JP5868983B2 - 電圧の安定した内部層をもつ被覆導体 - Google Patents

電圧の安定した内部層をもつ被覆導体 Download PDF

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Description

背景技術
典型的な電力ケーブルは、1又はそれ以上の高分子材料の層に囲まれているケーブル心線の中に1又はそれ以上の導体を含む。中電圧(6〜36kV)及び高電圧(36kV超)及び超高電圧(220kV超)のケーブルは、一般に、内側の半導体層、続いて絶縁層、次に外側の半導体層、そして最も外側の層(又は外装)に囲まれている心線を含む。
ケーブル系の負荷容量は、一つには、導体からの熱移動によって制限される。ポリオレフィン、例えばポリエチレンなどは、絶縁層及び/又は半導体層にたびたび使用されている。ポリエチレンは、低い誘電率及び比較的高い絶縁破壊強度を有する。
公知のものは、電力ケーブル中の絶縁層の絶縁破壊強度を高める、ポリオレフィン組成物のための電圧安定剤である。しかし、従来の電圧安定剤(例えば多環式芳香族のファミリー、例、アセンなど)は、ポリオレフィンとの適合性が低い。当分野では、(i)ケーブル絶縁材の絶縁破壊強度の向上、(ii)既存のケーブル設計による信頼度の向上及び/又は(iii)増加したエネルギー量を送達する能力のある高応力設計の提供のための、ポリオレフィンに適合する電圧安定剤の継続的な必要性が認識されている。
概要
本開示は、改良された絶縁破壊強度をもつポリマー組成物に関する。本ポリマー組成物は、(i)高分子成分及び(ii)電圧安定剤(VSA)で構成され、改良された絶縁破壊強度及び高い電気的応力への増加した耐久性を示す。本電圧安定剤は、ポリオレフィンに適合性があり、ポリオレフィンへの絶縁破壊強度を向上させるが、一般に電力ケーブル絶縁組成物で行われる架橋化学にあまり影響を及ぼさない。本ポリマー組成物は、電線・ケーブル用途、特に電力ケーブルにおける絶縁層としての使用が見出される。
実施形態では、被覆された導体が提供され、それには導体、最も外側の不透明層、及び、導体の上に位置する層である内部層が含まれる。内部層は、導体と最外層との間に位置している。内部層は、ポリマー組成物で構成されている。ポリマー組成物には、ポリオレフィン、及び下の構造(I)のトリアジンが含まれる。
−Rは、同じであるか又は異なっている。R−Rの各々は、水素、C−C30ヒドロカルビル基、置換C−C30ヒドロカルビル基、ヒドロキシル基、及びそれらの組合せから選択される。
本開示の利点は、改良された絶縁破壊強度をもつポリマー組成物である。
本開示の利点は、改良されたポリオレフィンとの適合性をもつ電圧安定剤である。
本開示の利点は、ポリマー組成物においてトリーイングを低減する電圧安定剤である。
本開示の実施形態に従う電力ケーブルの斜視図である。
本開示の実施形態に従う実施例1及び2のポリマー組成物についてのワイブル分析を示す図である。
詳細な説明
本開示は、ポリマー組成物を提供する。このポリマー組成物には、(i)ポリマー成分、(ii)電圧安定剤、及び(iii)所望によりその他の添加剤が含まれる。
ポリマー成分には、熱可塑性材料及び/又は熱硬化性材料(例えばシリコーンゴムなど)が含まれてよい。ポリマー成分は、架橋されていても架橋されていなくてもよい。適した熱可塑性材料の限定されない例としては、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリアセタール、ポリカーボネート、ビニルポリマー、ポリアミド、ポリイミド、アクリル、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリエーテルケトン、セルロース系材料、ポリエステル、ポリエーテル、フルオロポリマー、ならびにそれらの共重合体、例えばオレフィン−ビニル共重合体、オレフィン−アリル共重合体ならびにポリエーテル及びポリアミドの共重合体が挙げられる。ビニルポリマーの例としては、ポリビニルクロライド、ポリビニルアセテート、ビニルクロライド/ビニルアセテート共重合体、ポリビニルアルコール及びポリビニルアセタールが挙げられる。
架橋したポリマー成分を使用することが望ましい場合、架橋は、以下の限定されない手順の1又はそれ以上により達成することができる:フリーラジカル架橋(すなわち、過酸化物架橋);放射線架橋(電子加速器、ガンマ線、高エネルギー放射線、例えばX線、マイクロ波など);熱架橋、及び/又は湿分硬化性架橋(すなわち、シラン−グラフト)。
実施形態では、ポリマー成分は、ポリオレフィンである。適したポリオレフィンの限定されない例は、ホモポリマー及び1又はそれ以上のC−C20α−オレフィンを含有する共重合体である。この開示の目的のため、エチレンは、α−オレフィンとみなされる。適したα−オレフィンの限定されない例としては、エチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、及び1−オクテンが挙げられる。適したポリオレフィンの限定されない例としては、エチレン系ポリマー、プロピレン系ポリマー、及びそれらの組合せが挙げられる。「エチレン系ポリマー」又は「ポリエチレン」及び同様の用語は、少なくとも50モルパーセント(mol%)のエチレン由来単位を含有するポリマーである。「プロピレン系ポリマー」又は「ポリプロピレン」及び同様の用語は、少なくとも50モルパーセントのプロピレン由来単位を含有するポリマーである。
実施形態では、ポリマー成分は、エチレン系ポリマーである。エチレン系ポリマーは、エチレンホモポリマーであってもよいし、エチレン/α−オレフィンインターポリマーであってもよい。α−オレフィン含有量は、インターポリマーの重量に基づいて、約5、又は約10、又は約15、又は約20、又は約25重量%から、50未満、又は約45未満、又は約40未満、又は約35重量%未満である。α−オレフィン含有量は、ランドール(Rev. Macromol. Chem. Phys., C29 (2&3))に記載の手順を用いて13C核磁気共鳴(NMR)分光法によって測定される。通常、インターポリマーのα−オレフィン含有量が大きいほど、密度は低く、インターポリマーの非晶質部分は大きくなる。これは、保護絶縁層に望ましい物理的及び化学的特性となる。
α−オレフィンは、C3−20の線状、分枝状又は環状α−オレフィンである。適したC3−20α−オレフィンの限定されない例としては、プロペン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、及び1−オクタデセンが挙げられる。また、α−オレフィンは、環状構造、例えばシクロヘキサン又はシクロペンタンも含有することもでき、α−オレフィン、例えば3−シクロヘキシル−1−プロペン(アリルシクロヘキサン)及びビニルシクロヘキサンなどをもたらす。この用語の古典的な意味においてα−オレフィンではないが、本開示の目的において、ある種の環状オレフィン、例えばノルボルネン及び関連オレフィン、特に5−エチリデン−2−ノルボルネンは、α−オレフィンであり、上記のα−オレフィンの一部又は全ての代わりに使用することができる。同様に、スチレン及びその関連オレフィン(例えば、α−メチルスチレンなど)は、本開示の目的において、α−オレフィンである。適したエチレン系ポリマーの限定されない例としては、以下の共重合体が挙げられる:エチレン/プロピレン、エチレン/ブテン、エチレン/1−ヘキセン、エチレン/1−オクテン、エチレン/スチレン、エチレン−ビニルアセテート、エチレン−ビニルプロピオネート、エチレン−ビニルイソブチレート、エチレン−ビニルアルコール、エチレンメチルアクリレート、エチレン−エチルアクリレート、エチレン−エチルメタクリレート、エチレン/ブチル−アクリレート共重合体(EBA)、エチレン−アリルベンゼン、エチレン−アリルエーテル、及びエチレン−アクロレイン;エチレン−プロピレン(EPR)又はエチレン−プロピレン−ジエン(EPDM)ゴム;天然ゴム;ブチルゴム及び同類のもの。
適したターポリマーの限定されない例としては、エチレン/プロピレン/1−オクテン、エチレン/プロピレン/ブテン、エチレン/ブテン/1−オクテン、エチレン/プロピレン/ジエンモノマー(EPDM)及びエチレン/ブテン/スチレンが挙げられる。共重合体/インターポリマーはランダム又はブロック状であってよい。
エチレン系ポリマーは、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン、(MDPE)、低密度ポリエチレン、(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、及び/又は極低密度ポリエチレン(VLDPE)であってよい。本開示の実践において使用されるエチレン系ポリマーは、単独で使用してもよいし、1又はそれ以上のその他のエチレン系ポリマー、例えば、「相互に異なる」2又はそれ以上のエチレン系ポリマーのブレンドと組み合わせて使用してもよく、それはそのエチレン系ポリマーが、少なくとも1つの特性、例えば:調製物のモノマー/コモノマー組成及び含有量、メルトインデックス、溶融温度、分枝度、触媒法などで珍しいことを意味する。エチレン系ポリマーが2又はそれ以上のエチレン系ポリマーのブレンドである場合、そのエチレン系ポリマーは、反応器内又は反応器後のプロセスによってブレンドすることができる。反応器は、同じ触媒を装入するが異なる条件、例えば異なる反応体濃度、温度、圧力などで運転するか、又は同じ条件で運転するが異なる触媒を装入することができる。
高圧法で製造されるエチレン系ポリマーの例としては、(限定されるものではないが)低密度ポリエチレン(LDPE)、エチレンビニルアセテート共重合体(EVA)、エチレンエチルアクリレート共重合体(EEA)、及びエチレンシランアクリレートターポリマーが挙げられる。
エチレン系ポリマーの限定されない例としては、極低密度ポリエチレン(VLDPE)(例、ダウケミカル社製造のFLEXOMER(登録商標)エチレン/1−ヘキセンポリエチレン)、均一に分枝した、線状エチレン/α−オレフィン共重合体(例、三井石油化学株式会社製のTAFMER(登録商標)及びエクソンケミカル社製のEXACT(登録商標))、均一に分枝した、実質的に線状のエチレン/α−オレフィンポリマー(例、ダウケミカル社より入手可能なAFFINITY(登録商標)及びENGAGE(登録商標)ポリエチレン)、及びエチレンブロック共重合体(例、ダウケミカル社より入手可能なINFUSE(登録商標)ポリエチレン)が挙げられる。実質的に線状のエチレン共重合体は、米国特許第5,272,236号明細書、同第5,278,272号明細書及び同第5,986,028号明細書に記載されている。
電圧安定剤
ポリマー成分に加えて、ポリマー組成物には電圧安定剤(又はVSA)が含まれる。「電圧安定剤」は、本明細書において、電界にさらされた場合のポリマー材料への損傷を低下させる化合物である。VSAは、電子を捕捉又は停止させて(deactivate)、絶縁材における電気トリーイングを抑制するか、あるいは高局在性の電界(欠陥又は混入物質の付近)の効果的な遮蔽をもたらし、それによってポリオレフィンに損傷を与えうる注入電子のエネルギー及び/又は周波数を低下させると考えられてきた。VSAをポリマー成分とブレンドすることにより、トリーイングは抑制されるか、あるいは遅延される。特定の理論に縛られるものではないが、VSAは、ポリマー成分中の欠陥を埋め、かつ/又は囲み、その欠陥はトリー発生点であると考えられる。欠陥には、ポリマー成分中に存在する空隙及び/又は不純物が含まれる。
ポリマー組成物には、(i)ポリオレフィン、(ii)トリアジンを含有するVSA、及び(iii)随意の添加剤が含まれる。トリアジンは下の構造(I)を有する。
−Rは、同じであるか又は異なっている。R−Rの各々は、水素、C−C30ヒドロカルビル基、置換C−C30ヒドロカルビル基、ヒドロキシル基、及びそれらの組合せから選択される。
本明細書において、用語「ヒドロカルビル」又は「炭化水素」は、水素原子及び炭素原子のみを含有する置換基であり、それには、分枝もしくは非分枝、飽和もしくは不飽和、環状、多環式、縮合、又は非環式の種、及びそれらの組合せが含まれる。ヒドロカルビル基の限定されない例としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルカジエニル基、シクロアルケニル基、シクロアルカジエニル基、アリール基、アラルキル基、アルキルアリール基、及びアルキニル基が挙げられる。
本明細書において、用語「置換ヒドロカルビル」又は「置換炭化水素」は、1又はそれ以上の非ヒドロカルビル置換基で置換されているヒドロカルビル基である。非ヒドロカルビル置換基の限定されない例は、ヘテロ原子である。本明細書において、「ヘテロ原子」は、炭素又は水素以外の原子である。ヘテロ原子は、周期律表のIV族、V族、VI族、及びVII族の非炭素原子であり得る。ヘテロ原子の限定されない例としては:ハロゲン(F、Cl、Br、I)、N、O、P、B、S、及びSiが挙げられる。また、置換ヒドロカルビル基には、ハロヒドロカルビル基及びケイ素含有ヒドロカルビル基も含まれる。本明細書において、用語「ハロヒドロカルビル」基は、1又はそれ以上のハロゲン原子で置換されているヒドロカルビル基である。置換ヒドロカルビルの例は、アルコキシ基である。
実施形態では、ポリオレフィンは、ポリエチレンである。
実施形態では、ポリオレフィンは、架橋ポリエチレンである。
実施形態では、R−Rの少なくとも1つは、C−C30ヒドロカルビル基である。
実施形態では、R−Rの少なくとも1つは、置換C−C30ヒドロカルビル基である。
実施形態では、R−Rの少なくとも1つには、アリール基が含まれる。
実施形態では、R−Rの各々には、アリール基が含まれる。
実施形態では、トリアジンは、ケト−エノール互変異性が可能である。この実施形態では、R及びRの少なくとも1つはヒドロキシル基である。特定の理論に縛られるものではないが、ケト−エノール互変異性は、VSAに、より一層のエネルギー散逸をもたらすと考えられる。ケト−エノール互変異性は、トリアジンにさらなる電子捕獲能力をもたらす。
ケト−エノール互変異性が可能なトリアジンの限定されない例は、下の構造(II)のトリアジンである。
実施形態では、ポリマー組成物は、約0.1重量%、又は約0.2重量%〜約3重量%、又は約1重量%のトリアジンを含有する。トリアジンは、構造(I)及び/又は構造(II)のいずれかの既に開示されたトリアジンであってよい。
実施形態では、VSAは、構造(I)及び/又は構造(II)の2つの異なるトリアジンの混合物であってよい。
前述のVSAは、予想外に、本ポリマー組成物を含有する絶縁層において絶縁破壊強度を改善する。絶縁破壊強度の改善は、以降に記載される実施例1及び2に示される絶縁破壊電圧の増加に見ることができる。
さらに、本VSAは、良好なポリオレフィンマトリックス中の溶解度及び低い移行性を示す。本VSAは、ポリマー組成物のその他の成分、特に架橋剤と効果的に使用することができる。
添加剤
前述のポリマー組成物のいずれも、所望により1又はそれ以上の添加剤を含有してよい。適した添加剤の限定されない例としては、酸化防止剤、安定剤、加工助剤、スコーチ防止剤、及び/又は架橋ブースターが挙げられる。酸化防止剤として、立体障害もしくは半立体障害フェノール、芳香族アミン、脂肪族立体障害アミン、有機ホスフィット、チオ化合物、及びそれらの混合物を言及することができる。典型的な架橋ブースターとしては、ビニル又はアリル基を有する化合物、例えばトリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、及びジ−、トリ−もしくはテトラ−アクリレートを挙げることができる。さらなる添加剤として、難燃剤添加剤、酸スカベンジャー、無機充填剤、水トリー抑制剤及びその他の電圧安定剤を挙げることができる。
「スコーチ防止剤」は、本明細書において、前記化合物を含まずに押出された同じポリマー組成物と比較した場合に、使用される典型的な押出温度で、ポリマー組成物の押出の間のスコーチの形成を低減する化合物である。スコーチ防止特性のほかに、スコーチ防止剤は、ブースティング、すなわち架橋工程中の架橋性能を強化することのようなさらなる効果を同時にもたらすことができる。
ポリマー組成物は、本明細書に開示される2又はそれ以上の実施形態を含みうる。
被覆導体
本開示は、本ポリマー組成物を含有する物品を提供する。実施形態では、物品には、導体及び導体の上の被膜が含まれる。これが被覆導体を形成する。導体は、単一ケーブルであってもよいし、結合された複数のケーブル(すなわち、ケーブル心線、又は心線)であってもよい。被覆導体は、軟質であってもよいし、半硬質であってもよいし、硬質であってもよい。適した被覆導体の限定されない例としては、フレキシブル配線、例えば消費者家電用のフレキシブル配線など、電力ケーブル、携帯電話及び/又はコンピュータ用の充電器の電線、コンピュータのデータ・コード、電源コード、電気器具配線材料、及び消費者家電のアクセサリ・コードが挙げられる。
被膜は導体の上に位置する。被膜は、1又はそれ以上の内部層、例えば絶縁層及び/又は遮蔽層及び/又は半導体層などであってよい。また、被膜には1又はそれ以上の外部層(群)(「ジャケット」又は「外装」とも呼ばれる)が含まれてもよい。被膜には、本明細書に開示される本ポリマー組成物のいずれかが含まれる。本明細書において、「上に(on)」には、被膜(又は層)と導体との間の直接的接触又は間接的接触が含まれる。「直接的接触」は、それによって被膜が導体に直接接触し、被膜と導体の間に介在層(群)及び/又は介在材料(群)が位置しない配置である。「間接的接触」は、それによって介在層(群)及び/又は介在構造(群)もしくは材料(群)が、導体と被膜の間に位置する配置である。被膜は、導体を全体的に又は部分的に覆うか、あるいは導体を囲むか又は包みうる。被膜は、導体を囲む唯一の成分であり得る。あるいは、被膜は、金属導体を包む多層構造のうちの1層、ジャケット、又は外装であり得る。
実施形態では、被覆された導体が提供され、それには導体、内部層及び最も外側の不透明層(又は外装)が含まれる。最も外側の不透明層は、露出層又は周囲環境に接触している層である。内部層は、導体と最外層との間に位置する。言い換えれば、内部層は、周囲環境に触れていない、かつ/又は、日光にさらされていない。内部層には、ポリオレフィン及び上に開示されるVSAを含有するポリマー組成物が含まれる。VSAは、本明細書に開示される構造(I)及び/又は構造(II)のいずれのトリアジンであってもよいし、2つの異なるトリアジンのブレンドであってもよい。
実施形態では、内部層(ポリオレフィン及びVSAを含有)には、日光にさらされる層(群)は除外される。
実施形態では、内部層のポリマー組成物は、ポリエチレンを含有する。
実施形態では、内部層のポリマー組成物は、架橋ポリエチレンを含有する。
実施形態では、被覆導体は、1kVよりも大きい電圧で、又は6kVよりも大きく36kVまで(中電圧)、又は36kV超(高電圧)、又は220kV超(超高電圧)で動作する電力ケーブルである。図1は、絶縁された電力ケーブル10(すなわち、被覆導体)を示し、それには、金属導体12、内部遮蔽層14、絶縁層16、外部遮蔽層18、巻き付けたワイヤ又は導電バンドからなる金属スクリーン20、及び最外層22(外装としても公知)が含まれる。最外層22は不透明である。
実施形態では、内部の遮蔽層14及び/又は絶縁層16及び/又は外部の遮蔽層18は、ポリエチレン、及び構造(I)及び/又は(II)のトリアジンを含有するポリマー組成物で構成される。言い換えれば、内部層は、絶縁層及び/又は遮蔽層であってよく、その一方又は両方は本ポリマー組成物を含有する。
本被覆金属導体は、本明細書に開示される2又はそれ以上の実施形態を含みうる。
定義
本明細書において、全ての元素周期律表への言及は、2003年にCRC Press社が出版し著作権を有する元素周期律表をさすものとする。また、1又は複数の族へのあらゆる言及は、族の番号付けにIUPAC系を用いるこの元素周期律表において反映される1又は複数の族をさすものとする。それと反対の記述のない限り、文脈から暗示されない限り、又は当分野で慣用されていない限り、全ての部及び百分率は重量に基づく。米国特許実務の目的上、本明細書において参照されるあらゆる特許、特許出願又は公報の内容は、特に、合成技法、定義(本明細書に記載されるどの定義とも矛盾しない程度まで)、及び当分野の一般知識の開示に関して、参照によりその全文が本明細書に援用される(又はその同等の米国特許が参照によりそのように援用される)。
本明細書において列挙されるどの数値範囲にも、任意の下方値とそれより高い任意の値との間に少なくとも2単位の分離があるという条件で、下方値から上方値までの全ての値が1単位の増分で含まれる。一例として、成分、又は組成もしくは物理的特性の値の量、例えば、ブレンド成分、軟化温度、メルトインデックスなどの量が、1〜100の間であると述べられている場合、それは、全ての個々の値、例えば、1、2、3など、及び全ての下位範囲、例えば、1〜20、55〜70、197〜100などが、本願において明示的に列挙されていることを意図する。1未満の値については、1単位は、必要に応じて、0.0001、0.001、0.01又は0.1であるとみなされる。これらは具体的に意図されるもののほんの例であり、列挙される最低値と最高値との間の数値の全ての可能な組合せは、本願において明示的に述べられているとみなされる。言い換えれば、本明細書において列挙される任意の数値範囲には、述べられた範囲内の任意の値又は下位範囲が含まれる。本明細書において考察されるように、数値範囲(参照メルトインデックス、メルトフローレート、及びその他の特性)が列挙されている。
用語「アルキル」とは、本明細書において、分枝もしくは非分枝の、飽和炭化水素ラジカルをさす。適したアルキルラジカルの限定されない例としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、t−ブチル、i−ブチル(又は2−メチルプロピル)などが挙げられる。これらのアルキルは、1〜30個の炭素原子を有する。
用語「アリール」又は「アリール基」は、本明細書において、芳香族炭化水素化合物に由来する置換基である。アリール基は、合計6〜20個の環原子を有し、1又はそれ以上の別個の環又は縮合環を有し、アルキル基及び/又はハロ基で置換されていてよい。芳香環(群)には、数ある中でも、フェニル、ナフチル、アントラセニル、及びビフェニルが含まれてよい。
用語「アリールアルキル」又は「アリールアルキル基」は、本明細書において、脂肪族と芳香族の両構造を含有する化合物である。用語「アリールアルキル基」には、「アラルキル基」(少なくとも1つのアリール基で置換されたアルキル基)及び/又は「アルキルアリール基」(少なくとも1つのアルキル基で置換されたアリール基)が含まれる。
用語「ブレンド」又は「ポリマーブレンド」は、本明細書において、2又はそれ以上のポリマーのブレンドである。そのようなブレンドは、混和性(分子レベルで相分離しない)であってもなくてもよい。そのようなブレンドは、相分離していてもしていなくてもよい。そのようなブレンドは、透過電子分光法、光散乱、X線散乱、及び当分野で公知のその他の方法から決定される1又はそれ以上のドメイン配置を含有していてもしていなくてもよい。
絶縁体の「絶縁破壊電圧」は、絶縁体の一部を導電性とする最低限の電圧である。
「ケーブル」及び同様の用語は、保護絶縁材、ジャケット又は外装の中の少なくとも1つのワイヤ又は光ファイバーである。一般に、ケーブルは、一般の保護絶縁材、ジャケット又は外装中の束ねられた2又はそれ以上のワイヤ又は光ファイバーである。ジャケットの内側の個々のワイヤ又はファイバーは、むき出しであってもよいし、被覆されていてもよいし、絶縁されていてもよい。結合ケーブルは、電線と光ファイバーの両方を含むことができる。ケーブルなどは、低、中及び高電圧用途用に設計することができる。典型的なケーブル設計は、米国特許第5,246,783号明細書、同第6,496,629号明細書及び同第6,714,707号明細書に説明されている。
「組成物」及び同様の用語は、2又はそれ以上の成分の混合物又はブレンドを意味する。
用語「組成物」は、本明細書において、組成物を構成する材料、ならびに組成物の材料から形成される反応生成物及び分解生成物の混合物を含む。
用語「含む」及びその派生語は、それが本明細書に開示されていようといまいと、任意の追加の成分、工程又は手順の存在を排除することを意図するものではない。疑いを避けるために、用語「含む」の使用を通じて本明細書において特許請求される全ての組成物には、それと反対の記述のない限り、任意の追加の添加剤、アジュバント、又は化合物が、高分子化合物であろうと別の化合物であろうと含まれうる。対照的に、用語「から本質的になる」は、実施可能性に不可欠でないものを除いて、任意のその他の成分、工程又は手順を後続の列挙範囲から除外する。用語「からなる」は、具体的に描写又は記載されていないあらゆる成分、工程又は手順を除外する。用語「又は」は、特に明記されない限り、記載されたメンバーを個別に、ならびに任意の組合せでさす。
「導体」は、任意の電圧(DC、AC、又は過渡)でエネルギーを移動させるための、細長い形状(ワイヤ、ケーブル、ファイバー)の要素である。導体は、一般に、少なくとも1つの金属ワイヤ又は少なくとも1つの金属ケーブル(例えばアルミニウム又は銅など)であるが、光ファイバーを含めてもよい。
「架橋した」「硬化した」及び同様の用語は、ポリマーが、物品に成形される前又は後に、架橋を誘導する処理に付されたか又は曝露されたこと、及び90重量パーセント以下のキシレン又はデカレン(decalene)抽出物(すなわち、10重量パーセント以上のゲル含有量)を有することを意味する。
「絶縁層」は、1010ohm−cmよりも大きい、又は1012ohm−cmよりも大きい体積抵抗率を有する層である。
「層」は、本明細書において、導体を囲む、ポリマーをベースとする層、例えば、電気絶縁層、半導電層、外装、保護層、遮水層、又は複合機能を果たす層、例えば、導電性充填剤を充填した(charged with)保護層である。
用語「中電圧」は、通常、6kV〜約36kVの間の電圧を意味し、一方「高電圧」は、36kVよりも高い電圧を意味し、「超高電圧」は通常、220kVよりも高い電圧を意味する。当業者は、これらの一般的な電圧範囲が米国外では異なることを理解する。
用語「不透明」は、本明細書において、少なくとも自然光(すなわち、日光)を遮断する材料である。言い換えれば、不透明材料は、約250nm〜約800nmの波長を有する光エネルギーを通さない。
用語「ポリマー」は、同じ又は異なる種類のモノマーを重合することにより調製される高分子化合物である。「ポリマー」には、ホモポリマー、共重合体、ターポリマー、インターポリマーなどが含まれる。用語「インターポリマー」は、少なくとも2種類のモノマー又はコモノマーの重合により調製されるポリマーである。それには、限定されるものではないが、共重合体(通常、2つの異なる種類のモノマー又はコモノマーから調製されるポリマーをさす)、ターポリマー(通常、3つの異なる種類のモノマー又はコモノマーから調製されるポリマーをさす)、テトラポリマー(通常、4つの異なる種類のモノマー又はコモノマーから調製されるポリマーをさす)、及び同類のものが含まれる。
「遮蔽層」は、半導電性であってもよいし、抵抗性であってもよい。半導電特性を有する遮蔽層の体積抵抗率値は、90℃で測定した場合に、1000Ω−m未満、又は500Ω−m未満である。抵抗特性を有する遮蔽層は、半導電層よりも大きい体積抵抗率値を有する。抵抗特性を有する遮蔽層は、一般に、約10よりも大きい誘電率を有する。
試験方法
メルトインデックス(MI)は、エチレン系ポリマーについて、ASTM D 1238−01試験法に従って190℃で2.16kg重量で測定される。
限定でなく一例として、本開示の実施例が提供される。
実施例
サンプル調製
ポリエチレンホモポリマー(0.92g/cc、MI2.0g/10分)を、ブラベンダー混合ボウル中で溶融流動させ(melt fluxed)、その後、電圧安定剤をポリエチレンの中に目標混合温度及び30rpmで5分間溶融配合して、確実に適切な組み込みを行う。ポリマー組成物を混合ボウルから取り出し、圧縮成形して0.25インチ厚さのスラブとする。圧縮成形は、300〜500psiの圧力及び140℃の温度を3分間用いて達成され、その後、サンプルを140℃でさらに3分間維持する間に、圧力を2000psiよりも上に上昇させる。次に、サンプルが冷める間、この高圧を維持する。
1インチ平方の試験片をスラブから打ち抜き、主軸の1つに沿って0.5インチの深さまで予め穴を開ける。鋼の針(60°コーン、先端半径3μm)を、予め開けた穴の中に挿入し、ジグの中に設置して高温下での挿入を完了する。ジグ全体を、105℃で1時間、循環エアオーブン中で状態調整し、その後、105℃のオーブン中に残っている間に、針を5分に約1mmの速度で軟化したポリマーの中に進める。針は停止するまで進められ、それは、約1.9mmの点−平面距離をもたらす。
一連の試験片に、6kV 60Hzの印加電圧を30分間与え、その後30分ごとに印加電圧を1kV増加させ、最大18kVの試験電圧まで増加させる。各々の試験片に対する絶縁破壊電圧を、当てはめたワイブル故障分布の尺度パラメータとして、特性電圧の評価のために記録する。
実施例1は、Cytec Industries社より入手可能な、1.4重量%のCYASORB(登録商標)UV−1164、2−[4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−5−(オクチルオキシ)フェノール(CAS 2725−22−6)を含有するLDPEである。
実施例2は、2.8重量%のCYASORB(登録商標)UV−1164を含有するLDPEである。
比較例Aは、140℃の温度で電圧安定剤を混合されていないLDPEである。
比較例Bは、ヒンダードアミン安定剤である、Chimassorb 944を1重量%含有するLDPEである。
比較例Cは、光安定剤である、Cyassorb UV−3346を1重量%含有するLDPEである。
比較例A(CS−A)
比較例Aの一連の18個の試験片を、2パラメータのワイブル故障分布に当てはめる。データは、不十分な相関をもたらす有意な非線形性を示す(r^2は0.75)。3パラメータのワイブル故障分布は、故障分布を説明するのにより適していることが見出され(r^2は0.88)、オフセットt0=8.8kVである。3パラメータのワイブルの特性電圧の11.7kVは、10.7〜13.7kVに及ぶ90%信頼区間で、比較例Aについて測定される。
比較例B(CS−B)
比較例Bの組成物は、140℃の配合温度を用いて、LDPE対照(比較例A)と同じ方法によって調製する。10個の試験片を調製し、針電圧−立ち上がり絶縁破壊試験によって評価する。
比較例C(CS−C)
比較例Cの組成物は、140℃の配合温度を用いて、LDPE対照(比較例A)と同じ方法によって調製する。9個の試験片を調製し、針電圧−立ち上がり絶縁破壊試験によって評価する。
実施例1の9個の試験片を評価する、けれども9個のうちの4個がなお最大18kVの試験電圧を通して電圧ランプを生き延びる。これらの残存体は、ワイブル統計分析に「保留」として含められる(故障電圧は、>18kV)。実施例1の2パラメータの特性電圧は、18.5kVであると決定され、故障分布は良好に適合する(r^2=0.97)。
実施例2の8個の試験片を評価する、けれども8個のうちの3個がなお最大18kVの試験電圧を通して電圧ランプを生き延びる。これらの残存体は、ワイブル統計分析に「保留」として含められる(故障電圧は、>18kV)。実施例2の2パラメータの特性電圧は、17.5kVであると決定され、故障分布は良好に適合する(r^2=0.85)。
実施例1及び2に関して決定される特性電圧は類似し、比較例Aのものよりも高い。実施例1と2の間に統計上の区別はないので、電圧安定剤の存在の影響を表すためには故障分布を単一のサンプルセットに組み合わせることが有用である。実施例1及び2の複合故障分布は、17.7kVの特性電圧をもつ2パラメータのワイブル分布に良好に適合することが見出され(r^2は0.97)、90%信頼区間は16.0〜22.2kVに及ぶ。
3パラメータのワイブル適合を、(比較例Aに対して行ったように)複合故障分布に利用する場合、複合材料分布に対して得られる特性電圧は18.7kV(r^2=0.97)であり、90%信頼区間は15.8〜23.8kVに及ぶ。オフセットt0は、5.4kVであると推定される。
複合故障分布の信頼下限と比較例Aについての故障分布の信頼上限の間が分離していることは、本開示に記載される電圧安定剤を使用することにより有利となった特性電圧を明らかに実証する。
絶縁破壊試験の結果を下の表1に示す。
表1は、全ての光安定剤が電圧安定剤として効果的であるというわけではないことを示す。CS−B及びCS−C(それぞれが光安定剤を含有)は、CS−B及びCS−Cの各々が、LDPE単独(CS−A)の絶縁破壊電圧よりも低い絶縁破壊電圧を有するので、効果的な電圧安定組成物でない。CS−B及びCS−Cの結果は、光安定剤を電圧安定剤として利用することが予測不可能であることを示す。
驚くべきことに、かつ予想外に、実施例1及び2は各々、(i)LDPE単独(CS−A)を考えると、改良された絶縁破壊強度を示し、(ii)その他の光安定化組成物(CS−B、CS−C)と比較して改良された絶縁破壊強度を示す。本出願者らは驚くべきことに、構造(I)のトリアジンが、予測不可能に、改良された電圧安定性を被覆導体の絶縁層にもたらすことを見出した。構造(I)のトリアジンによりもたらされる電圧安定性は、光安定剤が効果的な電圧安定剤として予測不可能であることを考えると、予想外である。
本開示は、本明細書に記載される実施形態及び実例に限定されるものでなく、それらの実施形態の変形形態を含むことが特に意図され、それには実施形態の部分、及び以下の特許請求の範囲内となる様々な実施形態の要素の組合せが含まれる。

本発明は以下の態様を包含し得る。
[1] 導体;
最も外側の不透明層;
前記導体の上にあり、前記導体と前記最外層との間に位置している内部層
を備える被覆導体であって、前記内部層が、
ポリオレフィン;及び
構造(I)のトリアジン

を含むポリマー組成物を含み、
上式で、R −R は同じであるか又は異なり、R −R の各々は、水素、C −C 30 ヒドロカルビル基、置換C −C 30 ヒドロカルビル基、ヒドロキシル基、及びそれらの組合せからなる群から選択される、被覆導体。
[2] 前記ポリオレフィンが、ポリエチレンである、上記[1]に記載の被覆導体。
[3] 前記ポリオレフィンが、架橋ポリエチレンである、上記[1]に記載の被覆導体。
[4] R −R のうちの少なくとも1つが、C −C 30 ヒドロカルビル基である、上記[1]から[3]のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
[5] R −R のうちの少なくとも1つが、置換C −C 30 ヒドロカルビル基である、上記[1]から[3]のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
[6] R −R のうちの少なくとも1つが、アリール基を含む、上記[1]から[5]のいずれか一項に記載の被覆導体。
[7] R −R の各々が、アリール基を含む、上記[1]から[6]のいずれか一項に記載の被覆導体。
[8] 約0.1重量%〜約3重量%のトリアジンを含む、上記[1]から[7]のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
[9] 前記被覆導体が、中電圧電力ケーブル、高電圧電力ケーブル、及び超高電圧電力ケーブルからなる群から選択される、上記[1]から[8]のいずれか一項に記載の被覆導体。
[10] 前記内部層が絶縁層である、上記[1]から[9]のいずれか一項に記載の被覆導体。
[11] 前記内部層が遮蔽層である、上記[1]から[9]のいずれか一項に記載の被覆導体。
[12] 前記トリアジンが、構造(II)

を有する、上記[1]から[11]のいずれか一項に記載の被覆導体。

Claims (5)

  1. 導体;
    最も外側の不透明層;
    前記導体の上にあり、前記導体と前記最外層との間に位置している内部層
    を備える被覆導体であって、
    前記内部層が、
    ポリオレフィン;及び
    構造(I)のトリアジン
    を含むポリマー組成物を含み、
    上式で、R−Rは同じであるか又は異なり、R−Rの各々は、水素、C−C30ヒドロカルビル基、置換C−C30ヒドロカルビル基、ヒドロキシル基、及びそれらの組合せからなる群から選択される、被覆導体。
  2. 前記ポリオレフィンが、ポリエチレンである、請求項1に記載の被覆導体。
  3. 前記ポリオレフィンが、架橋ポリエチレンである、請求項1に記載の被覆導体。
  4. −Rのうちの少なくとも1つが、C−C30ヒドロカルビル基である、請求項1に記載のポリマー組成物。
  5. 前記ポリマー組成物が、前記トリアジンを0.1〜3重量%含み、
    前記トリアジンが、構造(II)
    を有する、請求項1に記載の被覆導体。
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