JP5868217B2 - 膜分離活性汚泥処理方法およびシステム - Google Patents

膜分離活性汚泥処理方法およびシステム Download PDF

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Description

本発明は、膜分離活性汚泥処理方法およびシステムに関し、生物反応槽の槽内混合液を固液分離する膜分離装置の分離膜に生じるファウリングを抑制する技術に係るものである。
従来、膜分離活性汚泥法(MBR:Membrane Bio Reactor)は、清浄な処理水を確保できる優れた水処理技術である。しかし、膜のファウリングを過剰に引き起こすと安定した水処理性能を実現できない欠点を有している。とりわけ、冬期低温時のファウリングならびにそれに伴う処理能力の低下は大きな課題として位置づけられている。
このファウリングを抑制する技術には、例えば特許文献1に示すものがある。これは、膜分離活性汚泥法により廃水の処理を行なうもので、膜が目づまりする前に目づまりのリスクを評価するものであり、有機性廃水の全有機物量を示す指標とBOD(生物学的酸素要求量:Biochemical Oxygen Demand)値とを用いてBOD−汚泥負荷の上限値を求め、活性汚泥槽におけるBOD−汚泥負荷が前記上限値を上回らないように調整する。
また、特許文献2に示すものは、排水をばっき槽内で生物学的に処理し、ばっき槽内の浮遊性固形物を膜分離装置により分離処理するものであり、膜分離装置の濾過性能を所定性能に保持するように、若しくは浄化水のBOD除去率を95%以上とするように、ばっき槽内のMLSS(活性汚泥浮遊物:Mixed Liquor Suspended Solids)量をばっき槽内水温に応じて調節する。
WO2008/035710 特開2001−025791
しかしながら、特許文献1は、有機性廃水の生分解性の難易を評価して膜の目詰まりのリスクを評価し、難生分解性の有機性廃水を処理するときはBOD−汚泥負荷の上限値を低く設定し、易生分解性の有機性廃水を処理するときはBOD−汚泥負荷の上限値を高く設定し、活性汚泥槽におけるBOD−汚泥負荷を前記上限値以下に制御して運転するものであり、水温の変化に因る活性汚泥の性状の変化を考慮していない。
このため、冬期に水温が低温となる場合に、BOD−汚泥負荷の上限値を高く設定し、BOD−汚泥負荷を一定に維持して運転を継続すると生物反応槽内の槽内混合液中の有機物濃度が上昇し、結果として膜の透過流束の低下を招くことになる。
したがって、低温時には易生分解性の有機性廃水であっても、BOD−汚泥負荷の上限値を低く設定して運転する必要があり、安定した処理量を確保することができない。
また、ファウリングを起こす原因物質としては、生物由来ポリマー以外にBODには反映されない有機物もあるので、有機性廃水の生分解性の難易だけでは膜の目詰まりのリスクを正確に評価することはできない。
さらに、有機性廃水の生分解性の難易を評価し、平均膜ろ過流速を考慮してBOD−汚泥負荷の上限値を設定する場合には、上限値が必要以上に低い値に設定されることがあり、活性汚泥濃度を高く設定する必要や流入する有機性廃水量に対して活性汚泥量を高めるために生物反応槽を大型化する必要がある。また、平均膜ろ過流速を低減させてBOD−汚泥負荷の上限値を高める場合に、必要な膜面積が増加して膜分離装置が大型化する問題がある。
ファウリングの原因物質は、膜の細孔径や細孔分布、膜材質等によって異なるので、ファウリングの原因物質を特定し、その物質の量、濃度等を制御したり、濃度に応じた運転をすることによってファウリングの抑制を一律に行なうことは出来ず、膜の種類に依らないファウリング抑制技術が求められている。
特許文献2は、各水温における適切なMLSSを定めるものであり、低水温時に膜のファウリングが発生し易いことは事実で、低水温時にファウリングを抑制するより効率的な技術が望まれている。しかしながら、膜のファウリングを抑制するのに適したMLSSの適当量は水温のみによっては定まらず、BOD−汚泥負荷が小さい場合には、低水温下であってもMLSSを高く維持せずとも膜のファウリングを抑制することは可能であり、BOD−汚泥負荷が大きい場合には、高水温下であってもMLSSを低く維持するとファウリングの原因物質が増加して膜のファウリングを抑制できない。
本発明は上記した課題を解決するものであり、ファウリングの原因物質の増減、ファウリングの原因物質が増減する大きな要因であるBOD−汚泥負荷の変動、活性汚泥に影響を与える水温の臨界的温度を捉えて適切なMLSSに調整して膜のファウリングを抑制することが可能な膜分離活性汚泥処理方法およびシステムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の膜分離活性汚泥処理方法は、被処理水を生物反応槽内で活性汚泥により生物処理し、生物反応槽の槽内混合液を膜分離装置で固液分離して分離膜を透過した膜ろ過水を槽外に取り出す膜分離活性汚泥処理方法において、COD、BOD、TOC、全糖濃度、タンパク質濃度、ウロン酸濃度、E260の何れかに基づいて有機物濃度を求め、槽内混合液中の液相の有機物濃度と膜ろ過水の有機物濃度との濃度差、または槽内混合液中の液相の有機物濃度と膜ろ過水の有機物濃度との濃度比率を調整指標として、調整指標が増加したときに生物反応槽内の活性汚泥量を増加させ、調整指標が減少したときに生物反応槽内の活性汚泥量を減少させて、分離膜のファウリングを抑制することを特徴とする。
本発明の膜分離活性汚泥処理方法において、槽内混合液の水温が所定値未満に変位し、かつ調整指標が設定値以上に変位したときに、活性汚泥量を高位設定値に調整維持する高MLSS運転に遷移し、槽内混合液の水温が所定値以上に変位し、かつ調整指標が設定値未満に変位したときに、活性汚泥量を低位設定値に調整維持する低MLSS運転に遷移することを特徴とする。
本発明の膜分離活性汚泥処理方法において、高MLSS運転は、槽内混合液の水温が所定値未満に変位し、かつ調整指標が設定値以上に変位したときに行なう活性汚泥量増加運転と、活性汚泥量が高位設定値に達したときに活性汚泥量増加運転から切り替えて行なう活性汚泥量高位一定運転からなり、低MLSS運転は、槽内混合液の水温が所定値以上に変位し、かつ調整指標が設定値未満に変位したときに行なう活性汚泥量低減運転と、活性汚泥量が低位設定値に達したときに活性汚泥量低減運転から切り替えて行なう活性汚泥量低位一定運転からなることを特徴とする。
本発明の膜分離活性汚泥処理方法において、調整指標が設定値以上において増加傾向で遷移する間は活性汚泥量増加運転を行ない、調整指標が設定値以上において減少傾向で遷移する間は活性汚泥量現状維持運転を行ない、調整指標が設定値未満において減少傾向で遷移する間は活性汚泥量低減運転を行ない、調整指標が設定値未満において増加傾向で遷移する間は活性汚泥量現状維持運転を行なうことを特徴とする。
本発明の膜分離活性汚泥処理方法において、槽内混合液の水温が所定値未満において遷移する下では、調整指標が設定値以上において増加傾向で遷移する間に活性汚泥量増加運転を行ない、調整指標が設定値以上において減少傾向で遷移する間に活性汚泥量現状維持運転を行ない、調整指標が設定値未満において減少傾向で遷移する間に活性汚泥量低減運転を行ない、調整指標が設定値未満において増加傾向で遷移する間に活性汚泥量現状維持運転を行ない、槽内混合液の水温が所定値以上において遷移する下では、調整指標が設定値以上において増加傾向で遷移する間に活性汚泥量増加運転を行ない、活性汚泥量が高位設定値に達したときに活性汚泥量増加運転から切り替えて活性汚泥量高位一定運転を行ない、調整指標が設定値以上において減少傾向で遷移する間に活性汚泥量現状維持運転を行ない、調整指標が設定値未満に変位したときに活性汚泥量低減運転を行ない、活性汚泥量が低位設定値に達したときに活性汚泥量低減運転から切り替えて活性汚泥量低位一定運転を行なうことを特徴とする。
本発明の膜分離活性汚泥処理システムは、被処理水を活性汚泥により生物処理する生物反応槽と、生物反応槽の槽内混合液を固液分離して分離膜を透過した膜ろ過水を槽外に取り出す膜分離装置と、生物反応槽内の活性汚泥量を測定する活性汚泥量測定手段と、槽内混合液中の液相の有機物濃度および膜ろ過水の有機物濃度を測定する有機物濃度測定手段と、槽内混合液中の液相の有機物濃度と膜ろ過水の有機物濃度との濃度差を調整指標として生物反応槽内の活性汚泥量を調整する調整手段を備え、
有機物濃度測定手段は、COD、BOD、TOC、全糖濃度、タンパク質濃度、ウロン酸濃度、E260の何れかに基づいて有機物濃度を求め、
調整手段は、調整指標が増加したときに生物反応槽内の活性汚泥量を増加させ、調整指標が減少したときに生物反応槽内の活性汚泥量を減少させて、分離膜のファウリングを抑制することを特徴とする。
本発明の膜分離活性汚泥処理システムにおいて、調整手段は、調整指標が設定値以上に変位したときは活性汚泥量を高位設定値に調整維持する高MLSS運転に遷移し、調整指標が設定値未満に変位したときは活性汚泥量を低位設定値に調整維持する低MLSS運転に遷移して生物反応槽内の活性汚泥量を調整することを特徴とする。
本発明の膜分離活性汚泥処理システムにおいて、生物反応槽の槽内混合液の水温を測定する水温測定手段を有し、調整手段は、槽内混合液の水温が所定値未満に変位し、かつ調整指標が設定値以上に変位したときに、活性汚泥量を高位設定値に調整維持する高MLSS運転に遷移し、槽内混合液の水温が所定値以上に変位し、かつ調整指標が設定値未満に変位したときに、活性汚泥量を低位設定値に調整維持する低MLSS運転に遷移して生物反応槽内の活性汚泥量を調整することを特徴とする。
本発明の膜分離活性汚泥処理システムにおいて、調整手段は、生物反応槽内の活性汚泥を取り出す汚泥取出し装置と、活性汚泥量測定手段の測定値に基づいて汚泥取出し装置の運転を制御し、有機物濃度測定手段の測定値から定まる調整指標に応じて生物反応槽内の活性汚泥量を高MLSS運転の高位設定値もしくは低MLSS運転の低位設定値に調整する制御部を有することを特徴とする。
本発明の膜分離活性汚泥処理システムにおいて、調整手段は、生物反応槽内の活性汚泥を取り出す汚泥取出し装置と、活性汚泥量測定手段の測定値に基づいて汚泥取出し装置の運転を制御し、有機物濃度測定手段の測定値から定まる調整指標および水温測定手段の測定値に応じて生物反応槽内の活性汚泥量を高MLSS運転の高位設定値もしくは低MLSS運転の低位設定値に調整する制御部を有することを特徴とする。
以上のように本発明は、生物反応槽内におけるファウリングの原因物質の増加を、膜分離装置の分離膜を透過しない有機物の増加として捉えることにより、また、活性汚泥に影響を与える水温の臨界的温度を捉えることにより、膜のファウリングの危険性を評価し、適切なMLSS量に調整して膜のファウリングを抑制することができる。
本発明の実施の形態における膜分離活性汚泥処理システムを示す模式図 膜分離活性汚泥処理を行なう下水処理施設における膜分離槽汚泥中の有機物濃度の推移を示すグラフ図 活性汚泥槽水温と有機物の濃度差と活性汚泥量の相関を示すグラフ図 活性汚泥槽水温と有機物の濃度差と活性汚泥量の相関を示すグラフ図 活性汚泥槽水温と有機物の濃度差と活性汚泥量の相関を示すグラフ図 汚泥性状とMLSSの相関を示すグラフ図 汚泥性状とSRTの相関を示すグラフ図 汚泥性状とBOD−MLSS負荷の相関を示すグラフ図 濃度比C1/C2と汚泥c−Fluxの関係を示すグラフ図
はじめに、本発明者らが得た知見について説明する。
本発明者らは、産業廃水を対象にした小型試験系MBRにおいて膜のファウリングに影響を与える運転制御因子について検討した。
表1は試験に供する小型試験系MBRの試験条件を示す。膜は浸漬型平膜を用いた。表1に示す条件の下で、対象排水:大豆加工排水、水温:19℃から20℃、MLSS:5段階、試験期間86日間の膜分離活性汚泥処理を行なった結果を表2に示す。
Figure 0005868217
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図6は表2の試験結果から汚泥性状とMLSS濃度の相関を示すグラフ図であり、(a)は汚泥性状の変化を示す指標として汚泥c−Fluxを用いるものであり、(b)は汚泥性状の変化を示す指標として汚泥上澄水のTOC(全有機炭素:Total Organic Carbon)と膜ろ過水のTOCとの差(有機物の濃度差)を用いるものであり、(c)は汚泥性状の変化を示す指標として汚泥上澄水の全糖濃度と膜ろ過水の全糖濃度との差(有機物の濃度差)を用いるものである。
汚泥c−Fluxとは、フラックスと膜間差圧の関係が線型から外れるフラックスであり、以下のように測定した。非汚染膜を評価したい活性汚泥中に浸漬させ、所定の運転フラックスで30分間ろ過運転したときの最終膜間差圧を測定した。この測定をフラックス0.1m3/m2/dから始め、段階的に0.1m3/m2/d程度ずつ上昇させ行なった。測定結果を横軸:運転フラックス、縦軸:膜間差圧のグラフにプロットすると双線型性を示すので、2本の回帰直線を引いて交差する点のフラックスを汚泥c−Fluxとした。汚泥c−Fluxが高いほど、その活性汚泥はファウリングが起こり難い性状であり、高フラックスで運転ができる活性汚泥と判断することができる。
図7は表2の試験結果から汚泥性状とSRT(汚泥滞留時間:sludge retention time)の相関を示すグラフ図であり、(a)は汚泥性状の変化を示す指標として汚泥c−Fluxを用いるものであり、(b)は汚泥性状の変化を示す指標として汚泥上澄水のTOCと膜ろ過水のTOCとの差(有機物の濃度差)を用いるものであり、(c)は汚泥性状の変化を示す指標として汚泥上澄水の全糖濃度と膜ろ過水の全糖濃度との差(有機物の濃度差)を用いるものである。
図8は表2の試験結果から汚泥性状とBOD−MLSS負荷の相関を示すグラフ図であり、(a)は汚泥性状の変化を示す指標として汚泥c−Fluxを用いるものであり、(b)は汚泥性状の変化を示す指標として汚泥上澄水のTOCと膜ろ過水のTOCとの差(有機物の濃度差)を用いるものであり、(c)は汚泥性状の変化を示す指標として汚泥上澄水の全糖濃度と膜ろ過水の全糖濃度との差(有機物の濃度差)を用いるものである。
表1の試験条件に示すように、1系から5系へ順次にMLSSを増加させた場合に、図6(a)に示すように、MLSSが高くなるほどに膜の汚泥c−Fluxは高くなり、図6(b)に示すように、MLSSが高くなるほどに汚泥上澄水のTOCと膜ろ過水のTOCとの差は低くなり、図6(c)に示すように、MLSSが高くなるほどに汚泥上澄水の全糖濃度と膜ろ過水の全糖濃度との差が低くなる。
また、表2に示すように、1系から5系へ順次にSRTは長くなり、図7(a)に示すように、SRTが長くなるほどに膜の汚泥c−Fluxは高くなり、図7(b)に示すように、SRTが長くなるほどに汚泥上澄水のTOCと膜ろ過水のTOCとの差は低くなり、図7(c)に示すように、SRTが長くなるほどに汚泥上澄水の全糖濃度と膜ろ過水の全糖濃度との差が低くなる。
また、表2に示すように、1系から5系へ順次にBOD−MLSS負荷は減少し、図8(a)に示すように、BOD−MLSS負荷が低くなるほどに膜の汚泥c−Fluxは高くなり、図8(b)に示すように、BOD−MLSS負荷が低くなるほどに汚泥上澄水のTOCと膜ろ過水のTOCとの差は低くなり、図8(c)に示すように、BOD−MLSS負荷が低くなるほどに汚泥上澄水の全糖濃度と膜ろ過水の全糖濃度との差が低くなる。
この結果から、MLSS濃度が低いほどに、SRTが短いほどに、あるいはBOD−MLSS負荷が高いほどに、汚泥上澄水のTOCと膜ろ過水のTOCとの差が大きくなり、それに伴って汚泥c−Fluxが低くなってファウリングが起こり易い状態になっていることが確認できた。汚泥上澄水の全糖濃度と膜ろ過水の全糖濃度の差についても同様の結果であった。
次に、図2は下水を対象にしたMBRにおける汚泥性状の経日変化を水温の変化と共に示すものであり、汚泥性状の変化を示す指標としてTOC、全糖濃度、タンパク質濃度、ウロン酸濃度、E260(紫外線吸光度:波長260nm)を用いるものであり、図2において各指標は生物反応槽の汚泥上澄水中の値と膜ろ過水中の値との差(有機物の濃度差)を示しており、有機物の濃度差を示す指標が高くなることは、生物反応槽内で分離膜を透過しない有機物の濃度が高まっていることを示している。
図2に示すように、水温が20℃よりも低くなる頃から生物反応槽内の有機物濃度差が高まり、水温が20℃よりも高くなる頃から生物反応槽内の有機物濃度差が低下することを確認した。
以上の知見に基づく本発明の実施の形態を以下に図面に基づいて説明する。図1において膜分離活性汚泥処理システムは、被処理水を活性汚泥により生物処理する生物反応槽1と、被処理水として有機性廃水を供給する原水供給系2と、生物反応槽1の槽内混合液を固液分離して分離膜を透過した膜ろ過水を槽外に取り出す膜分離装置3と、生物反応槽1の槽内混合液中の活性汚泥濃度を測定する活性汚泥濃度測定手段をなす活性汚泥濃度測定装置4と、槽内混合液中の液相の有機物濃度および膜ろ過水の有機物濃度を測定する有機物濃度測定手段をなす有機物濃度測定装置5、6と、槽内混合液中の液相の有機物濃度と膜ろ過水の有機物濃度との濃度差を調整指標として生物反応槽内の活性汚泥量を調整する調整手段をなす調整装置7を備えている。
本実施の形態において、槽内混合液中の液相の有機物濃度とは、槽内混合液を遠心分離、ろ過、沈殿分離等によって活性汚泥等のSS成分を除去した分離水中の有機物濃度を意味する。
活性汚泥量は活性汚泥濃度測定装置4で測定した活性汚泥濃度と槽内混合液量から算出することができる。生物反応槽内の液位を一定にて運転する場合は、活性汚泥濃度と活性汚泥量は比例関係にあるので、活性汚泥濃度を調整する運転方法であっても、本発明の実施において何ら支障はない。生物反応槽内の液位を変動させて活性汚泥量を調整する場合は、生物反応槽の液位を測定する液位計を設け、その測定値と水槽断面積から槽内混合液量を求め、それに活性汚泥濃度を乗じて活性汚泥量を算出ことになり、これらの計算は制御部72で実行させることができる。
生物反応槽1には、槽内混合液の曝気と膜分離装置3の膜面洗浄を兼ねて空気を散気する散気装置11が膜分離装置3の下方に設けてあり、散気装置11にはブロア12が接続している。また、生物反応槽1には槽内の水温を測定する水温計102を設けている。原水供給系2の上流側には流量調整槽やスクリーン等の設備(図示省略)が設けられており、原水供給系2を通して生物反応槽1には、前処理によりし渣等の夾雑物を除去した有機性廃水が流入する。
本実施の形態では膜分離装置3として生物反応槽1の内部に浸漬するタイプの浸漬型膜分離装置を使用する構成を説明するが、膜分離装置3には槽外に配置するもの等種々の型式のものを使用することができ、分離膜は、精密ろ過膜、限外ろ過膜の何れでもよく、平膜、中空糸膜等を使用することができ、膜材質も問わず、本発明において膜分離装置3および分離膜を限定する要素はない。
膜分離装置3は膜ろ過水を取り出す吸引系31が二次側に接続し、吸引系31には膜分離装置3に駆動圧を与える吸引ポンプ32が介装されており、吸引系31の途中に有機物濃度測定装置6が接続している。本実施の形態では強制吸引ろ過式の膜分離装置3を開示するが、重力ろ過式のものを用いることも可能である。
本実施の形態では活性汚泥濃度測定装置4としてMLSS計を生物反応槽1に配置している。本実施の形態では生物反応槽1に配置する有機物濃度測定装置5および吸引系31に接続する有機物濃度測定装置6としてTOC計を使用するが、COD(化学的酸素要求量:Chemical Oxygen Demand)、BOD、TOD(全酸素要求量:Total Oxygen Demand)、糖濃度、タンパク質濃度、紫外線吸光度を測定する測定器を使用することも可能である。生物反応槽1の液相の有機物濃度を測定する有機物濃度測定装置5は、活性汚泥を含む槽内混合液を遠心分離、沈殿分離、脱水、ろ過等によって分離処理した処理水の有機物濃度を測定する。
本実施の形態において調整装置7は、生物反応槽1の活性汚泥を取り出す汚泥取出し装置71と、制御部72を基本要素とし、生物反応槽1にBOD源としてアルコール等を添加するBOD源供給部73を付加的要素として設けており、吸引ポンプ32も付加的要素とすることが可能である。
汚泥取出し装置71は生物反応槽1から余剰汚泥を引き出す余剰汚泥引抜系711と、余剰汚泥引抜系711に介装した汚泥引抜ポンプ712からなる。
制御部72には、ブロア12、水温計102、吸引ポンプ32、活性汚泥濃度測定装置4、有機物濃度測定装置5、6、BOD源供給部73、汚泥引抜ポンプ712が電気的に接続しており、制御部72は水温計102の測定値、活性汚泥濃度測定装置4の測定値、有機物濃度測定装置5、6の測定値等々を入力値としてブロア12、吸引ポンプ32、汚泥引抜ポンプ712、BOD源供給部73を制御する。
尚、本発明の膜分離活性汚泥処理方法を実施する場合には、例えば、有機物濃度測定装置5で測定した測定値を人が制御部72に入力するようにしてもよい。また、制御部72で算出した結果に基づき、人が汚泥引抜ポンプ712の稼動状態を調節して汚泥引抜き量を調整してもよく、あるいは制御部72によらず人的操作によって汚泥引抜き量を調整してもよい。
上記した構成の作用を以下に説明する。
[基本運転]
原水供給系2から有機性廃水を生物反応槽1に供給し、生物反応槽1において活性汚泥により生物処理する。生物反応槽1の槽内混合液を膜分離装置3で固液分離して分離膜を透過した膜ろ過水を吸引ポンプ32により吸引系31を通して槽外に取り出す。
生物反応槽1の活性汚泥量は、系内に流入する有機物量の増減、季節による温度変化等を変動要因として増減するが、安定した環境下では基本的に増加する傾向にある。
このため、制御部72は、活性汚泥濃度測定装置4の測定値に基づいて汚泥取出し装置71の汚泥引抜ポンプ712の運転を制御し、余剰汚泥引抜系711を通して系外へ引き抜く余剰汚泥の量を調整することで、生物反応槽1の活性汚泥量を制御目標の設定値に維持する。
さらに、制御部72は、季節による温度変化や系内に流入する有機物量の増減に対応して生物反応槽1の活性汚泥量を調整するために、槽内混合液中の液相の有機物濃度と膜ろ過水の有機物濃度に因る調整指標に基づいて生物反応槽1の活性汚泥量の設定値を調整する。
すなわち、制御部72は、有機物濃度測定装置5、6の測定値から定まる調整指標の濃度差、つまり槽内混合液中の液相の有機物濃度と膜ろ過水の有機物濃度との濃度差を求め、この有機物の濃度差を調整指標として生物反応槽1における活性汚泥量の設定値を高MLSS運転の高位設定値もしくは低MLSS運転の低位設定値に調整する。高MLSS運転は有機物の濃度差が設定値以上に変位したとき実行する運転モードであり、活性汚泥量を高位設定値に調整維持する。低MLSS運転は有機物の濃度差が設定値未満に変位したときに実行する運転モードであり、活性汚泥量を低位設定値に調整維持する。
制御部72は高MLSS運転へ遷移するとき、低MLSS運転へ遷移するときに水温計102の測定値を調整指標の一つとして用いる。
すなわち、槽内混合液の水温が所定値未満に変位し、かつ有機物の濃度差が設定値以上に変位したときに、活性汚泥量を高位設定値に調整維持する高MLSS運転に遷移し、槽内混合液の水温が所定値以上に変位し、かつ有機物の濃度差が設定値未満に変位したときに、活性汚泥量を低位設定値に調整維持する低MLSS運転に遷移して生物反応槽内の活性汚泥量を調整する。
本実施の形態において、生物反応槽1の通常運転での水温は20℃が好ましい。また、通常運転での活性汚泥量、つまり低位設定値は処理方式や系内に流入する有機性廃水の原水濃度によって設定する設計事項であるが、AO法(嫌気槽、好気槽)やA2O(嫌気槽、無酸素槽、好気槽)による下水処理の場合は活性汚泥濃度4000から12000mg/L程度とし、し尿等の高BOD廃水処理の場合は活性汚泥濃度6000から16000mg/L程度に設定する。BOD−MLSS負荷、BOD−容積負荷等の設計条件によって生物反応槽1の槽容量を決めることで、活性汚泥濃度×活性汚泥槽容量=低位設定値が得られる。高位設定値は低位設定値の1.5から4.0倍程度に設定し、BOD−MLSS負荷を0.1kg−BOD/kg−MLSS/日以下に設定するのが好ましい。
尚、生物反応槽1の液位が一定である場合は、活性汚泥濃度を設定値に代用できることは前述した通りである。
濃度差の設定値は、膜の種類、形状、運転条件や有機物濃度を表す指標によって異なり、それぞれの装置において個別に設定する。本実施の形態では、膜分離装置は精密ろ過膜を用いた浸漬型平膜とした。指標にTOCを採用し、濃度差の設定値はTOC10mg/Lとした。タンパク質濃度を指標とする場合に濃度差の設定値は8mg/L程度が好ましい。
以下に、制御の詳細を説明する。
1.制御パターンA
図3に示すように、水温の所定値:20℃、有機物の濃度差の設定値:TOC10mg/Lとして、槽内混合液の水温が20℃未満に変位し、かつ有機物の濃度差がTOC10mg/L以上に変位したときに、活性汚泥量を高位設定値に調整維持する高MLSS運転に遷移させる。
高MLSS運転では、槽内混合液の水温が所定値20℃未満に変位し、かつ有機物の濃度差が設定値TOC10mg/L以上に変位したときに活性汚泥量増加運転を行い、活性汚泥量が高位設定値に達したときに活性汚泥量増加運転から活性汚泥量高位一定運転に切り替える。
活性汚泥量増加運転では、基本的な操作として汚泥引抜ポンプ712による余剰汚泥の引抜量を抑制し、あるいは汚泥引抜ポンプ712の運転を停止する。必要に応じて生物反応槽1にBOD源供給部73からBOD源を添加してBOD−MLSS負荷を高くして汚泥濃度を高める。さらには、活性汚泥そのものを外部から投入する等々を行い、活性汚泥濃度、生物反応槽1の水位を調整して活性汚泥量を調節する。
活性汚泥量高位一定運転では、基本的な操作として汚泥引抜ポンプ712による余剰汚泥の引抜量を制御して、生物反応槽1の活性汚泥量を制御目標の高位設定値に維持する。必要に応じて生物反応槽1にBOD源を添加する。
低MLSS運転では、槽内混合液の水温が所定値20℃以上に変位し、かつ有機物の濃度差が設定値TOC10mg/L未満に変位したときに活性汚泥量低減運転を行い、活性汚泥量が低位設定値に達したときに活性汚泥量低減運転から活性汚泥量低位一定運転に切り替える。
活性汚泥量低減運転では、汚泥引抜ポンプ712による余剰汚泥の引抜量を増加させる。活性汚泥量低位一定運転では、基本的な操作として汚泥引抜ポンプ712による余剰汚泥の引抜量を制御して、生物反応槽1の活性汚泥量を制御目標の低位設定値に維持する。
有機物の濃度差の設定値、活性汚泥量の低位設定値および高位設定値は複数段階に設定することも可能である。

1段目:水温の所定値20℃、有機物の濃度差の設定値TOC10mg/L、活性汚泥の高位設定値14000mg/L
2段目:水温の所定値20℃、有機物の濃度差の設定値TOC14mg/L、活性汚泥の高位設定値18000mg/L
2.制御パターンB
図4に示すように、有機物の濃度差が設定値TOC10mg/L以上において増加傾向で遷移する間は活性汚泥量増加運転を行ない、有機物の濃度差が設定値TOC10mg/L以上において減少傾向で遷移する間は活性汚泥量現状維持運転を行ない、有機物の濃度差が設定値TOC10mg/L未満において減少傾向で遷移する間は活性汚泥量低減運転を行ない、有機物の濃度差が設定値TOC10mg/L未満において増加傾向で遷移する間は活性汚泥量現状維持運転を行なう。
有機物の濃度差の増加傾向の判定は、測定結果によって算出した濃度差と、前回測定時の濃度差との差に基づいて行い、前回測定時との差が正の場合に増加傾向と判定する。チャタリング防止のために、所定回数の測定操作を実施し、前回測定時との差が連続して正となる場合に増加傾向と判定しても良い。測定の頻度は1日1回や1時間に1回でも良いし、連続測定でも良い。連続測定を行なう場合は、一定時間毎の測定値を採用して判定しても良いし、一定時間毎の平均値を採用して判定しても良い。
有機物の濃度差の減少傾向の判定は、測定結果によって算出した濃度差と、前回測定時の濃度差との差に基づいて行い、前回時との差が負の場合に減少傾向と判定する。チャタリング防止および測定頻度は増加傾向の場合と同じである。
濃度差の差が0のとき、すなわち濃度差が増加傾向でも減少傾向でもない場合は、それまでの運転モードを継続するように設定するのがよい。また、濃度差が正あるいは負であっても、その値がある微小範囲内のときは、増加傾向でも減少傾向でもないと判定して、それまでの運転モードを継続するように設定してもよい。
3.制御パターンC
図5に示すように、槽内混合液の水温が所定値20℃未満において遷移する下では、有機物の濃度差が設定値TOC10mg/L以上において増加傾向で遷移する間に活性汚泥量増加運転を行ない、有機物の濃度差が設定値TOC10mg/L以上において減少傾向で遷移する間に活性汚泥量現状維持運転を行ない、有機物の濃度差が設定値TOC10mg/L未満において減少傾向で遷移する間に活性汚泥量低減運転を行ない、有機物の濃度差が設定値TOC10mg/L未満において増加傾向で遷移する間に活性汚泥量現状維持運転を行ない、槽内混合液の水温が所定値20℃以上において遷移する下では、有機物の濃度差が設定値TOC10mg/L以上において増加傾向で遷移する間に活性汚泥量増加運転を行ない、
活性汚泥量が高位設定値に達したときに活性汚泥量増加運転から切り替えて活性汚泥量高位一定運転を行ない、
有機物の濃度差が設定値TOC10mg/L以上において減少傾向で遷移する間に活性汚泥量現状維持運転を行ない、有機物の濃度差が設定値TOC10mg/L未満に変位したときに活性汚泥量低減運転を行ない、活性汚泥量が低位設定値に達したときに活性汚泥量低減運転から切り替えて活性汚泥量低位一定運転を行なう。
濃度差の増加傾向、減少傾向の判定および活性汚泥量増加運転、活性汚泥量低減運転、
活性汚泥量低位一定運転は前述した通りであり、活性汚泥量現状維持運転は活性汚泥量高位一定運転に準じて行なう。
また、水温の所定値は20℃としたが、複数段階に設定することも可能である。第2の所定値に例えば25℃を設定し、第2の所定値以上の温度では活性汚泥量現状維持運転を行なうようにすることもできる。
上述した実施例では、活性汚泥量の調整指標として槽内混合液中の液相の有機物濃度と膜ろ過水の有機物濃度との濃度差を用いたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば槽内混合液中の液相の有機物濃度C1と膜ろ過水の有機物濃度C2の濃度比率C1/C2を調整指標とすることができる。
Figure 0005868217
表3は、表2の試験結果からTOCと全糖濃度について計算した濃度比率C1/C2を示しており、図9は濃度比率C1/C2と汚泥c−Fluxとの関係を示したグラフ図である。汚泥c−Fluxが0.50m3/m2/d以上の状態が膜ファウリングの起こり難い状態と判断すると、汚泥c−Fluxが0.50m3/m2/dの時のC1/C2(TOC)=2.5、あるいはC1/C2(全糖濃度)=3.0を設定値として、本実施例と同様の運転制御を行うことができる。
1 生物反応槽
2 原水供給系
3 膜分離装置
4 活性汚泥濃度測定装置
5、6 有機物濃度測定装置
7 調整装置
11 散気装置
12 ブロア
31 吸引系
32 吸引ポンプ
71 汚泥取出し装置
72 制御部
73 BOD源供給部
102 水温計
711 余剰汚泥引抜系
712 汚泥引抜ポンプ

Claims (10)

  1. 被処理水を生物反応槽内で活性汚泥により生物処理し、生物反応槽の槽内混合液を膜分離装置で固液分離して分離膜を透過した膜ろ過水を槽外に取り出す膜分離活性汚泥処理方法において、
    COD、BOD、TOC、全糖濃度、タンパク質濃度、ウロン酸濃度、E260の何れかに基づいて有機物濃度を求め、槽内混合液中の液相の有機物濃度と膜ろ過水の有機物濃度との濃度差、または槽内混合液中の液相の有機物濃度と膜ろ過水の有機物濃度との濃度比率を調整指標として、調整指標が増加したときに生物反応槽内の活性汚泥量を増加させ、調整指標が減少したときに生物反応槽内の活性汚泥量を減少させて、分離膜のファウリングを抑制することを特徴とする膜分離活性汚泥処理方法。
  2. 槽内混合液の水温が所定値未満に変位し、かつ調整指標が設定値以上に変位したときに、活性汚泥量を高位設定値に調整維持する高MLSS運転に遷移し、槽内混合液の水温が所定値以上に変位し、かつ調整指標が設定値未満に変位したときに、活性汚泥量を低位設定値に調整維持する低MLSS運転に遷移することを特徴とする請求項1に記載の膜分離活性汚泥処理方法。
  3. 高MLSS運転は、槽内混合液の水温が所定値未満に変位し、かつ調整指標が設定値以上に変位したときに行なう活性汚泥量増加運転と、活性汚泥量が高位設定値に達したときに活性汚泥量増加運転から切り替えて行なう活性汚泥量高位一定運転からなり、
    低MLSS運転は、槽内混合液の水温が所定値以上に変位し、かつ調整指標が設定値未満に変位したときに行なう活性汚泥量低減運転と、活性汚泥量が低位設定値に達したときに活性汚泥量低減運転から切り替えて行なう活性汚泥量低位一定運転からなることを特徴とする請求項2に記載の膜分離活性汚泥処理方法。
  4. 調整指標が設定値以上において増加傾向で遷移する間は活性汚泥量増加運転を行ない、調整指標が設定値以上において減少傾向で遷移する間は活性汚泥量現状維持運転を行ない、調整指標が設定値未満において減少傾向で遷移する間は活性汚泥量低減運転を行ない、調整指標が設定値未満において増加傾向で遷移する間は活性汚泥量現状維持運転を行なうことを特徴とする請求項1に記載の膜分離活性汚泥処理方法。
  5. 槽内混合液の水温が所定値未満において遷移する下では、調整指標が設定値以上において増加傾向で遷移する間に活性汚泥量増加運転を行ない、調整指標が設定値以上において減少傾向で遷移する間に活性汚泥量現状維持運転を行ない、調整指標が設定値未満において減少傾向で遷移する間に活性汚泥量低減運転を行ない、調整指標が設定値未満において増加傾向で遷移する間に活性汚泥量現状維持運転を行ない、
    槽内混合液の水温が所定値以上において遷移する下では、調整指標が設定値以上において増加傾向で遷移する間に活性汚泥量増加運転を行ない、活性汚泥量が高位設定値に達したときに活性汚泥量増加運転から切り替えて活性汚泥量高位一定運転を行ない、調整指標が設定値以上において減少傾向で遷移する間に活性汚泥量現状維持運転を行ない、調整指標が設定値未満に変位したときに活性汚泥量低減運転を行ない、活性汚泥量が低位設定値に達したときに活性汚泥量低減運転から切り替えて活性汚泥量低位一定運転を行なうことを特徴とする請求項1に記載の膜分離活性汚泥処理方法。
  6. 被処理水を活性汚泥により生物処理する生物反応槽と、生物反応槽の槽内混合液を固液分離して分離膜を透過した膜ろ過水を槽外に取り出す膜分離装置と、生物反応槽内の活性汚泥量を測定する活性汚泥量測定手段と、槽内混合液中の液相の有機物濃度および膜ろ過水の有機物濃度を測定する有機物濃度測定手段と、槽内混合液中の液相の有機物濃度と膜ろ過水の有機物濃度との濃度差を調整指標として生物反応槽内の活性汚泥量を調整する調整手段を備え
    有機物濃度測定手段は、COD、BOD、TOC、全糖濃度、タンパク質濃度、ウロン酸濃度、E260の何れかに基づいて有機物濃度を求め、
    調整手段は、調整指標が増加したときに生物反応槽内の活性汚泥量を増加させ、調整指標が減少したときに生物反応槽内の活性汚泥量を減少させて、分離膜のファウリングを抑制することを特徴とする膜分離活性汚泥処理システム。
  7. 調整手段は、調整指標が設定値以上に変位したときは活性汚泥量を高位設定値に調整維持する高MLSS運転に遷移し、調整指標が設定値未満に変位したときは活性汚泥量を低位設定値に調整維持する低MLSS運転に遷移して生物反応槽内の活性汚泥量を調整することを特徴とする請求項6に記載の膜分離活性汚泥処理システム。
  8. 生物反応槽の槽内混合液の水温を測定する水温測定手段を有し、調整手段は、槽内混合液の水温が所定値未満に変位し、かつ調整指標が設定値以上に変位したときに、活性汚泥量を高位設定値に調整維持する高MLSS運転に遷移し、槽内混合液の水温が所定値以上に変位し、かつ調整指標が設定値未満に変位したときに、活性汚泥量を低位設定値に調整維持する低MLSS運転に遷移して生物反応槽内の活性汚泥量を調整することを特徴とする請求項6に記載の膜分離活性汚泥処理システム。
  9. 調整手段は、生物反応槽内の活性汚泥を取り出す汚泥取出し装置と、活性汚泥量測定手段の測定値に基づいて汚泥取出し装置の運転を制御し、有機物濃度測定手段の測定値から定まる調整指標に応じて生物反応槽内の活性汚泥量を高MLSS運転の高位設定値もしくは低MLSS運転の低位設定値に調整する制御部を有することを特徴とする請求項7に記載の膜分離活性汚泥処理システム。
  10. 調整手段は、生物反応槽内の活性汚泥を取り出す汚泥取出し装置と、活性汚泥量測定手段の測定値に基づいて汚泥取出し装置の運転を制御し、有機物濃度測定手段の測定値から定まる調整指標および水温測定手段の測定値に応じて生物反応槽内の活性汚泥量を高MLSS運転の高位設定値もしくは低MLSS運転の低位設定値に調整する制御部を有することを特徴とする請求項8に記載の膜分離活性汚泥処理システム。
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