JP5874372B2 - 金属帯の冷間圧延方法 - Google Patents

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Description

本発明は、タンデム圧延装置におけるチャタリング防止技術に関するものである。
従来から、金属帯を複数の圧延機で連続的に冷間圧延するタンデム圧延装置においては、圧延速度を増加させると圧延機で自励振動が発生する(以下、「チャタリング」と記載する。)。このチャタリングの対策は、メカニズムが理論的に解明されていないため、経験則によるものが主となっている。
チャタリングは、圧延時の中立点(潤滑状態)、圧延張力や圧延速度、ロール粗度などが原因で発生し、主に圧延速度の加速時または高速圧延時に発生する。チャタリングが発生したときは、板厚のハンチングによる歩留低下や圧延速度を下げて操業を行うことによる生産性低下の弊害がある。最悪のケースでは、自励振動による設備破損も考えられる。
チャタリング防止技術として、圧延材とワークロール間の潤滑性を向上する改善が提案されている。具体的には、潤滑性は圧延材とワークロール間の圧延油膜厚に依存するため、これらを維持・改善するための圧延油供給システムや油成分が提案されている(例えば特許文献1〜3)。
一方で潤滑状態を予測して圧延油を制御する方法が特許文献4〜7で提案されている。特許文献4は圧延油中にトレーサーを混入させて潤滑状態の直接因子である油膜厚を推定する。また、特許文献5〜7では、圧延データからの経験則に従う式と一部理論式を用いて、潤滑状態の指標とその目標値を算出して、圧延油流量を制御することが提案されている。
前記方法では、圧延油流量の制御に独自の指標を用いているが、潤滑状態を表す一般的な指標として摩擦係数や先進率を用いて圧延油流量を決定する制御方法が特許文献8〜11で提案されている。これらは、チャタリングが発生しない摩擦係数、先進率の目標値を設定し、摩擦係数、先進率が目標範囲内に収まるように、圧延油流量を制御する。
直接、振動を予測するモデルが、特許文献12で提案されている。特許文献12は、当該圧延機と隣接する圧延機との相互作用(張力)を考慮した自励振動モデルからチャタリングの発生有無を予測するものであり、チャタリング防止のためのパラメーターは圧延理論から導出した式を用い、この式を自励振動モデルに組み込み、このパラメーターを調整してチャタリングの発生を防止する。
特開2010−99668号公報 特開2009−242478号公報 特開2009−190081号公報 特開2004−117117号公報 特開2002−282926号公報 特開2002−66622号公報 特開平09−239430号公報 特開2002−346614号公報 特開2001−321809号公報 特開2000−317510号公報 特開2000−94024号公報 特開2005−297025号公報
しかし、特許文献1〜3の方法では、潤滑性を向上してもチャタリングが発生することがあり、チャタリングの発生を防止する効果が安定して得られない。
特許文献4〜7の方法も、チャタリングの発生を防止できないことがあり、チャタリングの発生を防止する効果が不十分である。また、潤滑状態の予測に使用する圧延情報が膨大となり、複雑な計算が必要となる。
特許文献8〜11の制御方法は、チャタリングを発生させる振動源そのものをなくするものでなく、チャタリングの発生を防止する効果は限定的である。
特許文献12は、チャタリングの発生有無の予測に使用する自励振動モデルは複雑で計算容量も大きく、実際の圧延機との差異が発生した場合に補正するパラメーターも複雑であることに加えて、チャタリングの発生を防止する効果も限定的である。
本発明は、前記先行技術の問題点を考慮し、タンデム圧延装置において金属帯を冷間圧延する際に、簡易な方法でチャタリングの発生を防止できる圧延方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決する本発明の手段は、以下の通りである。
(1)圧延機のダンピング係数Cm(Ns/m)、圧延荷重B(N)、圧延荷重変動の周波数C(1/s)、圧延機からの金属帯に対する鉛直方向の加速率α(m/s)が、Cm−B×C/α>0を満足するようにして金属帯を圧延することを特徴とする金属帯の冷間圧延方法。
(2)圧延機のダンピング係数Cm(Ns/m)、及び、圧延条件と圧延荷重B(N)、圧延荷重変動の周波数C(1/s)、圧延機からの金属帯に対する鉛直方向の加速率α(m/s)の関係を事前に求め、金属帯を冷間圧延する際に、事前に求めたダンピング係数Cm(Ns/m)、及び、圧延条件と圧延荷重B(N)、圧延荷重変動の周波数C(1/s)、圧延機からの金属帯に対する鉛直方向の加速率α(m/s)の関係を用いて、圧延荷重B(N)、圧延荷重変動の周波数C(1/s)、圧延機からの金属帯に対する鉛直方向の加速率α(m/s)がCm−B×C/α>0の関係を満足するように圧延条件を決定し、決定した圧延条件で金属帯を圧延することを特徴とする金属帯の冷間圧延方法。
(3)圧延中に圧延荷重B、圧延荷重変動の周波数C、圧延機からの金属帯に対する鉛直方向の加速率αを計測して求め、圧延荷重B(N)、圧延荷重変動の周波数C(1/s)、圧延機からの金属帯に対する鉛直方向の加速率α(m/s)がCm−B×C/α>0を満足するか否かを判定し、Cm−B×C/α>0を満足しないときは、事前に求めたダンピング係数Cm(Ns/m)、及び、計測して求めた圧延条件と圧延荷重B(N)、圧延荷重変動の周波数C(1/s)、圧延機からの金属帯に対する鉛直方向の加速率α(m/s)の関係を用いて、Cm−B×C/α>0を満足するように圧延条件を修正することを特徴とする前記(2)に記載の金属帯の冷間圧延方法。
本発明によれば、圧延機のダンピング係数Cm、圧延荷重B、圧延荷重変動の周波数C、圧延機からの金属帯に対する鉛直方向の加速率α(m/s)が、Cm−B×C/α>0の関係を満足するようにして金属帯を冷間圧延することで、圧延機の振動発生を抑止し、振動が発生しても振動拡大を抑止できることから、簡易な方法で圧延機のチャタリングを抑止することができる。
圧延条件を変更したときの圧延荷重の変化、板厚変化を説明する模式図である。 2スタンドを有するタンデム圧延装置の概略側面図である。 #2スタンドの圧延油流量と#2スタンドの圧延荷重Bの関係を示す図である。 #2スタンドの圧延油流量と#2スタンドの圧延機からの金属帯に対する鉛直方向の加速率αの関係を示す図である。 #1スタンド荷重の#2スタンド荷重に対する比(#1/#2の荷重比)と#2スタンドの圧延荷重変動の周波数Cの関係を示す図である。
チャタリングの本質は、圧延機の振動の発散現象である。チャタリングを防止するには、振動発生源の撲滅や振動発生直後の振動拡大の抑止が必要である。本発明は、圧延機の振動の運動方程式から振動の減衰項のモデルを作成し、振動の減衰項がゼロより大きくなるように圧延条件を調整して圧延することでチャタリングを防止するものである。
以下、本発明について詳しく説明する。
圧延機のチャタリングは1自由度系振動と考えることができる。振動の発散現象であるチャタリングは、外部から圧延機に入力される力(圧延荷重)と関係する。1自由度系強制振動のモデルを圧延機に適用すると、圧延機の振動の運動方程式は(1)式で表すことができる。左辺は圧延機の振動状態を示し、右辺は外部からの力を示す。
m×Y’’+Cm×Y’+k×Y=ΔP …(1)
ここで、
Y:圧延機の鉛直方向変位[m]
Y’:圧延機の鉛直方向速度[m/s]
Y’’:圧延機の鉛直方向加速度[m/s
m:ロール質量[kg]
Cm:圧延機のダンピング係数[Ns/m]
k:圧延機のバネ定数[kg/s
ΔPは(2)式で表すことができる。
ΔP=A×Y’−D×Y …(2)
A、Dは、Y’(速度)の項、Y(変位)の項の係数で、Aは振動の発散に影響する因子である。
(1)式と(2)式から(3)式が得られる。
mY’’+(Cm−A)×Y’+(k+D)×Y=0 …(3)
1自由度系強制振動では、振動の減衰項がゼロより大きいと振動は減衰し、ゼロより小さいと振動は発散する。(3)式において、減衰項はCm−Aであるので、(4)式を満足すればチャタリングを抑止できる。
Cm−A>0 …(4)
本発明では、(2)式のY’の項のAの単位は[N/(m/s)]であり、外部から圧延機に入力される圧延荷重(N)、該圧延荷重変動の周波数(1/s)、圧延機からの金属帯に対する鉛直方向の加速率(m/s)に分け、(5)式で表した。
A=B×C/α …(5)
ここで、
B:外部から圧延機に入力される圧延荷重[N]
C:外部から圧延機に入力される圧延荷重変動の周波数[1/s]
α:圧延機からの金属帯に対する鉛直方向の加速率(m/s
(4)式と(5)式から(6)式が得られる。(6)式を満足すればチャタリングを抑止できる。
(Cm−B×C/α)>0 …(6)
次に、Cm、B、C、αの求め方を説明する。
Cm:
Cmは圧延機に固有のパラメーターである。Cmは、タンデム圧延装置を設計製作したときに用いた圧延機のダンピング係数を用いることができる。Cmは圧延機で実測して求めてもよい。圧延機で実測して求めるときは、圧延時に後述のB、C、αを計測して、圧延条件を変更してチャタリングが発生しない限界のB、C、αからCmを算出する。
B、C、α:
B、C、αは圧延条件によって値が変わるパラメーターである。B、C、αは圧延機で実測して求める。B、C、αに影響する因子には、圧延油流量、初期ロール粗度、圧延量、圧延速度、入側張力、出側張力、ロールギャップなどがある。
B、C、αを求めるには、圧延機で金属帯を圧延している状態で、初期状態として圧延油流量、初期ロール粗度、圧延量、圧延速度、入側張力、出側張力、ロールギャップを設定し、次に、前記因子のうちのどれかの因子を変化させ、時間に対応させて荷重、板厚を計測して、B、C、αを求めることができる。Bは圧延機に入力される荷重から、Cは荷重変動の周波数から、αは単位時間当の板厚変化のピークの差を計測して、更に単位時間で割って求めることができる(図1(c)参照)。
圧延機のチャタリングは、当該圧延機に隣接する上流側圧延機の圧延条件にも影響される。従って、当該圧延機の圧延条件に加えて、さらに当該圧延機に隣接する上流側圧延機の圧延条件(圧延機に入力される圧延荷重、圧延油流量、初期ロール粗度、圧延量、圧延速度、入側張力、出側張力、ロールギャップなどの圧延条件)を反映して、当該圧延機のB、C、αの関係を求めておくことも好ましい。当該圧延機に隣接する上流側圧延機の圧延条件と当該圧延機のB、C、αの関係は、圧延機で圧延しているときに、当該圧延機に隣接する上流側圧延機の圧延条件を変化させ、当該圧延機の時間に対する荷重、板厚の変化を計測してB、C、αを求めればよい。
圧延機では、圧延後の板厚を検出し、検出した板厚が所定板厚になるように圧延機に入力する荷重を制御する。外部から圧延機に荷重が入力されると圧延機に振動が発生する。圧延機の振動は、荷重計(ロードセル)では荷重変動として計測される。図1は、外部から圧延機に入力される圧延荷重Bによって、圧延機に発生する荷重変動の時間に対する変化を説明する概念図である。
図1(a)は、圧延条件が、Cm−B×C/α>0を満足する場合である。圧延機の振動によって発生した荷重変動が速やかに減衰し、荷重変動のピーク値が時間の経過とともに増大していくことがない。振動の発散がなく、チャタリングが抑止される。
図1(b)は、圧延条件が、Cm−B×C/α>0を満足しない場合である。圧延機の振動によって発生した荷重変動のピーク値は、時間の経過とともに増大していく。このような状態では振動が発散し、チャタリングを抑止できない。
本発明では、次のように金属帯を冷間圧延する。
前記した方法でCmを事前に求めおき、圧延条件とB、C、αの関係を事前に求めておく、または圧延中に実測して求める。そして、金属帯を冷間圧延する時のチャタリング防止対策は、前記で求めたダンピング係数Cm、事前に求めた、または圧延中に実測して求めた圧延条件とB、C、αの関係を用いて、Cm−B×C/α>0の関係を満足するように圧延条件を決定し、金属帯を圧延する。圧延条件を変更するときは、前記で求めた圧延条件とB、C、αの関係を用いて、Cm−B×C/αの関係を満足するように圧延条件を決定し、金属帯を圧延する。圧延条件を変更する際に用いる圧延条件とB、C、αの関係は事前に実測したものを計算機にデータとして格納しておき、圧延条件を変更する際に使用する。このように圧延することで、圧延機のチャタリングを抑止できる。
また、圧延中に、圧延機に入力された圧延荷重Bによって圧延機に生じた振動による荷重変動、板厚変動を計測して、荷重変動の周波数C、圧延機からの金属帯に対する鉛直方向の加速率αを求め、B、C、αがCm−B×C/α>0を満足するか否かを判定し、Cm−B×C/α>0を満足しないときは、事前に求めた圧延条件とB、C、αの関係を用いて、Cm−B×C/α>0を満足するように圧延条件を修正して金属帯を圧延することもできる。このように圧延することで、圧延機のチャタリングを抑止する効果をより向上させることができる。
前記一連の処理は、計算機を介して行うことができる。すなわち、例えば、圧延機の制御を行う計算機に、事前に求めた圧延機のダンピング係数Cm、及び、圧延条件と圧延荷重B、圧延荷重変動の周波数C、圧延機からの金属帯に対する鉛直方向の加速率αの関係を格納し、圧延機に入力された圧延荷重B、及び、圧延機の荷重計で計測した圧延荷重、板厚のデータが入力され、入力されたデータから、圧延荷重変動の周波数C、圧延機からの金属帯に対する鉛直方向の加速率αを演算して求め、求めたB、C、αがCm−B×C/α>0を満足するか否かを判定し、Cm−B×C/α>0を満足しないと判定したときは、格納されている圧延条件と圧延荷重B、圧延荷重変動の周波数C、圧延機からの金属帯に対する鉛直方向の加速率αの関係を参照して、Cm−B×C/α>0を満足するように圧延条件を修正する条件修正部を付加し、修正した圧延条件で圧延するように圧延機を制御すればよい。
チャタリングは、タンデム圧延装置の最終スタンド(最終圧延機)とその前段のスタンドで発生しやすく、最終スタンドで最も発生しやすい。従って、本発明法はタンデム圧延装置の最終スタンドとその前段のスタンド圧延で実施することが好ましい。
2スタンドのタンデム冷間圧延機を用いて、厚さ0.46mm、幅840mm、強度が270MPaの鋼板を2000mpmの圧延速度で厚さ0.20mmに冷間圧延した。その際、第2スタンドの圧延油のスプレー量を種々変更し、B、C、αを計測するとともに、チャタリングの発生有無を調査した。Cm−B×C/α>0を満足する場合はチャタリングが発生しなかったが、Cm−B×C/α>0を満足しない場合は、#2スタンドでチャタリングが発生した。
図2に示す#1スタンド(#1STD)、#2スタンド(#2STD)の2基のスタンド(圧延機)を有するタンデム圧延装置を用いて、厚さ0.46mm、幅840mm、強度が270MPaの鋼板を厚さ0.20mmに冷間圧延した。当該鋼板の圧延は、従来、圧延速度1500mpmではチャタリングは発生しないが、圧延速度が1500mpmを超えるとチャタリング発生の問題があった。本圧延装置の#2スタンドのダンピング係数Cmは1.15×1011(Ns/m)である。
本圧延装置において、圧延速度2000mpm(#2スタンドの圧延速度)の条件で、#2スタンドのスプレー装置3から供給する圧延油流量を変更し、#2スタンドの圧延荷重を計測し、Bを求めた。結果を表1、図3に示す。圧延油流量を増加するとBが小さくなる。圧延油流量を多くすると、圧延油3が金属帯4とロール(圧延ロール)1の間に入り、より厚い油膜を形成されるようになるためと考えられる。ロール粗度が小さい方が、Bが小さい。なお、圧延油流量によるCの変化は少ないと考えられる。
Figure 0005874372
圧延速度2000mpm(#2スタンドの圧延速度)の条件で、#2スタンドのスプレー装置から供給する圧延油流量を変更し、#2スタンドの圧延荷重を計測し、αを求めた。#2スタンドの圧延油流量とαの関係を表2、図4に示す。圧延油流量を増加するとαが大きくなる。これは圧延油流量を増加すると、金属帯からの力(荷重)が小さくなり、圧延機からの金属帯に対する鉛直方向の加速率、つまり金属帯を抑え込む力が大きくなるためと考えられる。
Figure 0005874372
また、圧延速度1500mpm、2000mpm(#2スタンドの圧延速度)の条件で、#1スタンドに入力される圧延荷重を変更し、#2スタンドの圧延荷重を計測し、荷重変動の波数からCを求めた。#1スタンドに入力される圧延荷重の#2スタンドに入力される圧延荷重に対する比(#1/#2の荷重比)と#2スタンドのCの関係を求めた。#1/#2の荷重比と#2スタンドのCの関係を表3、図5に示す。圧延速度が1500mpmでは、#1/#2の荷重比を変えてもCは変化しない。圧延速度が2000mpmでは、#1/#2の荷重比が1.15以上ではCが急激に増大する。荷重比が1.15以下とすることで、Cを安定して小さくできる。なお、#1/#2の荷重比によるB、αの変化は少ないと考えられる。
Figure 0005874372
図3〜図5から、チャタリングが発生しやすい条件で金属帯を冷間圧延するときは、当該圧延機の圧延油流量を増加する、当該圧延機に隣接する上流側圧延機に入力する圧延荷重の当該圧延機に入力する圧延荷重の比を低下するなどして、当該圧延機のB、C、αがCm−B×C/α>0の関係を満足するようにすればよい。ロール粗度が小さいとBが小さくなるので、可能な場合は初期ロール粗度を小さくすることが有利である。
本実施例では、圧延途中で、圧延速度を1500mpmから2000mpmに増速し、チャタリングの有無を調査した。その際、本発明例は、図3の#2スタンドの圧延油流量とBの関係、図4の#2スタンドの圧延油流量とαの関係、図5の#1/#2の荷重比とCの関係を参照し、B、C、αが、Cm−B×C/α>0の関係を満足するように圧延油流量と#1/#2の荷重比を決定した。
結果を表4に示す。
Figure 0005874372
本発明例は、圧延速度を2000mpmに増速した際の圧延条件がCm−B×C/α>0を満足するようにして圧延したため、チャタリングの発生がない。一方、比較例は圧延速度が2000mpmでの圧延条件がCm−B×C/α>0を満足しないため、チャタリングが発生した。
本発明によれば、圧延機のダンピング係数Cm、圧延荷重B、圧延荷重変動の周波数C、圧延機からの金属帯に対する鉛直方向の加速率αが、Cm−B×C/α>0の関係を満足するようにして金属帯を冷間圧延することで、圧延機の振動発生を抑止し、振動が発生しても振動拡大を抑止できることから、簡易な方法で圧延機のチャタリングを抑止することができる。本発明は、チャタリングが発生しやすい1500mpmを超える圧延速度域で金属帯を冷間圧延する方法として好適である。
1 ロール(圧延ロール)
2 スプレー装置
3 圧延油
4 金属帯

Claims (3)

  1. 圧延機のダンピング係数Cm(Ns/m)、圧延荷重B(N)、圧延荷重変動の周波数C(1/s)、圧延機からの金属帯に対する鉛直方向の加速度α(m/s)が、Cm−B×C/α>0を満足するようにして金属帯を圧延することを特徴とする金属帯の冷間圧延方法。
  2. 圧延機のダンピング係数Cm(Ns/m)、及び、圧延条件と圧延荷重B(N)、圧延荷重変動の周波数C(1/s)、圧延機からの金属帯に対する鉛直方向の加速度α(m/s)の関係を事前に求め、金属帯を冷間圧延する際に、事前に求めたダンピング係数Cm(Ns/m)、及び、圧延条件と圧延荷重B(N)、圧延荷重変動の周波数C(1/s)、圧延機からの金属帯に対する鉛直方向の加速度α(m/s)の関係を用いて、圧延荷重B(N)、圧延荷重変動の周波数C(1/s)、圧延機からの金属帯に対する鉛直方向の加速度α(m/s)がCm−B×C/α>0の関係を満足するように圧延条件を決定し、決定した圧延条件で金属帯を圧延することを特徴とする金属帯の冷間圧延方法。
  3. 圧延中に圧延荷重B、圧延荷重変動の周波数C、圧延機からの金属帯に対する鉛直方向の加速度αを計測して求め、圧延荷重B(N)、圧延荷重変動の周波数C(1/s)、圧延機からの金属帯に対する鉛直方向の加速度α(m/s)がCm−B×C/α>0を満足するか否かを判定し、Cm−B×C/α>0を満足しないときは、事前に求めたダンピング係数Cm(Ns/m)、及び、計測して求めた圧延条件と圧延荷重B(N)、圧延荷重変動の周波数C(1/s)、圧延機からの金属帯に対する鉛直方向の加速度α(m/s)の関係を用いて、Cm−B×C/α>0を満足するように圧延条件を修正することを特徴とする金属帯の冷間圧延方法。
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