JP5896678B2 - 除振台 - Google Patents

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Description

本発明は、振動対策が必要となる計量・計測機器と、その支持体である基台,床等との間の振動の伝達を抑制する、受動型の除振台に関する。
測定技術の向上に伴い、計量・計測機器の測定精度は格段に上がってきている。近年みられる、計量値の読み取り精度(最小表示)が0.1mg以下の分析用電子天秤、さらには1μg(0.001mg)以下の超高精度のマイクロ電子天秤では、設置環境の外乱による計量誤差が計量値に及ぼす影響は非常に大きい。なかでも、振動が及ぼす影響については、地震をはじめ、低気圧や台風の通過による風圧での建屋の揺れ、重量車両の通過による地盤の揺れ等も原因となることが確認されている。計量・計測機器の測定精度が保障されるには、機器へ伝達される振動を除去しなければ、その機器そのものが持つ測定精度が阻害されてしまう。
そこで、被支持体である計量・計測機器と、その支持体である基台,床等との間の振動の伝達を抑制するために、受動的な振動対策として除振台が利用されている。この種の除振台は、一般的に、天びんの設置台となるストーンテーブル相当の剛性と重さのある定盤と、定盤底面の四隅等に配置されたダンパーユニット(除振機構)と、から構成されている。ダンパーユニットには、振動を減衰させる粘性項の要素としてゲル状材料等が、重量を支持する弾性項の要素として金属製バネ等が、粘性項,弾性項を兼任する要素としてゴムや粘弾性を持つプラスチック等によるダイヤフラム等が使用されており、従来の除振台には、複数の防振ゴムを積層一体化させたダンパーユニット(特許文献1)や、板バネ材の間に粘弾性樹脂を張り合わせたものを複数積層し、これらを相互に固着一体化したダンパーユニット(特許文献2)がある。
実開昭64−41738(図1、第1頁左欄、右欄) 特開2007−255690(図3、段落0020)
しかし、除振台に要求される特性は、種々の計量・計測機器ごとに異なる。例えば、汎用の天秤では数kgの秤量が必要であるのに対し分析天秤に求められる秤量は数gであり、また、汎用天秤の天秤本体の質量は約4kgであるのに対し分析天秤の質量は約10kgである。これらを同一の除振台に載置すると、汎用天秤では、秤量が大きいことによる定盤の傾斜により計量値に誤差が発生するので、大きなバネ定数で安定支持する除振台が望まれるのに対し、分析天秤では、除振台の性能が不十分であることにより計量値が不安定になることから、小さなバネ定数で相対的に粘性項の大きな除振台が望まれる。
これに対し、前述した従来の除振台では、特許文献1、2のいずれにおいても、その除振性能を決定する粘弾性項を担う要素が不可分一体のダンパーユニットとして構成されているため、構成に採用されたダイヤフラムに対応した所定の除振性能が得られるだけであり、除振特性要求がそれぞれに異なる計量・計測機器に対して、最適な粘弾性項を自由に設計することはできなかった。言い換えると、種々の計量・計測機器に対して、それぞれに最適な除振性能を与えることができる構成となっていないという問題があった。よってユーザは、複数の計量・計測機器を所有していた場合、それぞれに最適な除振台を用いようとすれば、その機器ごとに合った除振台を複数台用意しなければならないという負担があった。
本発明は、振動対策が必要となる種々の計量・計測機器に対して、機器それぞれに最適な除振特性を持たせることができ、ダイヤフラムを1個から複数個使用することで、粘弾性項の設計自由度を向上させ、同時にユーザレベルでも設定を自由に変更可能とした、汎用性を持たせた除振台を提供するものである。
前記目的を達成するために、請求項1に係る除振台においては、被支持体である計量・計測機器と該計量・計測機器の支持体との間に介在され該計量・計測機器が載置される定盤と、前記定盤を下方支持する粘弾性を有する除振機構と、を備えた除振台において、前記除振機構は、粘弾性部材であり全体形状が皿型のダイヤフラムを備え、前記ダイヤフラムは、前記定盤から下方に延びる被固定部に対し、上方に開口する向きで前記定盤を垂直に支持する方向に装着脱可能に複数個積層可能であるとともに、装着した状態では、前記ダイヤフラム外周部が固定部、該ダイヤフラム外周部以外の部分が可動部となり、前記定盤の底面と前記ダイヤフラム可動部で画成される空間が密閉状態となることを特徴とする。
(作用)粘弾性素材で形成されたダイヤフラムを、定盤を垂直に支持する方向(上下方向)に積層配置可能にし、かつ、ダイヤフラム1個1個は自由に分離・追加できるように構成したので、ダイヤフラムの使用個数を1個から複数個に変更することで、ダイヤフラムの組み合わせ(積層)により除振機構の粘弾性を自由に変化させることが可能となる。
請求項2においては、請求項1に記載の除振台において、前記ダイヤフラムは、その中心軸と外周部に金属性リングを備え、前記中心軸リングと前記外周部リングとの間を粘弾性を有する材料で繋ぎ、ダイヤフラム全体形状が皿型形状に構成されており、該ダイヤフラムの組み合わせで得られる剛性は、前記定盤支持方向に並列に機能することを特徴とする。
(作用)本願のダイヤフラムは、全体皿型形状で、その外周部と中心部を金属、その間を粘弾性材で形成したため、該ダイヤフラムを組み合わせると(各ダイヤフラムを同じ向きで積層すると)粘弾性項を有する部分により得られる剛性が定盤支持方向に並列となる。即ち、本願のダイヤフラムは、除振機構の構造としては定盤支持方向に直列に、除振機構の剛性としては定盤支持方向に並列となるように積層配置可能であるとともに、各ダイヤフラムは該除振機構から装着脱可能に構成されている。
請求項3においては、請求項2に記載の除振台において、前記定盤底面の前記除振機構の上方位置には、定盤内に窪む凹部が設けられ、前記ダイヤフラム外周部には、前記被固定部である前記定盤底面凹部の外周縁部から下方に伸びる複数本の積層用ボルトネジ部が挿通可能な挿通孔が設けられ、該ダイヤフラムを上方に開口する向きで前記積層用ボルトネジ部に固定し、該ダイヤフラム中心軸を中央固定用ボルトで固定して該ダイヤフラムを装着すると、前記ダイヤフラム外周部が固定部、該ダイヤフラム外周部以外の部分が可動部となり、前記定盤底面凹部と前記ダイヤフラム可動部で画成される空間が密閉状態となることを特徴とする。
請求項4においては、請求項1〜3のいずれかに記載の除振台において、前記ダイヤフラムのそれぞれの粘弾性値は、各ダイヤフラムごとに異なることを特徴とする。
請求項5においては、請求項に記載の除振台において、前記定盤底面凹部には、緩衝材が配置されていることを特徴とする。
以上より、請求項1に係る発明によれば、ダイヤフラムの使用個数の増減に比例して、除振機構の弾性項(バネ定数)、粘性項(ダンパー係数)を自由に変化させることができるので、除振機構の粘弾性項の設計自由度が向上し、振動対策が必要となる種々の計量・計測機器それぞれに対して最適な除振特性を設計することができる。また、ダイヤフラムの個数を増減させるだけで除振台の粘弾性項を調節することができるので、除振性能の設計が、製造段階でも、またユーザレベルでも自由に行うことができる。
請求項2に係る発明によれば、該ダイヤフラムを組み合わせる(積層する)と得られる剛性が並列となるように設計されているため、得られる剛性が直列となる設計に比して、弾性項を大きく設計可能であり、被支持体となる計量・計測機器ごとの重量や広範囲のひょう量に対応可能とし、除振性能を向上させることができる。また、定盤支持方向に積層させるダイヤフラムは全て、面手側となる固定部材への取付け形状が略同一形状であり、即ち単一の部品の使用個数を変更したり、異なる材料のダイヤフラムを組み合わせるだけで除振性能の設計ができるので、部品の共通化を図ることができ、製造段階における生産性も向上する。
請求項3に係る発明によれば、定盤底面に形成した凹部の外周縁部からボルトネジ部を下方に突出させておき、ダイヤフラム外周部の挿通孔に該ボルトネジ部を挿通させて両者を係合させ、ボルトネジ部をナット等で締結すると、複数のダイヤフラムを上下方向に積層させた状態で固定(装着)することができる。ダイヤフラムを分離したいときにはボルトネジ部からダイヤフラムを抜き取り、ダイヤフラムを除振機構に追加したいときにはボルトネジ部にダイヤフラムを嵌めれば良い。即ち、除振機構へのダイヤフラムの装着脱が容易であるので、除振性能の変更が、製造段階でも、またユーザレベルでも簡単に行うことができる。また、皿型形状のダイヤフラムを積層し、ダイヤフラム外周部を固定部とする設計としたことで(以下、外周固定機構)、ダイヤフラムを装着すると、定盤底面凹部の外周縁面とダイヤフラム外周部の表面とが当接して、定盤底面凹部とダイヤフラム可動部で画成される空間(空気層)が密閉状態となる。よって、伝達振動があると該空間が圧縮されて、該空間がエアダンパーとして機能するため、さらに除振性能が向上する。
請求項4に係る発明によれば、ダイヤフラムに、バネ定数の大きいものやダンパー係数の大きいもの等、様々な種類を用意しておき、それらを組み合わせて積層することで、除振台の除振性能をさらに微調整することが可能となる。
請求項5に係る発明によれば、除振台上に設計値よりも重い質量が載せらると(過荷重となると)、定盤底面と除振機構とが接触して除振機構が破損する恐れがあるが、定盤底面のうち除振機構と接触する可能性のある位置は、一段内に窪み空洞部が設けられていて、かつ緩衝材がストッパーとなって、定盤が一定以上沈み込まないよう規制されているので、除振機構には影響が及ばない。よって、予想外の荷重に対しても、緩衝材が作用して、除振機構及び計量・計測機器の破損を防ぐことができる。
本発明に係る除振台の使用状態を示す正面図 同除振台を、汎用天秤用に設定した場合の縦断面拡大図(図1示す線II−IIに沿う断面図) 同除振台の要部であるダイヤフラムの平面図 同ダイヤフラムの正面図 同ダイヤフラムの縦断面図(図3示す線V−Vに沿う断面図) 同除振台を、分析天秤用に設定した場合の縦断面図
図1〜図6は、本発明の最良の実施の形態を示し、図1は本発明に係る除振台の使用状態を示す正面図、図2は同除振台を汎用天秤用に設定した場合の縦断面拡大図(図1示す線II−IIに沿う断面図)、図3は同除振台の要部であるダイヤフラムの平面図、図4は同ダイヤフラムの正面図、図5は同ダイヤフラムの縦断面図(図3示す線V−Vに沿う断面図)、図6は同除振台を分析天秤用に設定した場合の縦断面図、である。
これらの図において、符号1は、本実施例に係る除振台であり、横370mm、縦455mm、厚さ8.5mmの一枚岩からなる定盤10と、定盤10の底面10aの四隅に配置されたダンパーユニット(除振機構)20と、から構成されている。定盤10には、計量・計測機器3が載置され、除振台1は、被支持体である計量・計測機器3と床や机等の支持体2との間に介在される。
定盤10の底面10aの四隅箇所には、除振台の全高を抑える目的と、ダンパーユニット20がある程度定盤10で囲われるよう、円柱状に窪む収容部14が設けられている。係る収容部14の低部中心部には、収容部14と同一円心状に、さらに定盤10の内に円柱状に窪む凹部(定盤底面凹部16)が設けられている。収容部14からさらに一段内に窪んだ定盤底面凹部16には、衝撃吸収材からなる緩衝材60が、定盤底面凹部16の底面に接合固定されている。なお、緩衝材60は上記材質に限るものではなく、ある程度の緩衝性を持つものであれば、他にゴムや弾性プラスチックで構成しても良い。
除振機構であるダンパーユニット20について、まず、ダンパーユニット20を構成する部材について説明する。ダンパーユニット20は、主として、ベースプレート30、ダイヤフラム40、ダンパー足50で構成されている。
ベースプレート30は、後述のダイヤフラム40の外径と略同程度の直径を有する金属製リング31に、周方向等間隔三箇所にボルト孔32を設け、係るボルト孔32に低頭ネジ33をベースプレート30上方から挿通した上で低頭ネジ33頭部を金属製リング31上面に固着させたものである。そして、係るベースプレート30の上面を、定盤底面凹部16の外周縁部(収容部14の底面)に接着剤80を介して固定することで、ベースプレート30から低頭ネジ33のボルトネジ部33aが下方に突出する。即ち、定盤底面凹部16の外周縁部から三本の積層用ボルトネジ部33aが下方に突出する構成となっている。
ダイヤフラム40は、金属製の中心軸リング41と外周部リング42とを、所定硬度を有するゴム部43で繋いで構成したゴム製ダイヤフラムである。詳細には、図3〜5に示すように、ダイヤフラム40は、中心軸リング41の外周と外周部リング42の内周が均一厚のゴム部43で繋がれて、かつ、外周部リング42の上面及び下面がゴム部43で均一厚に覆われて、正面視略円錐台形状に形成されるように、ゴム部43の成形時に、中心軸リング41と外周部リング42をゴム部43にインサート成形して形成したものである。
言い換えると、ダイヤフラム40は、その中心軸40cと外周部40dに金属製リング(中心軸リング41、外周部リング42)を備え、ダイヤフラム中心軸40cは中心軸リング41により円孔を有し、ダイヤフラム外周部40dは外周部リング42により水平フランジ部を有し、その間を繋ぐゴム部43の形状は八の字状に屈曲していて、その全体形状が、ダイヤフラム外周部40dが水平方向に延出した円形薄皿型形状に形成された、粘弾性部材である。一例として、中心軸リング41は外形12mm、内径8.5mm、5mm厚の金属性リング、外周部リング42は外形60mm、内径40mm、3mm厚の金属性リング、ゴム部43は、硬度70度程度のエチレン−プロピレン−ジエンゴムを採用し、中心軸リング41の外周と外周部リング42の内周を繋ぐ部分は均一5mm厚、外周部リング42の上面及び下面を挟持する部分は均一1mm厚に形成した。
ダイヤフラム40は、静圧時は、全体基本形状は上記のとおり皿型形状を維持して定盤10を支承しているが、計量・計測機器3に負荷があった場合や、地震をはじめ、低気圧や台風の通過による風圧での建屋の揺れ、重量車両の通過による地盤の揺れ等の振動が生じた場合には、せん断荷重を受けることで、ゴム部43が伸縮変形して、重量を支持する弾性項,振動を減衰させる粘性項としての機能を持ち、伝達される振動を除振減衰する。
さらに、ダイヤフラム外周部40dの周方向等間隔三箇所には、定盤底面凹部16の外周縁部に固定されたベースプレート30から伸びる積層用ボルトネジ部33aが挿通可能な挿通孔40aが設けられている。
ダンパー足50は、銅部50aが下方に開口する椀形状で、その開口周縁部が水平方向に延出してフランジ部50bが形成された金属製の支持材であって、フランジ部50bの下面には、周方向等間隔四箇所(四隅)にゴム足51が接着されている。銅部50aには、その中央部に、後述する中央固定用ボルト21が挿通可能な中央挿通孔52が設けられるとともに、銅部50aの周方向等間隔三箇所には、上述の積層用ボルトネジ部33aが銅部50a上面と接触しないよう、長孔53が設けられている。
次に、図2に示すように、除振台1の除振性能を、計量・計測機器3として、本体質量約4kg、ひょう量3000g、計量値の読み取り精度(最小表示)が0.01gの汎用天秤を載置することを想定し、ダンパーユニット20を汎用天秤用に設定した構成を説明する。ダンパーユニット20は、上述のダイヤフラム40が、三つ、定盤10を垂直支持する方向に、上方に開口する向きで積層配置されている。詳細には、ダイヤフラム40を、ダイヤフラム中心軸40cの円孔(中心軸リング41)に開口側から中央固定用ボルト21を挿通して、ダイヤフラム40を中央で係止しつつ、ダイヤフラム外周部40dに設けた挿通孔40aに積層用ボルトネジ部33aを挿通して、ダイヤフラム40を周方向にも係止させる。これを、積層させたいダイヤフラム40の個数分行ったのちに、積層用ボルトネジ部33aをナット70で締結し、ダンパー足50の銅部50aを介して中央固定用ボルト21もナット70で締結することで、ベースプレート30(積層用ボルトネジ部33a)に、三個の同形状のダイヤフラム40が積層して、ダイヤフラム外周部40dが固定部、ダイヤフラム外周部40d以外の部分が可動部となるように装着されて、ダンパーユニット20が構成されている。また、ダイヤフラム40を全て同じ向きで積層しているので、ダンパーユニット20の剛性は定盤支持方向に並列に機能する設計となっている。さらに、ダイヤフラム40を装着すると、定盤底面凹部16の外周縁部(の面)とダイヤフラム外周部40d(の表面)はベースプレート30を介して当接している。このとき、定盤底面凹部16の外周縁面とベースプレート30の上面間は接着剤80の存在により気密であり、ベースプレート30の下面とダイヤフラム外周部40dの表面の間とはゴム部43が押圧されて気密であり、ダイヤフラム中心軸40cは中央固定用ボルト21で密封されているので、定盤底面凹部16とダイヤフラム40の可動部(ゴム部43)とで、密閉状態の空間(空気層)Sが画成されている。
汎用天秤用でのダンパーユニット20は、静圧時、即ち除振台1及び計量・計測機器3の質量の負荷のみがかかっている状態では、各ダイヤフラム40が基本形状の皿型形状を維持し、定盤10を、ダイヤフラム40の厚み三個分の高さ浮かせた状態で定盤10を支承しているが、計量・計測機器3に負荷があった場合や支持体2から伝達振動があった場合には、せん断荷重を受けることで、各ダイヤフラム40の基本形状が変形して、ゴム部43の屈曲がなくなる形状に(平らな形状に)伸縮し、各ダイヤフラム40特有の弾性項(バネ定数)と粘性項(ダンパー係数)で応答し、全体として、ダイヤフラム40三個分の粘弾性項で除振減衰するダンパーユニット20として機能する。この際、ダンパーユニット20は、ダイヤフラム40を組み合わせ(積層)により得られる剛性が並列となるように設計されているため、得られる剛性が直列となる設計に比して、弾性項(バネ定数)を大きく設定したり、異なるダイヤフラムの利用により弾性項や粘性項の微調整が可能となり、同時に組み立て後のダイヤフラムの全高を低くおさえることができる。さらに、空間Sが圧縮されて、空間Sがエアダンパーとして機能する。
次に、図6に示すように、除振台1の除振性能を、計量・計測機器3として、本体質量約10kg、ひょう量22g、計量値の読み取り精度(最小表示)が0.001mgのマイクロ天秤用天秤を載置することを想定し、ダンパーユニット20を分析天秤用に設定した構成を説明する。マイクロ天秤用には、上述のダイヤフラム40が、定盤10の支持方向に一つ配置されている。この設定には、上述の汎用天秤用の設定から、容易に変更することができる。詳細には、上述とは逆の手順で、三個のダイヤフラム40を中央で固定する中央固定用ボルト21のナット70を外してダンパー足50をダンパーユニット20から外し、積層用ボルトネジ部33aのナット70を外して、積層用ボルトネジ部33aからダイヤフラム40を二つ抜き取り、ダイヤフラム40が一つ残った状態で、再び積層用ボルトネジ部33aのナット70を締め、ダンパー足50の銅部50aを介して中央固定用ボルト21をナット70で締結する。これにより、分析天秤用でのダンパーユニット20は、除振台1及び計量・計測機器3の質量の負荷のみがかかっている状態では、ダイヤフラム40が基本形状とおりの皿型形状を維持し、定盤10を、ダイヤフラム40の厚み一個分の高さ浮かせた状態で定盤10を支承しているが、計量・計測機器3に負荷があった場合や支持体2から伝達振動があった場合には、ダイヤフラム40の基本形状が変形して、ダイヤフラム40一個分の粘弾性項で振動を除振減衰する。
本実施例の除振台1によれば、同形状のダイヤフラム40を、定盤10を支承する方向(上下方向)に、除振機構の構造としては直列に、除振機構の剛性としては並列となるように、一個から複数個積層配置可能であり、かつ、ダイヤフラム40は、ダンパーユニット20に対して1個1個自由に分離・追加できる構成となっているので、ダイヤフラム40の使用個数を増減させるだけで、ダンパーユニット20の粘弾性を自由に変化させることができる。
本実施例の除振台1に対し、従来の除振台では、その除振性能を決定する粘弾性項を担う要素が不可分一体のダンパーユニットとして構成されているため、構成に採用されたダイヤフラムに対応した所定の除振性能(一定の粘弾性項)が得られるだけであり、種々の計量・計測機器に対して、それぞれに最適な除振性能を与えることができる構成となっていなかったため、ユーザは、除振特性要求がそれぞれに異なる計量・計測機器に対して、最適な粘弾性項を自由に設計することができず、それぞれに最適な除振台を用いようとすれば、その機器ごとに合った除振台を複数台用意しなければならなかった。
これに対し、本実施例では、ダイヤフラム40の使用個数を増減させることができるように構成されているので、ダイヤフラム40の使用個数に比例して、ダンパーユニット20の弾性項(バネ定数)、粘性項(ダンパー係数)を自由に変化させることができる。このため、除振台1の粘弾性項の設計自由度は高く、振動対策が必要となる種々の計量・計測機器それぞれに対して最適な除振特性を設計することができる。
即ち、計量・計測機器3として汎用天秤を載置する場合には、除振台1には、秤量が大きいことによる定盤10の傾斜により計量値に誤差が生じるのを防ぐために、ダイヤフラム40を複数個用いて、大きなバネ定数で安定支持する除振台に設計する。一方、計量・計測機器3として分析天秤を載置する場合には、除振台1には、除振台の性能が不十分であることにより計量値が不安定になるのを防ぐために、汎用天秤用の設定よりもダイヤフラム40を減らして、小さなバネ定数で相対的に粘性項の大きな除振台に設計する、ということが自由にできる。
さらに、上述の除振特性の設計変更は、ダンパーユニット20からダイヤフラム40を分離したいときには、定盤底面10aから下方に延びる積層用ボルトネジ部33aから不要なダイヤフラム40を抜き取れば良く、逆にダイヤフラム40をダンパーユニット20に追加したいときには、積層用ボルトネジ部33aにダイヤフラム40を嵌めるだけで良い。即ち、ダンパーユニット20へのダイヤフラム40の装着脱が容易であるので、除振性能の設計(粘弾性項の調節作業)が簡単に行うことができる。
よって、振動対策が必要となる種々の計量・計測機器3に対して、粘弾性項の設計自由度を向上させ、同時に製造段階でも、ユーザレベルでも設定を自由に変更可能とした、汎用性を持たせた除振台1を提供することができる。
また、積層するダイヤフラム40はいずれも同形状であり、即ち単一の部品の使用個数を変更するだけで除振性能の設計ができるので、部品の共通化を図ることができ、製造段階における生産性も向上する。
また、一般に、除振機構のダイヤフラムにゴムを用いた除振台であれば、ゴム部が経年劣化して、除振機構を修理する必要があるが、本実施例の除振台1は、上述のとおりゴム製ダイヤフラム40の装着脱が簡単に行える構成となっているので、ユーザレベルでもダイヤフラムを簡単に交換でき、メンテナンスも容易である。
また、計量・計測機器3には、規定ひょう量よりも重い質量が載せられる(過荷重が作用する)場合が想定される。仮に、除振台1に定盤底面凹部16や緩衝材60が設けられていない構成であれば、過荷重作用時にはダイヤフラム40が平坦となって、定盤10が沈み込み、ダイヤフラム中心軸40cから突出する中央固定用ボルト21の頭部と収容部14の底部とが接触して、ダンパーユニット20が破損する恐れがあるが、本実施例の除振台1では、中央固定用ボルト21頭部と接触する可能性のある位置であるダンパーユニット20の上方位置は、収容部14の底部からさらに一段内に窪む定盤底面凹部16により空洞部となっていて、さらに定盤底面凹部16に設けられた緩衝材60がストッパーとして機能するので、定盤10が一定以上沈み込まないよう規制され、過荷重が作用しても、ダンパーユニット20、ひいては計量・計測機器3の破損は防止される。
なお、上記実施例では、ダイヤフラム40のゴム部43の硬度を70度程度とし、これと同一の粘弾性を有するダイヤフラム40を1個から複数個積層させているが、ダイヤフラム40のそれぞれの粘弾性値は、各ダイヤフラム40ごとに異なっていても良い。即ち、例えばゴム部43の硬度が90度程度の相対的に弾性項(バネ定数)の大きいダイヤフラム401や、硬度が50度程度の相対的に粘性項(ダンパー係数)の大きいダイヤフラム402を用意しておき、除振台1を、秤量5200g程度の汎用天秤用に設定する際には、バネ定数がより大きくなるように、ダイヤフラム401を積層、或いはダイヤフラム401をダイヤフラム40に混ぜて積層して除振性能設計したり、除振台1を、計量・計測機器3として音叉式粘度計用に設定する際には、音叉式粘度計では、計量容器の容量相当(最大でも40ml(約40g)程度)の質量負荷で済むので、傾斜誤差の影響が少ないことから、相対的にダンパー係数が大きくなるように、ダイヤフラム402を使用、或いはダイヤフラム402をダイヤフラム40に混ぜて積層して除振性能設計する等して、除振台1の除振性能をさらに微調整することができる。また、ダイヤフラム40、401、402の表面を波状にすることで(波打たせることで)、粘性項(ダンパー係数)をより向上させることができるので、これによっても、上記微調整に有用なダイヤフラムを用意できる。
なお、皿型形状のダイヤフラム40は下方に開口する向きで積層させても良い。即ち、定盤底面凹部16から1本の積層用ボルトネジ部33aを下方に延ばし、これをダイヤフラム中心軸40cに挿通させて固定し、ダイヤフラム中心軸40cを固定部、その他を可動部として設計する除振機構(内周固定機構)としても、ダイヤフラム40(及びその組み合わせ)で得られる除振性能は、エアダンパー効果分は望めないが、上記実施例の外周固定機構と同等である。
1 除振台
2 支持体
3 計量・計測機器
10 定盤
10a 定盤底面
16 定盤底面凹部
20 除振機構であるダンパーユニット
33a 積層用ボルトネジ部
40 ダイヤフラム
40a ダイヤフラム挿通孔
40c ダイヤフラム中心軸
40d ダイヤフラム外周部
41 中心軸リング
42 外周部リング
43 ゴム部
60 緩衝材
S 密閉空間

Claims (5)

  1. 被支持体である計量・計測機器と該計量・計測機器の支持体との間に介在され該計量・計測機器が載置される定盤と、前記定盤を下方支持する粘弾性を有する除振機構と、を備えた除振台において、
    前記除振機構は、粘弾性部材であり全体形状が皿型のダイヤフラムを備え、前記ダイヤフラムは、前記定盤から下方に延びる被固定部に対し、上方に開口する向きで前記定盤を垂直に支持する方向に装着脱可能に複数個積層可能であるとともに、装着した状態では、前記ダイヤフラム外周部が固定部、該ダイヤフラム外周部以外の部分が可動部となり、前記定盤の底面と前記ダイヤフラム可動部で画成される空間が密閉状態となることを特徴とする除振台。
  2. 前記ダイヤフラムは、その中心軸と外周部に金属性リングを備え、前記中心軸リングと前記外周部リングとの間を粘弾性を有する材料で繋ぎ、ダイヤフラム全体形状が皿型形状に構成されており、該ダイヤフラムの組み合わせで得られる剛性は、前記定盤支持方向に並列に機能することを特徴とする請求項1に記載の除振台。
  3. 前記定盤底面の前記除振機構の上方位置には、定盤内に窪む凹部が設けられ、前記ダイヤフラム外周部には、前記被固定部である前記定盤底面凹部の外周縁部から下方に伸びる複数本の積層用ボルトネジ部が挿通可能な挿通孔が設けられ、該ダイヤフラムを上方に開口する向きで前記積層用ボルトネジ部に固定し、該ダイヤフラム中心軸を中央固定用ボルトで固定して該ダイヤフラムを装着すると、前記ダイヤフラム外周部が固定部、該ダイヤフラム外周部以外の部分が可動部となり、前記定盤底面凹部と前記ダイヤフラム可動部で画成される空間が密閉状態となることを特徴とする請求項2に記載の除振台。
  4. 前記ダイヤフラムのそれぞれの粘弾性値は、各ダイヤフラムごとに異なることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の除振台。
  5. 前記定盤底面凹部には、緩衝材が配置されていることを特徴とする請求項3に記載の除振台。
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