JP5891892B2 - 高塩分環境下で耐候性に優れたさび層付き鋼材 - Google Patents

高塩分環境下で耐候性に優れたさび層付き鋼材 Download PDF

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Description

本発明は、主に橋梁などの屋外で用いられる鋼構造物に使用される鋼材に関し、特に海岸沿いや海岸近傍の地域(以下、単に「海岸地域」いう)などのように、高塩分が存在する厳しい腐食環境下であっても、無塗装で耐食性(裸耐食性ともいう)に優れたさび層付き鋼材に関する。
従来から、橋梁などの屋外で用いられる鋼構造物においては、耐候性鋼が用いられている。耐候性鋼は、大気暴露環境において、Cu、P、Cr、Niなどの合金元素が濃化した保護性の高いさび層に表面が覆われることにより、腐食速度を著しく低下させた鋼材である。その優れた耐候性により、耐候性鋼を使用した橋梁は、通常、無塗装のまま数十年間の使用に耐えることが知られている。しかしながら、海岸地域などのように、飛来塩分量が多い、厳しい腐食環境下では、上記保護性の高いさび層は鋼表面に生成しにくく、実用的な耐候性が得難いという問題がある。なお、本願で言う飛来塩分量とは、1年間の平均飛来塩分量のことを意味し、JIS Z2382(1998)記載の「ドライガーゼ法による塩化物の測定」に準じて1年間にわたり毎月の飛来塩分量を測定し、それを平均して年平均飛来塩分量を算出したものである。
非特許文献1によれば、従来の耐候性鋼(JIS G 3114 :溶接構造用耐候性熱間圧延鋼材)は、飛来塩分量が0.05 mg・NaCl/dm/day(以降、単位表示「mg・NaCl/dm/day」を、単に「mdd」として簡略表記する場合がある)以下の地域でのみ、無塗装での使用が可能であるとしている。
従って、海岸地域などの飛来塩分量が多い、厳しい腐食環境下では、普通鋼材(JIS G 3106:溶接構造用圧延鋼材)の表面に塗装等の防食措置を施して使用するのが一般的である。
しかしながら、塗装は、時間の経過とともに塗膜が劣化し、定期的な補修が必要となり、加えて、人件費が高騰するとともに、再塗装するのが困難であるという問題がある。このような理由から、現在、飛来塩分量が多い、厳しい腐食環境下においても、無塗装で使用可能な鋼材を開発することが強く求められようになってきた。
このような現状に対して、近年、海岸地域などの飛来塩分量が多い、厳しい腐食環境下においても無塗装で使用可能な鋼材として、種々の合金元素、特にNiを多量に含有させた鋼材が開発されている。
例えば、特許文献1では、耐候性向上元素として、Cuと1%以上のNiを添加した高耐候性鋼材が開示されている。また、特許文献2では、1%以上のNiとMoを添加した耐候性に優れた鋼材が開示されている。さらに、特許文献3では、Niを多量に含有し、加えてMo、Sn、Sb、P等を含有した耐候性に優れた溶接構造用鋼が開示されている。その他、特許文献4では、Ti添加によりβ−FeOOHの結晶子サイズを微細にしたさび層が形成されることを特徴とした耐食性に優れた鋼材が開示されている。
特許第3785271号公報 特許第3846218号公報 特開平10−251797号 特開平13−152374号
耐候性鋼材の橋梁への適用に関する共同研究報告書(XX) 、1993. 3、建設省土木研究所、(社)鋼材倶楽部、(社)日本橋梁建設協会
しかしながら、特許文献1、2のように、高価なNiの含有量を増加させた場合、合金コストの上昇により鋼材の価格が上昇してしまうという問題点がある。また、特許文献3のように、高価なNi含有量を増加させ、加えて、Mo、Sn、Sb、P等を含有した鋼材では、合金コストの上昇により鋼材の価格が上昇する。さらに、特許文献4は、Ti添加によるβ−FeOOHを含むさび構造の微細化によって耐食性を向上させているが、より高塩分環境下で十分な耐食性を発揮しにくいという問題点がある。
本発明の目的は、特に海岸地域などの飛来塩分量が多い、厳しい腐食環境下であっても、無塗装で耐食性に優れたさび層付き鋼材を提供することにある。
本発明者らは、飛来塩分量が多い、厳しい腐食環境下での耐食性向上について鋭意検討した結果、ある適正含有量の、NbおよびSnの元素を含むさび層を素地鋼材表面に形成することにより、無塗装で耐食性に優れたさび層付き鋼材を開発することに成功した。
すなわち、本発明の要旨構成は以下の通りである。
[1]素地鋼材の表面にさび層を形成してなるさび層付き鋼材において、該さび層は、NbおよびSnを含有し、かつ前記さび層中のNb原子数は、Fe原子数100に対し最大値にして0.01以上であり、前記さび層中のSn原子数は、Fe原子数100に対し最大値にして0.005以上であることを特徴とする耐食性に優れたさび層付き鋼材。
[2]前記[1]において、前記素地鋼材は、質量%で、Nb:0.005%以上0.200%以下およびSn:0.005%以上0.200%以下の成分を含有することを特徴とする耐食性に優れたさび層付き鋼材。
[3]前記[1]または[2]において、前記さび層の素地鋼材側部分は、NbおよびSnの元素を含むβ−オキシ水酸化鉄(β−FeOOH)を含有することを特徴とする耐食性に優れたさび層付き鋼材。
本発明によれば、低コストかつ無塗装で耐食性に優れたさび層付き鋼材の提供が可能になる。本発明のさび層付き鋼材は、耐食性向上に有効な元素を適量且つ有効に含有させることで、Niなどの高価な元素を多量に含有させることなく低コストで、飛来塩分量が多い、厳しい腐食環境下であっても優れた耐侯性を発揮することができる。本発明は、飛来塩分量が0.05mdd超えの高飛来塩分環境下において、特に顕著な効果を発揮することができる。
本発明に従うさび層付き鋼材のさび層中のNbとSnの含有量について、Fe 原子数100に対するSn原子数とNb原子数との関係を示した図である。
次に、本発明の実施形態について以下で詳細に説明する。
本発明に従うさび層付き鋼材は、素地鋼材の表面にさび層を形成してなるさび層付き鋼材であって、該さび層のNbおよびSnの原子数は、Fe原子数100に対し最大値にして、それぞれ0.01以上および0.005以上である。
まず、本発明の耐食性に優れたさび層付き鋼材について説明する。なお、以下に示す成分の含有量の単位である「%」は、特に断らない限り「質量%」を意味するものとする。
素地鋼材としては、特に限定はしないが、例えば、質量%で、前記素地鋼材は、質量%で、Nb:0.005%以上0.200%以下およびSn:0.005%以上0.200%以下の成分を含有する成分組成を有する熱延鋼板等の鋼材が挙げられる。
以下に、素地鋼材の好適な組成成分の限定理由を記載する。
Nb:0.005%以上0.200%以下
Nbは、本発明において最も重要な成分のうちの一つであって、Snとβ-FeOOHに濃化することにより、高塩分環境における鋼材の耐候性を著しく向上させる効果がある。NbとSnの濃化層は位置が異なっており、Clイオンの侵入抑制サイトの増加・強化を図っている。また、アノード部においてさび層と素地鋼材(地鉄)の界面付近に濃化し、アノード反応やカソード反応を抑制する。これらの効果を充分に得る為には、Nb含有量を0.005%以上含有することが好ましい。一方、0.200%を超えると靭性が低下する傾向がある。したがって、Nb含有量は0.005%以上0.200%以下とすることが好ましい。
Sn:0.005%以上0.200%以下
Snは、本発明において最も重要な成分の一つであって、Nbとβ-FeOOHに濃化することにより、高塩分環境における鋼材の耐候性を著しく向上させる効果がある。また、鋼材表面にSnを含む酸化皮膜を形成し、鋼材のアノード反応やカソード反応を抑制することで構造用鋼材の耐侯性を向上させる。これらの効果を充分に得る為には、Sn含有量を0.005%以上含有することが好ましい。一方、Sn含有量が0.200%を超えると、鋼の延性や靭性の劣化を招く傾向がある。したがって、Sn含有量は0.005%以上0.200%以下とすることが好ましい。
以上、本発明の鋼中に含有させる基本成分について説明したが、本発明ではその他の任意含有成分として、例えば、C:0.020%以上0.140%未満、Si:0.05%以上2.00%以下、Mn:0.20%以上2.00%以下、P:0.005%以上0.030%以下、S:0.0001%以上0.0200%以下、Al:0.001%以上0.100%以下、Cu:0.10%以上1.00%以下およびNi:0.10%以上0.65%未満を含有することができる。
以下に、素地鋼材の好適な任意含有成分の限定理由を記載する。
C:0.020%以上0.140%未満
Cは、構造用鋼材の強度を向上させる元素であり、所定の強度を確保する為0.020%以上含有することが好ましい。一方、C含有量が0.140%以上では溶接性および靭性が劣化する傾向がある。したがって、C含有量は0.020%以上0.140%未満とすることが好ましい。
Si 0.05%以上2.00%以下
Siは、製鋼時の脱酸剤として、また、構造用鋼材の強度を向上させ所定の強度を確保する元素として、0.05%以上含有することが好ましい。一方、Si含有量が2.00%を超えて過剰に含有すると靭性および溶接性が著しく劣化する傾向がある。したがって、Si含有量は0.05%以上2.00%以下とすることが好ましい。
Mn:0.20%以上2.00%以下
Mnは、構造用鋼材の強度を向上させる元素であり、所定の強度を確保する為に0.20%以上含有することが好ましい。一方、Mn含有量が2.00%を超えて過剰に含有すると靭性および溶接性が劣化する傾向がある。したがって、Mn含有量は0.20%以上2.00%以下とすることが好ましい。
P:0.005%以上0.030%以下
Pは、構造用鋼材の耐候性を向上させる元素である。このような効果を得る為にはP含有量を0.005%以上含有することが好ましい。一方、P含有量が0.030%を超えて含有すると溶接性が劣化する傾向がある。したがって、P含有量は0.005%以上0.030%以下とすることが好ましい。
S:0.0001%以上0.0200%以下
Sは、0.0200%を超えて含有すると溶接性および靭性が劣化する傾向がある。一方、S含有量を0.0001%未満まで低減することは生産コストの増大を招く。したがって、S含有量は0.0001%以上0.0200%以下とすることが好ましい。
A1:0.001%以上0.100%以下
Alは、製鋼時の脱酸に必要な元素である。このような効果を得る為、Al含有量として0.001%以上含有することが好ましい。一方、Al含有量が0.100%を超えると溶接性に悪影響を及ぼす傾向がある。したがって、Al含有量は0.001%以上0.100%以下とすることが好ましい。
Cu:0.10%以上1.00%以下
Cuは、さび粒を微細化することで徽密なさび層を形成し、構造用鋼材の耐候性を向上させる効果を有する。このような効果はCu含有量が0.10%以上で得られる。一方、Cu含有量が1.00%を超えると、Cu消費量増加に伴うコスト上昇を招くだけである。したがって、Cu含有量は0.10%以上1.00%以下とすることが好ましい。
Ni:0.10%以上0.65%未満
Niは、さび粒を微細化することで徽密なさび層を形成し、構造用鋼材の耐候性を向上させる効果を有する。この効果を充分に得る為にはNi含有量を0.10%以上とすることが好ましい。一方、Ni含有量が0.65%以上であるとNi消費量増加に伴うコスト上昇を招くだけである。したがって、Ni含有量は0.10%以上0.65%未満とすることが好ましい。
なお、残部はFeおよび不可避的不純物である。ここで不可避的不純物として、N:0.010%以下、O:0.010%以下、Ca:0.0010%以下が許容できる。特に、不可避的不純物として含有するCaは、鋼中に多量に存在すると溶接熱影響部の靭性を劣化させることに加えて、後述するさび層形成に影響を及ぼす為、0.0010%以下とすることが好ましい。
本発明における素地鋼材は、上記成分組成を有する鋼を通常の連続鋳造や分塊法により得られたスラブを熱間圧延することにより厚板や形鋼、薄鋼板、棒鋼等の鋼材に製造され、得られる。加熱、圧延条件は、要求される材質に応じて適宜決定すればよく、制御圧延、加速冷却、あるいは再加熱熱処理等の組合せも可能である。また、上記成分以外の元素は、靭性および溶接性等の要求に従って適量添加してよい。
本発明では、高塩分環境下で耐食性を向上させるため、上記素地鋼材に、適正化を図ったさび層を形成することが必要となる。
上記成分組成を有する素地鋼材の表面にさび層について説明する。
一般に素地鋼材表面に形成されるさび層を構成する成分の種類としては、例えば、α−FeOOH、β−FeOOH、γ−FeOOHといった結晶性オキシ水酸化鉄とFe、X線的非晶質物質がある。高塩分の環境下では、Feが多く、β−FeOOHが共存しており、空隙内に塩化物Clイオンを含む不安定なβ−FeOOHを起点にして、腐食が進行する。また、Clイオンの影響によって、これらさびの結晶化が促進し、欠陥の多いさび層となって緻密性が低下する為、海岸地域等では、多量の塩化物Clイオンがさび層深くまで侵入し、地鉄界面に濃化してしまう。従って、塩分量の多い過酷な腐食環境下で耐食性を高める為には、β−FeOOHを起点として発生する腐食の進行を如何にして抑えるか、また地鉄界面への腐食促進物質である塩化物Clイオンの侵入を防ぐかが重要となる。
本発明者らは、塩分量の多い環境下の耐食性を向上させるための検討を行ったところ、NbおよびSnのいずれか1種のみを含むさび層の形成では耐食性向上が達成できず、NbおよびSnを適正量含有するさび層を形成することによって、耐食性が格段に向上することを見出した。ここで、「さび層」とは、α−FeOOH、β−FeOOH、γ−FeOOHの結晶性オキシ水酸化鉄、Fe、X線的非晶質物質の何れかもしくは複数種により構成される。
さらに、NbおよびSnの適正含有量について検討した。上記成分組成を有する、厚さ:6mmの熱延鋼板を素地鋼材として用い、この熱延鋼板からサイズ:35mm×35mm×5mmの試験片を採取し、鋼板表面に、算術平均粗さRaが1.6μm以下となるよう研削加工を施した。次に、この試験片について、温度40℃、相対湿度40%RHの乾燥雰囲気内で11時間放置し、その後、1時間の移行時間をとった後、温度25℃、相対湿度95%RHの湿潤雰囲気内で11時間放置し、その後、1時間の移行時間をとる、合計24時間の工程を1サイクルとして、1日1サイクルを1年間(365日)繰り返すとともに、試験片の表面に付着する塩分が0.2mddとなるような量の人工海水溶液(1.4mg/dmの塩分が付着するような量の人工海水溶液)を週に一回、乾燥工程中に試験片の表面に塗布することによりさび形成を行った。この時、耐食性に対して有効なさび層形成を促進する望ましい形態は、付着塩分量0.1mdd以上である。なお、付着塩分量が0.05mdd超えの場合に本発明のさび層は形成される。しかしながら、付着塩分量の低い雰囲気の場合すなわち付着塩分量が0.05mdd以下の場合は、本発明のさび層を形成するのに時間がかかることになる。
一方、付着塩分量が0.30mdd以下でさび層を形成することが必要である。0.30mdd超えでは、さび層中に多量のClが侵入することによって、Nb、Snの濃度の高い緻密なさびがさび層中に生成しにくくなる。その結果、本発明のさび層が形成されなくなり、耐候性の悪いさび層を持った鋼材となってしまう。
上記によりさび形成を行った試験片は、その後さらに6ヶ月間、0.2mddの高塩分環境下で腐食試験を行った。腐食試験終了後、試験片は、塩酸にヘキサメチレンテトラミンを加えた水溶液に浸漬して脱さびしてから重量を測定し、さび形成前の試験片の初期重量と、脱さび後の試験片重量との差を求めて片面当りの平均腐食速度(μm/年)を求めた。この平均腐食速度が60μm/年以下であれば、従来の耐候性鋼に比べて、裸耐食性に優れているとして評価した。
次いで、平均腐食速度とさび層中のNb、Snの含有量との関係を調査した。さび層中のNb、Snそれぞれの含有量(Fe原子数100に対する原子数)は種々の方法で求めることができるが、一例として、電子線マイクロアナライザ(EPMA)により求める方法を以下に示す。
まず、さび層付き鋼材の断面試料を作成する。さび層付き鋼材の試験片をせん断後、樹脂へ埋め込み(直径25 mm)、次いで、エタノール使用(水不使用)で研摩#4000仕上げを施した。電子線マイクロアナライザ(EPMA)の測定条件は、加速電圧15kV、照射電流2×10−7A、ビーム径2μm、走査範囲1.5mm×0.5mmである。
ここでは含有量の算出方法をNbの場合を用いて説明する。
素地鋼材(母材)につき任意点5箇所につき測定を行い、Fe、NbそれぞれのX線強度の平均を求め、それぞれIFeStnd、INbStndとし、INbStndをIFeStndで除算したものを基準値とした。さらに、さび層内の任意の場所10万点につき測定し、NbのX線強度が高い方から上位30点につきFe、NbそれぞれのX線強度の平均を求め、それぞれIFeAve、INbAveとし、INbAveをIFeAveで除算したものを濃化指数とした。得られた濃化指数を基準値で除算したものに素地鋼材(母材)のFe原子数100に対するNb原子数を乗算し、さび層中のNbの濃度(Fe原子数100に対するNb原子数)を算出した。この手順によりSnの含有量も同様に求めることができる。素地鋼材(母材)のFe原子数100に対するNb、Snの原子数は素地鋼材(母材)作製の際のFeに対する各成分の添加比、または、素地鋼材(母材)の湿式分析(従来公知)により求めることができる。また、各元素のX線強度を求めるに当たっては、バックグラウンドの補正等を適宜行なってもよい。
以上により得られた結果を図1に示す。上記の耐食評価方法により、耐食性が優れているものを「○」、劣るものを「×」として図中に表記した。
図1の結果から、さび層中のNb、Snの原子数が、Fe原子数100に対して最大値でNb:0.01以上およびSn:0.005以上であるとき、耐食性に優れていることがわかる。
よって、本発明では、さび層は、NbおよびSnを含有し、かつ前記さび層中のNb原子数は、Fe原子数100に対し最大値にして0.01以上であり、前記さび層中のSn原子数は、Fe原子数100に対し最大値にして0.005以上とする。
一方、さび層中のNb、Sn原子数をFe原子数100に対し最大値にしてそれぞれ0.5超にしようとすると、素地鋼材(母材)の成分においてNbやSnを多くする必要がある。これは延性や靭性の劣化等の問題に加えてコスト上昇を招くことになる。特に、素地鋼材(母材)中のNbを増やした場合、析出する炭化ニオブ(NbC)の増加によって固溶ニオブ量が減少し、耐食性に悪影響を与える。そのため、さび層中のNb、Sn原子数はFe原子数100に対し最大値にして0.5以下が好ましい。
また、素地鋼材から100μm未満のさび層部分の任意箇所から、集束イオンビーム加工(FIB)により作製したさび試験片を、透過電子顕微鏡(TEM)を用いて観察するとともに、電子回折パターンにより、濃化しているNb、Snの位置においてさび層の同定を行った。その結果、NbおよびSnの成分は、共にβ−オキシ水酸化鉄(β−FeOOH)に位置しており、さび層の素地鋼材側部分は、NbおよびSnの元素を含むβ−オキシ水酸化鉄(β−FeOOH)を含有していることが分かった。このことが塩分量の多い環境下でもさび安定化を図り、耐食性を向上させていると推定される。
よって、さび層の素地鋼材側部分は、NbおよびSnの元素を含むβ−オキシ水酸化鉄(β−FeOOH)を含有することが好ましい。
なお、Nb、Snが存在する位置のさびの同定には、TEMを用いた電子回折パターンの他、ラマン分光等が挙げられ、特に、高い位置分解能でのさび層の同定においては、回折パターン解析が推奨される。
さらに、電子線マイクロアナライザ(EPMA)の深さ方向に対するライン分析により、さび層中で、腐食の進行が顕著である部分であると考えられる孔食さび部のNbおよびSn元素が濃化している濃化層の個数(個)についても調査した。ここで濃化層とは、孔食さび部中のNbおよびSnの含有量が、素地鋼材(母材)のFe原子数100に対するNbおよびSnの原子数を基準にして求めたFe原子数100に対するNb、Snの原子数:0.03および0.02よりも高い層であって、濃化層の厚さ(ラインプロファイル上のピーク半値幅)が15μm以下のものを意味する。そして、濃化層の平均個数を求め濃化層の個数(個)とした。濃化層の個数を測定するための条件は、加速電圧:15kV、照射電流:2×10−7A、ビーム径:2μmである。任意に選択した5箇所の孔食さび部について、ライン分析を行った結果から孔食さび部のNbおよびSnの濃化層の平均個数を算出した。
一例として、C:0.091%、Si:0.20%、Mn:0.70%、P:0.019%、S:0.0034%、sol.Al:0.031%、N:0.0032%、O:0.0026%、Cu:0.30%、Ni:0.21%、Nb:0.052%およびSn:0.052%を含有する素地鋼材の表面に、前述したさび形成方法によってさび層を形成したさび層付き鋼材(素地鋼材)のさび層の孔食さび部についてライン分析を行った。その結果、Fe原子100に対してさび層中のNbの含有量は0.111であり、Snの含有量は0.060であり、上述した腐食試験を行ったところ、平均腐食速度は54.6μm/年であり、耐食性が優れているのが確かめられた。この孔食さび部における、NbおよびSnの濃化層の存在箇所は、それぞれ8.1個と4.2個であった。濃化層の存在箇所が多い程、鋼への腐食促進物質の侵入抑制作用により耐食性向上が図られることがわかる。
以上の結果より、本発明では、さび層中のNb原子数およびSn原子数の規定に加え、鋼への腐食促進物質の侵入抑制作用により耐食性向上の観点から、前記濃化層の個数は、Nbが5個以上、Snが3個以上であることが好ましい。また、Nb、Snの各濃化層が重なることで腐食因子抑制サイトの増加・強化できることから、それぞれのピーク半値幅が重なるように存在することは、より望ましい濃化形態となる。
表1に示す成分組成を有するNo.1〜14を溶製し、1150℃に加熱した後、熱間圧延を行い、室温まで空冷して厚さ6mmの熱延鋼板を試作した。次いで、得られた鋼板からサイズ:35mm×35mm×5mmの試験片を採取した。試験片は、表面に、算術平均粗さRaが1.6μm以下となるよう研削加工を施し、端面、裏面をテープシールし、試験片の表面露出部の面積が25mm×25mmとなるよう表面もテープシールした。
以上により得られた試験片について、温度40℃、相対湿度40%RHの乾燥雰囲気内で11時間放置し、その後、1時間の移行時間をとった後、温度25℃、相対湿度95%RHの湿潤雰囲気内で11時間放置し、その後、1時間の移行時間をとる、合計24時間の工程を1サイクルとして、1日1サイクルを1年間(365日)繰り返すとともに、試験片の表面に付着する塩分が耐食性に有効なさび層を形成するのに好適な0.2mddとなるような量の人工海水溶液(1.4mg/dmの塩分が付着するような量の人工海水溶液)を週に一回、乾燥工程中に試験片の表面に塗布することによりさび形成を行った。このさび形成を行った試験片に対し、その後さらに6ヶ月間、付着塩分量0.2mddの高塩分環境下で腐食試験を行った。腐食試験終了後、試験片は、塩酸にヘキサメチレンテトラミンを加えた水溶液に浸漬して脱さびしてから重量を測定し、さび形成前の試験片の初期重量と、脱さび後の試験片重量との差を求めて片面当りの平均腐食速度(μm/年)を求めた。この平均腐食速度が60μm/年以下であれば、耐食性が優れているとして評価した。
また、各試験片について、任意に選択した5箇所の孔食さび部について、上述した電子線マイクロアナライザ(EPMA)の深さ方向に対するライン分析によって、さび層中で、腐食の進行が顕著である部分であると考えられる孔食さび部のNbおよびSn元素が濃化している濃化層の個数(個)についても調査した。NbまたはSnの濃化層が無い場合は、「×」と表2中に表記した。
表2に、さび層中のNb、Snの含有の有無およびNb、Sn成分の含有量(Fe原子数100に対するNb、Snの原子数)、濃化層の平均個数、平均腐食速度の結果を示す。なお、これらの測定方法は、上述の方法と同様である。
Figure 0005891892
Figure 0005891892
表2の結果から、さび層中のNb、Snの原子数が、Fe原子数100に対して、最大値でNb:0.01以上およびSn:0.005以上の範囲内である発明例1〜6は、いずれも平均腐食速度が57.2μm/年以下であり、高塩分が存在する厳しい腐食環境下であっても、従来の耐候性鋼に比べて耐食性に優れている。さらに、発明例1〜6における濃化層の平均個数は、いずれもNbが5個以上、Snが3個以上となっている。
一方、さび層中に、NbおよびSn成分の含有量が本発明範囲外である比較例1〜7は、いずれも平均腐食速度が65μm/年超えであり、高塩分が存在する厳しい腐食環境下での耐食性が劣っている。
また、鋼材中に高価なNiを1.53%と多量に含有させた参考例1は、耐食性は発明例1〜6と同等レベルであるものの、製品コストが発明例1〜6に比べて約30%以上高くなった。
実施例1と同様の方法にて、表1に示す成分組成を有する鋼板の試験片を作製した。試験片は、表面に、算術平均粗さRaが1.6μm以下となるよう研削加工を施し、端面、裏面をテープシールし、試験片の表面露出部の面積が25mm×25mmとなるよう表面もテープシールした。
以上により得られた試験片について、温度40℃、相対湿度40%RHの乾燥雰囲気内で11時間放置し、その後、1時間の移行時間をとった後、温度25℃、相対湿度95%RHの湿潤雰囲気内で11時間放置し、その後、1時間の移行時間をとる、合計24時間の工程を1サイクルとして、1日1サイクルを1年間(365日)繰り返すとともに、試験片の表面に付着する付着塩分量が0.10〜0.40mddとなるような量の人工海水溶液を週に一回、乾燥工程中に試験片の表面に塗布することによりさび形成を行った。人工海水溶液の塗布は、たとえば、0.3mddの場合、2.1mg/dmの塩分が試験片表面に付着する量の人工海水溶液を試験片表面に塗布した。このさび形成を行った試験片に対し、その後さらに6ヶ月間、付着塩分量0.2mddの高塩分環境下で腐食試験を行った。腐食試験終了後、実施例1と同様の方法にて、平均腐食速度(μm/年)を求めた。この平均腐食速度が60μm/年以下であれば、耐食性が優れているとして評価した。
また、各試験片について、実施例1と同様の方法にて、NbおよびSn元素が濃化している濃化層の個数(個)についても調査した。NbまたはSnの濃化層が無い場合は、「×」と表3中に表記した。
表3に、さび層中のNb、Snの含有の有無およびNb、Sn成分の含有量(Fe原子数100に対するNb、Snの原子数)、濃化層の平均個数、平均腐食速度の結果を示す。なお、これらの測定方法は、上述の方法と同様である。
Figure 0005891892
表3の結果から、さび層中のNb、Snの原子数が、Fe原子数100に対して、最大値でNb:0.01以上およびSn:0.005以上の範囲内である発明例7〜15は、いずれも平均腐食速度が57.3μm/年以下であり、高塩分が存在する厳しい腐食環境下であっても、従来の耐候性鋼に比べて耐食性に優れている。さらに、発明例7〜15における濃化層の平均個数は、いずれもNbが5個以上、Snが3個以上となっている。
一方、さび層中に、NbおよびSn成分の含有量が本発明範囲外である比較例8〜17は、いずれも平均腐食速度が63.9μm/年超えであり、高塩分が存在する厳しい腐食環境下での耐食性が劣っている。
本発明によれば、低コストかつ無塗装で耐食性に優れたさび層付き鋼材の提供が可能になった。本発明の鋼材は、耐食性向上に有効な元素を適量且つ有効に含有させることで、Niなどの高価な元素を多量に含有させることなく低コストで、飛来塩分量が多い、厳しい腐食環境下であっても優れた耐侯性を発揮することができる。本発明は、飛来塩分量が0.05mdd超えの高飛来塩分環境下において、特に顕著な効果を発揮することができる。

Claims (3)

  1. 素地鋼材の表面にさび層を形成してなるさび層付き鋼材において、
    該さび層は、NbおよびSnを含有し、かつ前記さび層中のNb原子数は、Fe原子数100に対し下記測定方法で測定した最大値にして0.01以上であり、前記さび層中のSn原子数は、Fe原子数100に対し下記測定方法で測定した最大値にして0.005以上であることを特徴とする耐食性に優れたさび層付き鋼材。
    (測定方法)
    さび層付き鋼材の試験片をせん断後、樹脂へ埋め込み(直径25 mm)、次いで、エタノール使用(水不使用)で研摩#4000仕上げを施し、断面試料を得る。この試料を用いて、電子線マイクロアナライザ(EPMA)により測定する。電子線マイクロアナライザ(EPMA)の測定条件は、加速電圧15kV、照射電流2×10 −7 A、ビーム径2μm、走査範囲1.5mm×0.5mmとする。
    Fe原子数100に対する原子数の算出方法はNbの場合以下の通りとする。
    素地鋼材(母材)につき任意点5箇所につき測定を行い、Fe、NbそれぞれのX線強度の平均を求め、それぞれI FeStnd 、I NbStnd とし、I NbStnd をI FeStnd で除算したものを基準値とした。さらに、さび層内の任意の場所10万点につき測定し、NbのX線強度が高い方から上位30点につきFe、NbそれぞれのX線強度の平均を求め、それぞれI FeAve 、I NbAve とし、I NbAve をI FeAve で除算したものを濃化指数とする。得られた濃化指数を基準値で除算したものに素地鋼材(母材)のFe原子数100に対するNb原子数を乗算し、さび層中のNbの濃度(Fe原子数100に対するNb原子数)を最大値として算出する。
    なお、Snの原子数の測定方法は上記測定方法のNbをSnとする。
  2. 前記素地鋼材は、質量%で、Nb:0.005%以上0.200%以下およびSn:0.005%以上0.200%以下の成分を含有することを特徴とする請求項1に記載の耐食性に優れたさび層付き鋼材。
  3. 前記さび層の素地鋼材側部分は、NbおよびSnの元素を含むβ−オキシ水酸化鉄(β−FeOOH)を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の耐食性に優れたさび層付き鋼材。
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