JP5889104B2 - 位置決め制御用指令生成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、サーボモータなどのモータを用いて機械負荷を位置決め制御するに際し、位置決め制御時の目標参照信号となる指令値を生成する位置決め制御用指令生成装置に関するものである。
位置決め制御を実現する典型的な例としてエンコーダの付いたサーボモータと、エンコーダの情報を用いてサーボモータを制御するサーボアンプと、サーボアンプに位置決め制御用の指令値を与えるモーションコントローラに代表される指令値生成装置を用いて実現する例が挙げられる。エンコーダは整数値の分解能(例えば、モータ1回転につき100000パルスを出力するなど)を有し、モーションコントローラは所望の移動量に応じて、所定周期毎に整数の値をとる指令値をサーボアンプに与え、サーボアンプはエンコーダの位置が指令値に追従するようにフィードバック制御等を行うことにより、サーボモータに供給する電流を計算し、電流をサーボモータに与えるという処理を行う。
モーションコントローラは、位置決め制御時に、指令値(位置指令値の差分信号である速度や、速度の差分信号である加速度)を所望の形状で、所望の移動量に対して1パルスのずれのない指令値を生成する必要がある。また、位置決め制御時の機械振動を励起しないためには、指令値の形状として、単純な三角や台形だけではなく、加速時間や減速時間、加々速度時間をきめ細かく設定することが求められている。
このような位置決め制御用の指令値を生成する技術として、例えば、以下に示す特許文献1〜3が公開されている。特許文献1は、減速開始位置を予め入力しておき、加速度増加モード、一定加速度モード、加速度減少モード、一定速モードなどのモード毎の指令値を計算する式を予め用意しておき、位置が減速開始位置になったら減速モードに対応した計算式にする技術が公開されている。特許文献2は、移動平均フィルタを用いてS字加減速を実現することが公開されている。特許文献3では、減速に必要な移動距離を、加速度一定で減速停止させる場合の移動距離(速度^2/加速度/2)と、加々速度時間の情報をもとに計算される補正係数の積で算出し、算出した減速に必要な移動量に基づいて減速停止を開始するタイミングを決定し、減速停止のための位置指令を計算することが公開されている。
特開平2−121005号公報 特開2008−171230号公報 国際公開第2010/125958号
しかしながら、上記従来の技術によれば、たとえば特許文献1の技術においては、減速開始位置を予め入力しておかなければならないという手間が生じるという問題がある。さらに、減速開始位置を不適切に設定すると、減速動作時の指令値の形状が所望の形状通りにならないという問題があった。
さらに、特許文献2の技術においては、移動平均処理を行うが移動平均処理はバッファとなるメモリを移動平均時間に比例して用意する必要があり、指令生成装置を構成するにあたりメモリを非常に多く用意しなければならないという問題があった。
また、特許文献3においては、加速度一定で減速停止させるのに必要な移動距離は、速度^2/加速度/2であることが公開されている。指令値をモーションコントローラに搭載されたCPUを用いて生成することを考えると、ある制御周期ごと(例えば1msごと)に指令値を生成することが通常行われるが、例えば、制御周期が1ms、減速開始の速度が100パルス/ms、減速時の加速度が10パルス/ms^2でかつ、一定加速度で減速する場合、速度^2/加速度/2を適用して減速に必要な移動量を算出すると500パルスとなる。しかし、実際の減速動作時の速度を計算してみると、100,90,80,・・・,20,10と速度100パルス/msから1msごとに減速時の加速度に相当する値10を減算していくことにより、減速時の速度が算出され、さらに、これらを全部合計して減速に必要な移動量を計算すると、100+90+80+・・・+20+10=550パルスとなる。これは、上記の計算式に対して誤差が生じていることを意味している。加速度一定で減速停止した場合、速度は直線的に減少するが、このとき減速時間は速度/加速度となり、減速に必要な移動量は速度×減速時間÷2=速度^2/加速度/2となる関係を利用している。この計算式は連続的な時間に対しては正確な計算式となるが、所定周期ごとに(離散的な時間ごとに)指令値を計算する際に適用すると誤差を生じるようになる。補正係数をかけても同様にやはり連続的な時間を仮定して算出しているので、誤差が生じる。誤差が生じると、減速開始が適切なタイミングで開始できなくなり、これにより指令値の形状に乱れが生じるという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、加々速度時間が加速開始時、加速終了時、減速開始時、減速終了時でそれぞれ異なるS字指令等複雑な指令値に対しても、減速停止に必要な移動量を自動的に、かつ正確に算出し、さらに、メモリ等計算機負荷が少なくても実装が可能な位置決め制御用指令生成装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、経過時間、速度、加速時間、および加々速度時間に基づいて位置指令値を算出する位置指令計算部と、加速動作時には、前記経過時間を位置指令が開始されてからの所定周期毎の経過時間、前記速度を目標速度、前記加々速度時間を加速動作時の加々速度時間、として前記位置指令計算部が算出する位置指令値を出力する加速時位置指令算出部と、前記経過時間および前記加速時間を減速時間、前記加々速度時間を減速時の加々速度時間、として前記位置指令計算部が算出する位置指令値を減速停止に必要な移動量として出力する停止移動量算出部と、目標移動量と前記位置指令値との差である残距離と、前記減速停止に必要な移動量と、を比較することにより減速停止動作を開始するか否かを判断する減速開始タイミング判定部と、前記減速開始タイミング判定部が減速停止動作を開始すると判定したら、前記位置指令計算部の算出結果を用いて、減速停止動作の位置指令値を算出して出力する減速停止制御部と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、指定された形状となるように精度よく指令値を生成する位置決め制御用指令生成装置を得るという効果を奏する。
図1は、実施の形態1によって得られる指令値の時間変化を表すグラフである。 図2は、実施の形態にかかる位置決め制御用指令生成装置、サーボアンプ、サーボモータ、および機械負荷の構成の一例を説明するブロック図である。 図3は、実施の形態1にかかる位置決め制御用指令生成装置が指令値を生成する処理の流れを詳細に説明するフローチャートである。 図4は、実施の形態1における減速停止処理の流れを詳細に説明するフローチャートである。 図5は、実施の形態2によって得られる指令値の時間変化を表すグラフである。 図6は、実施の形態2にかかる位置決め制御用指令生成装置が指令値を生成する処理の流れを詳細に説明するフローチャートである。 図7は、実施の形態2における速度変更時の位置指令値の算出手順についての詳細な内容を説明するフローチャートである。 図8は、実施の形態2における速度変更時の速度波形、速度変更要求を示す図である。 図9は、実施の形態1にかかる位置決め制御用指令生成装置の構成を示すブロック図である。 図10は、実施の形態2にかかる位置決め制御用指令生成装置の構成を示すブロック図である。
以下に、本発明にかかる位置決め制御用指令生成装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
位置決め制御用指令値の一例として、図1のように加速度の形状が台形であり、速度がS字形状を有する指令値を生成する場合について説明を行う。図1に示される指令値は、移動量、加速時間、減速時間、目標速度、および、加速時に加速度が0からピーク加速度に到達するまでの時間である加々速度時間1、加速時に加速度がピーク加速度から0に到達するまでの時間である加々速度時間2、減速時に加速度が0からピーク加速度に到達するまでの時間である加々速度時間3、減速時に加速度がピーク加速度から0に到達するまでの時間である加々速度時間4の情報をもとに、生成される。
図2は、本実施の形態にかかる位置決め制御用指令生成装置1、サーボアンプ3、サーボモータ5、および機械負荷8の構成の一例を説明するブロック図である。モーションコントローラなどである位置決め制御用指令生成装置1は、位置決め制御用の位置指令値2をサーボアンプ3へ出力する。典型的には、位置決め制御用指令生成装置1においては、位置指令値2を生成する手続きやアルゴリズムがCPUやFPGAなどに実装されることにより実現される。図9は、位置決め制御用指令生成装置1の構成を示すブロック図である。位置決め制御用指令生成装置1は、位置指令計算部11、加速時位置指令算出部12、停止移動量算出部13、減速開始タイミング判定部14、および減速停止制御部15を備える。これら各部の機能については、以下で説明する。
サーボアンプ3はサーボモータ5を制御し、サーボモータ5に取り付けられたエンコーダ6がサーボモータ5の位置7をサーボアンプ3に出力する。エンコーダ6は、例えばサーボモータ5の1回転あたり100000パルスを発生し、サーボモータ5の回転位置に応じたパルスを出力することが例として挙げられる。サーボモータ5の位置7が位置指令値2に追従するように、位置決め動作を行うためのトルクを発生させる電流4をサーボアンプ3はサーボモータ5に供給する。サーボアンプ3においては、位置指令値2にサーボモータ5の位置7が追従するようにフィードバック制御などが行われている。このように制御されたサーボモータ5は、機械負荷8を駆動する。
図3は、図2および図9に示した位置決め制御用指令生成装置1が位置指令値2を生成するための処理の流れを詳細に説明するフローチャートである。ステップS1では、目標移動量D、目標(トップ)速度v、加速時定数Ta、減速時定数Td、加々速度時間比率1(rd1)、加々速度時間比率2(rd2)、加々速度時間比率3(rd3)、加々速度時間比率4(rd4)をそれぞれ位置決め制御用指令生成装置1に入力する。
ここで、加速時定数Taは、サーボモータ5が速度0からモータ定格速度まで加速した場合に要する時間を表すパラメータで、加速時間を計算するためのパラメータである。減速時定数Tdは、サーボモータ5がモータ定格速度から速度0に減速した場合に要する時間を表すパラメータで、減速時間を計算するためのパラメータである。加々速度時間比率1は加速度が0からピーク加速度1に達するまでの時間が加速時間に占める比率を表すパラメータ、加々速度時間比率2はピーク加速度1から加速度0に達する時間が加速時間に占める比率を表すパラメータ、加々速度時間比率3は加速度0からピーク加速度2に達するまでの時間が減速時間に占める比率を表すパラメータ、加々速度時間比率4はピーク加速度2から加速度0に達する時間が減速時間に占める比率を表すパラメータである。従って、加々速度時間比率1、2、3、4はいずれも0〜100%の値で指定されるものとする。また、目標速度vは1制御周期(所定周期)あたりに位置が増加する量(例えば、10000パルス/制御周期)として与えられるものとする。さらに、以降の説明では、速度は1制御周期あたりの位置が増加する量、加速度は1制御周期あたりに速度が増加する量をあらわすものとして説明を行う。
ステップS2では、以降の処理に使用する変数を初期化する。すなわち、i=1,R=D,X[0]=0とする。ここで、iは位置指令値2の出力が開始されてからの経過時間を表し、制御周期ごとにiが+1ずつ増加する。X[i]は時間iにおける位置指令値を表し、i=0すなわち位置指令値2の出力が開始される前の位置を0とする。Rは、後述詳細するが、目標移動量Dに対して現制御時間での行き足りていない残距離を表す。R=Dとしているのは、指令が開始される前では位置指令は0としていることに対応している。
ステップS3では、目標速度v、加速時定数Ta、加々速度時間比率1(rd1)、および加々速度時間比率2(rd2)から、加速時間ta、加々速度時間1(d1)、加々速度時間2(d2)を計算する。具体的には、
ta=(v×Ta)/Vr
d1=(a×rd1)/100
d2=(a×rd2)/100
に従って計算する。ここで、Vrはモータの定格速度を表し、使用するモータが決まれば一意に決まる値である。また、加速時間ta、加々速度時間1(d1)、2(d2)はいずれも整数として計算するものとする(制御周期の何倍に相当するかの値)。また、上記を計算する際の除算(割り算)は四捨五入で演算するものとし、以降の説明でも除算が発生した場合は四捨五入で計算するものとする。
ステップS4では経過時間iが、加速時間ta以下かどうかを判定する。もし、経過時間iが加速時間ta以下(ステップS4:Yes)であれば、ステップS5で、指令が開始されてから入力経過した時間i(i=1,2,3,・・・)に応じて、位置指令計算部11が位置指令値の候補YをY=f(i,v,ta,d1,d2)により計算する。ただし、加速動作時における位置指令値の算出式f(i,v,ta,d1,d2)は以下の(1)式のように定義される。ステップS5の後はステップS7に進む。
Figure 0005889104
また、ステップS4でi>taとなる場合(ステップS4:No)、即ち、経過時間iが加速時間taを過ぎた場合には、一定速動作になるので、ステップS6で、前時間における位置指令値X[i−1]を用いて、Y=X[i−1]+vとして位置指令値の候補値Yを計算する。ステップS6の後はステップS7に進む。
ステップS7では、停止移動量算出部13は、位置指令値の候補Yが時間iの位置指令値となった場合の速度である予測速度VpをVp=Y−X[i−1]により計算する。また、減速時定数Tdと予測速度Vpから減速度から減速停止するのに要する減速時間tdを以下のように計算する。
td=(Td×Vp)/Vr
減速時間tdを計算したら、さらに、加々速度時間3であるd3、加々速度時間4であるd4を以下のようにそれぞれ計算する。
d3=(td×rd3)/100
d4=(td×rd4)/100
ここで、減速時間td、加々速度時間3(d3)、4(d4)はいずれも整数データであるとして計算する。
ステップS8では、ステップS7で算出した予測速度Vp、減速時間td、加々速度時間3のd3、加々速度時間4のd4に対し、v=Vp、ta=td、d1=d4、d2=d3とし、さらに、i=tdを上記した(1)式に代入することにより減速停止に必要な移動量Ddを位置指令計算部11が算出する。すなわち、
Dd=f(td,Vp,td,d4,d3)
を算出する。これにより、減速停止に必要な移動量を正確に算出することができる。停止移動量算出部13は、これを減速停止に必要な移動量Ddとして減速開始タイミング判定部14に渡す。
ステップS9では、減速開始タイミング判定部14が、ステップS8で算出した減速に必要な移動量Ddと残距離Rを比較する。比較の結果、残距離Rが減速停止に必要な移動量Ddより大きければ(ステップS9:Yes)、ステップS10に移行する。ステップS10では、加速時位置指令算出部12が、時間iの位置指令値X[i]=Yとして、これをサーボアンプ3へ出力する。さらに、ステップS11では、残距離RをR=D−X[i]により更新する。また、iをインクリメント、すなわち、i=i+1とする。さらに、ステップS7で計算した予測速度Vp、減速時間td、加々速度時間3であるd3、加々速度時間4であるd4、減速停止に必要な移動量Ddを、それぞれ、Vmp=Vp、tmd=td、dm3=d3、dm4=d4、Dmd=Ddとして保存する。その後、次の制御周期でステップS4以降を再度実行する。
また、ステップS9において、減速開始タイミング判定部14が残距離Rが減速に必要な移動量Ddより小さいと判断すれば(ステップS9:No)、ステップS12の減速停止処理に移行し処理を完了する。図4は、ステップS12の減速停止処理、すなわち、減速停止時の位置指令値を算出する詳細について説明するフローチャートである。ステップS12の減速停止処理即ち、図4のフローチャートは、減速停止制御部15により実行される。
図4のステップS101では、減速停止時に補正分残距離Hを、残距離Rと減速停止に必要な移動量Dmdとの差により計算する。すなわち、H=R−Dmdとする。なお、ここで用いるDmdは、ステップS9で残距離Rが減速に必要な移動量Ddより小さいとはじめて判定されるときに保存されていたDmd、即ち前回の制御周期におけるDdなので、Hは負にならない。
ステップS102では、後の処理に使用する変数を初期化する。すなわち、j=1、Vold=Vmpとする。ここで、jは減速動作を開始してからの時間を表し、Voldは前制御周期での速度を表す変数である。
ステップS103では、(1)式においてv=Vmp、ta=tmd、d2=dm3、d1=dm4として、位置指令計算部11が
Y1=f(tmd−j+1,Vmp,tmd,dm4,dm3)
Y2=f(tmd−j,Vmp,tmd,dm4,dm3)
を算出する。さらに、ステップS104では、減速時の速度Vd=Y1−Y2を計算する。
ステップS105では、ステップS104で計算した減速時の速度Vdに対し、
Vd≦H<Voldを満たすかどうかを判定する。
もし、満たさなければ(ステップS105:No)、ステップS106に進み、変数jをインクリメント(j=j+1)とし、ステップS108へ移行する。また、満たしていれば(ステップS105:Yes)、ステップS107に進み、減速時の速度Vd=Hとする。これは、残距離補正を行うための処理である。その後、ステップS108へ移行する。
ステップS108では、今回の位置指令値X[i]を、前回の制御周期における前回の位置指令値X[i−1]にVdを加えることにより算出する。すなわち、
X[i]=X[i−1]+Vd
とする。そして減速停止制御部15は、これをサーボアンプ3へ出力する。
ステップS109では、Voldを更新し、変数iをインクリメントする。すなわち、以下を実行する。
Vold=Vd,i=i+1
ステップS110では、減速動作を開始してからの経過時間を表す変数であるjが、減速時間tmdに等しいかどうかを確認する。もし、等しくなければ(ステップS110:No)、次の制御周期でステップS103以降を再度実行する。また、j=tmdであれば(ステップS110:Yes)、処理を終了する。処理を終了した時点で、移動量が所望の(目標)移動量Dであり、かつ、図3のステップS1で指定した目標速度v、加速時定数Ta、減速時定数Td、加々速度時間比率1(rd1)、加々速度時間比率2(rd2)、加々速度時間比率3(rd3)、加々速度時間比率4(rd4)で指定される図1に示すようなS字状の位置指令値を算出している。即ち、減速停止処理における位置指令値を指定された形状通りに精度よく算出することができる。
次に、本実施の形態に従って指令値を生成したときに得られる効果について説明をする。本実施の形態において、中心となる処理は、加速時の位置指令値を計算する(1)式である。
(1)式において、1≦i≦d1に対応する計算式は、図1の指令値の加速動作中の加々速度時間1での位置を計算する式である。また、d1<i≦ta−d2に対応する計算式は、図1の指令値の加速動作中の一定加速度時間での位置を計算する式である。また、ta−d2<i≦taに対応する計算式は、図1の指令値の加速動作中の加々速度時間2での位置を計算する式に対応している。(1)式により、加速動作時、減速動作時における位置指令値、および、減速に必要な移動量を精度良く算出することで、図1のような形状の指令値を精度良く生成することができる。
図3のフローチャートにおいて、ステップS1で入力された諸情報に基づいて、ステップS3では加速動作時の加速時間ta、加々速度時間1(d1)、加々速度時間2(d2)を計算し、これらの値を用いて、加速動作時には、経過時間iに応じて(1)式に従って経過時間i(今回の制御周期)における位置指令値の候補値Yを計算する(ステップS5)。また、経過時間iが加速時間taを過ぎれば、一定速動作になるので、ステップS6では、前時間(前制御周期)の位置指令値X[i−1]に目標速度に相当するvを加えることで、一定の速度を保つための位置指令値を生成する(ステップS6)。
ステップS5およびステップS6で、位置指令値の候補Yを算出しながら、これと同じ制御周期で候補Yが、現制御周期での位置指令値となった場合に、減速停止するのに必要な移動量が確保されるかどうかのチェックをステップS8、S9で行う。具体的には、位置指令値の候補Yが位置指令値となった場合の予測速度Vpを、Yと前回位置指令値X[i−1]の差から算出し、この速度から、減速時間td、加々速度時間3(d3)、4(d4)を算出し(ステップS7)、これらの情報と、(1)式を用いて減速に必要な移動量Ddを算出する。
ここで、(1)式を用いて減速に必要な移動量を算出できる理由は、(1)式において経過時間に加速時間を代入して算出される値は、加速時間における位置指令値であるのは勿論であるが、加速に必要な移動量ともみなすことができるからである。同様に、経過時間に減速時間、および、目標速度に減速を開始する速度、加速時間に減速時間、加速時の加々速度時間に減速時の加々速度時間を代入して算出される値は、減速に必要な移動量Ddとみなすことができる。
もし、残距離Rが減速に必要な移動量Ddよりも大きければ、位置指令値の候補Yを今回の制御周期の位置指令値としても減速に必要な移動量が確保できるものと判断して、Yを今回の制御周期の位置指令値とする(ステップS10)。また、残距離Rが減速に必要な移動量Ddよりも小さければ、今回の制御周期では候補Yを位置指令値にするのではなく、減速停止処理を行うことによって位置指令値を算出するという処理を行う(ステップS12)。減速停止処理を開始するタイミングが早すぎると減速停止処理終了時に目標移動量に対して行き足りず減速停止動作時に補正する補正量が大きくなりすぎ、これにより指令値の形状が大きく乱れたり、遅すぎれば目標移動量をオーバーするが、本実施の形態のように減速停止処理を行うことで、適切なタイミングで減速停止処理を開始することができる。
図1に示す指令値は加速動作中も減速動作中も、加速時間、減速時間、加々速度時間の値に差はあるにしろ、減速時の加速度の形状が台形となる同一のパターンをとるので、図4に示した減速停止処理中の各時間j=1,2,・・・,tmdにおいても(1)式を用いて位置指令値を生成する。
このとき、目標速度vにあたるパラメータには、減速を開始するときの速度であるVmpを、また、加速時間にあたるパラメータには減速時間tmdを、加々速度時間1にあたるパラメータには加々速度時間4(dm4)を、加々速度時間2にあたるパラメータには加々速度時間3(dm3)をそれぞれ代入する。また、(1)式は経過時間iが増加するにつれて速度が増加する指令値を計算するので、減速停止動作をする指令値を計算するためには、減速時間から減速停止処理を引いたtmd−jを経過時間として適用することにより、jが増加するにつれて速度が減少する指令値を算出することができる。
このとき、減速停止処理中の位置指令値の差分である速度は、経過時間tmd−j+1のときの位置指令値Y1と経過時間のtmd−jのときの位置指令値Y2との差、すなわち、
Y1=f(tmd−j+1,Vmp,tmd,dm4,dm3)
Y2=f(tmd−j,Vmp,tmd,dm4,dm3)
としたときの
Vd=Y1−Y2
で表すことができる(ステップS103,S104)。この値Vdを前回の制御周期における位置指令値X[i−1]に加えることで、今回の制御周期における位置指令値X[i]を算出する(ステップS108)。
また、この減速動作中の各時間j=1,2,・・・,tmdにおいて算出される速度を合計して、減速停止に必要な移動量を計算すると、
{f(tmd,Vmp,tmd,dm4,dm3)−f(tmd−1,Vmp,tmd,dm4,dm3)}+
{f(tmd−1,Vmp,tmd,dm4,dm3)−f(tmd−2,Vmp,tmd,dm4,dm3)}+
{f(tmd−2,Vmp,tmd,dm4,dm3)−f(tmd−3,Vmp,tmd,dm4,dm3)}+
・・・
{f(2,Vmp,tmd,dm4,dm3)−f(1,Vmp,tmd,dm4,dm3)}+
{f(1,Vmp,tmd,dm4,dm3)−f(0,Vmp,tmd,dm4,dm3)}
=f(tmd,Vmp,tmd,dm4,dm3)−f(0,Vmp,tmd,dm4,dm3)
=f(tmd,Vmp,tmd,dm4,dm3)
となるが、これはステップS8で計算した減速に必要な移動量Ddと一致する。
なぜならば、減速停止動作(ステップS12)へ移行した際に、保存されている予測速度、減速時間、加々速度時間3、加々速度時間4は、ステップS9でR>Ddと判断されたときの制御周期における予測速度Vp、減速時間td、加々速度時間3(d3)、4(d4)ではなく、その1つ前の制御周期の予測速度、減速時間、加々速度時間3、4であり、これらはステップS11でそれぞれVmp,tmd,dm3,dm4として保存された値である。これらを(1)式に代入したものは上式に代入したものに等しい。よって、減速に必要な移動量を(1)式により算出し、減速に必要な移動量と残距離を比較し、比較結果によって減速開始動作を開始するタイミングを決定し、さらに、減速動作時の位置指令値も同じ(1)式を用いて算出することにより、指定された形状の指令値を精度良く算出することができるという効果がある。これは、指令値生成に要する処理を浮動小数点演算ではなく、整数演算(固定小数点演算)で計算しても、減速停止に必要な移動量を1パルスのずれなく算出することができるという効果もある。
減速停止処理の制御は基本的には、前述のようにVd=Y1−Y2で速度を計算し、これを前回の制御周期の位置指令値X[i−1]に加えることで、今回の制御周期の位置指令値X[i]を算出する。減速を開始する直前の位置指令値の値と減速に必要な移動量Dmdの合計は、所望の移動量Dに一般には一致するとは限らないため、減速停止処理を開始する前に、一致しない分を補正分残距離Hとして算出し(ステップS101)、減速停止処理の途中で、補正分残距離Hを何らかの形で位置指令値に加えて、減速停止処理完了後の位置指令値が所望の移動量Dに一致する補正を行う。本実施の形態で説明した具体的な補正分残距離を補正する方法は、補正分残距離に相当する速度を減速停止処理中の速度として挿入することにより実現する。減速停止処理時には速度が徐々に減少する位置指令値を生成することから、補正分残距離Hが、ある時刻jに対して
時刻jのVd≦H<時刻j−1のVd(=Vold)
が成立する制御周期において(ステップS105:Yes)、速度Vdを補正分残距離Hとする処理を行う(ステップS107)。減速時間の各制御の周期において速度が漸減するVd=Y1−Y2の系列に対して、このように補正分残距離Hを指令値に反映させても、速度が漸減する性質は失われず、指令値の形状をほとんど崩すことなく減速停止時の位置指令値を生成できるという効果がある。
減速停止処理を開始する直前の時間i=kとしたとき、補正分残距離を補正して減速停止処理を終了したときの移動量は、時間kでの位置指令値X[k]と減速停止に必要な移動量Dmdと補正分残距離Hの合計であることから、
X[k]+Dmd+H=X[k]+Dmd+(R−Dmd)
=X[k]+R
=X[k]+(D−X[k])
=D
となり、減速停止終了後に所望の移動量にずれを生じさせることなく、位置決め制御用の指令値が生成できる。ここで、H=R−Dmd(ステップS101)、R=D−X[k](ステップS11)であることを利用している。
なお、補正分残距離Hを補正する方法はこれに限られるものではなく、例えば、補正分残距離Hを、合計して補正分残距離Hになるように減速時間数tmd個に分割して、分割した値を減速処理動作の各制御時間の減速速度に加えてもよい。具体的な分割方法としては、(1)式にしたがって減速処理動作の指令値を計算した際の、加速度の絶対値に比例して計算するようにすることが例として挙げられる。具体的には、減速停止処理を開始してから経過時間jが経った時の速度をv(j)としたときに、
{|v(j−1)−v(j)|×H}/Vmp
を時間jにおける速度Vdに加え、さらに、前回の制御周期の位置指令値を加えることによって、減速停止処理における位置指令値を算出する。
なお、減速停止に必要な移動量が減速停止処理を開始する前に正確に算出できていないと、補正分残距離Hもまた正確に算出されない。不正確な補正分残距離をもとに補正を行っても、減速停止処理終了時に所望の移動量Dに一致しないという不都合が生じるが、本実施の形態によれば、(1)式に従って減速停止動作時の位置指令値を計算した際の、減速に必要な移動量が減速開始前に1パルスのずれなく正確に算出できるため、上記の不都合は生じないという効果がある。この結果、指定された形状となるように精度よく指令値を生成することができる。
なお、本実施の形態では、加速時間、減速時間を決定するにあたり、加速時定数、減速時定数を設け、速度と加速、減速時定数から加速時間および減速時間を決定したが、加速時の加速度、減速時の加速度を指定して、加速時間(もしくは減速時間)=速度/加速度の関係から算出してもよい。本実施の形態では、加々速度時間において加速度が直線的に増加、あるいは減少するタイプの指令値を例にあげて説明したが、加々速度時間を用いて加速度が三角関数を用いて増加、あるいは減少するタイプのユニバーサルカム曲線などの指令値に適用されてもよい。ユニバーサルカム曲線に適用する場合、加速時の位置指令値を計算する(1)式が、ユニバーサルカム曲線に対応した式になるだけで、他の処理は全く同じでよい。また、本実施の形態では、位置決め制御を回転型サーボモータ、回転型エンコーダを使用した構成について説明したが、リニアタイプのサーボモータ、および、エンコーダとしてリニアスケールを使用してもよい。また、サーボモータのかわりにステッピングモータを用いても良い。
実施の形態2.
実施の形態1では、目標速度を与え、この目標速度に従って、加速動作、速度一定の動作、減速動作を順次行う位置決め制御用の位置指令値を生成する位置決め制御用指令生成装置について説明を行った。同じ考え方で、加速もしくは一定速度中に速度変更要求信号を受信し、速度変更要求信号を受信後に、変更速度への加速(もしくは減速)動作時の加速度に関しても指定された形状通りにしながら、速度を目標速度から変更速度に変更して指令値を生成することが可能であり、本実施の形態ではこの内容について説明を行う。本実施の形態における位置決め制御用指令生成装置1の構成を図10に示す。図10では、図9の構成に、速度変更時位置指令計算部16が追加された構成になっている。
図5は、本実施の形態によって得られる指令値の速度、加速度と速度変更要求信号を表すグラフである。図1で示したグラフとの違いは、始動開始直後は目標速度vで加速し、動作中に速度変更要求信号を受信すると目標速度を変更速度v2に変更して、所望の移動量Dに位置決め制御するための指令値を生成する点である。ここで、目標速度vから変更速度v2に加速(あるいは減速)する際には、速度変更加速時間で加速し、さらに、速度変更中に加速度がピーク加速度に到達するまでの加々速度時間5を要し、またピーク加速度から加速度が0になるまでの加々速度時間6を要するように指令値を生成する。
図6は、本実施の形態にかかる位置決め制御用指令生成装置1が指令値を生成する処理の流れを詳細に説明するフローチャートである。図3と同じ番号を付したステップは、図3と同じであるため説明を省略する。図3と異なるのは、ステップS3の処理の後に速度変更要求を受信したか否かを判定するステップS20と、速度変更要求を受信した場合(ステップS20:Yes)に、速度変更時の位置指令値の候補Yを算出するステップS21と、ステップS21を実行した後に、その後ステップS7以降を実行する点である。また、ステップS20で速度変更要求が無いと判断された場合(ステップS20:No)には、図3と同様ステップS4以降を実行する。
図7は、速度変更時の位置指令値の候補Yを算出するステップS21の詳細な内容を説明するフローチャートである。ステップS201では、速度変更要求直後であるかどうかを判定する。速度変更要求直後であるとは、速度変更要求信号を受信した(図5の速度変更要求信号が立ち上がったとき)直後の制御周期であることを指す。速度変更要求直後であれば(ステップS201:Yes)、ステップS202に移行し、そうでなければ(ステップS201:No)、ステップS206に移行する。
ステップS202で、変更速度v2、速度変更加速度時定数Tc、速度変更加々速度時間比率5、6であるr5,r6を取得する。ここで、これらの値は、速度変更要求直後に受信されてもよいし、指令開始時に予め受信されていてもよい。
ステップS203では、速度変更要求を受信する直前の位置X0と速度v0(現在速度)それぞれを、X0=X[i−1]、v0=X[i−1]−X[i−2]として取得する。
ステップS204では、現在速度と変更速度の差DV=v2−v0を算出し、速度変更要求受信時間i0を記憶しておく。
ステップS205では、差速度DVと、速度変更加減速時定数Tcと速度変更加々速度時間比率5、6から、速度変更加速時間tcと速度変更加々速度時間5,6であるd5,d6を算出する。具体的には、
tc=(DV×Tc/Vr)
d5=(rd5×tc)/100
d6=(rd6×tc)/100
として計算する。
ステップS206では、i−i0が速度変更加速時間tcより小さいかどうかを判定する。ここで、i−i0は現在の時間から速度変更要求受信時間を引いた差なので、速度変更要求を受信してからの経過時間を表す。ステップS206で、i−i0が速度変更加速時間(tc)より小さい場合(ステップS206:Yes)はステップS207に移行し、大きい場合(ステップS206:No)はステップS208に移行する。
ステップS207では、位置指令値の候補値Yを、ステップS203で算出した位置X0、速度v0、および(1)式を用いて、以下の(2)式により速度変更時位置指令計算部16が計算する。なお、(1)式の演算は上述したように位置指令計算部11が実行する。
Y=X0+v0*(i−i0)+f(i−i0,DV,tc,d5,d6)・・・(2)
ステップS208では、位置指令値の候補値Yを、前回の制御周期における位置X[i−1]に変更速度v2を加えることによって、すなわち、
Y=X[i−1]+v2
により計算する。ステップS207もしくはS208の処理が終了したら、図6の中のステップS21が終了したことになるので、その後、ステップS7以降を実行する。ステップS7以降は、実施の形態1と同じ処理を行うので説明を省略する。
次に、本実施の形態で得られる効果について説明する。位置決め制御のための位置指令値を算出する点は実施の形態1と同じである。実施の形態1と異なるのは、速度変更要求信号の有無に応じて、位置指令値の候補Yの算出方法が異なる。速度変更要求信号を受信した直前の制御周期における位置X0と速度v0を計算し(ステップS203)、変更速度と速度変更要求信号受信時の速度との差速度DVを計算し(ステップS204)、差速度DVから速度変更時の加速動作に必要な情報である速度変更加速時間tc、速度変更加々速度時間5、6であるd5,d6を算出する(ステップS205)。もし、現在時間iと速度変更要求受信時間i0との差が速度変更加速時間tc以下であれば、速度変更時の加速動作のための位置指令値を(2)式により算出し(ステップS207)、tc以上であれば変更速度に到達しているものとして、位置指令値の候補Yを前回の制御周期の位置指令値X[i−1]に変更速度v2を加えることで算出する。
(2)式の計算式の意味を、速度変更時の速度波形、速度変更要求を示す図8を参照しながら説明する。図8において黒丸は、各時間における速度を表すものとする(黒丸を接続したものが速度として表されている)。(2)式は、3つの項から構成されており、第一項のX0は、指令が開始されてから速度変更要求信号を受信する直前の時間までに(図8において時間1から時間i0−1までに)移動した移動量を表している。第二項のv0*(i−i0)は、速度変更要求信号が受信される直前の時間i0−1における速度(図8の中では目標速度vに等しい)を、速度変更要求を受信した時間i0以降も、継続した場合の移動量を表している。第三項のf(i−i0,DV,tc,d5,d6)は、速度変更要求信号を受信した直後に、停止状態から速度DV(図8の中では、DV=v2−vに等しい)に加速時間tc、加々速度時間がそれぞれd5,d6であるパターンに従って移動したときの、時間i−i0における位置指令値に相当する。
ここで、第三項は、図8において速度=vの破線と時間区間[i0,i]と太線の速度曲線とで囲まれる部分の面積で表される移動量に等しいことに注意すると、第一項、第二項、第三項をすべて合計することで得られる位置指令値の候補Yは、図8の太線で表されている速度曲線と時間軸と時間iの破線とで囲まれる部分の面積で表される移動量を表している。よって、速度変更を行うような指令値を(1)式を利用して計算することで、簡単に計算できるという効果がある。また、減速停止処理を開始するタイミングの決定、および減速停止処理などのステップS7以降の処理を実施の形態1と同様の処理を行うので、減速停止に必要な移動量を1パルスのずれもなく正確に算出することができ、これにより、加速時定数、減速時定数、加々速度時間1、2、3、4で指定された形状に対し精度良く、かつ、計算負荷の小さい指令値を計算することが可能になるという効果がある。従って、速度変更処理を行っても、指定されて形状通りに正確に指令値を算出することができる。
なお、図6、図8では変更速度v2は、目標速度vより大きい場合を例に示して説明したが、目標速度より小さくてもよい。また、指令値が一定の速度を保っている間に速度変更処理を行っているが、加速動作中に速度変更処理を行ってもよく、図7のフローチャートに従って計算を行うことで実現することができる。
さらに、本願発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、上記実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出されうる。例えば、上記実施の形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出されうる。更に、異なる実施の形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
以上のように、本発明にかかる位置決め制御用指令生成装置は、サーボモータなどのモータを用いて機械負荷を位置決め制御するに際し、位置決め制御時の目標参照信号となる指令値を生成する場合に有用であり、特に、指定された形状となるように精度よく指令値を生成する位置決め制御用指令生成装置に適している。
1 位置決め制御用指令生成装置
2 位置指令値
3 サーボアンプ
4 電流
5 サーボモータ
6 エンコーダ
7 位置
8 機械負荷
11 位置指令計算部
12 加速時位置指令算出部
13 停止移動量算出部
14 減速開始タイミング判定部
15 減速停止制御部
16 速度変更時位置指令計算部

Claims (8)

  1. 経過時間、速度、加速時間、および加々速度時間に基づいて位置指令値を算出する位置指令計算部と、
    加速動作時には、前記経過時間を位置指令が開始されてからの所定周期毎の経過時間、前記速度を目標速度、前記加々速度時間を加速動作時の加々速度時間、として前記位置指令計算部が算出する位置指令値を出力する加速時位置指令算出部と、
    前記経過時間および前記加速時間を減速時間、前記加々速度時間を減速時の加々速度時間、として前記位置指令計算部が算出する位置指令値を減速停止に必要な移動量として出力する停止移動量算出部と、
    目標移動量と前記位置指令値との差である残距離と、前記減速停止に必要な移動量と、を比較することにより減速停止動作を開始するか否かを判断する減速開始タイミング判定部と、
    前記減速開始タイミング判定部が減速停止動作を開始すると判定したら、前記残距離と、減速停止を開始する直前の制御周期で算出された減速に必要な移動量との差により補正分残距離を算出した後、前記位置指令計算部の算出結果を用いて、減速停止動作の位置指令値を算出して出力し、さらに、前記補正分残距離が前記減速時の速度を下回ったタイミングにて、前記補正分残距離に前回制御周期前の位置指令値を加えた値を現在の位置指令値として算出する減速停止制御部と、
    を備える
    ことを特徴とする位置決め制御用指令生成装置。
  2. 経過時間、速度、加速時間、および加々速度時間に基づいて位置指令値を算出する位置指令計算部と、
    加速動作時には、前記経過時間を位置指令が開始されてからの所定周期毎の経過時間、前記速度を目標速度、前記加々速度時間を加速動作時の加々速度時間、として前記位置指令計算部が算出する位置指令値を出力する加速時位置指令算出部と、
    前記経過時間および前記加速時間を減速時間、前記加々速度時間を減速時の加々速度時間、として前記位置指令計算部が算出する位置指令値を減速停止に必要な移動量として出力する停止移動量算出部と、
    目標移動量と前記位置指令値との差である残距離と、前記減速停止に必要な移動量と、を比較することにより減速停止動作を開始するか否かを判断する減速開始タイミング判定部と、
    前記減速開始タイミング判定部が減速停止動作を開始すると判定したら、前記残距離と、減速停止を開始する直前の制御周期で算出された減速に必要な移動量との差により補正分残距離を算出した後、前記位置指令計算部の算出結果を用いて、減速停止動作の位置指令値を算出して出力し、前記補正分残距離を、合計して前記補正分残距離になるように前記所定周期単位でみた前記減速時間の数に分割し、分割した値、減速動作時の各制御周期の速度および前回制御周期前の位置指令値を加えた値を、現在の位置指令値として算出する減速停止制御部と、
    を備える
    ことを特徴とする位置決め制御用指令生成装置。
  3. 前記減速停止制御部は、前記補正分残距離を、減速動作における加速度の絶対値に比例した値となるように分割して前記分割した値を求める
    ことを特徴とする請求項2に記載の位置決め制御用指令生成装置。
  4. 前記減速停止制御部は、前記経過時間を前記減速時間から前記所定周期ずつ減らした時間、前記加速時間を前記減速時間、前記加々速度時間を減速時の加々速度時間、として前記位置指令計算部が算出する位置指令値の差分を用いて、減速停止動作の位置指令値を算出して出力する
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の位置決め制御用指令生成装置。
  5. 速度変更要求の受信の直前の位置の値、前記受信の直前の現在速度の値に現在時間と前記受信の時間の差時間を乗じて得られる値、および、前記時間を前記差時間、前記速度を変更速度と前記現在速度との差速度、前記加速時間を速度変更加速時間、前記加々速度時間を速度変更加々速度時間として前記位置指令計算部が算出する位置指令値の合計値により、前記受信の後の位置指令値を算出する速度変更時位置指令計算部と、
    をさらに備える
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の位置決め制御用指令生成装置。
  6. 前記停止移動量算出部は、前記速度を加速動作時に前記位置指令計算部が算出する現在の位置指令値と前記所定周期前の位置指令値との差から求めた現在の予測速度、として前記位置指令計算部が算出する位置指令値を減速停止に必要な移動量として出力する
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の位置決め制御用指令生成装置。
  7. 前記減速停止制御部は、
    前記経過時間を前記減速時間から減速を開始してからの前記所定周期単位での経過時間を減じた時間に前記所定周期を加えた時間、前記加速時間を前記減速時間、前記加々速度時間を減速時の加々速度時間、として前記位置指令計算部が算出する第1位置指令値から
    前記経過時間を前記減速時間から減速を開始してからの前記所定周期単位での経過時間を減じた時間、前記加速時間を前記減速時間、前記加々速度時間を減速時の加々速度時間、として前記位置指令計算部が算出する第2位置指令値を減じる
    ことにより求めた減速時の速度に前記所定周期前の位置指令値を加えた値を現在の位置指令値として算出する
    ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の位置決め制御用指令生成装置。
  8. 前記位置指令計算部は、前記経過時間をi、前記速度をv、前記加速時間をta、加速度0からピーク加速度に到達するまでの加々速度時間をd1、前記ピーク加速度から加速度0に到達するまでの加々速度時間をd2、とおいた場合に以下のf(i,v,ta,d1,d2)で示される値を前記位置指令値として算出する
    Figure 0005889104
    ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の位置決め制御用指令生成装置。
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