JP5874679B2 - 燃料電池 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池に関する。
燃料電池は、電解質膜の両膜面にアノード、カソードの電極触媒層を接合した膜電極接合体(Membrane Electrode Assembly/MEA)を備え、アノードに燃料ガスの供給を受け、カソードに酸化ガスの供給を受けて発電する。MEAは、通常、上記したガスの拡散透過を図るガス拡散層で挟持されたMEGA(Membrane-Electrode&Gas. Diffusion Layer Assembly)の状態で発電体を構成する。このMEGAは、その周縁がシール部で被覆された上で、アノード側とカソード側のセパレーターにて挟持される。そして、カソードガスである酸化ガスのマニホールドからガス拡散層へのガス供給の円滑とガス流によるシール部の持ち出し防止とを図るべく、ガス導入部において、遮蔽材たるシーリングプレートを配設する手法が提案されている(例えば、特許文献1)。
特開2012−123949号公報
ところで、MEAでは、酸素と水素の電気化学反応が起きることから、この電気化学反応が定常的に進行することが望ましい。仮に、酸素不足が起きたまま電気化学反応が進行すると、水素過多の状況下での電気化学反応により、過酸化水素、およびこれから変遷したヒドロキシルラジカルがカソード側で生成される。ヒドロキシルラジカルは、活性を有する故に電解質膜の損傷を招き、いわゆる膜痩せと呼ばれる現象を引き起こす。通常、MEAの中央領域である発電領域では、ガスが拡散供給されるので、こうした酸素不足はさほど起きない。しかしながら、カソードのガス導入部では、シーリングプレートの配設によりMEAの外縁側での酸素不足が危惧されるが、上記の特許文献1では、こうした点についての配慮に欠けているので、何らかの対処が要請されるに到った。この他、燃料電池の構造の簡略化や、低コスト化なども要請されている。
上記した課題の少なくとも一部を達成するために、本発明は、以下の形態として実施することができる。
(1)本発明の一形態によれば、燃料電池が提供される。この燃料電池は、アノードとカソードの電極触媒層を電解質膜の両膜面に接合した膜電極接合体と、該膜電極接合体の両面に配置された一対のガス拡散層とを有する電極体と、該電極体の周縁を、前記ガス拡散層の周縁端から前記電極体の周縁の側に延びる前記電極触媒層の周縁領域を含んで被覆するシール部と、該シール部で被覆された前記電極体を挟持する一対のセパレーターと、前記ガス拡散層と前記セパレーターとの間に配設され、前記ガス拡散層の表面に沿ったガス供給をなすガス流路を形成する流路形成部と、前記電極体の外側に形成され前記電極触媒層へのガス導入を図る導入孔と前記流路形成部との間に亘るガス導入流路に配設され、該ガス導入流路の経路において、前記シール部と前記ガス拡散層とを被覆するシーリングプレートとを備える。このシーリングプレートは、少なくとも前記カソードの前記電極触媒層へのガス導入を図る前記導入孔と前記流路形成部との間に亘る前記ガス導入流路に配設され、前記ガス拡散層を被覆する被覆領域に、前記ガス導入流路から前記被覆領域の前記ガス拡散層へのガス透過を来すガス透過部を有する。上記形態の燃料電池では、ガス導入の側のシーリングプレートで被覆されたカソードの側のガス拡散層の被覆領域において、ガス導入流路からガス透過部を経てカソード側のガス拡散層にカソードガスを供給する。よって、上記形態の燃料電池によれば、電極体を構成する膜電極接合体のガス導入の側のシーリングプレート被覆領域においても、ガス不足、具体的には酸素不足を抑制するので、酸素不足に伴う膜痩せを回避もしくは抑制できる。この場合、シーリングプレートは、アノードの側にも配設してもよい。こうすれば、アノードの側でのシーリングプレート被覆領域において、アノードガス、具体的には酸化ガスが供給されて電気化学反応が進行し、その際には、水素過多での反応とはならず、膜痩せを抑制できる。
(2)上記形態の燃料電池において、前記電極体の外側に形成され前記電極触媒層に供給されたガスのガス排出を図る排出孔と前記流路形成部との間に亘るガス排出流路に配設され、該ガス排出流路の経路において、前記シール部と前記ガス拡散層とを被覆する排出側シーリングプレートを備え、該排出側シーリングプレートは、少なくとも前記カソードの前記電極触媒層からのガス排出を図る前記排出孔と前記流路形成部との間に亘る前記ガス排出流路に配設され、前記ガス拡散層を被覆する被覆領域に、該被覆された前記ガス拡散層から前記ガス排出流路へのガス透過を来す排出側ガス透過部を有するようにできる。こうすれば、ガス排出の側のシーリングプレートで被覆されたカソードの側のガス拡散層の被覆領域において、この被覆領域のカソードのガス拡散層から排出側ガス透過部を経たガス排出流路へのガスの流れを起こす。よって、上記形態の燃料電池によれば、電極体を構成する膜電極接合体のガス排出の側のシーリングプレート被覆領域においても、ガスの到達不足、具体的には酸素の到達不足を抑制するので、酸素不足に伴う膜痩せをガス排出の側でも回避もしくは抑制できる。
(3)上記のいずれか形態の燃料電池において、前記ガス透過部を、前記ガス導入流路におけるガスの流れと交差する方向に沿って点在形成された貫通孔とできる。こうすれば、貫通孔の穿孔で済むので簡便となり、燃料電池の構造の簡略化や、これを通した低コスト化を図ることができる。
(4)上記形態の燃料電池において、前記ガス透過部としての前記貫通孔は、前記ガスの流れと交差する方向に沿って多列に形成されているようにできる。こうすれば、シーリングプレート被覆領域におけるガス供給が高まるので、当該被覆領域のほぼ全域に亘るガス供給が可能となり、酸素不足に伴う膜痩せの回避もしくは抑制の実効性が高まる。
(5)上記形態の燃料電池において、前記ガス透過部としての前記貫通孔は、前記ガス導入流路におけるガスの流れ方向に沿った長径形状とされているようにできる。こうしても、シーリングプレート被覆領域におけるガス供給が高まるので、当該被覆領域のほぼ全域に亘るガス供給が可能となり、酸素不足に伴う膜痩せの回避もしくは抑制の実効性が高まる。
(6)上記形態の燃料電池において、前記ガス透過部は、前記ガス導入流路におけるガスの流れに沿った切欠を該ガスの流れと交差する方向に沿って点在させて形成されているようにできる。こうすれば、切欠の点在形成で済むので簡便となり、燃料電池の構造の簡略化や、これを通した低コスト化を図ることができる。また、シーリングプレート被覆領域におけるガス供給が高まるので、当該被覆領域のほぼ全域に亘るガス供給が可能となり、酸素不足に伴う膜痩せの回避もしくは抑制の実効性が高まる。
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、シール部で周縁が被覆された上でシーリングプレートを有する電極体としての形態や、スタック構造の燃料電池としての形態、燃料電池を搭載した車両等の形態として適用することもできる。
本発明の実施形態としての燃料電池10の概略構成を示す説明図である。 単セル40の概略構成を平面視して示す説明図である。 図2における3−3線断面図である。 図3におけるA方向からのイン側シーリングプレート60の周辺を示す説明図である。 図2における5−5線断面図である。 他の実施形態としての単セル40Aの概略構成を平面視して示す説明図である。 図6における7−7線断面図である。 図6における8−8線断面図である。 他の実施形態のイン側シーリングプレート60Aを図4相当に示した説明図である。 また別の実施形態のイン側シーリングプレート60Bを図4相当に示した説明図である。 他の実施形態のイン側シーリングプレート60Cを図4相当に示した説明図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づき説明する。図1は本発明の実施形態としての燃料電池10の概略構成を示す説明図、図2は単セル40の概略構成を平面視して示す説明図、図3は図2における3−3線断面図、図4は図3におけるA方向からのイン側シーリングプレート60の周辺を示す説明図、図5は図2における5−5線断面図である。
燃料電池10は、水素と酸素との電気化学反応によって発電する単セル40を、図1に示すように、複数積層させて一対のエンドプレート10aで挟持したスタック構造とされている。この単セル40のスタック構造を燃料電池スタック40Sと称する。燃料電池10は、燃料電池スタック40Sを対向する一対のエンドプレート10aで挟持するに当たり、エンドプレート10aの側にそれぞれ絶縁板20aと前端側ターミナルプレート31と後端側ターミナルプレート32とを介在させる。燃料電池10は、前端側のエンドプレート10aと絶縁板20aおよび前端側ターミナルプレート31に、空気供給口12IN、空気排気口12OUT、水素供給口14IN、水素排気口14OUT、冷却水供給口16INおよび冷却水排出口16OUTを有する。
エンドプレート10aは、剛性を確保するため、鋼等の金属によって形成されている。絶縁板20aは、ゴムや、樹脂等の絶縁性部材によって形成されている。前端側ターミナルプレート31と後端側ターミナルプレート32は、緻密質カーボンや、銅板などのガス不透過な導電性部材によって形成されている。
燃料電池10は、対向する一対のエンドプレート10aの間における燃料電池スタック40Sの側方に締結シャフト100を配置して備える。締結シャフト100は、ボルト102によりエンドプレート10aに当接して固定されることで、上記した燃料電池スタック40Sを対向する一対のエンドプレート10aの間において締結する。なお、燃料電池スタック40Sにおける単セル40の積層数は、燃料電池10に要求される出力に応じて任意に設定可能である。
燃料電池スタック40Sを構成するそれぞれの単セル40は、図3〜図5に示すように、電解質膜41とアノード42とカソード43とアノード側ガス拡散層44とカソード側ガス拡散層45とセパレーター46とセパレーター47と流路形成部48とを備える。電解質膜41は、固体高分子電解質樹脂、例えばフッ素系樹脂を用いて後述のように形成されてプロトン伝導性を備え、湿潤状態で良好な電気伝導性を示す。アノード42およびカソード43は、例えば白金、あるいは白金合金等の触媒を担持した導電性粒子、例えばカーボン粒子を、プロトン伝導性を有するアイオノマーで被覆して形成された電極触媒層である。通常、アイオノマーは、電解質膜41と同質の固体高分子材料である高分子電解質樹脂(例えばフッ素系樹脂)であり、その有するイオン交換基によりプロトン伝導性を有する。電解質膜41は、その両膜面に接合されたアノード42とカソード43と共に膜電極接合体(MEA)を構成する。MEAは、ガスの拡散透過性を有するアノード側ガス拡散層44とカソード側ガス拡散層45とで挟持され、MEGAを形成する。単セル40は、このMEGAを枠状のシール部50で保持した上で、当該シール部と共にMEGAをセパレーター46とセパレーター47で挟持する。シール部50は、MEGAにおけるカソード側ガス拡散層45の周縁端からMEAの周縁の側に延びるカソード43の周縁領域を含んで、MEGAの周縁を被覆し、アノード側ガス拡散層44については、その周縁領域を被覆する。このシール部50は、流動性を有する流動性シール材(例えば、液状ゴム)を硬化することによって形成される。流動性シール材としては、熱硬化前には常に流動性を有する熱硬化性のシール材や、加熱時に粘度が低下して流動性を発現する熱可塑性の半硬化状態のシール材が用いられる。この他、シール部50は、熱硬化性の樹脂から形成してもよい。
単セル40は、図3と図5に示すように、一対のセパレーター46とセパレーター47と備え、セパレーター46は、アノード42に供給すべき燃料ガスとしての水素の流路46aと図示しない冷却水流路とを備える。セパレーター47は、セパレーター46と対となって、MEGAをシール部50と共に挟持し、流路形成部48を被覆する。流路形成部48は、多孔体からなり、カソード側ガス拡散層45とセパレーター47との間に配設される。この流路形成部48は、カソード43に供給すべき酸化剤ガスとしての空気を流すためのガス流路を形成し、カソード側ガス拡散層45の表面に沿って空気を供給する。流路形成部48を形成する多孔体は、導電性を有する多孔体、例えばエキスパンドメタルや発泡金属焼結体等とできる。
単セル40は、図2に示すように、セパレーター46とセパレーター47およびシール部50に、イン側空気マニホールド401とアウト側空気マニホールド402とイン側水素マニホールド403とアウト側水素マニホールド404とイン側冷却水マニホールド405およびアウト側冷却水マニホールド406を備える。これら各マニホールドは、MEGAの外側に形成され、イン側の上記各マニホールドは、それぞれエンドプレート10aの空気供給口12IN等のイン側供給口に繋がる。アウト側の各マニホールドは、それぞれエンドプレート10aの空気排気口12OUT等のアウト側排気口に繋がる。そして、単セル40は、エンドプレート10aの空気供給口12INを経てイン側空気マニホールド401から流れ込んだ空気を、図3に示すように、セパレーター47で覆われた流路形成部48に導き、流路形成部48は、カソード側ガス拡散層45にその表面に沿って空気を導き、MEA中央領域の発電領域に亘って、MEGAのカソード43に空気を供給する。また、単セル40は、エンドプレート10aのイン側水素マニホールド403から流れ込んだ水素ガスを、セパレーター46の流路46aに導き、MEA中央領域の発電領域に亘って、MEGAのアノード42に供給する。こうしたガス供給により、単セル40は発電する。
また、単セル40は、余剰の空気(オフガス)を、MEA中央領域の発電領域からアウト側空気マニホールド402に導き、エンドプレート10aの空気排気口12OUTからセル外に排出する。単セル40は、余剰の水素ガスを、MEA中央領域の発電領域からアウト側水素マニホールド404に導き、エンドプレート10aの水素排気口14OUTからセル外に排出する。冷却水については、単セル40は、エンドプレート10aの冷却水供給口16INから流れ込んだ冷却水を、セパレーター46の図示しない冷却水流路に導き、その冷却水をアウト側冷却水マニホールド406とエンドプレート10aの冷却水排出口16OUTを経てセル外に導く。セル外に導かれた冷却水は、循環して、再度、単セル40に導かれる。なお、単セル40は、上記したイン側空気マニホールド401等の各マニホールドを、必要に応じてシール材51にてシールする。
この他、単セル40は、図2〜図5に示すように、イン側空気マニホールド401の側にイン側シーリングプレート60を、アウト側空気マニホールド402の側にアウト側シーリングプレート70を備える。イン側シーリングプレート60は、図2に示すように、隣り合うイン側空気マニホールド401に跨がって位置し、カソード43(図3参照)に供給される空気のイン側空気マニホールド401と流路形成部48との間に亘るガス導入流路48inに配設される。そして、このイン側シーリングプレート60は、ガス導入流路48inの経路において、シール部50とカソード側ガス拡散層45の外周縁とを含んで被覆し、カソード側ガス拡散層45の被覆領域Cinの側に、複数の貫通孔61を有する。貫通孔61は、図4に示すように、イン側シーリングプレート60の長手方向に沿って点在形成され、ガス導入流路48inを通過する空気を、イン側シーリングプレート60で被覆された被覆領域Cinのカソード側ガス拡散層45に供給する。
アウト側シーリングプレート70は、図2に示すように、隣り合うアウト側空気マニホールド402に跨がって位置し、カソード43からのオフガス(余剰空気)と水とが排出されるアウト側空気マニホールド402に到るガス排出流路48outに配設される。そして、このアウト側シーリングプレート70は、ガス排出流路48outの経路において、シール部50とカソード側ガス拡散層45の外周縁とを含んで被覆し、このカソード側ガス拡散層45の被覆領域Coutに、イン側シーリングプレート60と同様、複数の貫通孔71をプレート長手方向に沿って有する。この貫通孔71は、アウト側シーリングプレート70で被覆された被覆領域Coutのカソード側ガス拡散層45にて生成される生成水やオフガスをガス排出流路48outに送り出す。イン側シーリングプレート60とアウト側シーリングプレート70は、例えば、チタンプレート製とされ、セパレーター47からガス導入流路48inの側に延びた図示しないブリッジと固定されたり、シール部50に接合設置される。或いは、図3や図5に示すイン側シーリングプレート60とアウト側シーリングプレート70とを、流路形成部48の端面まで延ばし、流路形成部48と溶接等により一体としてもよい。なお、イン側シーリングプレート60とアウト側シーリングプレート70とは、シール部50が流動性シール材から形成されていれば、この流動性シール材の発電領域への流入やアウト側空気マニホールド402への流出を防止する。
以上説明した本実施形態の単セル40によれば、次の利点がある。
MEA中央領域の発電領域では、MEAのアノード42には水素ガスが、カソード43には空気が過不足なく供給されるので、下記の数式(1)で示される電気化学反応が円滑に進行する。
Figure 0005874679
仮に、アノード42とカソード43とへのガス供給が水素過多或いは空気不足の状況でなされると、上記の数式(1)の進行は阻害され、下記の数式(2)〜(4)が進行する。
Figure 0005874679
上記の反応式により発生した過酸化水素は、容易に分解してヒドロキシルラジカル(OHラジカル)に変遷し、このOHラジカルは、MEAの電解質膜41を構成する樹脂破壊を招いて、電解質膜41の劣化(いわゆる膜痩せ)が発生する。図3に示す被覆領域Cinでは、イン側シーリングプレート60が貫通孔61を備えないものであれば、カソード43は、イン側シーリングプレート60で空気供給が妨げられて空気不足となり、アノード42は、流路46aからの水素がアノード側ガス拡散層44にて支障なく拡散供給される。よって、貫通孔61を備えないイン側シーリングプレート60は、被覆領域Cinにおいてガス供給が水素過多或いは空気不測の状況の上記の数式(2)〜(4)を進行させ、電解質膜41の膜痩せを起こし得る。
これに対し、本実施形態の燃料電池10では、被覆領域Cinにあっても、当該領域のカソード側ガス拡散層45、延いてはカソード43に、イン側シーリングプレート60の複数の貫通孔61から空気を供給して、水素過多或いは空気不足を抑制する。よって、本実施形態の燃料電池10によれば、上記の数式(2)〜(4)が進行しないようにして、OHラジカルによる電解質膜41の膜痩せを回避もしくは抑制する。
本実施形態の燃料電池10は、図5に示すように、カソード43に供給された余剰空気であるオフガス排出のためのアウト側空気マニホールド402に到るガス排出流路48outにアウト側シーリングプレート70を配設して、当該プレートにてカソード側ガス拡散層45の外周縁とシール部50とを被覆する。その上で、カソード側ガス拡散層45の被覆領域Coutに、図4で示したような複数の貫通孔71を有する。よって、本実施形態の燃料電池10では、オフガス排出の側のカソード側ガス拡散層45の被覆領域Coutにおいて、カソード側ガス拡散層45から貫通孔71を経たガス排出流路48outへのガスの流れを起こすので、被覆領域Coutでのオフガス溜まりや生成水溜まりを起こさない。この結果、本実施形態の燃料電池10によれば、オフガス排出の側の被覆領域Coutにおいても、空気の到達不足を抑制するので、酸素不足に伴う膜痩せをオフガス排出の側でも回避もしくは抑制できる。
本実施形態の燃料電池10は、イン側シーリングプレート60とアウト側シーリングプレート70とにおいて、複数の貫通孔61或いは貫通孔71を、該当するガス流路におけるガスの流れと交差する方向に沿って点在形成したに過ぎない。よって、本実施形態の燃料電池10によれば、貫通孔穿孔という簡便な工程を経るに過ぎないので、燃料電池10の構造の簡略化や、これを通した低コスト化を図ることができる。
次に、他の実施形態について説明する。この実施形態は、アノードの側にもイン側シーリングプレート80およびアウト側シーリングプレート90を有する点に特徴がある。図6は他の実施形態としての単セル40Aの概略構成を平面視して示す説明図、図7は図6における7−7線断面図、図8は図6における8−8線断面図である。
図示するように、この実施形態の単セル40Aは、イン側水素マニホールド403の側にイン側シーリングプレート80を、アウト側水素マニホールド404の側にアウト側シーリングプレート90を備える。イン側シーリングプレート80は、図6に示すように、隣り合うイン側水素マニホールド403に跨がって位置し、アノード42(図3参照)に供給される水素ガスのアウト側空気マニホールド402から延びて、シール部50とアノード側ガス拡散層44の外周縁とを含んで被覆する。このイン側シーリングプレート80は、アノード側ガス拡散層44の被覆領域Cinの側に、複数の貫通孔81を有する。貫通孔81は、既述したイン側シーリングプレート60と同様、プレート長手方向に沿って点在形成され、イン側水素マニホールド403から流入した水素ガスを、図7に示すように、イン側シーリングプレート80で被覆された被覆領域Cinのアノード側ガス拡散層44に供給する。
アウト側シーリングプレート90は、図6に示すように、隣り合うアウト側水素マニホールド404に跨がって位置し、アノード42からのオフガス(余剰水素ガス)が排出されるアウト側水素マニホールド404から延びて、シール部50とアノード側ガス拡散層44の外周縁とを含んで被覆する。このアウト側シーリングプレート90は、アノード側ガス拡散層44の被覆領域Coutの側に、複数の貫通孔91を有する。貫通孔91は、既述したイン側シーリングプレート60と同様、プレート長手方向に沿って点在形成され、イン側水素マニホールド403(図7参照)からアウト側水素マニホールド404に向けて流れる水素ガスを、アウト側シーリングプレート90で被覆された被覆領域Coutのアノード側ガス拡散層44に供給する。イン側シーリングプレート80とアウト側シーリングプレート90にあっても、例えば、チタンプレート製とされ、セパレーター46からガス流路側に延びた図示しないブリッジと固定されたり、シール部50に接合設置される。なお、イン側シーリングプレート80とアウト側シーリングプレート90とは、シール部50が流動性シール材から形成されていれば、この流動性シール材の発電領域への流入やアウト側水素マニホールド404への流出を防止する。
以上説明した実施形態の単セル40Aを有する燃料電池10では、イン側シーリングプレート80で覆われた被覆領域Cinと、アウト側シーリングプレート90で覆われた被覆領域Coutとにおいて、上記各被覆領域のアノード42にアノード側ガス拡散層44を経て水素ガスを供給する。よって、この実施形態の単セル40Aを有する燃料電池10によれば、シーリングプレートで覆われた上記の両被覆領域においても、過不足のない水素ガス・空気の供給を図って上記の数式(1)の電気化学反応を進行させ、MEA中央領域である発電領域の外周領域をも発電に有効利用できる。しかも、この際には、水素過多での反応とはしないので、上記の両被覆領域における膜痩せを抑制できる。
本発明は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、或いは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
図1〜図5で説明した実施形態の単セル40を有する燃料電池10では、アウト側空気マニホールド402の側においてもアウト側シーリングプレート70を配設したが、イン側空気マニホールド401に跨がるイン側シーリングプレート60だけを有するようにしたり、このイン側シーリングプレート60だけに貫通孔61を設けてもよい。また、図6〜図8で説明した実施形態の単セル40Aを有する燃料電池10では、イン側水素マニホールド403或いはアウト側水素マニホールド404のいずれかの側に、イン側シーリングプレート80或いはアウト側シーリングプレート90を有するようにしたり、いずれかのシーリングプレートだけに貫通孔を設けてもよい。
この他、次のような実施形態としてもよい。図9は他の実施形態のイン側シーリングプレート60Aを図4相当に示した説明図である。図示するように、イン側シーリングプレート60Aは、貫通孔61を、図における上下方向、即ち図3に示した空気の流れと交差する方向に沿って多列に備える。このイン側シーリングプレート60Aを有する単セル40では、図3に示した被覆領域Cinのカソード側ガス拡散層45への空気供給が高まる。よって、この実施形態のイン側シーリングプレート60Aを有する燃料電池10によれば、被覆領域Cinのほぼ全域に亘る空気供給が可能となり、酸素不足に伴う膜痩せを高い実効性で回避もしくは抑制できる。
図10はまた別の実施形態のイン側シーリングプレート60Bを図4相当に示した説明図である。図示するように、イン側シーリングプレート60Bは、長径形状の貫通孔61Aを複数備える。この貫通孔61Aは、図における左右方向、即ち図3に示した空気の流れに沿った長径形状であり、図3に示した被覆領域Cinのカソード側ガス拡散層45への空気供給を高める。よって、この実施形態のイン側シーリングプレート60Bを有する燃料電池10であっても、被覆領域Cinのほぼ全域に亘る空気供給が可能となり、酸素不足に伴う膜痩せを高い実効性で回避もしくは抑制できる。
図11は他の実施形態のイン側シーリングプレート60Cを図4相当に示した説明図である。図示するように、イン側シーリングプレート60Cは、イン側空気マニホールド401から遠ざかった側の端縁に、図における左右方向、即ち図3に示した空気の流れに沿った切欠61Cを複数備える。この切欠61Cは、図における上下方向、即ち図3に示した空気の流れと交差する方向に沿って点在し、図3に示した被覆領域Cinのカソード側ガス拡散層45への空気供給を高める。よって、この実施形態のイン側シーリングプレート60Cを有する燃料電池10であっても、被覆領域Cinのほぼ全域に亘る空気供給が可能となり、酸素不足に伴う膜痩せを高い実効性で回避もしくは抑制できる。また、切欠61Cの点在形成で済むのでその加工が簡便となるので、燃料電池10の構造の簡略化や、これを通した低コスト化を図ることができる。
10…燃料電池
10a…エンドプレート
12IN…空気供給口
12OUT…空気排気口
14IN…水素供給口
14OUT…水素排気口
16IN…冷却水供給口
16OUT…冷却水排出口
20a…絶縁板
31…前端側ターミナルプレート
32…後端側ターミナルプレート
40、40A…単セル
40S…燃料電池スタック
41…電解質膜
42…アノード
43…カソード
44…アノード側ガス拡散層
45…カソード側ガス拡散層
46…セパレーター
46a…流路
47…セパレーター
48…流路形成部
48in…ガス導入流路
48out…ガス排出流路
50…シール部
51…シール材
60、60A〜60C…イン側シーリングプレート
61、61A…貫通孔
61C…切欠
70…アウト側シーリングプレート
71…貫通孔
80…イン側シーリングプレート
81…貫通孔
90…アウト側シーリングプレート
91…貫通孔
100…締結シャフト
102…ボルト
401…イン側空気マニホールド
402…アウト側空気マニホールド
403…イン側水素マニホールド
404…アウト側水素マニホールド
405…イン側冷却水マニホールド
406…アウト側冷却水マニホールド
Cin…被覆領域
Cout…被覆領域

Claims (6)

  1. 燃料電池であって、
    アノードとカソードの電極触媒層を電解質膜の両膜面に接合した膜電極接合体と、該膜電極接合体の両面に配置された一対のガス拡散層とを有する電極体と、
    該電極体の周縁を、前記ガス拡散層の周縁端から前記電極体の周縁の側に延びる前記電極触媒層の周縁領域を含んで被覆するシール部と、
    該シール部で被覆された前記電極体を挟持する一対のセパレーターと、
    前記ガス拡散層と前記セパレーターとの間に配設され、前記ガス拡散層の表面に沿ったガス供給をなすガス流路を形成する流路形成部と、
    前記電極体の外側に形成され前記電極触媒層へのガス導入を図る導入孔と前記流路形成部との間に亘るガス導入流路に配設され、該ガス導入流路の経路において、前記シール部と前記ガス拡散層とを被覆するシーリングプレートとを備え、
    該シーリングプレートは、
    少なくとも前記カソードの前記電極触媒層へのガス導入を図る前記導入孔と前記流路形成部との間に亘る前記ガス導入流路に配設され、前記ガス拡散層を被覆する被覆領域に、前記ガス導入流路から前記被覆領域の前記ガス拡散層へのガス透過を来すガス透過部を有する
    燃料電池。
  2. 請求項1に記載の燃料電池であって、
    前記電極体の外側に形成され前記電極触媒層に供給されたガスのガス排出を図る排出孔と前記流路形成部との間に亘るガス排出流路に配設され、該ガス排出流路の経路において、前記シール部と前記ガス拡散層とを被覆する排出側シーリングプレートを備え、
    該排出側シーリングプレートは、
    少なくとも前記カソードの前記電極触媒層からのガス排出を図る前記排出孔と前記流路形成部との間に亘る前記ガス排出流路に配設され、前記ガス拡散層を被覆する被覆領域に、該被覆された前記ガス拡散層から前記ガス排出流路へのガス透過を来す排出側ガス透過部を有する
    燃料電池。
  3. 前記ガス透過部は、前記ガス導入流路におけるガスの流れと交差する方向に沿って点在形成された貫通孔である請求項1または請求項2に記載の燃料電池。
  4. 前記ガス透過部としての前記貫通孔は、前記ガスの流れと交差する方向に沿って多列に形成されている請求項3に記載の燃料電池。
  5. 前記ガス透過部としての前記貫通孔は、前記ガス導入流路におけるガスの流れ方向に沿った長径形状とされている請求項3に記載の燃料電池。
  6. 前記ガス透過部は、前記ガス導入流路におけるガスの流れに沿った切欠を該ガスの流れと交差する方向に沿って点在させて形成されている請求項1または請求項2に記載の燃料電池。
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