JP5890271B2 - 音叉型屈曲水晶振動素子及びその製造方法 - Google Patents

音叉型屈曲水晶振動素子及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、電子機器などに用いられる音叉型屈曲水晶振動素子及びその製造方法に関する。
コンピュータ、携帯電話又は小型情報機器等の電子機器には、電子部品の一つとして水晶振動子又は水晶発振器が搭載されている。この水晶振動子又は水晶発振器は、基準信号源やクロック信号源として用いられる。そして、水晶振動子や水晶発振器の内部に、音叉型屈曲水晶振動素子(以下「振動素子」と略称する。)が搭載されている。以下、特許文献1に記載の振動素子について説明する。
図6及び図7に示すように、関連技術の振動素子100’は、水晶振動片10’、励振電極21a,21b、接続電極22a,22b、配線パターン23a,23bから主に構成されている。図中のX軸、Y’軸及びZ’軸は、水晶基板の結晶軸である。
水晶振動片10’は、基部11、振動腕部12、突起部13’により構成される。振動腕部12は、第一振動腕部12a及び第二振動腕部12bからなる。水晶振動片10’は、フォトリソグラフィ技術、化学エッチング技術、成膜技術により製造される。振動腕部12には、溝部161〜164が設けられている。
突起部13’の先端側には、延設方向に沿ってスリット14が設けられている。スリット14は、突起部13’の厚み方向に貫通している。突起部13’の幅13w’は、先端から基端まで同じ大きさになっている。
突起部13’に設けられたこのスリット14は、振動腕部12の側面に励振電極21a,21bをスパッタ技術及びフォトリソグラフィ技術にて形成する際に、第一振動腕部12aの側面の励振電極21bと第二振動腕部12bの側面の励振電極21aとが繋がらないようにする役割を果たす。
次に、このスリットの14の役割を説明するために、振動素子100’の製造方法を説明する。
まず、水晶ウェハ(図示せず)の表裏に、耐食膜(図示せず)をスパッタリングにて成膜する。続いて、水晶ウエハ表裏の耐食膜上に感光性レジスト(ポジ型)を形成し、その感光性レジストを乾燥した後、表裏の両面に音叉形状の耐食膜が残るように耐食膜をパターン化(露光、現像、乾燥)し、音叉形状以外の耐食膜をエッチングで除去する。
続いて、表裏の耐食膜上に、電極の形状を決定するために感光性レジスト(ポジ型)をパターン化する。スリット14となる水晶部分は、耐食膜を介することなく、感光性レジストで直接覆われる。
続いて、露出している水晶部分をウェットエッチングで除去する。このとき、スリット14の形状と水晶振動片10’の形状とが、同時に形成される。つまり、この感光性レジストを残した状態で、基部11と振動腕部12と突起部13’とが形成される。なお、突起部13’を覆う感光性レジストは、スリット14を跨いだ状態で残されている。
続いて、水晶振動片10’の表裏面に露出した耐食膜を、エッチングで除去する。これにより、水晶表面を得る。
続いて、感光性レジストを残した状態の水晶振動片10’の全面に、電極膜をスパッタ技術により形成する。このとき、スリット14を跨いで突起部13’を覆う感光性レジストにより、スリット14を跨いで突起部13’の側面に電極膜が形成される。
続いて、水晶振動片10’の表裏に形成した感光性レジストと、その上に形成された電極膜と、を剥離する。これは、感光性レジストを溶解する液に、これらを浸すことにより実現される。このとき、スリット14を跨いでいた感光性レジストも除去されるため、感光性レジスト上の電極膜を介して接続されていた第一振動腕部12aの側面の励振電極21bと第二振動腕部12bの側面の励振電極21aとが、切断された状態となる。
最後に、感光性レジストの下で残っていた耐食膜を、エッチングにより除去する。
このようにして、水晶振動片10’に電極が形成されるので、スパッタ技術を用いても、第一振動腕部12aの側面の励振電極21bと第二振動腕部12bの側面の励振電極21aとをスリット14で切断した状態にすることができる。
特開2011−151567号公報
しかしながら、関連技術の振動素子100’には次のような問題があった。
突起部13’の幅13w’は極めて狭く、かつ、その狭さが先端から基端まで続いている。そのため、ウェットエッチングの作用が進みすぎると、突起部13’の一部が欠けるなど、突起部13’の形状が大きく損なわれることがあった。また、突起部13’上に形成するレジストパターンの幅も極めて狭くなることにより、レジストパターンの位置ずれ(特に±X軸方向)によっては、レジストパターンがスリット14を十分に跨げないことがあった。そして、突起部13’とその上に形成されるレジストパターンとの接触面積も狭くなることにより、ウェットエッチング液の圧力などによってレジストパターンがはがれることがあった。更に、その微細な形状ゆえに、突起部13’形成後の電極膜形成、電気的検査、パッケージ実装、移送などの際に、突起部13’が損傷することがあった。このように、振動素子100’では、突起部13’の形状が製造歩留まり低下の要因になっていた。
また、水晶は、シリコンと酸素で構成される三方晶系の単結晶からなり、成長軸(光軸)をZ軸とし、これと垂直に稜線を結ぶ軸をX軸(電気軸)とし、これと直交する軸をY軸(機械軸)として表現される。それらの三つの軸のウェットエッチング中のエッチング速度は、Z>X>Yの順となる。そのため、図6及び図7に示すように、突起部13’では、ウェットエッチング後の水晶に残渣15a’,15b’が生じてしまう。ところが、第一振動腕部12a側に生じる残渣15a’と第二振動腕部12b側に生じる残渣15b’とは、形状及び大きさが異なったものになる。その結果、音叉の右側と左側とで振動周波数がアンバランスとなることにより、振動が基部11側へ伝播してしまうので、CI(Crystal Impedance)値の増加を招いていた。
そこで、本発明の主な目的は、製造歩留まりを向上させつつ、CI値の低減も達成し得る、振動素子及びその製造方法を提供することにある。
本発明に係る振動素子は、
基部と、この基部から同じ一方向に延設された二本の振動腕部と、これらの二本の振動腕部の間の前記基部から前記一方向へ延設された突起部と、この突起部に設けられたスリットと、からなる水晶振動片を備え、
前記突起部は、前記基部から最も離れた先端と、前記基部に最も近い基端と、この基端と前記先端との間の移行領域と、に分けられ、
前記スリットは前記基部側から前記一方向に沿って前記先端まで設けられ、
前記移行領域において前記一方向と垂直かつ前記二本の振動腕部に交差する方向の長さを幅としたとき、この幅は前記先端から前記基端へ進むに従い広くなる、
ことを特徴とする。
本発明に係る振動素子の製造方法は、本発明に係る水晶振動素子を製造する方法であって、
水晶基板上に耐食膜を成膜しパターン化する第一工程と、
前記耐食膜上及び前記スリットとなる前記水晶基板の露出部分上にレジストパターンを形成する第二工程と、
前記耐食膜で覆われていない前記水晶基板の露出部分をウェットエッチングで除去することにより前記水晶振動片を形成する第三工程と、
前記レジストパターンで覆われていない前記耐食膜を除去する第四工程と、
前記スリット内を除く前記水晶振動片の露出部分上及び前記レジストパターン上に電極膜を形成する第五工程と、
前記レジストパターン上に形成された前記電極膜を前記レジストパターンとともに除去する第六工程と、
前記レジストパターンが除去されたことにより露出した前記耐食膜を除去する第七工程と、
を含むことを特徴とする。
本発明によれば、二本の振動腕部間にある突起部の幅が先端から基端へ進むに従い広くなることにより、製造上の諸問題を解決できるので製造歩留まりを向上でき、しかも、二本の振動腕部の根元に生ずる残渣を小さくかつ等しくできるのでCI値を低減できる。
実施形態1の振動素子を示す斜視図である。 実施形態1の振動素子を示す平面図である。 図2におけるIII−III線縦断面の製造工程を示す断面図であり、図3[1]、図3[2]、図3[3]、図3[4]の順に工程が進行する。 図2におけるIII−III線縦断面の製造工程を示す断面図であり、図4[5]、図4[6]、図4[7]の順に工程が進行する。 実施形態2の振動素子の一部を示す平面図である。 関連技術の振動素子を示す斜視図である。 関連技術の振動素子を示す平面図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明を実施するための形態(以下「実施形態」という。)について説明する。なお、図面に描かれた形状は、当業者が理解しやすいように描かれているため、実際の寸法及び比率とは必ずしも一致していない。
図1は、実施形態1の振動素子を示す斜視図である。図2は、実施形態1の振動素子を示す平面図である。以下、これらの図面に基づき説明する。
本実施形態1の振動素子100は水晶振動片10を備えている。水晶振動片10は、基部11と、基部11から同じ一方向(Y’軸方向)に延設された二本の振動腕部12と、二本の振動腕部12の間の基部11から一方向(Y’軸方向)へ延設された突起部13と、突起部13に設けられたスリット14とからなる。
突起部13は、基部11から最も離れた先端131と、基部11に最も近い基端133と、基端133と先端131との間の移行領域132とに分けられる。スリット14は、基部11側から一方向(Y’軸方向)に沿って先端131まで設けられている。移行領域132において一方向(Y’軸方向)と垂直かつ二本の振動腕部12に交差する方向の長さを幅13wとしたとき、幅13wは先端131から基端133へ進むに従い広くなる。
この場合、基端133は、図示するように、二本の振動腕部12の基部11に対する根元まで達するようにしてもよい。また、移行領域132の形状は、図示するように、三角形状としてもよい。
次に、振動素子100の構成について更に詳しく説明する。
図1及び図2に示すように、振動素子100は、水晶振動片10と、水晶振動片10に設けられた励振電極21a,21b、接続電極22a,22b及び配線パターン23a,23bと、から主に構成されている。なお、必要に応じ、水晶振動片10に周波数調整用金属膜を設けてもよい。
水晶振動片10は、音叉形状となっており、基部11と、基部11から延設された二本一対の振動腕部12と、二本の振動腕部12の間であって基部11から延設された突起部13と、により概略構成される。振動腕部12には、水晶を挟んで対向する平面同士に同極となる励振電極21a,21bが設けられている。
基部11は、平面視略四角形の平板となっている。振動腕部12は、第一振動腕部12a及び第二振動腕部12bからなる。第一振動腕部12a及び第二振動腕部12bは、基部11の一辺から同一方向(Y’軸方向)に延設されている。水晶振動片10は、基部11と振動腕部12とが一体となって音叉形状をなしており、フォトリソグラフィ技術、化学エッチング技術、成膜技術により製造される。
なお、第一振動腕部12a及び第二振動腕部12bの長さ方向には、それぞれ溝部161〜164を設けてもよい。それらの溝部161〜164は、例えば、第一振動腕部12aの表裏面に二本ずつ及び第二振動腕部12bの表裏面に二本ずつ、基部11との境界部分から振動腕部12の先端に向って、振動腕部12の長さ方向と平行に所定の長さで設けられる。なお、溝部161〜164は、表裏のどちらか片面にのみ設けてもよい。また、溝部161〜164は、本実施形態1では第一振動腕部12aの表裏面に二本ずつ及び第二振動腕部12bの表裏面に二本ずつ設けられているが、それらの本数に制限はなく、例えば第一振動腕部12aの表裏面に一本ずつ及び第二振動腕部12bの表裏面に一本ずつ設けてもよい。
励振電極21aは、第一振動腕部12aの一方及び他方の主面、並びに、第二振動腕部12bの内側及び外側の側面に設けられている。励振電極21bは、第二振動腕部12bの一方及び他方の主面、並びに、第一振動腕部12aの内側及び外側の側面に設けられている。
基部11には、接続電極22a,22bが設けられる。また、基部11及び振動腕部12には、所定の電極間を電気的に接続させるための配線パターン23a,23bが設けられる。励振電極21a、接続電極22a及び配線パターン23aは、互いに電気的に導通している。励振電極21b、接続電極22b及び配線パターン23bも、互いに電気的に導通している。
これら励振電極21a,21b、接続電極22a,22b及び配線パターン23a,23bは、フォトリソグラフィ技術により形成され、例えばTi層の上にPd又はAu層が設けられた積層構造となっている。
音叉型の水晶振動片10を振動させる場合、接続電極22a,22bに交番電圧を印加する。印加後のある電気的状態を瞬間的に捉えると、第一振動腕部12aの両主面に設けられた励振電極21aはプラス電位となり、第一振動腕部12aの両側面に設けられた励振電極21bはマイナス電位となり、プラスからマイナスに電界が生じる。このとき、第二振動腕部12bの両主面に設けられた励振電極21bはマイナス電位となり、第二振動腕部12bの両側面に設けられた励振電極21aはプラス電位となり、第一振動腕部12aに生じた極性とは反対の極性となり、プラスからマイナスに電界が生じる。この交番電圧で生じた電界によって、第一振動腕部12a及び第二振動腕部12bに伸縮現象が生じ、振動腕部12に設定した共振周波数の屈曲振動モードが得られる。
突起部13は、二本一対の振動腕部12の中間にあって、振動腕部12に沿って基部11から延設されている。また、突起部13は、幅13wが先端131から基端133へ進むに従い広くなるように設けられる。突起部13の先端131には、延設方向に沿ってスリット14が設けられている。スリット14は、突起部13の厚み方向に貫通している。
突起部13に設けられたこのスリット14は、振動腕部12の側面に励振電極21a,21bをスパッタ技術及びフォトリソグラフィ技術にて形成する際に、第一振動腕部12aの側面の励振電極21bと第二振動腕部12bの側面の励振電極21aとを切り離す役割を果たす。
図3及び図4は、図2におけるIII−III線縦断面に相当する各工程での断面図である。以下、図1乃至図4に基づき、振動素子100の製造方法について説明する。
本実施形態1の製造方法は、次の第一乃至第七工程を含む。
図3[1]に示す第一工程では、水晶基板31上に、耐食膜32を成膜しパターン化する。例えば、水晶基板31の表裏に、Cr又はCr+Auなどの耐食膜32をスパッタリングにて成膜する。そして、耐食膜32上に感光性レジスト(ポジ型)を形成し、その感光性レジストの乾燥後に、水晶基板31の表裏に音叉形状の耐食膜32が残るようにパターン化(露光、現像、乾燥)し、音叉形状以外の耐食膜32をエッチングで除去する。
図3[2]に示す第二工程では、耐食膜32上及びスリット14となる水晶基板31の露出部分311上に、レジストパターン33を形成する。例えば、水晶基板31の表裏の耐食膜32上に電極の形状を決定するために、感光性レジスト(ポジ型)をパターン化する。
図3[3]に示す第三工程では、耐食膜32で覆われていない水晶基板31の露出部分をウェットエッチングで除去することにより、水晶振動片10を形成する。このとき、スリット14の形状と水晶振動片10の形状とが、同時に形成される。このとき、スリット14は、レジストパターン33の下からアンダーエッチングによって形成される。そのため、レジストパターン33は、スリット14を跨いだ状態で少なくとも突起部13に残されている。すなわち、レジストパターン33を残した状態で、基部11と振動腕部12と突起部13とが形成される。
なお、振動腕部12に溝部161〜164を設ける場合は、この第三工程で水晶振動片10の形状と同時に溝部161〜164を形成してもよい。ただし、振動腕部12の表裏面に溝部161〜164を設ける場合は、溝部161〜164の貫通を避けるために、溝部161〜164内にエッチング抑制パターンを形成することが望ましい。
図3[4]に示す第四工程では、レジストパターン33で覆われていない耐食膜32を、除去する。つまり、水晶振動片10の表裏面に露出した耐食膜32をエッチングで除去することにより、水晶表面を得る。
図4[5]に示す第五工程では、スリット14内を除く水晶振動片10の露出部分上及びレジストパターン33上に、電極膜34を形成する。例えば、水晶振動片10の全面に電極膜34をスパッタ技術により形成する。このとき、スリット14を跨いで突起部13を覆うレジストパターン33により、スリット14を跨いで突起部13の側面に電極膜34が形成される。
図4[6]に示す第六工程では、レジストパターン33上に形成された電極膜34を、レジストパターン33とともに除去する。つまり、水晶振動片10の表裏に形成されたレジストパターン33と、その上に形成された電極膜34と、を剥離する。これは、感光性レジストを溶解する液(例えばアセトン)に、これらを浸すことにより容易に除去できる。ただし、レジストパターン33の下にある耐食膜32は残る。スリット14を跨いだレジストパターン33も除去されるため、第一振動腕部12aの側面の励振電極21bと第二振動腕部12bの側面の励振電極21aとはスリット14で切断された状態となる。この第六工程の電極膜形成方法は、一般にリフトオフ法と呼ばれる。
図4[7]に示す第七工程では、レジストパターン33が除去されたことにより露出した耐食膜32を、除去する。つまり、最後まで残った耐食膜32をエッチングで除去する。
このようにして水晶振動片10に励振電極21a,21bが形成されるので、スパッタ技術を用いても、第一振動腕部12aの側面の励振電極21bと第二振動腕部12bの側面の励振電極21aとをスリット14で切断した状態にできる。
次に、本実施形態1の振動素子100について、関連技術と比較した場合の作用及び効果を説明する。
図1及び図2に示すように、突起部13の幅13wは先端131から基端133へ進むに従い広くなる。そのため、ウェットエッチングの作用が進みすぎることによる、突起部13が一部かけやすくなるなど突起部13の形状への影響を、突起部13の幅13wが広くなることにより低減できる。また、突起部13上に形成するレジストパターン33の幅も同様に広くなることにより、レジストパターン33に位置ずれが多少生じても、レジストパターン33がスリット14を十分に跨ぐことができる(図3[2]参照)。そして、突起部13とその上に形成されるレジストパターン33との接触面積も広くなることにより、ウェットエッチング液の圧力などによるレジストパターン33のはがれを抑制できる(図3[3]参照)。更に、幅広な形状ゆえに、突起部13形成後の電極膜形成、電気的検査、パッケージ実装、移送などの際に、突起部13が損傷することを抑制できる。このように、振動素子100によれば、突起部13の形状が前述のように幅広になっているので、製造歩留まりを向上できる。
また、突起部13の幅13wは先端131が細く基端133が広くなっているので、スパッタ又は蒸着などの成膜時に電極材料が振動腕部12の内側の根元まで入り込みやすい。つまり、突起部13は、振動腕部12の内側側面に電極膜34を形成することを、妨害しにくい構造になっている(図4[5]参照)。したがって、振動腕部12の内側の根元まで十分に電極膜34を形成できるので、振動素子100の電界効率の低下を防止できる。特に、移行領域132の形状を三角形状とする場合は、移行領域132が外側に膨らまないので、すなわち成膜時に飛来する電極材料を遮蔽しにくいので、突起部13の面積を確保しつつ、電極材料を振動腕部12の内側の根元まで導くことができる。
更に、突起部13の幅13wは先端131から基端133へ進むに従い広くなることにより、ウェットエッチング後に水晶の残渣が生じる領域を狭くできる。そのため、図1及び図2に示すように、第一振動腕部12a側に生じる残渣15aと第二振動腕部12b側に生じる残渣15bとを、小さくかつ等しく形成できる。その結果、音叉の右側と左側との振動周波数を等しくできるので、CI値を低減できる。特に、振動腕部12の基部11に対する根元まで基端133が達するようにした場合は、振動腕部12に影響を与えることなく、水晶の残渣が生じる領域を最も狭くできるので、この効果がより顕著になる。
以上のように、振動素子100によれば、突起部13の幅13wが先端131から基端133へ進むに従い広くなることにより、製造上の諸問題を解決できるので製造歩留まりを向上でき、しかも、二本の振動腕部12の根元に生ずる残渣15a,15bを小さくかつ等しくできるのでCI値を低減できる。
図5は、実施形態2の振動素子の一部を示す平面図である。以下、この図面に基づき説明する。
本実施形態2の振動素子は、突起部43の形状が実施形態1と異なる。すなわち、本実施形態2における突起部43は、基部11から最も離れた先端431と、基部11に最も近い基端433と、基端433と先端431との間の移行領域432とに分けられる。スリット14は、基部11側から一方向(Y’軸方向)に沿って先端431まで設けられている。移行領域432において一方向(Y’軸方向)と垂直かつ二本の振動腕部12に交差する方向の長さを幅43wとしたとき、幅43wは先端431から基端433へ進むに従い広くなる。そして、移行領域432の形状は、外側に凸となる半円状である。
本実施形態2の振動素子によれば、移行領域432の形状を外側に凸となる半円状としたことにより、突起部43の面積及び突起部43とレジストパターン33との接触面積をより広くできるので、前述の効果がより顕著になる。本実施形態2のその他の構成、作用及び効果は、実施形態1のそれらと同様である。
以上、上記各実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記各実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細については、当業者が理解し得るさまざまな変更を加えることができる。また、本発明には、上記各実施形態の構成の一部又は全部を相互に適宜組み合わせたものも含まれる。
100 振動素子
10 水晶振動片
11 基部
12 振動腕部
12a 第一振動腕部
12b 第二振動腕部
13 突起部
131 先端
132 移行領域
133 基端
13w 幅
14 スリット
15a,15b 残渣
161,162,163,164 溝部
21a,21b 励振電極
22a,22b 接続電極
23a,23b 配線パターン
31 水晶基板
311 露出部分
32 耐食膜
33 レジストパターン
34 電極膜
43 突起部
431 先端
432 移行領域
433 基端
43w 幅
100’ 振動素子
10’ 水晶振動片
13’ 突起部
13w’ 幅
15a’,15b’ 残渣

Claims (5)

  1. 基部と、この基部から同じ一方向に延設された二本の振動腕部と、これらの二本の振動腕部の間の前記基部から前記一方向へ延設された突起部と、この突起部に設けられたスリットと、からなる水晶振動片を備え、
    前記突起部は、前記基部から最も離れた先端と、前記基部に最も近い基端と、この基端と前記先端との間の移行領域と、に分けられ、
    前記スリットは前記基部側から前記一方向に沿って前記先端まで設けられ、
    前記移行領域において前記一方向と垂直かつ前記二本の振動腕部に交差する方向の長さを幅としたとき、この幅は前記先端から前記基端へ進むに従い広くなる、
    ことを特徴とする音叉型屈曲水晶振動素子。
  2. 前記基端は、前記二本の振動腕部の前記基部に対する根元まで達する、
    請求項1記載の音叉型屈曲水晶振動素子。
  3. 前記移行領域の形状が三角形状である、
    請求項1又は2記載の音叉型屈曲水晶振動素子。
  4. 前記移行領域の形状が外側に凸となる半円状である、
    請求項1乃至3のいずれか一つに記載の音叉型屈曲水晶振動素子。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一つに記載の音叉型屈曲水晶振動素子を製造する方法であって、
    水晶基板上に耐食膜を成膜しパターン化する第一工程と、
    前記耐食膜上及び前記スリットとなる前記水晶基板の露出部分上にレジストパターンを形成する第二工程と、
    前記耐食膜で覆われていない前記水晶基板の露出部分をウェットエッチングで除去することにより前記水晶振動片を形成する第三工程と、
    前記レジストパターンで覆われていない前記耐食膜を除去する第四工程と、
    前記スリット内を除く前記水晶振動片の露出部分上及び前記レジストパターン上に電極膜を形成する第五工程と、
    前記レジストパターン上に形成された前記電極膜を前記レジストパターンとともに除去する第六工程と、
    前記レジストパターンが除去されたことにより露出した前記耐食膜を除去する第七工程と、
    を含むことを特徴とする音叉型屈曲水晶振動素子の製造方法。
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