JP5877555B2 - 燻煙処理加工を施したルウ食品の製造方法 - Google Patents

燻煙処理加工を施したルウ食品の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、燻煙処理加工を施したルウ食品の製造方法に関するものである。
一般に、食品に対する燻煙処理加工は、燻煙処理室内において独特の香りを有する燻煙材を燃焼させ、燃焼によって発生する燻煙が充満した前記燻煙処理室内で所定の時間食品表面を晒し、該食品に独特の香りを付加することによって行われる。この燻煙処理加工の対象となる食品は、通常、肉、魚等の固形の食品である。流動性のある液状の食品の場合、上記燻煙処理加工を施しても、実際に食する際に上記加工が施された表層部分と燻煙に晒されていない内部の液体が攪拌され、上記独特の風味が希釈されるおそれがあり、燻煙処理の効果が薄れてしまうおそれがある。
従来、上記のような液状の食品に対しても燻煙処理加工を施すために、様々な工夫がなされてきた。たとえば、燻煙を水蒸気の充満した容器の中で循環させ、この燻煙の付着した液体を濾過して生成された燻液を原料とした燻煙成分添加物を合成調味料とともにスープのベース材に加えて形成したスープを使用した燻製風味のラーメンが提案されていた(例えば、特許文献1参照)。
また、液体飲食物を入れた内釜と、内釜の外側に外釜を設け、両者の間隙で給煙室を構成し、内釜内を減圧して内釜の底に穿孔した微小径多数の噴煙孔より、内釜の液体飲食物中に微小気泡の状態で燻煙香を噴出させ、微小気泡が液体飲食物に接触して燻煙香成分を液体飲食物中に溶解吸収させ、通常の燻製加工に比して極めて高効率に液体飲食物に燻煙香を付香する装置が提案されていた(例えば、特許文献2参照)。
登録実用新案第3150847号公報 特開平成11−169102号広報
ところで、液状の食品として、ルウ食品がある。ルウ食品とは、少なくとも原料として粉及び調味料を含み、食用油脂を用いて調製されたルウを基材として任意の具材とともに加水して煮込む料理をいう。代表的な料理としては、カレー、シチュー、ハヤシなどがある。これらのルウは、様々な形態に成形されているが、現在主流の形態はブロック状の固形ルウ、粘性の強いペースト状ルウであるが液体状のもの、パウダー状のものある。
これらのルウを使ってつくられたルウ食品を容器などに入れて燻煙処理しても表面だけに燻煙成分が付着し、内部までは浸透しないため、盛り付けや実際に食するときに、自然に攪拌され燻香が希釈される。
また、前記先行技術のうち、前者によれば、水蒸気の充満した容器内で燻煙を循環させ、この燻煙の付着した液体を濾過して燻液を生成するため、前記一般的な燻煙処理方法とは異なる工程が必要になる。また、後者によれば、所定の内釜及び外釜から構成される装置を準備しなければならないという問題があった。特に、カレーのように、香辛料の香味が強いルウについては、燻煙よって添加された香味が相対的に失われ、十分な燻煙処理の効果が得られない可能性があった。さらに、ルウ食品の場合、液状の食品ではあるものの、小麦粉等の澱粉を含有するため、煮込むと粘性を有するとろみが生じ、前記後者の先行技術の燻煙香成分を有する微小気泡がルウ全体に行き渡らない可能性があった。
なお、燻製食品は、独特の香りを有するため、個々人の嗜好に合わせて燻香の強弱を調整することができれば幅広く受け入れられることが期待できる。しかし、個々人の嗜好に合わせて燻煙処理加工をするためには、燻煙処理の温度、時間等を細かく管理しなければならないという煩わしい作業が必要になる。特に、一時に複数の料理を調製しなければならない飲食店等でこのようなこのような作業が強いられるとすれば、到底その煩に耐えない。
そこで、本発明にかかるルウ食品の製造方法は、ルウに簡易な方法で燻煙処理加工を施すことができ、嗜好に合わせて燻香の強弱を調整できる方法を提供することを目的とする。
本発明は、少なくとも澱粉及び調味料を含み、食用油脂を用いて調製し、任意の具材を加水して煮込むルウ食品の製造方法であって、
常温でペースト状または固形に形成された前記ルウが落下しない程度の目開きを有する網の上に前記ルウ食品の基材となるルウを置き、スモークウッド上にスモークチップを載せた燻煙材により行われる温燻法で燻煙処理を施すことにより、前記ルウを溶融し、前記溶融したルウを前記網目から滴下する途上で燻煙に晒し、前記滴下するルウのサイズで順次薫香を添加したルウを前記網の下方に対向配置されたトレイで受け取り、前記トレイ上で生成されたルウと任意の具材とを加水して煮込むことを最も主要な特徴とする。
この方法によれば、ルウが、燃焼する燻煙材の熱により、除々に溶融して滴下する途上で燻煙に晒されるため、前記滴下するルウのサイズで順次燻香を添加することができる。
また、前記温燻法の燻煙処理をスモークウッド上にスモークチップを載せた燻煙材により行うこと、すなわち、スモークウッドとスモークチップを混成させることにより、加熱の時間と温度と燻煙量との関係を適度に調整することが可能になる。
前記ルウが液状の場合、滴下する量を調整することが可能なドリップチャンバに注入し、このドリップチャンバを燻煙処理室内に吊下し、滴下するルウを前記トレイで受け取って生成すればよい。
前記燻煙処理を施す場合は、ルウ本来の風味を加熱によって消失させないために、雰囲気温度が40度〜50度に維持された燻煙処理室内で7時間から8時間、ルウを燻煙に接触させるとよい。
前記燻煙処理によって加工されたルウを使用して調理されたルウ食品に、さらに、燻香の強弱を調整するために、燻香処理された液体の調味料をルウ食品に添加すればよい。
前記液体の調味料の燻煙処理は、一様に所定の水位になる平皿に移し、燻煙処理室内で加熱式の燻煙処理を施せばよい。このような状態で燻煙処理を施すことにより、液体の調味料でも満遍なく燻香を付加することができる。また、液体の調味料の使用量は、ルウに比べて、比較的少量であるため、このような加工方法でも十分な量を得ることができる。
前記液体の調味料の燻煙処理は、雰囲気温度が40度から50度に維持された燻煙処理室内で行うとよい。前記液体の調味料の燻煙処理時間は、処理量によって異なるが、前記ルウの燻煙処理時間と略同一の時間になるように、量を調整すれば、1回の燻煙処理でルウと液体の調味料とを同時に加工できるので、作業効率がよい。なお、前記液体調味料に食用油を使用してもよい。
前記任意の具材も、加水して前記ルウと煮込む前に、予め燻煙処理すればより好ましい。具材も燻煙処理加工を施すことで、ルウ食品全体にむらなく燻香を添加することができる。
前記加水に代えて、予め燻煙処理した鶏ガラのスープを用いてもよい。ルウ系食品のベースとなる加水に代えて使用する鶏ガラのスープにも燻煙処理を施すことでより深い味わいの燻香を料理全体に添加することができる。
本発明にかかるルウ食品の製造方法は、液状の食品を特別な装置を用いずに、簡易に燻煙処理加工を施すことができるので、ルウ食品に新たな食味のバリエーションを幅広く付与するという効果を奏する。
また、個々人の嗜好に合わせて燻香の強弱を調整することができるので、普及を促進することが期待できるという効果を奏する。
ウ食品は、少なくとも原料として小麦粉等の澱粉及び調味料を含み、食用油脂を用いて調製されたルウと任意の具材とを加水して煮込むものであり、前記澱粉が、加熱によってアルファ化され、独特のとろみが出るという特徴がある。代表的な例としては、カレー、シチュー、ハヤシなどがある。
前記任意の具材は、必須のものはなく、嗜好に応じてあらゆる食材が選択されうるが、最も一般的な具材としては、鶏肉、豚肉、牛肉等の肉類と、ジャガイモ、玉葱、人参などの根菜類が挙げられる。なお、上記ルウに含まれる調味料は、料理の種類によって様々であるが、例えば、カレーの場合は、コリアンダー、クミンシード、クローブ、ブラックペッパー、マスタードシード、カルダモン等をミル等で挽いて粉砕させた粉末の香辛料などが使用される。以下、カレーを例として、本発明に係るルウ食品の製造方法を説明する。シチュー、ハヤシなどの他のルウ食品も下記製造方法に準じてつくればよい。
<ルウの製造方法>
カレールウの形態は、主に、液体状、ペースト状、固形(フレーク状ものを含む)の形態があるが、本発明においては、いずれの形態でも利用できる。なお、パウダー状のもの、すなわち、いわゆるカレー粉の場合は、バター等の油脂とともに原料として小麦粉等の澱粉を入れて焦がさないように加熱焙焼した後、上記カレー粉を加えてルウを形成してから、下記工程で燻煙処理すればよい。
前記ペースト状及び固形のカレールウを常温状態で落下しない程度の目開きを有する網上に載置する。載置するカレールウの大きさは特に限定しないので、網目のメッシュ値は、載置するカレールウの大きさに応じて適宜選択すればよい。ただし、極端に大きい塊とすると、溶融する時間が長時間になるので、後述する実施例の時間を考慮し適度な大きさにするのが好ましい。具体的には、例えば、縦2cm、横6cm、高さ3cmのブロック状の塊が好ましい。
なお、ペースト状の場合は、常温状態で、前記網目から滴下しない程度の粘性が必要であり、この粘性が得られないものの場合は、後述する液体状のカレールウと同様の方法によって燻煙処理を行えばよい。
前記網に載置されたカレールウを公知の燻煙処理室(スモーカー)内に収納し、燻煙材を加熱燃焼させて燻煙処理を行う。一般に、燻煙処理の方法として加工温度により、熱燻、温燻、冷燻の3種類があるが、本発明は、カレールウを加熱により溶融させることを特徴とするものであるため、少なくとも加熱式の燻煙処理、すなわち、熱燻、温燻のいずれかの方法により行う。ただし、温度が高すぎると、カレールウの油脂成分が揮発し、粉っぽい食感になってしまうため、本発明では、温燻法による燻煙処理が好適である。
前記の網上のカレールウは、燻煙処理を施した燻煙処理室内の温度の上昇にともない溶融し、網目から除々に滴下する。網の下方には、トレイを対向配置し、前記滴下するカレールウを受け取る。燻煙処理室内は、燻煙処理で使用する燻煙材を燃焼させて生じる燻煙が充満しているため、前記滴下するカレールウは、前記トレイに落下するまでの途上で燻煙に晒され、滴下するルウのサイズで順次燻香を付加することができる。したがって、滴下サイズに細分化されたカレールウのすべてに燻煙成分が付着しているため、前記トレイ上に滞留したカレールウは、むらなく一様に燻香が付加されていることになる。
液体状のカレールウの場合、公知のドリップチャンバに注入し、これを燻煙処理室内に吊下して滴下させ、下方のトレイを受け取るようにすればよい。なお、滴下量、落下速度等は、ドリップチャンバに導入管を連接し、この導入管の内径を狭窄させる公知のローラークランプなどにより、開閉制御すればよい。
なお、前記カレー粉については、たとえば、前記カレー粉自体を平坦なトレイ上で略単層状に敷き詰めて燻煙処理をしてからカレールウを調製する方法もあるが、前記ペースト状及び固形のカレールウに比べて燻香の定着が悪く、さらには、カレールウの調理途上で加熱などにより燻香が消失するため、食するときには、燻煙効果が薄れ、全体としてはほとんど通常のカレーと同じ食味になる。したがって、前記したように、パウダー状の場合は、他の形態に成形してから燻煙処理を施すことが好ましい。
<液体調味料の製造方法>
一般に、燻製食品は、独特の香りと食味があるが、食品に対する燻香の度合いの強弱の嗜好は個々人によって異なってくる。前記カレールウの燻煙処理時間等により、燻香の度合いを調整することも可能であるが、温度、時間の煩雑な管理が必要となる。そこで、カレールウに対しては、上記の燻煙処理加工を施してベースとなる燻香を添加した上で、上記微妙な燻香の強弱については、燻香を付加する調味料によって調整することとした。これにより、微妙な燻香の強弱の度合いを簡易に調整することが可能になり、多様な嗜好にきめ細かく対応できるようになる。
この調味料は、調理済みのカレーに添加することにより燻香を調整するのが最も簡易である。したがって、添加すると同時に速やかにカレー全体に満遍なく燻香が添加されることが必要となるため、液体状の調味料が好ましい。たとえば、食用油をベースとしたものが好適である。特に、自体に強い風味のないもの、たとえば、オリーブオイルを使用するとよい。ただし、これに限定する趣旨ではない。従って、サラダオイル、胡麻油などを使用してもよく、さらには、燻香以外にも独特に風味を添加することが良い場合は、醤油やソースなどを用いてもよい。
前記液体の調味料は、一様に所定の水位になる平皿、バット等の容器に移し、これを燻煙処理室内で加熱式の燻煙処理を施せばよい。すなわち、水位を一定の高さにし、かつ、なるべく低水位で維持できる容器が好ましい。このような状態で燻煙処理を施すことにより、調味料全体に燻香を付加することができるからである。なお、前記カレールウもこのような方法で燻煙処理することができるが、一回の燻煙処理で処理可能な量は僅かな量であり、たとえば、飲食店のように大量のカレールウに燻煙処理を施すには、何度も燻煙処理を行うか、あるいは広いスペースの燻煙室が必要になるため、効率性に乏しい。一方、液体の調味料の使用量は、ルウに比べて少量であるため、上記のような加工方法でも十分な量を得ることができる。以上より、同じ液体状の食品に燻煙処理を施すものであっても、生成量との関係から、適宜処理方法をアレンジすることで全体として効果的な燻煙処理を行うことができる。
なお、前記液体の調味料の燻煙処理時間は、処理量によって異なるが、前記ルウの燻煙処理時間と略同一の時間になるように量を調整すれば、1回の燻煙処理でルウと液体の調味料とを同時に加工できるので、作業効率がよい。また、温度も上記量の調整により、ルウと同じ温度で処理することが可能になる。
なお、前記カレールウおよび液体の調味料に施す加熱式の燻煙処理は、いずれも燻煙材として、サクラ、ナラ、ブナ、ハンノキ、シナノキ、カシワ、ヒッコリーなどが適用可能であるが、サクラは最も燻煙効果がつきやすいのでサクラを選択することが望ましい。また、本発明の燻煙処理加工は、後述する実施例でも説明するとおり、通常の個体の食材の燻煙処理よりも、やや低温でかつ短い時間での処理が好ましい。したがって、温度を上げないようにするためには、スモークウッドが好ましく、一方、短時間で燻煙を発生させて燻香を添加するには、スモークチップが好ましい。そこで、本発明では、両者の効能を効果的に発揮させるために、スモークウッドとスモークチップを混成させることとした。このとき、スモークウッドの上にスモークチップを載せることにより、カレールウをスモークチップから発生する多めの燻煙に直接晒すことができるので効率がよい。
<具材の製造方法>
一般のカレー料理同様、本発明にかかる製造方法で製造されるカレーも、カレールウと煮込む具材は特定のものに限定されることはない。ただし、ルウ食品全体にむらなく燻香を添加するために、具材も予め燻煙処理を施すことが望ましい。各具材の燻煙処理は、固形の食材を燻煙処理する公知の燻煙処理でよい。
以下、具材としてカレーと比較的相性の良い鶏肉(もも肉)の燻煙処理について説明する。ただし、鶏肉は例示であってこれに限定する趣旨ではない。したがって、他の肉、たとえば豚肉や牛肉でもよく、さらに、野菜類なども燻煙処理してよい。
まず、燻煙処理の前処理として、塩蔵法による脱水処理を行う。燻煙処理によってフェノール化合物やアルデヒドが燻煙処理中の食品に反応して樹脂膜を形成し、外部からの雑菌の侵入を防ぐという効果を奏するが、予め食品内部に存在する水分を抜いてから燻煙処理を施すことにより、食品の内部外部ともに雑菌の繁殖を防ぐ効果が期待できる。そのため、まず、燻煙処理を施す前に、塩をすり込むことで浸透圧を利用して食品から余分な水分を抜く作業を行うことが好ましい。鶏肉の場合は、塩に漬けこむ時間は、3日から4日くらいが良い。なお、塩に漬けこむ際に、カレーの味に馴染むように、嗜好により、適宜複数のスパイス等を配合してもよい。次に、乾燥器等を利用して余分な水分を飛ばし、かつ、燻煙ののりをよくするために乾燥させる。最後に燻煙処理を施すが、あくまでカレーの具材として処理をするので、時間や温度も通常の保存食としての燻製と異なり、若干短時間、低温で処理することが好ましい。また、燻煙材も淡白な鶏肉に相性のよいものを適宜選択するとよい。
<カレーの製造方法>
前記燻煙処理を施したカレールウと前記鶏肉等任意の具材の燻製とを加水して煮込むことで製造するが、前記加水に代えて、予め燻煙処理した鶏ガラのスープを用いてもよい。ルウ系食品のベースとなる加水に代えて使用する鶏ガラのスープにも燻煙処理を施すことでより深い味わいの燻香を料理全体に付加することができるからである。なお、必ずしも長時間煮込まなくてもよいが、燻製の風味を引き出すために、一定時間以上煮込むことが好ましい。ただし、たとえば、具材に上記鶏肉が入っている場合、鶏肉から独特の油を引き出すと同時に、燻煙処理の効果を消失させないために、2時間ほど煮込むことが望ましい。最後に、燻香の強弱を調整するために、前記液体調味料を個人の嗜好に合わせて所定量かければよい。
<応用例>
やや硬めに炊飯した白米に前記カレールウを入れて炒めることにより、燻製風味のドライカレーをつくることもできる。この場合も、燻香の強弱を調整するために、前記調味料を加えてもよい。また、前記製造方法によって製造されたカレーを加熱殺菌した後、レトルトパックに充填してもよい。ただし、上記加熱殺菌で燻香効果が若干低減する可能性があるため、前記液体調味料の量をやや多めに入れて風味を調整すればよい。
なお、前記液体調味料は、ルウ食品以外の食材、たとえば、サラダなどのドレッシングとして使用してもよい。
以下、固形のカレールウを例として燻煙処理加工の時間と温度について、実施例を示す。
燻煙材は、サクラのスモークウッドの上にスモークチップを撒布して燻煙室内の温度を調整した。網上に載置するカレールウは、1000gとした。燻煙処理は、固形の食材の燻製をつくるときの温燻における標準的な時間と温度(一般に、30℃から60℃、6時間から9時間程度)を目安として温度、時間を変えて行った。
燻煙室内の温度を40℃未満で維持すると、7時間、8時間、9時間燻煙処理を行ってもカレールウの一部が溶融せず、固体状態のまま残存していた。次に、40℃以上50℃以下の間、7時間、8時間、9時間燻煙処理を行った結果、いずれの時間でもカレールウが溶融し、燻香が概ね一様に定着していた。ただし、9時間の場合、油脂が若干揮発し、カレールウが粉っぽくなった。最後に、50℃超で7時間、8時間、9時間燻煙処理を行った結果、いずれもカレールウは完全に溶融したが、全体的に油脂が揮発し、粉っぽさを強く感じた。以上より、カレールウの燻煙処理は、温度を40℃から50℃、燻煙処理時間を7時間から8時間とするのが最も効果的であることがわかった。
次に、オリーブオイルを例として、液体調味料の燻煙処理加工の時間と温度について、実施例を示す。
燻煙材は、上記同様、サクラのスモークウッドの上にスモークチップを撒布して燻煙室内の温度を調整した。1.2リットルのオリーブオイルが高さ3cm程度になる調理用バットに入れて、燻煙室内の平坦な場所に置いた。燻煙室内の温度を30℃で維持した場合、10時間程度で全体に燻香が添加された。次に、燻煙室内の温度を40℃で維持した場合、8時間程度で上記同様全体に燻香が添加された。
次に、同じ調理用バットに2リットルのオリーブオイルを入れ、燻煙室内の温度を30℃で維持した場合、12時間程度で全体に燻香が添加された。次に、燻煙室内の温度を40℃で維持した場合、16時間程度で上記同様全体に燻香が添加された。
なお、燻煙室内の温度が30℃未満になると、十分な燻煙効果が期待できず、一方、50℃を超えると、油が酸化して風味が落ちた。これは、油の酸化速度が加速し、誘導期間の時間が短縮され、短時間で対数的に酸素の吸収が促進されたためである。
以上実施例1および実施例2から、燻煙室内を40℃から50℃に維持し、8時間前後燻煙処理を行えば、固形のカレールウ1000gとオリーブオイル1.2リットルを同時に好適な燻香を付加することが可能になることがわかった。

Claims (9)

  1. 少なくとも原料として澱粉及び調味料を含み、食用油脂を用いて調製し、任意の具材を加水して煮込むルウ食品の製造方法であって、
    常温でペースト状または固形に形成された前記ルウ食品の基材となるルウが落下しない程度の目開きを有する網の上に前記ルウを置き、スモークウッド上にスモークチップを載せた燻煙材により行われる温燻法で燻煙処理を施すことにより、前記ルウを溶融し、前記溶融したルウを前記網目から滴下する途上で燻煙に晒し、前記滴下するルウのサイズで順次薫香を添加したルウを前記網の下方に対向配置されたトレイで受け取り、前記トレイ上で生成されたルウと任意の具材とを加水して煮込むことを特徴とするルウ食品の製造方法。
  2. 少なくとも原料として澱粉及び調味料を含み、食用油脂を用いて調製し、任意の具材を加水して煮込むルウ食品の製造方法であって、
    前記ルウ食品の基材となる液状のルウを、滴下する量を調整することが可能なドリップチャンバに注入し、このドリップチャンバを燻煙処理室内に吊下し、スモークウッド上にスモークチップを載せた燻煙材により行われる温燻法で燻煙処理を施すことにより、前記ドリップチャンバから滴下するルウを前記ドリップチャンバの下方に対向配置されたトレイで受け取り、前記トレイ上で生成されたルウと任意の具材とを加水して煮込むことを特徴とするルウ食品の製造方法。
  3. 前記燻煙処理は、雰囲気温度が40度〜50度に維持された燻煙処理室内で7時間から8時間燻煙を接触させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のルウ食品の製造方法。
  4. 液体の調味料を燻煙処理し、これを前記任意の具材を加水して煮込んだ調理後のルウ食品に添加することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のルウ食品の製造方法。
  5. 前記液体の調味料の燻煙処理は、一様に所定の水位になる平皿に移し、これを燻煙処理室内で温燻法の燻煙処理を施すことを特徴とする請求項4記載のルウ食品の製造方法。
  6. 前記液体の調味料の燻煙処理は、雰囲気温度が40度から50度に維持された燻煙処理室内で行われることを特徴とする請求項5記載のルウ食品の製造方法。
  7. 前記液体調味料に食用油を使用することを特徴とする請求項4から請求項6までのいずれか1項に記載のルウ食品の製造方法。
  8. 前記任意の具材は、加水して前記ルウと煮込む前に、予め燻煙処理することを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載のルウ食品の製造方法。
  9. 前記加水に代えて、予め燻煙処理した鶏ガラのスープを用いることを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載のルウ食品の製造方法。
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