JP5886251B2 - 画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents
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Description
これらの画像形成装置では、トナー像が転写された記録紙を、定着手段により加熱してトナーを定着させることで画像形成を行う。この定着手段を加熱する方式として、電磁誘導加熱(Induction Heating, IH)を用いるものが存在する。
特許文献1の技術では、充電側の機器の位置ズレや部品のバラツキ等を考慮して共振周波数を時間をかけて探索する必要があり、画像形成装置に適用してもウォームアップ時間を短縮させることはできないという問題があった。
本発明の画像形成装置は、前記駆動周波数調整部は、電源投入時又は省電力状態からの復帰時に、駆動周波数の調整を行うことを特徴とする。
本発明の画像形成装置は、前記駆動周波数調整部は、設定された駆動周波数を前記所定量増加させ、前記所定量低下と前記所定量増加とを繰り返させて、最適な共振周波数を算出し、更に、前記所定量を可変として、駆動周波数の調整を行う度に前記所定量を減少させて、最適値に収束するように変化させ、電力源投入後に上昇した温度の上昇率を考慮して駆動周波数を変化させることを特徴とする。
本発明の画像形成方法は、コイルユニットを用いて電磁誘導加熱する定着部を備えた画像形成装置による画像形成方法において、前記定着部の温度を測定し、測定された前記定着部の温度と前記コイルユニットの共振周波数との関係を示す温度周波数関係情報を記憶させ、記憶された温度周波数関係情報と、前記定着部への電源投入時に測定された温度とにより、前記コイルユニットの駆動周波数の初期設定値を設定し、設定された駆動周波数における前記定着部の消費電力を測定し、設定された駆動周波数を所定量低下させ、低下させる前後の電力を測定させて傾きを算出し、前記傾きの算出は、前に測定された電力値と、設定された駆動周波数での電源投入時の電力値とを減算することで算出し、前記傾きが小さくなりマイナスになる直前の駆動周波数を共振周波数として算出し、算出された共振周波数に駆動周波数を調整し、測定された電力により、前記コイルユニットの駆動周波数を調整することを特徴とする。
〔画像形成装置1の全体の構成〕
まず、図4を参照して、画像形成装置1の全体の構成について説明する。
画像形成装置1は、画像処理部11、原稿読取部12、原稿給送部13、搬送部(給紙ローラー42b、搬送ローラー対44、排出ローラー対45)、ネットワーク送受信部15、操作パネル部16、画像形成部17、温度センサー18、記憶部19、及び定着駆動部20等が、制御部10に接続されている。
各部は、制御部10によって動作制御される。
制御部10は、記憶部19のROMやHDDに記憶されている制御プログラムを読み出して、この制御プログラムをRAMに展開させて実行することで、後述する機能ブロックの各部として動作させられる。また、制御部10は、図示しない外部の端末や操作パネル部16から入力された所定の指示情報に応じて、装置全体の制御を行う。
画像処理部11は、原稿読取部12で読み取られた画像を、記憶部19に印刷データとして記憶させる。この際、画像処理部11は、印刷データをPDFやTIFF等のフォーマットのファイル単位に変換することも可能である。
原稿給送部13は、原稿読取部12で読み取られる原稿を搬送する。
画像形成部17は、記憶部19に記憶されたデータ、原稿読取部12で読み取られたデータ、又は外部の端末から取得されたデータ等から、記録紙への画像形成を行わせる。画像形成部17は、省電力化のため、待機状態の際には電源供給が停止される。このため、画像形成部17の定着部17e(図5)は、待機状態の時間等に応じて温度が低下している。
温度センサー18は、定着部17eの温度を測定するサーミスター等の温度検知用のセンサーである。
搬送部は、給紙カセット42aから記録紙を搬送し、画像形成部17で画像形成させ、その後にスタックトレイ50へ搬送する。
なお、原稿読取部12、原稿給送部13、搬送部、画像形成部17、温度センサー18、定着駆動部20の動作については後述する。
ネットワーク送受信部15は、データ通信用の回線ではデータを送受信し、音声電話回線では音声信号を送受信する。
操作パネル部16は、ユーザーによる画像形成装置1の各種ジョブの指示を取得する。また、操作パネル部16から取得したユーザーの指示により、各ユーザーの情報を入力、変更することも可能である。
記憶部19のRAMは、省電力状態であっても、セルフリフレッシュ等の機能により、記憶内容が保持される。
記憶部19のROMやHDDには画像形成装置1の動作制御を行うための制御プログラムが記憶されている。これに加えて、記憶部19は、ユーザーのアカウント設定も記憶している。また、記憶部19には、ユーザー毎の保存フォルダーの領域が含まれていてもよい。
また、制御部10及び画像処理部11は、RAMやROMやフラッシュメモリー等を内蔵していてもよい。
また、画像形成装置1は、ファクシミリの送受信を行うFAX送受信部を備えていてもよい。
次に、図5及び図6を参照して、本発明の実施の形態に係る画像形成装置1の動作について説明する。
原稿読取部12は、本体部14の上部に配設され、原稿給送部13は、原稿読取部12の上部に配設されている。スタックトレイ50は、本体部14に形成された記録紙の排出口41側に配設され、また、操作パネル部16は、画像形成装置1のフロント側に配設されている。
プラテンガラス12bは、ガラス等の透明部材により構成された原稿台である。原稿読取スリット12cは、原稿給送部13による原稿の搬送方向と直交方向に形成されたスリットを有する。
また、原稿給送部13により搬送された原稿を読み取る場合には、スキャナー12aは、原稿読取スリット12cと対向する位置に移動され、原稿読取スリット12cを介し、原稿給送部13による原稿の搬送動作と同期して原稿を読み取って画像データを取得し、取得した画像データを本体部14に出力する。
なお、原稿給送部13は、可倒式に構成され、原稿給送部13を上方に持ち上げることで、プラテンガラス12bの上面を開放させることができる。
給紙ローラー42bによって用紙搬送路43に繰り出された記録紙は、搬送ローラー対44によって画像形成部17に向けて搬送される。搬送された記録紙は、画像形成部17内に搬送され、所定のタイミングで、位置決めや用紙先端余白幅の調整がされた後、画像形成部17内に搬送される。画像形成部17内に搬送され、記録が施された記録紙は、排出ローラー対45によってスタックトレイ50に排出される。
露光部17bは、レーザー装置やミラーやレンズ等を備えた光学ユニットであり、画像データに基づいて光等を出力して感光体ドラム17aを露光し、感光体ドラム17aの表面に静電潜像を形成する。現像部17cは、トナーを用いて感光体ドラム17aに形成された静電潜像を現像する現像ユニットであり、静電潜像に基づいたトナー像を感光体ドラム17a上に形成させる。転写部17dは、現像部17cによって感光体ドラム17a上に形成されたトナー像を記録紙に転写させる。定着部17eは、転写部17dによってトナー像が転写された記録紙を加熱してトナー像を記録紙に定着させる。
溶融ローラー72は、例えば、ステンレス鋼からなる外径45mmの芯金ローラーと、芯金ローラーの外周面を被覆する厚さ5mm以上10mm以下のシリコンゴムからなるスポンジ層を含む円筒状に形成される。
加熱ベルト73は、例えば、厚さ寸法約30μm以上約50μm以下のニッケル電鋳基材と、ニッケル電鋳基材上に積層されるシリコンゴム層と、シリコンゴム層上に形成される離型層(例えば、PFA層)を含んでいる。加熱ベルト73は、加熱に適したように熱伝導率が高い素材で形成されている。
加圧ローラー74は、例えば、ステンレス鋼からなる芯金ローラー、芯金ローラー外周面を被覆する厚さ2mm以上5mm以下のシリコンゴムからなるスポンジ層及び離型層(例えば、PFA層)を含む外径50mmの円筒状に形成される。加圧ローラー74の金属製の芯材は、例えば、FeやAlを用いて形成されてもよい。この芯材上にSiゴム層が形成されてもよい。さらにSiゴム層の表層にフッ素樹脂層が形成されてもよい。
コイルユニット75は、電磁誘導による誘導加熱を行うための励磁用のコイルユニットである。定着駆動部20からコイルユニット75に高周波が加えられると、磁束変化により加熱ローラー71及び加熱ベルト73の金属内の自由電子が動き抵抗損失によって発熱する。このコイルユニット75は、励起用のコイルが複数に分割されて備えられていてもよい。
図1を参照し、上述した図5で示した画像形成装置1の定着部17eの制御系の構成について説明する。
図1を参照すると、定着部17eの制御系として、制御部10、記憶部19、温度センサー18、定着駆動部20、及びコイルユニット75が備えられている。
制御部10は、温度センサー18で測定された加熱ローラー71及び加熱ベルト73(図6)の温度により、記憶部19を参照して、定着駆動部20の駆動信号発生部22に駆動周波数を設定する。また、制御部10は、コイルユニット75に流れた電流から算出された電力により、記憶部19に記憶された情報を参照して、駆動信号発生部22を制御して駆動周波数を調整する。
記憶部19には、例えば、工場出荷時に記憶された温度センサー18を用いて検出された温度とコイルユニット75の共振周波数との関係を示すテーブルが記憶されている。
定着駆動部20は、コイルユニット75に高周波を印加する高周波電源回路等である。定着駆動部20は、駆動信号発生部22により発生させた駆動信号を、電源部21から印加される電源電圧に対して二個直列接続された高周波スイッチングトランジスター等に供給してそれぞれ交互に駆動させ、コイルユニット75に高周波電流を流す。
コイルユニット75には、定着駆動部20の駆動周波数調整部120(図2)により、設定された駆動周波数の高周波電流が流される。これにより、コイルユニット75に高周波磁束が発生することで、加熱ローラー71及び加熱ベルト73に渦電流が発生し、ジュール熱によってこれらが加熱される。
電源部21は、交流電圧(AC)が整流され、直流電圧に変換された安定化電源等である。
駆動信号発生部22は、制御部10から供給される制御電圧に応じて発振周波数を変更可能な電圧制御発振回路等を用いて、高周波トランジスター等の駆動信号を生成し、出力する。
図2を参照して、図1に示す画像形成装置1の制御部10の詳細な構成について説明する。制御部10は、駆動周波数初期設定部100と、電力測定部110と、駆動周波数調整部120とを備えている。
記憶部19は、温度周波数関係情報200を記憶している。
また、駆動周波数調整部120は、設定された駆動周波数を所定量低下させ、低下させる前後の電力を電力測定部110により測定させて傾きを算出し、傾きが小さくなりマイナスになる直前、つまり出力電力が極大となる点を共振周波数として算出し、算出された共振周波数に駆動周波数を調整する。
また、駆動周波数調整部120は、電源投入時又は省電力状態からの復帰時に、駆動周波数の調整を行う。駆動周波数調整部120は、電源投入時のウォームアップタイムや、スリープモード等の省電力状態からの復帰時に共振周波数の算出を繰り返す。
温度周波数関係情報200は、例えば、所定範囲の温度に対応する共振周波数が記載されたテーブルである。駆動周波数初期設定部100は、温度センサー18で測定された温度に対応する共振周波数を温度周波数関係情報200から読み出して、駆動周波数を設定可能である。
温度周波数関係情報200は、コイルユニット75を画像形成装置1に搭載した際に、定着部17eの温度情報と共振周波数との関係を実際に測定して、記憶部19に記憶させてもよい。また、下記の駆動周波数設定処理で温度センサー18の値により設定された共振周波数の実際の値を記憶部19にリアルタイム(実時間)で記憶させ、経年劣化等に対応させてもよい。
また、上述の画像形成装置1の各部は、本発明の画像形成方法を実行するハードウェア資源となる。
次に、図3を参照して、本発明の実施の形態に係る画像形成装置1による駆動周波数設定処理の説明を行う。
本実施形態の駆動周波数設定処理は、温度センサー18で現時点の温度を測定して、温度と共振周波数との関係を示す温度周波数関係情報200を参照し、共振周波数となる駆動周波数で高周波電圧を印加することで、加熱ローラー71及び加熱ベルト73を素早く加熱する。この際、コイルユニットの加熱用に供給される電力値をモニターして制御部10へフィードバックして調整し、最大電力で加熱を行うことができる。
本実施形態の駆動周波数設定処理は、主に制御部10が、記憶部19に記憶されたプログラムを、各部と協働し、ハードウェア資源を用いて実行する。
以下で、図3のフローチャートを参照して、駆動周波数設定処理の詳細をステップ毎に説明する。
まず、制御部10が、駆動周波数初期設定部100により、初期化処理行う。
制御部10は、電源投入時、又は操作パネル部16によるユーザーの操作や図示しない端末からのジョブデータの受信等による省電力状態からの復帰時に、各部を初期化して動作確認を行う。
次に、制御部10が、駆動周波数初期設定部100により、温度測定処理を行う。
制御部10は、定着部17eのコイルユニット75へ電源投入する前に、温度センサー18で測定された定着部17eの温度を取得する。
この温度は、前回、画像形成部17により画像形成が行われてから経過した時間により異なっている。
次に、制御部10が、駆動周波数初期設定部100により、駆動周波数初期設定処理を行う。
制御部10は、温度周波数関係情報200を記憶部19から読み出す。制御部10は、温度周波数関係情報200から、温度センサー18により測定された定着部17eの温度と対応するコイルユニット75の共振周波数の値を取得する。この値が、コイルユニット75の駆動周波数の初期設定値となる。
制御部10は、取得された駆動周波数の初期設定値を、定着駆動部20の駆動信号発生部に設定する。つまり、制御部10は、高周波電源回路(定着駆動部20)から電力を出力し始めるまでに、定着部17eの温度を元に駆動周波数の初期設定値を設定する。
次に、制御部10が、駆動周波数初期設定部100により、コイル電源投入処理を行う。
制御部10は、定着駆動部20の電源部21(図1)をオンにして、所定電圧の直流電圧を発生させる。これにより、設定された駆動周波数の高周波電圧がコイルユニット75に印加される。
ここで、制御部10が、電力測定部110により、電力測定処理を行う。
制御部10は、定着駆動部20により消費された電力を測定する。制御部10は、電源部21(図1)の電圧と、測定された電流の積とを積算等して電力値を算出することで、消費電力を測定する。
次に、制御部10が、駆動周波数調整部120により、傾き算出処理を行う。
制御部10は、前に測定された電力値がある場合、この前に測定された電力値と、設定された駆動周波数での電源投入時の電力値とを減算等して、傾きを算出する。
つまり、制御部10は、出力する駆動周波数において、定着部17eの温度を基に設定された設定値を、後述するように所定量低下させて再設定し、再設定された前後で測定された電力値が増大した割合等を傾きとして算出する。
なお、制御部10は、初期設定値が設定された際に測定された電力値だけが算出されている場合は、傾きは算出しない。
次に、制御部10が、駆動周波数調整部120により、傾きがマイナスか否かを判定する。制御部10は、傾きが算出され、算出された傾きがマイナス、すなわち電力値が減少した場合に、Yesと判定する。制御部10は、それ以外の場合には、Noと判定する。
Yesの場合、制御部10は、処理をステップS108に進める。
Noの場合、制御部10は、処理をステップS107に進める。
算出された傾きがマイナスでなかった場合、制御部10が、駆動周波数調整部120により、駆動周波数再設定処理を行う。
制御部10は、設定された駆動周波数を、所定量低下させて定着駆動部20の駆動信号発生部22に再設定する。この所定量は、コイルユニット75の共振周波数のバラツキや駆動信号発生部22の精度等の情報を基に設定されてもよい。
その後、制御部10は、処理をステップS104に戻す。
算出された傾きがマイナスの場合、制御部10は、駆動周波数調整部120により、共振周波数算出処理を行う。
制御部10は、算出された傾きがマイナスになる直前、つまり出力電力が極大となる駆動周波数を、共振周波数として算出する。制御部10は、定着駆動部20の駆動信号発生部22の駆動周波数を、この共振周波数に設定し直す。
制御部10は、上述の駆動周波数設定処理の各処理を、画像形成部17への電源投入時のウォームアップタイムや省電力状態からの復帰時に繰り返してもよい。
以上により、本発明の実施の形態に係る駆動周波数設定処理を終了する。
従来、特許文献1の技術は、携帯電子機器の充電用の技術であり、高速に駆動周波数を調整することはできなかった。
これに対して、本発明の実施の形態に係る画像形成装置1は、コイルユニットを備えたコイルユニット75により加熱ローラー71及び加熱ベルト73を電磁誘導加熱する定着部17eを備えた画像形成装置1において、主に加熱ローラー71及び加熱ベルト73の温度を検出して定着部17eの温度を測定する温度センサー18と、温度センサー18により測定された定着部17eの温度とコイルユニット75の共振周波数との関係を示す温度周波数関係情報200を記憶させた記憶部19と、記憶部19に記憶された温度周波数関係情報200と、定着部17eへの電源投入時に温度センサー18により測定された温度とにより、コイルユニット75の駆動周波数の初期設定値を設定する駆動周波数初期設定部100と、駆動周波数初期設定部100により設定された駆動周波数における定着部17eの消費電力を測定する電力測定部110と、電力測定部110により測定された電力により、コイルユニット75の駆動周波数を調整する駆動周波数調整部120とを備えることを特徴とする。
このように構成することで、定着部17eの温度による共振周波数特性の関係である温度周波数関係情報200により、最適な共振周波数を素早く検索して、より高速に共振周波数を探し出して設定することができる。定着部17eの定着駆動部20は、この共振周波数で高周波を出力して、コイルユニット75に最適な電力を供給し、素早く加熱ローラー71及び加熱ベルト73を加熱することが可能となる。つまり、定着駆動部20の高周波電源回路で設定される最大出力電力をコイルユニットの加熱用に供給可能である。これにより、最短で画像形成装置1の電源投入後のウォームアップ及び省電力状態からの復帰が完了する。
よって、ウォームアップの待ち時間を減らしてユーザーの利便性を向上させることができる。
このように、電源投入時又は省電力状態からの復帰時に駆動周波数の調整を高速に行うことで、定着部17eを効率的に加熱し、電源投入時のウォームアップタイム及び/又は省電力状態からの復帰時間を最短とさせることができる。
このため、本実施形態の画像形成装置1は、コイルユニット75の部品バラツキや画像形成装置1の機内温度バラツキによる負荷側のインピーダンスの変化を温度周波数関係情報200として組立時等に記憶部19に記憶させておき、駆動周波数の調整範囲を狭めて、共振周波数を素早く設定することができる。つまり、この温度周波数関係情報200により、共振コイル及び共振コンデンサーのインピーダンスの部品バラツキ、画像形成装置1の機内定着温度の違いによるインピーダンスの線形でないバラツキを補って、素早く最大電力で加熱ローラー71及び加熱ベルト73の加熱を行うことができる。また定着駆動部20は、常に高周波電源回路で設定される最大電力をコイルに供給できる。
よって、ウォームアップ時間及び省電力状態からの復帰時間を確実に短縮させることが可能になる。
なお、本発明の実施の形態においては、初期周波数から駆動周波数を所定量低下させて共振周波数を算出するように説明した。しかしながら、制御部10が、所定量増加させたり、所定量低下と増加を繰り返させたりして、最適な共振周波数を算出してもよい。さらに、所定量を可変として、上述の駆動周波数再設定処理の度に所定量を減少させ、最適値に収束するように変化させてもよい。また、制御部10は、電力の投入後は温度が上昇するため、この上昇率を考慮して駆動周波数を変化させてもよい。
このように構成することで、より最適に駆動周波数を設定し、効率的に電力を負荷することができる。
また加熱ローラー71と溶融ローラー72とが、一体的に構成される構成であってもよい。この場合、コイルユニット75が、一体的に構成されたローラーを直接加熱してもよい。つまり、加熱ベルト73を用いないような構成であってもよい。
このように構成することで、上述の実施の形態の処理をそのまま適用しつつ、コストを削減できる。
10 制御部
11 画像処理部
12 原稿読取部
12a スキャナー
12b プラテンガラス
12c 原稿読取スリット
13 原稿給送部
13a 原稿載置部
13b 原稿排出部
13c 原稿搬送機構
14 本体部
15 ネットワーク送受信部
16 操作パネル部
17 画像形成部
17a 感光体ドラム
17b 露光部
17c 現像部
17d 転写部
17e 定着部
18 温度センサー
19 記憶部
20 定着駆動部
21 電源部
22 駆動信号発生部
41 排出口
42 給紙部
42a 給紙カセット
42b 給紙ローラー
43 用紙搬送路
44 搬送ローラー対
45 排出ローラー対
50 スタックトレイ
71 加熱ローラー
72 溶融ローラー
73 加熱ベルト
74 加圧ローラー
75 コイルユニット
100 駆動周波数初期設定部
110 電力測定部
120 駆動周波数調整部
200 温度周波数関係情報
Claims (4)
- コイルユニットを用いて電磁誘導加熱する定着部を備えた画像形成装置において、
前記定着部の温度を測定する温度センサーと、
該温度センサーにより測定された前記定着部の温度と、前記コイルユニットの共振周波数との関係を示す温度周波数関係情報を記憶させた記憶部と、
該記憶部に記憶された温度周波数関係情報と、前記定着部への電源投入時に前記温度センサーにより測定された温度とにより、前記コイルユニットの駆動周波数の初期設定値を設定する駆動周波数初期設定部と、
該駆動周波数初期設定部により設定された駆動周波数における前記定着部の消費電力を測定する電力測定部と、
該電力測定部により測定された電力により、前記コイルユニットの駆動周波数を調整する駆動周波数調整部とを備え、
前記駆動周波数調整部は、
設定された駆動周波数を所定量低下させ、低下させる前後の電力を前記電力測定部により測定させて傾きを算出し、傾きが小さくなりマイナスになる直前の駆動周波数を共振周波数として算出し、算出された共振周波数に駆動周波数を調整し、
前記傾きの算出は、前に測定された電力値と、設定された駆動周波数での電源投入時の電力値とを減算することで算出する
ことを特徴とする画像形成装置。 - 前記駆動周波数調整部は、
電源投入時又は省電力状態からの復帰時に、駆動周波数の調整を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記駆動周波数調整部は、
設定された駆動周波数を前記所定量増加させ、前記所定量低下と前記所定量増加とを繰り返させて、最適な共振周波数を算出し、
更に、前記所定量を可変として、駆動周波数の調整を行う度に前記所定量を減少させて、最適値に収束するように変化させ、
電力源投入後に上昇した温度の上昇率を考慮して駆動周波数を変化させる
ことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。 - コイルユニットを用いて電磁誘導加熱する定着部を備えた画像形成装置による画像形成方法において、
前記定着部の温度を測定し、測定された前記定着部の温度と前記コイルユニットの共振周波数との関係を示す温度周波数関係情報を記憶させ、
記憶された温度周波数関係情報と、前記定着部への電源投入時に測定された温度とにより、前記コイルユニットの駆動周波数の初期設定値を設定し、
設定された駆動周波数における前記定着部の消費電力を測定し、
設定された駆動周波数を所定量低下させ、低下させる前後の電力を測定させて傾きを算出し、
前記傾きの算出は、前に測定された電力値と、設定された駆動周波数での電源投入時の電力値とを減算することで算出し、
前記傾きが小さくなりマイナスになる直前の駆動周波数を共振周波数として算出し、算出された共振周波数に駆動周波数を調整し、
測定された電力により、前記コイルユニットの駆動周波数を調整する
ことを特徴とする画像形成方法。
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