JP5880941B2 - 還元鉄の製造方法 - Google Patents

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本発明は、鉄鉱石粉と炭材粉の混合物をブリケット化し、このブリケットを還元処理することにより還元鉄を製造する方法に関する。
従来、鉄鉱石を還元する方法として、以下のような方法が知られており、それぞれ生産性を高めるために技術改善がなされてきた。
(1)高炉法
高炉法では、鉄鉱石とコークスを層状に装入し、炉下部から約1000℃の熱風空気(酸素富化空気)を送風し、溶銑を製造する。この高炉法において、生産性を向上させるための技術改善としては、熱風温度の高温化、酸素富化率の増加、還元鉄の装入、鉄鉱石とコークスの装入方法の改善などが実施されている。基本的に高炉で使用可能な鉄鉱石は、粉状鉱石ではなく、高炉内での荷重に耐え得る品質を有する塊鉱石又は焼結鉱であり、同様にコークスにも高炉での荷重に耐え得る品質が要求される。
鉄鉱石とコークスを層状に装入しているため、鉄鉱石の還元反応は炉下部で発生するコークスのガス化により生成した還元ガス(CO、H)に依存し、鉄鉱石とコークスとの接点での還元反応はあまり期待できない。生産性をさらに高めるために、炉内圧力を通常の操業レベル(3〜4kg/cm-G)よりも高くすることも可能であるが、圧力増加に伴いコークスのガス化反応(C+CO=2CO)が逆に阻害され、還元ガスの生成に不利となる。また、高炉法は鉄鉱石から溶銑を製造するプロセスであり、炉内は気体、固体、液体が共存するとともに、還元ガスが炉下部から炉上部に向かって流れ、還元・溶融した溶銑および溶融スラグは炉下部に向かって降下する。このようなプロセスでは、炉内圧力を高めるとガス密度および粘性が増加することから、還元・溶融した溶銑および溶融スラグの降下が阻害される恐れがある。
(2)シャフト炉による還元鉄製造法
この製造法は、塊鉱石や鉄鉱石ペレットをシャフト炉に装入し(これらの原料は炉下部に向かって降下する)、炉下部より天然ガスを改質した800〜950℃の還元ガス(CO、H)を吹き込んで還元鉄を製造する方法であり、HYLIIIやMidrexなどが知られている。この方法は、還元材としてコストの高い天然ガスを使用することから、プラント立地は天然ガスの産出国に限定される。この製造法において、生産性を向上させるための技術改善としては、吹き込む改質ガス温度の高温化、還元ガス中の水素濃度の増加などが実施されている。また、この製造法も基本的には、還元ガスによる鉄鉱石還元である。生産性向上のために高圧化も可能であるが、炭素析出反応(2CO=C+CO)やメタン化反応(CO+3H=CH+HO)は高圧の方が有利であるため、還元ガスがCやCHに変換されてしまう。また、メタン化反応は発熱反応であるため、還元温度を管理することが困難となる。
さらに、生産性を向上させるためには、鉄鉱石還元速度の向上が必要である。特許文献1,2には、鉄鉱石(酸化鉄)と炭材とを混合して塊成化することで、鉄鉱石と炭材との接触点を増加させる方法が開示されている。なお、これらの特許文献に示される方法は、製造した塊成化物を回転炉床炉で高温還元し、還元鉄を製造する方法である。
また、非特許文献1〜3では、高圧下での鉄鉱石の還元反応の結果が開示されている。
特開2010−53376号公報 特開2002−167624号公報
西川、外5名、「流通式高圧示差熱分析装置を用いた粉赤鉄鉱石の還元実験」、鉄と鋼、64(1978)、p.121-127 黒豆、外2名、「高圧下における酸化鉄ペレットの水素ガスによる還元反応速度」、鉄と鋼、66(1980)、p.23-32 E. Kasai、外2名、「Effect ofMixed-grinding Material and Iron Oxide on Reduction Composite」、ISIJ International、35(1995)、p.1444-1451
高炉法とシャフト炉による還元鉄製造法は、数kg/cm-G(還元鉄製造法で約5kg/cm-G)の圧力で還元ガスを利用して鉄鉱石の還元を行うものである。生産性(還元速度)向上のための方策としては熱風温度などの高温化があるが、さらに還元速度を向上させるために還元時の圧力を高める方法が考えられる。しかしながら、圧力が高くなるとコークスのガス化反応が阻害され(高炉法)、また、炭素析出やメタン化などの反応に有利な条件となることから、逆に生産性が低下し或いは操業トラブルが発生する要因となる。
特許文献1,2の方法は、酸化鉄と炭材の混合物を塊成化し、回転炉床炉で還元鉄を製造するものである。この方法では、回転炉床炉の炉床に塊成化物を複数層(2〜3層)装入し、炉壁ガスバーナー火炎や炉内壁からの輻射熱により酸化鉄を還元するものであるが、炉上部は燃焼空間となっており、塊成化物の充填密度が低く、このため生産性が低い。また、燃焼ガスの熱は塊成化物の昇温・還元に利用されるが、そのほとんどは上部空間を介して排ガスとして排出される(熱効率が低い)。また、回転炉床炉を用いるため、基本的には常圧での還元反応であり、高圧での操業が困難である。
また、非特許文献1,2に示されているのは、水素気流下において圧力約1.3MPaで鉄鉱石を還元する方法(炭材と混合するのではなく鉄鉱石粒子のみの還元)であり、非特許文献3に示されているのは、鉄鉱石と炭材(グラファイト、コークス)を単純に混合粉砕し、その混合物を圧力0.1〜1.5MPa条件下で還元する方法である。しかし、これらの方法では、鉄鉱石を高い生産性で効率的に還元することはできない。
したがって本発明の目的は、以上のような従来技術の課題を解決し、鉄鉱石を高い生産性で効率的に還元し、還元鉄を低コストに得ることができる還元鉄の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく検討を行い、その結果、鉄鉱石粉とバイオマス炭を含むブリケットを所定レベル以上の高温・高圧下で還元処理することにより、鉄鉱石を高い還元速度で効率的に還元し、高い生産性で還元鉄を製造できることを見出した。本発明は、このような知見に基づきなされたもので、その要旨は以下のとおりである。
[1]鉄鉱石から還元鉄を製造する方法において、鉄鉱石粉に、該鉄鉱石粉に含まれる酸化鉄由来酸素に対する炭材中固定炭素の質量比[C/O]が0.75以上となる配合比で、粉粒状のバイオマス炭を加えて混合し、該混合物を加圧成型してブリケットとする工程(A)と、前記ブリケットを950℃以上1100℃以下、2.0Mpa以上の高温・高圧下で還元処理することにより還元鉄を得る工程(B)を有することを特徴とする還元鉄の製造方法。
[2]上記[1]の製造方法において、工程(A)では、鉄鉱石粉にバイオマス炭とともにバインダーを加えて混合することを特徴とする還元鉄の製造方法。
[3]上記[1]又は[2]の製造方法において、工程(B)がシャフト炉で行われ、シャフト炉の炉上部から装入されたブリケットが炉下部まで降下する過程で還元処理されることを特徴とする記載の還元鉄の製造方法。
本発明によれば、鉄鉱石粉とバイオマス炭を含むブリケットを所定レベル以上の高温・高圧下で還元処理することにより、鉄鉱石を高い還元速度で効率的に還元し、高い生産性で還元鉄を得ることができる。また、低品位の原料(鉄鉱石、炭材)を使用しても生産性を維持することができるので、還元鉄を低コストに製造することができる。
本発明の工程(B)と、この工程(B)で得られた還元鉄の利用法の一実施形態を示す説明図 実施例において、炭材粉として木炭粉を用いたブリケットとグラファイト粉を用いたブリケットを、950℃で還元処理した際の圧力とブリケットの質量減少率との関係を示すグラフ 実施例において、炭材粉として木炭粉を用いたブリケットとグラファイト粉を用いたブリケットを、種々の圧力で還元処理した際の温度とブリケットの質量減少率との関係を示すグラフ 実施例において、炭材粉として木炭粉を用いたブリケットを還元処理した際の圧力とガス化開始温度における相対還元率(圧力が5MPaでの還元率を1.0とした還元率)との関係を示すグラフ
本発明の還元鉄の製造方法は、鉄鉱石粉にバイオマス炭を加えて混合し、この混合物を加圧成型してブリケットとする工程(A)と、前記ブリケットを950℃以上1100℃以下、2.0Mpa以上の高温・高圧下で還元処理することにより還元鉄を得る工程(B)を有する。この工程(B)の還元処理は、2.0Mpa以上という高圧下で行われるため、反応によりブリケット内で生じたガスが外部に放出されにくく、ブリケット内部に留まりやすいので、ブリケット内部において、(a)最初に炭材と酸化鉄との還元反応でCOが生じ、(b)このCOがさらに酸化鉄と反応してCOを生じ、(c)このCOが炭材と反応してCOを生じ、その後、上記(b)→(c)の反応が繰り返される、という一連の反応で鉄鉱石の還元がなされるので、効率的な還元処理が行われる。さらに、炭材粉としてバイオマス炭を用いることにより、上記(c)のCOと炭材が反応してCOを生じる速度が増加する。その結果、ブリケットの還元速度も高められ、この面からも還元処理の効率が向上する。これは、バイオマス炭は石炭粉やコークス粉に較べて高比表面積であり、しかも、バイオマス炭中の炭素は、石炭やコークス中の炭素のような強固なグラファイトではなく、反応性の高いサイトを多く有し、COや鉄鉱石等と反応しやすいためである。以上の結果、本発明の還元鉄の製造方法では、非常に効率的な還元処理がなされ、高い生産性が得られる。
本発明において、工程(A)でブリケット化する鉄鉱石粉に特別な制限はなく、劣質の粉状鉄鉱石などを用いてもよい。鉄鉱石粉の粒度は、製造するブリケットのサイズにもよるが、ブリケットサイズの1/10以下が好ましい。一般的には、粒径3mm以下が好ましい。
また、炭材であるバイオマス炭は、木、草、下水汚泥などのような炭素を含む物質を炭化処理したものでよく、木炭が代表的なものであるが、これに限定されるものではない。
バイオマス炭は粉粒状であり、その粒度は、製造するブリケットのサイズにもよるが、ブリケットサイズの1/10以下が好ましく、鉄鉱石粉の粒度に対して同等がそれ以下の粒度が好ましい。一般的には、粒径3mm以下が好ましい。
鉄鉱石粉に対するバイオマス炭の配合比は、鉄鉱石を還元するのに必要な炭素量を考慮して決められるが、一般的には、鉄鉱石粉に含まれる酸化鉄由来酸素に対する炭材中固定炭素の質量比[C/O]が0.75以上となるような配合比が好ましい。
原料をブリケット化するために、鉄鉱石粉にバイオマス炭とともにバインダーを加えてもよい。このバインダーとしては、例えば、デンプン、エタノール、高級アルコール、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸、糖蜜、リグニンなどの有機系バインダー、セメント、高炉水砕スラグ微粉末、石膏、リン酸、粘土、ベントナイト、硫酸マグネシウムなどの無機系バインダーが挙げられ、これらの1種以上を用いることができる。バインダーの配合量は、鉄鉱石粉とバイオマス炭の合計100質量部に対して1質量部以上が好ましい。なお、ブリケット化の際には適宜水分を加えてもよい。
工程(A)では、鉄鉱石粉にバイオマス炭を加え、さらに必要に応じてバインダーを加えて(さらに必要に応じて水を加える)混合し、この混合物を加圧成型してブリケットとする。通常、この加圧成型は成型用のダイスを備えたブリケットマシーンを用いて行う。加圧成型条件は、鉄鉱石粉の種類などに応じて適宜選択される。加圧成型後、必要に応じて乾燥処理する。
ブリケットのサイズは、還元するための炉形式にもよるが、通気性を阻害しない程度のサイズであって、工業的に使用されているサイズであればよい。一般には、6cc以上のサイズが好ましい。
続く工程(B)では、上記ブリケットを所定の高温・高圧下で還元処理する。通常、この還元処理はシャフト炉で行われ、この場合、シャフト炉の炉上部から装入されたブリケットが炉下部まで降下する過程で還元処理される。
ブリケットの還元条件として、温度が950℃未満、圧力が2.0Mpa未満では、十分な還元速度が得られないので、還元処理の温度は950℃以上、圧力は2.0Mpa以上とする。
また、還元処理の温度の上限は1100℃以下とする。これは、還元処理の温度が1100℃を超えると還元されたブリケットが軟化溶融し、ブリケットどうしが融着するためである(炭素濃度4.3%で融点1150℃)。このようなブリケットどうしの融着は、後述する図1のようなシャフト炉で還元処理をする際に棚つり等のトラブルの原因となる。
また、還元処理の時間は、装入されたブリケットの昇温、還元に要する時間であり、通常は1時間以上を必要とする。
この工程(B)により、鉄鉱石粉に含まれる酸化鉄の還元率が90%以上の還元鉄を得ることができる。
図1は、本発明の工程(B)をシャフト炉で行う場合の一実施形態を示すものであり、工程(A)で得られたブリケットは、シャフト炉1の上部の装入口2から炉内に装入される。装入されたブリケットは炉内を降下し、炉下部まで降下する過程で還元処理され、最終的に炉下端部の取出口3から取り出される。なお、シャフト炉には、吹き込み口4から900℃以上に予熱されたCOなどの還元性ガスなどが供給され、炉内が高温に維持される。シャフト炉から取り出された還元鉄(ブリケット)は、例えば、図1に示すような電気炉などの溶解炉で溶解され、溶鉄が得られる。
実験試料は、酸化鉄として鉄鉱石粉(粒径44〜100μmのヘマタイト鉱石)とヘマタイト粉(平均粒径0.5μm、純度99.99%)の2種類を使用し、炭材粉として純度98%のグラファイト粉(平均粒径20μm)と450℃で乾留した木炭粉(粒径53〜150μm)の2種類を使用した。表1に鉄鉱石粉の組成を、表2に木炭粉の組成をそれぞれ示す。
Figure 0005880941
Figure 0005880941
酸化鉄と炭材を酸化鉄由来酸素に対する炭材中固定炭素の質量比[C/O]が0.8となるように秤量後、十分に混合し、直径18mmのSUS製ダイスに入れて30MPaで30秒間加圧成型し、高さ約10mmのブリケット(成型体)を作製した。なお、ヘマタイト粉と木炭粉の組み合わせの際には、ブリケット強度が弱かったため、加圧成型時に混合試料にバインダーとしてエタノールを添加して成型する方法を採用した。ブリケットは105℃で6時間以上保持することで十分乾燥させた後、実験に供した。
上述したブリケットに対して、通常の電気炉を用いて還元実験を実施した。この還元実験では、炉内に所定量のNを供給し、このNは炉内発生ガスとともに炉外に排出されるようにした。炉内に供給されるNはマスフローコントローラで制御し(〜20.0NL/min)、炉内圧力は電気炉出口に設けられた圧力調整器により制御した(〜10.0MPa)。還元実験は、N(純度:6N5)を系内に導入し、所定圧力に到達後、流量を0.5NL/minに制御し、昇温速度10℃/minで所定温度まで加熱を開始し、排出されたガスの分析を行った。このガス分析の結果は、還元の状況を確認するために用いた。また、下記する試験例1の「還元率」と試験例2の「質量減少率」は、回収された試料の質量測定と元素分析により求めた。
[試験例1]
酸化鉄として鉄鉱石粉を、炭材粉としてグラファイト粉をそれぞれ用いて上述のブリケットを製造し、このブリケットの還元実験を行った。還元実験での圧力を0.3MPa(No.4)、1.0MPa(No.1)、3.0MPa(No.2)、5.0MPa(No.3)とし、種々の温度で還元実験を行った。各ブリケットの還元率を表3に示す。表3によれば、炭材粉としてグラファイト粉を用いた場合には、1100℃以下の温度ではブリケットを十分に還元できないことが判る。
Figure 0005880941
[試験例2]
炭材粉として木炭粉、酸化鉄としてヘマタイト粉を用いたブリケットと、炭材粉としてグラファイト粉、酸化鉄としてヘマタイト粉を用いたブリケットを、それぞれ上述のようにして製造し、これらのブリケットの還元実験を行った。この還元実験では、炭材粉として木炭粉を用いたブリケットについては、圧力を0.3MPa、1.0MPa、2.0MPaおよび3.0MPaとし、炭材粉としてグラファイト粉を用いたブリケットについては、圧力を0.3MPa、1.0MPa、2.0MPa、3.0MPaおよび5.0MPaとし、それぞれ950℃の温度で実施した。各試験例のブリケットの質量減少率を図2に示す。この質量減少率とは、ブリケット中の炭素と酸化鉄由来の酸素が全て除去される理論上の最大質量減少率を100%として表したものである(後述する図3の質量減少率も同様)。
図2によれば、炭材粉としてグラファイト粉を用いたブリケットは、圧力を高めても質量減少率に変化がみられない。これに対して、炭材粉として木炭粉を用いたブリケットは、圧力が高くなるにしたがい質量減少率が増加し、2.0MPa以上では95%以上の質量減少率となっている。これは、木炭粉を用いた方が鉄鉱石の還元速度が速いことを示している。
また、上記と同様のブリケットについて、各圧力において温度条件を変えた還元試験を行った。各試験例のブリケットの質量減少率を図3に示す。これによれば、炭材粉として木炭粉を用いたブリケットの方が、炭材粉としてグラファイト粉を用いたブリケットよりも酸化鉄(鉄鉱石)の還元速度が速く、約100℃低温側から還元されることが示されている。
[試験例3]
炭材粉として木炭粉を、酸化鉄として鉄鉱石粉をそれぞれ用いて上述のブリケットを製造し、このブリケットの還元実験を行った。この還元実験において、還元処理時の圧力とガス化開始温度における相対還元率との関係を調べた結果を図4に示す。ここで、相対還元率とは、圧力が5MPaでの還元率を1.0とした還元率である。また、ガス化開始温度とは、ブリッケト内で起き得る反応は、還元反応とガス化反応のみであると考えられ、下記(2)式が起こる温度である。
FeO+CO=FeOX−1+CO …(1)
C+CO=2CO …(2)
図4によれば、圧力が0.3MPaの場合に較べて1.0MPaでは相対還元率の向上がみられるが、圧力が2MPa以上であれば十分に還元されることが示されている。
1 シャフト炉
2 装入口
3 取出口
4 吹込み口

Claims (3)

  1. 鉄鉱石から還元鉄を製造する方法において、
    鉄鉱石粉に、該鉄鉱石粉に含まれる酸化鉄由来酸素に対する炭材中固定炭素の質量比[C/O]が0.75以上となる配合比で、粉粒状のバイオマス炭を加えて混合し、該混合物を加圧成型してブリケットとする工程(A)と、
    前記ブリケットを950℃以上1100℃以下、2.0Mpa以上の高温・高圧下で還元処理することにより還元鉄を得る工程(B)を有することを特徴とする還元鉄の製造方法。
  2. 工程(A)では、鉄鉱石粉にバイオマス炭とともにバインダーを加えて混合することを特徴とする請求項1に記載の還元鉄の製造方法。
  3. 工程(B)がシャフト炉で行われ、シャフト炉の炉上部から装入されたブリケットが炉下部まで降下する過程で還元処理されることを特徴とする請求項1又は2に記載の還元鉄の製造方法。
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