JP5892247B2 - 内燃機関の点火時期制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の点火時期制御装置に関する。
従来、例えば、特開2011−256725号公報に開示されているように、ノック回避のための点火時期制御が可能な内燃機関の点火時期制御装置が知られている。この点火時期制御装置は、ノックセンサによってノッキングの発生状況を検出するとともに、その検出結果に応じて点火時期をフィードバック補正するノック制御を実行することができる。
このノック制御では、ノッキングの発生頻度が高いときには点火時期を遅角させ、その一方で、ノッキングの発生頻度が低いときには点火時期を進角させるといった制御量(ノック制御量)が設定される。そして、このノック制御量に基づいて点火時期の制御目標値を設定することによりノッキングの発生が抑制される。
ノック制御量とその基準値との定常的な偏差は、ノック学習値として学習される。上記公報にかかる技術では、当該基準値がゼロに設定されているので、ノック制御量の定常的な成分がノック学習値に移し替えられることになる。
日本特開2011−256725号公報 日本特開2008−121597号公報 日本特開2009−215989号公報 日本特開2010−190134号公報
しかしながら、上記従来の技術にかかるノック学習技術では、機関回転数および機関負荷に対する点火時期補正量としてノック学習値を学習している。このような従来の学習技術では、ノック学習を適切に行うという点で限界があった。
すなわち、従来のノック学習技術は、基本的には、機関回転数および機関負荷というエンジン制御量に関連付けて、単純にノック学習値を記憶するというものであった。このようなエンジン制御量に基づく学習技術は機関回転数および機関負荷に応じて学習値を記憶するものであるため、機関運転領域の大きな変化、エンジンシステムの相違、運転条件の変動や追加があったりするとそれらの環境変化に対応して適切なノック学習を行うことが困難となる。例えば、高過給、可変圧縮比、可変動弁機構等の可変機構、リーンバーン、EGR装置など多種多様なエンジンシステムがあるが、それらの多種多様なエンジンシステムが有する運転条件を漏れなく想定してノック学習を実施することは、その困難性や煩雑さの点で好ましくない。
ところで、運転領域の変化、エンジンシステムの相違等があっても、エンジン燃焼現象という物理現象が起きている点では根本的に共通している。エンジン燃焼現象という物理現象の状態とノック抑制原理との関係に基づいてノック学習を行うことができれば、運転領域の変化、エンジンシステムの相違等にも対処可能な好ましいノック学習が可能と考えられる。
そこで本願発明者は、エンジン燃焼現象という物理現象の状態とノック抑制原理との関係について鋭意研究を進めたところ、点火遅角によるノック抑制効果の原理について新たな知見を得た。本願発明者は、このノック抑制原理について得た知見を利用して、従来とは異なり、エンジン燃焼現象に即したノック学習を行うことで適切なノック学習を行うことができる新規なノック学習技術を見出した。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、エンジン燃焼現象に即したノック学習を行うことで、ノック学習を適切に行うことのできる内燃機関の点火時期制御装置を提供することを目的とする。
本願発明者の知見によれば、点火遅角によるノック抑制効果の原理は、「燃焼期間が遅角側に移動すると燃焼期間中の筒内容積が拡大し、その結果、未燃ガス温度および圧力の上昇が抑制される」というものである。本発明にかかる点火時期制御装置は、この原理にもとづく新規なノック学習を行うことができる。
すなわち、点火時期と、燃焼割合が一定の値となるクランク角(便宜上、「所定燃焼割合クランク角」とも称す)との間には、相関がある。例えば燃焼割合が50%となるクランク角(以下、便宜上「CA50」とも記す)は点火時期と相関があり、点火時期を遅角させるほどCA50も遅角側に移動する。この関係を前提とすると、ノック回避のための点火遅角により、所定燃焼割合クランク角が遅角側に移動する。所定燃焼割合クランク角が遅角側であればあるほど、その所定燃焼割合のときのピストン位置が上死点から下方に位置することとなり、その所定燃焼割合のときの筒内容積が相対的に大きくなる。つまり、ある2つの燃焼行程を比較した場合に、同じ燃焼割合のときの筒内容積が大きいほうが、燃焼期間中の各時点での筒内容積も大きく、燃焼期間中の筒内容積が全体的に大きいと言うことができる。この筒内容積拡大により、ノック抑制効果が高まるものである。
第1の発明にかかる内燃機関の点火時期制御装置は、ノック制御手段と、第1筒内容積算出手段と、第2筒内容積算出手段と、筒内容積率学習手段と、第3筒内容積算出手段と、前記学習点火時期を設定する設定手段と、を備えている。
ノック制御手段は、内燃機関のノッキングを所定レベル以下とするように点火時期制御を実施する。
第1筒内容積算出手段は、機関運転状態が第1運転状態にあるときに第1ベース点火時期で実施される燃焼行程における、所定燃焼割合クランク角での筒内容積を算出する。この所定燃焼割合クランク角は、燃焼割合が50%となるときのクランク角とすることが好ましい。
第2筒内容積算出手段は、機関運転状態が前記第1運転状態にあるときに前記ノック制御手段での当該点火時期制御が実施された点火時期で実施される燃焼行程における、前記所定燃焼割合クランク角での筒内容積を算出する。
筒内容積率学習手段は、筒内容積率を算出し、算出した筒内容積率を学習値として記憶する。筒内容積率とは、前記第1筒内容積算出手段で算出した筒内容積から前記第2筒内容積算出手段で算出した筒内容積を減算した差分を前記第1筒内容積算出手段で算出した筒内容積で除算した値である。
第3筒内容積算出手段は、機関運転状態が前記第1運転状態と異なる第2運転状態にあるときに第2ベース点火時期で実施される燃焼行程における、前記所定燃焼割合クランク角での筒内容積を算出する。
設定手段は、学習点火時期を設定する。学習点火時期とは、機関運転状態が前記第2の運転状態にあるときに前記ノック制御手段による点火時期制御を実施するときの初期値としての点火時期である。この設定手段は、前記学習値が増大するほど、前記学習点火時期で実施される燃焼行程における前記所定燃焼割合クランク角での筒内容積が拡大されるように前記学習点火時期を遅角側へ設定する。
第2の発明は、第1の発明において、
前記設定手段は、前記学習点火時期で実施される燃焼行程における前記所定燃焼割合クランク角での筒内容積が、前記第3筒内容積算出手段で算出した筒内容積に前記学習値を積算した積算値分だけ前記第3筒内容積算出手段で算出した筒内容積から変化するように、前記学習点火時期を設定するものである。
第3の発明は、第1の発明において、前記所定燃焼割合クランク角は、燃焼割合が50%以上となるクランク角範囲から選択した1つのクランク角である。
第4の発明は、第1の発明において、前記設定手段は、前記学習点火時期の遅角量に比例して前記所定燃焼割合クランク角が遅角するという規則にしたがって、前記所定燃焼割合クランク角での筒内容積を算出する手段を含む。
第5の発明は、第1乃至第4の発明のいずれか1つにおいて、ベース値記憶手段をさらに備えている。ベース値記憶手段は、所定燃焼割合クランク角での筒内容積のベース値であるベース筒内容積値を機関運転状態ごとに定めた情報を記憶したものである。さらに、前記第1筒内容積算出手段は、前記ベース値記憶手段で記憶した複数個のベース筒内容積値のうち前記第1運転状態に対応する値を、前記所定燃焼割合クランク角での筒内容積として読み出す手段を含む。さらに、前記第3筒内容積算出手段は、前記ベース値記憶手段で記憶した複数個のベース筒内容積値のうち前記第2運転状態に対応する値を、前記所定燃焼割合クランク角での筒内容積として読み出す手段を含む。
第6の発明にかかる内燃機関の点火時期制御装置は、ノック制御手段と、記憶手段と、第1クランク角取得手段と、第1特性値算出手段と、学習手段と、第2クランク角取得手段と、第2特性値算出手段と、設定手段と、を備えている。
ノック制御手段は、内燃機関のノッキングを所定レベル以下とするように点火時期制御を実施する。
記憶手段は、単位筒内容積変化率あたりのクランク角変化量とクランク角との間の関係を定めた特性を記憶したものである。
第1クランク角取得手段は、機関運転状態が第1運転状態にあるときの燃焼行程における、所定燃焼割合クランク角を検知又は推定により求める。
第1特性値算出手段は、前記特性に従って、前記第1クランク角取得手段で求めた前記所定燃焼割合クランク角における、単位筒内容積変化率あたりのクランク角変化量の値を、第1特性値として算出する。
学習手段は、前記第1運転状態で前記ノック制御手段による点火時期制御が実施された場合に、この点火時期制御により得られた遅角量と前記第1特性値との比を、学習値として記憶する。
第2クランク角取得手段は、機関運転状態が前記第1運転状態と異なる第2運転状態にあるときの燃焼行程における、前記所定燃焼割合クランク角を検知又は推定により求める。
第2特性値算出手段は、前記特性に従って、前記第2クランク角取得手段で求めた前記所定燃焼割合クランク角における、単位筒内容積変化率あたりのクランク角変化量の値を、第2特性値として算出する。
設定手段は、機関運転状態が前記第2運転状態にあるときに前記ノック制御手段による点火時期制御を実施するときの点火時期遅角量の初期値である学習遅角量を設定する設定手段である。設定手段は、前記第2特性値に対して前記学習値を乗じた値に基づいて、前記学習遅角量を設定する。
第1の発明によれば、本願発明者が見出したノック抑制原理にもとづく新規なノック学習により、エンジン燃焼現象に即した適切なノック学習を行うことができる。この新規なノック学習ではエンジン燃焼現象に基づくノック学習を行っているので、複数の異なる運転状態においても、1つの学習値を共通に使用して点火時期制御を行うことができる。
第2の発明によれば、異なる運転状態下においても、毎回、同一のノック抑制効果を得ることができるように、学習点火時期を設定することができる。
第3の発明によれば、燃焼を代表するクランク角を、燃焼バランスの観点から適切な燃焼割合50%のクランク角、或いはノック発生要因を良好に表す燃焼後半のクランク角から、選択することができる。
第4の発明によれば、筒内圧センサに頼らずに、所定燃焼割合クランク角での筒内容積を計算することができる。
第5の発明によれば、ベース値記憶手段を利用して運転状態ごとの適切な筒内容積を記憶し、そこから随時、所定燃焼割合クランク角での筒内容積を読み出すことができる。
第6の発明によれば、簡易な構成で、本願発明者が見出したノック抑制原理にもとづく新規なノック学習を行うことができる。
本発明の実施の形態1にかかる点火時期制御装置の概略構成を示す図である。 本発明の実施の形態1にかかる点火時期制御装置における、ノック学習の内容を説明するための模式図である。 本発明の実施の形態1にかかる点火時期制御装置における、ノック学習の内容を説明するための模式図である。 本発明の実施の形態1にかかる点火時期制御装置における、ノック学習の作用効果を説明するための模式図である。 本発明の実施の形態1にかかる点火時期制御装置において、電子制御ユニットが実行するルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態2にかかる点火時期制御装置における、ノック学習の内容を説明するための模式図である。 本発明の実施の形態2にかかる点火時期制御装置において、電子制御ユニットが実行するルーチンのフローチャートである。
実施の形態1.
[実施の形態1にかかる装置の構成]
図1は、本発明の実施の形態1にかかる点火時期制御装置の概略構成を示す図である。本実施の形態にかかる点火時期制御装置は、内燃機関10に適用される。内燃機関10は4ストローク式の火花点火式エンジンである。図示を省略するが、内燃機関10は、複数の気筒を備えており、車両搭載用の内燃機関である。
内燃機関10の燃焼室13には、同燃焼室13に吸入された空気と燃料との混合気を点火及び燃焼させる点火プラグ14が設けられている。内燃機関10のシリンダブロック11には、ノックセンサ15が設けられている。ノックセンサ15は、混合気の燃焼に伴うノッキングの発生状況を検出するためのセンサである。
内燃機関10には、その運転に係る電子制御ユニット16が備えられている。電子制御ユニット16は、各種制御を実行するCPU、同制御に必要な情報が記憶されるROM、RAMなどのメモリ、外部から信号を入力するための入力ポート、外部に指令信号を出力するための出力ポート等を備えて構成されている。
電子制御ユニット16の入力ポートには、機関運転状態を検出するための各種センサが接続されている。各種センサとしては、上記ノックセンサ15の他、クランクシャフト(図示略)の回転位相であるクランク角を検出するためのクランク角センサ17や、スロットルバルブの開度(スロットル開度TA)を検出するためのスロットルセンサ19、吸入空気量を検出するためのエアフローメータ20等が含まれる。クランク角センサ17の検出信号からは、機関回転速度NEを求めることができる。また、電子制御ユニット16は、吸入空気量、機関回転数等に基いて機関負荷KLを算出する。
電子制御ユニット16の出力ポートには、上記点火プラグ14による混合気の点火に必要な高圧電流を発生させるイグナイタ14a等、機関制御に必要なアクチュエータ類の駆動回路が接続されている。電子制御ユニット16は、上記各センサの検出信号に基づき各種の演算を行うとともに、その演算結果をもとにアクチュエータ類の駆動制御を実行して機関制御を行う。
電子制御ユニット16は、上記ノックセンサ15によって検出されるノッキングの発生状況に応じて点火時期を調整する「ノック制御」を実行する。ノック制御では、ノッキングの発生頻度が高いときには点火時期を遅角させ、その一方で、ノッキングの発生頻度が低いときには点火時期を進角させるといった制御値(ノック制御量)が設定される。そして、このノック制御量に基づいて点火時期の制御目標値を設定することによりノッキングの発生が抑制される。一般に、ノック制御量とその基準値との定常的な偏差を、ノック学習値として学習することが行われている。本実施の形態では、このノック学習を後述のように実施する。
また、本実施の形態では、電子制御ユニット16が、後述するベース筒内容積マップをメモリに記憶している。ベース筒内容積マップには、機関運転状態ごとに、ベース筒内容積Vbaseが定められている。本実施の形態では、機関運転状態は、機関回転数NEおよび機関負荷KLで定まるものとする。電子制御ユニット16は、機関回転数NEおよび機関負荷KLを入力変数として、ベース筒内容積マップから一つのベース筒内容積Vbaseを読み出す処理を実行することができる。
[実施の形態1にかかる装置の動作]
(点火遅角によるノック抑制効果の原理)
本願発明者の知見によれば、点火遅角によるノック抑制効果の原理は、「点火時期が遅角されて燃焼期間が遅角側に移動すると、燃焼期間の筒内容積が拡大し、その結果、未燃ガス温度および圧力の上昇が抑制される」というものである。本実施の形態にかかる点火時期制御装置によれば、この原理にもとづくノック学習が可能である。
より詳細に説明すると、ノック抑制に関して、点火時期、燃焼割合、クランク角、および筒内容積の間には一定の関係がある。
燃焼割合(以下、「MFB」とも称す)とは、燃焼の進行状態を表す指標として定義された値である。具体的には、燃焼割合は、0〜1の範囲(或いは、0%〜100%の範囲)で変化するものとし、燃焼割合が0(0%)である場合には燃焼開始時点を示し、燃焼割合が1(100%)である場合には燃焼終了時点を示すものとしている。
MFB=(Pθθ κ−Pθ0θ0 κ)/(Pθfθf κ−Pθ0θ0 κ)・・・(1)
但し、上記(1)式において、Pθ0およびVθ0は、それぞれクランク角度θが所定の燃焼開始時期θである場合の筒内圧Pおよび筒内容積Vであり、PθfおよびVθfは、それぞれクランク角度θが所定の燃焼終了時期θfである場合の筒内圧Pおよび筒内容積Vである。また、PθおよびVθは、それぞれクランク角度θが任意の値である場合の筒内圧Pおよび筒内容積Vである。κは、比熱比である。燃焼割合に関する技術は既に公知であるため、これ以上の説明は省略する。
点火時期と、燃焼割合が一定の値となるクランク角との間には、相関がある。以下、「燃焼割合が一定の値となるクランク角」を、便宜上、「所定燃焼割合クランク角」とも称す。例えば燃焼割合が50%となるクランク角を、以下、便宜上「CA50」とも記して説明する。CA50は点火時期と相関があり、点火時期を遅角させるほどCA50も遅角側に移動する。この関係を前提とすると、ノック回避のための点火遅角により、CA50も遅角側に移動する。CA50が遅角側であればあるほど、CA50のときのピストン位置が上死点から下方に位置することとなり、「CA50での筒内容積」が相対的に大きくなる。「CA50での筒内容積」とは、燃焼割合が50%に至ったときのクランク角位置から決まる筒内容積である。
上記の関係に基づくと、ある2つの燃焼行程を比較した場合に、同じ燃焼割合のときの筒内容積が大きいほうが、燃焼期間中の各時点での筒内容積も大きく、燃焼期間中の筒内容積が全体的に大きいということができる。このような燃焼期間中の筒内容積拡大により、未燃ガス温度および圧力の上昇が抑制され、ノック抑制効果が高まるのである。この原理について図2を用いて説明する。
図2は、本発明の実施の形態1にかかる点火時期制御装置における、ノック学習の内容を説明するための模式図である。図2に示すグラフは、クランク角ごとに、そのクランク角でのピストン位置によって決まる筒内容積の値を示している。ピストン上死点であるクランク角が0度のときに筒内容積は最小値を取り、上死点から離れるほど筒内容積が大きくなっている。
また、図2には、2つの異なる点火時期SA1およびSA2が記載されている。図2には、さらに、点火時期SA1で燃焼が実施された燃焼期間と、点火時期SA2で燃焼が実施されたときの燃焼期間とが、それぞれ模式的に示されている。
図2から分かるように、点火時期が遅角されているほど、燃焼期間も遅角側に位置する。図2の筒内容積のグラフとSA1による燃焼期間の矢印とを照らし合わせると、SA1による燃焼期間は、点火後、筒内容積が減少し、上死点で筒内容積が最小値となってから増加に転じた後の一定期間である。これに対し、図2の筒内容積のグラフとSA2による燃焼期間の矢印とを照らし合わせると、SA2による燃焼期間は、筒内容積が上死点から増加傾向に転じた後の一定期間であり、全体的にSA1よりも筒内容積が大きいクランク角領域に位置している。この2つの燃焼期間を対比すると、SA1による燃焼期間よりも、SA2による燃焼期間のほうが、燃焼期間中の各時点での筒内容積が相対的に大きい。つまり、SA2による燃焼期間のほうが、燃焼期間中の筒内容積が拡大されているということができる。点火時期を遅角して燃焼期間を全体的に遅角させることにより、燃焼期間中における筒内容積を相対的に大きくすることができる。SA1よりもSA2のほうが燃焼期間中の筒内容積が拡大されているので、SA2のほうが未燃ガス温度および圧力の上昇が抑制された状態となっており、ノック抑制効果が高くなるのである。
本実施の形態にかかる点火時期制御装置は、このようなノック抑制原理に基づくノック学習を行うことができる。本実施の形態では、後述する「筒内容積率」を学習する。筒内容積率は、筒内容積の変化量から決まるパラメータである。運転状態が変化したときにも、学習した筒内容積率を反映させることにより、ノック制御手段による学習点火時期を適切な値に設定することができる。
(点火時期制御装置の動作の詳細説明)
本実施の形態にかかる点火時期制御装置の動作の前提として、先ずはじめに、電子制御ユニット16がベース筒内容積マップを記憶している。ベース筒内容積マップには、機関回転数および機関負荷で定まる運転状態ごとに、ベース筒内容積Vbaseが定められている。本実施の形態では、「ベース筒内容積Vbase」とは、ベース点火時期SAbaseで実施した燃焼行程における、CA50での筒内容積の値のことである。ベース点火時期は、内燃機関10の点火時期のベース値として設定された点火時期であり、電子制御ユニット16に点火時期マップとして記憶されている。
より具体的に説明すると、ベース筒内容積マップにおいては、第1機関回転数NEかつ第1機関負荷KLのときの第1運転状態に対応して、その第1運転状態のベース点火時期SAbase1で燃焼が行われたときの第1ベース筒内容積Vbase1が記憶されている。また、第2機関回転数NEかつ第2機関負荷KLのときの第2運転状態に対応して、その第2運転条件のベース点火時期SAbase2で燃焼が行われたときの第2ベース筒内容積 base2 が記憶されている。同様に、nを整数とした場合に、n個の運転状態(第1運転状態、第2運転状態、・・・、第n運転状態)に対応して、一つずつ、それらの各運転状態のベース点火時期(SAbase1、SAbase2、・・・SAbasen)で燃焼が行われたときのベース筒内容積(Vbase1、Vbase2・・・、Vbasen)が記憶されている。このベース筒内容積マップは、予め作成されて電子制御ユニット16のメモリ領域に記憶されている。ベース筒内容積マップを利用することで、ある機関回転数NEおよび機関負荷KLが与えられたときに、これらの値に対応する一つのベース筒内容積Vbaseを得ることができる。
本実施の形態にかかる点火時期制御装置は、大きく分けて下記の「学習処理」および「学習値反映処理」を実施するものである。以下、図3を用いて説明する。
図3は、本発明の実施の形態1にかかる点火時期制御装置における、ノック学習の内容を説明するための模式図である。図3に示すグラフは、図2と同様に、クランク角ごとの筒内容積の値を示している。ピストン上死点であるクランク角が0度のときに、筒内容積は最小値を取る。図3の筒内容積グラフ上には、4つの点がプロットされている。これら4つの点はVbase1、Vbase2、VKC1、VKC2である。
base1、Vbase2は、それぞれ、異なる運転状態下におけるベース筒内容積を示している。
一方、VKC1、VKC2は、それぞれ、「実筒内容積」と称す。この実筒内容積とは、点火時期制御によりベース点火時期から遅角された後の点火時期で燃焼が実施された場合に、その燃焼行程におけるCA50での筒内容積である。ノック回避のための点火時期遅角がなされたときは、そのノック回避が実現したときの点火時期のことである。VKC1、VKC2は、それぞれ、互いに異なる運転状態での実筒内容積である。
(学習処理)
学習処理には、筒内容積検出処理、ノック制御処理、第1筒内容積算出処理、第2筒内容積算出処理、および筒内容積率学習処理が含まれている。
電子制御ユニット16は、筒内容積検出処理を実行することができる。筒内容積検出処理は、CA50での筒内容積を、内燃機関の燃焼行程ごとに、推定により求めるものである。本実施の形態では、筒内容積検出処理において計算処理を実行することで、推定によりCA50での筒内容積を求める。
筒内容積検出処理における計算処理には、点火時期を遅角するとCA50も遅角し、その点火時期遅角量とCA50遅角量とが一致するという前提が導入されている。この前提は、点火時期によらず、燃焼割合0%〜50%までの燃焼期間が一定であるという前提に基づいている。この前提によれば、先ず、ベース点火時期で燃焼を実施したときのCA50に対応する筒内容積の値、すなわちベース筒内容積を求めておく。ベース点火時期に対する遅角量が決まれば、この遅角量に応じてCA50の遅角量が決まる。CA50の遅角量が決まれば、クランク角から決まるピストン位置および筒内容積の関係に従ってベース筒内容積をその遅角量分だけ増加することで、「遅角後のCA50に対応する筒内容積の値」を計算することができる。本実施の形態においてもこの前提に基づいて、点火時期遅角量を反映したCA50での筒内容積を算出する筒内容積検出処理プログラムを作成しておき、電子制御ユニット16がこの処理を実行する。
電子制御ユニット16は、ノック制御処理を実行する。ノック制御処理は、内燃機関10のノッキングを所定レベル以下とするように点火時期制御を実施する処理である。具体的には、ノックセンサ15によって検出されるノッキングが許容レベル以下になるように、ベース点火時期に補正(遅角あるいは進角)を施した補正後点火時期を求めるものである。この処理によってノッキングが回避される。
電子制御ユニット16は、第1筒内容積算出処理を実行する。本実施の形態では、第1筒内容積算出処理が、図3にも示す第1ベース筒内容積Vbase1を算出するものとする。
第1ベース筒内容積Vbase1は、機関運転状態が第1運転状態(第1機関回転数NEおよび第1機関負荷KL)にあるときに第1ベース点火時期SAbase1で実施される燃焼行程における、CA50での筒内容積である。
本実施の形態では、電子制御ユニット16が、ベース筒内容積マップに記憶された複数個のベース筒内容積値のうち、機関回転数NEと機関負荷KLに対応する値を、ベース筒内容積Vbase1として読み出す。
電子制御ユニット16は、第2筒内容積算出処理を実行する。本実施の形態では、第2筒内容積算出処理が、図3にも示す実筒内容積VKC1を算出するものとする。
この実筒内容積VKC1は、機関運転状態が第1運転状態にあるときにノック制御による点火時期制御が実施された後、その制御後の点火時期で実施された燃焼行程における、CA50での筒内容積である。
すなわち、ノック制御処理によって、ノックセンサ15の検出値に基づいて、ノッキングが所定レベル以下となるように点火時期が補正(遅角あるいは進角)される。この補正により、ベース点火時期SAbaseに対して、ある補正量ΔSAが加算されることになる。その補正後の点火時期で燃焼が実施されることで、その燃焼行程中のCA50が決まる。エンジン構造上、クランク角からピストン位置が決まり、その結果筒内容積が定まるので、CA50の値が決まればこれに応じて一つの筒内容積の値が決まる。
本実施の形態では、このような点火時期、燃焼割合、クランク角、および筒内容積の一連の関係から、筒内容積を計算する。その計算のために、点火時期と筒内容積の関係を一義的に定めた関数を、数式又はマップの形式で電子制御ユニット16に記憶しておくものとする。電子制御ユニット16は、この関数を表す数式又はマップに従って、点火時期補正量(遅角量)から、VKC1を算出する処理を実行する。
電子制御ユニット16は、筒内容積率学習処理を実行する。筒内容積率学習処理は、筒内容積率を算出し、学習値として記憶するものである。筒内容積率とは、「第1筒内容積算出処理で算出した筒内容積」から「第2筒内容積算出処理で算出した筒内容積」を減算した差分を、「第1筒内容積算出処理で算出した筒内容積」で除算した値である。本実施の形態においては、学習値として記憶すべき筒内容積率は、下記の式で表される。
「筒内容積率」=ΔV/Vbase1 ・・・(2)
ΔV=Vbase1−VKC1 ・・・(3)
本実施の形態では、電子制御ユニット16が、このΔV/Vbase1の値をノック学習値として所定メモリ領域に記憶する学習値記憶処理を実行する。
(学習値反映処理)
学習値反映処理は、上記の学習処理により獲得された学習値を、その後、異なる運転状態下(本実施の形態では、「第2運転状態」と称している)におけるノック制御時に活用するためのステップである。学習値反映処理には、第3筒内容積算出処理、および学習点火時期の設定処理が含まれている。
先ず、電子制御ユニット16は、第3筒内容積算出処理を実行する。本実施の形態では、第3筒内容積算出処理が、図3にも示す第2ベース筒内容積Vbase2を算出するものとする。この第2ベース筒内容積Vbase2は、機関運転状態が上記第1運転状態と異なる第2運転状態(第2機関回転数NE2および第2機関負荷KL2)にあるときに第2ベース点火時期SAbase2で実施される燃焼行程における、CA50での筒内容積である。
本実施の形態では、電子制御ユニット16が、ベース筒内容積マップから、第2機関回転数NE2および第2機関負荷KL2から決まるベース筒内容積の値を読み出し、これを第2ベース筒内容積Vbase2とする。
電子制御ユニット16は、「学習点火時期」を設定する設定処理を実行する。「学習点火時期」とは、機関運転状態が第2運転状態にあるときに、ノック制御処理による点火時期制御を実施するときの初期値としての点火時期である。つまり、ノック制御処理では、この学習点火時期を初期値として点火時期制御が開始され、この初期値に対してさらに補正(一般的には遅角)が行われる。具体的には、この設定処理はベース点火時期SAbaseに対して加算される補正量(ΔSA)の初期値を設定するものであり、この補正量が学習点火時期を算出するために用いられる。
設定処理は、学習値が大きいほど実筒内容積VKC2が大きくなるように、学習点火時期を設定する。実筒内容積VKC2は、学習点火時期での燃焼行程における実筒内容積であり、図3にも示してある。本実施の形態では、この設定処理において、「実筒内容積VKC2が達成される学習点火時期」を設定する。すなわち、図3に示すように、VKC2とは、第2ベース筒内容積であるVbase2から、ある増加分ΔV´だけ拡大した筒内容積である。本実施の形態では、この筒内容積拡大量ΔV´が、下記のように学習値を利用して算出される。
ΔV´=Vbase2×(ΔV/Vbase1) ・・・(4)
そして、このΔV´分だけVbase2から筒内容積が拡大するように、ベース点火時期に対する点火時期遅角量を算出する。すなわち、実筒内容積VKC2が達成される学習点火時期が得られるように、ベース点火時期に対する点火時期遅角量を算出する。
前述した筒内容積検出処理で説明したように、本実施の形態では、点火時期遅角量とCA50遅角量とが一致するという前提が導入されている。この前提にしたがって、本実施の形態では、点火時期遅角量とCA50遅角量とが一致するものとして、今回の燃焼行程での実筒内容積VKC2が「Vbase2にΔV´を加算した筒内容積」となるように、点火時期遅角量を計算する。
その後、上記の一連の処理による学習結果が点火時期制御に利用される。すなわち、ノック制御において、点火時期の初期値がこの学習点火時期に設定されたうえで点火時期制御が開始される。
その後、再び、学習処理および学習値反映処理が繰り返される。すなわち、ノックセンサ15で検出されるノッキングが許容レベル以下となるようにベース点火時期に対する補正が施されたり、筒内容積率の学習が行われたりする等の一連の処理が実行される。この場合、上記説明のうち、第1運転状態にかかる部分を「時間的に先の燃焼行程のときの運転状態」と読み替えるとともに、第2運転状態にかかる部分を「時間的に後の燃焼行程のときの運転状態」と読み替える。そのうえで、内燃機関10の運転に伴って燃焼行程が生じるごとに、同様の処理を実行すればよい。
内燃機関10の運転中、運転状態が変化したり、外乱(吸気温度、吸気管圧力、オクタン価、その他の環境条件の変化)が発生したりするなかで、繰り返し、上記の一連の処理が実施される。
本実施の形態によれば、一つの筒内容積率学習値を持つことで、複数の運転状態に対処することができる。すなわち、内燃機関10の運転時間の経過に伴って上記の学習処理および学習値反映処理が繰り返される中で、学習値が更新されていく。更新された最新の学習値を用いて、上記の式(4)を利用して、適切な実筒内容積が達成される学習点火時期が得られるように、ベース点火時期に対する遅角量を算出することができる。従って、学習値を統一することができる。このように、本実施の形態にかかる点火時期制御装置のノック学習技術は、異なる複数の運転状態においても、一貫した学習方法で、一つの筒内容積率学習値を利用して、ノック学習値を適切に設定することができる。
図4は、本発明の実施の形態1にかかる点火時期制御装置における、ノック学習の作用効果を説明するための模式図である。
図4の縦軸は、「筒内容積変化率」を表しており、(dV/dθ)/Vの値である。Vは筒内容積であり、dV/dθは、クランク角の1度(deg)あたりの筒内容積の変化分である。
クランク角1度あたりの筒内容積変化率が大きいほど、ノック抑制効果が高まる。エンジンの幾何寸法であるクランク径およびコンロッド長から、クランク角1度あたりのノック抑制効果は、所定クランク角を境に増加から減少に転じる。これを表したのが図4である。図4によれば、あるクランク角(図4のクランク角30度)を境に、筒内容積変化率が増加から減少に転じていることがわかる。つまり、条件が同じ(外乱の状況が一定)であれば、あるクランク角進角側で遅角量が相対的に小さくなり、あるクランク角より遅角側では遅角量が相対的に大きくなる。実施の形態1にかかるノック学習によれば、筒内容積率を学習値として持ち、その学習値を利用してノック回避時の点火時期を決めているので、このような筒内容積変化率の傾向が盛り込まれた点火時期制御が達成されるという利点がある。
また、筒内容積変化率が同じであれば、未燃ガス温度および圧力の変化率も同じになるという関係がある。この関係に基づくと、点火時期遅角に伴う筒内容積変化率を一定とすることにより、異なる運転状態下においても、毎回、同一のノック抑制効果を得ることができる。この点、実施の形態1では、学習値の更新がなされない限り、上記の式(4)によって毎回同じ学習値(同じ筒内容積率)の乗算が実施される。そして、その計算結果から決まる実筒内容積が実現されるように、点火時期遅角量が決定される。これにより、毎回のノック抑制効果の均一化を図ることもできる。
[実施の形態1にかかる装置の具体的制御処理]
図5は、本発明の実施の形態1にかかる点火時期制御装置において、電子制御ユニット16が実行するルーチンのフローチャートである。電子制御ユニット16は、このルーチンを、内燃機関10の運転中に、繰り返し、燃焼行程(燃焼サイクルごと)ごとに実行する。以下では、既に図5のルーチンが一度実行されて学習値が一度得られた状態から、再度、図5のルーチンが実行される場合を説明するものとする。
図5のルーチンでは、先ず、電子制御ユニット16が、車両状態およびエンジン状態を検出する処理を実行する(ステップS100)。このステップでは、下記の3つの検出処理が行われる。
本実施の形態では内燃機関10が車両に搭載されているものとする。第1検出処理は、この車両の速度を検出する処理である。速度検出は車両のスピードメータからの出力信号を電子制御ユニット16が受けることで実現される。
第2検出処理は、その車両に対するドライバー要求を検出する処理である。ドライバー要求の検出は、具体的には、アクセル開度の検出およびシフトポジションの検出を含む。電子制御ユニット16が図示しないアクセル開度センサやシフト位置検出回路からの信号を受けることにより、これらの検出が実施される。
第3検出処理は、内燃機関10のエンジン状態を検出する処理である。エンジン状態には、エンジン冷却水温、機関回転数、吸入空気量、圧縮比などが含まれる。これらの検出は、エンジン水温センサやクランクポジションセンサ、エアフローメータ等といった、内燃機関に搭載される各種センサの出力を電子制御ユニット16が得ることにより実施される。
次に、電子制御ユニット16は、検出した吸入空気量に基づいて燃料噴射量制御を実施する(ステップS102)。
このステップでは、より具体的には、ステップS100の検出結果を利用して、点火時期制御以外のエンジン制御が実施される。ここで実施されるエンジン制御は各種公知のエンジン制御技術を利用すればよいため、詳細な説明は省略する。
次に、電子制御ユニット16は、筒内容積率補正値を算出する処理を実行する(ステップS104)。このステップは、吸気温や外気温、過給圧などの環境が変化した場合にこれに応じて必要となる点火時期補正値を、筒内容積率ΔV/Vの単位で算出するステップである。なお、ここで説明する筒内容積率補正値の算出方法は、上述した実施の形態1にかかる「学習処理」で説明した計算内容とは異なるものである。
このステップの前提として、電子制御ユニット16は、吸気温、外気温その他の外乱に対応させて筒内容積率補正値(ΔV/V)dstを算出するための補正値算出プログラムを記憶している。筒内容積率補正値(ΔV/V)dstは、吸気温や外気温、過給圧などの環境が変化した場合に、その変化量(例えば変化温度)に対して、点火時期をどの程度遅角させたらよいかを示す指標値である。
本実施の形態では、筒内容積率補正値(ΔV/V)dstと「外乱の変化量」との間の関係を、補正値数式或いは補正値マップの形で予め作成しておくとともに、これを利用した補正値算出プログラムを電子制御ユニット16に予め記憶しておく。この補正値算出プログラムに対して、外乱の変化量を入力することで、筒内容積率補正値(ΔV/V)dstを算出する。なお、外乱の変化量は、具体的には、図示しない吸気温度センサの出力に基づく吸気温度変化量や、図示しない外気温度センサの出力に基づく外気温度変化量、図示しない吸気圧センサの出力に基づく過給圧変化量などを想定するものとする。外乱の種類ごとに、或いは運転状態ごとに、上記の補正値数式や補正値マップを複数作成しておくものとする。
このステップS104で算出した筒内容積率補正値(ΔV/V)dstは、以降のステップで、本実施の形態にかかる筒内容積率学習値とともに使用される。これにより最終的に実現すべき筒内容積率が算出される。
次に、電子制御ユニット16は、KCS点火時期学習量を算出する処理を実行する(ステップS106)。そして、電子制御ユニット16は、点火時期学習値による補正量を反映させる処理を実行する(ステップS108)。これらのステップでは、電子制御ユニット16が、前述した「学習値反映処理」における「学習点火時期の設定処理」の内容を実施する。
先ず、ステップS106では、電子制御ユニット16が、上述した「学習処理」により学習されたノック学習値を読み出す処理を実行する。ここで、説明の便宜上、本実施の形態では前回のノック学習が第1運転状態において実施されたものとし、ノック学習値にΔV/Vbase1の値が記憶されているものとする。
本実施の形態では、筒内容積率補正値(ΔV/V)dstとノック学習値ΔV/Vbase1との合算を行って、積算筒内容積率(ΔV/V)Totalを算出する。この「合算」とは、複数の補正値を点火時期制御に反映させるための計算を意味している。
本実施の形態においては、(V+ΔV)/Vという値を乗算することで、補正値や学習値を1つの数値に集約した値を求めるものとする。具体的数値を例示して説明すると、先ず、ステップS104で算出した(ΔV/V)dstが0.1である場合には、これを(V+ΔV)/Vに代入することで、(1+0.1)=1.1という値を求める。ノック学習値ΔV/Vbase1が0.2である場合には、これを(V+ΔV)/Vに代入することで、(1+0.2)=1.2という値を求める。これら1.1と1.2とを乗算することで、1.32という積算値を求める。本実施の形態では、この1.32という値を、複数の補正値、学習値(つまり、筒内容積率補正値(ΔV/V)dstおよびノック学習値ΔV/Vbase1)を1つの値に集約(合算)した値として取り扱うものとする。
ここで、(ΔV/V)Total、ΔV/Vbase1、および(ΔV/V)dstの間の関係を式で表すと、下記のとおりである。
1+(ΔV/V)Total=(1+ΔV/Vbase1)×(1+(ΔV/V)dst) ・・・(5)
この数式(5)から、(ΔV/V)dstが0.1でありΔV/Vbase1が0.2である場合には、(ΔV/V)Totalが0.32となることが導かれる。
本実施の形態のように乗算を行うようにし、筒内容積率補正値やノック学習値の値を単純に加算しない理由は、これらの値はそれぞれ変化率を表しているので、単純に加算した値とすると誤差が生ずるからである。
電子制御ユニット16は、上記の積算筒内容積率(ΔV/V)Totalを用いて、下記の数式(6)に従って、筒内容積拡大量ΔV´を算出する。
ΔV´=Vbase2×(ΔV/V)Total ・・・(6)
数式(6)の計算の内容は、上述した「学習値反映処理」にかかる数式(4)と類似している。ただし、本実施の形態では、説明の便宜上、現在の運転状態が第2運転状態であるものとし、ベース筒内容積Vbase2に対する筒内容積拡大量ΔV´を算出するものとする。
さらに、ステップS108では、電子制御ユニット16が、ベース点火時期SAbase2に対する点火時期遅角量を算出する。この点火時期遅角量は、ΔV´分だけ今回のベース筒内容積Vbase2から筒内容積が拡大するように、ベース点火時期SAbase2に対して算出される遅角量である。言い換えると、この点火時期遅角量は、実筒内容積VKC2が達成される学習点火時期が得られるように、ベース点火時期SAbase2に対して算出される遅角量である。
次に、電子制御ユニット16は、ノックセンサ15の出力に基づいて、点火時期のフィードバック制御処理を実行する(ステップS110)。なお、このステップに至る段階で、内燃機関10では燃焼行程が実施されており、ノックセンサ15によりノッキングが検出されうる状況となっているものとする。このステップでは、電子制御ユニット16がノック制御を実行することで、ノッキングが許容レベル以下となるように点火時期制御が実施される。このノック制御の初期値が、上記のステップS108で反映された点火時期(学習点火時期)である。
次に、電子制御ユニット16は、フィードバック補正量が所定値より大きいか否かを判定する処理を実行する(ステップS112)。吸気温度、吸気管圧力、筒内デポジット堆積、オクタン価、その他の環境条件の変化が外乱となるが、この外乱の変化により学習値が適切でなくなる場合がある。そこで、このステップでは、ステップS110のフィードバック補正量、つまりノック制御による点火時期遅角量が、学習点火時期に対して、所定値以上乖離しているかどうかが判別される。これにより、現在の学習値が適切かどうかを評価することができる。このステップにおいてフィードバック補正量が所定値より大きいと判定された場合には、現在の学習値がもはや適切ではなく、後述の更新処理が必要であると判断することができる。
ステップS112において、フィードバック補正量が所定値より大きいと判定されなかった場合には、ノック学習値の更新がされることなく、今回のルーチンが終了する。そして、次回の燃焼行程において再び図5のルーチンが実行される。
ステップS112において、フィードバック補正量が所定値より大きいと判定された場合には、電子制御ユニット16が、50%燃焼割合となる時期を算出する処理を実行する(ステップS114)。そして、電子制御ユニット16が、ΔV/Vbase2すなわち筒内容積率を算出し、この算出した値により学習値を更新する処理を実行する(ステップS116)。すなわち、このステップS114およびS116の一連の処理では、電子制御ユニット16が、前述した「学習処理」にかかる筒内容積検出処理、第1筒内容積算出処理、第2筒内容積算出処理、および筒内容積率学習処理の内容が実行される。
ステップS114では、燃焼割合が50%となる時期(クランク角)が算出される。ここでは、先ず、実筒内容積VKCXが算出される。実筒内容積VKCXは、ステップS112の点火時期フィードバック制御後における、CA50での実筒内容積である。実筒内容積VKCXは、電子制御ユニット16が上述した「学習処理」にかかる第2筒内容積算出処理を実行することで実現される。
なお、ステップS108において実筒内容積VKC2を実現する点火時期が設定されたものの、その点火時期では不適当であったということがステップS112の判定ルーチンで示されている。従って、ステップS110での点火時期フィードバック制御処理により定まった点火時期は、実筒内容積VKC2を実現する点火時期とは有意に異なると考えられる。従って、実筒内容積VKCXは実筒内容積VKC2とは異なる値である。
また、今回の運転状態に基づいて、ベース筒内容積マップからベース筒内容積が読み出される。前述したように、現在の運転状態を、便宜上、第2運転状態としているので、ベース筒内容積マップからVbase2が読み出される。この処理は、前述の「学習処理」における第1筒内容積算出処理に相当している。
ステップS116では、実筒内容積VKCXおよびベース筒内容積Vbase2を用いて、次の式に従って、筒内容積率が算出される。この処理は、前述の「学習処理」における筒内容積率学習処理に相当している。
筒内容積率=ΔV/Vbase2 ・・・(7)
ΔV=Vbase2−VKCX ・・・(8)
これらの式は、前述の数式(2)および(3)に相当している。電子制御ユニット16は、このΔV/Vbase2の値をノック学習値として所定メモリ領域に記憶する学習値記憶処理を実行する。これにより、ノック学習値の更新が完了する。
その後今回のルーチンが終了する。そして、次回の燃焼行程において再び図5のルーチンが実行される。
なお、上述した実施の形態1では、燃焼割合が50%となるクランク角で決まる筒内容積を、ノック学習に利用している。具体的には、図3にも示すベース筒内容積Vbase1、Vbase2、や実筒内容積VKC1、VKC2である。実施の形態1において、この「燃焼割合50%となるクランク角」すなわちCA50は、「燃焼を代表するクランク角」としての役割を果たしている。CA50の相対的な位置関係を見ることで、燃焼期間が全体的に進角側にあるか遅角側にあるかを検出できるからである。
しかしながら、本発明はこれに限られるものではなく、燃焼割合が50%以外となるクランク角で決まる筒内容積を用いてもよい。例えば、燃焼割合は0〜100%のいずれかの点、具体的には、例えば、10%、20%、30%、・・・60%、70%、80%などの各燃焼割合のいずれか1つを、50%燃焼割合に代えて、所定燃焼割合として用いても良い。なお、10%刻みとしているのは例示である。これらの各燃焼割合に対応するクランク角は、CA50と同じ規則に則って、それぞれCA10、CA20、CA30、・・・、CA60、CA70、CA80と記される。選定した所望燃焼割合となるクランク角で決まる筒内容積を、実施の形態1にかかるノック学習の学習パラメータに利用しても良い。所定の燃焼割合となるクランク角を、「所定燃焼割合クランク角」と略称する。
なお、燃焼割合50%となる時期は燃焼重心としての役割を果たしている。従って、CA50は、燃焼前半のCA10やCA20或いは燃焼後半のCA70やCA80などと比べて、燃焼全体をバランスよく代表することができるという点で好ましい。
なお、燃焼後半、すなわち燃焼割合が50%より後の時期では、未燃ガス温度および圧力がより高くなり、ノック発生への寄与が大きい。そこで、この燃焼後半に重点を置いて、すなわち例えばCA60、CA70などを、CA50に代えて所定燃焼割合クランク角として選定し、実施の形態1にかかる点火時期制御装置を構築してもよい。
なお、実施の形態1では、筒内容積検出処理により、推定的に、CA50での筒内容積を求めた。しかしながら、本発明はこれに限られず、筒内圧センサを用いた直接的な検知を実施してもよい。すなわち、内燃機関10に筒内圧センサを設置して、気筒内の圧力を直接にセンシングすることで、数式(1)に従って燃焼割合を算出してもよい。算出した燃焼割合から50%燃焼割合となるクランク角を特定し、その特定したクランク角から筒内容積を算出しても良い。このように、筒内圧センサに基づく筒内圧の検知結果を利用して、CA50での筒内容積を求めても良い。
実施の形態2.
[実施の形態2にかかる装置の構成]
実施の形態2にかかる点火時期制御装置のハードウェア構成は、実施の形態1の装置構成(図1に示す構成)と同様であるものとする。従って、ハードウェア構成については図示を省略する。
[実施の形態2にかかる装置の動作]
図6は、本発明の実施の形態2にかかる点火時期制御装置における、ノック学習の内容を説明するための模式図である。図6において、符号dθ/(dV/V)を付した太線の特性カーブを、「ベース特性カーブ」とも称す。このベース特性カーブは、単位筒内容積変化率あたりのクランク角変化量を示している。ここでいう筒内容積変化率dV/Vとは、微小筒内容積変化分dVを筒内容積Vで除した値である。CA50が異なる複数の運転状態について、筒内容積変化率dV/Vが1という値となるように筒内容積を変化させるために必要なクランク角変化量dθを表したのが、ベース特性カーブである。このベース特性カーブは、内燃機関10の幾何寸法であるクランク径およびコンロッド長から算出される理論値である。
一方、図6における細線の特性カーブS1およびS2は、それぞれ、点火時期補正量を表している。この点火時期補正量は、ベース点火時期に対する遅角量である。
実施の形態2のノック学習を概略的に説明する。実施の形態2における前提として、「容積変化率あたりのクランク変化量」と「点火時期補正量」とが比例するものとみなしている。以下の説明では、簡略化のため、「容積変化率あたりのクランク変化量」をdθ/(dV/V)と記すことがある。図6は、このような前提に基づいて作成された図であり、dθ/(dV/V)と点火時期補正量とがともに同一の目盛を有するグラフの縦軸上に記載されている。本実施の形態では、模式的には、図6に矢印で示すように、ベース特性カーブについて「全体を学習係数分だけ等倍」する計算が行われる。その結果、特性カーブS1やS2が得られ、この特性カーブS1やS2を利用して点火時期補正量が算出される。
つまり、ベース特性カーブに対して学習係数を乗じることで、ベース特性カーブが全体として学習係数倍された特性カーブS1が得られる。本実施の形態では、各々の運転状態においてCA50のクランク角ごとにこの特性カーブS1から決まる値を点火時期遅角量に設定する。これにより、ノック制御により得られた適切な点火時期学習値を点火時期制御に利用することができる。
実施の形態2にかかる点火時期制御装置は、ベース特性カーブと、ベース特性カーブに乗ずべき学習係数とを用いて、最終的に点火時期補正量を算出する。電子制御ユニット16は、このベース特性カーブを定めたマップを記憶しており、学習係数の書き込みおよび読み出しを可能とする記憶領域も備えている。
以下、実施の形態2において電子制御ユニット16の実行する処理内容を、「係数学習処理」と、「係数利用処理」の2つの処理に区分して説明する。
(係数学習処理)
内燃機関10において、第1の燃焼行程が、クランク角15度の位置にCA50が位置する運転状態で実施されたとする。つまり、この第1の燃焼行程は、ある機関回転数NE21、ある機関負荷KL21、ある点火時期SA21において燃焼が行われた結果、CA50がクランク角15度に位置するものである。この場合、ベース特性カーブ上におけるdθ/(dV/V)の値は、P1(°CA)である。これは、筒内容積変化率(dV/V)が1という値をとるように筒内容積を変化させるために、dθ=P1(°CA)だけ点火時期を変化させる必要があるという意味である。
実施の形態1と同様に、実施の形態2においても、電子制御ユニット16がノック制御すなわちノックセンサ15の出力に基づいてノックレベルが許容レベル以下となるように点火時期フィードバック制御を実施する。クランク角15度の位置にCA50が位置する運転状態でノック制御が実施され、このノック制御の結果(点火時期遅角量)を図6に示すマップ上に表した場合に、そのノック制御の結果としての点火時期遅角量がP2(°CA)であったとする。
実施の形態2では、電子制御ユニット16が、このP2/P1の値を学習係数として記憶する処理を実行する。上記の状況は、筒内容積変化率が1となるように筒内容積を変化させるためにP1(°CA)のクランク角変化量が理論上必要であるのに対し、実際のノック制御の結果として得られた点火時期遅角量はこれよりも少ないP2(°CA)であったことを意味している。従って、P2/P1という値は、前回のノック制御によって変化させられた筒内容積変化率を表すことになる。
図6に示すグラフの値と異なる数値ではあるが、理解を容易にするため、具体的に数値を例示して説明する。例えば、ベース特性カーブ上でのP1が5°CAであり、P2すなわちノック制御での遅角量が2°CAであったとする。この場合、クランク角を5°CAだけ変化させれば、筒内容積変化率が1となるような筒内容積変化を生じさせることができる。一方、クランク角を2°CAだけ変化させた場合は、これに応じて、筒内容積変化率は2/5すなわち0.4という値をとることになる。この場合の学習係数P2/P1は、0.4ということになる。
言い換えると、ノック制御において所望のノック抑制効果を実現するために点火時期を遅角させたのであるが、その遅角量は、筒内容積変化率が0.4という値を取るように筒内容積を変化(拡大)させる程度の遅角量だったことになる。
(係数利用処理)
次に、学習係数を利用する方法を説明する。上述した第1の燃焼行程の後に、内燃機関10において、第2の燃焼行程が、クランク角30度の位置にCA50が位置する運転状態で実施されるとする。つまり、この第2の燃焼行程は、ある機関回転数NE22、ある機関負荷KL22、ある点火時期SA22において燃焼が行われた結果、CA50がクランク角30度に位置するものである。この場合、図6のベース特性カーブの値は、P3(°CA)である。これは、1という筒内容積変化率(dV/V)を得るために、P3(°CA)だけ点火時期を変化させる必要があるという意味である。
ここで、実施の形態2では、上述した学習係数P2/P1を利用する。前述したように、この学習係数P2/P1は、前回のノック制御によって点火時期が遅角されたことで筒内容積が変化したときの、筒内容積変化率を表している。今回の運転状態(CA50がクランク角30度となる運転条件の場合)においても前回の運転状態(CA50がクランク角15度となる運転条件の場合)とときに実施したノック制御と同じノック抑制効果を得るためには、同じ筒内容積変化率での筒内容積拡大を生じさせる程度に、点火時期を遅角すればよい。同じ筒内容積変化率での筒内容積拡大とは、すなわち、筒内容積変化率が0.4という値をとるように、CA50での筒内容積の拡大を生じさせるという意味である。
ベース特性カーブをみると、CA50がクランク角30度となる運転状態では、dθ/(dV/V)の値がP3(°CA)である。これは、CA50がクランク角30度となる運転状態では、1という筒内容積変化率(dV/V)を得るために、P3(°CA)だけ点火時期を変化させる必要があるという意味である。
図6に示すグラフの値と異なるが、理解を容易にするため、具体的に数値を例示して説明する。例えば、P3が4°CAであるとする。この場合、CA50がクランク角30度となる運転状態では、クランク角を4°CAだけ変化させれば筒内容積変化率を1とすることができる。
電子制御ユニット16は、上述した学習係数P2/P1とP3の値とを乗算する。この計算で得た筒内容積変化率に基づいて、CA50がクランク角30度となる運転状態における、現時点での適切な点火時期遅角量を算出する。
例えば、前述の係数学習処理において、最終的に得られた学習係数の具体例は、P2/P1=0.4であった。そこで、CA50がクランク角30度となる運転状態においても、同様にベース特性カーブ値の0.4倍となる筒内容積変化率を実現するように点火時期を遅角すれば、CA50がクランク角15度となる運転状態で実現したノック制御と同じノック抑制効果を得ることができる。すなわち、CA50がクランク角30度となる運転状態においては、クランク角を4°CAだけ変化させれば筒内容積変化率を1とすることができる。この規則に従えば、筒内容積変化率をベース特性カーブ値の0.4倍としたいのであれば、4×0.4=1.6(°CA)だけ点火時期を遅角させればよい。
この計算方法を図6に記載した符号で説明すると、下記の式によってP4(°CA)が導き出される。
P4=(P2/P1)×P3 ・・・(9)
電子制御ユニット16は、このP4(°CA)の値を点火時期遅角量として設定する。これにより、他の運転状態においてノック学習を実施し、その学習結果を利用して今回の運転状態の点火時期を適切に設定することができる。
[実施の形態2にかかる装置の具体的制御処理]
図7は、本発明の実施の形態2にかかる点火時期制御装置において、電子制御ユニット16が実行するルーチンのフローチャートである。電子制御ユニット16は、このルーチンを、内燃機関10の運転中に、繰り返し、燃焼行程ごと(燃焼サイクルごと)に実行する。以下では、既に図7のルーチンが一度実行されて学習係数が一度得られた状態から、再度、図7のルーチンが実行される場合を説明するものとする。
図7のルーチンでは、先ず、電子制御ユニット16が、図5に示した実施の形態1の具体的処理と同様に、ステップS100、S102の処理を実行する。
次に、電子制御ユニット16は、点火時期補正値を算出する処理を実行する(ステップS204)。このステップS204の処理は、吸気温等、個別に判断可能な外乱について、点火時期補正量をクランク角度として算出する処理である。なお、それぞれの外乱の量(吸気温度変化量など)と、点火時期補正量との間の関係は、予めマップや計算式の形態で電子制御ユニット16内に記憶しておくものとする。このステップS204の処理の実行により、点火時期補正量(°CA)が、遅角量または進角量として算出される。
次に、電子制御ユニット16は、KCS点火時期学習量を算出する処理を実行する(ステップS206)。
これらのステップでは、電子制御ユニット16が、前述した「係数利用処理」を実施する。
先ず、ステップS206では、電子制御ユニット16が、上述した「係数学習処理」により学習された学習係数Kをメモリの所定記憶領域から読み出す処理を実行する。ここで、説明便宜上、本実施の形態では前回のノック学習が、「CA50がクランク角15度となる運転状態(すなわち、機関回転数NE21、ある機関負荷KL21、ある点火時期SA21)」において実施されたものとし、学習係数KにP2/P1の値が記憶されているものとする。なお、上記説明において例示した学習係数Kの具体的数値は0.4である。
電子制御ユニット16は、上記の学習係数Kを用いて、前述の数式(9)に従って、ノック抑制に必要な点火時期遅角量を計算するための処理を実行する。本実施の形態では、説明の便宜上、現在の運転状態が「CA50がクランク角30度となる運転状態」であるものとする。つまり、機関回転数NE22、ある機関負荷KL22、ある点火時期SA22であるものとする。
数式(9)に従う計算により、点火時期遅角量P4(°CA)が、(P2/P1)×P3と算出される。その結果、学習係数取得時の運転状態で実施したノック制御と同じ程度のノック抑制効果を得るように、点火時期遅角量P4を算出することができる。なお、前述の説明で例示した具体的数値は1.6(°CA)である。実施の形態2においても、点火時期遅角量とCA50の遅角量とが一致するものと取り扱う。
本実施の形態では、このステップS206において、ステップS204の点火時期補正量と、上述した学習係数Kから求めた点火時期遅角量P4とを、加算する処理が実行される。これにより、最終的な点火時期補正量が算出される。


そして、電子制御ユニット16は、ステップS206で計算した点火時期補正量を点火時期に反映させる処理を実行する(ステップS208)。電子制御ユニット16は、上記の一連の処理により求めた点火時期遅角量だけ、現在の点火時期SA22に対して点火時期を遅角するように点火時期制御を実施する。
次に、電子制御ユニット16は、実施の形態1と同様に、ノックセンサ15の出力に基づいて、点火時期のフィードバック制御処理を実行する(ステップS110)。なお、このステップに至る段階で、内燃機関10では燃焼行程が実施されており、ノックセンサ15によりノッキングが検出されうる状況となっているものとする。このステップでは、電子制御ユニット16がノック制御を実行することで、ノッキングが許容レベル以下となるように点火時期制御が実施される。このノック制御の初期値が、上記のステップS208で設定された点火時期(学習点火時期)である。
次に、電子制御ユニット16は、フィードバック補正量が所定値より大きいか否かを判定する処理を実行する(ステップS212)。処理内容は、実施の形態1のステップS212と同様であり、点火時期フィードバック補正量、つまりノック制御による点火時期遅角量が、学習点火時期に対して、所定値以上乖離しているかどうかが判別される。
ステップS212において、フィードバック補正量が所定値より大きいと判定されなかった場合には、学習係数Kの更新がされることなく、今回のルーチンが終了する。そして、次回の燃焼行程において再び図7のルーチンが実行される。
ステップS212において、フィードバック補正量が所定値より大きいと判定された場合には、電子制御ユニット16が、学習係数Kを算出し、この算出した値で学習係数を更新する処理を実行する(ステップS216)。
ステップS216では、前述した「係数学習処理」に従って、学習係数Kが算出される。つまり、今回のノック制御の結果として得られた点火時期遅角量P´を、P3で除算する。その値P´/P3の値が、新たに学習された学習係数Kであり、電子制御ユニット16はこのP´/P3を所定メモリ領域に記憶する記憶処理を実行する。これにより、学習係数Kの更新が完了する。
その後今回のルーチンが終了する。そして、次回の燃焼行程において再び図7のルーチンが実行される。
10 内燃機関
11 シリンダブロック
13 燃焼室
14 点火プラグ
14a イグナイタ
15 ノックセンサ
16 電子制御ユニット
17 クランク角センサ
19 スロットルセンサ
20 エアフローメータ

Claims (6)

  1. 内燃機関のノッキングを所定レベル以下とするように点火時期制御を実施するノック制御手段と、
    機関運転状態が第1運転状態にあるときに第1ベース点火時期で実施される燃焼行程における、所定燃焼割合クランク角での筒内容積を算出する第1筒内容積算出手段と、
    機関運転状態が前記第1運転状態にあるときに前記ノック制御手段での当該点火時期制御が実施された点火時期で実施される燃焼行程における、前記所定燃焼割合クランク角での筒内容積を算出する第2筒内容積算出手段と、
    前記第1筒内容積算出手段で算出した筒内容積から前記第2筒内容積算出手段で算出した筒内容積を減算した差分を前記第1筒内容積算出手段で算出した筒内容積で除算した値である筒内容積率を算出し、算出した筒内容積率を学習値として記憶する筒内容積率学習手段と、
    機関運転状態が前記第1運転状態と異なる第2運転状態にあるときに第2ベース点火時期で実施される燃焼行程における、前記所定燃焼割合クランク角での筒内容積を算出する第3筒内容積算出手段と、
    機関運転状態が前記第2運転状態にあるときに前記ノック制御手段による点火時期制御を実施するときの初期値としての点火時期である学習点火時期を設定する設定手段であって、前記学習値が増大するほど、前記学習点火時期で実施される燃焼行程における前記所定燃焼割合クランク角での筒内容積が拡大されるように前記学習点火時期を遅角側へ設定する設定手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の点火時期制御装置。
  2. 前記設定手段は、
    前記学習点火時期で実施される燃焼行程における前記所定燃焼割合クランク角での筒内容積が、前記第3筒内容積算出手段で算出した筒内容積に前記学習値を積算した積算値分だけ前記第3筒内容積算出手段で算出した筒内容積から変化するように、前記学習点火時期を設定するものであることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の点火時期制御装置。
  3. 前記所定燃焼割合クランク角は、燃焼割合が50%以上となるクランク角範囲から選択した1つのクランク角であることを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関の点火時期制御装置。
  4. 前記設定手段は、前記学習点火時期の遅角量に比例して前記所定燃焼割合クランク角が遅角するという規則にしたがって、前記所定燃焼割合クランク角での筒内容積を算出する手段を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の内燃機関の点火時期制御装置。
  5. 所定燃焼割合クランク角での筒内容積のベース値であるベース筒内容積値を機関運転状態ごとに定めた情報を記憶したベース値記憶手段をさらに備え、
    前記第1筒内容積算出手段は、前記ベース値記憶手段で記憶した複数個のベース筒内容積値のうち前記第1運転状態に対応する値を、前記所定燃焼割合クランク角での筒内容積として読み出す手段を含み、
    前記第3筒内容積算出手段は、前記ベース値記憶手段で記憶した複数個のベース筒内容積値のうち前記第2運転状態に対応する値を、前記所定燃焼割合クランク角での筒内容積として読み出す手段を含む、
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の内燃機関の点火時期制御装置。
  6. 内燃機関のノッキングを所定レベル以下とするように点火時期制御を実施するノック制御手段と、
    単位筒内容積変化率あたりのクランク角変化量とクランク角との間の関係を定めた特性を記憶した記憶手段と、
    機関運転状態が第1運転状態にあるときの燃焼行程における、所定燃焼割合クランク角を検知又は推定により求める第1クランク角取得手段と、
    前記特性に従って、前記第1クランク角取得手段で求めた前記所定燃焼割合クランク角における、単位筒内容積変化率あたりのクランク角変化量の値を、第1特性値として算出する第1特性値算出手段と、
    前記第1運転状態で前記ノック制御手段による点火時期制御が実施された場合に、この点火時期制御により得られた遅角量と前記第1特性値との比を、学習係数として記憶する学習手段と、
    機関運転状態が前記第1運転状態と異なる第2運転状態にあるときの燃焼行程における、前記所定燃焼割合クランク角を検知又は推定により求める第2クランク角取得手段と、
    前記特性に従って、前記第2クランク角取得手段で求めた前記所定燃焼割合クランク角における、単位筒内容積変化率あたりのクランク角変化量の値を、第2特性値として算出する第2特性値算出手段と、
    機関運転状態が前記第2運転状態にあるときに前記ノック制御手段による点火時期制御を実施するときの点火時期遅角量の初期値である学習遅角量を設定する設定手段であって、前記第2特性値に対して前記学習係数を乗じた値に基づいて、前記学習遅角量を設定する設定手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の点火時期制御装置。
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