性組成物)を用いて形成された透明膜は、屈折率が高かった。
以上の実施例では、シリコンウエハー上に透明膜を形成する例について説明したが、固体撮像素子を作製する場合には、前記シリコンウエハーを、フォトダイオード、遮光膜、及びデバイス保護膜などが形成された固体撮像素子用基板に置き換えればよい。
フォトダイオード及び転送電極が形成されたシリコンウエハー上に、フォトダイオードの受光部のみ開口したタングステンからなる遮光膜を形成し、形成された遮光膜全面及びフォトダイオード受光部(遮光膜中の開口部)を覆うようにして窒化シリコンからなるデバイス保護層を形成する。
次に、形成されたデバイス保護層上に、特開2010−210702号公報の実施例16に記載された方法により、1辺の長さが1.4μmの赤色画素、青色画素、及び緑色画素をそれぞれ形成し、カラーフィルタを作成した。
この上に、上記のようにして調整した実施例の硬化性組成物を膜厚1.5μmとなるように塗布後、100℃で2分間、ホットプレートで加熱後、200℃で5分間、ホットプレートで加熱し、硬化させた。
更に、この上にHPR−204ESZ−9−5mPa・s(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製レジスト液)を塗布し、90℃で1分間、ホットプレートで加熱した。この塗布膜を、1辺1.4μmの正方パターンを多数有するマスクを介してi線ステッパー(製品名:FPA−3000i5+、キャノン(株)製)により100mJ/cmで露光した。ここで、マスクは、マスクにおける多数の正方パターンが、それぞれ、上記カラーフィルタにおける赤色画素、青色画素、及び緑色画素に対応する位置となるように配置した。
これをアルカリ性現像液HPRD−429E(富士フィルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)を用いて、室温にて60秒間、パドル現像した後、更に20秒間スピンシャワーにて純水でリンスを行った。その後更に、純水にて水洗を行い、その後、高速回転にて基板を乾燥させ、レジストパターンを形成した。200℃で300秒間、ホットプレートでポストベーク処理し、レジストをレンズ状の形状に整形した。
以上のようにして得られた基板を、ドライエッチング装置(日立ハイテクノロジーズ製:U−621)を使用し、下記条件にてドライエッチング処理を実施し、高屈折率である本発明の透明膜をマイクロレンズとして使用できるように加工した。
・RFパワー:800W
・アンテナバイアス:100W
・ウエハバイアス:500W
・チャンバー内圧:0.5Pa
・基板温度:50℃
・混合ガス種及び流量:CF/C/O/Ar = 175/25/50/200ml/分
・フォトレジストエッチングレート:140nm/分
得られたデバイスを使用して画像を撮影すると、暗い室内でも感度良好な画像を得ることが出来た。

Claims (16)

  1. 金属酸化物粒子(A)としての酸化チタン粒子又は酸化ジルコニウム粒子と、ベンジル(メタ)アクリレートを重合して得られる繰り返し単位、エチレンオキサイド基を含有するアルキル(メタ)アクリレートを重合して得られる繰り返し単位及びイソブチル(メタ)アクリレートを重合して得られる繰り返し単位を含有するバインダーポリマー(F)と、界面活性剤(G)とを含有する組成物であって、前記界面活性剤(G)の含有量が前記組成物の全固形分に対して0.0010質量%〜3.0質量%である組成物。
  2. 金属酸化物粒子(A)としての酸化チタン粒子又は酸化ジルコニウム粒子と、ベンジル(メタ)アクリレートを重合して得られる繰り返し単位を含有するバインダーポリマー(F)と、界面活性剤(G)と、pKa14以下の官能基を有する基Xを有する繰り返し単位と、側鎖に原子数40〜10,000のオリゴマー鎖又はポリマー鎖Yとを有し、かつ塩基性窒素原子を含有する樹脂である分散樹脂(B)とを含有する組成物であって、前記界面活性剤(G)の含有量が前記組成物の全固形分に対して0.0010質量%〜3.0質量%である組成物。
  3. 前記界面活性剤(G)がフッ素系界面活性剤又はノニオン系界面活性剤である請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 前記界面活性剤(G)の含有量が前記組成物の全固形分に対して0.50質量%〜3.0質量%である請求項1〜のいずれか1項に記載の組成物。
  5. 前記金属酸化物粒子(A)として酸化チタン粒子を含有する請求項1〜のいずれか1項に記載の組成物。
  6. 前記バインダーポリマー(F)が更に(メタ)アクリレートを重合して得られる繰り返し単位を含有する請求項1〜のいずれか1項に記載の組成物。
  7. 前記バインダーポリマー(F)がエチレンオキサイド基を有する請求項2に記載の組成物。
  8. 前記バインダーポリマー(F)が更にエチレンオキサイド基を含有するアルキル(メタ)アクリレートを重合して得られる繰り返し単位及びイソブチル(メタ)アクリレートを重合して得られる繰り返し単位の両方を含有する請求項2に記載の組成物。
  9. マイクロレンズ形成用である請求項1〜のいずれか1項に記載の組成物。
  10. 請求項1〜のいずれか1項に記載の組成物を用いて形成された透明膜。
  11. 請求項10に記載の透明膜を用いて形成されたマイクロレンズ。
  12. 前記透明膜をドライエッチングすることにより形成された請求項11に記載のマイクロレンズ。
  13. 請求項11又は12に記載のマイクロレンズを有する固体撮像素子。
  14. 請求項1〜のいずれか1項に記載の組成物をウエハ上に塗布する工程、
    続く第一の加熱工程、及び
    更に続いて前記第一の加熱工程における加熱温度より高い温度での第二の加熱工程を有する、透明膜の製造方法。
  15. 請求項10に記載の透明膜をポストベーク処理し整形する工程、及び更にドライエッチング工程を有する、マイクロレンズの製造方法。
  16. 少なくともフォトダイオード、遮光膜、及びデバイス保護膜を有する固体撮像素子用基板に、赤色画素、青色画素、及び緑色画素を形成する工程、
    請求項1〜のいずれか1項に記載の組成物を塗布し加熱する工程、
    レジストパターンを形成する工程、
    ポストベーク処理し、形成したレジストパターンをレンズ状の形状に整形する工程、及び
    ドライエッチング工程、
    を有する、固体撮像素子の製造方法。
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