JP5883685B2 - ヒートポンプシステム及びヒートポンプシステムの制御方法 - Google Patents

ヒートポンプシステム及びヒートポンプシステムの制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、地中熱を利用したヒートポンプシステム及びヒートポンプシステムの制御方法に関するものである。
近年、例えば空調システムや給湯システムとして、地中熱を利用したヒートポンプシステムが提案されている。このヒートポンプシステムは、通常のヒートポンプシステムが空気を熱源にしているのに対し、年間を通して温度がほぼ一定である地中熱を熱源にして地中に放熱したり地中から採熱したりするものである。地中熱利用のヒートポンプシステムの概略構成としては、Uチューブ等の熱交換器が地中に埋設され、この熱交換器がヒートポンプユニットに接続された構成からなる。このような地中熱利用のヒートポンプシステムには、再生可能なエネルギーによって冷暖房や給湯等を効率的に行えるという特徴(省エネルギー効果)がある。そして、地中熱利用のヒートポンプシステムのメリットとしては、1)電力消費量が低減され、電気料金が安くなること、2)CO2排出量が低減され、地球温暖化対策に有効であること、3)熱を大気中に放出しないので、ヒートアイランド緩和に有効であること、4)放熱用の室外機が不要であり、稼動時の騒音が小さいこと、が挙げられる。
一方、上記した地中熱利用のヒートポンプシステムのデメリットとしては、地中に熱交換器を設置するために複数の孔を掘削する工事を行う必要があるが、この工事の費用が高く、イニシャルコストが高額になることが挙げられる。このため、地中熱利用のヒートポンプシステムは、上記した多くのメリットがあるのにも関わらず採用実績が少なく、特に大規模建物への適用はほとんどない。
そこで、従来、熱交換器の設置のために孔を掘削するのではなく、地中に打設される杭や山留め壁の中に熱交換器を埋設させる技術が提案されている。
例えば、下記特許文献1、2及び3には、場所打ちコンクリート杭や既製杭の内部又は外表面に熱交換器を配置する技術が開示されている。また、下記特許文献4、5、6及び7には、山留め壁(地中連続壁)の内部に熱交換器を埋設する技術が開示されている。これらの技術によれば、熱交換器を設置するための孔を新たに掘削する必要がないので、地中熱利用のヒートポンプシステムのイニシャルコストを抑えることができる。
特開2003−148079号公報 特開2003−206528号公報 特開2004−332330号公報 特開2003−172558号公報 特開2004−101115号公報 特開2005−226937号公報 特開2010−060247号公報
しかしながら、上記した従来の技術は、単に室内空調の熱源として地中熱を利用しただけでのものであり、室内空調と地中熱の採放熱とが同時進行している。一方、室内機による熱負荷(熱需要量)は、一定ではなく変動するものである。例えば空調システムの場合、地中熱利用だけで賄える空調対象面積が、想定されるピーク時の熱負荷によって決まることになり、前記空調対象面積が小さいという問題がある。
本発明は、上記した従来の問題が考慮されたものであり、上述した従来技術に比べて大きい熱負荷を賄うことができるヒートポンプシステム及びヒートポンプシステムの制御方法を提供することを目的としている。
本発明に係るヒートポンプシステムは、山留め壁内に埋設され、該山留め壁を介して地中との間で熱交換を行って採放熱する第一熱交換器と、構造物の地下躯体の地下外壁内に埋設され、該地下外壁との間で熱交換を行って該地下外壁に蓄熱させる第二熱交換器と、 前記構造物の地下階に設置されていると共に室内機に接続される地下階ヒートポンプと、
を備えており、前記山留め壁と前記地下外壁とは断熱材を介して隣接していて、前記第一熱交換器及び前記第二熱交換器が前記地下階ヒートポンプにそれぞれ接続されており、前記第一熱交換器を介して伝達される地中熱のみを前記地下階ヒートポンプの熱源にすることも、前記第二熱交換器を介して伝達される前記地下外壁の蓄熱と前記地中熱とを合わせて前記地下階ヒートポンプの熱源にすることも可能であることを特徴としている。
上記したヒートポンプシステムは、山留め壁を地中熱の採放熱に利用すると共に地下躯体を蓄熱体として利用するものであり、採熱された地中熱の一部又は全部を地下躯体に蓄熱させることが可能である。さらに、地中熱と地下躯体の蓄熱とを合わせて地下階ヒートポンプの熱源にすることも可能である。
したがって、室内機の熱負荷(熱需要量)が小さい時間帯に、第一熱交換器を介して地中熱だけを地下階ヒートポンプの熱源にすると共に、地下階ヒートポンプにおける余剰熱を第二熱交換器を介して地下躯体に蓄熱させ、熱負荷が大きい時間帯に、地下階ヒートポンプの熱源として地中熱(採放熱)と地下躯体の蓄熱とを組み合わせてハイブリッドな熱源にすることができる。つまり、熱負荷が小さい時間帯に採熱した地中熱の一部を蓄熱しておき、その地下躯体の蓄熱を、室内機の熱負荷が大きい時間帯に地下階ヒートポンプの熱源として利用する。これにより、熱負荷が変動する場合において、ピーク時の熱負荷が地下階ヒートポンプの冷却能力又は加熱能力以上になっても、その熱負荷に対応することが可能である。
また、熱負荷が小さい時間帯に、第一熱交換器を介して採熱された地中熱の全部を地下階ヒートポンプ及び第二熱交換器を介して地下躯体に蓄熱させると共に、第二熱交換器を介して地下躯体の蓄熱だけを地下階ヒートポンプの熱源にし、熱負荷が大きい時間帯に、第一熱交換器を介して採熱された地中熱の全部又は一部と地下躯体の蓄熱とを合わせて地下階ヒートポンプの熱源にすることも可能である。
さらに、熱負荷に応じて、地下階ヒートポンプの熱源を、第一熱交換器を介して採熱された地中熱及び地下躯体の蓄熱のうちの何れか一方に切り替えることも可能である。
また、本発明に係るヒートポンプシステムは、山留め壁内に埋設され、該山留め壁を介して地中との間で熱交換を行って採放熱する第一熱交換器と、構造物の地下躯体内に埋設され、該地下躯体との間で熱交換を行って該地下躯体に蓄熱させる第二熱交換器と、前記構造物の地下階に設置されていると共に室内機に接続される地下階ヒートポンプと、前記構造物の地上階に設置されると共に前記室内機又は別の室内機に接続される地上階ヒートポンプと、前記構造物の室外に設置され、外気との間で熱交換を行って採放熱する室外機と、を備えており、前記第一熱交換器及び前記第二熱交換器が前記地下階ヒートポンプにそれぞれ接続されており、前記第一熱交換器を介して伝達される地中熱のみを前記地下階ヒートポンプの熱源にすることも、前記第二熱交換器を介して伝達される前記地下躯体の蓄熱と前記地中熱とを合わせて前記地下階ヒートポンプの熱源にすることも可能であるとともに、前記地下階ヒートポンプ、前記室外機及び前記第二熱交換器が前記地上階ヒートポンプにそれぞれ接続されており、前記室外機を介して伝達される空気熱のみを前記地上階ヒートポンプの熱源にすることも、前記第一熱交換器及び前記地下階ヒートポンプを介して伝達される地中熱のみを前記地上階ヒートポンプの熱源にすることも、前記空気熱、前記地下躯体の蓄熱及び前記地中熱のうちの少なくとも2つを合わせて前記地上階ヒートポンプの熱源にすることも可能であることを特徴としている。
これにより、地中熱又は空気熱を地上階ヒートポンプの熱源にすることが可能である。さらに、地中熱、地下躯体の蓄熱及び空気熱のうちの何れか2つを合わせて地上階ヒートポンプの熱源にすることも可能である。
したがって、熱負荷が小さい時間帯に、室外機を介して空気熱だけを地上階ヒートポンプの熱源にすると共に、第一熱交換器で採熱された地中熱を地下階ヒートポンプ及び第二熱交換器を介して地下躯体に蓄熱させ、熱負荷が大きい時間帯に、地上階ヒートポンプの熱源として、空気熱と地中熱(採放熱)と地下躯体の蓄熱とを組み合わせてハイブリッドな熱源にすることができる。つまり、熱負荷が小さい時間帯は、地上階ヒートポンプの熱源を室外機だけで賄って、採熱された地下熱はできるだけ地下躯体に蓄熱しておく。そして、熱負荷が大きい時間帯には、空気熱だけでなく、第一熱交換器で採熱された地中熱を地下階ヒートポンプを介して地上階ヒートポンプの熱源にし、さらに、地下躯体の蓄熱を地上階ヒートポンプの熱源として利用することで、地上階ヒートポンプは相当に大きい熱負荷にも対応することが可能となる。
なお、第一熱交換器で採熱された地中熱の一部を第二熱交換器を介して地下躯体に蓄熱すると共に、前記地中熱の残りを地下階ヒートポンプを介して地上階ヒートポンプの熱源にすることも可能である。また、第一熱交換器で採熱された地中熱を第二熱交換器を介して地下躯体に蓄熱しながら、地下躯体の蓄熱を地上階ヒートポンプの熱源として利用することも可能である。
さらに、熱負荷に応じて、地上階ヒートポンプの熱源を、室外機を介して採熱された空気熱、第一熱交換器を介して採熱された地中熱及び地下躯体の蓄熱のうちの何れか1つに切り替えることも可能であり、或いは、それらのうちの何れか2つに適宜切り換えて組み合わせて地上階ヒートポンプの熱源にすることも可能である。
また、本発明に係るヒートポンプシステムは、前記第一熱交換器と前記地下階ヒートポンプとが、地表面レベルに配管された第一ヘッダ管を介して接続され、前記第二熱交換器と前記地下階ヒートポンプとが、前記地下階の壁面に配管された第二ヘッダ管を介して接続されていることが好ましい。
これにより、冷却塔などの地上部の設備が不要であり、コンパクトで省スペースなシステムとなる。
また、本発明に係るヒートポンプシステムの制御方法は、上記のヒートポンプシステムの制御方法であって、前記ヒートポンプシステムの稼動モードとして、少なくとも、前記第一熱交換器を介して伝達される地中熱のみを前記地下階ヒートポンプの熱源にすると共に、前記第二熱交換器を介して前記地下階ヒートポンプに伝達された熱を前記地下躯体に蓄熱させる蓄熱モードと、前記第一熱交換器を介して伝達される地中熱と前記第二熱交換器を介して伝達される前記地下躯体の蓄熱とを合わせて前記地下階ヒートポンプの熱源にするハイブリッドモードと、を有しており、前記室内機の熱負荷が前記地下階ヒートポンプの冷却能力又は加熱能力よりも小さい時間帯に前記蓄熱モードで運転させ、前記熱負荷が前記地下階ヒートポンプの冷却能力又は加熱能力よりも大きい時間帯に前記ハイブリッドモードで運転させることを特徴としている。
これにより、蓄熱モードにおいて地下躯体に蓄熱し、ハイブリッドモードにおいて地下階ヒートポンプの冷却能力又は加熱能力以上の熱負荷に対応することが可能となる。
本発明に係るヒートポンプシステム及びヒートポンプシステムの制御方法によれば、採熱された地中熱と地下躯体の蓄熱と組み合わせてハイブリッドな熱源とすることにより、大きい熱負荷を賄うことができる。
本発明の第1の実施形態を説明するためのヒートポンプシステムが設置された山留め壁及び地下躯体の断面図である。 図1に示すA−A´間の断面図である。 本発明の第1の実施形態を説明するための第一熱交換器の上端部分の斜視図である。 本発明の第1の実施形態のヒートポンプシステムの機能を模式的に示した模式図である。 本発明の第1の実施形態のヒートポンプシステムの制御方法を説明するため図であり、時間帯と需要熱量との関係を示すグラフである。 本発明の第2の実施形態を説明するためのヒートポンプシステムが設置された山留め壁及び地下躯体の断面図である。 本発明の第2の実施形態のヒートポンプシステムの機能を模式的に示した模式図である。 本発明の第2の実施形態のヒートポンプシステムの制御方法を説明するため図であり、時間帯と需要熱量との関係を示すグラフである。
以下、本発明に係るヒートポンプシステム及びヒートポンプシステムの制御方法の第1及び第2の実施形態について、図面に基づいて説明する。
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態について、図1から図5を参照しながら説明する。
図1に示すように、本実施形態におけるヒートポンプシステム1は、ビルや共同住宅等の構造物10に適用される冷暖房用の空調システムであり、構造物10の周囲に築造された山留め壁11を採放熱に利用すると共に山留め壁11の内側に配設される構造物10の地下躯体12を蓄熱体として利用する地中熱利用型のヒートポンプシステムである。具体的に説明すると、ヒートポンプシステム1の概略構成としては、山留め壁11内に埋設される第一熱交換器2と、地下躯体12内に埋設された第二熱交換器3と、構造物の地下階B1に設置されたヒートポンプ4と、を備えている。
まず、上記した山留め壁11及び地下躯体12について詳しく説明する。
図1、図2に示すように、上記した山留め壁11は、ソイルセメント等からなる公知の地中連続壁であり、H形鋼からなる複数の芯材11aが所定の間隔で配置されている。この山留め壁11は、SMW(Soil Mixing Wall)工法で施工された地中連続壁である。なお、本発明における山留め壁は、上記したSMW連続壁以外であってもよく、例えばTRD(Trench cutting Re-mixing Deep wall)工法で施工された地中連続壁であってもよい。
上記した地下躯体12は、鉄筋コンクリート構造の地下構造体であり、山留め壁11に隣接して形成された地下外壁12aを有する。この地下躯体12からなる構造物10の地下部分には、3層の地下階B1〜B3と地下ピットPとが形成されている。地下外壁12aの内外表面には断熱材13、14が被覆されている。外側断熱材13は、地下外壁12aの外表面と山留め壁11の内表面との間に介在されており、この外側断熱材13には土圧が作用するため、圧縮強度が十分にある断熱材を使用することが好ましく、例えば硬質ウレタンフォーム(例えばアキレス硬質ウレタン)や断熱モルタル(例えばカルダンモルタル)などを用いる。一方、内側断熱材14には、土圧は作用しないので、発泡材や繊維系断熱材(例えばロックウールやグラスウール)などを用いる。
次に、ヒートポンプシステム1の各構成要素について説明する。
第一熱交換器2は、山留め壁11を介して地中との間で熱交換を行って採放熱するための採放熱用の熱交換器であり、山留め壁11内に略鉛直に延設されている。第一熱交換器2としては、内部を冷媒が流通する管部材であり、例えば従来の地中熱利用ヒートポンプシステムに使用される公知のUチューブ(例えばポリエチレンパイプ、サイズ25A)を用いることができる。具体的に説明すると、第一熱交換器2は、鉛直方向に沿って延在する一対の直管20、21と、一対の直管20、21の下端部に取り付けられて一対の直管20、21同士を連通させるU字管22と、からなる。一対の直管20、21は、山留め壁11の壁厚方向に間隔をあけて並設されており、山留め壁11の芯材11a(H形鋼)の両側のフランジ間に配置されている。また、第一熱交換器2(一対の直管20、21)の上端部は、山留め壁11の上面から地上に突出されている。また、第一熱交換器2は、山留め壁11の長さ方向に間隔をあけて複数並設されている。なお、第一熱交換器2は、山留め壁11のどの位置に配置されても性能は殆んど変わらず、第一熱交換器2に高い設置精度が求められていないので、第一熱交換器2は、芯材11aなどに固定せずに、山留め壁11内に挿入すればよい。
山留め壁11の上方の地表面レベルには、複数の第一熱交換器2を繋ぐための2本のヘッダ管23、24(第一ヘッダ管)が配管されており、このヘッダ管23、24を介して第一熱交換器2とヒートポンプ4とが接続されている。2本のヘッダ管23、24のうちの一方のヘッダ管23には、複数の第一熱交換器2の一方側(山留め壁11の内方側)の直管20の上端部がそれぞれ接続されており、他方のヘッダ管24には、複数の第一熱交換器2の他方側(山留め壁11の外方側)の直管21の上端部がそれぞれ接続されている。そして、上記したヘッダ管23、24は構造物10の地下階B1まで配管を延ばしてヒートポンプ4にそれぞれ接続されている。なお、上記した2本のヘッダ管23、24のうちの何れか一方が、各第一熱交換器2に冷媒を送る往路管であり、他方が、各第一熱交換器2から冷媒を回収する復路管である。
第二熱交換器3は、地下躯体12との間で熱交換を行って地下躯体12に蓄熱させる蓄熱用の熱交換器であり、地下躯体12の地下外壁12aに略鉛直に延設されている。この第二熱交換器3は、上述した第一熱交換器2と同様のUチューブ(例えばエクセルパイプ、サイズ13A)からなり、第二熱交換器3の一対の直管30、31は、地下外壁12aの壁厚方向に間隔をあけて並設されている。また、第二熱交換器3の上端部は、地下外壁12aの内表面から地下階B1の室内に突出されている。また、第二熱交換器3は、地下外壁12aの長さ方向に間隔をあけて複数並設されている。地下躯体12aの地下階B1の室内の壁面には、複数の第二熱交換器3を繋ぐための図示せぬヘッダ管(第二ヘッダ管)が配管されており、このヘッダ管が冷媒配管40を介してヒートポンプ4に接続され、これにより、第二熱交換器3とヒートポンプ4とが接続されている。
ヒートポンプ4は公知のヒートポンプユニットであり、ヒートポンプ4の概略構成は、図示せぬ圧縮機、凝縮器、膨張弁及び蒸発器と、それらを接続する冷媒配管と、を備えている。このヒートポンプ4では、ループ状の冷媒経路が形成されており、この冷媒経路を通って循環する冷媒を介して熱が伝達される。このヒートポンプ4は、ループ状の冷媒経路を形成する冷媒配管50を介して構造物10の地下階B1〜B3の室内機5に接続されている。室内機5は、地下階B1〜B3の冷暖房を行う室内空調機である。
図4は上記した構成からなるヒートポンプシステム1の機能を模式的に表した図であり、図4の白抜き矢印は熱交換を示している。図4に示すように、上記したヒートポンプシステム1では、ヒートポンプ4内を循環する冷媒と第一熱交換器2内を循環する冷媒との間で熱交換を行うことができ、これにより、地中熱を採熱してヒートポンプ4に提供したりヒートポンプ4の熱を地中に放熱したりすることができる。また、ヒートポンプ4内を循環する冷媒と第二熱交換器3内を循環する冷媒との間で熱交換を行うことができ、これにより、ヒートポンプ4から地下躯体12に熱を供給して地下躯体12に蓄熱したり、地下躯体12からヒートポンプ4に熱を供給して地下躯体12の蓄熱をヒートポンプ4の熱源にしたりすることができる。さらに、ヒートポンプ4内を循環する冷媒と室内機5の冷媒配管50内を循環する冷媒との間で熱交換を行うことができ、これにより、ヒートポンプ4から室内機5に熱を供給して室内機5を暖房運転させたり、室内機5からの熱をヒートポンプ4で回収して室内機5を冷房運転させたりすることができる。また、ヒートポンプ4は、第一熱交換器2を介して伝達される地中熱、及び、第二熱交換器3を介して伝達される地下躯体12の蓄熱のうちの少なくとも1つを熱源にすることが可能である。つまり、地中熱のみをヒートポンプ4の熱源にすることも、地下躯体12の蓄熱のみをヒートポンプ4の熱源にすることも、地中熱と蓄熱とを合わせてヒートポンプ4の熱源にすることも可能である。
次に、上記した構成からなるヒートポンプシステム1の制御方法について説明する。
上記したヒートポンプシステム1の稼動モードとしては、蓄熱モードと、ハイブリッド熱源追掛モード(ハイブリッドモード)と、地中熱源追掛モードと、放熱モードと、地中熱源追掛+放熱モードと、がある。
蓄熱モードは、第一熱交換器2を介して伝達される地中熱のみをヒートポンプ4の熱源にすると共に、ヒートポンプ4に伝達された熱を第二熱交換器3を介して地下躯体12に蓄熱させるモードである。
ハイブリッド熱源追掛モードは、第一熱交換器2を介して伝達される地中熱と第二熱交換器3を介して伝達される地下躯体12の蓄熱とを合わせてヒートポンプ4の熱源にするモードである。
地中熱源追掛モードは、地下躯体12に蓄熱せずに、第一熱交換器2を介して伝達される地中熱のみをヒートポンプ4の熱源にして、ヒートポンプ4に伝達された熱を冷媒配管50を介して室内機5に供給して室内機5から室内に放熱するモードである。
放熱モードは、地下躯体12の蓄熱をヒートポンプ4を使わずに冷媒配管50を介して室内機5に供給して室内機5から室内に放熱するモードである。
地中熱源追掛+放熱モードは、第一熱交換器2を介して伝達される地中熱のみをヒートポンプ4の熱源にして、ヒートポンプ4に伝達された熱を冷媒配管50を介して室内機5に供給して室内機5から室内に放熱すると共に、地下躯体12に蓄熱された熱をヒートポンプ4を使わずに冷媒配管50を介して室内機5に供給して室内機5から室内に放熱するモードである。
ところで、図5に示すように、構造物10における需要熱量(空調負荷)は常時一定ではなく、時間帯によって異なる。したがって、上記したヒートポンプシステム1は、室内機5の熱負荷(需要熱量)に応じてモードを切り換えて運転させる。例えば、まず、室内機5の冷却負荷がヒートポンプ4の冷却能力よりも小さい時間帯、及び、室内機5の加熱負荷がヒートポンプ4の加熱能力よりも小さい時間帯(ピーク時間帯以外の時間帯)のうち、熱負荷が比較的小さい時間帯においては上記した蓄熱モードで運転させ、熱負荷が比較的大きい時間帯においては上記した地中熱源追掛モードで運転させる。また、室内機5の冷却負荷がヒートポンプ4の冷却能力よりも大きい時間帯、及び、室内機5の加熱負荷がヒートポンプ4の加熱能力よりも大きい時間帯(ピーク時間帯)においては、始めは上記した地中熱源追掛+放熱モードで運転させ、地下躯体12の熱がある程度まで低下(地下躯体12の蓄熱量が減少)すると上記したハイブリッド熱源追掛モードで運転させる。つまり、熱負荷が小さい時間帯に採熱した地中熱の一部を地下躯体12に蓄熱しておき、その地下躯体12の蓄熱を、熱負荷が大きい時間帯にヒートポンプ4の熱源として利用する。なお、上記したヒートポンプ4の「冷却能力」は、第一熱交換器2による放熱量からヒートポンプ4の圧縮機の動力を引いた値に略等しく(ヒートポンプ冷却能力≒放熱量−ヒートポンプ圧縮機動力)、また、上記したヒートポンプ4の「加熱能力」は、第一熱交換器2による採熱量にヒートポンプ4の圧縮機の動力を足した値に略等しい(ヒートポンプ加熱能力≒採熱量+ヒートポンプ圧縮機動力)。
ここで、上記したヒートポンプシステム1の解析検討した結果について説明する。
なお、今回の解析では、建物面積2500m(50m×50m)、基礎底GL−20m、第一熱交換器(Uチューブ、サイズ25A)の下端をGL−30mとした。また、隣接構造物の影響を考慮し、GL−10mまでの区間(深さ範囲)を採放熱区間とせず、GL−10m〜GL−30mまでの鉛直方向20mの区間を採放熱計算上の有効長さとして試算した。さらに、第一熱交換器の間隔を500mmとし、第一熱交換器の本数は合計400本とした。一方、地下躯体の地下外壁の壁厚を400mmとし、第二熱交換器(Uチューブ、サイズ13A)の間隔を200mmとし、第二熱交換器の本数を合計2000本とした。
上記した解析によれば、第一熱交換器に対応した容量の地下階ヒートポンプによる地下外壁12aへの全蓄熱量は、暖房時(採熱量)で19.9GJ、冷房時(放熱量)で19.2GJであり、地下階ヒートポンプの運転時間に換算すると、暖房時に16.4時間、冷房時に17.4時間である。また、地下3階として各階2500mの床面積中の2/3を空調対象面積(単位負荷を100W/m)とした場合、500kWの冷暖房負荷が必要となる。これに対し、第一熱交換器を介して伝達される地中熱だけを熱源にする地下階ヒートポンプの能力は暖房337kW、冷房306kWであり、上記した冷暖房負荷に対して不足する。そこで、夜間10時間の蓄熱モードで運転を行い、昼間14時間に地中熱源追掛+放熱モードで運転、すなわち、第二熱交換器の放熱と、第一熱交換器を介して伝達される地中熱を地下階ヒートポンプの熱源とする追い掛け運転とを合わせれば、地下階ヒートポンプの能力は暖房554kW、冷房503kWとなり、上記した冷暖房負荷を上回る。すなわち、地中熱を直接空調熱源にするだけでは、地下階全体の空調を賄うことができないが、本願のヒートポンプシステムを使って地下外壁を蓄熱体として利用すれば、地下階全体の空調を地中熱だけで賄うことができる。なお、上記した解析では、夜間に蓄熱モードで運転させて昼間に地中熱源追掛+放熱モードで運転させているが、夜間に蓄熱モードで運転させて昼間にハイブリッド熱源追掛モードで運転させても同様な結果になる。
上記したヒートポンプシステム1によれば、採熱された地中熱と地下躯体の蓄熱と組み合わせてハイブリッドな熱源とすることにより大きい熱負荷を賄うことができ、熱負荷が変動する場合において、ピーク時の熱負荷がヒートポンプ4の冷却能力又は加熱能力以上になっても、その熱負荷に対応することが可能である。よって、このヒートポンプシステム1の空調対象面積、つまり、地中熱だけで賄うことができる空調対象面積を大きくすることができる。例えば、上記した解析結果のように、構造物10の地下階B1〜B3全体の空調をヒートポンプシステム1だけで賄うことができ、それにより、地下階B1〜B3の空調に空気熱源が不要となり、エアダクトや排気筒も不要となり、イニシャルコストを抑えることができる。また、地中熱を利用することで、消費電力が低減し、ランニングコストが低減されると共に地球温暖化対策を図ることができる。特に、ピーク時の使用電力が削減されるので、電力不足対策に効果を発揮する。
また、上記したヒートポンプシステム1によれば、第一熱交換器2を山留め壁11に埋設させて当該山留め壁11を採放熱体に利用しており、また、第二熱交換器3を地下躯体12に埋設させて当該地下躯体12を蓄熱体に利用しているので、第一熱交換器2や第二熱交換器3を設置するために新たに孔を掘削したり、採放熱体や蓄熱体を新たに設置したりする必要がなく、イニシャルコストを抑えることができる。
また、上記したヒートポンプシステム1によれば、ヒートポンプ4が地下階B1に設置され、第一熱交換器2とヒートポンプ4とが、地表面レベルに配管されたヘッダ管23、24を介して接続され、第二熱交換器3とヒートポンプ4とが、地下階の壁面に配管された図示せぬヘッダ管を介して接続されているので、構造物10の地下部分だけで完結するシステムとなり、冷却塔などの地上部の設備が不要であり、コンパクトで省スペースなシステムとなる。さらに、ヒートポンプ4が地下階B1に設置されていることで、空気で熱交換しないため排気が無く、ヒートアイランド化の緩和を図ることができる。
また、地下外壁12aは、壁厚が30cmから100cm程度の鉄筋コンクリート壁であるので、大きな熱容量を持っており、蓄熱体として利用するのに好適である。しかも、蓄熱体として利用する地下外壁12aの内外表面がそれぞれ断熱材13、14で被覆されているので、地下外壁12aにおける熱損失を抑制することができ、より効率的に蓄熱することができる。
特に、ピーク時間帯においては、始め地中熱源追掛+放熱モードで運転させた後にハイブリッドモードで運転させることで、蓄熱量を増大させることが可能である。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について、図6から図8を参照しながら説明する。
なお、上述した第1の実施形態と同様の構成については説明を省略し、上述した第1の実施形態と異なる構成についてのみ説明する。
図6に示すように、本実施形態におけるヒートポンプシステム100の概略構成としては、上述した第一熱交換器2、第二熱交換器3及び地下階のヒートポンプ4(以下、地下階ヒートポンプ4と記す。)に加えて、構造物10の地上階に設置される地上階ヒートポンプ6と、構造物10の室外に設置される室外機7と、をさらに備えている。
地上階ヒートポンプ6は、地下階ヒートポンプ4と同様の公知のヒートポンプユニットである。地上階ヒートポンプ6は、冷媒配管80を介して構造物10の地上階の室内機8に接続されている。室内機8は、構造物10の地上階の冷暖房を行う室内空調機である。
室外機7は、外気との間で熱交換を行って採放熱する室外熱交換機であり、例えば、エアコン等に用いられる公知の室外機、若しくは、クーリングタワーやヒーティングタワーなどの熱交換器などである。
上記した地上階ヒートポンプ6は、地下階ヒートポンプ4、室外機7及び第二熱交換器3にそれぞれ接続されている。詳しく説明すると、地上階ヒートポンプ6と地下階ヒートポンプ4とは、ループ状の冷媒経路を形成する冷媒配管90を介して接続されている。また、地上階ヒートポンプ6と室外機7とは、ループ状の冷媒経路を形成する冷媒配管70を介して接続されている。地上階ヒートポンプ6と第二熱交換器3とは、第二熱交換器3の図示せぬヘッダ管に接続された冷媒配管40を介して接続されている。
上記したヒートポンプシステム100では、図4に示すのと同様の機能に加え、図7に示すように、地上階ヒートポンプ6内を循環する冷媒と室外機7内を循環する冷媒との間で熱交換を行うことができ、これにより、空気熱を採熱又は放熱することができる。また、地上階ヒートポンプ6内を循環する冷媒と前記冷媒配管40内を循環する冷媒との間で熱交換を行うことができ、これにより、地上階ヒートポンプ6から地下躯体12に熱を供給して地下躯体12に蓄熱したり、地下躯体12から地上階ヒートポンプ6に熱を供給して地下躯体12の蓄熱を地上階ヒートポンプ6の熱源にしたりすることができる。また、地上階ヒートポンプ6内を循環する冷媒と前記冷媒配管90内を循環する冷媒との間で熱交換を行うことができ、これにより、地下階ヒートポンプ4及び第一熱交換器2を介して、地中熱を採熱して地上階ヒートポンプ6に提供したり地上階ヒートポンプ6の熱を地中に放熱したりすることができる。また、地上階ヒートポンプ6及び室外機7を介して、空気熱を採熱して地下階ヒートポンプ4に提供したり地下階ヒートポンプ4の熱を外気に放熱したりすることができる。さらに、地上階ヒートポンプ6内を循環する冷媒と地上階の室内機8の冷媒配管80内を循環する冷媒との間で熱交換を行うことができ、これにより、地上階ヒートポンプ6から室内機8に熱を供給して室内機8を暖房運転させたり、室内機8からの熱を地上階ヒートポンプ6で回収して室内機8を冷房運転させたりすることができる。
次に、上記した構成からなるヒートポンプシステム100の制御方法について説明する。
上記したヒートポンプシステム100の稼動モードとしては、蓄熱モードと、追掛モードと、放熱モードと、追掛+放熱モードと、がある。
本実施形態におけるヒートポンプシステム100の蓄熱モードには、
(1)第一熱交換器2を介して伝達される地中熱を地下階ヒートポンプ4の熱源とすると共に、地下階ヒートポンプ4に伝達された熱のみを冷媒配管40及び第二熱交換器3を介して地下躯体12に蓄熱させるモードと、
(2)室外機7を介して伝達される空気熱を地上階ヒートポンプ6の熱源とすると共に、地上階ヒートポンプ6に伝達された熱を冷媒配管90及び第二熱交換器3を介して地下躯体12に蓄熱させるモードと、
(3)第一熱交換器2を介して伝達される地中熱を地下階ヒートポンプ4の熱源とすると共に室外機7を介して伝達される空気熱を地上階ヒートポンプ6の熱源とし、且つそれら地下階及び地上階ヒートポンプ4、6に伝達された熱を冷媒配管40、90及び第二熱交換器3を介して地下躯体12に蓄熱させるモードと、
の3種類のモードがある。
上記した追掛モードは、地下階ヒートポンプ4及び地上階ヒートポンプ6のうちの少なくとも一方に伝達された熱を冷媒配管50、90、80を介して室内機5、8に供給して室内機5、8から室内に放熱するモードである。
この追掛モードには、
(1)第一熱交換器2を介して伝達される地中熱のみを地下階ヒートポンプ4の熱源とするモードと、
(2)室外機7を介して伝達される空気熱のみを地上階ヒートポンプ6の熱源とするモードと、
(3)第二熱交換器3を介して伝達される地下躯体12の蓄熱のみを地下階ヒートポンプ4及び地上階ヒートポンプ6のうちの少なくとも一方の熱源とするモードと、
(4)第一熱交換器2を介して伝達される地中熱を地下階ヒートポンプ4の熱源とすると共に、第二熱交換器3を介して伝達される地下躯体12の蓄熱を地下階ヒートポンプ4及び地上階ヒートポンプ6のうちの少なくとも一方の熱源とするモード(ハイブリッドモード)と、
(5)室外機7を介して伝達される空気熱を地上階ヒートポンプ6の熱源とすると共に、第一熱交換器2を介して伝達される地中熱を地下階ヒートポンプ4の熱源とするモードと、
(6)室外機7を介して伝達される空気熱を地上階ヒートポンプ6の熱源とすると共に、第二熱交換器3を介して伝達される地下躯体12の蓄熱を地下階ヒートポンプ4及び地上階ヒートポンプ6のうちの少なくとも一方の熱源とするモードと、
(7)第一熱交換器2を介して伝達される地中熱を地下階ヒートポンプ4の熱源とすると共に、室外機7を介して伝達される空気熱を地上階ヒートポンプ6の熱源とし、第二熱交換器3を介して伝達される地下躯体12の蓄熱を地下階ヒートポンプ4及び地上階ヒートポンプ6のうちの少なくとも一方の熱源とするモード(ハイブリッドモード)である。
上記したヒートポンプシステム100では、室内機5の熱負荷(需要熱量)に応じてモードを切り換えて運転させる。例えば、まず、図8に示すように、室内機5、8の熱負荷(需要熱量)がヒートポンプ4、6の冷却能力又は加熱能力よりも小さい時間帯には上記した蓄熱モードのうちのいずれかで運転させる。また、室内機5、8の熱負荷がヒートポンプ4、6の冷却能力又は加熱能力よりも大きい時間帯(ピーク時間帯ではない)には、上記した地中熱と合せて地下躯体12の蓄熱を熱源とする追掛モード(第一ハイブリッドモード)で運転させる。そして、室内機5、8の熱負荷が更に大きい時間帯(ピーク時間帯)には、上記した空気熱と地中熱と地下躯体12の蓄熱とを合せて熱源とする追掛モード(第二ハイブリッドモード)で運転させる。
上記したヒートポンプシステム100によれば、蓄熱モードでは、外気に放熱しないので、ヒートアイランド緩和を図ることができる。また、第二ハイブリッドモードでは、3つの熱源を合わせるので、相当に大きい熱負荷にも対応することが可能となる。これにより、使用電力の大幅な削減を図ることができると共に、ピーク時の使用電力を大幅に低減させて電力不足対策を図ることができる。
以上、本発明に係るヒートポンプシステム及びヒートポンプシステムの制御方法の実施形態について説明したが、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記した実施形態では、本発明のヒートポンプシステム1,100を構造物10の冷暖房を行うための空調システムに適用しているが、本発明は、空調システム以外に適用することも可能であり、例えば、給湯システムや製氷システムに適用することも可能である。
また、上記した実施形態では、地下躯体12のうちの地下外壁12aに第二熱交換器3を埋設して地下外壁12aを蓄熱体として利用しているが、本発明は、地下躯体12の柱や内壁、基礎に第二熱交換器3を埋設して蓄熱体として利用することも可能である。
また、上記した実施形態では、地下階のヒートポンプ4が地下階の室内機5に接続され、地下階の室内機5が地下階のヒートポンプ4との間の熱交換によって冷暖房を行い、また、地上階のヒートポンプ6が地上階の室内機8に接続され、地上階の室内機8が地上階のヒートポンプ6との間の熱交換によって冷暖房を行う構成になっているが、本発明は、これに限定されない。すなわち、地下階のヒートポンプ4が地上階の室内機8に接続され、地上階の室内機8が地下階のヒートポンプ4との間の熱交換によって冷暖房を行う構成であってもよく、或いは、地上階のヒートポンプ6が地下階の室内機5に接続され、地下階の室内機5が地上階のヒートポンプ6との間の熱交換によって冷暖房を行う構成であってもよい。さらに、地下階のヒートポンプ4と地上階のヒートポンプ6とが同じ室内機に接続され、地下階のヒートポンプ4と地上階のヒートポンプ6との両方を使って1台の室内機(室内機5又は室内機8)の冷暖房を行う構成にしてもよい。
また、上記した第2の実施形態では、蓄熱モードのときに、地下階ヒートポンプ4及び地上階ヒートポンプ6が、第一熱交換器2を介して伝達される地中熱を熱源としているが、本発明は、蓄熱モードのときに、室外機7を介して伝達される空気熱を熱源にすることも可能である。これにより、第二熱交換器3の蓄熱量を増大させることができる。
また、本発明は、蓄熱を常時行う場合だけでなく、夜間だけ蓄熱を行うようにして昼間は蓄熱せずに地中熱(採放熱及び蓄熱)を使ってヒートポンプ4、6を運転することもできる。また、季節や天候によって変化する空調負荷に応じて、ヒートポンプ4、6の熱源を山留め壁11から採放熱された地中熱と地下躯体12の蓄熱とで切り替えるようにしてもよい。
その他、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
1、100 ヒートポンプシステム
2 第一熱交換器
3 第二熱交換器
4 地下階ヒートポンプ
5 室内機
6 地上階ヒートポンプ
7 室外機
8 室内機
10 構造物
11 山留め壁
11a 芯材
12 地下躯体
12a 地下外壁
13、14 断熱材
20、21 (一対の)直管
22 U字管
23、24 ヘッダ管
30、31 (一対の)直管
40、50、70、80、90 冷媒配管

Claims (4)

  1. 山留め壁内に埋設され、該山留め壁を介して地中との間で熱交換を行って採放熱する第一熱交換器と、
    構造物の地下躯体の地下外壁内に埋設され、該地下外壁との間で熱交換を行って該地下外壁に蓄熱させる第二熱交換器と、
    前記構造物の地下階に設置されていると共に室内機に接続される地下階ヒートポンプと、
    を備えており、
    前記山留め壁と前記地下外壁とは断熱材を介して隣接していて、
    前記第一熱交換器及び前記第二熱交換器が前記地下階ヒートポンプにそれぞれ接続されており、前記第一熱交換器を介して伝達される地中熱のみを前記地下階ヒートポンプの熱源にすることも、前記第二熱交換器を介して伝達される前記地下外壁の蓄熱と前記地中熱とを合わせて前記地下階ヒートポンプの熱源にすることも可能であることを特徴とするヒートポンプシステム。
  2. 山留め壁内に埋設され、該山留め壁を介して地中との間で熱交換を行って採放熱する第一熱交換器と、
    構造物の地下躯体内に埋設され、該地下躯体との間で熱交換を行って該地下躯体に蓄熱させる第二熱交換器と、
    前記構造物の地下階に設置されていると共に室内機に接続される地下階ヒートポンプと、
    前記構造物の地上階に設置されると共に前記室内機又は別の室内機に接続される地上階ヒートポンプと、
    前記構造物の室外に設置され、外気との間で熱交換を行って採放熱する室外機と、
    を備えており、
    前記第一熱交換器及び前記第二熱交換器が前記地下階ヒートポンプにそれぞれ接続されており、前記第一熱交換器を介して伝達される地中熱のみを前記地下階ヒートポンプの熱源にすることも、前記第二熱交換器を介して伝達される前記地下躯体の蓄熱と前記地中熱とを合わせて前記地下階ヒートポンプの熱源にすることも可能であるとともに、
    前記地下階ヒートポンプ、前記室外機及び前記第二熱交換器が前記地上階ヒートポンプにそれぞれ接続されており、前記室外機を介して伝達される空気熱のみを前記地上階ヒートポンプの熱源にすることも、前記第一熱交換器及び前記地下階ヒートポンプを介して伝達される地中熱のみを前記地上階ヒートポンプの熱源にすることも、前記空気熱、前記地下躯体の蓄熱及び前記地中熱のうちの少なくとも2つを合わせて前記地上階ヒートポンプの熱源にすることも可能であることを特徴とするヒートポンプシステム。
  3. 請求項1又は2に記載のヒートポンプシステムにおいて、
    前記第一熱交換器と前記地下階ヒートポンプとが、地表面レベルに配管された第一ヘッダ管を介して接続され、
    前記第二熱交換器と前記地下階ヒートポンプとが、前記地下階の壁面に配管された第二ヘッダ管を介して接続されていることを特徴とするヒートポンプシステム。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載のヒートポンプシステムの制御方法であって、
    前記ヒートポンプシステムの稼動モードとして、少なくとも、
    前記第一熱交換器を介して伝達される地中熱のみを前記地下階ヒートポンプの熱源にすると共に、前記第二熱交換器を介して前記地下階ヒートポンプに伝達された熱を前記地下躯体に蓄熱させる蓄熱モードと、
    前記第一熱交換器を介して伝達される地中熱と前記第二熱交換器を介して伝達される前記地下躯体の蓄熱とを合わせて前記地下階ヒートポンプの熱源にするハイブリッドモードと、
    を有しており、
    前記室内機の熱負荷が前記地下階ヒートポンプの冷却能力又は加熱能力よりも小さい時間帯に前記蓄熱モードで運転させ、前記熱負荷が前記地下階ヒートポンプの冷却能力又は加熱能力よりも大きい時間帯に前記ハイブリッドモードで運転させることを特徴とするヒートポンプシステムの制御方法。
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