JP5894424B2 - 成分濃度モニタ方法及びこの方法を使用する成分濃度モニタ装置 - Google Patents

成分濃度モニタ方法及びこの方法を使用する成分濃度モニタ装置 Download PDF

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Description

本発明は、偏光子の製造段階において固定化工程で使用される処理液の成分濃度、具体的には、ホウ酸及びヨウ化カリウムを成分として含有する処理液の成分濃度をモニタするための成分濃度モニタ方法及びこの方法を使用する成分濃度モニタ装置に関するものである。
画像表示装置、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)に用いられる偏光子としては、一般に、ヨウ素染色されたポリビニルアルコール系フィルムが用いられる。これらの偏光子の製造は、一般に、ポリビニルアルコール系フィルムを延伸製膜後、膨潤工程、染色工程、固定化工程、水洗工程及び乾燥工程を経て行われる。
上記各工程の中で、染色工程は、ヨウ素及びヨウ化カリウムを含有した水溶液を用いてポリビニルアルコール系フィルムをヨウ素で染色する。また、続く固定化工程は、ヨウ素で染色されたポリビニルアルコール系フィルムをホウ酸水溶液に浸漬してポリビニルアルコール分子間を架橋する。
しかし、この固定化工程において、単にホウ酸水溶液中でポリビニルアルコール分子間を架橋するだけでは、コントラスト斑が少なく、且つ、高コントラストの偏光子を得ることができない。
そこで、下記特許文献1及び下記特許文献2においては、ヨウ素で染色されたポリビニルアルコール系フィルムをホウ酸水溶液に浸漬しながらフィルムを縦方向に更に延伸することが提案されている。
この延伸操作においては、固定化工程の処理液であるホウ酸水溶液に少量のヨウ化カリウムを共存させることが好ましく、下記特許文献1及び下記特許文献2の各実施例においては、処理浴中のホウ酸濃度に対して一定の割合でヨウ化カリウムが混合されている。
特開平10−288709号公報
特開平11−049878号公報
ところで、上記偏光子製造の各工程は、工業的には連続して行われ、延伸操作を伴う固定化工程には、染色工程を経て染色液を含浸したポリビニルアルコール系フィルムが連続して導入される。一方、固定化工程からは、ホウ酸で架橋され、且つ、固定化工程の処理液が付着したポリビニルアルコール系フィルムが連続して導出される。
従って、固定化工程の処理液の成分濃度は、経時的に変化することとなり、処理液中のホウ酸及びヨウ化カリウムの濃度と比率が一定にならない。このことにより、ホウ酸水溶液によるポリビニルアルコール分子間の架橋が均一にならず、得られた偏光子の品質を不安定にして歩留りを低下させる。
従来は、処理液の成分濃度の変化を操業中に行う間欠的な手分析により把握していた。しかし、このような間欠的な測定では、連続工程において常時変化する成分濃度に十分に対応することができないという問題を有していた。また、これらの手分析は、主に滴定法などで行われており、滴定試薬が必要となるだけでなく、その滴定廃液の処理も必要となる。よって、従来の手分析では、ランニングコストが高くなるという問題も有していた。
そこで、本発明は、上記の諸問題に対処して、滴定試薬や滴定廃液の処分などに余分なコストをかけることなく、固定化工程で使用される処理液の成分濃度の変化を連続して常時把握できるようにして、操業中の処理液の濃度変化に素早く対応できる成分濃度モニタ方法及びこの方法を使用する成分濃度モニタ装置を提供することを目的とする。
上記課題の解決にあたり、本発明者らは、処理液の各成分濃度を求めるにあたり、滴定試薬や滴定廃液の処分などを必要とせず、連続して各成分濃度を測定できる導電率或いは屈折率を採用することを検討した。しかし、導電率或いは屈折率の測定値は、互いの成分濃度及び濃度比率に影響を受け、単に処理液の導電率或いは屈折率を求めるだけでは、正確な各成分濃度が得られないことが判明した。
そこで、本発明者らは、鋭意研究の結果、固定化工程の処理液の温度、導電率及び屈折率に関するデータベースを作成しておき、測定対象である処理液の温度、導電率及び屈折率を組み合わせることにより、ホウ酸濃度及びヨウ化カリウム濃度をそれぞれ独立して測定できることを実験的に見出した。
すなわち、本発明に係る処理液の成分濃度モニタ方法は、請求項1の記載によると、ホウ酸及びヨウ化カリウムを成分として含有する処理液の成分濃度モニタ方法において、
一連の既知濃度のホウ酸と一連の既知濃度のヨウ化カリウムとの組合せからなる複数の水溶液を用いて、当該複数の水溶液に対して、それぞれ、一連の温度条件における導電率を測定して各水溶液の温度と導電率との相関関係1を定めると共に、前記複数の水溶液に対して、それぞれ、前記一連の温度条件における屈折率を測定して各水溶液の温度と屈折率との相関関係2を定める第1ステップと、
モニタ対象となる処理液のホウ酸濃度及びヨウ化カリウム濃度を求めるにあたり、当該処理液の実測温度T、実測導電率σ及び実測屈折率nを測定する第2ステップと、
前記複数の水溶液に対して、それぞれ、前記相関関係1を用いて、前記実測温度Tにおける各水溶液の導電率を求めると共に、前記複数の水溶液に対して、それぞれ、前記相関関係2を用いて、前記実測温度Tにおける各水溶液の屈折率を求める第3ステップと、
この第3ステップで求めた各水溶液の導電率及び屈折率、並びに、各水溶液のホウ酸濃度及びヨウ化カリウム濃度を用いて、前記実測温度Tにおける各ホウ酸濃度に対する導電率と屈折率との相関関係3を定めると共に、前記実測温度Tにおける各ホウ酸濃度に対する導電率とヨウ化カリウム濃度との相関関係4を定める第4ステップと、
各ホウ酸濃度に対する前記相関関係3の中から前記実測導電率σ及び前記実測屈折率nに共通の近似値を有する2つの相関関係3−1(ホウ酸濃度X1における相関関係)及び相関関係3−2(ホウ酸濃度X2における相関関係)を選択し、これらの相関関係から、それぞれ、前記実測導電率σに対する屈折率n1及び屈折率n2を求める第5ステップと、
各ホウ酸濃度に対する前記相関関係4の中から前記ホウ酸濃度X1と前記ホウ酸濃度X2に対する2つの相関関係4−1(ホウ酸濃度X1における相関関係)及び相関関係4−2(ホウ酸濃度X2における相関関係)を選択し、これらの相関関係から、それぞれ、前記実測導電率σに対するヨウ化カリウム濃度Y1及びヨウ化カリウム濃度Y2を求める第6ステップと、
前記ホウ酸濃度X1、ホウ酸濃度X2、ヨウ化カリウム濃度Y1、ヨウ化カリウム濃度Y2、屈折率n1、屈折率n2及び実測屈折率nを用いて、下記の式(1)及び式(2)から、
X=X1+(X2−X1)×(n−n1)/(n2−n1)‥‥‥(1)
Y=Y1+(Y2−Y1)×(n−n1)/(n2−n1)‥‥‥(2)
前記モニタ対象となる処理液のホウ酸濃度X及びヨウ化カリウム濃度Yを求める第7ステップとを有することを特徴とする。
また、本発明に係る処理液の成分濃度モニタ方法は、請求項2の記載によると、ホウ酸及びヨウ化カリウムを成分として含有する処理液の成分濃度モニタ方法において、
一連の既知濃度のホウ酸と一連の既知濃度のヨウ化カリウムとの組合せからなる複数の水溶液を用いて、当該複数の水溶液に対して、それぞれ、一連の温度条件における導電率を測定して各水溶液の温度と導電率との相関関係1を定めると共に、前記複数の水溶液に対して、それぞれ、前記一連の温度条件における屈折率を測定して各水溶液の温度と屈折率との相関関係2を定める第1ステップと、
モニタ対象となる処理液のホウ酸濃度及びヨウ化カリウム濃度を求めるにあたり、当該処理液の実測温度T、実測導電率σ及び実測屈折率nを測定する第2ステップと、
前記複数の水溶液に対して、それぞれ、前記相関関係1を用いて、前記実測温度Tにおける各水溶液の導電率を求めると共に、前記複数の水溶液に対して、それぞれ、前記相関関係2を用いて、前記実測温度Tにおける各水溶液の屈折率を求める第3ステップと、
この第3ステップで求めた各水溶液の導電率及び屈折率、並びに、各水溶液のホウ酸濃度及びヨウ化カリウム濃度を用いて、前記実測温度Tにおける各ヨウ化カリウム濃度に対する導電率と屈折率との相関関係5を定めると共に、前記実測温度Tにおける各ヨウ化カリウム濃度に対する導電率とホウ酸濃度との相関関係6を定める第4ステップと、
各ヨウ化カリウム濃度に対する前記相関関係5の中から前記実測導電率σ及び前記実測屈折率nに共通の近似値を有する2つの相関関係5−1(ヨウ化カリウム濃度Y3における相関関係)及び相関関係5−2(ヨウ化カリウム濃度Y4における相関関係)を選択し、これらの相関関係から、それぞれ、前記実測導電率σに対する屈折率n3及び屈折率n4を求める第5ステップと、
各ヨウ化カリウム濃度に対する前記相関関係6の中から前記ヨウ化カリウム濃度Y3前記ヨウ化カリウム濃度Y4に対する2つの相関関係6−1(ヨウ化カリウム濃度Y3における相関関係)及び相関関係6−2(ヨウ化カリウム濃度Y4における相関関係)を選択し、これらの相関関係から、それぞれ、前記実測導電率σに対するホウ酸濃度X3及びホウ酸濃度X4を求める第6ステップと、
前記ホウ酸濃度X3、ホウ酸濃度X4、ヨウ化カリウム濃度Y3、ヨウ化カリウム濃度Y4、屈折率n3、屈折率n4及び実測屈折率nを用いて、下記の式(3)及び式(4)から、
X=X3+(X4−X3)×(n−n3)/(n4−n3)‥‥‥(3)
Y=Y3+(Y4−Y3)×(n−n3)/(n4−n3)‥‥‥(4)
前記モニタ対象となる処理液のホウ酸濃度X及びヨウ化カリウム濃度Yを求める第7ステップとを有することを特徴とする。
また、本発明に係る処理液の成分濃度モニタ方法は、請求項3の記載によると、ホウ酸及びヨウ化カリウムを成分として含有する処理液の成分濃度モニタ方法において、
一連の既知濃度のホウ酸と一連の既知濃度のヨウ化カリウムとの組合せからなる複数の水溶液を用いて、当該複数の水溶液に対して、それぞれ、一連の温度条件における導電率を測定して各水溶液の温度と導電率との相関関係1を定めると共に、前記複数の水溶液に対して、それぞれ、前記一連の温度条件における屈折率を測定して各水溶液の温度と屈折率との相関関係2を定める第1ステップと、
モニタ対象となる処理液のホウ酸濃度及びヨウ化カリウム濃度を求めるにあたり、当該処理液の実測温度T、実測導電率σ及び実測屈折率nを測定する第2ステップと、
前記複数の水溶液に対して、それぞれ、前記相関関係1を用いて、前記実測温度Tにおける各水溶液の導電率を求めると共に、前記複数の水溶液に対して、それぞれ、前記相関関係2を用いて、前記実測温度Tにおける各水溶液の屈折率を求める第3ステップと、
この第3ステップで求めた各水溶液の導電率及び屈折率、並びに、各水溶液のホウ酸濃度及びヨウ化カリウム濃度を用いて、前記実測温度Tにおける各ホウ酸濃度に対する導電率と屈折率との相関関係7を定めると共に、前記実測温度Tにおける各ホウ酸濃度に対するヨウ化カリウム濃度と屈折率との相関関係8を定める第4ステップと、
各ホウ酸濃度に対する前記相関関係7の中から前記実測導電率σ及び前記実測屈折率nに共通の近似値を有する2つの相関関係7−1(ホウ酸濃度X5における相関関係)及び相関関係7−2(ホウ酸濃度X6における相関関係)を選択し、これらの相関関係から、それぞれ、前記実測屈折率nに対する導電率σ5及び導電率σ6を求める第5ステップと、
各ホウ酸濃度に対する前記相関関係8の中から前記ホウ酸濃度X5と前記ホウ酸濃度X6に対する2つの相関関係8−1(ホウ酸濃度X5における相関関係)及び相関関係8−2(ホウ酸濃度X6における相関関係)を選択し、これらの相関関係から、それぞれ、前記実測屈折率nに対するヨウ化カリウム濃度Y5及びヨウ化カリウム濃度Y6を求める第6ステップと、
前記ホウ酸濃度X5、ホウ酸濃度X6、ヨウ化カリウム濃度Y5、ヨウ化カリウム濃度Y6、導電率σ5、導電率σ6及び実測導電率σを用いて、下記の式(5)及び式(6)から、
X=X5+(X6−X5)×(σ−σ5)/(σ6−σ5)‥‥‥(5)
Y=Y5+(Y6−Y5)×(σ−σ5)/(σ6−σ5)‥‥‥(6)
前記モニタ対象となる処理液のホウ酸濃度X及びヨウ化カリウム濃度Yを求める第7ステップとを有することを特徴とする。
また、本発明に係る処理液の成分濃度モニタ方法は、請求項4の記載によると、ホウ酸及びヨウ化カリウムを成分として含有する処理液の成分濃度モニタ方法において、
一連の既知濃度のホウ酸と一連の既知濃度のヨウ化カリウムとの組合せからなる複数の水溶液を用いて、当該複数の水溶液に対して、それぞれ、一連の温度条件における導電率を測定して各水溶液の温度と導電率との相関関係1を定めると共に、前記複数の水溶液に対して、それぞれ、前記一連の温度条件における屈折率を測定して各水溶液の温度と屈折率との相関関係2を定める第1ステップと、
モニタ対象となる処理液のホウ酸濃度及びヨウ化カリウム濃度を求めるにあたり、当該処理液の実測温度T、実測導電率σ及び実測屈折率nを測定する第2ステップと、
前記複数の水溶液に対して、それぞれ、前記相関関係1を用いて、前記実測温度Tにおける各水溶液の導電率を求めると共に、前記複数の水溶液に対して、それぞれ、前記相関関係2を用いて、前記実測温度Tにおける各水溶液の屈折率を求める第3ステップと、
この第3ステップで求めた各水溶液の導電率及び屈折率、並びに、各水溶液のホウ酸濃度及びヨウ化カリウム濃度を用いて、前記実測温度Tにおける各ヨウ化カリウム濃度に対する導電率と屈折率との相関関係9を定めると共に、前記実測温度Tにおける各ヨウ化カリウム濃度に対するホウ酸濃度と屈折率との相関関係10を定める第4ステップと、
各ヨウ化カリウム濃度に対する前記相関関係9の中から前記実測導電率σ及び前記実測屈折率nに共通の近似値を有する2つの相関関係9−1(ヨウ化カリウム濃度Y7における相関関係)及び相関関係9−2(ヨウ化カリウム濃度Y8における相関関係)を選択し、これらの相関関係から、それぞれ、前記実測屈折率nに対する導電率σ7及び導電率σ8を求める第5ステップと、
各ヨウ化カリウム濃度に対する前記相関関係10の中から前記ヨウ化カリウム濃度Y7と前記ヨウ化カリウム濃度Y8に対する2つの相関関係10−1(ヨウ化カリウム濃度Y7における相関関係)及び相関関係10−2(ヨウ化カリウム濃度Y8における相関関係)を選択し、これらの相関関係から、それぞれ、前記実測屈折率nに対するホウ酸濃度X7及びホウ酸濃度X8を求める第6ステップと、
前記ホウ酸濃度X7、ホウ酸濃度X8、ヨウ化カリウム濃度Y7、ヨウ化カリウム濃度Y8、導電率σ7、導電率σ8及び実測導電率σを用いて、下記の式(7)及び式(8)から、
X=X7+(X8−X7)×(σ−σ7)/(σ8−σ7)‥‥‥(7)
Y=Y7+(Y8−Y7)×(σ−σ7)/(σ8−σ7)‥‥‥(8)
前記モニタ対象となる処理液のホウ酸濃度X及びヨウ化カリウム濃度Yを求める第7ステップとを有することを特徴とする。
また、本発明は、請求項5の記載によると、請求項1から4のいずれか1つに記載の処理液の成分濃度モニタ方法であって、前記第7ステップで算出した前記モニタ対象となる処理液のホウ酸濃度X及びヨウ化カリウム濃度Yについて、各対応の所定の管理値からずれΔX及びΔYを算出する第8ステップを有することを特徴とする。
また、本発明に係る処理液の成分濃度モニタ装置は、請求項6の記載によると、前記モニタ対象となる処理液の実測温度Tを検出する温度検出手段と、
前記処理液の実測導電率σを検出する導電率検出手段と、
前記処理液の実測屈折率nを検出する屈折率検出手段と、
前記実測温度T、前記実測導電率σ及び前記実測屈折率nを用いて前記処理液のホウ酸濃度X及びヨウ化カリウム濃度Yを演算する濃度演算手段と、
前記ホウ酸濃度X及びヨウ化カリウム濃度Yを表示する表示手段とを備え、
請求項1〜4のいずれか1つに記載の成分濃度モニタ方法を用いて算出した前記処理液のホウ酸濃度X及びヨウ化カリウム濃度Yを前記表示手段にモニタすることを特徴とする。
また、本発明に係る処理液の成分濃度モニタ装置は、請求項7の記載によると、前記モニタ対象となる処理液の実測温度Tを検出する温度検出手段と、
前記処理液の実測導電率σを検出する導電率検出手段と、
前記処理液の実測屈折率nを検出する屈折率検出手段と、
前記実測温度T、前記実測導電率σ及び前記実測屈折率nを用いて前記処理液のホウ酸濃度X及びヨウ化カリウム濃度Yを演算する濃度演算手段と、
前記処理液のホウ酸濃度X及びヨウ化カリウム濃度Yについて各対応の所定の管理値からのずれΔX及びΔYを演算するずれ演算手段と、
前記ホウ酸濃度X及びヨウ化カリウム濃度Yを表示する表示手段とを備え、
請求項5に記載の成分濃度モニタ方法を用いて算出した前記処理液のホウ酸濃度X及びヨウ化カリウム濃度Y、並びに、各対応の所定の管理値からのずれΔX及びΔYを前記表示手段にモニタすることを特徴とする。
本発明に係る処理液の成分濃度モニタ方法によれば、これまで間欠的に滴定法で手分析されていた固定化工程で使用される処理液の成分濃度の変化を連続して常時把握することが可能になる。このことにより、操業中の処理液の濃度変化に素早く対応できる生産体制を確立することができる。
すなわち、本発明によって、ポリビニルアルコール系フィルムの固定化工程において、経時的に変化する処理液のホウ酸濃度とヨウ化カリウム濃度を常に求め、各対応の所定の管理値からのずれを把握することにより、素早く当該所定の管理値に調整することができる。
従って、固定化工程で使用される処理液の成分濃度を常に安定した状態に管理することができ、ポリビニルアルコール系フィルムに架橋するホウ酸の量が常に安定して得られた偏光子の品質の安定と歩留りの向上が可能となる。
更に、本発明において、固定化工程に使用される処理液のホウ酸濃度とヨウ化カリウム濃度を求める際、及び、各所定の管理値とのずれを算出する際には、いずれもコンピュータ等の演算手段を使用して高速に処理することで、処理液の成分濃度をリアルタイムでモニタすることが可能になる。
よって、本発明は、滴定試薬や滴定廃液の処分などに余分なコストをかけることなく、固定化工程で使用される処理液の成分濃度の変化を連続して常時把握できるようにして、操業中の処理液の濃度変化に素早く対応できる成分濃度モニタ方法及びこの方法を使用する成分濃度モニタ装置を提供することができる。
本発明に係る処理液の成分濃度モニタ装置の一実施形態を示す構成図である。 本発明に係る処理液の成分濃度モニタ方法の実施例1を示す工程図である。 実施例1において各ホウ酸濃度に対する導電率と屈折率との相関関係3を示すグラフである。 実施例1において各ホウ酸濃度に対する導電率とヨウ化カリウム濃度との相関関係4を示すグラフである。 実施例1において相関関係3−1及び相関関係3−2を用いて処理液のホウ酸濃度X及びヨウ化カリウム濃度Yを算出する方法の説明図である。 本発明に係る処理液の成分濃度モニタ方法の実施例2を示す工程図である。 本発明に係る処理液の成分濃度モニタ方法の実施例3を示す工程図である。 本発明に係る処理液の成分濃度モニタ方法の実施例4を示す工程図である。
本発明は、偏光子の連続的な製造において、ポリビニルアルコール系フィルムの固定化工程に用いられる処理液の成分濃度モニタ方法及びこの方法を使用する成分濃度モニタ装置に関するものである。以下、本発明に係る処理液の成分濃度モニタ装置の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、ポリビニルアルコール系フィルムの固定化工程を行う処理装置100を示している。当該処理装置100は、固定化ユニット10と、モニタユニット20とにより構成されている。固定化ユニット10は、処理槽11と、2組のマングル12、13と、循環ポンプ14とを備えている。
処理槽11は、ポリビニルアルコール系フィルムFを固定化処理するための処理液Lを貯えており、この処理液Lは、循環ポンプ14の駆動により循環配管15a及び15bによって、それぞれ別経路で液循環を行っている。なお、処理槽11の内部に設置された複数本のロール16は、被処理物であるポリビニルアルコール系フィルムFを導入するためのガイドロールである。
2組のマングル12、13のうちマングル12は、2本のロール間にポリビニルアルコール系フィルムFをニップして処理槽11に導入する。一方、マングル13は、2本のロール間にポリビニルアルコール系フィルムFをニップして処理槽11から導出する。ここで、マングル12の送出速度を遅く、マングル13の送出速度を早くしてその比率を制御する。このことにより、処理槽11中のポリビニルアルコール系フィルムFは、処理槽11内の複数本のロール16間を通過しながら所定の倍率に延伸されると共に架橋される。
モニタユニット20は、導電率センサ21と、屈折率センサ22と、マイクロコンピュータ23と、モニタ24とを備えている。なお、本実施形態においては、屈折率センサ22の内部に温度センサ22aが内蔵されているが、これらを別個の装置としても差し支えない。導電率センサ21及び温度センサ22aを内蔵した屈折率センサ22は、循環配管15aから分岐して処理液Lを循環する検出配管25に設置されている。
導電率センサ21は、処理液Lの導電率を検出しマイクロコンピュータ23に出力する。なお、本実施形態では、導電率センサ31として、株式会社堀場アドバンスドテクノ製導電率計HE−480Hが採用されている。
屈折率センサ22は、処理液Lの屈折率を検出しマイクロコンピュータ23に出力する。なお、本実施形態では、屈折率センサ22として温度センサを内蔵したSchmidt+Haensch GmbH & Co.製屈折率計iPR−FR2が採用されており、検出した屈折率と共に処理液温度を検出しマイクロコンピュータ23に出力する。
また、検出配管25には、導電率センサ21、屈折率センサ22及び検出配管25の内部を洗浄するための洗浄水を供給する洗浄水導入口25aと洗浄水排出口25bが設けられている。更に、検出配管25には、導電率センサ21及び屈折率センサ22を校正するための校正液を供給する校正液導入口25cと校正液排出口25dが設けられ、各校正液は、校正用ポンプ26で各センサに供給される。
マイクロコンピュータ23は、後述の成分濃度モニタ方法の工程図(図2〜図8参照)に従い、コンピュータプログラムを実行する。当該コンピュータプログラムは、マイクロコンピュータ23のROMに当該マイクロコンピュータにより読み出し可能に記憶されている。
モニタ24は、マイクロコンピュータ23により演算された所定のデータ(後述する)をモニタ画面に表示する。
このように構成した処理装置100において、固定化ユニット10では、長尺のポリビニルアルコール系フィルムFが、前工程である染色工程を経て染色液を含浸した状態で、連続して処理槽11に導入される。或いは、染色工程後に水洗工程を有する場合であっても、ポリビニルアルコール系フィルムFが、水洗工程を経て含水した状態で、連続して処理槽11に導入される。
ここで、処理槽11中の処理液Lは、上述のように、ホウ酸及びヨウ化カリウムを成分として含有する水溶液であり、その成分濃度は、要求される固定化(架橋)の程度により適宜決定される。従って、特に限定するものではないが、一般に、処理液の重量に対して、ホウ酸濃度は1〜10重量%程度、ヨウ化カリウム濃度は1〜15重量%程度である。また、処理液の温度は、通常30〜90℃程度であり、浸漬時間は、通常100〜1200秒程度である。
本実施形態においては、処理液Lの温度及び各成分濃度は、設定された処理温度Tt、設定されたホウ酸濃度の管理値Xt及び設定されたヨウ化カリウム濃度の管理値Yt に各々正確に管理されなければならない。
しかし、上述のように、処理液Lには、連続して染色液を含浸したポリビニルアルコール系フィルムFが導入されるため、染色液中のヨウ化カリウムが混入する。或いは、染色工程後に水洗工程を行う場合であっても、含水したポリビニルアルコール系フィルムFが導入されるため、処理液Lの成分濃度が低下する。また、染色工程と固定化工程との処理温度が異なる場合もあり、処理液Lの温度が変化しやすくなる。
一方、処理液Lの成分であるホウ酸がポリビニルアルコール系フィルムFに選択的に吸着され当該フィルムを架橋する。また、処理液Lの一部がポリビニルアルコール系フィルムFに付着して次工程の水洗工程に向けて導出される。従って、処理液Lの成分濃度は経時的に変化しており、このことが処理液の成分濃度の管理を困難にしている。
本発明においては、処理液Lの導電率及び屈折率が、それぞれ、処理液L中のホウ酸濃度或いはヨウ化カリウム濃度によって変化することを利用して、処理液Lの各成分濃度をモニタするものである。しかし、上述のように、処理液Lの導電率及び屈折率は、いずれも、処理液Lの温度、並びに、ホウ酸及びヨウ化カリウムの濃度比率によって互いに影響を受ける。
例えば、処理液Lのホウ酸濃度及びヨウ化カリウム濃度が一定であっても、処理液Lの温度が変化すると処理液Lの導電率及び屈折率は、いずれも変化する。また、一定の処理温度においても、ホウ酸濃度及びヨウ化カリウム濃度の比率が変化すると処理液Lの導電率及び屈折率は、いずれも変化する。
そこで、本発明においては、ホウ酸及びヨウ化カリウムをそれぞれ既知濃度で含有した複数の水溶液に対して、温度を変化させた際の導電率及び屈折率を測定し、これらの測定データを基にしてモニタ対象である処理液Lに含まれるホウ酸及びヨウ化カリウムの濃度をそれぞれ正確にモニタするものである。
以下、本発明に係る処理液の成分濃度モニタ方法を各実施例において説明する。
図2は、本実施例1に係る処理液の成分濃度モニタ方法を示す工程図である。図2の各工程に従って本実施例1を説明する。上述のように、この処理液Lのホウ酸濃度の管理値はXtであり、ヨウ化カリウム濃度の管理値はYtとする。また、処理液Lの温度の管理値はTtとして制御されている。
ステップS1:
まず、処理液Lの温度、導電率及び屈折率に関するデータベースを作成する。具体的には、一連の既知濃度のホウ酸と一連の既知濃度のヨウ化カリウムとの組合せからなる複数の水溶液を準備する。例えば、ホウ酸濃度は、上述のように、通常使用される1〜10重量%の全範囲として、1〜10重量%の間で1重量%間隔の10水準とする。一方、ヨウ化カリウム濃度は、上述のように、通常使用される1〜15重量%の全範囲のうち、特に使用される3〜12重量%の間で1重量%間隔の10水準とする。このようにホウ酸濃度10水準とヨウ化カリウム濃度10水準との組み合わせからなる100種類の水溶液を準備する。
次に、これら100種類の水溶液に対して、それぞれ、温度を30〜90℃の間で5℃間隔の13水準に変化させて、各水溶液の導電率及び屈折率を正確に測定する。導電率の測定には、通常の液体試料の測定方法を使用すればよく、一般に、導電率計を使用する。例えば、上記実施形態の導電率センサ21に使用した株式会社堀場アドバンスドテクノ製導電率計HE−480Hを使用してもよい。但し、導電率の測定値には、処理液Lの温度の影響を考慮して適宜補正を行う。
一方、屈折率の測定には、通常の液体試料の測定方法を使用すればよく、一般に、屈折率計を使用する。例えば、上記実施形態の屈折率センサ22に使用した温度センサを内蔵したSchmidt+Haensch GmbH & Co.製屈折率計iPR−FR2を使用してもよい。但し、屈折率の測定値には、処理液Lの温度の影響を考慮して適宜補正を行う。
このようにして測定したデータは、100種類の水溶液に対する温度と導電率との相関関係1、及び、100種類の水溶液に対する温度と屈折率との相関関係2として後述のステップS3において使用する。
ステップS2:
次に、モニタ対象となる処理液Lの実測温度T、実測導電率σ及び実測屈折率nをそれぞれ測定する。処理液Lの実測温度Tの測定には、どのような温度計を使用してもよいが、本実施例1においては、上述のように、屈折率センサ22に内蔵した温度センサ22aを使用した。測定は、実測導電率σ及び実測屈折率nの測定と連動して固定化処理の進行に伴い、一定時間間隔、或いは連続して行う。
処理液Lの実測導電率σ及び実測屈折率nの測定は、本実施例1においては、上述の導電率センサ21及び屈折率センサ22を使用する。また、実測導電率σ及び実測屈折率nの測定値は、処理液Lの温度の影響を考慮して適宜補正する。測定は、実測温度Tの測定と連動して固定化処理の進行に伴い、一定時間間隔、或いは連続して行う。
ステップS3:
次に、上記ステップS2で測定した処理液Lの実測温度Tを用いて、上記100種類の水溶液に対する実測温度Tにおける導電率と屈折率を求める。各水溶液の実測温度Tにおける導電率は、上記ステップS1で求めた温度と導電率との相関関係1から比例計算等により求める。また、各水溶液の実測温度Tにおける屈折率は、上記ステップS1で求めた温度と屈折率との相関関係2から比例計算等により求める。
ステップS4:
次に、上記ステップS3で求めた上記100種類の水溶液の実測温度Tにおける導電率及び屈折率、並びに、上記100種類の水溶液のホウ酸濃度及びヨウ化カリウム濃度を用いて、実測温度Tにおける10水準のホウ酸濃度それぞれに対する導電率と屈折率との相関関係3を求める。得られた10本の相関曲線の一部を図3に示す。また、同様にして実測温度Tにおける10水準のホウ酸濃度それぞれに対する導電率とヨウ化カリウム濃度(各図においてはKI濃度という。以下同じ)との相関関係4を求める。得られた10本の相関曲線の一部を図4に示す。
ステップS5:
次に、上記ステップS4で求めた導電率と屈折率との相関関係3(本実施例1においては、10水準のホウ酸濃度に対応する10本の相関曲線)の中から、処理液Lの実測導電率σ及び実測屈折率nに共通の近似値を有する2本の相関曲線を選択する。
図3において、処理液Lの実測導電率σ及び実測屈折率nを示す位置を点Aとする。この点Aの両側にある2本の相関曲線3−1及び相関曲線3−2は、点Aの実測導電率σ及び実測屈折率nに共通の近似値を有している。ここで、相関曲線3−1は、ホウ酸濃度X1に対する導電率と屈折率との相関関係を示しており、相関曲線3−2は、ホウ酸濃度X2に対する導電率と屈折率との相関関係を示している。
次に、選択した2本の相関曲線3−1及び相関曲線3−2を用いて、それぞれ、処理液Lの実測導電率σに対応する屈折率を求める。まず、相関曲線3−1からホウ酸濃度X1における実測導電率σに対応する屈折率n1を求め、同様に、相関曲線3−2からホウ酸濃度X2における実測導電率σに対応する屈折率n2を求める(図3参照)。
ステップS6:
次に、上記ステップS4で求めた導電率とヨウ化カリウム濃度との相関関係4(本実施例1においては、10水準のホウ酸濃度に対応する10本の相関曲線)の中から、上記ステップS5で選定したホウ酸濃度X1及びホウ酸濃度X2に対応する2本の相関曲線4−1及び相関曲線4−2を選択する。ここで、相関曲線4−1は、ホウ酸濃度X1に対する導電率とヨウ化カリウム濃度との相関関係を示しており、相関曲線4−2は、ホウ酸濃度X2に対する導電率とヨウ化カリウム濃度との相関関係を示している。
次に、選択した2本の相関曲線4−1及び相関曲線4−2を用いて、それぞれ、処理液Lの実測導電率σに対応するヨウ化カリウム濃度を求める。まず、相関曲線4−1からホウ酸濃度X1における実測導電率σに対応するヨウ化カリウム濃度Y1を求め、同様に、相関曲線4−2からホウ酸濃度X2における実測導電率σに対応するヨウ化カリウム濃度Y2を求める(図4参照)。
ステップS7:
次に、上記ステップS5で求めたホウ酸濃度X1、ホウ酸濃度X2、屈折率n1、屈折率n2、上記ステップS6で求めたヨウ化カリウム濃度Y1、ヨウ化カリウム濃度Y2、及び、処理液Lの実測屈折率nを用いて、処理液Lのホウ酸濃度X及びヨウ化カリウム濃度Yを求める。具体的には、これまでに求めたX1、X2、Y1、Y2、n1、n2及び実測屈折率nの関係を図5に示す。この図5の関係から下記の式(1)及び式(2)が導かれる。よって、処理液Lのホウ酸濃度X及びヨウ化カリウム濃度Yは、これらの式の比例計算により求めることができる。
X=X1+(X2−X1)×(n−n1)/(n2−n1)‥‥‥(1)
Y=Y1+(Y2−Y1)×(n−n1)/(n2−n1)‥‥‥(2)
ステップS8:
次に、上記ステップS7で求めた処理液Lのホウ酸濃度X及びヨウ化カリウム濃度Yの値について、ホウ酸濃度の管理値Xt 及びヨウ化カリウム濃度の管理値YtからのずれΔX及びΔYを算出する。
このようにして求めた、処理液Lの成分濃度X及びY、並びに、各管理値からのずれΔX及びΔYにより固定化工程の進行中に処理液濃度をモニタし、適正な管理値に修正することができる。なお、上記各ステップのうち、ステップS2〜ステップS7、或いは、ステップS2〜ステップS8を順次繰り返すことにより、連続して固定化工程の処理液Lの各成分濃度を常にモニタすることができる。
図6は、本実施例2に係る処理液の成分濃度モニタ方法を示す工程図である。本実施例2においても上記実施例1と同様に、処理液Lのホウ酸濃度の管理値はXtであり、ヨウ化カリウム濃度の管理値はYtとする。また、処理液Lの温度の管理値はTtとして制御されている。
本実施例2においては、ステップS11〜ステップS13を上記実施例1のステップS1〜ステップS3と同様にして行った。
ステップS14:
ステップS13で求めた上記100種類の水溶液の実測温度Tにおける導電率及び屈折率、並びに、上記100種類の水溶液のホウ酸濃度及びヨウ化カリウム濃度を用いて、実測温度Tにおける10水準のヨウ化カリウム濃度それぞれに対する導電率と屈折率との相関関係5を求める。また、同様にして実測温度Tにおける10水準のヨウ化カリウム濃度それぞれに対する導電率とホウ酸濃度との相関関係6を求める。
ステップS15:
次に、上記ステップS14で求めた導電率と屈折率との相関関係5の中から、処理液Lの実測導電率σ及び実測屈折率nに共通の近似値を有する2本の相関曲線を選択する。上記実施例1と同様にして2本の相関曲線5−1及び相関曲線5−2を選択する。ここで、相関曲線5−1は、ヨウ化カリウム濃度Y3に対する導電率と屈折率との相関関係を示しており、相関曲線5−2は、ヨウ化カリウム濃度Y4に対する導電率と屈折率との相関関係を示している。
次に、選択した2本の相関曲線5−1及び相関曲線5−2を用いて、それぞれ、処理液Lの実測導電率σに対応する屈折率を求める。まず、相関曲線5−1からヨウ化カリウム濃度Y3における実測導電率σに対応する屈折率n3を求め、同様に、相関曲線5−2からヨウ化カリウム濃度Y4における実測導電率σに対応する屈折率n4を求める。
ステップS16:
次に、上記ステップS14で求めた導電率とホウ酸濃度との相関関係6の中から、上記ステップS15で選定したヨウ化カリウム濃度Y3及びヨウ化カリウム濃度Y4に対応する2本の相関曲線6−1及び相関曲線6−2を選択する。ここで、相関曲線6−1は、ヨウ化カリウム濃度Y3に対する導電率とホウ酸濃度との相関関係を示しており、相関曲線6−2は、ヨウ化カリウム濃度Y4に対する導電率とホウ酸濃度との相関関係を示している。
次に、選択した2本の相関曲線6−1及び相関曲線6−2を用いて、それぞれ、処理液Lの実測導電率σに対応するホウ酸濃度を求める。まず、相関曲線6−1からヨウ化カリウム濃度Y3における実測導電率σに対応するホウ酸濃度X3を求め、同様に、相関曲線6−2からヨウ化カリウム濃度Y4における実測導電率σに対応するホウ酸濃度X4を求める。
ステップS17:
次に、上記ステップS15で求めたヨウ化カリウム濃度Y3、ヨウ化カリウム濃度Y4、屈折率n3、屈折率n4、上記ステップS16で求めたホウ酸濃度X3、ホウ酸濃度X4、及び、処理液Lの実測屈折率nを用いて、処理液Lのホウ酸濃度X及びヨウ化カリウム濃度Yを求める。具体的には、上記実施例1と同様にしてX3、X4、Y3、Y4、n3、n4及び実測屈折率nの関係から下記の式(3)及び式(4)が導かれる。よって、処理液Lのホウ酸濃度X及びヨウ化カリウム濃度Yは、これらの式の比例計算により求めることができる。
X=X3+(X4−X3)×(n−n3)/(n4−n3)‥‥‥(3)
Y=Y3+(Y4−Y3)×(n−n3)/(n4−n3)‥‥‥(4)
次に、ステップS18は、上記実施例1のステップS8と同様にして行った。
このようにして求めた、処理液Lの成分濃度X及びY、並びに、各管理値からのずれΔX及びΔYにより固定化工程の進行中に処理液濃度をモニタし、適正な管理値に修正することができる。なお、上記各ステップのうち、ステップS12〜ステップS17、或いは、ステップS12〜ステップS18を順次繰り返すことにより、連続して固定化工程の処理液Lの各成分濃度を常にモニタすることができる。
図7は、本実施例3に係る処理液の成分濃度モニタ方法を示す工程図である。本実施例3においても上記実施例1と同様に、処理液Lのホウ酸濃度の管理値はXtであり、ヨウ化カリウム濃度の管理値はYtとする。また、処理液Lの温度の管理値はTtとして制御されている。
本実施例3においては、ステップS21〜ステップS23を上記実施例1のステップS1〜ステップS3と同様にして行った。
ステップS24:
ステップS23で求めた上記100種類の水溶液の実測温度Tにおける導電率及び屈折率、並びに、上記100種類の水溶液のホウ酸濃度及びヨウ化カリウム濃度を用いて、実測温度Tにおける10水準のホウ酸濃度それぞれに対する導電率と屈折率との相関関係7を求める。また、同様にして実測温度Tにおける10水準のホウ酸濃度それぞれに対するヨウ化カリウム濃度と屈折率との相関関係8を求める。
ステップS25:
次に、上記ステップS24で求めた導電率と屈折率との相関関係7の中から、処理液Lの実測導電率σ及び実測屈折率nに共通の近似値を有する2本の相関曲線を選択する。上記実施例1と同様にして2本の相関曲線7−1及び相関曲線7−2を選択する。ここで、相関曲線7−1は、ホウ酸濃度X5に対する導電率と屈折率との相関関係を示しており、相関曲線7−2は、ホウ酸濃度X6に対する導電率と屈折率との相関関係を示している。
次に、選択した2本の相関曲線7−1及び相関曲線7−2を用いて、それぞれ、処理液Lの実測屈折率nに対応する導電率を求める。まず、相関曲線7−1からホウ酸濃度X5における実測屈折率nに対応する導電率σ5を求め、同様に、相関曲線7−2からホウ酸濃度X6における実測屈折率nに対応する導電率σ6を求める。
ステップS26:
次に、上記ステップS24で求めたヨウ化カリウム濃度と屈折率との相関関係8の中から、上記ステップS25で選定したホウ酸濃度X5及びホウ酸濃度X6に対応する2本の相関曲線8−1及び相関曲線8−2を選択する。ここで、相関曲線8−1は、ホウ酸濃度X5に対するヨウ化カリウム濃度と屈折率との相関関係を示しており、相関曲線8−2は、ホウ酸濃度X6に対するヨウ化カリウム濃度と屈折率との相関関係を示している。
次に、選択した2本の相関曲線8−1及び相関曲線8−2を用いて、それぞれ、処理液Lの実測屈折率nに対応するヨウ化カリウム濃度を求める。まず、相関曲線8−1からホウ酸濃度X5における実測屈折率nに対応するヨウ化カリウム濃度Y5を求め、同様に、相関曲線8−2からホウ酸濃度X6における実測屈折率nに対応するヨウ化カリウム濃度Y6を求める。
ステップS27:
次に、上記ステップS25で求めたホウ酸濃度X5、ホウ酸濃度X6、導電率σ5、導電率σ6、上記ステップS26で求めたヨウ化カリウム濃度Y5、ヨウ化カリウム濃度Y6、及び、処理液Lの実測導電率σを用いて、処理液Lのホウ酸濃度X及びヨウ化カリウム濃度Yを求める。具体的には、上記実施例1と同様にしてX5、X6、Y5、Y6、n5、n6及び実測導電率σの関係から下記の式(5)及び式(6)が導かれる。よって、処理液Lのホウ酸濃度X及びヨウ化カリウム濃度Yは、これらの式の比例計算により求めることができる。
X=X5+(X6−X5)×(σ−σ5)/(σ6−σ5)‥‥‥(5)
Y=Y5+(Y6−Y5)×(σ−σ5)/(σ6−σ5)‥‥‥(6)
次に、ステップS28は、上記実施例1のステップS8と同様にして行った。
このようにして求めた、処理液Lの成分濃度X及びY、並びに、各管理値からのずれΔX及びΔYにより固定化工程の進行中に処理液濃度をモニタし、適正な管理値に修正することができる。なお、上記各ステップのうち、ステップS22〜ステップS27、或いは、ステップS22〜ステップS28を順次繰り返すことにより、連続して固定化工程の処理液Lの各成分濃度を常にモニタすることができる。
図8は、本実施例4に係る処理液の成分濃度モニタ方法を示す工程図である。本実施例4においても上記実施例1と同様に、処理液Lのホウ酸濃度の管理値はXtであり、ヨウ化カリウム濃度の管理値はYtとする。また、処理液Lの温度の管理値はTtとして制御されている。
本実施例4においては、ステップS31〜ステップS33を上記実施例1のステップS1〜ステップS3と同様にして行った。
ステップS34:
ステップS33で求めた上記100種類の水溶液の実測温度Tにおける導電率及び屈折率、並びに、上記100種類の水溶液のホウ酸濃度及びヨウ化カリウム濃度を用いて、実測温度Tにおける10水準のヨウ化カリウム濃度それぞれに対する導電率と屈折率との相関関係9を求める。また、同様にして実測温度Tにおける10水準のヨウ化カリウム濃度それぞれに対するホウ酸濃度と屈折率との相関関係10を求める。
ステップS35:
次に、上記ステップS34で求めた導電率と屈折率との相関関係9の中から、処理液Lの実測導電率σ及び実測屈折率nに共通の近似値を有する2本の相関曲線を選択する。上記実施例1と同様にして2本の相関曲線9−1及び相関曲線9−2を選択する。ここで、相関曲線9−1は、ヨウ化カリウム濃度Y7に対する導電率と屈折率との相関関係を示しており、相関曲線9−2は、ヨウ化カリウム濃度Y8に対する導電率と屈折率との相関関係を示している。
次に、選択した2本の相関曲線9−1及び相関曲線9−2を用いて、それぞれ、処理液Lの実測屈折率nに対応する導電率を求める。まず、相関曲線9−1からヨウ化カリウム濃度Y7における実測屈折率nに対応する導電率σ7を求め、同様に、相関曲線9−2からヨウ化カリウム濃度Y8における実測屈折率nに対応する導電率σ8を求める。
ステップS36:
次に、上記ステップS34で求めたホウ酸濃度と屈折率との相関関係10の中から、上記ステップS35で選定したヨウ化カリウム濃度Y7及びヨウ化カリウム濃度Y8に対応する2本の相関曲線10−1及び相関曲線10−2を選択する。ここで、相関曲線10−1は、ヨウ化カリウム濃度Y7に対するホウ酸濃度と屈折率との相関関係を示しており、相関曲線10−2は、ヨウ化カリウム濃度Y8に対するホウ酸濃度と屈折率との相関関係を示している。
次に、選択した2本の相関曲線10−1及び相関曲線10−2を用いて、それぞれ、処理液Lの実測屈折率nに対応するホウ酸濃度を求める。まず、相関曲線10−1からヨウ化カリウム濃度Y7における実測屈折率nに対応するホウ酸濃度X7を求め、同様に、相関曲線10−2からヨウ化カリウム濃度Y8における実測屈折率nに対応するホウ酸濃度X8を求める。
ステップS37:
次に、上記ステップS35で求めたヨウ化カリウム濃度Y7、ヨウ化カリウム濃度Y8、導電率σ7、導電率σ8、上記ステップS36で求めたホウ酸濃度X7、ホウ酸濃度X8、及び、処理液Lの実測導電率σを用いて、処理液Lのホウ酸濃度X及びヨウ化カリウム濃度Yを求める。具体的には、上記実施例1と同様にしてX7、X8、Y7、Y8、n7、n8及び実測導電率σの関係から下記の式(7)及び式(8)が導かれる。よって、処理液Lのホウ酸濃度X及びヨウ化カリウム濃度Yは、これらの式の比例計算により求めることができる。
X=X7+(X8−X7)×(σ−σ7)/(σ8−σ7)‥‥‥(7)
Y=Y7+(Y8−Y7)×(σ−σ7)/(σ8−σ7)‥‥‥(8)
次に、ステップS38は、上記実施例1のステップS8と同様にして行った。
このようにして求めた、処理液Lの成分濃度X及びY、並びに、各管理値からのずれΔX及びΔYにより固定化工程の進行中に処理液濃度をモニタし、適正な管理値に修正することができる。なお、上記各ステップのうち、ステップS32〜ステップS37、或いは、ステップS32〜ステップS38を順次繰り返すことにより、連続して固定化工程の処理液Lの各成分濃度を常にモニタすることができる。
上記実施形態及び上記各実施例においては、これまで間欠的に滴定法で手分析されていた固定化工程で使用される処理液の成分濃度の変化を連続して常時把握することが可能になる。このことにより、操業中の処理液の濃度変化に素早く対応できる生産体制を確立することができる。
従って、固定化工程で使用される処理液の成分濃度を常に安定した状態に管理することができ、ポリビニルアルコール系フィルムに架橋するホウ酸の量が常に安定して得られた偏光子の品質の安定と歩留りの向上が可能となる。
よって、本発明は、滴定試薬や滴定廃液の処分などに余分なコストをかけることなく、固定化工程で使用される処理液の成分濃度の変化を連続して常時把握できるようにして、操業中の処理液の濃度変化に素早く対応できる成分濃度モニタ方法及びこの方法を使用する成分濃度モニタ装置を提供することができる。
なお、本発明の実施にあたり、上記各実施例に限らず、次のような変形例が挙げられる。例えば、上記各実施例においては、ホウ酸濃度10水準、ヨウ化カリウム濃度10水準とした100種類の水溶液に対して、温度を13水準とした導電率及び屈折率のデータベースを作成した。しかし、データベースは、これらの数に限定されるものではなく、データ数は任意に選定して差し支えない。
例えば、処理液Lの各管理値Xt、Yt及びTtを中心として、これらの変化が生じうる範囲を認識し、これらの範囲においてのみデータベースを作成するようにしてもよい。また、変化が微妙な領域においては、データの間隔を更に細かくすることにより、より正確なモニタが可能となる。
本発明は、ホウ酸及びヨウ化カリウムを成分として含有する処理液の成分濃度をモニタする成分濃度モニタ方法及び成分濃度モニタ装置に関するものであり、当該処理液の各成分濃度及び各管理値からのずれを連続して正確にモニタすることができる。このことにより、これらの情報を基にして、連続処理で行われ常時変化する処理液の各成分濃度を適正な管理値に修正することが容易となる。
よって、液晶ディスプレイ(LCD)などの画像表示装置に用いられる偏光子の製造において、生産性と歩留まりが高まると共に、より性能の良い偏光子を製造することができ、偏光子を利用する産業全般に寄与することができる。
また、本発明に係る成分濃度モニタ方法は、導電率及び屈折率を利用して成分濃度を検知する方法において、各成分濃度が互いに影響を及ぼし合う場合であっても、他の成分の影響を排除して正確な成分濃度を求める方法に関するものである。よって、本発明の方法は、ホウ酸及びヨウ化カリウムを成分として含有する処理液に限らず、各成分濃度が導電率及び屈折率を利用して測定できる場合であって、各成分濃度が互いに影響を及ぼし合う2種類の成分を含有する他の処理液に関しても利用することができる。
これらのことにより、本発明に係る成分濃度モニタ方法は、広範囲の産業で使用される各種処理液の成分濃度のモニタにも応用することができる。
10…固定化ユニット、11…処理槽、12、13…マングル、14…循環ポンプ、
15a、15b…循環配管、16…ロール、
20…モニタユニット、21…導電率センサ、22…屈折率センサ、22a…温度センサ、23…マイクロコンピュータ、24…モニタ、25…検出配管、26…校正用ポンプ、
100…処理装置。

Claims (7)

  1. ホウ酸及びヨウ化カリウムを成分として含有する処理液の成分濃度モニタ方法において、
    一連の既知濃度のホウ酸と一連の既知濃度のヨウ化カリウムとの組合せからなる複数の水溶液を用いて、当該複数の水溶液に対して、それぞれ、一連の温度条件における導電率を測定して各水溶液の温度と導電率との相関関係1を定めると共に、前記複数の水溶液に対して、それぞれ、前記一連の温度条件における屈折率を測定して各水溶液の温度と屈折率との相関関係2を定める第1ステップと、
    モニタ対象となる処理液のホウ酸濃度及びヨウ化カリウム濃度を求めるにあたり、当該処理液の実測温度T、実測導電率σ及び実測屈折率nを測定する第2ステップと、
    前記複数の水溶液に対して、それぞれ、前記相関関係1を用いて、前記実測温度Tにおける各水溶液の導電率を求めると共に、前記複数の水溶液に対して、それぞれ、前記相関関係2を用いて、前記実測温度Tにおける各水溶液の屈折率を求める第3ステップと、
    この第3ステップで求めた各水溶液の導電率及び屈折率、並びに、各水溶液のホウ酸濃度及びヨウ化カリウム濃度を用いて、前記実測温度Tにおける各ホウ酸濃度に対する導電率と屈折率との相関関係3を定めると共に、前記実測温度Tにおける各ホウ酸濃度に対する導電率とヨウ化カリウム濃度との相関関係4を定める第4ステップと、
    各ホウ酸濃度に対する前記相関関係3の中から前記実測導電率σ及び前記実測屈折率nに共通の近似値を有する2つの相関関係3−1(ホウ酸濃度X1における相関関係)及び相関関係3−2(ホウ酸濃度X2における相関関係)を選択し、これらの相関関係から、それぞれ、前記実測導電率σに対する屈折率n1及び屈折率n2を求める第5ステップと、
    各ホウ酸濃度に対する前記相関関係4の中から前記ホウ酸濃度X1と前記ホウ酸濃度X2に対する2つの相関関係4−1(ホウ酸濃度X1における相関関係)及び相関関係4−2(ホウ酸濃度X2における相関関係)を選択し、これらの相関関係から、それぞれ、前記実測導電率σに対するヨウ化カリウム濃度Y1及びヨウ化カリウム濃度Y2を求める第6ステップと、
    前記ホウ酸濃度X1、ホウ酸濃度X2、ヨウ化カリウム濃度Y1、ヨウ化カリウム濃度Y2、屈折率n1、屈折率n2及び実測屈折率nを用いて、下記の式(1)及び式(2)から、
    X=X1+(X2−X1)×(n−n1)/(n2−n1)‥‥‥(1)
    Y=Y1+(Y2−Y1)×(n−n1)/(n2−n1)‥‥‥(2)
    前記モニタ対象となる処理液のホウ酸濃度X及びヨウ化カリウム濃度Yを求める第7ステップとを有することを特徴とする処理液の成分濃度モニタ方法。
  2. ホウ酸及びヨウ化カリウムを成分として含有する処理液の成分濃度モニタ方法において、
    一連の既知濃度のホウ酸と一連の既知濃度のヨウ化カリウムとの組合せからなる複数の水溶液を用いて、当該複数の水溶液に対して、それぞれ、一連の温度条件における導電率を測定して各水溶液の温度と導電率との相関関係1を定めると共に、前記複数の水溶液に対して、それぞれ、前記一連の温度条件における屈折率を測定して各水溶液の温度と屈折率との相関関係2を定める第1ステップと、
    モニタ対象となる処理液のホウ酸濃度及びヨウ化カリウム濃度を求めるにあたり、当該処理液の実測温度T、実測導電率σ及び実測屈折率nを測定する第2ステップと、
    前記複数の水溶液に対して、それぞれ、前記相関関係1を用いて、前記実測温度Tにおける各水溶液の導電率を求めると共に、前記複数の水溶液に対して、それぞれ、前記相関関係2を用いて、前記実測温度Tにおける各水溶液の屈折率を求める第3ステップと、
    この第3ステップで求めた各水溶液の導電率及び屈折率、並びに、各水溶液のホウ酸濃度及びヨウ化カリウム濃度を用いて、前記実測温度Tにおける各ヨウ化カリウム濃度に対する導電率と屈折率との相関関係5を定めると共に、前記実測温度Tにおける各ヨウ化カリウム濃度に対する導電率とホウ酸濃度との相関関係6を定める第4ステップと、
    各ヨウ化カリウム濃度に対する前記相関関係5の中から前記実測導電率σ及び前記実測屈折率nに共通の近似値を有する2つの相関関係5−1(ヨウ化カリウム濃度Y3における相関関係)及び相関関係5−2(ヨウ化カリウム濃度Y4における相関関係)を選択し、これらの相関関係から、それぞれ、前記実測導電率σに対する屈折率n3及び屈折率n4を求める第5ステップと、
    各ヨウ化カリウム濃度に対する前記相関関係6の中から前記ヨウ化カリウム濃度Y3前記ヨウ化カリウム濃度Y4に対する2つの相関関係6−1(ヨウ化カリウム濃度Y3における相関関係)及び相関関係6−2(ヨウ化カリウム濃度Y4における相関関係)を選択し、これらの相関関係から、それぞれ、前記実測導電率σに対するホウ酸濃度X3及びホウ酸濃度X4を求める第6ステップと、
    前記ホウ酸濃度X3、ホウ酸濃度X4、ヨウ化カリウム濃度Y3、ヨウ化カリウム濃度Y4、屈折率n3、屈折率n4及び実測屈折率nを用いて、下記の式(3)及び式(4)から、
    X=X3+(X4−X3)×(n−n3)/(n4−n3)‥‥‥(3)
    Y=Y3+(Y4−Y3)×(n−n3)/(n4−n3)‥‥‥(4)
    前記モニタ対象となる処理液のホウ酸濃度X及びヨウ化カリウム濃度Yを求める第7ステップとを有することを特徴とする処理液の成分濃度モニタ方法。
  3. ホウ酸及びヨウ化カリウムを成分として含有する処理液の成分濃度モニタ方法において、
    一連の既知濃度のホウ酸と一連の既知濃度のヨウ化カリウムとの組合せからなる複数の水溶液を用いて、当該複数の水溶液に対して、それぞれ、一連の温度条件における導電率を測定して各水溶液の温度と導電率との相関関係1を定めると共に、前記複数の水溶液に対して、それぞれ、前記一連の温度条件における屈折率を測定して各水溶液の温度と屈折率との相関関係2を定める第1ステップと、
    モニタ対象となる処理液のホウ酸濃度及びヨウ化カリウム濃度を求めるにあたり、当該処理液の実測温度T、実測導電率σ及び実測屈折率nを測定する第2ステップと、
    前記複数の水溶液に対して、それぞれ、前記相関関係1を用いて、前記実測温度Tにおける各水溶液の導電率を求めると共に、前記複数の水溶液に対して、それぞれ、前記相関関係2を用いて、前記実測温度Tにおける各水溶液の屈折率を求める第3ステップと、
    この第3ステップで求めた各水溶液の導電率及び屈折率、並びに、各水溶液のホウ酸濃度及びヨウ化カリウム濃度を用いて、前記実測温度Tにおける各ホウ酸濃度に対する導電率と屈折率との相関関係7を定めると共に、前記実測温度Tにおける各ホウ酸濃度に対するヨウ化カリウム濃度と屈折率との相関関係8を定める第4ステップと、
    各ホウ酸濃度に対する前記相関関係7の中から前記実測導電率σ及び前記実測屈折率nに共通の近似値を有する2つの相関関係7−1(ホウ酸濃度X5における相関関係)及び相関関係7−2(ホウ酸濃度X6における相関関係)を選択し、これらの相関関係から、それぞれ、前記実測屈折率nに対する導電率σ5及び導電率σ6を求める第5ステップと、
    各ホウ酸濃度に対する前記相関関係8の中から前記ホウ酸濃度X5と前記ホウ酸濃度X6に対する2つの相関関係8−1(ホウ酸濃度X5における相関関係)及び相関関係8−2(ホウ酸濃度X6における相関関係)を選択し、これらの相関関係から、それぞれ、前記実測屈折率nに対するヨウ化カリウム濃度Y5及びヨウ化カリウム濃度Y6を求める第6ステップと、
    前記ホウ酸濃度X5、ホウ酸濃度X6、ヨウ化カリウム濃度Y5、ヨウ化カリウム濃度Y6、導電率σ5、導電率σ6及び実測導電率σを用いて、下記の式(5)及び式(6)から、
    X=X5+(X6−X5)×(σ−σ5)/(σ6−σ5)‥‥‥(5)
    Y=Y5+(Y6−Y5)×(σ−σ5)/(σ6−σ5)‥‥‥(6)
    前記モニタ対象となる処理液のホウ酸濃度X及びヨウ化カリウム濃度Yを求める第7ステップとを有することを特徴とする処理液の成分濃度モニタ方法。
  4. ホウ酸及びヨウ化カリウムを成分として含有する処理液の成分濃度モニタ方法において、
    一連の既知濃度のホウ酸と一連の既知濃度のヨウ化カリウムとの組合せからなる複数の水溶液を用いて、当該複数の水溶液に対して、それぞれ、一連の温度条件における導電率を測定して各水溶液の温度と導電率との相関関係1を定めると共に、前記複数の水溶液に対して、それぞれ、前記一連の温度条件における屈折率を測定して各水溶液の温度と屈折率との相関関係2を定める第1ステップと、
    モニタ対象となる処理液のホウ酸濃度及びヨウ化カリウム濃度を求めるにあたり、当該処理液の実測温度T、実測導電率σ及び実測屈折率nを測定する第2ステップと、
    前記複数の水溶液に対して、それぞれ、前記相関関係1を用いて、前記実測温度Tにおける各水溶液の導電率を求めると共に、前記複数の水溶液に対して、それぞれ、前記相関関係2を用いて、前記実測温度Tにおける各水溶液の屈折率を求める第3ステップと、
    この第3ステップで求めた各水溶液の導電率及び屈折率、並びに、各水溶液のホウ酸濃度及びヨウ化カリウム濃度を用いて、前記実測温度Tにおける各ヨウ化カリウム濃度に対する導電率と屈折率との相関関係9を定めると共に、前記実測温度Tにおける各ヨウ化カリウム濃度に対するホウ酸濃度と屈折率との相関関係10を定める第4ステップと、
    各ヨウ化カリウム濃度に対する前記相関関係9の中から前記実測導電率σ及び前記実測屈折率nに共通の近似値を有する2つの相関関係9−1(ヨウ化カリウム濃度Y7における相関関係)及び相関関係9−2(ヨウ化カリウム濃度Y8における相関関係)を選択し、これらの相関関係から、それぞれ、前記実測屈折率nに対する導電率σ7及び導電率σ8を求める第5ステップと、
    各ヨウ化カリウム濃度に対する前記相関関係10の中から前記ヨウ化カリウム濃度Y7と前記ヨウ化カリウム濃度Y8に対する2つの相関関係10−1(ヨウ化カリウム濃度Y7における相関関係)及び相関関係10−2(ヨウ化カリウム濃度Y8における相関関係)を選択し、これらの相関関係から、それぞれ、前記実測屈折率nに対するホウ酸濃度X7及びホウ酸濃度X8を求める第6ステップと、
    前記ホウ酸濃度X7、ホウ酸濃度X8、ヨウ化カリウム濃度Y7、ヨウ化カリウム濃度Y8、導電率σ7、導電率σ8及び実測導電率σを用いて、下記の式(7)及び式(8)から、
    X=X7+(X8−X7)×(σ−σ7)/(σ8−σ7)‥‥‥(7)
    Y=Y7+(Y8−Y7)×(σ−σ7)/(σ8−σ7)‥‥‥(8)
    前記モニタ対象となる処理液のホウ酸濃度X及びヨウ化カリウム濃度Yを求める第7ステップとを有することを特徴とする処理液の成分濃度モニタ方法。
  5. 前記第7ステップで算出した前記モニタ対象となる処理液のホウ酸濃度X及びヨウ化カリウム濃度Yについて、各対応の所定の管理値からずれΔX及びΔYを算出する第8ステップを有することを特徴とする前記請求項1〜4のいずれか1つに記載の処理液の成分濃度モニタ方法。
  6. 前記モニタ対象となる処理液の実測温度Tを検出する温度検出手段と、
    前記処理液の実測導電率σを検出する導電率検出手段と、
    前記処理液の実測屈折率nを検出する屈折率検出手段と、
    前記実測温度T、前記実測導電率σ及び前記実測屈折率nを用いて前記処理液のホウ酸濃度X及びヨウ化カリウム濃度Yを演算する濃度演算手段と、
    前記ホウ酸濃度X及びヨウ化カリウム濃度Yを表示する表示手段とを備え、
    請求項1〜4のいずれか1つに記載の成分濃度モニタ方法を用いて算出した前記処理液のホウ酸濃度X及びヨウ化カリウム濃度Yを前記表示手段にモニタすることを特徴とする処理液の成分濃度モニタ装置。
  7. 前記モニタ対象となる処理液の実測温度Tを検出する温度検出手段と、
    前記処理液の実測導電率σを検出する導電率検出手段と、
    前記処理液の実測屈折率nを検出する屈折率検出手段と、
    前記実測温度T、前記実測導電率σ及び前記実測屈折率nを用いて前記処理液のホウ酸濃度X及びヨウ化カリウム濃度Yを演算する濃度演算手段と、
    前記処理液のホウ酸濃度X及びヨウ化カリウム濃度Yについて各対応の所定の管理値からのずれΔX及びΔYを演算するずれ演算手段と、
    前記ホウ酸濃度X及びヨウ化カリウム濃度Yを表示する表示手段とを備え、
    請求項5に記載の成分濃度モニタ方法を用いて算出した前記処理液のホウ酸濃度X及びヨウ化カリウム濃度Y、並びに、各対応の所定の管理値からのずれΔX及びΔYを前記表示手段にモニタすることを特徴とする処理液の成分濃度モニタ装置。
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