JP5888547B2 - フロートの製造方法 - Google Patents

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本発明は、例えば、液体タンクに収容された液体の液面レベルを測定する液面レベルセンサなどで用いられるフロート及びこのフロートの製造方法に関するものである。
フロート式液面レベルセンサにおいては、液体の液面に浮かべられたフロートの上下動を検知して液面レベルの測定を行う。このようなフロート式液面レベルセンサは、例えば、石油液化ガス(LPG)などの高圧液化ガスなどでの測定に使用されることがあり、フロートには耐圧性や液体の低浸透性が要求され、さらに、このような液化ガスは比重が小さいので、浮力を得るためにフロートには小さい比重が要求される。
例えば、中空状の金属体でフロートを構成した場合には、耐圧を確保するために金属の厚みが増し重量が増えて十分な浮力が得られず、また、耐圧性の点から形状が球形に制約されるという問題があった。また、金属よりも小さい比重の樹脂材料でフロートを構成した場合においても、中空体、発泡体問わず、高圧液体中では液体が樹脂材料に浸透してフロート内の空間に液体が浸入してしまい、浮力が得られなくなるという問題があった。そして、このような問題を解決する技術が特許文献1に開示されている。
特許文献1に記載されたフロートは、ガラスマイクロバルーンなどの微小中空体を含有した熱可塑性樹脂で構成されている。このようなフロートによれば、中空体や発泡体などのように内部に空間を設けることなく比重を小さくして、浮力を確保することができた。
特開平1−212319号公報
しかしながら、特許文献1のフロートは、押出機によって加熱溶融した樹脂とガラスマイクロバルーンとを混練押出してこれら樹脂とガラスマイクロバルーンとが混合されたペレットを作成したのち、このペレットを用いて射出成型機によって成型されるものであるところ、比重を小さくするためにガラスマイクロバルーンの割合を多くすると、これらガラスマイクロバルーンの間に溶融した樹脂が行きわたらず、そのため、混練押出時や射出成型時にガラスマイクロバルーン同士が擦れて割れてしまい、小さい比重のフロートを得ることが困難であるという問題があった。特に、耐薬品性や剛性の高い高分子量の樹脂を用いた場合、このような樹脂は溶融時の粘度が高いので、ガラスマイクロバルーンの間に溶融した樹脂がより行きわたらず、そのため、上記問題がより顕著であった。
本発明は、上記課題に係る問題を解決することを目的としている。即ち、本発明は、樹脂に混合したガラス粒体の破損を抑えて小さい比重のフロートを得ることができるフロートの製造方法、及び、このフロートの製造方法で製造された小さい比重のフロートを提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明は、液体に浮かべられるフロートの製造方法であって、熱可塑性の樹脂粉体と中空状のガラス粒体とをそれぞれ固体状態のままで混合した混合物を生成する混合工程と、前記混合工程で生成された前記混合物を金型に入れて前記樹脂粉体の溶融温度以上に加熱しながら圧力を加えて圧縮する圧縮成型工程と、を順次有しており、前記圧縮成型工程では、前記混合物を複数回に分けて前記金型に入れるとともに、該金型に入れる度に第1の圧力を加えて圧縮し、全量を入れ終わった後、前記第1の圧力よりも大きな第2の圧力を加えて圧縮しながら前記混合物を加熱することを特徴とするフロートの製造方法である。
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載された発明において、前記混合工程では、前記ガラス粒体の割合が41体積%〜73体積%となるように前記樹脂粉体と前記ガラス粒体とを混合して前記混合物を生成し、前記圧縮成型工程では、前記金型に入れた前記混合物を5MPa以下の圧力を加えて圧縮する、ことを特徴とする製造方法である。
本発明によれば、熱可塑性の樹脂粉体と中空状のガラス粒体とをそれぞれ固体状態のままで混合して混合物を生成するので、粉体又は粒体などの粒子状の材料を用いることで、これら材料を均一に混合してガラス粒体を樹脂粉体中に分散させることができ、また、混合物を金型に入れて加熱しながら圧力を加えて成型するので、ガラス粒体を含む溶融した樹脂が混練されることなく圧力のみが加えられる。そのため、ガラス粒体の割合を多くした場合でも、ガラス粒体同士が擦れることがなくなるとともにガラス粒体に加わる圧力が樹脂によって緩和されて、ガラス粒体が割れてしまうことを防止でき、混合したガラス粒体の破損を抑えて小さい比重のフロートを得ることができる。また、ガラス粒体の割合が多くなることで、樹脂への液体浸透量を少なくすることができ、そのため、経時的に比重変化の少ないフロートを得ることができる。
(a)、(b)は、本発明のフロートの製造方法の混合工程を説明する図である。 (a)〜(f)は、本発明のフロートの製造方法の圧縮成型工程を説明する図である。 本発明のフロートの一実施形態の構成を模式的に示す正面図(一部に拡大断面図含む)である。 図3のフロートを有する液面レベルセンサの構成を説明する図である。 (a)は、図3のフロートの外周面に金属箔を設けたフロート体の断面図であり、(b)は、(a)のフロート体を有する他の液面レベルセンサの構成を説明する図である。 混合物中のガラスビーズの充填率とフロートの比重(実測値、理論値)との関係を示すグラフである。
以下、本発明のフロートの製造方法の一実施形態について、図1〜図3を参照して説明する。本発明の製造方法で製造されるフロートは、例えば、液体タンクに収容された液体の液面レベル(即ち、液面高さであり、液位ともいう)を測定する液面レベルセンサに用いられる。従来、このようなフロートは、溶融状態の樹脂にガラス粒体としてのガラスマイクロバルーンを混合したペレット用いて射出成型により製造していたが、ガラスマイクロバルーンの混合の割合が高くなると成形時などにおいてガラスマイクロバルーンが割れてしまうので、ある値より比重を小さくすることができず、そのため、例えば、ジメチルエーテル(DME)、ブタンガス、又は、アンモニアなど、比重の小さい液体に浮かべられるフロートの製造には不適当であった。そして、本発明の製造方法では、このような比重の小さい液体に浮かべることができるフロートを製造することができる。
以下に説明するフロートの製造方法では、原材料として、熱可塑性の樹脂粉体と、中空状のガラス粒体と、を用い、円筒形状のフロートF(図3)を製造する。勿論、このような形状は、一例であって、本発明の目的に反しない限り、フロートFの形状は任意である。
樹脂粉体としては、例えば、平均粒径が100μm程度、比重が0.95、溶融温度が128℃のパウダー状のポリエチレン(PE)を用いる。本実施形態では、高密度ポリエチレン樹脂粒子P(サンファインLH−411、旭化成ケミカルズ社製)を用いている。勿論、樹脂の種類について、ポリエチレン以外にも、例えば、ポリプロピレン(PP)、又は、ポリアミド(PA)などのパウダー状の樹脂材料を用いてもよく、また、平均粒径についても、後述するガラス粒体より極端に大きくなく、このガラス粒体と均一に混ざる程度の大きさであればよい。一般的に、樹脂における分子量と溶融粘度には相関があり、同種の樹脂であっても分子量が大きくなるほど溶融粘度が高くなる傾向にあるが、粉体の状態でガラス粒体と混合するので、溶融粘度が混合物の混合程度に影響することがなく、均一に混合することができる。また、樹脂における分子量が大きいと耐薬品性や剛性が高くなるので、耐薬品性に優れた、比重の小さい高耐圧のフロートの製造に有利である。
ガラス粒体としては、例えば、平均粒径が35μm程度で比重が0.34程度の中空球状に形成されたものを用いる。本実施形態では、フィラー用のガラスビーズG(Sphericel 34P30、ポッターズ・バロティーニ社製)を用いている。ガラスビーズGは、その粒径が大きいほど、比重が小さくなるとともに耐圧が低くなる。ガラスビーズGの比重を小さくすることで、それを用いて成型されるフロートFの比重を小さくすることができるが、ガラスビーズGが製造時に割れやすくなるので、所望の比重のフロートFを得ることが難しくなり、また、ガラスビーズGの耐圧によりフロートF自体の耐圧も決まるので、比重を小さくしすぎると必要な耐圧を得られなくなる。そのため、フロートFの成形時に加えられる圧力やフロートFを浮かべる液体の性質(比重、圧力など)に応じて、比重と耐圧とのバランスをとるようにしてガラスビーズGの平均粒径等を決定する。
フロートの製造において、まず、所定量の高密度ポリエチレン樹脂粒子PとガラスビーズGとを計量したのち、図1(a)、(b)に示すように、混合機Mに投入して混合し、これら原材料が均一に混ぜ合わされた混合物Rを生成する(混合工程)。
この混合工程では、生成された混合物R中に含まれるガラスビーズの割合(以下、充填率ともいう)が、製造するフロートの用途(即ち、フロートを浮かべる対象の液体など)に合わせて、41〜73体積%の範囲に含まれるように高密度ポリエチレン樹脂粒子PとガラスビーズGとを混合する。ここでいう「体積%」は、粉体や粒体間の空間を含まない、高密度ポリエチレン樹脂粒子P及びガラスビーズGそのものが占める体積についての値であり、これらの体積(体積%)は、各原材料の比重と重量から換算して求めている。例えば、高密度ポリエチレン樹脂粒子P(比重0.95)を26g、ガラスビーズG(比重0.35)を17g、としたとき、高密度ポリエチレン樹脂粒子Pの体積は27.4cm3(=26/0.95)、ガラスビーズGは50.0cm3(=17/0.34)となり、これらを混合すると、ガラスビーズGの充填率は65体積%(=50.0/(27.4+50.0))となる。
次に、上記混合工程で生成した混合物Rを、図2(a)〜(f)に示すように、金型に充填して高密度ポリエチレン樹脂粒子Pの溶融温度以上に加熱しながら圧縮する(圧縮成型工程)。
この圧縮成型工程で用いる金型Kには、上端が開口された有底円筒状のキャビティCが設けられており、このキャビティC内には、例えば、シリコン離型剤やフッ素系離型剤などを塗布する離型処理が予め施されている。おり、このキャビティC内に上記混合物Rを充填するとともにキャビティCから10%程度あふれるまで上記混合物Rを充填する。具体的には、混合物の充填は、複数回に分けて少量ずつ上方からキャビティC内に注ぎ(図2(a)、(c))、混合物を注ぐ度にキャビティC内に充填された混合物を上方から1MPa程度の圧力で圧縮して混合物R内に生じた空隙を小さくしながら(図2(b)、(d))、キャビティCの上部からあふれるまで行う(図2(e))。そして、混合物RがキャビティC内に充填されると、図示しないヒータによって金型を180℃まで加熱して、1MPa/分の速度で5MPaになるまで少しずつ圧力を高め、圧力5MPaを加えた状態で10分間混合物Rを圧縮する(図2(f))。このとき、金型Kの隙間から樹脂が流れ出ていくため、混合物Rに加わる圧力が5MPaを維持するように、圧力を調整しながら行う。
そして、金型Kを保持したままヒータをオフして、金型温度(即ち、混合物Rの温度)が100℃になるまで自然冷却を行ったのち、さらに、金型Kを保持したまま、金型K内に設けられた図示しない管路に冷却水を循環させて金型温度が40℃になるまで冷却を行う(冷却工程)。
そして、金型Kから成形品を取り出して、図3に示すフロートFが完成する。
以上より、本発明によれば、熱可塑性の樹脂粉体としての高密度ポリエチレン樹脂粒子Pと中空状のガラス粒体としてのガラスビーズGとをそれぞれ固体状態のままで混合して混合物Rを生成するので、粉体又は粒体などの粒子状の材料を用いることで、これら材料を均一に混合してガラスビーズGを高密度ポリエチレン樹脂粒子Pに分散させることができ、また、混合物Rを金型Kに入れて加熱しながら圧力を加えて成型するので、ガラスビーズGを含む溶融したポリエチレン樹脂が混練されることなく圧力のみが加えられる。そのため、ガラスビーズGの割合を多くした場合でも、ガラスビーズG同士が擦れることがなくなるとともにガラスビーズGに加わる圧力がポリエチレン樹脂によって緩和されて、ガラスビーズGが割れてしまうことを防止でき、混合したガラスビーズGの破損を抑えて比重の小さいフロートFを得ることができる。また、ガラスビーズGの割合が多くなることで、高密度ポリエチレン樹脂粒子Pへの液体浸透量を少なくすることができ、そのため、経時的に比重変化の少ないフロートFを得ることができる。
上述したフロートの製造方法で製造されたフロートは、例えば、図4に概略構成を示す液面レベルセンサ10において用いられる。
この液面レベルセンサ10は、例えば、液体としてジメチルエーテル(DME)を収容する燃料タンクTに設けられている。燃料タンクTに収容されたDMEの液面レベルの変化によりフロートFが上下に移動すると、その運動はフロートアーム11の始点に配置されたギヤ12によりシャフト13の回転運動に変えられる。シャフト13の上端には第1マグネット14が固定され、シャフト13の回転に合わせて回動する。この第1マグネット14の磁界はフランジTaを透過して第2マグネット15に影響を及ぼし、これにより、第2マグネット15も第1マグネット14と同様に回動する。そして、第2マグネット15の回動角度がホールIC16によって検出されて、この回動角度の変化から燃料の液面レベルが検出される。
または、上述したフロートの製造方法で製造されたフロートは、図5(a)、(b)に概略構成を示す液面レベルセンサ20において用いられる。
この液面レベルセンサ20は、例えば、液体としてアンモニアを収容する燃料タンクTに設けられている。この液面レベルセンサ20は、フロートFの外周面を金属箔21で覆ったフロート体22と、燃料タンクTの底壁から上壁にわたって立設された円筒状の絶縁性ガイド23と、絶縁性ガイド23の外周面に密に重ねて設けられた一対の電極24と、を有している。絶縁性ガイド23は、内径がフロート体22の外径と同一に形成されており、フロート体22は絶縁性ガイド23の内側に上下方向に移動可能に配置されている。一対の電極24は、絶縁性ガイド23の半径方向に相対して配置されている。また、一対の電極24は、絶縁性ガイド23の下端から上端に向かうにしたがって、絶縁性ガイド23の周方向に沿う長さ(即ち、幅)が一定の割合で徐々に広がる(又は、狭まる)ように形成されている。そして、燃料タンクTに収容されたアンモニアの液面レベルの変化によりフロート体22が上下すると、一対の電極24間の静電容量が変化して、この静電容量の変化から液面レベルが検出される。
本発明者は、上述した本発明の製造方法を用いて、以下の実施例1〜3、及び、比較例1〜5に示すようにしてフロートを作製して、これらフロートの比重の比較を行った。また、特許文献1に開示されたフロートを比較例6〜25として、これらフロートの比重との比較も行った。
(実施例1)
平均粒径が100μm(粒径範囲80〜150μm)、比重が0.95、溶融温度が128℃の高密度ポリエチレン樹脂粒子P(サンファインLH−411、旭化成ケミカルズ社製)と、平均粒径が35μm(粒径範囲10〜50μm)、比重が0.34、耐圧が20MPaのガラスビーズG(Sphericel 34P30、ポッターズ・バロティーニ社製)と、を固体状態のままで混合して、ガラスビーズGの充填率が65体積%となる混合物を生成し、この混合物を金型に充填して5MPaの圧力で圧縮したのち、冷却して脱型し、フロートの成形品を得た。
(実施例2)
ガラスビーズGの充填率が70体積%となる混合物を生成した以外は、実施例1と同様にして、フロートFの成形品を得た。
(実施例3)
ガラスビーズGの充填率が65体積%となる混合物を生成し、この混合物を金型に充填して10MPaの圧力で圧縮した以外は、実施例1と同様にして、フロートFの成形品を得た。
(比較例1)
ガラスビーズGの充填率が35体積%となる混合物を生成した以外は、実施例1と同様にして、フロートFの成形品を得た。
(比較例2)
ガラスビーズGの充填率が75体積%となる混合物を生成した以外は、実施例1と同様にして、フロートFの成形品を得た。
(比較例3)
ガラスビーズGの充填率が80体積%となる混合物を生成した以外は、実施例1と同様にして、フロートFの成形品を得た。
(比較例4)
ガラスビーズGの充填率が35体積%となる混合物を生成し、この混合物を金型に充填して10MPaの圧力で圧縮した以外は、実施例1と同様にして、フロートFの成形品を得た。
(比較例5)
ガラスビーズGの充填率が80体積%となる混合物を生成し、この混合物を金型に充填して10MPaの圧力で圧縮した以外は、実施例1と同様にして、フロートFの成形品を得た。
比較例6〜25については、特許文献1における実施例1〜20に対応するものであり、製造方法などの詳細については特許文献1を参照されたい。
これら実施例1〜3、比較例6〜25について、以下の判定基準で判定を行った。
耐薬品性については、
○・・・(1)ジメチルエーテル(DME)、(2)アンモニア、(3)液化ブタンガス、の3つのそれぞれの液体について耐性あり
×・・・上記(1)〜(3)のうち少なくとも1つ以上で耐性なし又は性質上適さない
として判定した。
比重判定については、
○・・・比重が、DMEの液比重である0.67未満である
×・・・比重が0.67以上である
として判定した。
総合判定については、
○・・・耐薬品性及び比重判定ともに良好(○)である
×・・・耐薬品性及び比重判定のうち少なくとも一方が不良(×)である。
として判定した。
表1、表2に、上記実施例1〜3及び比較例6〜25の構成等及び判定結果を示す。なお、表2については、本発明との比較のために、特許文献1の記載などに基づいて項目(ガラス粒体の充填率、成形品比重の理論値)を追加している。なお、各表中にある成形品比重の理論値とは、成形品においてガラスビーズGの破損が全く生じなかったときの比重であり、高密度ポリエチレン樹脂粒子Pの比重をHp、ガラスビーズGの比重をHg、及び、ガラスビーズGの充填率をJgとすると、成形品比重の理論値Hは、次の式により算出される。
H=(Hp×(1−(Jg/100)))+(Hg×(Jg/100))
Figure 0005888547
Figure 0005888547
表1の判定結果から次のことが判明した。実施例1〜3では、耐薬品性の高い高密度ポリエチレン樹脂Pを用いて、ジメチルエーテルの液比重より小さい比重のフロートFを得ることができた。特に、実施例1では、液比重が非常に小さい液化ブタンガス(比重0.58)を下回る比重(比重0.57)のフロートを得ることができた。また、比較例1、4では、ガラスビーズGの充填量が少なすぎて、実際上及び理論上でもジメチルエーテルの液比重より小さい比重のフロートを成型することができない。また、理論上はガラス粒体の充填量を多くするほど小さい比重のフロートを成型することができるが、比較例2、3、5では、ガラス粒体の充填量が多すぎてこれらガラス粒体の間に十分に高密度ポリエチレン樹脂粒子が行きわたらず、そのため、本発明の製造方法を用いてもガラス粒体の破損を防ぎきれず、フロートの比重が大きくなってしまったものと考える。
また、表2の判定結果から、特許文献1に示される従来の製造方法でも、小さい比重のフロートを製造することができるが(例えば、比較例6、8、19、20、23)、製造に用いた樹脂がナイロン6(PA6)、ポリプロピレン(PP)であるので、上記実施例1〜3などで用いた高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)より耐薬品性等の点で劣る。特に、ナイロン6については、ある程度の耐薬品性を有するものの酸には弱く、また、一般的に吸水性が高いため、タンク内に含まれる水分を含むことにより重量変化が起こりやすく、そのため、ナイロン6は、フロート材料として適さない。また、ポリプロピレンは、0℃以下で脆化が起こることが知られているところ、高圧液化ガスは一般的に気化熱が大きく、液化ガスの取り出し時などに0℃以下の低温になる可能性があり、そのため、ポリプロピレンについても、高圧液化ガスのフロート材料として適さない。
また、比較例12〜25に示されるように、ガラス粒体の充填率を60体積%以上に高めた場合でも、理論上得られる比重より大幅に大きい比重となってしまい、製造時に相当量のガラス粒体の破損が生じていると考えられるところ、上記ナイロン6、ポリプロピレンに代えて、耐薬品性の高い高密度ポリエチレン樹脂Pを用いたとすると、この高密度ポリエチレンは、PA6やPPよりも分子量が大きいので、溶融粘度も高く、そのため、上記従来用いていた樹脂よりも多くのガラス粒体が破損してしまうことが予想され、分子量の大きい高密度ポリエチレン樹脂を用いて耐薬品性を高めても、小さい比重のフロートは得られないものと考える。
以上のように、本発明によれば、混合したガラスビーズGの破損を抑えて小さい比重のフロートFを得ることができ、特に、耐薬品性の高い高分子量の樹脂を用いても小さい比重のフロートFを得ることができることが、上記実施例及び比較例から明らかとなった。
図6に、上記実施例1〜3及び比較例1〜5について、ガラスビーズGの充填率と成型されたフロートFの比重(実測値、理論値)との関係についてグラフに示す。図6に示すように、フロートFの比重の理論値については、充填率が高くなるほど比重が小さくなる。一方、フロートFの比重の実測値については、充填率が高くなるにつれて概ね理論値に沿って比重が小さくなるが、ある充填率を境に比重が大きくなる。これは、充填率が低いとガラスビーズG間に高い高密度ポリエチレン樹脂Pが十分に行きわたり、圧縮成型したときに樹脂Pがクッションとなって圧力を緩和してガラスビーズGの破損を防ぐのでほぼ理論値通りの比重になるものと考えられ、また、充填率が高くなるとガラスビーズG間に樹脂Pが十分に行きわたらず、圧縮成型の圧力によってガラスビーズGが破損してしまうため、理論値より大きい比重になるものと考えられる。なお、図6のグラフにおいて、ガラスビーズGの充填率が低いとき(35%〜50%)の実測値が理論値より低くなっているが、これは、ガラスビーズGと高密度ポリエチレン樹脂Pとの密着性の点で、それらの界面に僅かな気孔が存在してしまうことによるものと考えられる。そして、このような気孔に液体が浸入するとフロートFの重量変化が生じてしまうが、上記で用いた液体は、高密度ポリエチレン樹脂Pより比重が低いので、気孔に液体が浸入した場合でも、ガラスビーズGの破損がなければ、フロートFの比重は理論値を超えることはない。
また、この図6のグラフから、平均粒径が100μm(粒径範囲80〜150μm)、比重が0.95、溶融温度が128℃の高密度ポリエチレン樹脂粒子Pと、平均粒径が35μm(粒径範囲10〜50μm)、比重が0.34、耐圧が20MPaのガラスビーズGと、を用いて、これら原材料を固体状態のままで混合して、(A)ガラスビーズGの充填率が41〜73体積%となる混合物を生成し、この混合物を金型に充填して5MPaの圧力で圧縮成型することで、(1)ジメチルエーテル(液比重0.67)、(2)アンモニア(液比重0.64)、(3)液化ブタンガス(液比重0.58)、のそれぞれに適したフロートFを製造することができ、又は、(B)ガラスビーズGの充填率が51〜71体積%となる混合物を生成し、この混合物を金型に充填して5MPaの圧力で圧縮成型することで、上記(2)、(3)のそれぞれに適したフロートFを製造することができ、又は、(C)ガラスビーズGの充填率が64〜66体積%となる混合物を生成し、この混合物を金型に充填して5MPaの圧力で圧縮成型することで、上記(3)に適したフロートFを製造することができることが判った。上述したガラスビーズGの充填率の範囲の上限値、下限値は、図6の圧力5MPaの実測値のグラフから導き出している。また、特に、ガラスビーズGの充填率を65%にすることで、特許文献1に示される従来の製造方法では製造することができなかった0.55〜0.57(下限は理論値)の比重のフロートを製造することができる。
上述した実施形態は、例えば、ジメチルエーテル(DME)、ブタンガス、又は、アンモニアなどの液体に浮かべられるフロートの製造方法、及び、この製造方法で製造されたフロートが適用される液面レベルセンサなどを説明するものであったが、これに限定されるものではない。フロートが浮かべられる液体については、上記液体に限らず、例えば、窒素、酸素のなどの工業用途の液化ガス、又は、常温常圧で液状となる燃料(灯油、ガソリン等)、各種薬液等であってもよく、本発明の目的に反しない限り、その種類は任意である。また、フロートが適用される装置についても液面レベルセンサに限定されるものではなく、本発明の目的に反しない限り、本発明を適用する装置及びシステムは任意である。
なお、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
10、20 液面レベルセンサ
F フロート
P 高密度ポリエチレン樹脂粒子(樹脂粉体)
G ガラスビーズ(ガラス粒体)
R 混合物
K 金型
C キャビティ

Claims (2)

  1. 液体に浮かべられるフロートの製造方法であって、
    熱可塑性の樹脂粉体と中空状のガラス粒体とをそれぞれ固体状態のままで混合した混合物を生成する混合工程と、
    前記混合工程で生成された前記混合物を金型に入れて前記樹脂粉体の溶融温度以上に加熱しながら圧力を加えて圧縮する圧縮成型工程と、を順次有しており、
    前記圧縮成型工程では、前記混合物を複数回に分けて前記金型に入れるとともに、該金型に入れる度に第1の圧力を加えて圧縮し、全量を入れ終わった後、前記第1の圧力よりも大きな第2の圧力を加えて圧縮しながら前記混合物を加熱する
    ことを特徴とするフロートの製造方法。
  2. 前記混合工程では、前記ガラス粒体の割合が41体積%〜73体積%となるように前記樹脂粉体と前記ガラス粒体とを混合して前記混合物を生成し、
    前記圧縮成型工程では、前記金型に入れた前記混合物を5MPa以下の圧力を加えて圧縮する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のフロートの製造方法。
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