JP5882635B2 - マイタケ由来の高分子α−グルカン - Google Patents

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Description

本発明は新規なマイタケ(Maitake)由来の高分子α−グルカン及びそれによるインフルエンザ等感冒の予防・治療に関する。
マイタケの抽出物については、本出願人等の開発努力により多彩な作用が知られている。例えばAIDS症改善効果については特開平7−69913号公報(特許文献1)に、抗腫瘍作用については特開平9−238697号公報(特許文献2)に、活性酸素消去活性については特開2000−119650号公報(特許文献3)に、NO産生誘導作用については特開2001−172194号公報(特許文献4)に、抗インフルエンザウイルス活性を有する物質については特開2005−145934号公報(特許文献5)および特開2008−106018号公報(特許文献6)等で報告されている。
インフルエンザに対する予防としてはワクチンのような有効な予防手段があるが、インフルエンザウイルスの抗原性が変わりやすいため、効果に揺れを生じ必ずしも初期効果が期待できない場合もあると言われている。一方、迅速診断法に加え治療薬も格段と進歩して、オセルタミビルリン酸塩、ザナミビル水和物等はインフルエンザに対して優れた効果を発揮する。しかし耐性ウイルスの出現や服用による副作用などが報じられ、これら治療薬に問題がないわけではない。
一旦発生すると、世界的規模で急速に拡大傾向を有するインフルエンザに対しては、既存の予防法、治療法に満足することなく、入手が可能な天然物もしくはその抽出物からインフルエンザの予防・治療に有効な物質を探索することは非常に意義あることと考え、大量に人工栽培されているマイタケ中に含まれるインフルエンザに対して有効な物質の研究探索を継続して進めてきた。
マイタケのインフルエンザに関する先行文献としては、本出願人の出願に係る上記特許文献5、特許文献6、および特開2008−273846(特許文献7)がある。特許文献5は、マイタケのβ−グルカンを主体にした抽出画分に関するものであり、特許文献6はマイタケの分子量3万〜10万の糖タンパク質もしくは糖タンパク質複合体含有画分に関するものである。特許文献7はキノコの菌糸体の熱水抽出物を主成分とするウイルスまたは病原菌由来の不活化抗原に対するアジュバントに関するものである。そしてキノコとしてマイタケ、ウイルスとしてインフルエンザウイルスが例示されているが、マイタケの熱水抽出物がどのようなものであるか不明であり、この抽出物はウイルスの不活化抗原であるワクチンとともに投与して、ウイルスに特異的な分泌型IgA抗体産生を誘導するもので、単独で治療・予防に供しうるものではない。
一方、マイタケに含まれるα−グルカンに関しては、マイタケ子実体の熱水抽出物について、ゲルろ過とCon A−Sepharoseを用いるアフィニティークロマトグラフィーによってα-D-グルカンとβ-D-グルカンを分離し、得られたα-D-グルカンは分子量が100万で、メチル化分析の結果α-(1→6)分岐鎖を有するα-(1→4)-D-グルカンであった旨、そしてこのグルカンについて抗腫瘍活性は認められなかった旨が静岡大学農学部研究報告 No.35 49−61p(1985)(非特許文献1)で報告されている。
またマイタケの子実体を水および熱水で抽出し、DEAE−セルロースカラムおよびSepharose CL-4Bカラムクロマトグラフィーで分画精製を行ってα−グルカンと推定される多糖が得られたことが、岐阜大農研報(54):199−203p(1989)(非特許文献2)に報告され、該多糖体の重量平均分子量は約130万で、(1→4)結合を主鎖とし(1→6)結合で分岐したα−グルカンであることが澱粉科学 第38巻 第3号 263−265p、(1991)(非特許文献3)に報告されている。
さらにJournal of Pharmacy and Pharmacology 59、575−582p (2007)(非特許文献4)には、マイタケ子実体の熱水抽出物から得られた分子量約40−45万のα−グルカンに抗糖尿病効果があることが記載されているが、α−グルカンの構造については全く記載されていない。
上記非特許文献1〜4に記載されているα−グルカンは、いずれも分子量が小さく、しかもインフルエンザに対する効果についても記載されていない。
特開平7−69913号公報 特開平9−238697号公報 特開2000−119650号公報 特開2001−172194号公報 特開2005−145934号公報 特開2008−106018号公報 特開2008−273846号公報
静岡大学農学部研究報告 No.35 49−61p(1985) 岐阜大農研報(54):199−203p(1989) 澱粉科学第38巻第3号 263−265p(1991) Journal of Pharmacy and Pharmacology 59、575-582p (2007)
本発明は、マイタケより、新規成分を見出し、その抽出・精製方法を開発し、有効な作用を探索し、更に飲食品、医薬品および飼料添加剤等に利用することを課題とする。
本発明者等はマイタケ中の活性成分として広く知られているβ−グルカン以外のマイタケ中の成分について研究を重ねた結果、新規な高分子のα−グルカン、詳しくは(1→4)結合を主鎖とし(1→6)結合で分岐した多糖体構造を有する高分子のα−グルカンの抽出に成功し、さらに該高分子のα−グルカンおよびその含有抽出画分がインフルエンザ等感冒の予防・治療に有効であることを見出し、本発明を完成した。
因みに、マイタケに含有されるβ−グルカンあるいは糖−タンパク質複合体(糖部分はβ-D-グルカン)に優れた抗腫瘍活性が発見された当初、その分子量が100万前後またはせいぜい200万程度の高分子に焦点が当てられてきた。
しかしながら今回の発明はβ−グルカンとは構造を異にしたα−グルカンに関するものであり、しかも分子量はSEC−MALS法により4×10〜7×10の範囲に分布し、重量平均分子量も8.5×10であり、従来のマイタケ含有物質研究とは全く異なっている。マイタケを凍結乾燥等、酵素の作用を抑制もしくは阻止する処理を行って後、熱水で抽出した画分を得、精製した結果、高分子の(1→4)結合を主鎖とし(1→6)結合で分岐した多糖体構造を有するα−グルカンを得、該高分子α−グルカンおよびその含有抽出画分の活性作用について探索した結果、インフルエンザ等感冒の予防・治療に有効であることを知見し、課題を解決した。
即ち本発明は
(1)マイタケ由来の、分子量がSEC−MALS法により4×10〜7×10の範囲に分布してなることを特徴とするα−グルカンまたはその含有抽出画分、
(2)マイタケ由来の、分子量がSEC−MALS法により4×10〜7×10の範囲に分布し、重量平均分子量がおよそ8.5×10であることを特徴とするα−グルカンまたはその含有抽出画分、
(3)マイタケ由来の、分子量がSEC−MALS法により4×10〜7×10の範囲に分布し、(1→4)結合を主鎖とし(1→6)結合で分岐した多糖体構造を有することを特徴とするα−グルカンまたはその含有抽出画分、
(4)マイタケ由来の、分子量がSEC−MALS法により4×10〜7×10の範囲に分布し、重量平均分子量がおよそ8.5×10であり、(1→4)結合を主鎖とし(1→6)結合で分岐した多糖体構造を有することを特徴とするα−グルカンまたはその含有抽出画分、
(5)インフルエンザ等感冒の予防・治療に有効であることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれか記載のα−グルカンまたはその含有抽出画分、
(6)マイタケの子実体もしくは菌糸体を、それらの中に含まれるα−グルカンに影響を与えるような酵素の作用を抑制もしくは阻止する処理・手段を行って後、熱水で抽出することを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれか記載のα−グルカンまたはその含有抽出画分の製造方法、
(7)マイタケの子実体もしくは菌糸体を、それらの中に含まれるα−グルカンに影響を与えるような酵素の作用を抑制もしくは阻止する処理・手段を行って後、熱水で抽出して得られた画分を、次いで分別沈殿法、クロマトグラフ法、ゲルろ過法、限外ろ過法等のいずれか、またはそれらの方法を適宜組み合わせて利用して、精製することを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれか記載のα−グルカンまたはその含有抽出画分の製造方法、
(8)α−グルカンに影響を与えるような酵素の作用を抑制もしくは阻止する処理・手段が、凍結保存、凍結乾燥、真空(減圧)保存、真空(減圧)乾燥、凍結真空(減圧)乾燥および加熱乾燥のいずれかまたはその組み合わせであることを特徴とする上記(6)または(7)記載のα−グルカンまたはその含有抽出画分の製造方法、
(9)マイタケの子実体もしくは菌糸体を、それらの中に含まれるα−グルカンに影響を与えるような酵素が働かないように直ちに熱水で抽出することを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれか記載のα−グルカンまたはその含有抽出画分の製造方法、
(10)マイタケの子実体もしくは菌糸体を、それらの中に含まれるα−グルカンに影響を与えるような酵素が働かないように直ちに熱水で抽出して得られた画分を、次いで分別沈殿法、クロマトグラフ法、ゲルろ過法、限外ろ過法等のいずれか、またはそれらの方法を適宜組み合わせて利用して、精製することを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれか記載のα−グルカンまたはその含有抽出画分の製造方法、
(11)分別沈殿法が、マイタケの子実体もしくは菌糸体を、熱水で抽出して得られた抽出画分あるいは該画分乾燥物の水溶液に、アルコールを全体の20〜30容量%になるように加え生じた沈殿物を除き、次いで該上澄み液にアルコールを全体の40〜60容量%になるように加えて析出した沈殿物を採取する方法であることを特徴とする上記(7)または(10)のいずれか記載のα−グルカンまたはその含有抽出画分の製造方法、
(12)マイタケの子実体もしくは菌糸体を、凍結乾燥後、熱水で抽出し、得られた抽出画分あるいは該画分乾燥物の水溶液に、アルコールを全体の20〜30容量%になるように加え生じた沈殿物を除き、次いで該上澄み液にアルコールを全体の40〜60容量%になるように加えて析出した沈殿物を採取する方法であることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれか記載のα−グルカンまたはその含有抽出画分の製造方法、
(13)上記(1)〜(4)のいずれか記載のα−グルカンまたはその含有抽出画分を配合してなることを特徴とする飲食品、
(14)上記(1)〜(4)のいずれか記載のα−グルカンまたはその含有抽出画分を配合してなることを特徴とするヒトもしくは動物用の医薬品、
(15)上記(1)〜(4)のいずれか記載のα−グルカンまたはその含有抽出画分を配合してなることを特徴とする飼料もしくは飼料添加剤
に関わる。
本発明において、マイタケは、狭義にマイタケとして一般に知られている〔Grifola frondosa〕、白マイタケ〔Grifola albicans〕、チョレイマイタケ〔Grifola umbellata〕、トンビマイタケ〔Grifola gigantea〕等マイタケ属キノコ〔Grifola〕を意味し、いずれも用いることが出来る。又これらマイタケ類の子実体、菌糸体いずれも用いることが出来る。最近ではマイタケ〔Grifola frondosa〕、白マイタケ〔Grifola albicans〕の子実体の人工栽培が可能となり、安定した原料確保の面から上記二者の子実体を使用するのが好ましい。
本発明における「マイタケの子実体や菌糸体」は、生のもの、乾燥品、乾燥粉末何れも意味し使用できるが、それらにはα−グルカンに影響を与えるような酵素が含まれており、本発明における高分子のα−グルカンを出来るだけ効率よく採取するためには
(1)マイタケ中の含まれるα−グルカンに影響を与えるような酵素の作用を抑制もしくは阻止する処理・手段を行って後、熱水で抽出するか、
(2)マイタケ中の含まれるα−グルカンに影響を与えるような酵素の作用が働く以前にα−グルカンの分解を防ぐため、採取後直ちに切断あるいは粉砕した後、酵素が作用しないよう熱水抽出を行うこと
が重要であり、できるだけ採取して時間の経過していない生のマイタケを使用するのが好ましい。
α−グルカンに影響を与えるような酵素とは、α−グルカンをグルコースに分解する酵素、分枝を形成する酵素、転移を起こす酵素さらには二糖(トレハロース)あるいはオリゴ糖を生成する酵素等が認められるが、与える影響の大きい酵素はα−グルカンをグルコースに分解する酵素である。本発明者等は収穫した生マイタケを室温で24時間静置したところ、ゲルろ過カラムを用いたHPLCによって、ピーク面積が56%に減じたことを確認している。また、凍結乾燥粉末に水を加え36℃で30時間静置したところ、同様にピーク面積が30%に減じたことを確認している。
α−グルカンに影響を与えるような酵素を抑制若しくは阻止する処理としては、凍結保存、凍結乾燥、真空(減圧)保存、真空(減圧)乾燥、凍結真空(減圧)乾燥および加熱乾燥のいずれかまたはその組み合わせで実施しうるが、抽出処理を容易にするためには、凍結乾燥、真空(減圧)乾燥、加熱乾燥が好ましい。更には、凍結真空(減圧)乾燥が、酵素の働きを確実に阻止し、しかも処理時間の短縮の観点から特に好ましい。
凍結保存、凍結乾燥、真空(減圧)保存、真空(減圧)乾燥、凍結真空(減圧)乾燥等いずれの場合も、一般に市販され、あるいは使用されている機器が使用できる。
凍結温度については特に限定されないが、好ましくは−20℃以下、−30℃〜−40℃が特に好ましい。また、減圧の程度については、機器の性能等考慮して適宜選択してよい。
加熱乾燥については、加熱温度としては60℃以上、特に80℃前後が好ましいが、原材料の状態、加熱時間等を考慮に入れて、例えば焙煎の温度条件(およそ150℃〜240℃)での加熱も可能である。また加熱乾燥する方法として、例えば急速熱風乾燥機、回転式乾燥機、マイクロウエーブ(電子レンジ)、焙煎機等による方法が利用できる。
また乾燥、抽出に先立っては粉砕あるいは粉末とするのが好ましく、具体的には25〜60メッシュパス程度の粒子が抽出効率を向上させるため望ましいが、それ以外の粒子サイズでも抽出物を得ることは可能である。
抽出に先立って抽出を妨害するような成分や物質の除去処理は、抽出対象物の状況により適宜行うことができる。例えば脱脂を目的として、エタノール、ベンゼン、石油エーテル、アセトンまたはエーテル等による処理を行うこともできるが必ずしも必須ではない。
抽出の方法は、熱水で行なう。マイタケ中のα−グルカンに影響を与えるような酵素は55℃〜60℃までは働くが、60℃を超える温度では働きが衰えるので、本発明における熱水とは具体的には60℃を超える温度の水と考えてよい。実施にあたって、好ましくは80℃以上の熱水を混合し、加熱下、常圧乃至加圧下、常法に準じて適宜行いうる。例えば80〜125℃で5分〜数時間抽出する。短時間で効率よく行うには、100℃以上、例えば圧力釜を用いて加圧下120〜125℃で30分〜1時間前後抽出を行うのが良い。
「水」とは水道水、脱イオン水(イオン交換水)、蒸留水、逆浸透水などを意味する。
得られた抽出液はそのまま精製のステップに移しても良いし、室温に冷却し、濃縮してエキスとしても良く、更に乾燥してエキス末として利用することもできる。乾燥エキス末とするのが利用しやすく、噴霧乾燥、凍結乾燥等何れの手段も用いうるが、乾燥させることによってα−グルカン精製の原料となり、吸湿を防ぐことで長期保存が可能である。
得られた抽出画分は、分別沈殿法、クロマトグラフ法、ゲルろ過法、限外ろ過法等またはこれら方法を適宜組み合わせて利用することによって精製することができる。
多糖体の分別沈殿法としてはアルコールやアセトンなど有機溶媒による方法が知られており、これらの方法が可能であるが、特に、アルコールを使用するのが好ましく、アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等低級アルコールが使用できる。
クロマトグラフ法では、例えばDEAE−セルロースやDEAE−セファデックスカラムを使用したイオン交換クロマトグラフィーやアフィニティクロマトグラフィーが、またゲルろ過法においては例えばセファデックスやアクリルアミド等のゲルろ過剤が、はたまた限外ろ過法としては例えばセルロース、セルロースアセテート等の限外ろ過膜を使用した市販の装置が使用できる。
以上本発明のα−グルカンまたはその含有抽出画分を得るための分離・精製法を例示したが、アルコール分別沈殿の方法を活用して、簡便且つ経済的な方法も開発したので具体的に例示する。
まず熱水で抽出して得られた抽出画分あるいは該画分の乾燥物の水溶液に
1)同程度(50%)の量もしくはそれ以上のアルコールを添加すると粗α−グルカンが析出し、遠心分離によって採取することができる。上澄み液に低分子の物質等が移行して除くことができる。
2)ついで得られた沈殿物を水に完全に溶かし、目的沈殿物が析出し始め、それ以外の画分が沈殿しない濃度の範囲になるように、この水溶液にアルコールを全体の20〜30容量%、好ましくは24〜26%になるように加え、静置して生じる析出物・沈殿物を除去する。該析出物・沈殿物は遠心分離等の方法で除去できる。
3)得られた上澄み液には所望するα−グルカンが含まれているので、目的沈殿物が析出し始め、それ以外の画分が沈殿しない濃度の範囲になるように、これにアルコールを全体の40〜60容量%、好ましくは40〜45%になるように加えて静置し析出した沈殿物を採取する。
この沈殿物がα−グルカンであり、分子量がSEC−MALS法により4×10〜7×10の範囲に分布し、重量平均分子量が8.5×10と、マイタケ成分として知られたことのないような巨大な高分子体であり、かつ比旋光度、箱守法とプロトンNMR測定等により、(1→4)結合を主鎖とし(1→6)結合で分岐した多糖体構造を有するα−グルカンであり高純度のα−グルカンであることが確認された。
なお、α−グルカンの構造式の部分図を下記に示す。
Figure 0005882635
上記1)〜3)工程の内2)と3)の工程が重要で必須であり、場合によっては1)の工程は省略することができるが、望ましくは1)から2)、3)へと進めることによって所望する高純度のα−グルカンを得る事ができる。
更に不純物を取り除いたα−グルカンまたは高純度含有画分は、該沈殿物を50%程度のエタノール中に分散させ、再び遠心分離によってα−グルカンを回収し、目標純度に到達するまでこの操作を繰返すか、或いはクロマトグラフ法、ゲルろ過法、限外ろ過法等常套手段によって得る事ができる。
このようにして得られたα−グルカンは乾燥し、所望により粉末とすることができる。
本発明のマイタケ由来のα−グルカンおよびこれを含む抽出画分を対照としてBALB/cマウス、♀、6週齢にA型インフルエンザウイルス(A/NWS/33, H1N1亜型)を感染させてその治療効果を評価したところ、当該α−グルカンならびにこれを含有する抽出画分にインフルエンザの予防・治療に有効であることが知見された。
かかる有効性は、例えばライノウイルス、コロナウイルス、RSウイルス、ヘルパンギーナウイルス等によるインフルエンザと同様の感冒(かぜ)にも適用しうる。
以上の結果より、マイタケ由来α−グルカンおよびこれを含む抽出画分は優れたインフルエンザ等感冒の予防・治療に有効であり、ウイルス等の感染の予防或いは罹患後の症状軽減のための飲食品、ヒトもしくは動物用の医薬品および飼料もしくは飼料添加物に配合して用いることが出来る。
本発明における飲食品とは、牛乳・ドリンク等の飲料および日常食している各種加工食品、栄養補助食品、健康補助食品、サプリメントといわれるいわゆる健康食品、栄養機能食品や特定保健用食品を含めた保健機能食品、高齢者用食品等を含めた特別用途食品等全て包含される。
健康食品、サプリメント、機能性食品、ヒトならびに動物用の医薬品として用いる場合は適宜、賦形剤、増量剤を加え錠剤、カプセル剤、顆粒剤、粉末剤、丸剤、飴剤、トローチ、内服液剤、内服懸濁液剤、点鼻剤、含そう剤、注射剤等各種製剤に加工することができる。
飼料、若しくは飼料添加剤として用いる場合は、そのまま或いは各種飼料に適宜配合すれば良い。飲み水に溶かして与えることもできる。
高分子のα−グルカンおよびこれを含む抽出画分は、食材として汎用されているマイタケ中の成分で、デンプンやグリコーゲンに似た構造の多糖体で、毒性のない安全な物質であり、インフルエンザ等感冒の予防或いは罹患後の症状軽減のための食品、ヒトもしくは動物用の医薬品、および飼料もしくは飼料添加剤として用いることができる。
実施例3で得られたα−グルカン含有精製画分のSEC−MALS法による 測定分子量Mw分布(プロット)と保持時間を示す図。 生マイタケを収穫後室温で24時間静置したところ、当初含まれていたα−グルカンが減少したことを示す図。 凍結乾燥マイタケ粉末を水に懸濁後36℃、30時間静置したところ、当初含まれていたα−グルカンが減少したことを示す図。 実施例2で得られたα−グルカン含有抽出画分および実施例3で得られたα−グルカン含有精製画分投与群ならびに対照群マウスのインフルエンザ感染3日後における各群の体重の変化を示す図。 実施例2で得られたα−グルカン含有抽出画分および実施例3で得られたα−グルカン含有精製画分投与群並びに対照群マウスのインフルエンザ感染3日後における肺および気管支肺胞洗浄液(BALF)のウイルス量を示す図。
以下、本発明を具体的に説明するために実施例を示すが、本発明はこれに限定されるも
のではないことは言うまでもない。
[実施例1]
人工栽培で作った生マイタケ(Grifola frondosa)の茎部、傘部を−30℃〜−40℃で凍結させ、真空凍結乾燥機を用いて乾燥した。乾燥機内は20Paまで減圧され、およそ1日で乾燥した。次いで、乾燥粉末を製粉機で粉砕し、25メッシュをパスする微粉末を得た。
[実施例2]
実施例1で得られた凍結乾燥マイタケ粉末10kgを、あらかじめ80℃まで加熱しておいたイオン交換水210lに投入し、121℃、30分間の熱水抽出を行った。抽出液はフィルタープレスを用いて濾過し、取得した抽出溶液を濃縮後、スプレードライによって乾燥粉末(α−グルカン含有抽出画分)を得た。
[実施例3]
実施例2で得たマイタケ熱水抽出物の乾燥粉末100gに対し、1lの水を添加して完全に溶解させ、最終濃度50容量%となるように攪拌しながらエタノールを添加した。1時間ほど攪拌した後、生じた浮遊物(50%エタノール沈殿物)を遠心分離操作(5,000rpm/10min)によって取得した。取得した50%エタノール沈殿物を500mlの水を加え完全に溶解させ、最終濃度25容量%となるように攪拌しながらエタノールを加え、生じた浮遊物(25%エタノール沈殿物)を遠心分離操作(7,000rpm/30min)によって除去、上清を取得した。
25%エタノール上清に最終濃度42容量%となるように、攪拌しながらエタノールを添加し、生じた浮遊物(42%エタノール沈殿物)を遠心分離操作(5,000rpm/5min)によって取得した。42%エタノール沈殿物を100mlの水に溶解し、溶液を−30℃程度の冷凍庫内で凍結させ、真空凍結乾燥装置を用いて乾燥させ、粉砕して粉末(α−グルカン含有精製画分)30gを得た。
以上のように得られたα−グルカンの物性、分子量および構造解析を以下に記載する。
外観:無色の結晶性粉末
酸による加水分解:D−グルコースのみを与えた。
比旋光度:[α]D 23=165.8±12.6(c=1.0,H2O);n=10
分子量:SEC−MALS法(サイズ排除クロマトグラフィー−多角度光散乱検出法: Size Exclusion Chromatography−Multi Angle Light Scattering:)により測定した。
〈分析条件〉
試料調整:α−グルカン:0.492mg/mlの濃度に溶解した後に0.45μmのフィルターを用いてろ過した後に注入
検出器:多角度光錯乱検出器(Wyatt Technology DAWN HERIOS II)
カラム:サイズ排除クロマトグラフィー;SEC(Shodex SB−806M HQ)
溶離液:0.1M 硝酸ナトリウム水溶液
流量:1.0ml/min
注入量:100μl
カラム温度:40℃
〈測定結果〉
試料であるα−グルカンは多角度光錯乱検出法により、重量分子量はおおよそ、4×106から7×107に分布し、重量平均分子量(Mw)は8.51×106と測定された(図1)。
構造解析:
実施例3で得たα−グルカンの構造解析について以下に具体的に記載する。60%水素化ナトリウム(3.75mmol, 150mg)を蒸留ヘキサンで洗浄し、アルゴン雰囲気下、50℃にて蒸留ジメチルスルホキシド(42.2mmol, 3ml)と3時間反応させ、ナトリウムメチルスルフィニルカルバニオン溶液を調製した。上記α−グルカン含有粉末(10.8mg)を蒸留ジメチルスルホキシド(1ml)に溶解し、ナトリウムメチルスルフィニルカルバニオン溶液(0.5ml)を加えたのちに、ヨウ化メチル(8.03mmol, 0.5ml)によるメチル化反応を行った。TLC分析により出発原料のスポットの消失を確認後、蒸留水によりクエンチして反応を終了させた。反応液をジクロロメタンで希釈し、蒸留水で3回洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後減圧濃縮し、真空ポンプで乾燥した。得られた残渣(14.9mg)に88%ギ酸(1ml)を加え100℃にて加水分解を行った。1時間後、反応液を減圧濃縮することでギ酸を除去した。次いで、残渣に0.5N 硫酸溶液(1ml)を加えて100℃にて加水分解を行った。1時間後、炭酸バリウムにより反応液を中和し、不溶物をセライトにより濾別した。その後、得られた濾液を減圧濃縮した。得られた残渣(21.7mg)を50% メタノール溶液(1.5ml)に溶解し、濃アンモニア水によりpHを10〜11に調整後、水素化ホウ素ナトリウム(0.528mmol, 20mg)を加えた。3時間後、TLC分析により原料の消失を確認し、酢酸によりクエンチした。反応液をメタノールにより共沸しホウ酸エステルを除去した。得られた残渣をピリジン(1ml)に溶解し、アルゴン雰囲気下、無水酢酸(5.28mmol, 0.5ml)を加え100℃にて反応を行った。一時間後、TLC分析により原料の消失を確認し、メタノールにてクエンチした。ピリジンを減圧濃縮により除去し得られた残渣を酢酸エチルにより希釈後、1N 塩酸溶液、飽和炭酸水素ナトリウム溶液、飽和食塩水にて順次洗浄した。酢酸エチル相を無水硫酸マグネシウムで乾燥後減圧濃縮し、真空ポンプで乾燥した。
得られた部分メチルアルジトールアセテート混合物(12.8mg)を1H−NMR(D2O, HOD =4.81ppm)による分析に使用した。部分アルジトールアセテートを解析した結果、2,3-di-O-メチル体〔化2〕:2,3,6-tri-O-メチル体〔化3〕:2,3,4,6-tetra-O-メチル体〔化4〕であった。この知見より、(1→4)結合を主鎖とし(1→6)結合で分岐した多糖体構造と解析した。
Figure 0005882635
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[参考例1]
生マイタケを培地から収穫後、ただちに子実体をマルチブレンダーで細かく破砕し、50 gを秤りとって蒸留水55mlを添加して、121℃、30分の熱水抽出を行った。また、生マイタケを収穫後、子実体を室温で24時間静置した後、同様に熱水抽出を行った。これらの抽出液をゲルろ過カラムを用いてHPLC分析し、核磁気共鳴、メチル化分析でα−グルカンと同定されたピークの面積を比較したところ、ただちに抽出したもの(保持時間:8.369)に比べ、室温で24時間静置したもの(保持時間:8.379)は56%に減じた(図2)。
[参考例2]
凍結乾燥マイタケ5 gに滅菌水100mlを添加し、懸濁液を作成した。シリコン栓で蓋をし、十分懸濁させ、ただちに熱水抽出を行った。また、懸濁後、恒温器にて36℃で30時間静置した後、121℃、30分の熱水抽出を行った。これらの抽出液をゲルろ過カラムを用いてHPLC分析し、核磁気共鳴、メチル化分析でα−グルカンと同定されたピークの面積を比較したところ、懸濁後ただちに抽出したもの(保持時間:8.462)に比べ、懸濁後36℃で30時間静置したもの(保持時間:7.962)は30%に減じた(図3)。
上記参考例1,2から分かるように、直ちに熱水抽出したものに比べ、長時間放置後に熱水抽出したものは、α−グルカンの含量が極度に少なくなっている。
[試験例]インフルエンザ治療効果評価
方法
(1)ウイルス(A型インフルエンザウイルス:A/NWS/33、H1N1亜型、2×
104PFU/50 μl/mouse)をマウス(各群3匹)に経鼻接種する。
(2)サンプルを、感染7日前から感染3日後まで、1日2回(午前9時、午後6時)、
経口投与する。
(3)マウスの体重を、感染当日(0日)と感染3日後の2回測定する。
(4)感染3日後に肺および気管支肺胞洗浄液(BALF、プラスチックカニューレを用いて、0.8mlのリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で気道を5回洗浄して、その液を回収する)を採取する。
(5)気管支肺胞洗浄液は遠心(1,000rpm、5分間)して、その上清を適宜希釈し、プラークアッセイに供してウイルス量を測定する。肺の場合には、1mg当たり1μlのPBSを加え、超音波処理して、遠心(5,000rpm、10分間)後、その上清を適宜希釈してプラークアッセイに用いる。
(注)PFU:プラーク形成単位、1PFUは生きたウイルス1個に相当する。
プラーク法:インフルエンザウイルスの定量方法であり、細胞培養用ディッシュに単層状に培養したMDCK細胞に、適宜希釈した検体を加えて感染させ、その後寒天培地を加えて2日間培養すると、ウイルスの数に応じて斑点状の細胞脱落部分が検出できる。これをプラークと呼び、その数がウイルス量を表している。
実験区 (n = 3)
#1: 蒸留水 (対照)
#2: オセルタミビルリン酸塩(陽性対照) 0.2 mg/day/mouse
#3: 実施例2で得たα−グルカン含有抽出画分 0.5 mg/day/mouse
#4: 〃 2 mg/day/mouse
#5: 〃 5 mg/day/mouse
#6: 実施例3で得たα−グルカン含有精製画分 0.5 mg/day/mouse
#7: 〃 2 mg/day/mouse
#8: 〃 5 mg/day/mouse
(溶媒はすべて滅菌蒸留水を使用した)
結果
1.体重の変化(図4)
体重の変化は、インフルエンザ発症程度のきわめて重要な指標である。今回のウイルス接種量においては、これまでの実験例では、感染3日後から変化が現れ始め、7−8日後に最大の体重減少がみられる。
今回は、感染3日後にマウスを処分したが、その時点での体重を、感染当日の測定値を100%として求めた。 図4に示す数値は、各群3匹の平均値である。対照群(#1)は、96.5%とやや減少しており、陽性対照(オセルタミビルリン酸塩投与)群(#2)は、101.8%であり、体重減少を示さなかった。実施例2で得たα−グルカン含有抽出画分投与時には、0.5mgおよび2mg投与群(#3、#4)では、#1と同程度の体重減少を示したが、高用量の5.0mg投与群(#5)では98.1%となり、わずかながら減少を阻止した。α−グルカン含有精製画分、投与群(#6−8)も、用量依存的な体重減少阻止効果を示し、特に#8には全く減少がみられなかった(100.8%)。
2.ウイルス増殖量(表1、図5)
感染3日後のウイルス量をプラーク法で測定した。図5におけるウイルス量の単位は、肺ではx 104PFU/100 mg、気管支肺胞洗浄液ではx 103PFU/100μlである。オセルタミビルリン酸塩は、気管支肺胞洗浄液(P<0.01) と肺(P<0.001) において、対照群(#1)に比べて有意にウイルス量を減少させた。実施例2で得たα−グルカン含有抽出画分は、高用量(#5)では気道のウイルス増殖を有意に(P<0.05)に抑制した。実施例3で得たα−グルカン含有精製画分は、高用量(#8)においては肺(P<0.05)および気管支肺胞洗浄液(P<0.01) のウイルス量を有意に減少させた。
3.評価
実施例2で得たα−グルカン含有抽出画分並びに実施例3で得たα−グルカン含有精製画分は、共に高用量では気道のウイルス増殖を有意に抑制した。体重減少も陽性対照であるオセルタミビルリン酸塩に比べて遜色のない結果を示した。両被検物はオセルタミビルリン酸塩のように、直接インフルエンザウイルスに作用するものではなく、生体内で何らかの防御機構に作用して上記効果を示したものと思われる。かかる両被検物は本試験系ではマウスに対して5mg/mouse/day(200〜250mg/kg、マウスの体重は20〜25g/匹)の投与量で効果を示しており、ヒト(成人)に対しても1日量200〜250mgの投与量で有効であろうと外挿され、インフルエンザ等感冒の予防・治療に有効と判断される。
Figure 0005882635
マイタケ由来の、新規で有用な高分子のα−グルカンおよびこれを含む抽出画分は、食材として大量に量産されているマイタケより本発明の方法で生産することができ、インフルエンザ等の感冒の予防・治療に安全・有効に使用でき、飲食品、ヒトもしくは動物用の医薬品、および飼料もしくは飼料添加剤としての利用が可能で、広範囲且つ大規模に供給できる。

Claims (15)

  1. マイタケ由来の、分子量がSEC−MALS法により4×10〜7×10の範囲に分布してなることを特徴とするα−グルカンまたはその含有抽出画分。
  2. マイタケ由来の、分子量がSEC−MALS法により4×10〜7×10の範囲に分布し、重量平均分子量がおよそ8.5×10であることを特徴とするα−グルカンまたはその含有抽出画分。
  3. マイタケ由来の、分子量がSEC−MALS法により4×10〜7×10の範囲に分布し、(1→4)結合を主鎖とし(1→6)結合で分岐した多糖体構造を有することを特徴とするα−グルカンまたはその含有抽出画分。
  4. マイタケ由来の、分子量がSEC−MALS法により4×10〜7×10の範囲に分布し、重量平均分子量がおよそ8.5×10であり、(1→4)結合を主鎖とし(1→6)結合で分岐した多糖体構造を有することを特徴とするα−グルカンまたはその含有抽出画分。
  5. インフルエンザ等感冒の予防・治療に有効であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか記載のα−グルカンまたはその含有抽出画分。
  6. マイタケの子実体もしくは菌糸体を、それらの中に含まれるα−グルカンに影響を与えるような酵素の作用を抑制もしくは阻止する処理・手段を行って後、熱水で抽出することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか記載のα−グルカンまたはその含有抽出画分の製造方法。
  7. マイタケの子実体もしくは菌糸体を、それらの中に含まれるα−グルカンに影響を与えるような酵素の作用を抑制もしくは阻止する処理・手段を行って後、熱水で抽出して得られた画分を、次いで分別沈殿法、クロマトグラフ法、ゲルろ過法、限外ろ過法のいずれか、またはそれらの方法を適宜組み合わせて利用して、精製することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか記載のα−グルカンまたはその含有抽出画分の製造方法。
  8. α−グルカンに影響を与えるような酵素の作用を抑制もしくは阻止する処理・手段が、凍結保存、凍結乾燥、真空(減圧)保存、真空(減圧)乾燥、凍結真空(減圧)乾燥および加熱乾燥のいずれかまたはその組み合わせであることを特徴とする請求項6または請求項7記載のα−グルカンまたはその含有抽出画分の製造方法。
  9. マイタケの子実体もしくは菌糸体を、それらの中に含まれるα−グルカンに影響を与えるような酵素が働かないように直ちに熱水で抽出することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか記載のα−グルカンまたはその含有抽出画分の製造方法。
  10. マイタケの子実体もしくは菌糸体を、それらの中に含まれるα−グルカンに影響を与えるような酵素が働かないように直ちに熱水で抽出して得られた画分を、次いで分別沈殿法、クロマトグラフ法、ゲルろ過法、限外ろ過法のいずれか、またはそれらの方法を適宜組み合わせて利用して、精製することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか記載のα−グルカンまたはその含有抽出画分の製造方法。
  11. 分別沈殿法が、マイタケの子実体もしくは菌糸体を、熱水で抽出して得られた抽出画分あるいは該画分乾燥物の水溶液に、アルコールを全体の20〜30容量%になるように加え生じた沈殿物を除き、次いで該上澄み液にアルコールを全体の40〜60容量%になるように加えて析出した沈殿物を採取する方法であることを特徴とする請求項7または請求項10のいずれか記載のα−グルカンまたはその含有抽出画分の製造方法。
  12. マイタケの子実体もしくは菌糸体を、凍結乾燥後、熱水で抽出し、得られた抽出画分あるいは該画分乾燥物の水溶液に、アルコールを全体の20〜30容量%になるように加え生じた沈殿物を除き、次いで該上澄み液にアルコールを全体の40〜60容量%になるように加えて析出した沈殿物を採取する方法であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか記載のα−グルカンまたはその含有抽出画分の製造方法。
  13. 請求項1〜請求項4のいずれか記載のα−グルカンまたはその含有抽出画分を配合してなることを特徴とする飲食品。
  14. 請求項1〜請求項4のいずれか記載のα−グルカンまたはその含有抽出画分を配合してなることを特徴とするヒトもしくは動物用の医薬品。
  15. 請求項1〜請求項4のいずれか記載のα−グルカンまたはその含有抽出画分を配合してなることを特徴とする飼料もしくは飼料添加剤。
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