JP5870187B2 - 磁気ディスク用ガラス基板、磁気ディスク、磁気ディスクドライブ装置 - Google Patents
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Description
特に、例えば15000rpm以上の高速回転時にフラッタリングが生じないようにするために磁気ディスクの板厚を厚くする場合には、磁気ディスクの内孔の側壁面の板厚方向の長さが長くなるため、スピンドルへの磁気ディスクの組み付け、及び上記リペア時において、スピンドルと摺れが生じやすく、パーティクルが尚更発生しやすくなる。
なお、磁気ディスクの高速回転化により回転に伴う空気流と磁気ディスクの加速度が増加するため、磁気ディスクの側壁面で発生したパーティクルは磁気ディスクが低速回転する場合よりも磁気ディスクの主表面に移動しやすくなると考えられる。さらに磁気ディスクの高速回転化により、磁気ヘッドが磁気ディスクの主表面に移動したパーティクルと接触する際の相対速度(又は、衝突エネルギー)が増加するため、磁気ディスクの読み出し、及び/又は、書き込み不良は低速回転の場合よりも顕在化しやすいと考えられる。
本実施形態における磁気ディスク用ガラス基板の材料として、アルミノシリケートガラス、ソーダライムガラス、ボロシリケートガラスなどを用いることができる。特に、化学強化を施すことができ、また主表面の平坦度及び基板の強度において優れた磁気ディスク用ガラス基板を作製することができるという点で、アルミノシリケートガラスを好適に用いることができる。アモルファスのアルミノシリケートガラスとするとさらに好ましい。
図1Aに示すように、本実施形態の磁気ディスク用ガラス基板Gは、円形の内孔が形成され、かつ環状の外形を備えたドーナツ型の形状を備えている。図1Bに示すように、本実施形態の磁気ディスク用ガラス基板Gは、一対の主表面11p,12pと、内孔及び外形を構成する2つの側壁面とを有する。図1Bにおいて、内孔を構成する側壁面は側壁面10wであり、凹み部10hを有している。凹み部10hは、側壁面10wの一周に亘って形成されている。一対の主表面11p,12pと側壁面10wとの間には、それぞれ面取面11c,12cが形成されている。主表面11pと面取面11cの直線部とのなす角(面取り角度;θ)は、例えば40〜70度である。主表面12pと面取面12cの直線部とのなす角(面取り角度)も同様に、例えば40〜70度である。なお、面取面11c,12cは外側に凸形状のラウンド型であってもよい。
内孔を構成する側壁面10wは、一対の主表面11p,12pの各々と直交する面を含むことが好ましい。側壁面は外方に凸状の面から形成されてもよいが、主表面と直交する面を多く含む場合には、一般的に、磁気ディスクドライブ装置に搭載されたときにスピンドルと側壁面が擦れやすいと考えられるため、本発明の作用効果を奏する上で好適な構造である。
凹み部10hの形状は、図1Bに示すように円弧状であってもよいが、コの字形状やV字形状であってもよい。また、凹み部は複数あってもよい。凹み部10hは、スピンドルと摺れることがないため、如何なる形状でも構わないが、円弧状とすると側壁面10wがカケにくくなるので好ましい。また、凹み部の形成時にカケ等が発生しにくいので好ましい。
また、特に、凹み部10hを含めた側壁面10wの板厚方向の長さ(L)が0.3mm以下の場合は、凹み部10hの長さ(t3)の、上記(L)に対する割合(すなわち、t3/L)を0.5以下とすることが好ましい。t3/Lの値が0.5より大きいと、t1やt2が薄くなりすぎてカケが発生する恐れがある。
凹み部10hの表面の算術平均粗さRaは0.1μm以下であることが好ましい。凹み部10hの表面粗さは、例えばレーザ顕微鏡を用いて波長帯域を0.25μmから80μmに設定して側壁面10wを測定し、測定した範囲の中から50μm角の領域を選択して解析して得ることができる。
また、凹み部10hの表面を含む側壁面10wは化学強化されていることが好ましい。磁気ディスク用ガラス基板Gの板厚が小さい場合、及び/又は、凹み部10hの板厚方向の長さt3が大きい場合にはt1,t2の長さが短くなるが、その場合でも凹み部10hの表面を含む側壁面10wを化学強化することで、側壁面10w(特に、図1Bにおいてt1及びt2を構成する部分)においてカケが発生することを防止することができる。化学強化は特に、磁気ディスク用ガラス基板Gの板厚が0.635mm以下の薄板の基板において効果的である。
以下、本実施形態の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法について、工程毎に説明する。ただし、各工程の順番は適宜入れ替えてもよい。
例えばフロート法によるガラス素板の成形工程では先ず、錫などの溶融金属の満たされた浴槽内に、例えば上述した組成の溶融ガラスを連続的に流し入れることで板状ガラスを得る。溶融ガラスは厳密な温度操作が施された浴槽内で進行方向に沿って流れ、最終的に所望の厚さ、幅に調整された板状ガラスが形成される。この板状ガラスから、磁気ディスク用ガラス基板の元となる所定形状のガラス素板が切り出される。浴槽内の溶融錫の表面は水平であるために、フロート法により得られるガラス素板は、その表面の平坦度が十分に高いものとなる。
また、ガラス素板の成形工程では、例えば、特開2011−207738号公報に記載されたプレス成形方法を用いてもよい。このプレス成形方法は、ガラス材料を一定の大きさのガラス塊に切り出し、そのガラス塊を鉛直方向に落下させ、落下中のガラス塊を、水平方向に動作する一対の型によって挟み込むことによって平板状のガラス素板を得る方法である。
なお、ガラス素板は、上述した方法に限らず、ダウンドロー法、リドロー法、フュージョン法などの公知の製造方法を用いて製造することができる。
次に、スクライブ工程について説明する。プレス成形工程の後、スクライブ工程では、成形されたガラス素板に対してスクライブが行われる。
ここでスクライブとは、成形されたガラス素板を所定のサイズのリング形状とするために、ガラス素板の表面に超鋼合金製あるいはダイヤモンド粒子からなるスクライバにより2つの同心円(内側同心円および外側同心円)状の切断線(線状のキズ)を設けることをいう。2つの同心円の形状にスクライブされたガラス素板は、部分的に加熱され、ガラス素板の熱膨張の差異により、外側同心円の外側部分および内側同心円の内側部分が除去される。これにより、円環状のガラス素板が得られる。
なお、ガラス素板に対してコアドリル等を用いて円孔を形成することにより円環状のガラス素板を得ることもできる。
次に、形状加工工程について説明する。形状加工工程では、スクライブ工程後のガラス素板の端部に対する面取面(内孔側では、図1(b)の面取面11c,12c)の形成チャンファリング加工を含む。チャンファリング加工は、スクライブ工程後のガラス素板の外周端部および内周端部において、ダイヤモンド砥石により面取りを施す形状加工である。面取り角度は、主表面に対して例えば40〜70度であり、代表的には45度である。
凹み部加工工程は、円環状のガラス素板の内孔を構成する側壁面10wに対して凹み部10hを形成するための工程である。図2に、円環状のガラス素板の内孔を構成する側壁面の凹み部の形成方法を示す。凹み部加工工程では、凹み部10hの形状に対応して突出した突出部20jを備えた砥石20を、円環状のガラス素板の内孔に挿入し、ガラス素板の板厚方向の軸の回りで回動させて側壁面を加工する。加工は枚葉方式(1枚ごと)で行われ、好ましくは、ガラス素板を砥石20の回転方向とは逆方向に回転させながら行う。
砥石20は、例えば、ダイヤモンド砥粒SD#325〜800の粒度を用いた電着ボンドやレジンボンド、又は金属ボンドで構成される。
なお、凹み部加工工程を独立して設けずに、上記形状加工工程において、所望の形状に対応する総型砥石を用いることにより、面取面と凹み部を一度に形成してもよい。
固定砥粒による研削工程では、遊星歯車機構を備えた両面研削装置を用いて、ガラス素板の主表面に対して研削加工(機械加工)を行う。固定砥粒の粒子サイズは、例えば10μm程度である。両面研削装置は、上下一対の定盤(上定盤および下定盤)を有しており、上定盤および下定盤の間にガラス素板が狭持される。そして、上定盤または下定盤のいずれか一方、または、双方を移動操作させることで、ガラス素板と各定盤とを相対的に移動させることにより、このガラス素板の両主表面を研削することができる。なお、(5)の工程の変わりに、遊離砥粒による研削工程としてもよい。
次に、端面研磨工程について説明する。固定砥粒による研削工程後、端面研磨工程では、ガラス素板の端面研磨が行われる。
端面研磨では、ガラス素板の内周端面及び外周端面に対して、ブラシ研磨により鏡面仕上げを行う。このとき、酸化セリウムやジルコニア等の微粒子を遊離砥粒として含むスラリーが用いられる。また、側壁面と面取面と凹み部を同時に研磨することができる。端面研磨では、凹み部の表面の算術平均粗さRaが0.1μm以下となるように研磨することが好ましい。なお、側壁面についても同様に研磨することが好ましい。凹み部の表面粗さの測定には、例えばレーザ顕微鏡を用いて測定する波長帯域を0.25μmから80μmに設定して側壁面を測定し、測定した範囲の中から50μm角の領域を選択して解析して得ることができる。取り代は、ガラス素板の直径の変化量としてみた場合に、例えばφ10〜30μm程度である。端面研磨を行うことにより、ガラス素板の端面での塵等が付着した汚染、ダメージあるいはキズ等の損傷の除去を行うことにより、サーマルアスペリティの発生の防止や、ナトリウムやカリウム等のコロージョンの原因となるイオン析出の発生を防止することができる。
なお、端面研磨工程後において、凹み部の凹みの深さは、50μm以下であることが好ましい。凹みの深さが50μmより大きいと、内孔における基板(内孔の縁部)の強度が低下して、割れやすくなる恐れがある。
また、面取面と側壁面との境界部分においては、その曲率半径が0.1〜0.3mmの範囲内となっていることが好ましい。曲率半径がこの範囲より小さいと境界部分のエッジが尖り過ぎるため欠け易くなる上、スピンドルを傷つけやすくなる。逆に、曲率半径がこの範囲より大きいと側壁面において板厚方向に平坦な面が得られにくく、内径のばらつきが公差内に収まらなくなる恐れがある。
さらに、凹み部は、内周端面のブラシ研磨によって形成してもよい。こうすることで、鏡面研磨を実施しながらゆっくりと凹み部を形成することができるので、凹み部の形成時にカケが発生することがなく、安定して製造することが可能となる。なおこの場合、研磨ブラシをガラス基板の端面に押し付ける圧力やブラシの仕様、ブラシとガラス基板の回転数など種々の条件を変更することで凹み部の形状を変更することができる。ブラシ研磨では主に円弧状の凹み部を形成することができる。
次に、端面研磨工程後のガラス素板の主表面に第1研磨が施される。
第1研磨工程では、例えば、遊星歯車機構を備えた両面研磨装置を用いて、研磨液を与えながら研磨する。第1研磨工程では、固定砥粒による研削と異なり、固定砥粒の代わりにスラリーに混濁した遊離砥粒を用いる。第1研磨に用いる遊離砥粒として、例えば、スラリーに混濁させた酸化セリウム砥粒、あるいはジルコニア砥粒などが用いられる。両面研磨装置は、上下一対の定盤(上定盤および下定盤)を有しており、上定盤および下定盤の間にガラス素板が狭持される。なお、下定盤の上面及び上定盤の底面には、全体として円環形状の平板の研磨パッドが取り付けられている。そして、上定盤または下定盤のいずれか一方、または、双方を移動操作させることで、ガラス素板と各定盤とを相対的に移動させることにより、このガラス素板の両主表面を研磨することができる。
次に、第1研磨工程後のガラス素板は化学強化される。
化学強化液として、例えば硝酸カリウム(60重量%)と硫酸ナトリウム(40重量%)の混合液等を用いることができる。化学強化工程では、化学強化液を例えば300℃〜400℃に加熱し、洗浄したガラス素板を予熱した後、ガラス素板を化学強化液中に、例えば3時間〜4時間浸漬する。この浸漬の際には、ガラス素板の両主表面全体が化学強化されるように、複数のガラス素板が端面で保持されるように、ホルダに収納した状態で行うことが好ましい。
次に、化学強化工程後のガラス素板に第2研磨が施される。第2研磨工程では、例えば、第1研磨工程で用いた両面研磨装置を用いる。このとき、第1研磨工程と異なる点は、遊離砥粒の種類及び粒子サイズが異なることと、樹脂ポリッシャの硬度が異なることである。
研磨されたガラス素板を洗浄することで、磁気ディスク用ガラス基板が得られる。
第2研磨工程を実施することは必ずしも必須ではないが、ガラス素板の主表面の表面凹凸のレベルをさらに良好なものとすることができる点で実施することが好ましい。第2研磨工程を実施することで、主表面の粗さ(Ra)を0.15nm以下とすることができる。なお、主表面の粗さ(Ra)は、走査型プローブ顕微鏡(原子間力顕微鏡;AFM)で1μm×1μm角の測定エリアにおいて、256×256ピクセルの解像度で測定したときの算術平均粗さRaを用いることができる。
磁気ディスクは、磁気ディスク用ガラス基板を用いて以下のようにして得られる。
磁気ディスクは、例えば磁気ディスク用ガラス基板(以下、単に「基板」という。)の主表面上に、主表面に近いほうから順に、少なくとも付着層、下地層、磁性層(磁気記録層)、保護層、潤滑層が積層された構成になっている。
例えば基板を、真空引きを行った成膜装置内に導入し、DCマグネトロンスパッタリング法にてAr雰囲気中で、基板の主表面上に付着層から磁性層まで順次成膜する。付着層としては例えばCrTi、下地層としては例えばCrRuを用いることができる。磁性層としては、例えばCoPt系合金を用いることができる。また、L10規則構造のCoPt系合金やFePt系合金を形成して熱アシスト磁気記録用の磁性層とすることもできる。上記成膜後、例えばCVD法によりC2H4を用いて保護層を成膜し、続いて表面に窒素を導入する窒化処理を行うことにより、磁気記録媒体を形成することができる。その後、例えばPFPE(パーフルオロポリエーテル)をディップコート法により保護層上に塗布することにより、潤滑層を形成することができる。
作製された磁気ディスクは、好ましくは、DFH(Dynamic Flying Height)コントロール機構を搭載した磁気ヘッドと、磁気ディスクを固定するためのスピンドルとを備えた、磁気記録再生装置としての磁気ディスクドライブ装置(HDD(Hard Disk Drive))に組み込まれる。
本実施形態の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法の効果を確認するために、製造した磁気ディスク用ガラス基板から2.5インチの磁気ディスクを作製し、LUL耐久試験を行って、ヘッドクラッシュ障害やサーマルアスペリティ障害等の不具合の発生有無を調べた。
製造した磁気ディスク用ガラス基板は、以下の組成からなるアモルファスのアルミノシリケートガラスである。
[ガラスの組成]
酸化物基準に換算し、モル%表示で、SiO2を50〜75%、Al2O3を1〜15%、Li2O、Na2O及びK2Oから選択される少なくとも1種の成分を合計で5〜35%、MgO、CaO、SrO、BaO及びZnOから選択される少なくとも1種の成分を合計で0〜20%、ならびにZrO2、TiO2、La2O3、Y2O3、Ta2O5、Nb2O5及びHfO2から選択される少なくとも1種の成分を合計で0〜10%、有する組成からなるアモルファスのアルミノシリケートガラス
ここで、
(1)のガラス素板の成形は、特開2011−207738号公報に記載される磁気ディスク用ガラス基板の製造方法で用いられるプレス成形方法を用いた。得られたガラス素板の板厚は表1に示すとおりであった。また、(3)の形状加工(チャンファリング加工)後の内孔を構成する側壁面の板厚方向の長さ(図1BのL)は、表1に示すとおりであった。
(3)の形状加工では、面取り角度を45度とした。
(4)凹み部加工では、ダイヤモンド砥粒SD#325〜800の粒度を用いた電着ボンド砥石を用いて凹み部を形成した。実施例において、内孔を構成する側壁面のうち凹み部を除いた板厚方向の長さ(t1+t2)は、表1に示したとおりであった。凹み部は板厚方向の断面において円弧状であり、側壁面からの深さは最も深いところで20μmであり、円周方向の全周にわたって形成した。
(5)の固定砥粒による研削では、ダイヤモンドシートを上定盤、下定盤に貼り付けた研削装置を用いて研削した。
(6)の端面研磨では、スペーサをガラス素板間に挟んで積層した複数のガラス素板を、粒径の平均値(D50)が1.0μmの酸化セリウムを遊離砥粒として用いて、研磨ブラシ
により研磨した。
(7)の第1研磨では、遊星歯車を備えた両面研磨装置を用いて酸化セリウム砥粒のスラリーにより60分間研磨した。
(8)の化学強化では、化学強化液として硝酸カリウム(60重量%)と硝酸ナトリウム(40重量%)の混合液等を用い、化学強化液の温度を350℃とし、予め予熱されたガラス素板を化学強化液内に4時間浸漬させた。
(9)の第2研磨では、第1研磨と同様の研磨装置を用いてコロイダルシリカの微粒子を混濁させたスラリーにより30分間研磨した。第2研磨後のガラス素板は、中性洗浄液及びアルカリ性洗浄液を用いて洗浄された。これにより、磁気ディスク用ガラス基板を得た。上記工程により、凹み部にも化学強化による圧縮応力層が形成された。また、凹み部の粗さを測定したところいずれもRaで0.1μm以下であった。
なお、LUL耐久試験に先立ってHDDにてサーティファイテスト(磁気信号の書き込み/読み出し試験)を実施したが、実施例1〜7及び比較例1に特に異常は認められなかった。すなわち、フラッタリングによるエラーは発生しなかった。
よって、高速回転時のフラッタリングの抑制と、側壁部に凹み部を設けることによる側壁面のスピンドルとの接触面積の抑制とを両立させるためには、磁気ディスクの板厚を1.0mm以上とすることが好ましい。また、内孔を構成する側壁面の板厚方向の長さが0.7mm以上であると好ましい。
一方、t1+t2=0.10mm、t3=0.20mmとした以外は参考例1と同様にして磁気ディスク用ガラス基板を作製し(参考例2)、同様にLUL耐久試験を行ったところ、合格であったものの、試験後において内孔の側壁面を観察したところ1箇所カケが認められた。
すなわち、薄板の磁気ディスクである場合、例えばLが0.3mm以下の場合であっても、側壁面の板厚方向の長さにおいてスピンドルと接触する部位の長さが一定比率以上を占めるようにする(具体的には、t3/Lの値が0.5以下とする)ことで、カケが生じ難くなることが確認された。
なお、LUL耐久試験に先立ってHDDにてサーティファイテストを実施したが、作製した磁気ディスクに特に異常は認められなかった。すなわち、フラッタリングによるエラーは発生しなかった。
Claims (12)
- 回転数が10000回転以上で動作する磁気ディスクドライブ装置に用いられ、一対の主表面と、内孔及び外形を構成する2つの側壁面と、主表面と側壁面との間の面取面とを有するドーナツ型の磁気ディスク用ガラス基板であって、
磁気ディスクドライブ装置に用いられたときにフラッタリングを生じない板厚を有し、
内孔を構成する側壁面は、凹み部を有することを特徴とする、
磁気ディスク用ガラス基板。 - 一対の主表面と、内孔及び外形を構成する2つの側壁面と、主表面と側壁面との間の面取面とを有するドーナツ型の磁気ディスク用ガラス基板であって、
内孔を構成する側壁面は、円弧状の凹み部を有することを特徴とする、
磁気ディスク用ガラス基板。 - 回転数が10000回転以上で動作する磁気ディスクドライブ装置に用いられ、一対の主表面と、内孔及び外形を構成する2つの側壁面と、主表面と側壁面との間の面取面とを有するドーナツ型の磁気ディスク用ガラス基板であって、
磁気ディスクドライブ装置に用いられたときにフラッタリングを生じない板厚を有し、
内孔を構成する側壁面は、円弧状の凹み部を有することを特徴とする、
磁気ディスク用ガラス基板。 - 内孔を構成する側壁面は、前記主表面と直交する面を含むことを特徴とする、
請求項1〜3のいずれかに記載された磁気ディスク用ガラス基板。 - 板厚が1.0mm以上であることを特徴とする、
請求項1〜4のいずれかに記載された磁気ディスク用ガラス基板。 - 前記凹み部を含めた、内孔を構成する側壁面の板厚方向の長さは、0.7mm以上であることを特徴とする、
請求項1〜5のいずれかに記載された磁気ディスク用ガラス基板。 - 内孔を構成する側壁面のうち前記凹み部を除いた板厚方向の長さは、0.8mm以下であることを特徴とする、
請求項1〜6のいずれかに記載された磁気ディスク用ガラス基板。 - 前記凹み部の表面が鏡面となるように研磨されていることを特徴とする、
請求項1〜7のいずれかに記載された磁気ディスク用ガラス基板。 - 前記凹み部の凹みの最大深さが50μm以下であることを特徴とする、
請求項1〜8のいずれかに記載された磁気ディスク用ガラス基板。 - 前記凹み部は、前記側壁面の一周に亘って形成されていることを特徴とする、
請求項1〜9のいずれかに記載された磁気ディスク用ガラス基板。 - 請求項1〜10に記載された磁気ディスク用ガラス基板に対して、少なくとも磁性層が成膜されている、磁気ディスク。
- 請求項11に記載された磁気ディスクと、前記磁気ディスクを固定するためのスピンドルと、磁気ヘッドとを備えた、磁気ディスクドライブ装置。
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