JP5895517B2 - タイヤトレッド用ゴム組成物および空気入りタイヤ - Google Patents

タイヤトレッド用ゴム組成物および空気入りタイヤ Download PDF

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Description

本発明は、タイヤトレッド用ゴム組成物および空気入りタイヤに関する。
タイヤのウェット性能を向上させ、転がり抵抗を低減させる手法としてシリカを配合したゴム組成物を用いることが知られており、更なる性能向上の観点から、シリカとともにシランカップリング剤を併用したゴム組成物も知られている。
例えば、特許文献1には、「スチレン・ブタジエン共重合体ゴムを含むゴム成分(A)100質量部に対して、カーボンブラック及び白色充填剤からなる群から選択される少なくとも一種の充填剤(B)20〜70質量部と、軟化剤(C)0〜30質量部と、ポリスチレン換算重量平均分子量が2×10〜50×10である(メタ)アクリレート系(共)重合体(D)3〜30質量部とを配合してなることを特徴とするゴム組成物。」が記載されており([請求項1])、また、白色充填剤としてシリカを用いる場合にシランカップリング剤を添加することが記載されている([0045])。
特開2006−274049号公報
しかしながら、本発明者が特許文献1に記載のゴム組成物について検討を重ねたところ、(メタ)アクリレート系(共)重合体の配合によってタイヤの転がり抵抗が改善されるが、その改善効果は不十分であり、また、(メタ)アクリレート系(共)重合体の配合により却って白色充填剤(特にシリカ)の分散を阻害する傾向があることが分かった。
そこで、本発明は、白色充填剤の分散性に優れ、かつ、転がり抵抗に優れたタイヤを作製することができるタイヤトレッド用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、白色充填剤に対してシランカップリング剤および末端に反応性シリル基を有する(メタ)アクリレート系重合体を特定量配合することにより、白色充填剤の分散性に優れ、かつ、転がり抵抗に優れたタイヤを作製できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の(1)〜(3)を提供する。
(1)ジエン系ゴム、白色充填剤、シランカップリング剤、および、末端に反応性シリル基を有する(メタ)アクリレート系重合体を含有し、
上記ジエン系ゴムの20質量%以上が、スチレン−ブタジエン共重合体ゴムであり、
上記白色充填剤の含有量が、上記ジエン系ゴム100質量部に対して5〜150質量部であり、
上記シランカップリング剤の含有量が、上記白色充填剤の質量に対して0.5〜20質量%であり、
上記(メタ)アクリレート系重合体の含有量が、上記白色充填剤の質量に対して1〜30質量%であり、
上記白色充填剤がシリカである、タイヤトレッド用ゴム組成物。
(2)上記(メタ)アクリレート系重合体の重量平均分子量が、500〜100,000である上記(1)に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
(3)上記(1)または(2)に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物をタイヤトレッドに用いた空気入りタイヤ。
以下に示すように、本発明によれば、白色充填剤の分散性に優れ、かつ、転がり抵抗に優れたタイヤを作製することができるタイヤトレッド用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤを提供することができる。
本発明の空気入りタイヤの実施態様の一例を表すタイヤの模式的な部分断面図である。
〔タイヤ用ゴム組成物〕
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物(以下、単に「本発明のゴム組成物」ともいう。)は、ジエン系ゴム、白色充填剤、シランカップリング剤、および、末端に反応性シリル基を有する(メタ)アクリレート系重合体を含有し、上記ジエン系ゴムの20質量%以上がスチレン−ブタジエン共重合体ゴムであり、上記白色充填剤の含有量が上記ジエン系ゴム100質量部に対して5〜150質量部であり、上記シランカップリング剤の含有量が上記白色充填剤の質量に対して0.5〜20質量%であり、上記(メタ)アクリレート系重合体の含有量が上記白色充填剤の質量に対して1〜30質量%であるタイヤトレッド用のゴム組成物である。
以下に、本発明のゴム組成物が含有する各成分について詳細に説明する。
<ジエン系ゴム>
本発明のゴム組成物に配合されるジエン系ゴムは、その20質量%以上がスチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)である。
ここで、上記SBRは、末端がヒドロキシ基、ポリオルガノシロキサン基、カルボニル基、アミノ基等で変性されていてもよい。
また、上記SBRの含有量(割合)は、転がり抵抗により優れたタイヤを作製することができる理由から、上記ジエン系ゴムの50〜90質量%であるのが好ましく、60〜80質量%であるのがより好ましい。
本発明においては、上記SBRは、転がり抵抗により優れたタイヤを作製することができる理由から、芳香族ビニル(以下、「スチレン量」という。)を30〜50質量%含み、共役ジエン中のビニル結合量(以下、「ブタジエン量」という。)を30〜65質量%含むことが好ましい。
また、上記SBRの重量平均分子量(Mw)は特に限定されないが、粘度上昇を抑制する効果が高くなる理由から、90万〜200万であるのが好ましく、100万〜180万であるのがより好ましい。なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により標準ポリスチレン換算により測定するものとする。
本発明においては、上記SBR以外のジエン系ゴムを含有する場合、そのジエン系ゴムは、主鎖に二重結合を有するものであれば特に限定されず、その具体例としては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム(EPDM)、スチレン−イソプレンゴム、イソプレン−ブタジエンゴム、ニトリルゴム、水添ニトリルゴム等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、耐摩耗性が良好となり、転がり抵抗により優れたタイヤを作製することができる理由から、BRを用いるのが好ましい。
<白色充填剤>
本発明のゴム組成物に配合される白色充填剤は特に限定されず、タイヤ等の用途でゴム組成物に配合されている従来公知の任意の白色充填剤を用いることができる。
上記白色充填剤としては、具体的には、例えば、シリカ、水酸化アルミニウム等が挙げられ、中でもシリカであるのが好ましい。
上記シリカとしては、具体的には、例えば、湿式シリカ(含水ケイ酸)、乾式シリカ(無水ケイ酸)、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ヒュームドシリカ、焼成シリカ、沈降シリカ、粉砕シリカ、溶融シリカ、コロイダルシリカ等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、耐摩耗性が良好となり、転がり抵抗により優れたタイヤを作製することができる理由から、湿式シリカが好ましい。
本発明においては、上記白色充填剤の含有量は、上記ジエン系ゴム100質量部に対して5〜150質量部であり、40〜120質量部であるのが好ましい。
<シランカップリング剤>
本発明のゴム組成物に配合されるシランカップリング剤は特に限定されず、タイヤ等の用途でゴム組成物に配合されている従来公知の任意のシランカップリング剤を用いることができる。
上記シランカップリング剤としては、具体的には、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、ビス(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、ジメトキシメチルシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、ジメトキシメチルシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、トリメトキシシリルプロピル−メルカプトベンゾチアゾールテトラスルフィド等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、硫黄原子を含有するシランカップリング剤(硫黄含有シランカップリング剤)であるのが好ましく、メルカプト基を含有するシランカップリング剤であるのがより好ましい。
本発明においては、上記シランカップリング剤の含有量は、上記白色充填剤の質量に対して0.5〜20質量%であり、1〜15質量%であるのが好ましい。
<(メタ)アクリレート系重合体>
本発明のゴム組成物に配合される(メタ)アクリレート系重合体は、少なくとも末端に反応性シリル基を有し、主鎖がアクリル酸アルキルエステル単量体単位および/またはメタクリル酸アルキルエステル単量体単位を含む重合体である。
ここで、(メタ)アクリレートとは、アクリレートおよびメタクリレートのうちの一方または両方を意味する。
また、反応性シリル基とは、例えば、ケイ素原子と結合した加水分解性基を有するケイ素含有基やシラノール基のように湿気や架橋剤の存在下、必要に応じて触媒等を使用することにより縮合反応を起こすことができる基をいい、代表的なものを示すと、例えば、下記式(1)で表される基が挙げられる。
式中、R1およびR2は、それぞれ独立に、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基または(R33SiO−で示されるトリオルガノシロキシ基を示し、R1またはR2が2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。ここで、R3は炭素数1〜20の1価の炭化水素基であり、3個のR3は同一であってもよく、異なっていてもよい。
また、Yは、水酸基または加水分解性基を示し、Yが2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。
また、aは0、1、2または3を示し、bは0、1または2を示す。
また、t個の下記式(2)で表される基におけるbは異なっていてもよい。tは0〜19の整数を示す。ただし、a+t×b≧1を満足するものとする。なお、「a+t×b≧1」とは、a+t×bが1以上であることを意味する。
上記式(1)におけるR1およびR2の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基などのアルキル基;シクロヘキシル基などの脂環式炭化水素基;フェニル基などのアリール基;ベンジル基などのアラルキル基;R3がメチル基やフェニル基などである(R33SiO−で示されるトリオルガノシロキシ基;等が挙げられる。R1、R2、R3としてはメチル基が特に好ましい。
上記Yで示される加水分解性基は特に限定されず、従来公知の加水分解性基であればよい。具体的には、例えば、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、酸アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシ基等が挙げられる。これらのうち、水素原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基およびアルケニルオキシ基であることが好ましく、加水分解性が穏やかで取り扱いやすいという理由からメトキシ基等のアルコキシ基が特に好ましい。
架橋性シリル基の中で、下記式(3)で表される架橋性シリル基が、入手容易の点から好ましい。なお、下記式(3)中、R2、Yおよびaは、それぞれ上記式(1)で説明したものと同義である。
本発明においては、上記反応性シリル基は、上記白色充填剤(特にシリカ)との反応性に優れ、耐摩耗性が良好なタイヤを作製することができる理由から、ジメトキシメチルシリル基、ジエトキシメチルシリル基が好ましい。
また、上記反応性シリル基は、上記(メタ)アクリレート系重合体の末端に1個以上有しており、両末端に2個以上有しているのが好ましく、2〜8個有しているのがより好ましい。
一方、上記(メタ)アクリレート系重合体の主鎖を形成するアクリル酸アルキルエステル単量体単位としては、具体的には、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−ペンチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、n−ヘプチルアクリレート、n−オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ノニルアクリレート、デシルアクリレート、ウンデシルアクリレート、ドデシルアクリレート、ラウリルアクリレート、トリデシルアクリレート、ミリスチルアクリレート、セチルアクリレート、ステアリルアクリレート、ベヘニルアクリレート、フェニルアクリレート、トルイルアクリレート、ベンジルアクリレート、ビフェニルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、3−メトキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、グリシジルアクリレート、2−アミノエチルアクリレート、トリフルオロメチルメチルアクリレート、2−トリフルオロメチルエチルアクリレート、2−パーフルオロエチルエチルアクリレート、2−パーフルオロエチル−2−パーフルオロブチルエチルアクリレート、パーフルオロエチルアクリレート、パーフルオロメチルアクリレート、ジパーフルオロメチルメチルアクリレート、2−パーフルオロメチル−2−パーフルオロエチルエチルアクリレート、2−パーフルオロヘキシルエチルアクリレート、2−パーフルオロデシルエチルアクリレート、2−パーフルオロヘキサデシルエチルアクリレート等のアクリル酸エステルまたはこれに対応するメタクリル酸エステルが挙げられる。
これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、上記(メタ)アクリレート系重合体の主鎖は、アクリル酸アルキルエステル単量体単位および/またはメタクリル酸アルキルエステル単量体単位を含むものであれば特に限定されないが、取り扱いが容易である理由から、これらの単量体単位が50質量%を越えるのが好ましく、70質量%以上であるのがより好ましい。
更に、上記(メタ)アクリレート系重合体の主鎖は、アクリル酸アルキルエステル単量体単位および/またはメタクリル酸アルキルエステル単量体単位のほかに、これらと共重合性を有する単量体単位を含んでいてもよい。例えば、アクリル酸、メタクリル酸等のカルボキシ基を含有する単量体単位;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等のアミド基を含有する単量体単位;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等のエポキシ基を含有する単量体単位;ジエチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、アミノエチルビニルエーテル等のアミノ基を含有する単量体単位が挙げられる。ポリオキシエチレンアクリレート、ポリオキシエチレンメタクリレート等は、湿分硬化性および内部硬化性の点で共重合効果を期待することができる。
そのほかに、アクリロニトリル、スチレン、α−メチルスチレン、アルキルビニルエーテル、塩化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、エチレン等に起因する単量体単位が挙げられる。
上記(メタ)アクリレート系重合体としては、例えば、下記式(4)で表されるものが挙げられる。
式中、R3は水素原子またはメチル基であり、R4はアルキル基であり、R5はアルキレン基であり、nは3〜100の整数であり、R2、Yおよびaはそれぞれ上記式(1)で説明したものと同義である。
アルキル基としては、炭素原子数1〜20のものが挙げられ、その具体例としては、メチル基、エチル基等が挙げられる。
アルキレン基としては、炭素原子数1〜20のものが挙げられ、その具体例としては、メチレン基、ジメチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基等が挙げられる。
上記式(4)で表される(メタ)アクリレート系重合体のうち、耐摩耗性が良好なタイヤを作製することができる理由から、下記式(5)で表される(メタ)アクリレート系重合体が好ましい。なお、下記式(5)中、R3およびR4は、それぞれ上記式(4)で説明したものと同義である。
本発明においては、上記(メタ)アクリレート系重合体の重量平均分子量は、取り扱い粘度や白色充填剤(特にシリカ)との反応性に優れるという理由から、500〜100,000であるのが好ましく、10,000〜40,000であるのがより好ましい。
なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により標準ポリスチレン換算により測定するものとする。
また、上記(メタ)アクリレート系重合体の溶液粘度は、ゴム組成物の取扱い性に優れ、耐摩耗性が良好なタイヤを作製することができる理由から、150〜700cpsであるのが好ましく、200〜600cpsであるのがより好ましい。
なお、溶融粘度は、E型粘度計における25℃の条件下で測定するものとする。
このような(メタ)アクリレート系重合体としては、公知の市販品を用いることができ、その具体例としては、カネカ社製のカネカテレケリックポリアクリレート−SA100S、SA100、SA110S、SA120S、SA310S等が挙げられる。
本発明においては、上記(メタ)アクリレート系重合体の含有量は、上記白色充填剤の質量に対して1〜30質量%であり、3〜15質量%であるのが好ましい。
本発明のゴム組成物は、上記白色充填剤に対して上記シランカップリング剤および上記(メタ)アクリレート系重合体を特定量含有しているため、白色充填剤の分散性が良好となり、得られるタイヤの転がり抵抗も良好となる。
このような効果に関して、本発明者は、以下に示すメカニズムによるものと推察する。
まず、上記白色充填剤の一部が、上記シランカップリング剤との相互作用(いわゆるシラニゼーション)を起こすと考えられる。
次いで、上記(メタ)アクリレート系重合体は、末端に反応性シリル基を有しているため、残存する上記白色充填剤(特にシリカ)の粒子表面で、水素結合および/または加水分解縮合反応による結合を形成し、(メタ)アクリレート系重合体と白色充填剤との会合体を形成していると考えられる。
そして、これらの相互作用や会合体により、白色充填剤の分散性が良好となり、得られるタイヤの転がり抵抗も良好となったと考えられる。
本発明のゴム組成物には、上述した成分の他に、白色充填剤以外のフィラー(例えば、カーボンブラック等)、加硫または架橋剤、加硫または架橋促進剤、酸化亜鉛、オイル、老化防止剤、可塑剤等のタイヤ用ゴム組成物に一般的に用いられている各種の添加剤を配合することができる。これらの添加剤の配合量は本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
本発明のゴム組成物の製造方法は、特に限定されず、例えば、上述した各成分を、公知の方法、装置(例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール等)を用いて、混練する方法等が挙げられる。
また、本発明のゴム組成物は、従来公知の加硫または架橋条件で加硫または架橋することができる。
〔タイヤ〕
本発明の空気入りタイヤ(以下、単に「本発明タイヤ」ともいう。)は、上述した本発明のゴム組成物を用いた空気入りタイヤである。
図1に、本発明のタイヤの実施態様の一例を表すタイヤの模式的な部分断面図を示すが、本発明のタイヤは図1に示す態様に限定されるものではない。
図1において、符号1はビード部を表し、符号2はサイドウォール部を表し、符号3はタイヤトレッド部を表す。
また、左右一対のビード部1間においては、繊維コードが埋設されたカーカス層4が装架されており、このカーカス層4の端部はビードコア5およびビードフィラー6の廻りにタイヤ内側から外側に折り返されて巻き上げられている。
また、タイヤトレッド3においては、カーカス層4の外側に、ベルト層7がタイヤ1周に亘って配置されている。
また、ビード部1においては、リムに接する部分にリムクッション8が配置されている。
本発明のタイヤは、例えば、本発明のゴム組成物が含有するジエン系ゴム、加硫剤または架橋剤、加硫促進剤または架橋促進剤の種類およびその配合割合に応じた温度で加硫または架橋し、トレッド部やサイドウォール部等を形成することにより製造することができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1〜4および比較例1〜2)
下記第1表に示す成分を、下記第1表に示す割合(質量部)で配合した。
具体的には、まず、下記第1表に示す成分のうち硫黄および加硫促進剤を除く成分を、1.7リットルの密閉型バンバリーミキサーで5分間混練し、150±5℃に達したときに放出してマスターバッチを得た。
次に、得られたマスターバッチに硫黄および加硫促進剤をオープンロールで混練し、ゴム組成物を得た。
(実施例5)
下記第1表に示す成分を、下記第1表に示す割合(質量部)で配合した。
具体的には、まず、下記第1表に示す成分のうち、白色充填剤と(メタ)アクリレート重合体とを予め混合した混合物を調製した。
次に、下記第1表に示す成分のうち、白色充填剤、(メタ)アクリレート重合体、硫黄および加硫促進剤を除く成分と、上記混合物とを1.7リットルの密閉型バンバリーミキサーで5分間混練し、150±5℃に達したときに放出してマスターバッチを得た。
次に、得られたマスターバッチに硫黄および加硫促進剤をオープンロールで混練し、ゴム組成物を得た。
<ムーニー粘度(加工性の指標)>
調製したゴム組成物(未加硫)について、JIS K6300−1:2001に準じて、L形ロータを使用し、予熱時間1分、ロータの回転時間4分、試験温度100℃の条件で、ムーニー粘度を測定した。結果を下記第1表に示す。
<ペイン効果(シリカの分散性の指標)>
調製したゴム組成物(未加硫)について、歪せん断応力測定機(RPA2000、α−テクノロジー社製)を用い、160℃で20分間加硫した後、歪0.28%の歪せん断応力G′と歪30.0%の歪せん断応力G′とを測定し、その差G′0.28(MPa)−G′30.0(MPa)をペイン効果として算出した。
算出した結果は、比較例1を100とする指数として表し、下記第1表に示した。この指数が小さいほどペイン効果が小さく白色充填剤の分散性が優れることを意味する。
<tanδ(60℃)(転がり抵抗の指標)>
調製したゴム組成物(未加硫)を金型(15cm×15cm×0.2cm)中で、150℃で30分間加硫して加硫ゴムシートを作製した。
作製した加硫ゴムシートについて、粘弾性試験機(RDA−II型、レオメトリック社製)を用い、温度60℃、周波数20Hz、1%ねじれの条件におけるtanδを測定した。
得られた結果は、比較例1の値を100とする指数で表し、下記第1表に示した。この指数が小さいほどtanδが小さく、転がり抵抗が優れる(小さい)ことを意味する。
上記第1表中の各成分は、以下のものを使用した。
・スチレン−ブタジエンゴム:Nipol NS460〔ゴム分100質量部に対する油展量:37.5質量部(96.3質量部中のゴム分は70質量部)、重量平均分子量:780,000、スチレン量:25質量%、ブタジエン量:63質量%、日本ゼオン社製〕
・ブタジエンゴム:Nippol BR 1220(日本ゼオン社製)
・白色充填剤:シリカ(Zeosil 1165MP、N2SA:165m2/g、ローディア社製)
・カーボンブラック:シースト6(N2SA:119m2/g、東海カーボン社製)
・シランカップリング剤1:Si69(エボニックデグッサ社製)
・シランカップリング剤2:Si363(エボニックデグッサ社製)
・(メタ)アクリレート系重合体1:両末端シリル基変性ポリアクリレート(SA100S、溶液粘度:250cps、重量平均分子量:38,000)
・(メタ)アクリレート系重合体2:両末端シリル基変性ポリアクリレート(SA120S、溶液粘度:600cps、重量平均分子量:16,000)
・(メタ)アクリレート系重合体A:ポリ(スチレン)−ブロック−ポリ(アクリル酸)(重量平均分子量:7470〜9130、アルドリッチ社製)
・酸化亜鉛:亜鉛華3種(正同化学工業社製)
・ステアリン酸:ビーズステアリン酸(日本油脂社製)
・老化防止剤:N−フェニル−N′−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン(サントフレックス6PPD、フレキシス社製)
・アロマオイル:エキストラクト4号S(昭和シェル石油社製)
・硫黄:金華印油入微粉硫黄(鶴見化学工業社製)
・加硫促進剤1:N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(ノクセラーCZ−G、大内新興化学工業社製)
・加硫促進剤2:1,3−ジフェニルグアニジン(ソクシノールD−G、住友化学工業社製)
上記第1表に示す結果から、反応性シリル基を有さない(メタ)アクリレート系重合体を配合して調製した比較例2のゴム組成物は、(メタ)アクリレート系重合体を配合せずに調製した比較例1のゴム組成物と比較して、タイヤの転がり抵抗は若干改善するものの、白色充填剤の分散性は却って劣ることが分かった。
これに対し、白色充填剤に対してシランカップリング剤および末端に反応性シリル基を有する(メタ)アクリレート系重合体を配合して調製した実施例1〜5のゴム組成物は、粘度が低く、白色充填剤の分散性に優れ、タイヤの転がり抵抗も良好となることが分かった。
特に、実施例2と実施例4との対比から、メルカプト基を含有するシランカップリング剤を用いることにより、白色充填剤の分散性がより良好となり、タイヤの転がり抵抗もより向上することが分かった。
また、実施例3と実施例5との対比から、白色充填剤と(メタ)アクリレート系重合体とを予め混合した実施例5の方が、白色充填剤の分散性がより良好となり、タイヤの転がり抵抗もより向上することが分かった。これは、実施例5においては、上述した会合体が容易に形成され、この会合体が白色充填剤の分散性に寄与したものと考えられる。
1 ビード部
2 サイドウォール部
3 タイヤトレッド部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 ベルト層
8 リムクッション

Claims (3)

  1. ジエン系ゴム、白色充填剤、シランカップリング剤、および、末端に反応性シリル基を有する(メタ)アクリレート系重合体を含有し、
    前記ジエン系ゴムの20質量%以上が、スチレン−ブタジエン共重合体ゴムであり、
    前記白色充填剤の含有量が、前記ジエン系ゴム100質量部に対して5〜150質量部であり、
    前記シランカップリング剤の含有量が、前記白色充填剤の質量に対して0.5〜20質量%であり、
    前記(メタ)アクリレート系重合体の含有量が、前記白色充填剤の質量に対して1〜30質量%であり、
    前記白色充填剤がシリカである、タイヤトレッド用ゴム組成物。
  2. 前記(メタ)アクリレート系重合体の重量平均分子量が、500〜100,000である請求項1に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
  3. 請求項1または2に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物をタイヤトレッドに用いた空気入りタイヤ。
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