JP5880341B2 - 塔槽類の施工装置、及び施工方法 - Google Patents
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Description
例えば被荷揚げ部材がガスタンクの側板である場合には、その側板を地上より吊り上げた直後から揚重高さに到達するまでの荷振れを抑制するため、作業者が案内ロープを使用して荷揚げを介助している。そして、所定の高さまで荷揚げをし、側板を施工箇所に下ろした後、再び地上において次の被荷揚げ部材に玉掛けするという一連の作業を順次繰り返している。
すなわち、作業者が案内ロープで荷揚げ作業の介助を行っているが、被荷揚げ部材が上述したようなガスタンクの側板である場合、強風時に側板を地上より上部に吊り上げる際、吊り上げた直後から上部に達するまでの間に風によって大きく煽られた側板が施工中のガスタンク本体等に接触するおそれがあった。また、ロープ介助者がロープと共に振られて、不安定な姿勢での作業となるおそれがあった。そのため、衝突によって双方に損傷が生じ、品質が低下したり、ロープ介助者の作業性が悪くなることから、荷揚作業を中断、あるいは停止せざるを得ず、建設工事の工程が遅延することとなり、その点で改善の余地があった。
なお、特許文献1の場合には、ガイドレールを備え、クレーンを使用しない揚重方法であるが、リフト台車上にクレーンを使用して側板を起立姿勢で載置させる必要があり、その場合にも上述した案内ロープによる介助が必要となっていた。
また、水平移動する第1台車に被荷揚げ部材を載せた後に、その被荷揚げ部材を第2台車に移載する際には、起立機構によって水平姿勢から起立姿勢に姿勢変更することが可能となるので、従来のように起立させる際の人の介助が不要となる利点がある。
また、第2台車に駆動手段が装備されないので、第2台車の重量が増加するのを抑えることができる。
しかも、強風時の揚重作業の中断や停止を少なくすることができ、施工効率を向上させると共に、作業員の作業性を高めることができる。
図1の符号1は、有頂円筒形状をなすガスタンク4(塔槽類)の側壁4Aを構成する複数の側板40(被荷揚げ部材)を資材置き場M1(地上置き場)から施工中のガスタンク4の上部(所定高さの位置)まで搬送するための本実施の形態による搬送装置(施工装置)を示している。すなわち、この搬送装置1は、側板40の揚重を多数回にわたって反復させて行う工事の期間が建設工程中に一定の割合を占めるガスタンク4の建設において、とくに強風などの悪天候時にも側板40の荷揚げ作業を行うことを可能とした装置である。
屋根支持体46は、円周方向E(図2参照)に沿って延在するリング形状をなし、全ての基柱42に対して上下方向Yに移動可能に設けられ、且つ所定位置で図示しないボルト等の固定手段によって着脱可能に設けられ、基柱42の最上部に対して固定されて屋根部材45を所定高さに決定し得る。
なお、ピストン44と屋根部材45との間の空間は、密封されておらず、開放された空間となっている。とくに施工時においては、屋根部材45の直下に部分的に開口が形成され、この開口は搬送される側板40をガスタンク4内へ搬入する入口(搬入位置M3)となる。
図1に示すように、建て込んだ側板40の内側及び外側には、それぞれ作業用の足場50、51が設けられている。
内側足場50は、側板内面40bに沿って円周方向E(図2参照)の全周にわたって延在し、ピストン44の上面に支持架台52を介して載置されている。つまり、内側足場50は、ピストン44とともに上昇することになる。内側足場50は、上部足場50Aと下部足場50Bとからなる。上部足場50Aは、施工する側板40の通路となる搬入位置M3と同じ高さに設けられている。下部足場50Bは、側板内面40bに沿う壁面に位置している。内側足場50は、屋根支持体46から連結ワイヤ50aによって吊り下げられた状態となっている。内側足場50(50A、50B)は、この連結ワイヤ50aによって、仮にピストン44が下降してもその高さが維持されることになる。
また、屋根部材45の上面には、搬送位置M3付近にクレーン54が設置されている。
図1に示すように、搬送装置1は、1枚の側板40を地上部で水平移動方向Xに搬送する水平搬送部10と、水平搬送部10から受け取った側板40を施工中のガスタンク4の外周側で上下方向Yに搬送する垂直搬送部20と、を有している。
なお、側板保持フレーム14上に載置される側板40は、湾曲する凸面側を下側に向けるとともに、横方向を水平搬送台車12の幅方向側に一致させた状態で保持されている。
支持ピン163は、両端163aのそれぞれが側壁13Cの長穴13a内に中心軸を中心にして回転可能に挿入され、その長穴13aに沿って水平移動方向Xに往復移動可能に設けられている。
ここで、ばね部材162の付勢力は、側板保持フレーム14を水平状態に収納する際に、伸縮シリンダ161の収縮と共にばね部材162が縮み、且つ側板保持フレーム14を傾動させて垂直状態まで立て起こす際に、伸縮シリンダ161の伸張と共にばね部材162が伸びるように、バランスよく設定されている。
なお、図8において、側板40の内外面が実際は曲線であるが、見易くするために直線としている。そのため、隣り合う基柱42の外面42b同士も同一平面上とならないので、平板のレール支持板23と基柱42の外面42bとの間の隙間を適宜調整して取り付けられている。
第2側板保持フレーム25の上端には、図1に示すクレーン54のワイヤ54aのフックが掛止される吊り環253が設けられている。
可動爪部272のロックを解除すれば、可動爪部272がラック271に対して噛合しない位置に外れることになる。
先ず、図9(a)に示すように、水平搬送部10において、地上置き場M1で1枚の側板40を図示しない揚重設備を使用して水平搬送台車12の側板保持フレーム14上に平置きの状態で載置し、図4に示すようにその側板40に対して第1保持クランプ15によって側端40eを係止して保持する。そして、水平搬送台車12を地上置き場M1から受け渡し位置M2へ水平レール11に沿って水平移動させる。このとき、水平搬送台車12は、電動式であり、自動、或いは遠隔操作により走行させる。
なお、図9(b)に示すように、垂直搬送部20の垂直搬送台車22をガイドレール21の下端の受け渡し位置M2に移動させておく。
この上昇時に、クレーン54で巻き下げる操作をしてしまっても、ラチェット機構27(図7)により垂直搬送台車22が落下することはなく、上昇した位置で停止させておくことができる。
以降、上述した図9〜図11の工程を繰り返すことにより、施工される。
図1に示すように、塔槽類の搬送装置1では、地上部における水平移動時、塔槽類の下部における側板40の水平搬送台車12と垂直搬送台車22との間での受け渡し時、および垂直移動時、のいずれの搬送状態であっても側板40が第1保持クランプ15及び第2保持クランプ26によってそれぞれの台車12、22側に保持され、且つ垂直搬送時に垂直搬送台車22がガイドレール21によって案内されるので、地上置き場M1からガスタンク4の上部の搬入位置M3までの搬送区間においてクレーン54で側板40を直接吊り上げることによる荷揚げ作業をなくすことができる。
また、水平移動する水平搬送台車12に側板40を載せた後に、その側板40を垂直搬送台車22に移載する際には、起立機構16によって水平姿勢から起立姿勢に姿勢変更することが可能となるので、従来のように起立させる際の人の介助が不要となる利点がある。
また、垂直搬送台車22に駆動手段が装備されないので、垂直搬送台車22の重量が増加するのを抑えることができる。
また、強風時であっても揚重作業を行うことが可能となり、施工効率を向上させると共に、作業員の作業性を高めることができる。
図12及び図13に示すように、第2の実施の形態による搬送装置1(施工装置)は、垂直搬送部20に自走式の駆動手段を設けたものであり、上述した第1の実施の形態による搬送装置1のラチェット機構27に代えて、自走昇降が可能なようラック&ピニオン方式等の駆動装置からなる自走機構28(駆動手段)を垂直搬送部20に備えたものである。
例えば、上述した実施の形態ではガスタンク4の施工時において側板40を荷揚げする場合を対象としているが、施工時、すなわち組み立て時のみに限定されるものではなく、解体時に本願発明の施工装置(搬送装置1)や施工方法を適用することも可能である。解体時の場合は、塔槽類の上部で解体した部材(側板40など)を搬入位置M3から受け渡し位置M2へ垂直移動によりその部材を下降させ、さらに受け渡し位置M2において垂直搬送台車22から水平搬送台車12に移載し、水平移動により地上置き場M1へ移動させることが行われる。
4 ガスタンク(塔槽類)
10 水平搬送部
11 水平レール(第1軌条)
12 水平搬送台車(第1台車)
13 台車本体
14 側板保持フレーム
15 第1保持クランプ(第1固定機構)
16 起立機構
20 垂直搬送部
21 ガイドレール(第2軌条)
22 垂直搬送台車
23 レール支持板
24 ガイドローラー
25 第2側板保持フレーム
26 第2保持クランプ(第2固定機構)
27 ラチェット機構
28 自走機構
40 側板(被荷揚げ部材)
40a 側板外面
40b 側板内面
42 基柱
44 ピストン
45 屋根部材
46 屋根支持体
47 シール材
161 伸縮シリンダ(傾動装置)
M1 地上置き場
M2 受け渡し位置
M3 搬入位置
M4 姿勢変更位置
E 円周方向
R ガス封入空間
X 水平移動方向(水平方向)
Y 上下方向(垂直方向)
Z 左右方向
Claims (6)
- 塔槽類の施工に用いられる被荷揚げ部材を地上置き場と塔槽類の上部との間で搬送させるための塔槽類の施工装置であって、
被荷揚げ部材を水平姿勢で固定する第1固定機構、及び被荷揚げ部材を水平姿勢から起立姿勢に起立させる起立機構を備えた水平移動可能な第1台車と、
前記地上置き場と塔槽類の基部との間で前記第1台車を案内するために地上に設けられた第1軌条と、
前記第1台車において起立姿勢とされた被荷揚げ部材を起立姿勢のまま前記第1台車から受け取るとともに前記被荷揚げ部材を固定する第2固定機構を備えた垂直移動可能な第2台車と、
塔槽類の基部と塔槽類の上部との間で前記第2台車を案内するために前記塔槽類に設けられた第2軌条と、
を備えていることを特徴とする塔槽類の施工装置。 - 前記第2台車を駆動する駆動手段は、クレーンであることを特徴とする請求項1に記載の塔槽類の施工装置。
- 前記第2台車を駆動する駆動手段は、前記第2台車に備えられた自走機構であることを特徴とする請求項1に記載の塔槽類の施工装置。
- 前記第1台車には、前記被荷揚げ部材を水平姿勢と起立姿勢との間で移動させる傾動装置が設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の塔槽類の施工装置。
- 塔槽類の施工に用いられる被荷揚げ部材を地上置き場と塔槽類の上部との間で搬送させるための塔槽類の施工方法であって、
前記被荷揚げ部材を水平姿勢で固定した第1台車を第1軌条に案内させて前記地上置き場から前記塔槽類の基部へ向けて水平方向に移動させる工程と、
前記塔槽類の基部において、前記第1台車に固定されている前記被荷揚げ部材を水平姿勢から起立姿勢とする工程と、
起立姿勢の前記被荷揚げ部材を前記第1台車から起立姿勢のまま第2台車に受け渡す工程と、
前記被荷揚げ部材を固定した前記第2台車を第2軌条に案内させて前記塔槽類の基端から前記塔槽類の上部へ向けて垂直方向に移動させる工程と、
を有していることを特徴とする塔槽類の施工方法。 - 前記塔槽類の受け渡し位置より手前での姿勢変更位置で前記第1台車を停止し、その姿勢変更位置で前記被荷揚げ部材を起立姿勢とし、この起立姿勢の状態で前記第1台車を前記姿勢変更位置から前記受け渡し位置へ移動させるようにしたことを特徴とする請求項5に記載の塔槽類の施工方法。
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