JP5870905B2 - アルコキシシリル基含有ノルボルニル化合物の製造方法 - Google Patents

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本発明は、2−ノルボルネンとハイドロジェンオルガノオキシシラン化合物を弱酸のアンモニウム塩存在下に、白金化合物含有触媒を用いて反応させることによるアルコキシシリル基含有ノルボルニル化合物の製造方法に関する。
アルコキシシリル基含有ノルボルニル化合物は、塗料や接着剤等の各種シリコーン化合物の合成原料、電子材料用の表面コーティング剤原料、有機合成中間体原料として有用な化合物である。
アルコキシシリル基含有ノルボルニル化合物の製造方法としては、ノルボルネンとトリアルコキシシランとを、塩化白金酸存在下に反応させてトリアルコキシシリルノルボルナンを製造する方法が記載されている(特許文献1:特開昭62−84090号広報)。また、塩化白金酸とカルボキシル化したポリエチレングリコールを用いて、ノルボルネンとトリエトキシシランを反応させて、トリエトキシシリルノルボルナンのendo体を製造する方法が知られている(非特許文献1:Ying Bai et al, Appl. Organomertal Chem. 2011, 25, 400-405)。
一方、ノルボルネンとハイドロジェンオルガノオキシシラン化合物とのヒドロシリル化反応を行った場合には、二重結合への付加方向の違いによりexo体とendo体が生成する。アルコキシシリル基含有ノルボルニル化合物がexo体とendo体の混合物の場合、電子材料のコーティング剤原料として用いた場合には、コーティング剤の性能に影響を与えたり、異性体量により物性が変化するおそれがあり、exo体又はendo体を選択的に製造する方法の開発が望まれていた。
特開昭62−84090号公報
Ying Bai et al, Appl. Organomertal Chem. 2011, 25, 400-405.
しかし、上記特許文献1には、exo体とendo体の選択性に関する記載はなく、実際に白金触媒のみを用いてノルボルネンとハイドロジェンオルガノオキシシランとの反応を行い、アルコキシシリル基含有ノルボルナンを製造すると、exo体とendo体の混合物が得られることが分かった。
一方、上記非特許文献1に記載された方法では、触媒と共に用いるカルボキシル化したポリエチレングリコールの製造するために、エチレングリコールのトルエンを用いた共沸脱水工程、酸無水物との反応工程、反応後にトルエンを減圧下において除去する工程、酸無水物を除去するためのジエチルエーテルによる抽出工程が必要であり、非常に煩雑で工業的な製造には適していない。更に、得られたカルボキシル化したポリエチレングリコールと塩化白金酸から反応に使用する触媒を製造する工程も、テトラヒドロフラン中で12時間反応させた後に、テトラヒドロフランを除く必要があり、工業的な製造には適していない。
本発明は、上記要望に応えたもので、2−ノルボルネンとハイドロジェンオルガノオキシシラン化合物を、弱酸のアンモニウム塩存在下に白金化合物含有触媒を用いて反応させることにより、複雑な触媒の調整工程を必要とせずに、exo体選択的にアルコキシシリル基含有ノルボルニル化合物を製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を行った結果、2−ノルボルネンとハイドロジェンオルガノオキシシラン化合物を、弱酸のアンモニウム塩存在下に白金化合物含有触媒を用いて反応させることにより、複雑な触媒の調整工程を必要とせずに、アルコキシシリル基含有ノルボルニル化合物をexo体選択的に得られることを見い出して、本発明に至ったものである。
従って、本発明は、弱酸のアンモニウム塩存在下に白金化合物含有触媒を用いて、2−ノルボルネンと下記一般式(1)
HSiR1 n(OR23-n (1)
(式中、R1、R2は炭素数1〜20の非置換又は置換の一価炭化水素基である。R1、R2はそれぞれ同一でもよく異なっていてもよい。nは0〜2の整数である。)
で表されるハイドロジェンオルガノオキシシランとを反応させることを特徴とする、アルコキシシリル基含有ノルボルニル化合物の製造方法を提供する。
この場合、前記弱酸のアンモニウム塩が、pKaが2以上の酸のアンモニウム塩であることが好ましく、また前記弱酸のアンモニウム塩が、炭酸水素アンモニウム又は炭酸アンモニウムであることが好ましい。
本発明によれば、選択的にexo体のアルコキシシリル基含有ノルボルニル化合物を製造することができる。
本発明のアルコキシシリル基含有ノルボルニル化合物の製造方法は、2−ノルボルネンとハイドロジェンオルガノオキシシラン化合物とを、弱酸のアンモニウム塩存在下に白金化合物含有触媒を用いて反応させることにより、exo体選択的にアルコキシシリル基含有ノルボルニル化合物が得られるものである。
弱酸のアンモニウム塩としては、pKaが2以上の酸のアンモニウム塩が挙げられ、有機酸又は無機酸のアンモニウム塩が挙げられる。有機酸のアンモニウム塩の例として、例えば、カルボン酸誘導体、フェノール性水酸基含有化合物等のアンモニウム塩、具体的には蟻酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、シュウ酸二アンモニウム、シュウ酸水素アンモニウム、安息香酸アンモニウム、クエン酸一アンモニウム、クエン酸二アンモニウム、クエン酸三アンモニウム、乳酸アンモニウム、フタル酸アンモニウム、コハク酸アンモニウム、酒石酸一アンモニウム、酒石酸二アンモニウム、アスパラギン酸アンモニウム等が挙げられる。
無機酸のアンモニウム塩の例として、例えば、炭酸、ホスホン酸、リン酸、ホウ酸、硫化水素等のアンモニウム塩、具体的には、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、リン酸二水素一アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸三アンモニウム、ジ亜リン酸アンモニウム、硫化アンモニウム、ホウ酸アンモニウム等が挙げられる。例示した弱酸のアンモニウム塩は、単独で用いても複数を組み合わせて使用してもよい。
有機酸のアンモニウム塩では、目的物のシリル基に有機酸がエステル交換した化合物が生成するため、無機酸のアンモニウム塩がより好ましい。
例示した弱酸のアンモニウム塩は単独で用いても複数組み合わせて使用してもよい。このなかでも特に、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウムが好ましい。
弱酸のアンモニウム塩の使用量としては特に制限はないが、反応性、選択性、コストの点から、2−ノルボルネン1モルに対して0.00001〜0.1モル、特に好ましくは0.0001〜0.01モル用いることが好ましい。
本発明の白金化合物含有触媒としては、例えば塩化白金酸のアルコール溶液、白金−1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体のトルエン又はキシレン溶液等の白金触媒を有機溶媒で希釈した触媒の他、塩化白金酸、テトラキストリフェニルホスフィン白金、ジクロロビストリフェニルホスフィン白金、ジクロロビスアセトニトリル白金、ジクロロビスベンゾニトリル白金、ジクロロシクロオクタジエン白金、ビス(アセチルアセトナト)白金、白金−炭素、白金−アルミナ、白金−シリカ等の担持触媒等が挙げられる。このなかでも、特に選択性の点から、白金ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体、白金テトラビニルテトラメチルシクロテトラシロキサン錯体等の白金ビニルシロキサン錯体を有機溶媒で希釈した触媒が好ましく、具体的には白金−1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体のトルエン又はキシレン溶液が好ましい。
本発明の白金化合物含有触媒の使用量は特に限定されないが、反応性、生産性の点から、2−ノルボルネンに対して好ましくは0.000001〜0.01モル、更に好ましくは0.000005〜0.005モル、特に好ましくは0.00001〜0.001モルである。白金含有触媒の使用量が0.000001モル未満だと触媒の効果が十分に発現しない可能性があり、0.01モルを超えると触媒量に見合うだけの反応促進効果が見られない可能性がある。
本発明のハイドロジェンオルガノオキシシラン化合物は、下記一般式(1)
HSiR1 n(OR23-n (1)
(式中、R1、R2は炭素数1〜20の非置換又は置換の一価炭化水素基である。R1、R2はそれぞれ同一でもよく異なっていてもよい。nは0〜2の整数である。)
で表されるものである。
ここで、上記式(1)中、R1及びR2は、炭素数1〜20、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜6の非置換もしくは置換の一価炭化水素基であり、直鎖状、分岐状又は環状の脂肪族一価炭化水素基、特に直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、アリール基、アラルキル基等が挙げられる。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソプロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、ビニル基、アリル基、メタリル基等のアルケニル基、フェニル基等のアリール基、ベンジル基等のアラルキル基が挙げられる。
また、炭化水素基の水素原子の一部又は全部が置換されていてもよく、該置換基としては、具体的には、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、tert−ブトキシ基、フェノキシ基、ベンジルオキシ基等のオルガノオキシ基、アセチル基、ベンゾイル基等のアシル基、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基等のアシロキシ基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等のオルガノオキシカルボニル基、アミノ基、ジアルキルアミノ基、シアノ基、フェニル基、トリル基等の炭素数6〜18のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等の炭素数7〜18のアラルキル基、オルガノチオ基、アルキルシリル基、アルコキシシリル基等が挙げられ、これらを組み合わせて使用することもできる。これらのなかでも特に、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等が好ましい、nは1又は2の整数である。
一般式(1)のハイドロジェンオルガノオキシシランの具体例としては、例えばトリメトキシシラン、メチルジメトキシシラン、エチルジメトキシシラン、ジメチルメトキシシラン、ジエチルメトキシシラン、トリエトキシシラン、メチルジエトキシシラン、エチルジエトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジエチルエトキシシラン、フェニルジエトキシシラン、フェニルジメトキシシラン、ジフェニルエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン等が挙げられる。
本発明において、2−ノルボルネンとハイドロジェンオルガノオキシシランとを反応させる場合、その配合比は特に限定されないが、反応性、生産性の点から、2−ノルボルネン1モルに対してハイドロジェンオルガノオキシシランを好ましくは0.5〜2.0モル、更に好ましくは0.8〜1.2モル、特に好ましくは、0.9〜1.1モル用いる。
本発明は無溶媒でも進行するが、溶媒を用いることもできる。用いられる溶媒としては、例えばペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、ベンゼン、トルエン、キシレンメシチレン等の炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、アセトニトリル等の非プロトン性極性溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム等の塩素化炭化水素系溶媒等が挙げられる。また、これらの溶媒は単独で使用してもよく、あるいは2種以上を混合して使用してもよい。更に、2−ノルボルネンは、融点が44〜46℃の常温で固体の化合物であるので、取扱いを容易にするために2−ノルボルネンを上記溶媒に溶解した状態で用いることもできる。
本発明の反応温度は特に限定されないが、常圧又は加圧下で0〜200℃、好ましくは10〜120℃である。なお、反応時間は、通常1〜100時間、好ましくは1〜20時間である。また、反応雰囲気としては、特に限定されないが、安全上、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスが好ましい。
本発明の製造方法により得られるアルコキシル基含有ノルボルニル化合物は、蒸留やカラムクロマトグラフィーにより精製することができる。精製せずにそのまま用いることもできるが、触媒等の微量不純物を取り除き、高純度にするためには、蒸留により精製することが好ましい。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
500mlの4つ口ガラスフラスコに還流冷却器、温度計及び撹拌機を取り付け、内部を窒素置換した。このフラスコに、2−ノルボルネン94.2g(1.0mol)をトルエン31.4gに溶解した溶液と白金−1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体の3%キシレン溶液0.65g(0.0001mol)を仕込み、炭酸水素アンモニウム0.79g(0.01mol)を添加した。内温を65〜75℃に温調しながらジメトキシメチルシラン106.2g(1.0mol)を4時間掛けて滴下した後、そのままの温度で4時間熟成した。
得られた反応液を減圧蒸留して2−ジメトキシメチルシリルノルボルナンを95℃/2.2kPaの留分として170.5g(0.85mol)得た。収率は、85.0%であった。得られた留分をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、exo体/endo体=99.7/0.3であった。
[実施例2]
500mlの4つ口ガラスフラスコに還流冷却器、温度計及び撹拌機を取り付け、内部を窒素置換した。このフラスコに、2−ノルボルネン94.2g(1.0mol)をトルエン31.4gに溶解した溶液と白金−1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体の3%キシレン溶液0.65g(0.0001mol)を仕込み、炭酸水素アンモニウム0.79g(0.01mol)を添加した。内温を65〜75℃に温調しながらトリエトキシシラン164.3g(1.0mol)を6時間掛けて滴下した後、そのままの温度で12時間熟成した。
得られた反応液を減圧蒸留して2−トリエトキシシリルノルボルナンを99℃/0.9kPaの留分として209.9g(0.812mol)得た。収率は、81.2%であった。得られた留分をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、exo体/endo体=99.3/0.7であった。
[実施例3]
200mlの4つ口ガラスフラスコに還流冷却器、温度計及び撹拌機を取り付け、内部を窒素置換した。このフラスコに、2−ノルボルネン56.5g(0.6mol)をトルエン18.8gに溶解した溶液と白金−1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体の3%キシレン溶液0.39g(0.0006mol)を仕込み、炭酸水素アンモニウム0.47g(0.006mol)を添加した。内温を65〜75℃に温調しながらトリメトキシシラン61.1g(0.5mol)を6時間掛けて滴下した後、そのままの温度で4時間熟成した。
得られた反応液を減圧蒸留して2−トリメトキシシリルノルボルナンを101℃/2.2kPaの留分として85.5g(0.395mol)得た。収率は、79.0%であった。得られた留分をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、exo体/endo体=99.8/0.2であった。
[実施例4]
200mlの4つ口ガラスフラスコに還流冷却器、温度計及び撹拌機を取り付け、内部を窒素置換した。このフラスコに、2−ノルボルネン47.1g(0.5mol)をトルエン15.7gに溶解した溶液と白金−1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体の3%キシレン溶液0.33g(0.0005mol)を仕込み、炭酸水素アンモニウム0.39g(0.005mol)を添加した。内温を65〜73℃に温調しながらジエトキシメチルシラン67.2g(0.5mol)を4時間掛けて滴下した後、そのままの温度で1時間熟成した。
得られた反応液を減圧蒸留して2−ジエトキシメチルシリルノルボルナンを85℃/1.0kPaの留分として77.7g(0.34mol)得た。収率は、68.0%であった。得られた留分をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、exo体/endo体=98.6/1.4であった。
[比較例1]
200mlの4つ口ガラスフラスコに還流冷却器、温度計及び撹拌機を取り付け、内部を窒素置換した。このフラスコに、2−ノルボルネン47.1g(0.5mol)をトルエン15.7gに溶解した溶液と白金−1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体の3%キシレン溶液0.65g(0.0002mol)仕込んだ。内温を65〜75℃に温調しながらジメトキシメチルシラン26.6g(0.25mol)を3時間掛けて滴下した。得られた反応液を、ガスクロマトグラフィーにより分析したところ、2−ジメトキシメチルシリルノルボルナンが生成しているものの、未反応のジメトキシメチルシランとノルボルネンが残留しており、触媒が途中で失活したことが分かった。生成した2−ジメトキシメチルシリルノルボルナンをガスクロマトグラフィーにより分析したところ、exo体/endo体=92.4/7.6であった。
[比較例2]
200mlの4つ口ガラスフラスコに還流冷却器、温度計及び撹拌機を取り付け、内部を窒素置換した。このフラスコに、2−ノルボルネン47.1g(0.5mol)をトルエン15.7gに溶解した溶液と白金−1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体の3%キシレン溶液0.65g(0.0002mol)仕込んだ。内温を65〜75℃に温調しながらトリエトキシシシラン61.5g(0.375mol)を4時間掛けて滴下した。得られた反応液を、ガスクロマトグラフィーにより分析したところ、2−トリエトキシシリルノルボルナンが生成しているものの、未反応のトリエトキシシランとノルボルネンが残留しており、触媒が途中で失活したことが分かった。生成した2−トリエトキシシリルノルボルナンをガスクロマトグラフィーにより分析したところ、exo体/endo体=95.4/4.6であった。
[比較例3]
200mlの4つ口ガラスフラスコに還流冷却器、温度計及び撹拌機を取り付け、内部を窒素置換した。このフラスコに、2−ノルボルネン56.5g(0.6mol)をトルエン18.8gに溶解した溶液と白金−1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体の3%キシレン溶液0.39g(0.0006mol)を仕込んだ。内温を65〜75℃に温調しながらトリメトキシシラン15.3g(0.5mol)を2時間掛けて滴下した。得られた反応液を、ガスクロマトグラフィーにより分析したところ、未反応のトリエトキシシランとノルボルネンが残留しており、触媒が途中で失活したことが分かった。生成した2−トリメトキシシリルノルボルナンをガスクロマトグラフィーにより分析したところ、exo体/endo体=97.7/2.3であった。
[比較例4]
200mlの4つ口ガラスフラスコに還流冷却器、温度計及び撹拌機を取り付け、内部を窒素置換した。このフラスコに、2−ノルボルネン47.1g(0.5mol)をトルエン15.7gに溶解した溶液と白金−1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体の3%キシレン溶液0.33g(0.0005mol)を仕込んだ。内温を65〜74℃に温調しながらジエトキシメチルシラン67.2g(0.5mol)を4時間掛けて滴下した後、そのままの温度で1時間熟成した。
得られた反応液をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、2−ジエトキシメチルシリルノルボルナンが生成していた。生成した2−ジエトキシメチルシリルノルボルナンをガスクロマトグラフィーにより分析したところ、exo体/endo体=92.5/7.5であった。

Claims (3)

  1. pKaが2以上の酸のアンモニウム塩存在下に白金化合物含有触媒を用いて、2−ノルボルネンと下記一般式(1)
    HSiR1 n(OR23-n (1)
    (式中、R1、R2は炭素数1〜20の非置換又は置換の一価炭化水素基である。R1、R2はそれぞれ同一でもよく異なっていてもよい。nは0〜2の整数である。)
    で表されるハイドロジェンオルガノオキシシランとを反応させることを特徴とする、アルコキシシリル基含有ノルボルニル化合物の製造方法。
  2. 前記pKaが2以上の酸のアンモニウム塩が、炭酸水素アンモニウム又は炭酸アンモニウムであることを特徴とする請求項1記載アルコキシシリル基含有ノルボルニル化合物の製造方法。
  3. 2−ノルボルネンとハイドロジェンオルガノオキシシランとの配合比が、2−ノルボルネン1モルに対してハイドロジェンオルガノオキシシラン0.5〜2.0モルの割合であり、前記アンモニウム塩の使用量が、2−ノルボルネン1モルに対して0.00001〜0.1モルである請求項1又は2記載のアルコキシシリル基含有ノルボルニル化合物の製造方法。
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